JP2017045687A - 感光性導電フィルム、感光性導電フィルムロール、及びそれを用いた導電膜・導電パターンの形成方法 - Google Patents

感光性導電フィルム、感光性導電フィルムロール、及びそれを用いた導電膜・導電パターンの形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 感光性導電フィルムの異方性を抑制した感光性導電フィルム、感光性導電フィルムロールを提供し、更にそれを用いた導電膜、導電パターンの形成方法を提供する。【解決手段】 支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた金属繊維を含有する導電層と、該導電層上に設けられた感光性樹脂層を備える感光性導電フィルムであって、前記導電層における異方性が、1.0〜1.3である感光性導電フィルム。金属繊維が、銀繊維であると好ましく、導電層が、導電繊維を水とアルコールの混合溶液に分散した分散液を支持フィルム上に形成したものであると好ましい。【選択図】 図2

Description

本発明は、感光性導電フィルム、感光性導電フィルムロールに関し、特には、液晶表示素子などのフラットパネルディスプレイ、タッチスクリーン、太陽電池等の装置の電極、配線として用いられる導電膜、導電パターンの形成方法に関する。
パソコンやテレビ等の大型電子機器、カーナビゲーション、携帯電話、電子辞書等の小型電子機器、OA・FA機器等の表示機器では、液晶表示素子やタッチスクリーンが使用されているものが普及している。これら液晶表示素子やタッチスクリーン、更には太陽電池等のデバイスでは、透明であることが要求される配線、画素電極又は端子の一部に、透明導電膜が使用されている。
透明導電膜の材料としては、従来、可視光に対して高い透過率を示すことから、ITO(Indium−Tin−Oxide)、酸化インジウム及び酸化スズなどが用いられている。液晶表示素子用基板等の電極では、上記の材料からなる透明導電膜をパターニングしたものが主流になっている。
透明導電膜のパターニング方法としては、透明導電膜を形成後、フォトリソグラフィー法によりレジストパターンを形成し、ウエットエッチングにより導電膜の所定部分を除去して導電パターンを形成する方法が一般的である。ITO及び酸化インジウム膜の場合、エッチング液は塩酸と塩化第二鉄の2液よりなる混合液が一般に用いられている。
ITO膜や酸化スズ膜は一般にスパッタ法により形成される。しかし、この方法は、スパッタ方式の違い、スパッタパワーやガス圧、基板温度、雰囲気ガスの種類等によって透明導電膜の性質が変わりやすい。スパッタ条件の変動による透明導電膜の膜質の違いは、透明導電膜をウエットエッチングする際のエッチング速度のばらつきの原因となり、パターンニング不良による製品の歩留り低下を招きやすい。また、上記の導電パターンの形成方法は、スパッタ工程、レジスト形成工程及びエッチング工程を経ていることから、工程が長く、コスト面でも大きな負担となっている。
最近、上記の問題を解消するために、ITO、酸化インジウム及び酸化スズなどに替わる材料を用いて透明な導電パターンを形成する試みがなされている。例えば、特許文献1には、基板上に、銀繊維などの導電性繊維を含有する導電層を形成した後、導電層上に感光性樹脂層を形成し、その上からパターンマスクを介して露光し、現像する導電パターンの形成方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、基板と導電パターンとの接着性を確保しつつ導電パターンの表面抵抗率の低抵抗率化を図ることが困難であることが本発明者の検討により判明している。また、前記導電パターンを配線、画素電極又は端子として使用する場合には、感光性樹脂層を除去する工程が必要であり、導電パターン形成の工程が煩雑化するという問題がある。
上記問題を鑑みて特許文献2には、基板上に、基板との接着性が十分であり低抵抗な導電パターンを十分な解像度で簡便に形成することを可能とする感光性導電フィルム、並びに、この感光性導電フィルムを用いた導電膜の形成方法、導電パターンの形成方法が開示されている。
米国特許出願公開第2007/0074316号明細書 国際特許公開第2010/021224号
特許文献2に記載の方法は支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられ導電性繊維を含有する導電層と、該導電層上に設けられた感光性樹脂層とを備え、感光性導電フィルムを基板上に感光性樹脂層が密着するようにラミネートし、これを露光、現像する簡便な工程で、基板との接着性が十分であり、且つ表面抵抗率が小さい導電パターンを十分な解像度で形成することを可能としている。
しかし特許文献2に記載の方法では、支持フィルム上に導電液を塗布し、導電膜を形成する際に、金属ナノワイヤがフィルムの搬送(MD=Machine Direction)方向に配向し易く、金属ナノワイヤがMD方向に配向するとMDと垂直(TD=Traverse Direction)方向への配向に差が生じ、すなわち抵抗値に差(異方性)が発生してしまうという問題がある。
異方性が大きい場合、タッチパネルにおいてx軸、y軸を形成した際のライン抵抗の差をなくすため、フィルムの取り位置を斜めにする必要があり、歩留り低下という課題があった。
本発明は、上記の課題を解決するもので、感光性導電フィルムの異方性を抑制した感光性導電フィルム、感光性導電フィルムロールを提供し、更にそれを用いた導電膜、導電パターンの形成方法を提供する。
