JP2017045769A - 電気機器収納箱 - Google Patents

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村瀬 晴彦
Haruhiko Murase
晴彦 村瀬
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Abstract

【課題】 遮蔽板を取り付けること無く内部の温度上昇を抑制でき、合わせて防錆効果のある全塗装をし易い電気機器用収納箱を提供する【解決手段】 本体1の天板12には通気口12aが開口形成されると共に、天板12上には屋根板3が配置されて通気口12a上部が一定の隙間を設けて覆われている。本体1の左右側板及び扉板2の背部には上下方向に空間が形成されるよう裏板21,22を取り付けて上下に亘るダクト状空間が形成されて成り、裏板21,22の下端及び上端には連通路H1〜H4が設けられてダクト状空間と本体1の内部が連通されて成り、更に側板11の下部には外気を収納箱の内部に導入するための導入孔11cを有するルーバー5が設けられて成る。【選択図】 図4

Description

本発明は電気機器収納箱に関し、特に直射日光を浴びても内部の温度上昇を抑制する機構を備えた電気機器収納箱に関する。
屋外に設置される従来の電気機器収納箱には、内部温度の上昇を抑制するために遮蔽板(遮光板)が取り付けられたものがあった。例えば、特許文献1では電気機器収納箱の側面や天板、更に扉に各面を覆う様に遮蔽板を取り付けて箱内部の発熱を抑制した。
特開2014−203939号公報
しかしながら、遮蔽板を取り付ける構造は、遮蔽板自体が一定の厚みを有するため、箱の外寸が大きくなり、箱の大型化に繋がり好ましい構造ではなかった。
また、金属製の箱を暴露状態におくと錆の発生により劣化し易いため、端面が露出しないよう金属板の連結部は全溶接を実施する必要があるが、上記特許文献1にあるような遮蔽板を設けた構成は、折り曲げ部や開口部が多く、錆が発生し易かった。
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、遮蔽板を取り付けること無く内部の温度上昇を抑制でき、合わせて防錆効果のある全溶接を実施し易い電気機器用収納箱を提供することを目的としている。
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、少なくとも前面が開放された箱状の本体と、本体の開放された面を閉塞する扉板とを有する金属製の電気機器収納箱であって、本体の天板には通気口が開口形成されると共に、天板上には屋根板が配置されて通気口上部が一定の隙間を設けて覆われて成り、本体の左右側板及び扉板のうち、少なくとも一方の背部には上下方向に空間が形成されるよう裏板を取り付けて上下に亘るダクト状空間が形成されて成り、ダクト状空間の下部は、裏板の下端に設けられた連通路を介して本体の内部に連通されると共に、ダクト状空間の上部は、裏板に設けた連通路を介して本体の内部と連通されるか、本体の天板に設けた排気孔を介して屋根板下部に連通されて成り、更に側板の下部には外気を本体の内部に導入するための導入孔が設けられて成ることを特徴とする。
この構成によれば、扉板或いは側板に裏板を設け、二重に形成してダクト状空間を設けるため、直射日光により熱せられた空気をダクト状空間において上方に対流させることができ、遮蔽板を周囲に設けること無く収納箱内部の温度上昇を抑制できる。そのため、収納箱の外形寸法を抑制できる。
また、ダクト状空間を設けても、これらは側板や扉板の背面に形成されるため、側板や扉板は引き続き全溶接構造にし易く、防錆性能を維持できる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、裏板は、取り付け対象の左右側板或いは扉板に対して背面全体に設置され、当該背面の全体をダクト状空間としたことを特徴とする。
この構成によれば、裏板が取り付けられた側板或いは扉板は、温度が上昇しても収納箱内部に直接熱が伝わることが無く、内部の温度上昇を抑制できる。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の構成において、天板に設けた通気口は、天板に突設したフランジ状の縁部の内部に形成され、縁部の周囲は、屋根板の周囲に垂下形成された側辺により覆われて成ることを特徴とする。
この構成によれば、天板に形成された通気口からの雨水の侵入を防止できる。
本発明によれば、扉板或いは側板に裏板を設け、二重に形成してダクト状空間を設けるため、直射日光により熱せられた空気をダクト状空間において上方に対流させることができ、遮蔽板を周囲に設けること無く収納箱内部の温度上昇を抑制できる。そのため、収納箱の外形寸法を抑制できる。
また、ダクト状空間を設けても、これらは側板や扉板の背面に形成されるため、側板や扉板は引き続き全溶接構造にし易く、防錆性能を維持できる。
本発明に係る電気機器収納箱の一例を示す斜視図である。 屋根板を外した図1の電気機器収納箱である。 図1の電気機器収納箱の(a)は正面図、(b)は右側面図である。 A−A線断面を斜め上方から見た説明図である。 B−B線断面説明図である。 C−C線断面説明図であり、上下端部を拡大して示している。 C−C線断面を斜め下方から見た説明図である。 扉板を取り外した電気機器収納箱を斜め下方から見た説明図である。 電気機器収納箱の他の形態を示し、屋根板を外した斜視図である。
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1〜3は本発明に係る電気機器収納箱の一例を示し、図1は斜視図、図2は一部部材を外した斜視図、図3(a)は正面図、図3(b)は右側面図であり、1は機器を収容する収納箱の本体、2は本体1の前面に配置された扉板、3は本体1の上部を覆う屋根板であり何れも金属板を加工して形成されている。また、5は通気のために設けた合成樹脂製のルーバーである。
本体1は、左右側板11(左側板11a,右側板11b)、天板12、底板13(図5に示す)、背板14を有し前面全体が開放され、この前面に扉板2が配置され、本体1の前面を開閉可能としている。また、天板12には通気口12aが形成され、この通気口12aの周囲はフランジ状に突出形成した縁部15で覆われている。
