(実施例1)
本発明を具体的に説明する前に、まず概要を述べる。本発明の実施例1は、複数の端末装置と、それらに接続可能な情報提供装置とを含む情報提供システムに関する。複数の端末装置のそれぞれを所持したユーザがともに行動することによってグループが形成される。グループにおいて意志決定を行う際、例えば、食事のために入店する飲食店を決定する際、グループにおける影響力が大きいユーザの嗜好が反映される場合がある。そのため、本実施例に係る情報提供装置は、複数の端末装置の位置情報を使用してグループを形成するとともに、グループ内の各ユーザの影響力を推定する。さらに、情報提供装置は、推定した影響力に基づき、グループに最適な情報を提供する。このようにして、グループに対して、位置情報に基づく情報が十分な精度で提供される。
次に、本実施例で提供される情報について説明する。情報提供装置は、グループに対してアイテムに関する情報を提供する。「アイテム」とは、ユーザによって利用される対象物全般を指す用語であり、例えば、店舗、商品、サービス、Webページ、デジタルコンテンツなどである。本実施例において、アイテムは、飲食店等の店舗である。すなわち、本実施例において、情報提供装置は、グループに対して飲食店等の店舗に関する情報を提供する。情報提供装置は、グループからの情報提供リクエストに応じて、アイテムに関する情報を提供してもよいし、情報提供リクエストの有無に関わらず、適当なタイミングでグループに対して情報を提供してもよい。以上が概要の説明である。
図1は、本発明の実施例1に係る情報提供システム100の構成を示す。情報提供システム100は、情報提供装置10、ネットワーク12、基地局装置14、端末装置16と総称される第1端末装置16a、第2端末装置16b、第3端末装置16c、第N端末装置16nを含む。
端末装置16は、無線通信システムに対応し、後述の基地局装置14に接続する。無線通信システムの一例は、携帯電話システム、無線LAN(Local Area Network)システム、業務用無線システム等であるが、これらに限定されない。端末装置16は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC(Personal Computer)、無線機等であり、ユーザが容易に持ち運び可能に構成される。端末装置16は、GPS(Global Positioning System)、無線LAN等による位置情報(緯度、経度など)の取得機能を有する。
基地局装置14は、一端側において、端末装置16と同一の無線通信システムに対応し、端末装置16を接続可能である。また、基地局装置14は、他端側において、ネットワーク12を接続する。ネットワーク12は、基地局装置14に接続される。ネットワーク12は、任意のものでよく、例えば、有線ネットワークでもよく、無線ネットワークでもよく、それらの組合せであってもよい。
情報提供装置10は、ネットワーク12に接続される。このような構成によって、端末装置16は、基地局装置14、ネットワーク12を介して情報提供装置10と通信可能である。そのため、端末装置16は、基地局装置14、ネットワーク12を介して情報提供装置10に、取得した位置情報を送信する。情報提供装置10は、受信した位置情報をもとに、端末装置16(ユーザ)のグループを形成し、当該グループに適した情報を選択する。情報提供装置10は、ネットワーク12、基地局装置14を介して端末装置16に情報を送信する。情報提供装置10における処理は後述するが、以下では、ユーザまたは/および端末装置16を意味する「主体」という用語と、ユーザIDまたは/および端末IDを意味する「主体識別子」という用語を用いる場合がある。
図2は、情報提供装置10の構成を示す。情報提供装置10は、受信部20、位置情報管理部22、グループ情報処理部24、アイテム選択部26、ユーザ情報格納部28、提供情報格納部30、送信部32、制御部34を含む。グループ情報処理部24は、グループ形成部40、ポイント算出部42を含む。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。例えば、情報提供装置10を構成する各部の機能を複数のコンピュータに分担させた分散処理システムを構築してもよい。その場合、グループ情報処理部24を第1のコンピュータに担当させ、アイテム選択部26を第2のコンピュータに担当させる等、機能毎に異なるコンピュータを対応させた分散処理を行ってもよいし、各々のコンピュータが情報提供装置10の全ての処理部を持つように構成してもよい。
以上の構成による情報提供システム100の動作を説明する。図3は、情報提供装置10による情報提供手順を示すフローチャートである。処理の概要を簡単に述べると、まず、グループ形成部40が、グループを形成する(S100)。次に、ポイント算出部42が、リーダーポイントを算出し(S110)、リーダーポイントを正規化する(S120)。次に、アイテム選択部26が、グループのアイテム属性対する嗜好度を算出し(S130)、アイテム(店舗)の推薦度(推薦スコア)を算出する(S140)。そして、アイテム選択部26が、推薦度の高い順にアイテム(店舗)を選ぶ(S150)。各々のステップの詳細については、図2に示す各部の説明と合わせて、以下で述べる。
受信部20は、基地局装置14、ネットワーク12を介して各端末装置16からの位置情報、端末ID、日時情報を定期的に受信する。受信部20は、位置情報、端末ID、日時情報を位置情報管理部22に出力する。位置情報管理部22は、受信部20からの位置情報、端末ID、日時情報を入力する。位置情報管理部22は、各端末装置16に対する位置情報、端末ID、日時情報を関連付けて格納する。なお、受信部20が端末装置16からの日時情報を受信せず、位置情報管理部22が、位置情報、端末IDを取得した日時に基づいて日時情報を生成するように構成してもよい。図4は、位置情報管理部22に記憶されたデータベースのデータ構造を示す。複数の端末IDのそれぞれに対して、さまざまな日時情報に対応した位置情報が格納される。これは、複数の主体に係る位置情報の時系列データが格納されていることに相当する。前述のごとく、主体は、ユーザまたは端末装置16を示す。なお、位置情報は、少なくとも緯度、経度の情報を含むが、それ以外に高度、移動方向、加速度などの情報を含んでもよい。
次に、図3のフローチャートを用いて、各部の処理について説明する。ステップS100において、グループ形成部40は、位置情報管理部22に格納された複数の主体に係る位置情報の時系列データに基づいて、複数の主体を含んだグループを形成する。グループは、一緒に行動(移動)していると推定される主体をまとめることに相当する。つまり、グループ形成部40は、どの端末装置16がグループに属するかを判定し、グループを形成する。具体的に説明すると、グループ形成部40は、位置情報管理部22に格納されたデータを使用して、所定時間以上、所定の距離以内に複数の端末装置16が存在するか否かを判定し、存在する場合に、それらの端末装置16を1つのグループと判定する。所定時間は、例えば、1〜10分間に設定される。また、所定の距離は、例えば、1〜50mに設定される。
ここで、位置情報管理部22に記録された日時が、端末ID毎に多少異なる場合は、端末ID同士の日時の差に応じて、緯度、経度を補正することが望ましい。例えば、端末IDが「A」である第1端末装置16aの日時が「2015/03/20 10:11:25」であり、端末IDが「B」である第2端末装置16bに対応する同じ日時の位置情報が存在しない場合、第2端末装置16bの位置情報の中から、「2015/03/20 10:11:25」に隣接する日時の2つの位置情報が抽出される。その2つの位置情報が、例えば、「2015/03/20 10:11:00」と「2015/03/20 10:11:26」である場合、2つの位置情報を補間して、第2端末装置16bの「2015/03/20 10:11:25」の緯度、経度が算出される。この例では、「2015/03/20 10:11:00」における位置と、「2015/03/20 10:11:26」における位置を25:1に内分する位置が算出される。なお、位置情報の補間は、このような線形補間に限らず、3個以上の位置情報を用いた非線形の補間処理を行ってもよい。
ここでは、グループ形成部40におけるグループ判定を行う一手法について、図5を使用して説明する。図5は、グループ形成部40に記憶されたデータ構造を示す。これは、ある時間帯(例えば、2015/1/1 10:00〜10:03)において、所定範囲のエリア内に存在する第1端末装置16aから第8端末装置16hと、それぞれの端末間の平均距離(m)を示す。なお、第1端末装置16aの端末IDが「A」と示され、第2端末装置16bの端末IDが「B」と示され、第3端末装置16cの端末IDが「C」と示され、第4端末装置16dの端末IDが「D」と示される。同様に、第8端末装置16hの端末IDが「H」と示される。平均距離は、所定の長さの期間(例えば3分間)において、所定の時間間隔(例えば、1秒毎)に、あるエリア内に存在する任意の2台の端末装置16の距離を算出し、それらの平均を算出した値である。
グループ形成部40は、このデータに対して、端末間の平均距離が10m(第1のしきい値)以下である場合にグループと判定するルールを適用する。その結果、第1端末装置16aから第5端末装置16eが第1グループになり、第6端末装置16fと第7端末装置16gが第2グループになり、第8端末装置16hが第3グループになる。なお、グループ形成部40は、1つのグループを形成する端末台数の最小値を設定し、その台数に満たない場合に、グループを形成しなくてもよい。例えば、最低3台以上の端末装置16という条件を適用すると、図5に示すデータ例では、第1グループのみが形成される。また、グループ形成部40は、1つのグループを形成する端末台数の最大値を設定してもよい。また、グループ形成部40は、所定期間における端末間の距離の平均値の代わりに、距離の最大値を算出し、これを用いてグループを形成してもよい。また、グループ形成部40は、端末間の距離の変動の大きさを示す分散や標準偏差を算出し、これを用いてグループを形成してもよい。
例えば、グループ形成部40は、所定期間における端末間の距離の平均値が第1のしきい値以下であり、かつ端末間の距離の標準偏差が第3のしきい値以下である場合に、グループと判定してもよい。標準偏差を用いることにより、グループ行動していない端末装置16をグループとして誤認識する確率が低減される。また、グループ形成部40は、1つのグループを形成する候補の端末台数がある程度多い場合、グループ候補の端末間の距離が第1のしきい値を超えていても、第1のしきい値を超える距離の個数が所定数以下であり、かつ距離の最大値が第2のしきい値以下であれば、1つのグループとする等の処理を実行してもよい。
例えば、グループ判定処理において、あるグループの候補となる端末装置16が所定数(例えば7台)以上の場合に次のような処理を行う。ここでは、あるグループの候補となる端末装置16が10台あり、その中のある1台の端末装置16(以下、「判定対象端末」という)と、その他の9台の端末装置16との距離の最大値が18m、2番目に大きい距離が10mであり、その他の9台の端末装置16同士の距離の最大値は9mであるとする。この場合、グループ判定の第1のしきい値(例えば10m)を超えた距離の個数は1つであり、この個数が所定数(例えば2個)以下であり、かつ距離の最大値(18m)が第2のしきい値(例えば20m)以下であるので、グループ形成部40は、判定対象端末もグループに属すると判定する。なお、グループ判定処理は、上述の方法に限定される訳ではなく、例えば、グループ形成部40は、端末間の距離に公知のクラスター分析の各種手法を適用し、形成されたクラスターをグループに対応させる等の処理を用いて行ってもよい。
グループ形成部40は、1つのグループを形成する毎に新たなグループIDを生成し、図6に示すデータベースとして、グループ情報処理部24内の記憶部に記憶する。図6は、グループ情報処理部24に記憶されたデータベースのデータ構造を示す。データベースは、グループIDと、端末ID(ユーザID)と、リーダーポイント(Rp)とを関連付けており、グループ情報テーブルとも呼ばれる。リーダーポイントとは、グループ内のユーザの行動に基づいて、グループ内のユーザの影響力を推定した数値である。この数値が大きいほど、そのユーザ(端末装置16)の影響力が大きいことを示す。なお、図6には示していないが、さらにグループが形成された日時(グループ開始日時)をデータベースに記録してもよい。またさらに、グループが解消された日時(グループ終了日時)をデータベースに記録してもよい。例えば、グループIDと、端末ID(ユーザID)と、リーダーポイント(Rp)と、グループ開始日時と、グループ終了日時とを関連付けて、グループ情報テーブルとして格納してもよい。