上記課題を解決するため本発明は、下記の手段を提供する。
本発明は、[1] 支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた金属繊維を含有する導電層と、該導電層上に設けられた感光性樹脂層を備える感光性導電フィルムであって、前記導電層における異方性が、1.0〜1.3であることを特徴とする感光性導電フィルムである。
また、本発明は、[2] 前記金属繊維が、銀繊維である、上記[1]に記載の感光性導電フィルムである。
また、本発明は、[3] 前記導電層が、導電繊維を水とアルコールの混合溶液に分散した分散液を支持フィルム上に形成したものである上記[1]又は[2]に記載の感光性導電フィルムである。
また、本発明は、[4] 前記感光性樹脂層が、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含有する、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の感光性導電フィルムである。
また、本発明は、[5] 上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の感光性導電フィルムをロールに巻回して作製した、感光性導電フィルムロールである。
また、本発明は、[6] 上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の感光性導電フィルム又は上記[5]に記載の感光性導電フィルムロールを、基板上に前記感光性樹脂層が密着するようにラミネートするラミネート工程と、前記基板上の前記感光性樹脂層に活性光線を照射する露光工程と、を備える、導電膜の形成方法である。
また、本発明は、[7] 上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の感光性導電フィルム又は上記[5]に記載の感光性導電フィルムロールを、基板上に前記感光性樹脂層が密着するようにラミネートするラミネート工程と、前記基板上の前記感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射する露光工程と、露光した前記感光性樹脂層を現像することにより導電パターンを形成する現像工程と、を備える、導電パターンの形成方法である。
本発明の感光性導電フィルムによれば、支持フィルム上に金属繊維を含有する導電層の抵抗値の異方性をなくした、等方性化した感光性導電フィルムを提供することができる。これにより、製品設計が容易になり、斜め方向を主軸とする材料の切り出しを改善でき歩止まりが向上する。また、金属繊維の凝集物が減少し、パターン形成時のライン間の短絡を抑制することができる。それによりタッチパネルの駆動に影響のない信頼性の高いパターンを形成可能な導電パターンを作製することが可能となる。
本発明の感光性導電フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。 感光性導電フィルムの一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。 本発明の導電パターンの形成方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。「A又はB」とは、AとBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。また、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。また、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
図1は、本発明の感光性導電フィルムの好適な一実施形態を示す模式断面図である。図1に示す感光性導電フィルム10は、支持フィルム1と、支持フィルム1上に設けられ金属繊維として銀繊維を含有する導電層2と、導電層2上に設けられた感光性樹脂層3とを備える。
本発明は導電層における異方性が、1.0〜1.3であることを特徴とする。「異方性」とは、2点間(幅1mm×長さ100mm)のライン抵抗値(R)をテスターでMD方向(塗工時のフィルムの搬送方向)、TD方向(MDと垂直方向)をそれぞれ測定し、RTD/RMD(TD方向の抵抗値(RTD)/MD方向の抵抗値(RMD))で算出した値と定義する。抵抗値の測定は、幅1mm、長さ120mmのラインパターンをMD方向およびTD方向にそれぞれ作製し、両端部より10mm内側に銀ペーストを直径約1mm塗布し、乾燥を行ない、その銀ペーストで作製した銀電極を端子として端子間100mmの抵抗を抵抗計により測定する。
以下、感光性導電フィルム10を構成する支持フィルム1、金属繊維を含有する導電層2及び感光性樹脂層3のそれぞれについて詳細に説明する。
(支持フィルム)
支持フィルム1としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムが挙げられる。これらのうち、透明性や耐熱性の観点からは、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。なお、これらの重合体フィルムは、後に感光性樹脂層から除去可能でなくてはならないため、除去が不可能となるような表面処理が施されたもの或いは材質であったりしてはならない。
支持フィルム1のヘーズ値は、感度及び解像度を良好にできる観点から、0.01〜5.0%であることが好ましく、0.01〜3.0%であることがより好ましく、0.01〜2.0%であることが更に好ましく、0.01〜1.1%であることが特に