屋根板3は、天板12全体を覆う大きさで形成され、天板12に形成された縁部15に対して一定の間隔を設けて配置されている。また、周囲は垂下形成した側辺3aが設けられ、この側辺3aにより縁部15は囲まれている。
ルーバー5は、側板11の下部に取り付けられており、ルーバー5の背部に設けられた筒体(図5に示す)5aが側板11に形成された導入孔としての開口部11c(図5に示す)に挿通配置され、外部空気の導入部を形成している。
図4は、図3に示すA−A線断面を斜め上方から見た説明図である。この図4に示すように、左右側板11の背部には、一定間隔の空間を形成して配置された裏板(側方裏板)21が設けられている。また、扉板2の背部にも同様に、一定間隔の空間を形成して配置された裏板(前側裏板)22が設けられている。
この裏板21,22は、側板11及び扉板2の背面が収納箱内部に直接露出しないようそれぞれの背面のほぼ全域に亘り設けられている。
図5は、図3に示すB−B線断面図であり、この図5に示すように側板11に設けられた側方裏板21は側板11と平行に配置され、上下に亘り一定間隔の空間を形成している。そして、側方裏板21の下端及び上端には、側板11と側方裏板21の間に形成された空間と本体1の内部空間とを連通する連通路H1,H2が設けられている。こうして、下部に空気の流入口(連通路H1)が形成されると共に、上部に流出口(連通路H2)が形成され、側板11の背部に空気が上方へ流動するダクト状空間が形成されている。
具体的に、下端の連通路H1は、側方裏板21の下端を切り欠いて開口部21a(図6に示す)を設けて形成され、上端の連通路H2は、側方裏板21の上端を本体1の内部方向へ折り曲げて隙間を設けることで形成されている。
図6は、図3に示すC−C線断面図であり、この図6に示すように扉板2に設けられた前側裏板22は扉板1と平行に配置され、上下に亘り一定間隔の空間を形成している。そして、前側裏板22の下端及び上端には、扉板2と前側裏板22の間に形成された空間と本体1の内部空間とを連通する連通路H3,H4が設けられている。こうして、下部に空気の流入口(連通路H3)が形成されると共に、上部に流出口(連通路H4)が形成され、扉板2の背部に空気が上方へ流動するダクト状空間が形成されている。
具体的に、下端の連通路H3は、前側裏板22が本体1の内部に入り込むことで扉板2の裏側に発生する隙間で形成され、上端の連通路H4は、前側裏板22の上端を本体1の内部方向へ折り曲げて隙間を設けることで形成されている。
尚、前側裏板22の下端に形成した連通路H3は、側板11の下部に形成された連通路H1と同様に前側裏板22の下端を切り欠いて開口形成しても良い。
この結果、直射日光等で電気機器収納箱の側板11が熱せられて、背部の空気温度が上昇したら、側板11と側方裏板21とで形成されたダクト状空間内において上方に向けて空気の対流が発生し、上部の連通路H2から本体1の内部に流れ出る。この熱せられた空気は、図5の矢印M2に示すように本体1の内部空間の上方に流れ出る。こうして流れ出た空気は、天板12の開口部12aから外に出て、屋根板3と天板12の隙間から外部に流れ出る。
一方、本体1の下部においては、ルーバー5を介して外部から流入した空気が、図5の矢印M1に示すように連通路H1からダクト状空間に入り込み、空気の対流を促す。
また直射日光等で扉板2が熱せられて背部の空気の温度が上昇したら、扉板2と前側裏板22とで形成されたダクト状空間内において上方に向けて空気の対流が発生し、上部の開口部H4から本体1の内部に流れ出る。この熱せられた空気は、図6の矢印M4に示すように本体1の内部空間の上方に流れ出る。こうして流れ出た空気は、天板12の開口部12aから外に出て、屋根板3と天板12の隙間から外部に流れ出る。
一方、本体1の下部においては、ルーバー5を介して外部から流入した空気が、矢印M3に示すように連通路H3からダクト状空間に入り込み、空気の対流を促す。
このように、側板11及び扉板2に裏板21,22を設け、二重に形成してダクト状空間を設けることで、直射日光等で熱せられた空気をダクト状空間において上方に対流させることができ、遮蔽板を周囲に設けること無く収納箱内部の温度上昇を抑制できる。そのため、収納箱の外形寸法を抑制できる。
また、ダクト状空間を設けても、これらは側板11や扉板2の背面に形成されるため、側板11や扉板2は引き続き全溶接構造にし易く、防錆性能を維持できる。
更に、側板11、扉板2は裏板21,22が背部全域に取り付けられるため、側板11、扉板2の温度が上昇しても本体1の内部に直接熱が伝わることが無く、内部の温度上昇を抑制できる。
加えて、天板12に形成された通気口12aはフランジ状の縁部15で覆われているし、その周囲は屋根板3の側辺3aで囲まれているため、通気口12aへの雨水の侵入を防止できる。
図7はC−C線断面を斜め下方から見た状態を示している。図7に示すように、天板12の裏面の通気口12a周囲には、防虫網取付片16が設けられ、防虫網17を容易に設置可能としている。また、図8は扉板2を外した本体を示し、前方斜め下方から見た状態を示している。図8に示すように、屋根板3は背面にねじ孔3cを有し、天板12にねじ25により固定される。また、屋根板3の側辺3aの前後下部には通気を良好にするための切り欠き3bが設けられている。
図9は電気機器収納箱の他の形態を示し、上記図2に対応する斜視図を示している。上記形態との相違点は、側板11の背部に形成したダクト状空間上部の連通路H2を本体1の内部との間に設けず、側方裏板21を天板に連結し、天板12に連通路H2として排気孔12bを設けて外部(屋根板下部)と連通している点である。このように、直接外部に放出させても良い。
尚、左右側板11と扉板2の双方にダクト状空間を設けているが、何れか一方のみに設けるだけでも良い。
1・・本体、2・・扉板、3・・屋根板、3a・・側辺、5・・ルーバー、11・・側板、11c・・開口部(導入孔)、12・・天板、12a・・通気口、12b・・排気孔、15・・縁部、21・・側方裏板(裏板)、21a・・開口部、22・・前側裏板(裏板)、H1〜H4・・連通路。

