JP2017047410A - 酸性ガス吸着材料、酸性ガス回収ユニット、酸性ガス回収システム、酸性ガスの吸着方法及び回収方法 - Google Patents

酸性ガス吸着材料、酸性ガス回収ユニット、酸性ガス回収システム、酸性ガスの吸着方法及び回収方法 Download PDF

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敏明 白坂
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Abstract

【課題】工業的に低コストである温度スイング方式で化学吸着により二酸化炭素等の酸性ガスを選択的に吸着できる酸性ガス吸着材料を提供すること。
【解決手段】本発明は、環状基を有する多官能エポキシ化合物と、一級又は二級の脂肪族アミノ基を有するアミン化合物との硬化物、又は、環状基を有し、窒素含有量が3〜20質量%であり、ガラス転移温度が40〜140℃である硬化物を含有する酸性ガス吸着材料に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸性ガス吸着材料、酸性ガス回収ユニット、酸性ガス回収システム、酸性ガスの吸着方法及び回収方法に関する。
産業革命以降、化石燃料の消費の拡大に伴う大気中の二酸化増加が地球温暖化を引き起こす原因であると考えられている。各国間で温暖化対策について議論されており、そのひとつの技術にCCS(Carbon Dioxide Capture and Storage)と呼ばれる二酸化炭素回収貯留技術が注目されている。CCSは、火力発電所等から排出されるガス中の二酸化炭素を回収し液化して地中又は海中に貯留することで大気中への二酸化炭素の排出を削減する技術である。しかしながら、排ガス中の二酸化炭素濃度は10%程度と低く、そのままでは液化することができないため、排ガス中の二酸化炭素を回収して濃縮する工程が必要である。
温暖化対策を推進するため、各国において二酸化炭素排出権取引、炭素税等の二酸化炭素排出に対するペナルティを設定することで、企業がCCSを推進する動機付けとしている。企業がCCSを事業として実施するためには、これらのペナルティよりも低いコストで二酸化炭素を回収する必要があり、回収コストの低減はCCSにとって重要な課題の一つである。しかしながら、二酸化炭素の回収には多くのエネルギを必要とし、CCSの事業化が可能な低コストで二酸化炭素を回収できる技術は十分ではない。
例えば、二酸化炭素の回収方法として、塩基性のアミンを含む液体の吸収剤を使用した化学吸着による回収方法が広く知られている(特許文献1参照。)。しかしながら、アミン系の吸収剤には、二酸化炭素の脱離時の熱エネルギーコストが大きい、吸収剤のアミンが揮発し大気中に一部放出されるため、環境への影響が懸念されると共にアミンの補充コストが嵩む、吸収剤の劣化により有害な化合物が生成し、装置の腐食が懸念される、といった課題がある。
これに対して、ゼオライト、活性炭等の分子篩を使用した固体吸着材は、回収エネルギーコストが低く、環境への負荷が少ない材料として注目されている(特許文献2参照。)。また、次世代の固体吸着材として、MOF(Metal Organic Framework)と呼ばれる金属錯体の多孔質材料、アミン変性メソポーラスシリカ等を用いることが報告されている(非特許文献1参照。)。
特開2007−325996号公報 特開2009−62268号公報
Industrial & Engineering Chemistry Research,2012,51,1438−1463
しかしながら、ゼオライト、MOF、活性炭等を使用した固体吸着材は、圧力スイング吸着方式によりガスを分離吸収するため、コンプレッサ等の動力が必要であり、設備の建設コスト及び動力のエネルギーコストが高くなる。また、これらの固体吸着材はファンデルワールス力を利用した物理吸着による分子サイズ分離であるため、分子サイズが近いガスの選択性の低下、水蒸気共存下での水分との競争吸着による性能の低下が生じ易い。さらに、ゼオライト、MOF及びアミン変性メソポーラスシリカは、原材料費及び製造コストが高いため、二酸化炭素の回収コストが増加する。
そこで、本発明は、工業的に低コストである温度スイング方式で化学吸着により二酸化炭素等の酸性ガスを選択的に吸着できる酸性ガス吸着材料を提供することを目的とする。また、本発明は、当該酸性ガス吸着材料を用いた酸性ガスの吸着方法及び回収方法を提供することを目的とする。
本発明は、環状基を有する多官能エポキシ化合物と、一級又は二級の脂肪族アミノ基を有するアミン化合物との硬化物を含有する、酸性ガス吸着材料に関する。
上記アミン化合物はアミノ基を2以上有し、該アミノ基の少なくとも1つは一級又は二級の脂肪族アミノ基であってもよい。また、上記エポキシ化合物が有する環状基は、芳香族基及び脂環族基からなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。さらに、上記硬化物のガラス転移温度は40〜140℃であってもよい。