好ましい。なお、ヘーズ値はJIS K 7105(プラスチックの光学特性試験方法)に準拠して測定することができ、例えば、NDH−1001DP(日本電色工業株式会社製、商品名)等の市販の濁度計(ヘーズメーター)などで測定が可能である。
(導電層)
導電層2には金属繊維を含有するが、金属繊維として銀繊維であることが好ましく、その他の導電性繊維を含有してもよい。金属繊維としては、銀、金、白金等の金属繊維、カーボンナノチューブ等の炭素繊維である導電性繊維が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の金属繊維は、例えば、金属イオンをNaBH等の還元剤で還元する方法、又は、ポリオール法により調製することができる。
カーボンナノチューブは、Unidym社のHipco単層カーボンナノチューブなどの市販品を使用することができる。
金属繊維又は導電性繊維の繊維径は、5〜50nmであることが好ましく、10〜20nmであることがより好ましく、3〜10nmであることが更に好ましい。また、金属繊維又は導電性繊維の繊維長は、導電性を維持する観点から1〜100μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましく、20〜40μmであることが更に好ましい。繊維径及び繊維長は、走査型電子顕微鏡により測定することができる。
導電層2の厚みは、本発明の感光性導電フィルムを用いて形成される導電膜若しくは導電パターンの用途や求められる導電性によっても異なるが、1μm以下であることが好ましく、1nm〜0.5μmであることがより好ましく、5nm〜0.1μmであることが更に好ましい。導電層2の厚みが1μm以下であると、450〜650nmの波長域での光透過率が高く、パターン形成性にも優れ、特に透明電極の作製に好適なものとなる。
導電層2は、金属繊維又は導電性繊維同士が接触してなる網目構造を有することが好ましい。このような網目構造を有する導電層2は、感光性樹脂層3の支持フィルム側表面に形成されている。また、導電層2は、支持フィルムを剥離したときに露出する表面においてその面方向に導電性が得られるのであれば、感光性樹脂層3の支持フィルム側表層に含まれる形態で形成されていてもよい。なお、網目構造を有する導電層2の厚みは、走査型電子顕微鏡写真によって測定される値を指す。
本発明の異方性を低減した導電層(膜)を形成するための手法としては、溶媒にアルコール水溶液を用いることが好ましい。機構としては、金属繊維が溶媒に分散された分散液を支持フィルムに塗工し、乾燥時にアルコール水溶液中のアルコールの気化により一時的に対流が発生し、MD方向に配向した金属ナノワイヤがランダムに配向する、と推察している。
アルコール濃度としては、原液の組成にもよるが10〜80質量%が好ましく、40〜60質量%がより好ましい。10質量%未満になると対流が十分に生じないため、金属繊維がランダムに配向せず、また、アルコールを添加しない場合は水の高い表面張力の影響によりフィルム上で分散液がはじかれ易くなる傾向にある。一方で80質量%を超えて大きいとアルコールの気化量が多くなるため、塗布された分散液の対流が激しくなり、金属繊維(金属ナノワイヤ)の凝集、海島による外観不良になる恐れがある。
金属繊維を含有する導電層2は、例えば、支持フィルム1上に、上述した金属繊維を水及び有機溶剤、必要に応じて界面活性剤などの分散安定剤などを加えた導電性繊維分散液を塗工した後、乾燥することにより形成することができる。乾燥後、支持フィルム1上に形成した導電層2は、必要に応じて加圧処理されてもよい。
塗工は、例えば、ロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法等の公知の方法で行うことができるが、均一薄膜塗工の観点からダイコート法が好ましい。
また、導電層を低抵抗化又は低ヘーズ化するためには、分散液の溶媒を揮発させる乾燥工程において、均一な膜を形成するために20〜65℃で分散液中の溶媒を揮発させることによって達成できる。この傾向は特に銀繊維において顕著である。
60℃以上で乾燥させると対流が生じてベナールセルを形成することで低抵抗な金属(銀)繊維が形成できず、また20℃未満では溶媒が揮発するのに時間がかかり工程上問題となる。
乾燥温度は、25〜65℃であることが好ましく、35〜65℃であることがより好ましく、40〜60℃であることが更に好ましい。
導電層2において、導電性繊維は界面活性剤や分散安定剤と共存していてもかまわない。
(感光性樹脂層)
感光性樹脂層3としては、(a)バインダーポリマー、(b)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び(c)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物から形成されるものが挙げられる。これらは従来公知のものを特に制限なく使用できる。
((a)バインダーポリマー)