図6は、グループID「G1」のグループと、グループID「G2」のグループが形成された状態を示す。本図に示す例は、「G1」が形成されて解消された後、「G2」が形成されている状態を示す。グループID「G1」のグループは、第1端末装置16a、第2端末装置16b、第3端末装置16cで構成されている。各々のリーダーポイントは、「20」、「50」、「30」となっている。リーダーポイント算出方法については後述する。グループID「G2」のグループは、第1端末装置16a、第3端末装置16c、第6端末装置16f、第7端末装置16gで構成されており、グループが形成された初期状態である。このように、グループが形成された初期状態では、各ユーザのリーダーポイントは「0」となっている。なお、グループ情報テーブルに格納されたリーダーポイントは、1回のグループ行動が終了するまでの間、随時更新される。さらに、1回のグループ行動が終了した後は、更新されずに同じ値の状態で保存される。更新継続状態のリーダーポイントを表すために「テンポラリポイント」という用語を用いることもある。
ポイント算出部42は、位置情報管理部22に記憶した位置情報の時系列データを使用して、グループ内のユーザの意思決定における影響力を推定する。具体的には、ステップS110において、ポイント算出部42は、各ユーザの影響力を表す指標として、影響力値(リーダーポイント)を算出する。つまり、ポイント算出部42は、各端末IDの位置情報の時系列データを解析し、グループに含まれた複数の主体のそれぞれに対して、グループ内の主体の影響力が高いとされる所定の行動パターンに合致する度合いを示す特徴行動量を算出する。さらに、ポイント算出部42は、特徴行動量に基づいて、各主体に対するリーダーポイント(テンポラリポイント)を算出または更新する。以下では、図7のフローチャートを用いて、この処理を詳細に説明する。
ポイント算出部42は、主体の位置によって定まる順位が高いほど、値が高くなるようなリーダーポイントを算出する。具体的には、ステップS200において、ポイント算出部42は、グループの移動方向を基準にして、グループの先頭から所定の順位(順番)に主体が位置することを第1の所定行動パターンとして規定し、主体が所定の順位に位置する回数を特徴行動量として算出する。典型的には、ポイント算出部42は、ユーザの先行頻度をカウントする。先行頻度とは、グループの移動方向を基準にして、ユーザがグループの最も先頭に位置した回数である。
ステップS200における処理の概要を図8を用いて説明する。本図に示す例では、第1端末装置16a、第2端末装置16b、第3端末装置16cが矢印の方向に移動している。ポイント算出部42は、位置情報管理部22に格納された端末IDと緯度経度の情報から、例えば、最新から過去所定数分(例えば、100回分)の緯度経度情報を比較することによって、グループ内で進行方向に対して先頭に位置するユーザを特定する。また、ポイント算出部42は、先行位置にいる回数(先行頻度)を端末ID毎にカウントする。さらに、ポイント算出部42は、先行頻度を用いて、ユーザの影響力を示す影響力値(リーダーポイント)を算出する。例えば、100回測定された位置情報のうち、第3端末装置16c、第1端末装置16a、第2端末装置16bのそれぞれが先頭にいた回数が60回、30回、10回であるとする。その場合、第3端末装置16c、第1端末装置16a、第2端末装置16bのそれぞれのリーダーポイントが「60」、「30」、「10」とされる。あるいは、各端末装置16の位置情報が所定時間毎(例えば5秒毎)に更新される場合、その更新タイミング毎に、グループの先頭に位置する端末装置16を特定し、そのリーダーポイントを所定値(例えば「1」)ずつ増やす等の処理を行ってもよい。
このように、特徴行動量をそのままリーダーポイントとしてもよいし、特徴行動量に所定の係数を乗算した値などをリーダーポイントとしてもよい。このような処理は、人間がグループで移動する際に、グループの先頭を歩くユーザの影響力が最も大きい傾向にあるという知見に基づいている。特に、グループがある目的に合う適当な店舗を探しながら移動しているような場合は、そのような傾向がより顕著に表れると考えられる。リーダーポイントは、店舗や商品などのアイテムを探索・選択する際のグループユーザの影響力を示す指標といえる。ポイント算出部42は、算出したリーダーポイント(先行頻度に係るリーダーポイント)をグループ情報テーブルのリーダーポイントに加算し、グループ情報テーブルを更新する。
なお、ポイント算出部42は、ユーザが最も先頭に位置した場合に限定せずに、先頭から2番目、先頭から3番目等、所定の順位に位置した回数をカウントしてもよい。また、ポイント算出部42は、先頭からの位置の順位が高いほど、大きな値となるように特徴行動量を算出してもよい。すなわち、ポイント算出部42は、先頭からの位置の順位が高いほど、リーダーポイントを大きな値としてもよい。これは、先頭からの順位(順番)に応じて、値を変えたリーダーポイントを加算することに相当する。例えば、先頭から2番目に位置した場合は、最も先頭に位置した場合の50%、先頭から3番目に位置した場合は、最も先頭に位置した場合の20%などのリーダーポイントが加算される。
また、ポイント算出部42は、グループに含まれた主体の数に応じて、リーダーポイント算出に用いる、先頭からの位置順位を決定してもよい。例えば、グループの人数が少ない場合(第1の所定数未満の場合)には、先頭から一番目の位置のみを考慮し、グループの人数が中程度である場合(第1の所定数以上、かつ第2の所定数未満の場合)には、先頭から二番目までの位置を考慮する。また、グループの人数が多い場合(第2の所定数以上の場合)には、先頭から三番目までの位置が考慮される。
ポイント算出部42は、先行頻度ではなく、グループの先頭に位置して移動した距離を特徴行動量とし、その特徴行動量を用いてリーダーポイントを算出してもよい。例えば、所定時間内に、第1端末装置16aが先頭に位置した状態で500m移動し、第2端末装置16bが先頭に位置した状態で300m移動し、第3端末装置16cが先頭に位置した状態で100m移動したとする。その状況下において、メートル単位の移動距離を特徴行動量とすると、各々の特徴行動量は「500」、「300」、「100」となる。ポイント算出部42は、特徴行動量に「0.1」を乗じた値をリーダーポイントとし、各々のリーダーポイントを「50」、「30」、「10」と算出してもよい。すなわち、ポイント算出部42は、先頭に位置して移動した距離が長いほど、大きな値となるようにリーダーポイントを算出してもよい。
ポイント算出部42は、各端末装置16がグループの先頭に位置する時間の長さを特徴行動量とし、その特徴行動量を用いて、リーダーポイントを算出してもよい。例えば、10分間(所定時間)に、第1端末装置16aが先頭に位置していた時間が2分間であり、第2端末装置16bが先頭に位置していた時間が7分間であり、第3端末装置16cが先頭に位置していた時間が1分間であるとする。その状況下において、分単位の時間を特徴量とすると、各々の特徴行動量は「2」、「7」、「1」となる。ポイント算出部42は、特徴行動量に「10」を乗じた値をリーダーポイントとし、各々のリーダーポイントを「20」、「70」、「10」と算出してもよい。すなわち、ポイント算出部42は、先頭に位置していた時間が長いほど、大きな値となるようにリーダーポイントを算出してもよい。さらに、ポイント算出部42は、グループの先頭に位置する回数、時間、距離に関する特徴行動量を任意に組み合せてリーダーポイントを算出してもよい。
次にステップS210において、ポイント算出部42は、1つのグループが複数に分割してから合流した場合に、合流後に移動する方向に分割時から主体が移動しているパターンを第2の所定行動パターンとして規定し、分割後の合流回数を特徴行動量として算出する。その際、ポイント算出部42は、小グループ(ユーザ1人も含む)が、合流したか、合流されたかは、合流後のグループの移動方向を基準に判定する。つまり、ポイント算出部42は、分割時から合流後と同じ方向に移動していた小グループを合流された側と判定し、合流された小グループのユーザのリーダーポイントを加算する。
ここでは、グループ化された複数の端末装置16が別行動をとった後、再度グループが合流した場合に、合流されたグループで先行していた端末IDは、グループへの影響力を持っていると考えられるので、ポイント算出部42は、これにリーダーポイントを加算する。図9(a)−(b)は、ポイント算出部42における別の処理の概要を示す。図9(a)では、第1端末装置16aおよび第2端末装置16bと、第3端末装置16cが別々の方向に移動する。図9(b)では、図9(a)に続いて、第1端末装置16aおよび第2端末装置16bが、第3端末装置16cに合流して、3つの端末装置16が同じ方向に移動する。ポイント算出部42は、このような行動パターンを検出した場合、合流1回につき、合流された端末装置16(この例では第3端末装置16c)のリーダーポイントに所定値(例えば、「30」)を加算する。
つまり、ポイント算出部42は、合流行動に係るリーダーポイントをグループ情報テーブルのリーダーポイントに加算することによって、グループ情報テーブルを更新する。なお、合流された側の小グループが複数のユーザで構成されていた場合、ポイント算出部42は、その全員を対象にしてリーダーポイントを加算してもよいし、先頭から所定の順位(例えば、1番目と2番目)に位置したユーザに限定して加算してもよい。また、ポイント算出部42は、合流された側の小グループにおける先頭からの順位に応じて、加算するリーダーポイントを変えてもよい。例えば、ポイント算出部42は、先頭のユーザに「30」、先頭から2番目のユーザに「20」、先頭から3番目のユーザに「10」などのリーダーポイントを加算する。
ポイント算出部42は、グループが複数に分割したときの小グループに含まれる主体の数に基づいて、リーダーポイントを算出してもよい。つまり、ポイント算出部42は、別行動をとったユーザの人数(合流したユーザの人数)に応じて、合流行動に係るリーダーポイントの値を算出してもよい。具体的には、ポイント算出部42は、別行動をとった人数が多いほど(合流した小グループの人数が多いほど)、大きな値となるように、合流行動に係るリーダーポイントの値を算出する。例えば、ポイント算出部42は、2人が別行動をとった後に合流した場合は「20」、3人が別行動をとった後に合流した場合は「30」、4人が別行動をとった後に合流した場合は「40」などのリーダーポイントを加算する。
ポイント算出部42は、合流された側の人数に応じて、合流行動に係るリーダーポイントの値を算出してもよい。具体的には、ポイント算出部42は、合流された側の人数が多いほど、小さな値となるリーダーポイントを算出し、合流された側のユーザそれぞれに加算する。例えば、ポイント算出部42は、合流された側の人数が1人である場合は「50」、2人である場合は、その2人にそれぞれ「30」、3人である場合は、その3人それぞれ「10」などのリーダーポイントを加算する。また、合流された側のユーザが複数いる場合は、ポイント算出部42は、その中の先頭に位置するユーザに合流行動に係るリーダーポイントを加算してもよい。つまり、ポイント算出部42は、合流された側の人数が多いほど、小さな値となるリーダーポイントを算出し、先頭に位置するユーザに合流行動に係るリーダーポイントを加算してもよい。例えば、ポイント算出部42は、合流された側の人数が1人である場合は「50」、2人である場合は、そのうちの先頭に位置する人に「40」、3人である場合は、そのうちの先頭に位置する人に「30」などのリーダーポイントを加算してもよい。
次にステップS220において、ポイント算出部42は、主体が停止した場合に、当該停止に追従して他の主体も停止するパターンを第3の所定行動パターンとして規定し、移動停止の回数を特徴行動量として算出する。停止に追従した停止とは、ある端末装置16(例えば、第1端末装置16a)が移動を停止した直後に、他の端末装置16(グループ内の第1端末装置16a以外の端末装置16)が移動を停止した状況である。この状況は、先に移動停止したユーザが、気になる店舗等を発見し、そこで足を止め、入店を検討している状況である可能性が高い。このため、ポイント算出部42は、最初に移動を停止した端末装置16のリーダーポイントに、他の端末装置16の移動停止1回につき、所定値(「例えば、「20」を加算する。
ポイント算出部42は、当該停止に追従して停止した他の主体の数に基づいて、リーダーポイントを算出してもよい。具体的には、ポイント算出部42は、後から停止した人数が多いほど、大きな値となるリーダーポイントを算出する。例えば、ポイント算出部42は、2人が停止した場合に「20」、3人が停止した場合に「30」、4人が停止した場合には「40」などのリーダーポイントを加算する。また、ポイント算出部42は、後から停止したユーザと、停止せずに移動を継続したユーザが混在している場合は、後から停止したユーザの割合に応じて、停止行動に係るリーダーポイントを算出してもよい。例えば、ポイント算出部42は、停止したユーザがNs人、移動継続したユーザがNc人である場合、Ns÷(Ns+Nc)として、停止した人数の割合を算出する。さらに、ポイント算出部42は、この割合が80%以上である場合に「40」、60%以上〜80%未満の場合に「30」、40%以上〜60%未満の場合に「20」、40%未満の場合に「0」などのリーダーポイントを加算する。このようにポイント算出部42は、停止した人数の割合が多いほど、大きな値となるリーダーポイントを算出してもよい。
ポイント算出部42は、各端末装置16の位置情報の時系列データが、第1の所定の行動パターンから第3の所定の行動パターンの少なくともいずれか1つに合致するか否かを判定する際に、確定的に判定する他に、確率的に判定してもよい。その場合、ポイント算出部42は、位置情報の時系列データを入力とし、各々の端末装置16の所定の行動パターンに対応する確率値を出力する確率モデルを使用する。