本発明の酸性ガス吸着材料は、環状基を有し、窒素含有量が3〜20質量%であり、ガラス転移温度が40〜140℃である硬化物を含有する態様をとることができる。
上記硬化物が有する環状基は、芳香族基及び脂環族基からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。また、上記硬化物は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂及びポリイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂の硬化物を含んでもよい。
本発明の他の一態様は、上記の酸性ガス吸着材料を備える酸性ガス回収ユニットに関する。
本発明の他の一態様は、上記の酸性ガス回収ユニットを備える酸性ガス回収システムに関する。
本発明の他の一態様は、上記の酸性ガス吸着材料を備える酸性ガス回収ユニット内に酸性ガスを含むガスを導入し、酸性ガスを酸性ガス吸着材料に吸着させる工程と、酸性ガス回収ユニット内の温度を変化させて、酸性ガスを酸性ガス吸着材料から脱着させる工程と、を備える酸性ガスの回収方法に関する。
本発明の他の一態様は、上記の酸性ガス吸着材料を備える容器内部に酸性ガスを含むガスを導入し、酸性ガス吸着材料に酸性ガスを吸着させる工程を備える酸性ガスの吸着方法に関する。
本発明によれば、工業的に低コストである温度スイング方式で化学吸着により二酸化炭素等の酸性ガスを選択的に吸着できる酸性ガス吸着材料を提供することができる。また、本発明によれば、当該酸性ガス吸着材料を用い、工業的に安価で酸性ガスを吸脱着する酸性ガスの吸着方法及び回収方法を提供することができる。
酸性ガス回収システムの一実施形態を示す模式図である。 酸性ガスの回収方法の一実施形態を示す模式図である。
温度スイング方式の場合、廃熱を利用して酸性ガスを吸脱着できるため、水蒸気共存下でもガスの選択性と吸着特性とを保持することができ、酸性ガスの回収工程を簡略化することができ、酸性ガスの回収コストを引き下げることができる。また、工業的に簡便な方法で作製することができ、比較的安価で量産性に優れる樹脂の硬化物を酸性ガス吸着材料に用いることで、酸性ガスの回収コストを低減することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。さらに、組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
<酸性ガス吸着材料>
本実施形態の酸性ガス吸着材料は、高い酸性ガス吸着能力を有している。このような効果を奏する理由について、本発明者は以下のように考えている。
炭酸ガス等の酸性ガスは、アミン水溶液のような弱塩基性溶液中で複合体を形成することが知られている。弱塩基性のアミンと酸性ガスの複合体であるため、該複合体が加熱されると、酸性ガスは脱着され回収される。弱塩基性溶液は、酸性ガス吸着材料として繰り返し使用することができる。また、アミノ基を導入した高分子化合物を用いることで、同様の効果を得ることができると考えられる。しかしながら、高分子化合物が鎖状構造の場合、吸着材の加熱再生時の使用条件下において溶融溶解して、吸着塔の目詰まり又は比表面積の低下を引き起こすことがある。そのため、高分子化合物は、三次元架橋構造を有することが望まれる。本実施形態において、三次元架橋構造とは、重合又は付加反応可能な官能基を2以上有する化合物を反応させて得られる構造であり、加熱で溶融したり、溶媒に溶解したりしない状態を指す。
本発明者は、酸性ガス吸着材料に使用する樹脂材料の構造及び樹脂の物性を検討した結果、優れた酸性ガス吸着特性を示す材料を見出している。以下、酸性ガス吸着材料を構成する成分について説明する。
[第1の形態]
本実施形態の酸性ガス吸着材料は、環状基を有する多官能エポキシ化合物と、一級又は二級の脂肪族アミノ基を有するアミン化合物との硬化物を含有する。
上記硬化物は、環状基を有する多官能エポキシ化合物と、一級又は二級の脂肪族アミノ基を有するアミン化合物とを反応させて得られる三次元架橋構造を有する架橋物である。エポキシ化合物とアミンとは、互いに温和な条件で容易に付加反応することができる。
第1の形態に係る硬化物は、環状基を有する多官能エポキシ化合物と、一級又は二級の脂肪族アミノ基を有するアミン化合物とを含有する樹脂組成物を用いて作製することができる。すなわち、第1の形態の酸性ガス吸着材料は、環状基を有する多官能エポキシ化合物と、一級又は二級の脂肪族アミノ基を有するアミン化合物とを反応させて硬化物を得る工程を有する製造方法により作製することができる。該硬化物の作製には、特別な装置を用いる必要がなく、一般的に知られているエポキシ樹脂硬化物の合成装置を用いることができる。該硬化物の作製は、アミン化合物が過剰の環境下で行うことが好ましく、例えば、アミン化合物を含む溶液に多官能エポキシ化合物を含む溶液を滴下することで作製してもよい。また、滴下時の温度は特に限定されないが、60℃以上に加温すると、エポキシ基とアミノ基との反応が進行し易くなる。