(a)バインダーポリマーとしては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、アミドエポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応で得られるエポキシアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂と酸無水物の反応で得られる酸変性エポキシアクリレート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。アルカリ現像性及びフィルム形成性に優れる観点から、アクリル樹脂を用いることが好ましく、そのアクリル樹脂が(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するモノマー単位を構成単位として有するとより好ましい。ここで、 「アクリル樹脂」とは、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体に由来するモノマー単位を主に有する重合体のことを意味する。また、前記のように本明細書における「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸」及びそれに対応する「メタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」とは「アクリル酸アルキルエステル」及びそれに対応する「メタクリル酸アルキルエステル」を意味する。
上記アクリル樹脂は、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体をラジカル重合して製造されるものが使用できる。このアクリル樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記(メタ)アクリル基を有する重合性単量体としては、例えば、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
また、上記アクリル樹脂は、上記のような(メタ)アクリル基を有する重合性単量体の他に、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のα−位若しくは芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸等の1種又は2種以上の重合性単量体が共重合されていてもよい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物、これらの化合物のアルキル基に水酸基、エポキシ基、ハロゲン基等が置換した化合物が挙げられる。
Figure 2017045687
ここで、一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。上記炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。
上記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステルが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、(a)バインダーポリマーは、アルカリ現像性をより良好にする観点から、カルボキシル基を有することが好ましい。カルボキシル基を有する重合性単量体としては、上述したような(メタ)アクリル酸が挙げられる。
バインダーポリマーが有するカルボキシル基の比率は、アルカリ現像性とアルカリ耐性のバランスを図る観点から、使用する全重合性単量体に対するカルボキシル基を有する重合性単量体の割合として、12〜50質量%であることが好ましく、12〜40質量%であることがより好ましく、15〜30質量%であることが更に好ましく、15〜25質量%であることが特に好ましい。このカルボキシル基を有する重合性単量体の割合が12質量%未満ではアルカリ現像性が劣る傾向があり、50質量%を超えるとアルカリ耐性が劣る傾向がある。
バインダーポリマーの重量平均分子量は、機械強度及びアルカリ現像性のバランスを図る観点から、5000〜300000であることが好ましく、20000〜150000であることがより好ましく、30000〜100000であることが更に好ましい。重量平均分子量が、5000未満では耐現像液性が低下する傾向があり、300000を超えると現像時間が長くなる傾向がある。なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定され、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により換算された値である。
これらのバインダーポリマーは、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。2種類以上を組み合わせて使用する場合のバインダーポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上のバインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーが挙げられる。
((b)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物)
エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物が好ましい。エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物としては、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させで得られる化合物、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β´−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β´−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β´−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパンが挙げられる。これらの中で、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、「BPE−500」(新中村化学工業株式会社製、商品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、「BPE−1300」(新中村化学工業株式会社製、商品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14であり、プロピレン基の数が2〜14であるポリエチレンポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記ウレタンモノマーとしては、β位にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との付加反応物、トリス[(メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート]ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、「EO」はエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有する。また、「PO」はプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有する。EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、「UA−11」(新中村化学工業株式会社製、商品名)が挙げられる。また、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、「UA−13」(新中村化学工業株式会社製、商品名)が挙げられる。
光重合性化合物の含有割合は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の総量100質量部に対して、30〜80質量部であることが好ましく、40〜70質量部であることがより好ましい。この含有割合が30質量部未満では光硬化が不十分となり、転写した導電膜(導電層及び感光性樹脂層)の塗膜性が不十分となる傾向があり、80質量部を超えるとフィルムとして巻き取った場合、保管が困難となる傾向がある。
((c)光重合開始剤)
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、N,N´−テトラメチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N´−テトラエチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4´−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9´−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物、オキサゾール系化合物が挙げられる。また、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対象な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。これらの中でも、透明性の見地からは、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1等の芳香族ケトン化合物や1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)等のオキシムエステル化合物がより好ましい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
光重合開始剤の含有割合は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の総量100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることが更に好ましい。この含有割合が0.1質量部未満では光感度が不十分となる傾向があり、20質量部を超えると露光の際に感光性樹脂層の表面での吸収が増大して内部の光硬化が不十分となる傾向がある。
感光性樹脂層3には、必要に応じて、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤等の添加剤を、単独で又は2種類以上を組み合わせて含有させることができる。これらの添加剤の添加量は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の総量100質量部に対して各々0.01〜20質量部であることが好ましい。
感光性樹脂層3は、導電層2を形成した支持フィルム1上に、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解した、固形分10〜60質量%程度の感光性樹脂組成物の溶液を塗布、乾燥することにより形成できる。但し、この場合、乾燥後の感光性樹脂層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止するため、2質量%以下であることが好ましい。