例えば、ステップS200の第1の所定の行動パターンに対する処理において、ポイント算出部42は、グループの先頭から2台の端末装置16が、ほぼ横並びである場合、所定の期間(例えば、1分間)に第1端末装置16aが1位である確率を「0.75」などと算出する。その際、ポイント算出部42は、第2端末装置16bが1位である確率を「0.25」などと算出する。ほぼ横並びである場合とは、例えば、どちらが1位か明確でない場合、短時間の間にグループの1位と2位とが頻繁に入れ替わり状態が安定しない場合等である。
また、例えば、ステップS220の第3の所定の行動パターンに対する処理において、ポイント算出部42は、第1端末装置16aが移動を停止し、他の端末装置16が移動速度を大幅に落としたものの停止せずにゆっくり前進した場合、第3の所定の行動パターンに合致する確率を「0.2」などと算出する。ポイント算出部42は、そのように算出した確率値をそのまま特徴行動量としてもよいし、確率値に所定の係数(例えば、100倍)を乗算した値を特徴行動量としてもよい。
これまで説明したように、特徴行動量は、ある主体の位置情報の時系列データが、グループ内での主体の影響力が高いと判定される所定の行動パターンに合致する度合い(回数、時間、距離、確率)を示す指標といえる。さらに、リーダーポイントは、主体毎の特徴行動量の所定期間(例えば、グループ形成時点からグループ解消時点まで)における総和であるため、特徴行動量が多い(大きい)ほど、リーダーポイントは高く(大きく)なる性質をもっている。
図3のフローチャートの説明に戻る。ステップS120において、ポイント算出部42は、各端末IDのリーダーポイント(影響力値)を正規化する。例えば、グループ内ユーザが3人の場合、この3人のリーダーポイントの合計値が「1.0」あるいは「100」になるように、各ユーザのリーダーポイントが正規化される。あるいは、グループ内メンバーのリーダーポイント最大値が所定値(例えば「100」)になるように、正規化してもよい。正規化処理は、所定の時間間隔(例えば、1分間に1回)で、あるいはグループが所定距離(例えば、100m)移動する毎に、あるいはグループが所定時間(例えば、30秒)以上移動を停止する毎に、実行される。また、情報提供装置10が、グループの端末装置16から、情報提供リクエストを受けたタイミングで、実行されてもよい。ポイント算出部42は、処理対象のグループに属するユーザ(端末装置16)の数をNとして、端末ID=i(i=1〜N)のリーダーポイントをグループ情報テーブルから読み出し、それらの合計値を算出する。ポイント算出部42は、リーダーポイントをその合計値で割った値を、正規化リーダーポイントとすればよい。ポイント算出部42は、グループIDと、端末IDと、算出した正規化リーダーポイントとを関連付けて、ポイント算出部42内の記憶部に記憶する。図6に示すリーダーポイントを格納するデータベースとは別の領域に、正規化リーダーポイントを格納することにより、グループ行動が継続中であり、各端末装置16のリーダーポイントの更新が継続されていても、任意のタイミングで正規化リーダーを算出し、情報提供処理を行うことができる。ただし、この正規化処理を省略し、以下の処理において正規化されていないリーダーポイントを用いることも可能である。以下では、処理対象のグループに属するユーザのリーダーポイントをP[i](i=1〜N)とする。以下の説明においては、P[i]は正規化されているものとする。
アイテム選択部26は、ポイント算出部42において算出したリーダーポイントが高い主体を優先するように、グループに対して提示すべきアイテムを選択する。そのために、ステップS130において、アイテム選択部26は、ポイント算出部42において算出された各主体のリーダーポイントによって重み付けしながら、各主体に対応したユーザにおけるアイテム属性に対する嗜好度を加算することによって、グループのアイテム属性に対する嗜好度を導出する。ここで、アイテム属性とは、アイテムの性質を示す属性情報である。例えば、ある飲食店の性質を表す場合に、その店で提供する料理ジャンル、店舗規模(大型、中型、小型など)、立地のタイプ(繁華街、郊外など)、店舗雰囲気のタイプ(高級、庶民的、にぎやか、静かなど)などのアイテム属性を用いることができる。本実施例においては、アイテム属性として、料理ジャンルを用いるが、他のアイテム属性を用いた処理も可能である。また、1つのアイテム属性(例えば、和食)は、複数のアイテム(例えば、飲食店−1、飲食店−2、飲食店−3)に対応していることが一般的である。ステップS130の処理を具体的に説明すると、まずアイテム選択部26は、ユーザ情報格納部28から、グループ内の端末ID毎の料理ジャンルに対する好みを示す嗜好情報を取得する。
ユーザ情報格納部28は、端末装置を識別する端末ID、またはユーザを識別するユーザID毎に、そのユーザの嗜好情報を格納する。図10は、ユーザ情報格納部28に記憶されたデータベース(ユーザ嗜好データベース)のデータ構造を示す。本実施例では、携帯電話/スマートフォンのように、1人のユーザが1台の端末装置16を占有して使用する形態を想定しており、端末IDとユーザIDは実質的に等しい。本実施例では、端末ID毎に、その端末装置16を使用するユーザの嗜好情報を管理するが、端末IDとユーザIDを併用して、1台の端末装置16を複数のユーザで使用する形態に対応することも、もちろん可能である。図示のごとく、ユーザの料理ジャンルに対する嗜好情報(嗜好度)が示されており、数値(点数)は、各ジャンルの店舗を訪れた回数や、各ジャンルに対する好みの度合いが数値化されている。本図に示す例では、各々の端末IDの嗜好度の合計が一定値になるように正規化されているが、これに限定される訳ではなく、正規化されていない嗜好度を用いてもよい。
アイテム選択部26は、料理ジャンルの総数をMとし、端末装置i(端末ID=i)の料理ジャンルj(j=1〜M)に対する嗜好度をF[i][j]とすると、グループの料理ジャンルjに対する嗜好度A[j]は、次のように算出される。すなわち、リーダーポイントの大きいユーザの嗜好度がより強くグループの嗜好度に反映される。
アイテム選択部26は、ステップS130で導出したグループにおけるアイテム属性に対する嗜好度(料理ジャンルに対する嗜好度)をもとに、アイテムを選択する。このために、ステップS140において、アイテム選択部26は、グループに対して、各アイテム(店舗)の推薦度(推薦スコア)を算出する。その際、アイテム選択部26は、提供情報格納部30に記憶されたデータベースを参照する。提供情報格納部30は、店舗を識別する店舗IDと、店舗名と、店舗の提供する料理のジャンルと、店舗の位置情報(緯度、経度)と、住所と、連絡先(電話番号、メールアドレス等)と、店舗を紹介する説明文と、評価点とが関連付けられた情報を格納する。図11は、提供情報格納部30に記憶された店舗データベースのデータ構造を示す。評価点は、その店の評判の良さを数値化したものである。インターネット上の口コミサイトのように、多数のユーザの投票/投稿により作成されてもよいし、料理の専門家や評論家により点数付けされてもよい。図11の例では、100点満点の点数を用いている。また、1つの店が複数の料理ジャンルに対応していてもよい。例えば、ある店が「フレンチ」と「イタリアン」の両方に対応していてもよい。
具体的に説明すると、店舗データベースに登録された店(推薦候補となる店)の総数をKとし、店k(k=1〜K)の評価点をR[k]として、アイテム選択部26は、グループに対する店kの推薦度S[k](k=1〜K)を次のように算出する。ここで、δ(k,j)は、店kが料理ジャンルjに対応している場合に「1」、対応していない場合に「0」を返す関数である。すなわち、式(1)および式(2)による処理は、グループを構成するメンバーそれぞれのアイテム属性に対する嗜好度を、リーダーポイントで重み付けしながら加算することにより、グループにおけるアイテム毎の推薦度を算出する処理であるといえる。なお、グループの現在位置に応じて、推薦度を算出する店を絞り込んだり、店の推薦度に、グループの現在位置と店との距離を反映させたりしてもよい。
そしてステップS150において、アイテム選択部26は、店舗データベースに登録された店の中から、推薦度S[k](k=1〜K)の大きい順に所定数の店を選択する。あるいは、推薦度が所定値以上の店を選択してもよい。アイテム選択部26において選択されたアイテムを「推薦アイテム」とも称する。このように、アイテム選択部26は、ポイント算出部42において算出したリーダーポイントに基づいて、アイテムを選択する。例えば、嗜好情報が図10のように示され、100回測定された位置情報のうち、第3端末装置16cが先頭にいた回数が60回、第1端末装置16aが30回、第2端末装置16bが10回である場合を想定する。各端末IDの影響力値は、第1端末装置16a=0.3、第2端末装置16b=0.1、第3端末装置16c=0.6となる。その結果、グループの和食に対する嗜好度は、「5×0.3+2×0.1+2×0.6=2.9」となる。他の料理ジャンルについても同様に計算すると、フレンチ=1.9、イタリアン=4.9、エスニック=2.4、ファストフード=3.9となり、このグループでは、イタリアンの嗜好度が最も高くなる。
ここでは、グループ内の全てのユーザのリーダーポイントを用いて、店の推薦度を算出したが、他の方法を用いてもよい。例えば、アイテム選択部26は、グループ内で最もリーダーポイントの高いユーザを1人選び、そのユーザの嗜好度そのものをグループの嗜好度としてもよい。すなわち、アイテム選択部26は、最も影響力の強いユーザ1人の嗜好情報を用いて、推薦情報(おすすめ店の情報)を決定してもよい。また、アイテム選択部26は、グループ内でリーダーポイントの高い順に所定数のユーザを選択し、選択されたユーザのリーダーポイントに基づいて、推薦情報を決定してもよい。
上述の説明では、アイテム属性(料理ジャンル)に対するグループの嗜好を算出した後に、アイテム(店舗)を選択したが、アイテム属性に対するグループの嗜好を算出せずに、アイテム(店舗)に対するグループの嗜好を直接算出してもよい。例えば、図10に示すユーザ嗜好データベースの代わりに、端末ID(i)と店舗ID(k)と嗜好度Fs[i][k]とを対応させた店舗別嗜好データ(図示せず、ユーザのアイテム嗜好データともいえる)をユーザ情報格納部28に格納する。そして、式(1)および式(2)の代わりに、式(3)用いて、店舗kの推薦度S[k](k=1〜K)を算出することができる。
すなわち、グループを構成するメンバーそれぞれのアイテムに対する嗜好度を、リーダーポイントで重み付けしながら加算することにより、グループにおけるアイテム毎の推薦度を算出する。ここで、端末iの店舗kに対する嗜好度が登録されていない場合は、Fs[i][k]=0とする。また、R[k]は、店舗データベースに登録された店舗kの評価点であるが、これを用いずに、推薦度S[k]を算出してもよい。すなわち、式(3)においてR[k]=1として推薦度を算出してもよい。
この数式(3)を用いる方法は、多くの店舗について、グループの端末装置16の嗜好度が登録されている場合には、高い精度で推薦度を算出することができるが、登録されている店舗別嗜好データが少ない場合には、推薦度の精度が低下する。また、グループの中の少なくとも1人の嗜好度が登録された店舗でないと推薦対象にならない制約があり、場合によっては、推薦アイテムの数が十分に得られない問題がある。上述のアイテム属性に対するグループの嗜好度を算出する方法は、それに比べて、より多くの店舗を推薦候補とすることができるので、十分な数の推薦アイテムが得られ易い。
また、アイテム選択部26は、グループが推薦情報に記載された店舗等を訪問したか否かを判定し、その情報を次回の推薦情報に反映させてもよい。グループが推薦情報に記載された店舗等を訪問したか否かは、所定時間(例えば5分)以上、グループの各端末装置16の位置情報が、その店舗の位置情報とほぼ一致するか否かで判定できる。アイテム選択部26は、グループが推薦情報にしたがって行動した場合、そのような推薦は今後もグループに受容される可能性が高いため、次回以降の推薦情報に、今回と同じ情報あるいは類似の情報が入り易くなるように処理する。
具体的には、図10に示すようなユーザ嗜好情報Fを更新する際に、アイテム選択部26は、推薦情報に基づいて店舗を訪問した場合に、それ以外の訪問に比べて、より多くの数値を加算する。例えば、図10に示す例において、通常1回の店舗訪問につき数値を「1」増やすところを、推薦情報にしたがって店舗を訪問した場合は、数値を「2」増やす等の処理を行えばよい。また、該当する料理ジャンルの点数を通常より大きくする他に、端末IDと店舗IDと嗜好度とを対応させた店舗別嗜好データ(図示せず)をユーザ情報格納部28に格納し、アイテム選択部26は、推薦情報にしたがってユーザ(端末ID)が訪問した店舗(店舗ID)の嗜好度を通常処理より大きくする等の処理を行ってもよい。さらに、アイテム選択部26は、次回の推薦情報の作成時に、その店舗別嗜好データを反映させる処理を行ってもよい。また、アイテム選択部26は、グループが推薦情報に記載された店舗等を訪問しなかった場合に、店舗別嗜好データの嗜好度を小さくする処理を行い、それを用いて、前回推薦して訪問されなかった店を次回の推薦情報に入り難くなる処理を行ってもよい。