(多官能エポキシ化合物)
本実施形態に係る多官能エポキシ化合物は、環状基を有し、かつ、2以上のエポキシ基を有していれば特に限定されない。多官能エポキシ化合物は、エポキシ基がアミノ基との付加反応を経由した後、エポキシ化合物の単独重合により高分子量化して架橋物となる。このとき、少量のエポキシ化合物で三次元架橋構造を構築することができれば、樹脂組成物中のアミノ基の量が多くなるため酸性ガス吸着部位が多くなり吸着特性に良い効果を示す。
本実施形態に係る多官能エポキシ化合物は、環状基を有することで、吸着する酸性ガスを樹脂硬化物の表面だけでなく内部にも浸透して吸着することができると推察される。環状基を主鎖に有する樹脂硬化物は、柔軟性が低下するため最密充填構造をとりづらくなり、硬化物内部の自由体積が増加してガス透過性が向上して吸着容量を向上させることができる。また、環状基を有する多官能ポキシ化合物を用いることで、硬化物のガラス転移温度の調整がし易くなり、例えば、酸性ガス吸着材料の使用条件下でゴム状態とすることでガス透過性が更に向上して硬化物内部へ吸収されることで吸着容量の向上が期待できる。一方で、ガス吸着後の吸着材料は、再生するために加熱される必要があり、加熱条件で分解しない化学的安定性を併せ持つ必要がある。そのため、樹脂骨格への環状基に導入により、硬化物の耐熱性を向上させることも期待できる。
多官能エポキシ化合物が有する環状基は、特に限定されず、芳香族基及び脂環族基からなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。芳香族基の例としては、ベンゼン環、ナフタレン環等に基づく基が挙げられる。脂環族基の例としては、シクロヘキサン等のシクロアルキルに基づく基が挙げられる。
本実施形態に係る多官能エポキシ化合物の例としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、9,9’−ビス[4−(グリシジルオキシ)フェニル]フルオレン、1,3−ビス(グリシジルオキシ)ベンゼン、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、1,2−ジグリシジルオキシベンゼン、1,4−ビス[(ジグリシジル)アミノフェニル]メタン、1,3−ビス[(ジグリシジル)アミノメチル]シクロヘキサン及び1,3−ビス[(ジグリシジル)アミノメチル]ベンゼンが挙げられる。これらのエポキシ化合物は、1種を単独で使用しても2種以上をしてもよい。また、これらエポキシ樹脂以外にも物性を調節する目的で、一般的に知られている他のエポキシ樹脂を併用してもよい。
(アミン化合物)
本実施形態に係るアミン化合物は、一級又は二級の脂肪族アミノ基を有することで、エポキシ化合物と付加反応を起こした後、三級アミンになりこれがエポキシ基の単独重合の触媒としても作用する。このとき反応後のアミノ基も塩基性が保持されるため高分子量化した樹脂硬化物も塩基性を示す。そのため、二酸化炭素等の酸性ガスは、硬化物中に存在するアミノ基に中和反応によって吸着する。脂肪族アミノ基とは、水素原子以外の窒素原子に直接結合した基が全て脂肪族炭化水素基であるアミノ基をいう。
一方、三級アミンを使用した場合には、エポキシ化合物への付加反応よりもエポキシ化合物の単独重合が優先するため、樹脂硬化物内部へアミノ基を導入できなくなるため酸性ガス吸着特性は低下する。また、芳香族アミノ基の場合でも塩基性が低いため、酸性ガスに対する十分な吸着能力を得ることができない。
本実施形態に係るアミン化合物は、アミノ基を2以上有し、該アミノ基の少なくとも1つは一級又は二級の脂肪族アミノ基であってもよい。すなわち、アミン化合物がアミノ基を2以上有する場合、少なくとも1つが一級又は二級の脂肪族アミノ基であれば、他のアミノ基が芳香族アミノ基であっても、三級のアミノ基であってもよい。
アミン化合物とエポキシ化合物との反応比は、硬化物に酸性ガスの吸着部位となるアミノ基をできるだけ多く導入することができ、かつ、三次元架橋構造を形成できる割合であることが好ましい。アミン化合物もエポキシ化合物と同様に、2以上のアミノ基を有する多官能アミンであると、より少ないエポキシ化合物で安定な三次元架橋構造を形成し易くなる。
エポキシ基のアミノ基に対する当量比は、三次元架橋構造を形成し易く、硬化物の熱安定性を向上させる観点から、好ましくは0.25以上、より好ましくは0.30以上、更に好ましくは0.50以上である。一方、エポキシ基のアミノ基に対する当量比は、硬化物内部のアミノ基の量が増えて酸性ガス吸着能力をより一層向上させる観点から、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.0以下である。エポキシ基のアミノ基に対する当量比は、0.25〜2.0であってもよく、0.30〜1.5であってもよく、0.50〜1.0であってもよい。
本実施形態に係るアミン化合物の例としては、エチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、ピペラジン等が挙げられる。