塗工は、例えば、ロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法等の公知の方法で行うことができる。塗工後、有機溶剤等を除去するための乾燥は、70〜150℃で5〜30分間程度、熱風対流式乾燥機等で行うことができる。
感光性樹脂層3の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜200μmであることが好ましく、1〜15μmであることがより好ましく、1〜10μmであることが更に好ましい。この厚みが1μm未満では塗工が困難となる傾向があり、200μmを超えると光透過の低下による感度が不十分となり転写する感光性樹脂層の光硬化性が低下する傾向がある。
本実施形態の感光性導電フィルムにおいて、上記導電層2及び上記感光性樹脂層3の積層体は、両層の合計膜厚を1〜10μmとしたときに450〜650nmの波長域における最小光透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。導電層及び感光性樹脂層がこのような条件を満たす場合、ディスプレイパネル等での高輝度化が容易となる。
本発明の感光性導電フィルムにおいて、感光性樹脂層3の支持フィルム1側と反対側の面に接するように保護フィルムを積層することができる。
保護フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。また、保護フィルムとして上述の支持体フィルムと同様の重合体フィルムを用いてもよい。
保護フィルムと感光性樹脂層との間の接着力は、保護フィルムを感光性樹脂層から剥離しやすくするために、導電層2及び感光性樹脂層3と、支持フィルム1との間の接着力よりも小さいことが好ましい。
(感光性導電フィルムロール)
上記のような構成の感光性導電フィルムは、これを紙管、木管、プラスチック管等の芯に巻回(巻き取り)して、感光性導電フィルムロールとすることができる。前記プラスチック管として、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチック等が挙げられる。ロール状の感光性導電フィルムの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、梱包方法として、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
これを用いることで、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll Process)で工程を配置することができ作業性が向上する。
導電膜の形成方法や導電パターンの形成方法は公知の手法を選択できる。具体的には国際公開第2013/051516号(発明の名称;導電パターンの形成方法、導電パターン基板及びタッチパネルセンサ)又は国際公開第2010/021224号(発明の名称;感光性導電フィルム、導電膜の形成方法、導電パターンの形成方法及び導電膜基板)に記載の手法を参照できる。
図3に示すように支持フィルム1、導電層2、感光性樹脂層3、場合により保護フィルムを積層して形成された感光性導電フィルム、又は感光性導電フィルムロールの保護フィルムを剥離し、感光性樹脂層3が基板20に密着するようにラミネートする(ラミネート工程)、続いて、基板上の感光性樹脂層に活性光線を照射する露光工により、導電膜を形成できる。活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものを用いることができる。また、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものを用いることもできる。
一方、ラミネート工程に続いて、ネガフィルムを用いて基板上の感光性樹脂層の所定部分(硬化させ導電層を残す部分)にのみ活性光線を照射する露光工程と、露光した感光性樹脂層を現像することにより導電パターンを形成する現像工程と、を備える、導電パターンの形成方法である。露光工程では、ネガマスクを介して感光性樹脂層の所定部分を露光し、更にネガマスクと支持フィルムを剥離し、感光性樹脂層全体を露光する二段露光することで段差の少ない感光性樹脂層とすることができる。
上記のようにして形成した導電膜や導電パターンを備えた導電膜基板は、抵抗値の異方性が抑制され、方向により導電率の変化が少ない電気配線、電極を形成することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<銀繊維分散液の調製>
下記の実施例1〜3及び比較例1、2に記載の各溶媒にC3Nano社製、銀ナノインク「G−J.3」をスリーワンモーター(新東科学株式会社製)で攪拌しながら添加し、導電性繊維分散液を得た。
<感光性樹脂組成物の溶液の調製>
表1に示した材料を同表に示す配合量(単位:質量部)で配合し、感光性樹脂組成物の溶液を調製した。
Figure 2017045687
(a)バインダーポリマー
・アクリルポリマーA:メタクリル酸/メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/スチレン=20/50/20/10(質量比)の共重合体の溶液、重量平均分子量80,000
(上記のバインダーポリマーの合成例)