制御部34は、情報提供装置10全体を制御する。また制御部34は、アイテム選択部26により選択されたアイテム(推薦アイテム)に関する情報(推薦情報)を送信部32に送信させる。具体的には、図11に示す店舗データベースから、推薦アイテムに関する必要なデータを読み出して、推薦情報を作成し、送信部32に送信させる。送信部32は、ネットワーク12、基地局装置14を介して、推薦情報をグループの端末装置16に送信する。この送信(推薦情報の提供)は、情報提供装置10が定期的に行ってもよいし、グループ内の少なくとも1つの端末装置16から情報提供リクエストを受け付けて、それに対する応答として送信してもよい。情報提供装置10が定期的に送信する場合は、例えば、グループが形成されている期間に、所定の時間間隔(例えば、1分間に1回)で送信してもよいし、グループが所定の距離(例えば、100m)移動する毎に送信してもよい。また、グループが解消されたことを検出して、情報提供を止めてもよい。また、グループが店舗データベースに登録された店舗の緯度、経度に一致する位置で長時間停止した場合は、ある店舗に入店したと判定できるため、情報提供を止めてもよい。なお、情報提供装置10は、グループの端末台数(人数)を正確に把握することができるので、店舗の空き状況を示すデータを合わせることにより、推薦情報を提供する際に、グループ全員が入れるか否かを提示してもよい。また、アイテム選択部26が、グループ全員が入れる店に限定して、推薦する店を選択し、それに基づく推薦情報を提供してもよい。図12は、送信部32から送信される情報のデータ構造を示す。図示のごとく、おすすめ店舗の情報(推薦情報)がランキング形式で構成されており、推薦順位、店舗ID、推薦度(推薦スコア)、店舗名、店舗説明、現在の空き状況、店舗の位置情報(緯度、経度)、住所、連絡先(電話番号、メールアドレス等)、端末装置16の現在位置からの距離などの情報で構成されている。
図13は、端末装置16の構成を示す。端末装置16は、取得部50、表示部52、制御部54、送信部56、受信部58を含む。取得部50は、GPSや無線LAN等による測位機能を有し、端末装置16の位置を測位することによって、ユーザまたは端末装置16である主体の位置情報を定期的に取得する。位置情報は、緯度と経度によって示される。取得部50は、位置情報を制御部54に順次出力する。
制御部54は、取得部50からの位置情報を順次入力する。制御部54は、送信部56および受信部58における通信のタイミングを制御する。制御部54は、送信のタイミングが到来する場合に、位置情報を送信部56に順次出力する。送信部56は、制御部54から順次入力した位置情報を基地局装置14、ネットワーク12を介して情報提供装置10に送信する。このような位置情報は順次送信されるので、位置情報の時系列データを送信することに相当する。また、前述のごとく、位置情報とともに、端末ID、日時情報も送信される。なお、上述したように、端末装置16が日時情報を送信しなくてもよい。
受信部58は、送信部56において位置情報の時系列データを送信した情報提供装置10において選択されたアイテムに関する情報(推薦情報)を、基地局装置14、ネットワーク12経由で情報提供装置10から受信する。情報提供装置10は、定期的に端末装置16に対して、推薦情報を送信してもよい。また、推薦情報を要求するデータ(推薦情報リクエスト)を送信部56から情報提供装置10に送信し、そのレスポンスとして、情報提供装置10が推薦情報を送信し、受信部58がそれを受信してもよい。受信部58は、受信した情報を制御部54に出力する。制御部54は、受信部58において受信したアイテムに関する情報(推薦情報)を表示部52に表示させる。表示部52は、図14のような画面を表示する。本図に示すように、推薦店舗毎に、推薦順位、推薦ランク、店舗名、店舗説明、現在の空き状況、住所、現在位置からの距離、などの情報が表示される。ここで推薦ランクは、推薦度の大きさを大まかに示す情報であり、制御部54が、推薦度に基づいて作成した情報である。例えば、推薦度が0〜10の範囲の数値である場合に、推薦度が8以上の店舗は「★★★」、推薦度が6以上かつ8未満の店舗「★★」、推薦度が6未満の店舗は「★」にする等の所定のルールを用いて推薦ランクを決定すればよい。なお、情報提供装置10が、推薦ランクを送信するようにしてもよい。また、推薦ランクではなく、推薦度をそのまま表示してもよい。なお、推薦情報に含まれる店舗IDは、ユーザにとって特に意味のある情報ではないため、表示してもよいし、表示しなくてもよい。ユーザが特定の店舗の詳細情報を要求した場合などに、ユーザが指定した店舗の店舗IDを端末装置16から情報提供装置10に送信することにより、効率よく処理を行うことができる。また、本図に示す例では、推薦店舗毎に、「地図表示」ボタンと「連絡する」ボタンが表示されている。ユーザが「地図表示」ボタンを押すと、店舗の位置情報(緯度、経度)または住所が、端末装置16に内蔵された地図アプリや外部の地図提供サービスに送信され、地図上に店舗を表示される。また、ユーザが「連絡する」ボタンを押すと、端末装置16に内蔵された通話アプリ、メールアプリ、外部のコミュニケーションサービス等を介して、店舗と連絡が取れるようになっている。また、本図に示すように、「○○地区にいる5名様のグループにお薦めする飲食店リスト」などと、グループの位置するエリアの名称やグループの人数を表示してもよい。また、ユーザが端末装置16に、推薦ランク、希望する店舗のジャンル、現在位置からの距離などに関する条件を入力し、その条件に合致する店舗の情報のみを表示してもよい。
これまでの説明では、情報提供装置10が特徴行動量およびリーダーポイントの算出を実行しているが、他の方式を用いることもできる。例えば、端末装置16が、近傍の端末装置16と互いの位置情報を随時交換し、自分の位置情報と他の端末装置16の位置情報とを用いて、グループを形成する。また、グループに含まれる端末装置16について、特徴行動量およびリーダーポイントを算出してもよい。つまり、位置情報管理部22、グループ情報処理部24が端末装置16に含まれてもよい。グループ内の各端末装置16がそれぞれ自分のリーダーポイントのみを算出してもよいし、ある特定の端末装置16が、複数の端末装置16のリーダーポイントをまとめて算出してもよい。また、リーダーポイントを算出した端末装置16は、それを情報提供装置10に送信する。情報提供装置10のアイテム選択部26、送信部32は、受信したリーダーポイントをもとにこれまでと同様の処理を実行し、グループに対して適切なアイテムを選択する。
また前述のごとく、ポイント算出部42は、位置情報管理部22に格納された端末装置16の緯度、経度情報を用いて、リーダーポイントを算出しているが、別の方法を使用してもよい。例えば、ショッピングモールや商店街に設置された監視カメラの画像・映像を解析し、画像認識の手法を用いて、グループ形成部40がグループ形成の処理を実行するとともに、ポイント算出部42がリーダーポイントの更新の処理を実行してもよい。この場合、推薦情報を受け取るために、グループ内の少なくとも1人のユーザが端末装置16を持っていればよく、グループの全員が端末装置16を持ち歩く必要がない。また、緯度、経度情報は必ずしも必要なく、グループ内ユーザの相対的な位置関係や、相対的な移動情報を取得できればよい。また、ショッピングモールや商店街の通路に設置された監視カメラと、店舗入り口に設置された監視カメラとを連携させて、顔認識技術を用いることにより、入店時のどの人のリーダーポイントが高いか、どの人のリーダーポイントが低いかを店員が知ることができる。そのような情報を知ることにより、リーダーポイントの高い人にメニューやワインリストを優先的に渡す等、顧客サービスの向上と効率化を図ることができる。
また、ポイント算出部42は、店内におけるグループ行動履歴を取得し、商品選択に係る影響力を推定してもよい。例えば、ポイント算出部42は、あるユーザが購入した商品の棚に最初に到着したユーザを特定し、そのユーザのポイントを加算する等の処理を行って、商品選択に係るリーダーポイント(影響力値)を算出してもよい。すなわち、選択対象物が店舗の場合に限らず、商品など含む、アイテムの選択(選定)に係るリーダーポイント(影響力値)が算出される。
本実施例によれば、位置情報の時系列データに基づいて、グループを形成するので、行動をともにする複数の主体をグループ化できる。また、グループ化が自動的になされるので、ユーザに対する利便性を向上できる。また、位置情報の時系列データに基づいて、グループ内の主体の影響力が高いとされる所定の行動パターンに合致する度合いを示す特徴行動量を算出してからリーダーポイントを算出するので、グループ内のユーザの影響力を考慮したリーダーポイントを導出できる。また、リーダーポイントが高い主体を優先するように、グループに対して提示すべきアイテムを選択するので、グループ内のユーザの影響力を考慮したアイテムを選択できる。
また、位置情報の時系列データにおける主体の移動パターンが、所定の行動パターンに合致する回数、合致する時間、合致する移動距離、合致する確率、のうちの少なくとも1つを特徴行動量として算出するので、行動パターンの合致度にあった特徴行動量を導出できる。また、特徴行動量が多いほど、高い値となるようにリーダーポイントを算出するので、行動パターンの合致度に応じたリーダーポイントを導出できる。また、所定の行動パターンは、グループの移動方向を基準にして、グループの先頭から所定順位の位置に主体が位置するパターンであるので、グループ中のユーザが存在する位置に応じたユーザの影響力を高い精度で推定できる。また、所定順位が高いほど、高くなるようなリーダーポイントを算出するので、グループの先頭部分に存在するユーザの影響力が大きいと推定できる。
また、所定の行動パターンは、グループが複数に分割してから合流した場合に、合流後に移動する方向に分割時から主体が移動しているパターンであるので、ユーザの影響力を高い精度で推定できる。また、グループが複数に分割したときの小グループに含まれる主体の数に基づいて、リーダーポイントを算出するので、影響力の大きさを高い精度で推定できる。また、所定の行動パターンは、主体が停止した場合に、当該停止に追従して他の主体も停止するパターンであるので、主体が停止する際の影響力を推定できる。また、停止に追従して停止した他の主体の数に基づいて、リーダーポイントを算出するので、影響力の大きさを高い精度で推定できる。また、グループに含まれた主体の数に応じて、リーダーポイントを算出するので、影響力の大きさを高い精度で推定できる。
また、リーダーポイントによって重み付けしながら、各主体に対応したユーザにおけるアイテムに対する嗜好度を加算することによって、グループにおけるアイテムに対する推薦度を導出し、推薦度に従ってアイテムを選択するので、グループに対してユーザの影響力を考慮したアイテムを選択できる。また、リーダーポイントによって重み付けしながら、各主体に対応したユーザにおけるアイテム属性に対する嗜好度を加算することによって、グループにおけるアイテム属性に対する嗜好度を導出するので、グループに対するユーザの影響力を考慮した嗜好度を導出できる。また、グループにおけるアイテム属性に対する嗜好度をもとに、アイテムを選択するので、グループに対してユーザの影響力を考慮したアイテムを、より多くの推薦候補の中から選択できる。また、算出したリーダーポイントが高い順に所定数の主体を特定し、その特定した主体のリーダーポイントに基づいて、アイテムを選択するので、特に影響力の大きい所定数の主体を考慮してアイテムを選択できる。また、グループ内のユーザの影響力を考慮することで、グループ内のユーザの影響力を均等とみなす方法より高い精度で、実際の行動につながるような情報を提供することができる。また、あらかじめグループ内のユーザの影響力に関する情報を登録しておかなくても、端末装置の位置情報のみから影響力を推定できる。
(実施例2)
次に、実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様に、複数の端末装置と、それらに接続可能な情報提供装置とを含む情報提供システムに関する。実施例2に係る情報提供装置も、複数の端末装置の位置情報を使用してグループを形成するとともに、グループ内の各ユーザの影響力を推定するが、各ユーザの影響力を推定する際に、ユーザの属性情報も使用する。実施例2に係る情報提供システム100、端末装置16は、図1、図13と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。
図15は、本発明の実施例2に係る情報提供装置10の構成を示す。情報提供装置10は、図2と同様に構成されるが、グループ情報処理部24は、ユーザ情報格納部28に記憶されたデータベースを参照可能に構成される。ポイント算出部42は、位置情報だけでなく、主体に対応したユーザの属性情報(年齢、性別など)を使用してグループ内の影響力を推定することによって、リーダーポイントを算出する。ユーザ情報格納部28は、ユーザ属性情報を格納する。図16は、ユーザ情報格納部28に記憶されたデータベースのデータ構造を示す。端末ID(またはユーザID)と、生年月日、性別、勤務先、役職、年収、今月の小遣い、などのユーザ属性項目が関連付けられながら格納されている。これは、一例であり、これ以外のユーザ属性項目のデータが格納されてもよいし、一部の属性項目のみが格納されてもよい。図15に戻る。