アミン化合物は、アミノ基を2以上有する多官能アミンであることが好ましく、エチレンジアミン構造をもつポリアミンであることがより好ましい。エチレンジアミン構造は酸性ガスに対してキレート型の二座配位構造を形成することも可能であるため、より安定な吸着構造を形成できる可能性も期待できる。
第1の形態に係る硬化物の窒素含有量は、酸性ガスの吸着性を向上させる観点から、硬化物の全質量を基準として、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、6質量%以上であることが更に好ましい。一方、酸性ガス吸着材料の耐熱性を向上させる観点から、硬化物の窒素含有量は、硬化物の全質量を基準として、20質量%以下であることが好ましく、18質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることが更に好ましい。硬化物の窒素含有量は、硬化物の全質量を基準として、3〜20質量%であってもよく、5〜18質量%であってもよく、6〜15質量%であってもよい。
第1の形態に係る硬化物のガラス転移温度は、酸性ガス吸着材料の耐熱性を向上させる観点から、40℃以上であることが好ましく、45℃以上であることがより好ましく、50℃以上であることが更に好ましい。一方、比較的低温で酸性ガスの吸着性を向上させる観点から、硬化物のガラス転移温度は、140℃以下であることが好ましく、135℃以下であることがより好ましく、130℃以下であることが更に好ましい。硬化物のガラス転移温度は、40〜140℃であってもよく、45〜135℃であってもよく、50〜130℃であってもよい。
[第2の形態]
本実施形態の酸性ガス吸着材料は、環状基を有し、窒素含有量が3〜20質量%であり、ガラス転移温度が40〜140℃である硬化物を含有する。
第2の形態に係る硬化物は、環状基を有し、かつ、窒素含有量及びガラス転移温度が上記範囲内であれば特に限定されない。
硬化物が有する環状基は、特に限定されず、芳香族基及び脂環族基からなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。芳香族基の例としては、ベンゼン環、ナフタレン環等に基づく基が挙げられる。脂環族基の例としては、シクロヘキサン等のシクロアルキルに基づく基が挙げられる。
上記硬化物は、エポキシ樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、フェノール樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂及びポリイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂の硬化物を含んでもよい。
エポキシ樹脂の硬化物は、上述した第1の形態に係る硬化物、すなわち、上述した環状基を有する多官能エポキシ化合物と、一級又は二級の脂肪族アミノ基を有するアミン化合物とを反応させて得られる三次元架橋構造を有する架橋物であってもよい。
フェノール樹脂の硬化物は、ベンゾオキサジン環を有していてもよい。ベンゾオキサジン型フェノール樹脂の硬化物は、例えば、フェノール化合物と、パラホルムアルデヒド等のアルデヒド化合物と、エチレンジアミン等の脂肪族アミン化合物とをモノマーとして用いて作製することができる。
第2の形態に係る硬化物のガラス転移温度は、酸性ガス吸着材料の耐熱性を向上させる観点から、40℃以上であり、45℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましい。一方、比較的低温で酸性ガスの吸着性を向上させる観点から、硬化物のガラス転移温度は、140℃以下であり、135℃以下であることが好ましく、130℃以下であることがより好ましい。硬化物のガラス転移温度は、40〜140℃であるが、45〜135℃であってもよく、50〜130℃であってもよい。
第2の形態に係る硬化物の窒素含有量は、酸性ガスの吸着性を向上させる観点から、硬化物の全質量を基準として、3質量%以上であり、5質量%以上であることが好ましく、6質量%以上であることがより好ましい。一方、酸性ガス吸着材料の耐熱性を向上させる観点から、硬化物の窒素含有量は、硬化物の全質量を基準として、20質量%以下であり、18質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。硬化物の窒素含有量は、硬化物の全質量を基準として、3〜20質量%であるが、5〜18質量%であってもよく、6〜15質量%であってもよい。
酸性ガス吸着材料の熱安定性を向上させる観点から、本実施形態に係る硬化物の300℃における熱重量保持率は、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが更に好ましい。
<酸性ガスの吸着方法>
