JP2017044203A - 内燃機関の排ガス浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】選択還元触媒によるNOx還元性能を示す指標に基づいてリッチ燃焼運転のリッチ化の度合いを制御して三元触媒によって生成されてSCR触媒へ供給されるNH量を制御して、SCR触媒のNOx還元浄化を効率よく達成することを目的とする。
【解決手段】排ガス通路18に設けられた三元触媒22と、その下流側の選択還元触媒28と、燃焼空燃比を制御する空燃比制御部42と、を備え、空燃比制御部42は、空燃比を理論空燃比よりリッチ燃焼運転に制御して三元触媒22においてNHを生成させ選択還元触媒28に供給するNH生成部50と、選択還元触媒28によるNOx還元性能を示す指標に基づいてリッチ燃焼運転のリッチ化度合いを制御してNH生成部50によって生成されるNH量を制御するリッチ化制御部52と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本開示は、内燃機関の排ガス浄化システムに関し、特に、排ガス通路に上流側から三元触媒とSCR触媒(選択還元触媒)を配置する排ガス浄化システムに関する。
大気のクリーン化が求められる中、ガソリンエンジンでは、触媒を用いた排ガス浄化性能のさらなる向上が求められている。
排ガス低減のために、排ガス通路に三元触媒(TWC)を配置し、その下流側にアンモニア(NH)による選択還元反応によってNOxを浄化する選択還元触媒(SCR)を配置したシステムが検討されている。
例えば、特許文献1には、リーン運転または燃料カット運転に起因するNOx排出量の増加を確実に防止し、NOx排出量を十分に抑制しつつ燃費の向上を実現することができる内燃機関の排気浄化装置について開示されている。
排気通路に三元触媒とSCR触媒を配置する構成が示されている。そして、ストイキ運転からリーン運転に移行するときは、リーン運転実行条件が成立した時点からリーン移行期間内は、空燃比を理論空燃比よりリッチ側のリッチ空燃比に制御し、リーン移行期間経過後にリーン空燃比相当の値に変更する。また、リーン運転または燃料カット運転からストイキ運転またはリッチ運転に移行するときは、リッチ移行期間内は、還元剤(NH)をSCR触媒に供給することが示されている。
特開2011−163193号公報
前記特許文献1には、その段落0139に、「リーン移行期間内において空燃比をリッチ空燃比に制御することにより、三元触媒7においてNHを生成し、SCR触媒8のNOx浄化率を高めることができる。その結果、空燃比をリーン空燃比に切り換えた直後におけるNOx排出量の増加を抑制することができる。」と記載されている。
空燃比をリッチ空燃比に制御することにより、三元触媒においてNHを生成することが示唆されている。しかし、リッチ空燃比のリッチ度合いを制御することまでは示されていない。すなわち、リッチ空燃比のリッチ度合いを制御することにより、三元触媒において生成されるNH量を制御してSCR触媒のNOx還元浄化を効率よく行うことまでは示されていない。
また、特許文献1は、NHを排ガス通路に噴射するため、排ガス浄化システムの大型化が懸念される。
そこで、これら技術的課題に鑑み、本発明の少なくとも一つの実施形態は、選択還元触媒によるNOx還元性能を示す指標に基づいてリッチ燃焼運転のリッチ化の度合いを制御して三元触媒によって生成されてSCR触媒へ供給されるNH量を制御して、SCR触媒のNOx還元浄化を効率よく達成することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る内燃機関の排ガス浄化システムは、内燃機関の排ガス通路に設けられた三元触媒と、該三元触媒より下流の排ガス通路に設けられ、排ガス中に含まれるNHを吸着可能で、かつ吸着したNHで排ガス中のNOxを選択還元する選択還元触媒と、内燃機関の燃焼空燃比を制御する空燃比制御部と、を備え、前記空燃比制御部は、空燃比を理論空燃比よりリッチ燃焼運転に制御して前記三元触媒においてNHを生成させ前記選択還元触媒に供給するNH生成部と、前記選択還元触媒によるNOx還元性能を示す指標に基づいて前記リッチ燃焼運転のリッチ化度合いを制御して前記NH生成部によって生成されるNH量を制御するリッチ化制御部と、を有していることを特徴とする。