実施例1におけるポイント算出部42は、位置情報に基づくリーダーポイントを算出したが、実施例2におけるポイント算出部42は、それに加えて、ユーザ属性情報に基づくリーダーポイントを算出する。さらに、ポイント算出部42は、2つのリーダーポイントを用いて、総合的なリーダーポイントを算出する。以下では、端末装置iの位置情報に基づくリーダーポイントをPg[i]、ユーザ属性情報に基づくリーダーポイントをPh[i]、総合的なリーダーポイントをP[i]とする。ポイント算出部42は、ユーザ属性情報に基づくリーダーポイントPh[i]を以下に示す方法で算出する。
第1の方法は、ユーザ属性項目毎に設定されたルールに基づき算出する方法である。例えば、一般的には、年齢が高いユーザの影響力が高いので、生年月日に基づいて、Ph[i]を算出することができる。具体的には、ポイント算出部42は、グループ内ユーザの生年月日に基づき、年齢が高いほど大きな値のリーダーポイントを付与する。例えば、ポイント算出部42は、年齢が1番高いユーザに「10」、年齢が2番目に高いユーザに「7」、年齢が3番目に高いユーザに「5」のリーダーポイントを付与する。また、ポイント算出部42は、付与するリーダーポイントの最大値を1として、0より大きく、1以下の値のリーダーポイントを年齢に応じて付与するようにしてもよい。また、ポイント算出部42は、年齢の順位が1つ異なる人と、年齢差が所定値以下である場合は、年齢差を無視して同じリーダーポイントを付与する等のルールを入れてもよい。
また、ポイント算出部42は、役職が高いほど、大きなリーダーポイントを付与する等のルールを用いてもよい。例えば、社長に「10」、部長に「5」、課長に「2」等のリーダーポイントを付与する。また、ポイント算出部42は、年収や今月の小遣いの金額に応じてリーダーポイントを算出してもよい。例えば、年収が高い人ほど影響力が高い傾向があるため、年収に所定係数(0.1%等)を乗じた値をPh[i]とすることができる。また、ポイント算出部42は、年収が1番多い人に「10」、2番目の人に「8」等のリーダーポイントを付与してもよく、年収の順序に応じて、所定のリーダーポイントを付与してもよい。今月の小遣いについても同様であるが、今月の小遣いの方が、飲食店等で各人が使える金額を正確に表す場合もあるため、年収を使うよりも正確に影響力を推定できる場合がある。また、ポイント算出部42は、性別に基づいてリーダーポイントを算出してもよい。
第2の方法は、複数のユーザ属性項目を用いて、ユーザ属性項目毎に算出されるリーダーポイントを加算する方法である。つまり、ポイント算出部42は、ユーザの属性情報に含まれた複数の項目に基づいてリーダーポイントを算出する。まず、ポイント算出部42は、生年月日に関して、第1の方法で述べた「年齢が高いほどリーダーポイントが高くなる」ルールを用いて、生年月日に関するリーダーポイントPh[1][i]を算出する。次に、ポイント算出部42は、役職に関して、第1の方法で述べた「役職が高いほどリーダーポイントが高くなる」ルールを用いて、役職に関するリーダーポイントPh[2][i]を算出する。このようにして、ポイント算出部42は、L個のユーザ属性項目に対して、Ph[l][i](l=1〜L、i=1〜N)を算出し、次のように、ユーザ属性情報に基づくリーダーポイントPh[i]を算出する。ここで、w[l](l=1〜L)は、ユーザ属性項目毎に定まる所定の重み係数であり、w[l]>0である。
第3の方法は、複数のユーザ項目の組合せを用いて設定されたルールに基づき算出する方法である。例えば、ポイント算出部42は、生年月日が所定の範囲にあり、かつ所定の性別のユーザのリーダーポイントを相対的に高く算出する。例えば、特定の年齢層の女性は、飲食店への要求レベルが高い傾向にあるため、生年月日が所定の範囲であり、性別が女性のユーザに対して、所定のリーダーポイントを付与して、そのようなユーザの嗜好がグループの意思決定に反映され易くする。この第3の方法を単独で用いてもよいし、他の方法と組み合せてもよい。例えば、ポイント算出部42は、まず式(4)にしたがって、リーダーポイントを算出し、次に生年月日が所定の範囲にあり、かつ所定の性別のユーザに対して、「10」のリーダーポイントを加算する等の処理を行ってもよい。
第4の方法は、ユーザの所属する組織を考慮したルールを用いる方法である。その際、ポイント算出部42は、ユーザ情報格納部28に記憶された情報を参照する。図17は、ユーザ情報格納部28に記憶された別のデータベースのデータ構造を示す。これは、会社間の取引関係を示す。ここは、X社がY社に仕事を発注し、さらにY社がZ社に仕事を発注している状況を示している。一般的には、発注先の会社の人が、発注元の会社の人の嗜好に合わせて、レストラン等の店を選ぶことが多いため、そのような傾向をリーダーポイントに反映させる。図16、図17に示す例では、勤務先=Xのユーザのリーダーポイントが最も高く、次に勤務先=Yのユーザのリーダーポイントが高く、勤務先=Zのユーザのリーダーポイントが最も低くなる。また、勤務先が同じユーザが複数存在する場合、それらのリーダーポイントを同じ値にしてもよいし、生年月日、性別、役職などの属性項目を用いて、差をつけてもよい。
第5の方法は、生年月日と処理を行う月日(現在日時)との関係を用いる方法である。例えば、リーダーポイントを算出する年月日が2015年5月3日であり、生年月日が1979年5月3日のユーザがグループに存在する場合、その人のお誕生会等が行われる可能性があるため、ポイント算出部42は、その人のリーダーポイントを通常よりも高く算出する。すなわち、ポイント算出部42は、処理を行う日が誕生日または誕生日の近傍に該当するユーザのリーダーポイントを相対的に高く算出する。このようにポイント算出部42は、処理を実行する日付とユーザの属性情報との関係に応じてリーダーポイントを算出する。
第6の方法は、性別と処理を行う月日(現在日時)との関係を用いる方法である。例えば、リーダーポイントを算出する現在日時が2015年3月14日のホワイトデーである場合、男性が女性の嗜好に合わせて飲食店を選ぶ可能性が高いので、ポイント算出部42は、女性のリーダーポイントを通常よりも高く算出する。なお、ポイント算出部42は、上述した第1〜第6の方法は、いずれか1つを単独で用いてもよいし、複数の方法を組み合せて使ってもよい。
次に、ポイント算出部42は、総合的なリーダーポイントP[i]を次のように算出する。
ここで、実施例1で説明した端末iの位置情報に基づくリーダーポイントをPg[i](実施例1においてはP[i]と表記)、ユーザ属性情報に基づくリーダーポイントをPh[i]と示す。また、α1、α2は、α1>0、α2>0を満たす所定の係数である。つまり、ポイント算出部42は、位置情報に基づくリーダーポイントとユーザ属性情報に基づくリーダーポイントとの重み付き加算を実行する。なお、α1=1、α2=1として、位置情報に基づくリーダーポイントとユーザ属性情報に基づくリーダーポイントとの和(加算値)を総合的なリーダーポイントとしてもよい。
また、ポイント算出部42は、総合的なリーダーポイントP[i]を次のように算出してもよい。
ここで、γ1、γ2は、γ1>0、γ2>0を満たす所定数である。すなわち、Pg[i]を基数とし、γ1を指数とする累乗値と、Ph[i]を基数とし、γ2を指数とする累乗値との積(乗算値)をP[i]とする。Pg[i]をPh[i]に強く反映させたい場合は、γ1を大きな値にし、Ph[i]をPh[i]に強く反映させたい場合は、γ2を大きな値にするとよい。なお、γ1=1、γ2=1として、位置情報に基づくリーダーポイントとユーザ属性情報に基づくリーダーポイントとの積(乗算値)を総合的なリーダーポイントとしてもよい。ポイント算出部42が、式(5)または式(6)に基づいて、総合的なリーダーポイントをP[i]を算出した後、実施例1と同様な処理が実行されればよい。つまり、式(5)または式(6)に基づいて算出したP[i]が式(1)に代入される。
本実施例によれば、主体に対応したユーザの属性情報に応じてもリーダーポイントを算出するので、グループ内のユーザの影響力の推定精度を向上できる。また、ユーザの属性情報に含まれた複数の項目に基づいてリーダーポイントを算出するので、推定精度を向上できる。また、処理を実行する日付とユーザの属性情報との関係に応じてリーダーポイントを算出するので、処理を実行する日付を考慮しながら影響力を推定できる。
(実施例3)
次に、実施例3を説明する。実施例3は、これまでと同様に、複数の端末装置と、それらに接続可能な情報提供装置とを含む情報提供システムに関する。実施例3に係る情報提供装置も、実施例2と同様に、複数の端末装置の位置情報を使用してグループを形成するとともに、グループ内の各ユーザの影響力を推定する。実施例3は、グループが家族である場合を想定する。実施例3に係る情報提供システム100、端末装置16、情報提供装置10は、図1、図13、図15と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。
図15のグループ形成部40は、主体に対応したユーザの属性情報に応じて、グループを形成するための条件を変更する。ユーザの属性情報は、ユーザ情報格納部28に記憶されている。図18は、本発明の実施例3に係るユーザ情報格納部28に記憶された別のデータベースのデータ構造を示す。図示のごとく、家族単位で端末IDが登録されている。図15に戻る。グループ形成部40は、家族単位で端末IDが登録されている場合、これらの端末装置16を1つのグループと判定する条件を、通常に比べて緩和する。例えば、所定時間以上、所定の距離以内に存在する端末装置16を1つのグループとして判定する場合、グループ形成部40は、端末間の距離のしきい値を通常よりも長くしたり、所定時間を短くしたりする。家族は共通の目的地に向かって、一緒に行動する可能性が高いという仮定に基づく処理である。例えば、目的地に向かう過程において、一時的に子供が先に離れて行ってしまっても、グループ行動である判定を維持して、適切な情報提供をすることができる。
ポイント算出部42は、図18に示したデータベースに登録された生年月日と続柄を用いて、所定年齢以下(例えば、小学生以下)の子供の位置情報に基づくリーダーポイントを親よりも低くする処理を行う。例えば、ポイント算出部42は、グループの先頭に子供が位置する回数が多くても、位置情報に基づくリーダーポイントにあまり反映しない処理を行う。具体的には、ポイント算出部42は、所定年齢以下の子供の端末装置16に対して、先頭位置が観測された回数に0.1を乗じたり、リーダーポイント算出に使う先頭位置の回数に上限を設けたりする等の制御処理を行う。小さい子供は衝動的、突発的に行動することが多いが、このような制御処理を行うことにより、位置情報に基づくリーダーポイントを精度よく算出される。
また、ポイント算出部42は、一般的に、家庭内における母親の影響力が最も強いため、母親のリーダーポイントを最も大きくする処理を行ってもよい。また、ポイント算出部42は、処理を行う月日(現在日時)と家庭内の続柄との関連性を用いて算出してもよい。例えば、リーダーポイントを算出する現在日時が2015年6月21日であり、父の日に相当する場合、ポイント算出部42は、父親のリーダーポイントを通常よりも高く算出してもよい。
本実施例によれば、主体に対応したユーザの属性情報に応じて、グループを形成するための条件を変更するので、家族等の事情に適したグループを形成できる。また、家族構成に応じてリーダーポイントを算出するので、家族内での影響力を高い精度で推定できる。
(実施例4)
次に、実施例4を説明する。実施例4は、これまでと同様に、複数の端末装置と、それらに接続可能な情報提供装置とを含む情報提供システムに関する。実施例4に係る情報提供装置も、これまでと同様に、複数の端末装置の位置情報を使用してグループを形成するとともに、グループ内の各ユーザの影響力を推定する。一方、これまでは、グループ内のユーザに共通の情報を提供しているが、実施例4では、位置情報、ユーザ嗜好情報、ユーザ属性情報のうちの少なくとも1つを使用して、1つのグループ内に複数のサブグループを形成し、各々のサブグループに対して、適切な情報を提供する。実施例4に係る情報提供システム100、端末装置16、情報提供装置10は、図1、図13、図15と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。
図15のグループ形成部40は、グループに含まれた複数の主体を少なくとも2つのサブグループにも分類することによって、少なくとも2つのサブグループを形成する。前述のごとく、グループ形成部40は、位置情報管理部22に格納された位置情報に基づいて、図5に示すような端末間の平均距離を示す行列データを算出している。グループ形成部40は、この行列データを用いて、サブグループを形成する。グループ形成部40は、サブグループを形成するための所定のしきい値を設定し、端末間の平均距離がそのしきい値以下の端末装置を同じサブグループに対応させる処理を行う。例えば、サブグループしきい値=3mという条件を第1端末装置16aから第5端末装置16eで構成されるグループに適用する。その場合、第1端末装置16a、第2端末装置16b、第3端末装置16cで構成されるサブグループ1と、第4端末装置16d、第5端末装置16eで構成されるサブグループの2つのサブグループが作成される。