本実施形態の酸性ガスの吸着方法は、上述した酸性ガス吸着材料を備える容器内部に酸性ガスを含むガスを導入し、前記酸性ガス吸着材料に前記酸性ガスを吸着させる工程を備える。本実施形態の酸性ガスの吸着方法は、上述した酸性ガス吸着材料を容器内部に配置する工程と、容器内部に酸性ガスを含む気体を導入し、酸性ガス吸着材料に酸性ガスを吸着させる工程と、を備えていてもよい。
<酸性ガス回収システム及び酸性ガスの回収方法>
図1は、酸性ガス回収システム(酸性ガス回収装置)の一実施形態を示す模式図である。図1に示すように、酸性ガス回収システム(酸性ガス回収装置)1は、ガス流入路2と、第1の酸性ガス回収ユニット3a及びそれに接続された第1のガス流出路4aと、第2の酸性ガス回収ユニット3b及びそれに接続された第2のガス流出路4bとを備えている。
ガス流入路2は、酸性ガスを含むガスを例えば外部から流入させる。ガス流入路2は、流入させたガスを第1の酸性ガス回収ユニット3a及び第2の酸性ガス回収ユニット3bに導入可能なように、第1の二方弁5aを介して第1の酸性ガス回収ユニット3aに、第2の二方弁5bを介して第2の酸性ガス回収ユニット3bにそれぞれ接続されている。
第1及び第2のガス流出路4a,4bは、それぞれ第1及び第2の酸性ガス回収ユニット3a,3bからガスを流出させることが可能なように接続されている。第1のガス流出路4aは、第1の三方弁6aと二つのガス流出口7a,8aとを有しており、第1の三方弁6aによって二つのガス流出口7a,8aのいずれか一方からガスを例えば外部に流出させる。同様に、第2のガス流出路4bは、第2の三方弁6bと二つのガス流出口7b,8bとを有しており、第2の三方弁6bによって二つのガス流出口7b,8bのいずれか一方からガスを例えば外部に流出させる。
第1及び第2の酸性ガス回収ユニット3a,3bは、例えば容器内に配置された第1及び第2の酸性ガス吸着材料9a,9bをそれぞれ備えている。第1及び第2の酸性ガス吸着材料9a,9bには、上述した第1又は第2実施形態に係る酸性ガス吸着材料が用いられる。第1及び第2の酸性ガス吸着材料9a,9bの形態は、特に限定されず、例えば粉末、ペレット、発泡体、シート、又は多孔質基材へ担持した複合体であってよい。
この酸性ガス回収システム1では、まず、図2(a)に示すように、ガス流入路2を通じて例えば外部から酸性ガスを含むガスを流入させる。このとき、第1の二方弁5aを開放し、第2の二方弁5bを閉じることで、第1の酸性ガス回収ユニット3aのみにガスが導入される。
第1の酸性ガス回収ユニット3aに導入されたガスのうち、酸性ガスのみが選択的に第1の酸性ガス吸着材料9aに吸着される。このとき(吸着時)の第1の酸性ガス吸着材料9aの温度は、例えば20〜100℃であってよい。このとき、第1の三方弁6aを一方のガス流出口7a側へ開放することで、第1の酸性ガス回収ユニット3aに導入されたガスのうち、酸性ガス以外のガスを一方のガス流出口7aから例えば外部に流出させる。
次いで、図2(b)に示すように、第1の二方弁5aを閉じ、第2の二方弁5bを開放する。そうすると、ガス流入路2を通じて流入した酸性ガスを含むガスは、第2の酸性ガス回収ユニット3bのみに導入される。そして、上述した第1の酸性ガス回収ユニットと同様に、第2の酸性ガス回収ユニット3bでは、酸性ガスのみが選択的に第2の酸性ガス吸着材料9bに吸着され、また、第2の三方弁6bを一方のガス流出口7b側へ開放することで、酸性ガス以外のガスを一方のガス流出口7bから例えば外部に流出させる。
一方、第1の酸性ガス回収ユニット3a内(第1の酸性ガス吸着材料9a)では、温度変化装置(図示せず)による温度変化が行われる。温度変化装置は、電熱ヒーター、ボイラ蒸気等による加熱装置であってよく、第1の酸性ガス回収ユニット3a内(第1の酸性ガス吸着材料9a)はこれらの加熱装置によって昇温される。第1の酸性ガス吸着材料9aの温度が上昇すると、第1の酸性ガス吸着材料9aに吸着された酸性ガスが脱着する。このとき(脱着時)の第1の酸性ガス吸着材料9aの温度は、例えば80〜200℃であってよい。
このとき、第1の三方弁6aを他方のガス流出口8a側へ開放することで、第1の酸性ガス吸着材料9aから脱着された酸性ガスを、他方のガス流出口8aから例えば酸性ガス回収容器(図示せず)へ流出させ、酸性ガスを回収する。
図2(b)に示すように、第1及び第2の酸性ガス吸着材料9a,9bにおいて酸性ガスの吸脱着を並行して実施する工程を、第1の酸性ガス吸着材料9aと第2の酸性ガス吸着材料9bとで吸脱着を交互に行いながら繰り返すことで、酸性ガスの連続的な回収が可能となる。
以上説明したように、この酸性ガス回収システム1によれば、工業的に低コストであるいわゆる温度スイング方式で化学吸着により、二酸化炭素等の酸性ガスを選択的に吸着し、回収できる。すなわち、温度スイング方式の場合、廃熱を利用して酸性ガスを吸脱着できるため、例えば水蒸気共存下でもガスの選択性を保持することができる。また、この酸性ガス回収システム1によれば、酸性ガスの回収工程を簡略化することができ、酸性ガスの回収コストを引き下げることができる。さらに、酸性ガス吸着材料9a,9bは、工業的に簡便な方法で作製することができ、比較的安価で量産性に優れるため、酸性ガスの回収コストを低減することができる。