排ガス中にCO、HCが存在すると、反応式(1)の水性ガス反応と、反応式(2)の水蒸気改質反応が進行してHが生成され、反応式(3)、反応式(4)や反応式(5)の反応によりアンモニア(NH)が生成する。
三元触媒おいては、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)の排ガス浄化性能を最も効率よく達成するためにガソリンと空気が完全燃焼し、かつ、酸素の余らない理論空燃比で燃焼することが必要となる。理論空燃比よりリッチ燃焼運転を行うことで、CO、CHの成分が増加して、三元触媒でNHが生成する。
CO+HO → CO+H (1)
HC+HO → CO+CO+H (2)
2NO+5H → 2HO+2NH (3)
3/2H+NO+CO → NH+CO (4)
NO+HC+HO → CO+NH (5)
そして、前記選択還元触媒では、排ガス中に前記三元触媒で生成されて存在するNHとNOxとを反応させ、反応式(6)〜(8)の反応によりNOxを選択還元する。
NO+NO+2NH → 2N+3HO (6)
4NO+4NH+O → 4N+6HO (7)
6NO+8NH → 7N+12HO (8)
NH生成部では、空燃比を理論空燃比よりリッチ燃焼運転に制御して三元触媒においてNHを生成させ選択還元触媒に供給するので、リッチ化制御部でリッチ化度合いを制御することで、生成されるNH量を制御することができる。
従って、選択還元触媒によるNOx還元性能を示す指標に基づいてリッチ燃焼運転のリッチ化度合いを制御することによって、燃料消費を低減してNOx還元浄化を効率よく達成できる。
また、還元剤を排気通路に供給するための還元剤供給装置を別途設置する必要がないため排ガス浄化システムの小型化、コスト低減化を図ることができる。
(2)幾つかの実施形態では、前記構成(1)において、前記選択還元触媒によるNOx還元性能を示す指標は、前記選択還元触媒のNH吸着量であり、前記リッチ化制御部は、前記選択還元触媒のNH吸着量が所定のNH吸着閾値より低下した場合には前記空燃比のリッチ化度合いを増大することを特徴とする。
前記構成(2)によれば、選択還元触媒のNH吸着量が所定のNH吸着閾値より低下したとき、リッチ化度合いを増大することで、NOxと反応して還元するNHの生成量を増加できるため、選択還元触媒からのNOx排出濃度を低減できる。
(3)幾つかの実施形態では、前記構成(1)または(2)において、前記選択還元触媒によるNOx還元性能を示す指標は、前記選択還元触媒の下流側のNOx排出濃度であり、
前記リッチ化制御部は、前記選択還元触媒の下流側のNOx排出濃度が所定のNOx排出閾値を越えた場合には前記空燃比のリッチ化度合いを増大し、前記NOx排出濃度が前記NOx排出閾値より低下した場合には前記リッチ化度合いを低減することを特徴とする。
前記構成(3)によれば、選択還元触媒からのNOx排出濃度がNOx排出閾値を超えたとき、リッチ化度合いを増大することで、NOxと反応して還元するNHの生成量を増加できるため、選択還元触媒出口のNOx排出濃度を低減できる。また、該NOx排出濃度がNOx排出閾値より低下したときは、リッチ化度合いを低減することで、燃費を向上できる。
(4)幾つかの実施形態では、前記構成(2)において、前記リッチ化制御部は、前記NH生成部で生成されるNH生成量を求めるNH生成量算出部と、前記NH生成量算出部で求めたNH生成量と前記選択還元触媒の温度とから前記選択還元触媒のNH吸着量を求めるNH吸着量算出部とを有し、該NH吸着量算出部で算出されたNH吸着量に基づいて前記リッチ化度合いを制御することを特徴とする。