これとは別に、グループ形成部40が、ユーザの嗜好情報を用いてサブグループを形成する方法を説明する。ユーザ情報格納部28には、図10に示すようなユーザ嗜好情報(嗜好度)F[i][j]が格納されている(i=1〜N、j=1〜M)。これは、端末装置i(ユーザiに相当)の料理ジャンルjに対する嗜好の強さを示す数値である。このデータに基づいて、グループ形成部40は、2つの端末装置16(2人ユーザ)間の嗜好の一致度を、次のようなコサイン尺度にしたがって算出する。
ここで、E[i][p]は、端末装置iと端末装置pの嗜好に関する類似度であり、数値が大きいほど、両者の嗜好が一致していることを示す。ここで、i=1〜N、p=1〜N、i≠pである。
あるいは、グループ形成部40は、次に示す相関係数にしたがって、端末装置iと端末装置pの類似度E[i][p]を算出してもよい。
ここで、Fa[i]は、端末装置iに対応する嗜好情報F[i][j]の平均値であり、Fa[p]は、端末装置pに対応する嗜好情報F[p][j]の平均値である。式(8)によるE[i][p]は、−1〜+1の範囲の値をとり、式(7)同様に、端末装置iと端末装置pの嗜好が一致しているほど大きな値となる。また、これ以外の方法で、2つの端末装置16の間の嗜好に関する類似度を算出してもよい。例えば、端末装置iの嗜好情報と、端末装置pの嗜好情報との距離(ユークリッド距離など)の逆数を類似度としてもよい。このようにして、グループ形成部40は、グループ内の端末装置16の間の類似度を算出し、類似度が所定のしきい値以上である端末装置をまとめてサブグループとする。
さらに、これらとは別に、ユーザ属性情報を用いて、サブグループを形成する方法を説明する。ユーザ属性情報からサブグループを作成する第1の方法は、同じユーザ属性項目を持つ端末装置16をサブグループとする方法である。例えば、図16に示すユーザ属性情報の場合、グループ形成部40は、勤務先毎にX、Y、Zの3つのサブグループを形成する。また、グループ形成部40は、役職レベルが同じまたは近い人をまとめて、サブグループを形成してもよい。例えば、重役、部長、課長、主任、一般といったサブグループを形成すればよい。また、グループ形成部40は、年齢層別にサブグループを形成してもよい。例えば、10代、20代、30代、40代、50代、60代などのサブグループを形成すればよい。また、グループ形成部40は、年収別にサブグループを形成してもよい。例えば、300万円〜400万円、400万円〜500万円、500万円〜600万円など所定の年収範囲に基づいて、サブグループを形成すればよい。
ユーザ属性情報からサブグループを作成する第2の方法は、ユーザ属性情報に係る端末装置16の間の類似度を算出する方法である。図16に示すように、端末装置iに対して、属性項目lのユーザ属性情報G[i][l]が格納されている(i=1〜N、l=1〜L)。グループ形成部40は、次のように、ユーザ属性情報に係る端末装置iと端末装置pとの類似度Q[i][p](i≠p)を算出する。
ここで、δ関数は典型的には、2つの引数が一致する場合に「1」、異なる場合に「0」を返す関数である。なお、属性項目に応じて、異なる応答特性のδ関数を用いてもよい。例えば、属性項目が、性別、勤務先などのように名義尺度である場合には、2つの引数が完全一致する場合にのみ「1」を返す関数が使用される。一方、属性項目が年収、今月の小遣い、などのように数値(間隔尺度または比例尺度)である場合には、2つの引数の相対的な差が10%以下である場合に「1」を返し、それ以外の場合に「0」を返すような関数が使用される。
あるいは、2つの引数が完全に一致した場合に「1」、誤差5%以内であれば「0.8」、誤差5〜10%であれば「0.5」、誤差10〜20%であれば「0.2」、誤差20%以上であれば「0」を返す特性の関数が使用されてもよい。グループ形成部40は、ユーザ属性情報に係る類似度Q[i][p](i=1〜N、p=1〜N、i≠p)を算出した後、類似度が所定のしきい値以上である端末装置16をまとめてサブグループとする。またさらに、グループ形成部40は、前述の方法を組み合せてサブグループを作成してもよい。例えば、位置情報と、ユーザ嗜好情報と、ユーザ属性情報の3つを全て使ってサブグループを作成してもよい。
このようにしてサブグループを作成した後、アイテム選択部26は、サブグループ毎に推薦情報を作成する。つまり、アイテム選択部26は、これまでのグループに関する処理をサブグループに対応させて処理を実行する。これは、ポイント算出部42において算出したリーダーポイントが高い主体を優先するように、それぞれのサブグループに対して提示すべきアイテムも選択することに相当する。1つのサブグループに対して作成された推薦情報は、当該サブグループに属する端末装置16にのみ提供されてもよいし、他のサブグループに属する端末装置16(グループ内の全ての端末装置16)に提供されてもよい。
本実施例によれば、グループに含まれた複数の主体を少なくとも2つのサブグループにも分類することによって、少なくとも2つのサブグループを形成するので、グループの中でも類似性を有した主体をサブグループ化できる。また、リーダーポイントが高い主体を優先するように、それぞれのサブグループに対して提示すべきアイテムも選択するので、サブグループ毎にアイテムを提示できる。また、グループ全員が入店できる店舗が存在しない場合などに、グループを2つ以上のサブグループに分割し、サブグループ毎に入店可能な店舗を提示してもよい。各々のサブグループは、ユーザの行動、ユーザの嗜好、ユーザの属性のうちの少なくとも1つに関して、相対的に類似性の高いメンバーで構成されるため、ユーザ間のコミュニケーションが容易に取れる可能性が高く、ユーザの利便性と満足度を高めることができる。
(実施例5)
次に、実施例5を説明する。実施例5は、これまでと同様に、これまでと同様に、複数の端末装置と、それらに接続可能な情報提供装置とを含む情報提供システムに関する。実施例5に係る情報提供装置も、これまでと同様に、複数の端末装置の位置情報を使用してグループを形成するとともに、グループ内の各ユーザの影響力を推定する。これまでは、グループ内の各ユーザの影響力をもとにアイテムを選択していたが、実施例5では、グループ内の各ユーザの影響力を示す情報を提供する。実施例5に係る情報提供システム100、端末装置16は、図1、図13と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。
図19は、本発明の実施例5に係る情報提供装置10の構成を示す。情報提供装置10は、受信部20、位置情報管理部22、グループ情報処理部24、ユーザ情報格納部28、送信部32、制御部34を含む。また、グループ情報処理部24は、グループ形成部40、ポイント算出部42を含み、ユーザ情報格納部28は、ポイント格納部44を含む。これまでの情報提供装置10は、グループに属する端末装置16に対して、位置情報に基づく店舗情報などを推薦情報として提供するが、実施例5での情報提供装置10は、グループ内のユーザの影響力を示す情報を提供する。すなわち、ポイント算出部42は、端末装置16毎にリーダーポイントを算出し、送信部32は、ポイント算出部42において算出したリーダーポイント、またはリーダーポイントを集約した指標を各端末装置16に送信する。なお、送信先は、グループ内の端末装置16に限定されず、それ以外の端末装置16や他の装置(例えば、マーケティングデータ分析システムなど)であってもよい。
一方、図13に示した端末装置16の送信部56は、情報提供装置10から、リーダーポイントあるいはリーダーポイントを集約した指標に関するデータを受信する。制御部54は、送信部56において受信したデータを表示部52に表示させる制御を行う。なお、端末装置16の制御部54は、受信したデータが表示用データである場合、それにしたがって表示部52を制御する。また、端末装置16の制御部54は、受信したデータが素材用データである場合、それに基づき表示用データを作成し、表示部52に表示させる。
図20は、本発明の実施例5に係る表示部52に表示される画面を示す。これは、端末装置16におけるリーダーポイントの表示の一例に相当する。本図に示す例では、実際に1つのグループを形成した5つの端末装置16について、各々のリーダーポイントを表示している。横軸のA、B、C、D、Eは、グループ内の端末装置16に付与された端末IDを示す。それらは、前述のごとく、第1端末装置16a、第2端末装置16b、第3端末装置16c、第4端末装置16d、第5端末装置16eに対応する。また、縦軸はリーダーポイントを示す。図示のごとく、第3端末装置16cのリーダーポイントが最も高く、2番目に第2端末装置16bが高い。またこの例では、グループ内のリーダーポイントの総和が「1」になるように正規化した値を用いているが、総和を「100」としたり、最大値が所定の値(例えば、100)にしたりするようにしてもよい。
図21は、本発明の実施例5に係る表示部52に表示される別の画面を示す。これは、リーダーポイント表示の別の一例に相当する。ここでは、位置情報に基づくリーダーポイントPgをドットパターンで、ユーザ属性情報に基づくリーダーポイントPhを斜線パターンで示す。このような表示をすると、各ユーザのリーダーポイントをより詳細に表すことができる。例えば、第3端末装置16cに次いで、第2端末装置16bのリーダーポイントが大きいが、両者の構成は大きく異なっている。第3端末装置16cはユーザ属性情報に基づくリーダーポイントが大きいのに対し、第2端末装置16bは位置情報の基づくリーダーポイントが大きいことが分かる。この例では、リーダーポイントは、PgとPhの和(加算値)であり、グループ内のPgの総和が「100」、Phの総和が「100」になるように正規化されている。
図22は、本発明の実施例5に係る表示部52に表示される別の画面を示す。これは、サブグループを形成した場合のリーダーポイント表示の一例に相当する。この例では、第1端末装置16a、第2端末装置16b、第3端末装置16cがサブグループ1に対応し、第4端末装置16d、第5端末装置16eがサブグループ2に対応する。PgおよびPhは、それぞれサブグループ内の総和が「100」となるように正規化されている。図19に戻る。
ポイント算出部42において算出されるリーダーポイント関連のデータは、店舗等を1回選ぶ際の行動履歴に基づくものであってもよいし、複数回の行動履歴に基づくものであってもよい。1回のグループ行動におけるリーダーポイントは、短期的なリーダーポイントであるといえる。また、複数回のグループ行動におけるリーダーポイントを集計(集約)した値(指標)は、長期的なリーダーポイントであるともいえる。長期的なリーダーポイントを提供するために、ポイント格納部44は、ポイント算出部42で過去に算出されたリーダーポイントを、各主体に対応させて格納する。図23は、本発明の実施例5に係るポイント算出部42に記憶されたデータベース(ポイント履歴テーブル)のデータ構造を示す。ポイント履歴テーブルは、グループID、端末ID、算出日時、リーダーポイント、店舗ID、目的分類を関連付けたポイント履歴データを格納する。グループIDは、上述したように、グループを一意に識別可能なIDであり、グループが生成される毎に新たなグループIDが割り当てられている。目的分類は、グループが選択した店舗等の目的地または行動の目的を示す情報である。
大まかな目的を示す情報として、例えば、「食事」、「買い物」、「飲酒」、「テーマパーク」等の分類を用いることができる。すなわち、店舗ジャンルの上位概念(より抽象化した概念)に相当する分類である。また、より詳細な目的地としては、例えば、「和食レストラン」、「フレンチレストラン」、「中華レストラン」、「居酒屋」、「バー」、「洋服店」、「雑貨店」、「本屋」、「レコード店」、「花屋」などの分類(店舗ジャンル)を用いることができる。なお、グループが目的地に到達したことは、上述のように、所定時間(例えば5分)以上、グループの各端末装置16の位置情報がほぼ変化しない等の条件で判定することができる。また、その位置情報を使って店舗データベース等を検索することにより、店舗の情報(ジャンル等)を取得することができるので、その情報を目的分類に用いればよい。また、グループが目的地に到達したタイミングなどの適当なタイミングで、グループの端末装置に、今回の行動の目的などを尋ねるアンケート調査を送信し、それを収集して得た情報を目的分類としてもよい。また、このようなポイント履歴テーブルを用いることにより、実際には同じグループとして行動していない、任意の端末装置16の組み合せで、リーダーポイントを比較することも可能である。
ポイント算出部42は、ポイント格納部44を参照しながら、算出日時が所定の期間(例えば、2015/01/01〜2015/01/31)に該当するデータを対象にして、一の主体に対応する複数のリーダーポイントを集約した指標を算出する。具体的に説明すると、ポイント算出部42は、端末ID毎のリーダーポイントの合計値、代表値(平均値、中央値、最頻値)、最大値、最小値、ばらつきを示す値(標準偏差、分散、(最大値−最小値)など)などの各指標を算出する。また、ポイント算出部42は、目的分類(カテゴリ)別に、端末ID毎のリーダーポイントを集約した指標を算出してもよい。つまり、ポイント算出部42は、カテゴリ毎の度数、カテゴリ毎の相対度数、のうちの少なくとも1つを指標として算出してもよい。所定の期間内でリーダーポイントが算出された回数は、端末装置16毎に異なるため、端末装置16同士の比較を行う場合は、合計値よりも、平均値または中央値が適している。