なお、上述した実施形態では、酸性ガス吸着材料が酸性ガスを吸着する温度で酸性ガスを含むガスが導入されるいわゆる吸着塔と、酸性ガスが酸性ガス吸着材料から脱着する温度で高純度の酸性ガスが取り出されるいわゆる脱着塔とを交互に切り替えて酸性ガスを回収する方式(バッチ方式)を用いたが、酸性ガスを回収する方式は、連続式であってもよい。
連続式とは、例えば、吸着工程を行う低温部分と、脱着工程を行う高温部分とが存在する容器内部に酸性ガス吸着材料を連続的に循環させることで、酸性ガスの吸着と脱着とを連続的に行う方式である。酸性ガス吸着材料を循環させる方法としては、例えば、流動床、ハニカムローター方式等を用いることができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態とは異なる種々の態様で実施することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(樹脂材料の合成)
<実施例1>
500mLの4口丸底セパラブルフラスコに撹拌羽根、冷却管、熱電対式温度計及び送液ポンプ用チューブを取り付け、冷却管の上部に三方コックを取り付けて窒素配管に接続した。セパラブルフラスコにエチレンジアミン一水和物(和光純薬工業株式会社)20g(0.51mol)及び1−ブタノール(和光純薬工業株式会社)63gを加え窒素置換した後、撹拌羽根をスリーワンモーター(アズワン株式会社、型番「BLW600」)にて500rpmで撹拌しながら、送液ポンプ(ヤマト科学株式会社、品番「7554−80」)で50質量%のフェノールノボラック型エポキシ樹脂(ダウケミカルカンパニー、製品名「DEN431」、エポキシ当量175g/eq.)のトルエン(和光純薬工業株式会社)溶液を滴下して反応を行った。滴下により発熱するので溶液温度が85℃を超えないように滴下速度を調整した。「DEN431」が66g滴下された時点で反応液がゲル化した。ゲル化終了後、温度を120℃に上げて1時間加熱還流しながら撹拌を継続しゲルを粉砕した。ゲル粉砕物を室温まで冷却した後、蒸留水200gに分散し、ディゾルバでさらに粉砕した後、ゲル分散溶液をろ過した。ろ過物をテフロン(登録商標)コーティングバットに入れて真空乾燥器(エスペック株式会社、型式「LCV−232」)にて150℃、100Paで真空乾燥した。重量減少が2%/30分以内になるまで乾燥した後、固形物をブレンダ(Waring社、型式「7012S」)で粉砕し、目開き300μmの篩を使用して300μm以下の粒径に分級して、エポキシ樹脂の硬化物である樹脂粉末56g(収率66%)を得た。
<実施例2>
エチレンジアミン一水和物25g(0.64mol)及び1−ブタノール80gに、50質量%の「DEN431」のトルエン溶液を滴下し、「DEN431」が85g滴下された時点で反応液がゲル化した以外は、実施例1と同様に、樹脂粉末96g(収率87%)を得た。
<実施例3>
エチレンジアミン一水和物25g(0.64mol)及び1−ブタノール80gに、50質量%の「DEN431」のトルエン溶液を滴下し、「DEN431」が97g滴下された時点で反応液がゲル化した以外は、実施例1同様に、樹脂粉末123g(収率98%)を得た。
<実施例4>
トリエチレンテトラミン(和光純薬工業株式会社)25g(0.17mol)及び1−ブタノール(和光純薬工業)80gに、50質量%の「DEN431」のトルエン溶液を滴下し、「DEN431」が39g滴下された時点で反応液がゲル化した以外は、実施例1と同様に、樹脂粉末123g(収率98%)を得た。
<実施例5>
エチルアミン(和光純薬工業株式会社)36g(0.80mol)及び1−ブタノール80gに、「DEN431」79g及びトルエン79gの溶液を滴下し、80℃で1時間加熱撹拌した後、反応液がゲル化した以外は、実施例1と同様に、樹脂粉末86g(収率75%)を得た。
<実施例6>
ピペラジン(和光純薬工業株式会社)25g(0.58mol)及び1−ブタノール80gに、50質量%の「DEN431」のトルエン溶液を滴下し、「DEN431」が75g滴下された時点で反応液がゲル化した以外は、実施例1と同様に、樹脂粉末101g(収率100%)を得た。
<実施例7>
エチレンジアミン一水和物25g(0.64mol)及び1−ブタノール80gに、50質量%の1,4−ビス[(ジグリシジル)アミノフェニル]メタン(株式会社テクノセット、製品名「SKE−3」、エポキシ当量114g/eq.)のトルエン溶液を滴下し、「SKE−3」が47g滴下された時点で反応液がゲル化した以外は、実施例1と同様に、樹脂粉末49g(収率68%)を得た。
<実施例8>
トリエチレンテトラミン(和光純薬工業)25g(0.17mol)及び1−ブタノール80gに、50質量%の1,3−ビス(グリシジルオキシ)ベンゼン(ナガセケムテックス株式会社、製品名「EX201」、エポキシ当量115g/eq.)のトルエン溶液を滴下し、「EX201」が39g滴下された時点で反応液がゲル化した以外は、実施例1と同様に、樹脂粉末56g(収率87%)を得た。