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、質量比6/4(メチルセロソルブ/トルエン)であるメチルセロソルブ及びトルエンの配合物400gを加え、窒素ガスを吹き込みながら撹拌して、80℃まで加熱した。一方、共重合単量体としてメタクリル酸100g、メタクリル酸メチル250g、アクリル酸エチル100g及びスチレン50gと、アゾビスイソブチロニトリル0.8gとを混合した溶液(以下、「溶液a」という)を用意し、80℃に加熱された質量比6/4であるメチルセロソルブ及びトルエンの上記配合物に溶液aを4時間かけて滴下した後、80℃で撹拌しながら2時間保温した。さらに、質量比6/4であるメチルセロソルブ及びトルエンの配合物100gにアゾビスイソブチロニトリル1.2gを溶解した溶液を、10分かけて上記フラスコ内に滴下した。滴下後の溶液を撹拌しながら80℃で3時間保温した後、30分間かけて90℃に加温した。90℃で2時間保温した後、冷却して(A)成分であるバインダーポリマー溶液を得た。このバインダーポリマー溶液に、アセトンを加えて不揮発成分(固形分)が50質量%になるように調整した。バインダーポリマーの重量平均分子量は80000であった。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。
(b)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物
・トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名TMPTA)
(c)光重合開始剤
・2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド(BASF社製、商品名「Irgacure TPO」)
(d)その他
・オクタメチルシクロテトラシロキサン(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名Additive 8032)
<導電性繊維分散液の作製−1>
(比較例1)
分散液の溶媒として精製水1kgを使用し、スリーワンモーター回転数300回転/分で攪拌しながら、銀ナノインク500gを少しずつ加え、その後約3分間攪拌し、導電液1を作製した。得た導電液を支持フィルムである16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、帝人株式会社製、商品名「A1517」)上に44g/mで均一に塗布し、それぞれ50〜100℃に設定した3ゾーンの熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して水分が揮発したことを確認後、10kg/cm(98.1N/cm)の線圧で加圧することにより、支持フィルム上に導電層を形成した。なお、導電層の乾燥後の膜厚は、約0.02μmであった。下記の測定方法による異方性は2.07であり、表面抵抗値は82.1Ω/□であった。
(実施例1)
分散液の溶媒として40質量%イソプロピルアルコールと60質量%の精製水の総計1kgを使用し、スリーワンモーター回転数300回転/分で攪拌しながら、銀ナノインク500gを少しずつ加え、その後約3分間攪拌し、導電液2を作製した。得た導電液を支持フィルムである16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、帝人株式会社製、商品名「A1517」)上に44g/mで均一に塗布し、それぞれ50〜100℃に設定した3ゾーンの熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して水分が揮発したことを確認後、10kg/cmの線圧で加圧することにより、支持フィルム上に導電層を形成した。なお、導電層の乾燥後の膜厚は、約0.02μmであった。異方性は1.09であり、表面抵抗値は85.6Ω/□であった。
(実施例2)
分散液の溶媒として60質量%エタノールと40質量%の精製水の総計1kgを使用し、スリーワンモーター回転数300回転/分で攪拌しながら、銀ナノインク500gを少しずつ加え、その後約3分間攪拌し、導電液3を作製した。得た導電液を支持フィルムである16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、帝人株式会社製、商品名「A1517」)上に44g/mで均一に塗布し、それぞれ50〜100℃に設定した3ゾーンの熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して水分が揮発したことを確認後、10kg/cmの線圧で加圧することにより、支持フィルム上に導電層を形成した。なお、導電層の乾燥後の膜厚は、約0.02μmであった。異方性は1.27であり、表面抵抗値は85.0Ω/□であった。
(実施例3)
分散液の溶媒として60質量%エタノールと40質量%の精製水の総計1kgを使用し、スリーワンモーター回転数300回転/分で攪拌しながら、銀ナノインク500gを少しずつ加え、その後約3分間攪拌し、導電液4を作製した。得た導電液を支持フィルムである16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、帝人株式会社製、商品名「A1517」)上に37g/mで均一に塗布し、それぞれ50〜100℃に設定した3ゾーンの熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して水分が揮発したことを確認後、10kg/cmの線圧で加圧することにより、支持フィルム上に導電層を形成した。なお、導電層の乾燥後の膜厚は、約0.02μmであった。異方性は1.28であり、表面抵抗値は110.0Ω/□であった。表面抵抗値100Ω/□付近であれば異方性低減効果はあることが確認できた。