Claims (3)

  1. 少なくとも前面が開放された箱状の本体と、前記本体の開放された面を閉塞する扉板とを有する金属製の電気機器収納箱であって、
    前記本体の天板には通気口が開口形成されると共に、前記天板上には屋根板が配置されて前記通気口上部が一定の隙間を設けて覆われて成り、
    前記本体の左右側板及び前記扉板のうち、少なくとも一方の背部には上下方向に空間が形成されるよう裏板を取り付けて上下に亘るダクト状空間が形成されて成り、
    前記ダクト状空間の下部は、前記裏板の下端に設けられた連通路を介して前記本体の内部に連通されると共に、
    前記ダクト状空間の上部は、前記裏板に設けた連通路を介して前記本体の内部と連通されるか、前記本体の天板に設けた排気孔を介して前記屋根板下部に連通されて成り、
    更に前記側板の下部には外気を前記本体の内部に導入するための導入孔が設けられて成ることを特徴とする電気機器収納箱。
  2. 前記裏板は、取り付け対象の前記左右側板或いは前記扉板に対して背面全体に設置され、当該背面の全体をダクト状空間としたことを特徴とする請求項1記載の電気機器収納箱。
  3. 前記天板に設けた前記通気口は、天板に突設したフランジ状の縁部の内部に形成され、
    前記縁部の周囲は、前記屋根板の周囲に垂下形成された側辺により覆われて成ることを特徴とする請求項1又は2記載の電気機器収納箱。
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