<実施例9>
エチレンジアミン一水和物(和光純薬工業)25g(0.64mol)及び1−ブタノール80gに、50質量%の1,3−ビス[(ジグリシジル)アミノメチル]シクロヘキサン(三菱ガス化学株式会社、製品名「TETRAD−C」、エポキシ当量102g/eq.)のトルエン溶液を滴下し、「TETRAD−C」が64g滴下された時点で反応液がゲル化した以外は、実施例1と同様に、樹脂粉末70g(収率79%)を得た。
<実施例10>
500mLの4口丸底セパラブルフラスコに撹拌羽根、冷却管、熱電対式温度計及び送液ポンプ用チューブを取り付け、冷却管の上部に三方コックを取り付けて窒素配管に接続した。セパラブルフラスコにパラホルムアルデヒド(和光純薬工業株式会社)42g(1.50mol)及び蒸留水(和光純薬工業株式会社)50gの溶液を加え窒素置換した後、撹拌羽根をスリーワンモーター(アズワン株式会社、型番「BLW600」)にて500rpmで撹拌しながら、送液ポンプ(ヤマト科学株式会社、品番「7554−80」)でエチレンジアミン一水和物(和光純薬工業株式会社)40g(0.50mol)及び蒸留水(和光純薬工業株式会社)50gの溶液を滴下した。滴下により発熱するので溶液温度が60℃を超えないように滴下速度を調整した。滴下終了後、油浴にて溶液温度を60℃に加熱するとパラホルムが溶解して透明溶液になった。次いで油浴温度を60℃に保ったままフェノール(和光純薬工業株式会社)94g(1.00mol)及びメタノール(和光純薬工業株式会社)100gの溶液を送液ポンプにて60℃で1時間かけて滴下した。滴下終了後、油浴温度を120℃に上げて3時間加熱還流することで、ガム状物が分離した。得られたガム状物をテフロン(登録商標)コーティングバットに入れて真空乾燥器(エスペック株式会社、型式「LCV−232」)にて150℃、100Paで真空乾燥した。重量減少が2%/30分以内になるまで乾燥した後、固形物をブレンダ(Waring社、型式「7012S」)で粉砕し、目開き300μmの篩を使用して300μm以下の粒径に分級して、ベンゾオキサジン型フェノール樹脂の硬化物である黄色固体103g(収率64%)得た。
<比較例1>
4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン(製品名「カヤハード」、日本化薬株式会社)40g(0.16mol)及び1−ブタノール80gに、「DEN431」63g及びトルエン63gの溶液を滴下し、1時間加熱還流下で撹拌して反応液がゲル化した以外は、実施例1と同様に、樹脂粉末100g(収率97%)を得た。
<比較例2>
N,N’−ジメチルピペラジン(和光純薬工業株式会社)25g(0.22mol)及び1−ブタノール80gに、「DEN431」96g及びトルエン79gの溶液を滴下し、80℃1時間加熱撹拌して反応液がゲル化した以外は、実施例1と同様に、樹脂粉末111g(収率92%)を得た。
<比較例3>
エチレンジアミン一水和物10g(0.13mol)及び1−ブタノール80gに、フェニルグリシジルエーテル(略称:PGE(和光純薬工業株式会社))77g(0.51mol)及びトルエン77gの溶液を滴下し、加熱還流2時間行った以外は、実施例1と同様の操作を行ったが、反応液がゲル化せず、硬化物を得ることができなかった。
<比較例4>
トリエチレンテトラミン(和光純薬工業)25g(0.17mol)及び1−ブタノール80gに、50質量%のソルビトールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス、製品名「EX614B」、エポキシ当量167g/eq.)のトルエン溶液を滴下し、「EX614B」が59g滴下された時点で反応液がゲル化した以外は、実施例1と同様に、樹脂粉末76g(収率90%)を得た。
<比較例5>
エチレンジアミン一水和物35g(0.90mol)及び1−ブタノール80gに、50質量%のエチレングリコールジグリシジルエーテル(東京化成工業株式会社、「EGDE」、エポキシ当量87g/eq.)のトルエン溶液を滴下し、「EGDE」が77g滴下された時点で反応液がゲル化した以外は、実施例1と同様に、樹脂粉末57g(収率51%)を得た。
実施例及び比較例で得られた樹脂粉末を用いて評価を行った。結果を表1に示す。
(1)窒素含有量
Elementar社製のvario MICRO cubeを用いて、元素分析を行い、硬化物の窒素含有量を算出した。
(2)ガラス転移温度
動的粘弾性測定装置(DMA)(ティー・エイ・インスツルメント社、製品名「RSA−G2」)を用い、平行円板冶具(8mmφ)に樹脂粉末を1mm間隔で挟み、300gの加重をかけながら150℃まで加熱し、加重を保持したまま30℃まで冷却した後、30℃〜250℃の温度範囲で昇温速度5℃/分、周波数1Hzで測定し、損失正接(tanδ)のピーク温度をガラス転移温度(Tg)とした。なお、2つ以上のピークが存在する場合には、最も大きなピークをTgとする。