(比較例2)
銀ナノインクのみを使用し、支持フィルムである16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、帝人株式会社製、商品名「A1517」)上に37g/mで均一に塗布し、それぞれ50〜100℃に設定した3ゾーンの熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して水分が揮発したことを確認後、10kg/cmの線圧で加圧することにより、支持フィルム上に導電層を形成した。なお、導電層の乾燥後の膜厚は、約0.02μmであった。異方性は1.58であり、表面抵抗値は112.3Ω/□であった。
次に、感光性樹脂組成物の溶液を、比較例1、2と実施例1〜3のそれぞれ導電層が形成された16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムの導電層上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して感光性樹脂層を形成した。その後、感光性樹脂層を、ポリプロピレン製の保護フィルム(王子エフテックス株式会社製、商品名「ES−201」)で覆い、感光性導電フィルムを得た。なお、感光性樹脂層の乾燥後の膜厚は5μmであった。
(異方性の測定方法)
上記で得られた導電フィルムの中央部をMD方向に幅150mm、長さ400mmで切り出し、幅1mm、長さ120mmのラインが形成されるマスクを使用し、露光、現像にてラインパターンをMD方向およびTD方向にそれぞれ作製し、両端部より10mm内側に銀ペーストを直径約1mm塗布し、乾燥を行なう。2点間(幅1mm×長さ100mm)のライン抵抗値(R)をテスターでTD、MD方向をそれぞれ測定し、RTD/RMD(TD方向の抵抗/MD方向の抵抗)で算出した。
(シート抵抗値の測定)
ナプソン株式会社製NC−10にてシート抵抗値を測定した。
これらの測定結果を表2に示した。
(塗膜性の評価)
導電層塗工時の外観を下記のように評価した。
「◎」:ムラなし、「○」:ややムラあり(OKレベル)、「△〜×」:ムラあり
Figure 2017045687
比較例1、2について、比較例2は、銀ナノインクのみを使用して導電層を形成した場合であり、導電性に異方性が見られ、これを水で希釈した比較例1では、塗工方向に銀繊維が配向し、異方性が強まる。これに対して、アルコール・水混合液で希釈した分散液を用いた実施例1では、異方性がより小さくなった。実施例2では溶媒をエタノールに変えたところ塗膜性を維持しつつ異方性を下げることができた。また、実施例3では、塗布量を変えて行ない異方性の確認を実施したところ同様の効果が確認できた。
本発明は、感光性導電フィルムが等方性に近づくことにより、顧客においてセンシング設計が容易になり、かつ無駄なくフィルムを活用することが可能となる。それによりタッチパネルの駆動に影響のない信頼性の高いパターンを形成可能な感光性導電フィルムの生産性が向上する。
1…支持フィルム
2…導電層
3…感光性樹脂層
4…感光層
10、12…感光性導電フィルム
20…基板

Claims (7)

  1. 支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた金属繊維を含有する導電層と、該導電層上に設けられた感光性樹脂層を備える感光性導電フィルムであって、前記導電層における異方性が、1.0〜1.3であることを特徴とする感光性導電フィルム。
  2. 前記金属繊維が、銀繊維である、請求項1に記載の感光性導電フィルム。
  3. 前記導電層が、導電繊維を水とアルコールの混合溶液に分散した分散液を支持フィルム上に形成したものである請求項1又は請求項2に記載の感光性導電フィルム。
  4. 前記感光性樹脂層が、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性導電フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性導電フィルムをロールに巻回して作製した、感光性導電フィルムロール。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性導電フィルム又は請求項5に記載の感光性導電フィルムロールを、基板上に前記感光性樹脂層が密着するようにラミネートするラミネート工程と、
    前記基板上の前記感光性樹脂層に活性光線を照射する露光工程と、
    を備える、導電膜の形成方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性導電フィルム又は請求項5に記載の感光性導電フィルムロールを、基板上に前記感光性樹脂層が密着するようにラミネートするラミネート工程と、
    前記基板上の前記感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射する露光工程と、
    露光した前記感光性樹脂層を現像することにより導電パターンを形成する現像工程と、
    を備える、導電パターンの形成方法。
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