また、ポイント算出部42は、グループの人数に応じて、リーダーポイントを補正してもよい。1つのグループ内で、リーダーポイントの総和が「1」になるように正規化されている場合、グループの人数が多くなるほど、1人あたりのリーダーポイントの平均値(期待値)は小さくなる。また、正規化されていない場合であっても、グループの人数が多くなると、各ユーザがグループの先頭に位置する頻度が少なくなるため、1人あたりのリーダーポイントは小さくなる傾向がある。このため、ポイント算出部42は、グループ人数が多い場合に、リーダーポイントの値を増やす等の補正処理を行う。例えば、グループID毎に人数を算出し、あるグループIDの人数が第3所定値以上かつ第4所定値未満である場合に、そのグループIDに対応するリーダーポイントを「1.5倍」する。また、あるグループIDの人数が第4所定値以上である場合に、そのグループIDに対応するリーダーポイントを「2倍」する等の処理を行う。また、このように補正されたリーダーポイントを用いて、リーダーポイントを集約した指標を算出する。
図24は、本発明の実施例5に係る表示部52に表示される別の画面を示す。これは、目的分類別にリーダーポイントを表示する一例に相当する。「食事」、「飲酒」、「買い物」の3つの目的分類を使用している。ここに示すリーダーポイントは、ポイント算出部42において、所定期間に各端末装置が獲得したリーダーポイントの目的分類別の平均値(端末装置と目的分類との組み合せ毎の平均値)を算出し、端末装置毎の平均値の合計が「1」になるように正規化した値である。つまり、ポイント算出部42は、グループの行動の目的別、またはグループに選択されたアイテムのカテゴリ別またはジャンル別に指標を算出するといえる。ここに示す例では、例えば、第1端末装置16aに関して、「食事」と「飲酒」の場面では、影響力が小さいが、「買い物」の場面では強い影響力を発揮することが読みとれる。また、第3端末装置16cに関して、どの場面的でも、比較強い影響力を発揮することが読みとれる。なお、ここに示す第1端末装置16a〜第5端末装置16eは、実際に1つのグループとして行動した端末装置16であってもよいし、実際には1つのグループとして行動していない端末装置16を集めた比較であってもよい。すなわち、ユーザが任意の端末装置16(ユーザ)の組み合せを指定して、リーダーポイントを表示させてもよい。例えば、自分の家族や友人を指定して、そのリーダーポイントを比較可能なように表示してもよい。また、あらかじめ各々のユーザが、自分のリーダーポイントの公開の可否と、公開する情報や公開する相手の条件などを指定し、その情報を情報提供装置10に格納しておき、その情報に従って、他のユーザへの開示を制御してもよい。また、ユーザが過去に形成されたグループを任意に選んで、そのグループを構成する端末装置16のリーダーポイントを比較可能なように表示してもよい。操作を行うユーザの端末装置16がそのグループに含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
図25は、本発明の実施例5に係る表示部52に表示される別の画面を示す。これは、グループの人数別にリーダーポイントを表示する一例に相当する。グループの人数を「2人」、「3〜5人」、「6人以上」の3段階に分けて表示している。グループの人数に応じて決まるカテゴリ別にリーダーポイントを表示するともいえる。ここに示すリーダーポイントは、ポイント算出部42において、表示対象の端末装置16それぞれについて、所定期間に端末装置が獲得したリーダーポイントのグループ人数別(3つのカテゴリ別)の平均値を算出し、その平均値のグループ人数毎の合計値が「1」になるように正規化した値である。例えば、グループ人数「2人」に対応する第1端末装置16a〜第5端末装置16eのリーダーポイントの合計が「1」になるように正規化されている。ここに示す例では、第1端末装置16aは、グループ人数が2人(少人数)である場合に、影響力が大きいが、グループの人数が増えると影響力が小さいことが分かる。一方、第5端末装置16eは、第1端末装置16aとは対照的に、グループ人数が6人以上(多人数)である場合に、影響力が大きいが、グループの人数が減ると影響力が小さいことが分かる。また、第3端末装置16cは、グループの人数に関わらず、どのような場面でも、比較的強い影響力を発揮することが分かる。
図26は、本発明の実施例5に係る表示部52に表示される別の画面を示す。これは、所定期間に各端末装置16が獲得したリーダーポイントを所定のルールに基づいて、複数のカテゴリ(リーダーポイントカテゴリ、Rpカテゴリとも表記する)に分類し、カテゴリ毎の頻度(度数)を表示した一例に相当する。例えば、ポイント算出部42は、リーダーポイント(Rp)の値が「0.6以上」の場合にカテゴリ「Rp大」に対応させ、「0.4以上、0.6未満」の場合にカテゴリ「Rp中」に対応させ、「0.4未満」の場合にカテゴリ「Rp小」に対応させる。ここで、リーダーポイントは正規化されているとする。一方、ポイント算出部42は、リーダーポイントが正規化されていない場合、例えば、Rpの値が「120以上」の場合にカテゴリ「Rp大」に対応させ、「50以上、120未満」の場合にカテゴリ「Rp中」に対応させ、「50未満」の場合にカテゴリ「Rp小」に対応させる。
さらに、ポイント算出部42は、ポイント格納部44において、端末ID毎に、3つのカテゴリそれぞれに対応するデータ数をカウントする。もちろん、これ以外のカテゴリ数を用いてもよい。このようなリーダーポイントカテゴリも、リーダーポイントを集約した指標といえる。なお、グループの人数が少ない場合には、「Rp大」とする条件を厳しく(Rp大に該当するしきい値を大きく)し、グループの人数が多い場合には、「Rp大」とする条件を緩く(Rp大に該当するしきい値を小さく)してもよい。
前述の所定のルールは、例えば、図27のように示される。図27は、本発明の実施例5に係るグループ情報処理部24に記憶されたデータベースのデータ構造を示す。この例は、グループ人数が「2人」の場合に、リーダーポイント(Rp)が「0.8以上」であれば「Rp大」に対応させ、「0.4以上0.8未満」であれば「Rp中」に対応させ、「0.4未満」であれば「Rp小」に対応させることを示す。
図26において、第1端末装置16aは、「Rp大」の割合が高く、多くのグループ行動において、強い影響力を発揮していることが分かる。一方、第2端末装置16bは、「Rp大」の割合が低い、ほぼ全てのグループ行動において、影響力を発揮していないことが分かる。また、第3端末装置16cは、「Rp大」となる回数も多いが、「Rp小」の回数も同程度に多い。このため、第3端末装置16cが影響力を強い影響力を発揮するか否かは、固定的ではなく、ケースバイケースであることが分かる。なお、図26においては、カテゴリ毎の度数(絶対度数)を表示しているが、各ユーザ(端末装置16)のカテゴリの度数の総和が1になるように正規化した相対度数を表示してもよい。
これまでの説明では、情報提供装置10が特徴行動量およびリーダーポイントの算出を実行しているが、他の方式を用いることもできる。例えば、端末装置16が、近傍の端末装置16と互いの位置情報を随時交換し、自分の位置情報と他の端末装置16の位置情報とを用いて、グループを形成する。また、グループに含まれる端末装置16について、特徴行動量およびリーダーポイントを算出してもよい。つまり、位置情報管理部22、グループ情報処理部24が端末装置16に含まれてもよい。グループ内の各端末装置16がそれぞれ自分のリーダーポイントのみを算出してもよいし、ある特定の端末装置16が、複数の端末装置16のリーダーポイントをまとめて算出してもよい。また、リーダーポイントを算出した端末装置16は、他の端末装置16にそれを送信する。グループ内の各端末装置16は、自らが算出するか、または他の端末装置16から受信するか、または自らが算出したものと、他の端末装置から受信したものを合わせて、複数の端末装置16に対応するリーダーポイントを取得する。端末装置16は、それらのリーダーポイントを用いて、これまでに示した表示を表示部52にさせる。
本実施例によれば、推定した影響力を示す情報をユーザに提供するので、ユーザは、グループ内の人間関係(暗黙的な役割り等)を客観的かつ定量的に把握できる。また、グループ内のユーザの人間関係が客観的かつ定量的に把握されるので、ユーザは自己の行動の改善や対人関係の見直しを容易に行うことができる。また、複数のリーダーポイントを集約した指標を算出するので、影響力の推定精度を向上できる。また、リーダーポイントの合計値、代表値、最大値、最小値、ばらつきを示す値、リーダーポイントの大きさに応じて決まるカテゴリ毎の度数、カテゴリ毎の相対度数、のうちの少なくとも1つを指標として算出するので、ユーザに影響力を定量的に把握させることができる。また、グループの行動の目的別、またはグループに選択されたアイテムのジャンル別に指標を算出するので、ユーザに影響力をより詳細に把握させることができる。また、ユーザに端末装置16(ユーザ)の組み合せを自由に選ばせ、それらのリーダーポイントを比較可能なように表示するので、ユーザに影響力を容易に把握させることができる。
また、グループ行動におけるユーザの影響力を示す情報を提供することにより、ユーザ自身が必ずしも自覚していないお互いの影響力を知ることができ、ある種のエンターテインメント情報として、ユーザが楽しむことができる。例えば、「このグループは、Aさんが仕切っていると思っていたが、実際にはBさんの影響力が強いことが分かった」等の気づきを与えることができ、グループの人間関係に刺激を与えることができる。また、グループにおける自分の立場や役割を見直すのに役立つ。例えば、「自分は、グループの他のユーザの言いなりで、リーダーシップを発揮していない。もう少し積極的に提案してみよう」とか、「私は、グループを仕切ることが多いことが改めて分かった。今度は少し他人の好みに付き合ってみよう」といった気づきを与えることができる。すなわち、自己の行動の改善やグループの人間関係の改善につながる情報を提供することができる。また、グループ形成、リーダーポイントの導出を端末装置で実行するので、端末装置だけで影響力を推定できる。
(実施例6)
次に、実施例6を説明する。実施例6は、これまでと同様に、複数の端末装置と、それらに接続可能な情報提供装置とを含む情報提供システムに関する。実施例6に係る情報提供装置も、これまでと同様に、複数の端末装置の位置情報を使用してグループを形成するとともに、グループ内の各ユーザの影響力を推定する。一方、これまでは、1回のグループ行動におけるユーザの特徴的な行動に基づいて、リーダーポイントを算出しているが、実施例6では、過去のグループ行動において算出されたリーダーポイントを、現在のグループ行動におけるリーダーポイントに反映させる。具体的には、グループ内のあるユーザ(一のユーザ)のリーダーポイントに、それ以外の他のユーザの過去のリーダーポイントを反映させる。実施例6に係る情報提供システム100、端末装置16、情報提供装置10は、図1、図13、図15あるいは図19と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。
図15あるいは図19のポイント算出部42は、これまでと同様に、リーダーポイントを算出する。その情報は、グループ情報処理部24に記憶される。図28は、本発明の実施例5に係るグループ情報処理部24に記憶されたデータベース(グループ情報テーブル)のデータ構造を示す。以下の説明において、処理対象のグループ(現在のグループ)のグループIDは、「G21」であり、グループ情報テーブルにおいて、「G21」には、「C」、「D」、「E」の3つの端末装置16が対応しているものとする。この3つの端末装置16は、第3端末装置16c、第4端末装置16d、第5端末装置16eに相当する。さらに、ある時点のリーダーポイント(テンポラリポイント)は、「C=80」、「D=100」、「E=60」であるものとする。
また、図15あるいは図19のユーザ情報格納部28におけるポイント格納部44には、図23に一例を示すポイント履歴テーブルが格納されているものとする。ポイント履歴テーブルは、各端末IDに対する過去のリーダーポイントが示されたテーブルであり、例えば、算出日時とリーダーポイントが対応づけられて示されたテーブルである。
本実施例において、情報提供装置10は、ステップS110を実行した後、ステップS120を実行する前に、ステップS115(図示せず)を実行する。このステップS115の詳細処理について、図29のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS300において、ポイント算出部42は、対象処理グループの端末装置16をリーダーポイント(テンポラリポイント)の大きい順に順位付けする。前述の例では、「D=1位」、「C=2位」、「E=3位」である。