(3)熱安定性
樹脂粉末を6mmφの白金パンに約10mg入れ、空気下、10℃/分の昇温速度で加熱したときの重量変化を熱重量分析装置(TGA)(株式会社日立ハイテクサイエンス製、製品名「TG/DTA7200」)で測定し、300℃における重量保持率(質量%)を熱安定性の指標とした。
(4)炭酸ガス吸着量
風袋を秤量した6mLのサンプル管(アズワン株式会社、ラボランスクリュー管No.2)に樹脂粉末約300mgを加え、150℃で1時間真空乾燥した後の乾燥重量を秤量した。次いで、熱電対温度計及びバルーン付の三方コックを接続した500mLの4口平底セパラブルフラスコに秤量後のサンプル管を入れ、減圧下で150℃まで昇温し15分間保持した後、フラスコ内部を炭酸ガス置換した。炭酸ガス雰囲気下100℃まで2時間かけて降温し、100℃で1時間保持した後、30℃まで2時間かけて降温し、サンプル管を取り出し秤量し、重量変化を炭酸ガス吸着量とした。
(5)化学吸着性
熱重量分析装置(TGA)を用い、以下の操作を行い硬化物の化学吸着性を評価した。 まず、樹脂粉末を6mmφの白金パンに約10mg入れ、200mL/分の窒素気流下150℃で重量変化がなくなるまで乾燥した後、200mL/分の二酸化炭素に切り替え、温度を50℃に下げた時の重量増加量を炭酸ガスの吸着量100質量%とした。次いで、50℃で保持したまま、雰囲気を200mL/分の窒素に切り替え、20分間放置後の重量減少量から炭酸ガスの脱着量を算出した。炭酸ガスの脱着量が吸着量に対して20質量%以下である場合を、吸着の分圧依存性がなく化学吸着性があると判断した。
Figure 2017047410
表1より、環状基を有するエポキシ化合物と、一級又は二級の脂肪族アミノ基を有するアミン化合物との硬化物、及び、環状基を有し、窒素含有量が3〜20質量%であり、ガラス転移温度が40〜140℃である硬化物は、炭酸ガス吸着性を有し、化学吸着性があることが確認できる。
上記結果より、実施例における炭酸ガス吸着は物理吸着のような弱い分子間相互作用でなく、塩基性のアミノ基と酸性の二酸化炭素との酸塩基相互作用による強い分子間相互作用に起因する吸着機構によるものであると推察することができる。そのため、本発明の酸性ガス吸着材料は、高い酸性ガス選択性と水蒸気共存下でも吸着性能を維持できると推察することができる。
1…酸性ガス回収システム、3a,3b…酸性ガス回収ユニット、9a,9b…酸性ガス吸着材料。

Claims (11)

  1. 環状基を有する多官能エポキシ化合物と、一級又は二級の脂肪族アミノ基を有するアミン化合物との硬化物を含有する、酸性ガス吸着材料。
  2. 前記アミン化合物がアミノ基を2以上有し、該アミノ基の少なくとも1つが一級又は二級の脂肪族アミノ基である、請求項1に記載の酸性ガス吸着材料。
  3. 前記環状基が、芳香族基及び脂環族基からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の酸性ガス吸着材料。
  4. 前記硬化物のガラス転移温度が40〜140℃である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸性ガス吸着材料。
  5. 環状基を有し、窒素含有量が3〜20質量%であり、ガラス転移温度が40〜140℃である硬化物を含有する、酸性ガス吸着材料。
  6. 前記環状基が、芳香族基及び脂環族基からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項5に記載の酸性ガス吸着材料。
  7. 前記硬化物が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂及びポリイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂の硬化物を含む、請求項5又は6に記載の酸性ガス吸着材料。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の酸性ガス吸着材料を備える、酸性ガス回収ユニット。
  9. 請求項8に記載の酸性ガス回収ユニットを備える、酸性ガス回収システム。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の酸性ガス吸着材料を備える酸性ガス回収ユニット内に酸性ガスを含むガスを導入し、前記酸性ガスを前記酸性ガス吸着材料に吸着させる工程と、
    前記酸性ガス回収ユニット内の温度を変化させて、前記酸性ガスを前記酸性ガス吸着材料から脱着させる工程と、を備える酸性ガスの回収方法。
  11. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の酸性ガス吸着材料を備える容器内部に酸性ガスを含むガスを導入し、前記酸性ガス吸着材料に前記酸性ガスを吸着させる工程を備える酸性ガスの吸着方法。
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