次に、ステップS310において、ポイント算出部42は、所定順位の端末装置16について、過去のリーダーポイントを取得する。ここで、所定順位とは、2位から2位以下のある順位(X位)までの各順位である。具体的に説明すると、ポイント算出部42は、まず2位の端末装置について、ポイント格納部44に格納したポイント履歴テーブルを参照して、過去のリーダーポイントを取得する。前述の例では、第3端末装置16cの過去のリーダーポイントが取得される。図23の例において、ポイント算出部42は、「(G11,C)=0.4」、「(G12,C)=0.6」、「(G13,C)=0.8」の3つのデータを取得する。X=2位として、所定順位を2位のみにしてもよい。X=3位として、所定順位を「2位および3位」とした場合、ポイント算出部42は、第5端末装置16eの過去のリーダーポイントをさらに取得する。
図23の例では、「(G11,E)=0.05」、「(G12,E)=0.15」の2つである。なお、ポイント算出部42は、1位の端末装置16が含まれないグループIDに限定して、過去のリーダーポイントを取得してもよい。例えば、ポイント算出部42は、2位の端末装置16について、過去のリーダーポイントを取得する際に、第4端末装置16dが含まれるグループIDを除外して取得する。前述の例では、G11に第4端末装置16dが含まれるので、ポイント算出部42は、G11を除外し、「(G12,C)=0.6」、「(G13,C)=0.8」の2つのデータを取得するようにしてもよい。ポイント算出部42は、3位の端末装置16についても、同様に、1位の端末装置16が含まれない過去のリーダーポイントを取得する。このように、1位の端末装置16が含まれないデータに限定して過去のリーダーポイントを取得することにより、後述するリーダーポイントの補正精度が向上する場合がある。
次に、ステップS320において、ポイント算出部42は、取得したリーダーポイントを用いて、端末装置16毎に、過去のリーダーポイントの代表値を算出する。代表値としては、平均値、中央値、最頻値のいずれかを用いることができるが、以下の説明では、平均値を用いるものとする。前述の例では、第3端末装置16cの平均値は、「(0.4+0.6+0.8)÷3=0.6」となる。第5端末装置16eの平均値は、「(0.05+0.15)÷2=0.1」となる。
次に、ステップS330において、ポイント算出部42は、算出した代表値が、所定条件を満たすかを判定し、その判定結果に応じて、1位のリーダーポイントを補正する。具体的に説明すると、ポイント算出部42は、代表値が所定値θ1以上であることを所定条件とし、その条件を満たす場合に、1位のリーダーポイントを増加させる。例えば、「θ1=0.3」とした場合、前述の例では、第3端末装置16cがこの条件を満たすため、1位のリーダーポイント「D=100」を1.5倍して「D=150」としたり、「30」を加算して「D=130」としたりする。つまり、ポイント算出部42は、1位のリーダーポイントに所定係数を乗算したり、所定数を加算したりして、リーダーポイントを補正する。2位以下の端末装置16(ユーザ)において、過去のリーダーポイントが高い端末装置16(ユーザ)が存在する場合、それらに比べてさらにリーダーポイントの高い1位の端末装置16(ユーザ)の影響力は、非常に強いと推定できる。つまり、過去にリーダーポイントが高かった人よりもさらにリーダーポイントが高い人は、非常に影響力が強い人と推定できる。このため、ポイント算出部42は、通常よりもリーダーポイントを高くする処理を行う。
また、ポイント算出部42は、代表値が所定値θ2未満であることを所定条件とし、その条件を満たす場合に、1位のリーダーポイントを低減する処理を行ってもよい。例えば、「θ2=0.2」とした場合、前述の例では、第5端末装置16eがこの条件を満たすため、1位のリーダーポイント「D=100」を0.8倍して「D=80」としたり、「10」を減算して「D=90」としたりする。2位以下の端末装置16(ユーザ)において、過去のリーダーポイントが低い端末装置16(ユーザ)が存在する場合、現在のグループで1位の端末装置16(ユーザ)の影響力は、他のユーザの影響力が弱いために、実体よりも強く出ていると推定される。そのため、ポイント算出部42は、通常よりもリーダーポイントを低くする処理を行う。
また、ポイント算出部42は、代表値が所定値θ1以上である端末装置16の数に応じて、リーダーポイントを増加または低減する程度を変えてもよい。例えば、ポイント算出部42は、代表値がθ1以上である端末装置16の数が1つである場合に「1.5倍」し、2つである場合に「2倍」し、3つ以上である場合に「3倍」する等の処理を行ってもよい。また、ポイント算出部42は、2位の端末装置16の代表値がθ1以上である場合に「2倍」とし、3位の端末装置16の代表値がθ1以上である場合に「1.5倍」とし、2位と3位の端末装置16が両方ともθ1以上である場合に「2×1.5=3倍」してもよい。つまり、ポイント算出部42は、代表値が所定条件を満たす端末装置16の順位に応じて、リーダーポイントの補正の程度を変えてもよい。
なお、前述の説明では、1位の端末装置16のリーダーポイントを補正したが、グループに含まれる端末装置16の数が多い場合などには、同様の考え方で2位以下の端末装置16のリーダーポイントを補正してもよい。例えば、3位の端末装置16の過去のリーダーポイントを用いて、2位の端末装置16のリーダーポイントを増加または低減してもよい。つまり、ポイント算出部42は、グループに含まれた一の主体に対して、グループに含まれた他の主体に対応する過去に算出されたリーダーポイントに基づいて、リーダーポイントを算出する。
本実施例によれば、グループに含まれた一の主体に対して、グループに含まれた他の主体に対応する過去に算出されたリーダーポイントに基づいて、リーダーポイントを算出するので、算出精度を向上できる。また、ポイント履歴テーブルに蓄積された過去のリーダーポイントを用いて、処理対象のグループのリーダーポイントを補正するので、ユーザの影響力をさらに精度よくリーダーポイントに反映することができる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施例1乃至6は、次に示す項目によって規定されてもよい。
[項目1]
ユーザまたは端末装置である主体の位置情報を取得し、複数の主体に係る位置情報の時系列データに基づいて、複数の主体を含んだグループを形成するグループ形成部と、
前記位置情報の時系列データに基づいて、前記グループ形成部において形成したグループに含まれた複数の主体のそれぞれに対して、グループ内の主体の影響力が高いとされる所定の行動パターンに合致する度合いを示す特徴行動量を算出し、前記特徴行動量に基づいて、各主体に対するポイントを算出するポイント算出部と、
前記ポイント算出部において算出したポイントが高い主体を優先するように、グループに対して提示すべきアイテムを選択するアイテム選択部と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
[項目2]
前記ポイント算出部は、前記位置情報の時系列データにおける主体の移動パターンが、前記所定の行動パターンに合致する回数、合致する時間、合致する移動距離、合致する確率、のうちの少なくとも1つを前記特徴行動量として算出し、前記特徴行動量が多いほど、高い値となるように前記ポイントを算出することを特徴とする項目1に記載の情報提供装置。
[項目3]
前記ポイント算出部における前記所定の行動パターンは、グループの移動方向を基準にして、グループの先頭から所定順位の位置に主体が位置するパターンであることを特徴とする項目1または2に記載の情報提供装置。
[項目4]
前記ポイント算出部は、前記所定順位が高いほど、高くなるようなポイントを算出することを特徴とする項目3に記載の情報提供装置。
[項目5]
前記ポイント算出部における前記所定の行動パターンは、グループが複数に分割してから合流した場合に、合流後に移動する方向に分割時から主体が移動しているパターンであることを特徴とする項目1から4のいずれかに記載の情報提供装置。
[項目6]
前記ポイント算出部は、グループが複数に分割したときの小グループに含まれる主体の数に基づいて、ポイントを算出することを特徴とする項目5に記載の情報提供装置。
[項目7]
前記ポイント算出部における前記所定の行動パターンは、主体が停止した場合に、当該停止に追従して他の主体も停止するパターンであることを特徴とする項目1から6のいずれかに記載の情報提供装置。
[項目8]
前記ポイント算出部は、当該停止に追従して停止した他の主体の数に基づいて、ポイントを算出することを特徴とする項目7に記載の情報提供装置。
[項目9]
前記ポイント算出部は、主体に対応したユーザの属性情報に応じてもポイントを算出することを特徴とする項目1から8のいずれかに記載の情報提供装置。
[項目10]
前記ポイント算出部は、ユーザの属性情報に含まれた複数の項目に基づいてポイントを算出することを特徴とする項目9に記載の情報提供装置。
[項目11]
前記ポイント算出部は、処理を実行する日付とユーザの属性情報との関係に応じてポイントを算出することを特徴とする項目9に記載の情報提供装置。
[項目12]
前記グループ形成部は、主体に対応したユーザの属性情報に応じて、グループを形成するための条件を変更することを特徴とする項目1から11のいずれかに記載の情報提供装置。
[項目13]
前記グループ形成部は、グループに含まれた複数の主体を少なくとも2つのサブグループにも分類することによって、少なくとも2つのサブグループを形成し、
前記アイテム選択部は、前記ポイント算出部において算出したポイントが高い主体を優先するように、それぞれのサブグループに対して提示すべきアイテムを選択することを特徴とする項目1から12のいずれかに記載の情報提供装置。
[項目14]
前記ポイント算出部は、グループに含まれた主体の数に応じて、前記ポイントを算出することを特徴とする項目1から13のいずれかに記載の情報提供装置。
[項目15]
前記ポイント算出部は、グループに含まれた一の主体に対して、グループに含まれた他の主体に対応する過去に算出されたポイントに基づいて、前記ポイントを算出することを特徴とする項目1から14のいずれかに記載の情報提供装置。
[項目16]
前記アイテム選択部は、(1)前記ポイント算出部において算出した各主体のポイントによって重み付けしながら、各主体に対応したユーザにおけるアイテムに対する嗜好度またはアイテム属性に対する嗜好度を加算することによって、グループにおけるアイテム毎の推薦度を導出し、(2)前記導出したグループにおけるアイテム毎の推薦度をもとに、アイテムを選択することを特徴とする項目1から15のいずれかに記載の情報提供装置。
[項目17]
前記アイテム選択部は、前記ポイント算出部において算出したポイントが高い順に所定数の主体を特定し、その特定した主体のポイントに基づいて、アイテムを選択することを特徴とする項目1から16のいずれかに記載の情報提供装置。
[項目18]
ユーザまたは端末装置である主体の位置情報を取得する取得部と、
前記取得部において取得した位置情報の時系列データを情報提供装置に送信する送信部と、
前記送信部において前記位置情報の時系列データを送信した前記情報提供装置において選択されたアイテムに関する情報を前記情報提供装置から受信する受信部と、
前記受信部において受信したアイテムに関する情報を表示する表示部とを備え、
前記受信部において受信したアイテムに関する情報は、前記情報提供装置において、(1)複数の主体に係る位置情報の時系列データに基づいて、複数の主体を含んだグループを形成し、(2)前記位置情報の時系列データに基づいて、形成したグループに含まれた複数の主体のそれぞれに対して、グループ内の主体の影響力が高いとされる所定の行動パターンに合致する度合いを示す特徴行動量を算出し、前記特徴行動量に基づいて、各主体に対するポイントを算出し、(3)算出したポイントが高い主体を優先するように、グループに対して提示すべきアイテムを選択することによって生成された情報であることを特徴とする端末装置。
[項目19]
ユーザまたは端末装置である主体の位置情報を取得し、複数の主体に係る位置情報の時系列データに基づいて、複数の主体を含んだグループを形成するステップと、
前記位置情報の時系列データに基づいて、形成したグループに含まれた複数の主体のそれぞれに対して、グループ内の主体の影響力が高いとされる所定の行動パターンに合致する度合いを示す特徴行動量を算出し、前記特徴行動量に基づいて、各主体に対するポイントを算出するステップと、
算出したポイントが高い主体を優先するように、グループに対して提示すべきアイテムを選択するステップと、
を備えることを特徴とする情報提供方法。
[項目20]
ユーザまたは端末装置である主体の位置情報を取得し、複数の主体に係る位置情報の時系列データに基づいて、複数の主体を含んだグループを形成するステップと、
前記位置情報の時系列データに基づいて、形成したグループに含まれた複数の主体のそれぞれに対して、グループ内の主体の影響力が高いとされる所定の行動パターンに合致する度合いを示す特徴行動量を算出し、前記特徴行動量に基づいて、各主体に対するポイントを算出するステップと、
算出したポイントが高い主体を優先するように、グループに対して提示すべきアイテムを選択するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。