前記構成(4)によれば、三元触媒で生成されるNH生成量と選択還元触媒の温度とから選択還元触媒のNH吸着量を求めるので、NH吸着量を正確に推定できる。この推定値に基づいてリッチ化度合いを制御するので、NOx浄化の向上、燃費の向上が可能になる。
(5)幾つかの実施形態では、前記構成(4)において、前記NH生成量算出部において、前記NH生成量は、空燃比及び前記三元触媒の温度を含む内燃機関の運転状態量と前記三元触媒で生成されるNH生成量との関係を示す第1のマップによって算出されることを特徴とする。
前記構成(5)によれば、予め試験などで得た第1のマップから、三元触媒のNH生成量を正確に把握できる。
(6)幾つかの実施形態では、前記構成(4)において、前記NH生成量算出部において、前記NH生成量は、前記三元触媒と前記選択還元触媒との間の前記排ガス通路に設けられ、排ガス中のNH濃度を検出する第1のNHセンサからの信号を基に算出されることを特徴とする。
前記構成(6)によれば、第1のNHセンサを設けることで、三元触媒で生成されるNH生成量を正確に把握できる。
(7)幾つかの実施形態では、前記構成(3)において、前記リッチ化制御部は、前記生成部で生成されるNH生成量を求めるNH生成量算出部と、該NH生成量算出部で求めたNH生成量と前記選択還元触媒の温度とから前記選択還元触媒のNH吸着量を求めるNH吸着量算出部とを有し、さらに、前記三元触媒の下流側排ガスに含まれるNOx濃度を求める第1のNOx濃度算出部と、前記NH吸着量算出部で求めた前記選択還元触媒のNH吸着量と前記選択還元触媒のNOx浄化効率との関係、及び前記選択還元触媒の温度と前記選択還元触媒のNOx浄化効率との関係を用いて、前記第1のNOx濃度算出部で求めたNOx濃度から前記選択還元触媒出口のNOx濃度を算出する第2のNOx濃度算出部と、を有し、該第2のNOx濃度算出部で算出されたNOx濃度に基づいて前記リッチ化度合いを制御することを特徴とする。
前記構成(7)によれば、選択還元触媒出口のNOx濃度を、選択還元触媒入口のNOx濃度と選択還元触媒のNOx浄化効率とを基に算出するので、NOxセンサを用いずに選択還元触媒から排出されるNOx濃度を算出できる。
(8)幾つかの実施形態では、前記構成(7)において、前記第1のNOx濃度算出部において、前記三元触媒の下流側排ガスに含まれるNOx濃度は、空燃比及び前記三元触媒の温度を含む内燃機関の運転状態量と前記三元触媒の下流側排ガスに含まれるNOx濃度との関係を示す第2のマップに基づいて算出されることを特徴とする。
前記構成(8)によれば、三元触媒の下流側のNOx濃度が、予め試験などで得た内燃機関の運転状態量との関係が設定された第2のマップに基づいて算出されるため、三元触媒出口排ガスに含まれるNOx濃度をセンサを用いずに正確に把握できる。
(9)幾つかの実施形態では、前記構成(7)において、前記第1のNOx濃度算出部において、前記三元触媒の下流側排ガスに含まれるNOx濃度は、前記三元触媒と前記選択還元触媒との間の前記排ガス通路に設けられ、排ガス中のNOx濃度を検出する第1のNOxセンサからの信号を基に算出されることを特徴とする。
前記構成(9)によれば、三元触媒下流側のNOx濃度が第1のNOxセンサで検出された信号を基に算出されるので、正確に算出できる。
(10)幾つかの実施形態では、前記構成(3)において、前記選択還元触媒の下流側のNOx排出濃度は、前記選択還元触媒より下流の前記排ガス通路に設けられ、排ガス中のNOx排出濃度を検出する第2のNOxセンサからの信号を基に算出されることを特徴とする。
前記構成(10)によれば、選択還元触媒の下流側のNOx濃度を正確に算出できる。
(11)幾つかの実施形態では、前記構成(1)から(10)において、前記リッチ燃焼運転は、燃料カット直後に所定時間行われ、前記リッチ燃焼運転の前記リッチ化度合の制御は、少なくとも前記所定時間または燃料量の増減によって行われることを特徴とする。
前記構成(11)によれば、リッチ化度合いの制御が、燃料カット直後の所定時間であるリッチ化時間、又はリッチ化燃料量との少なくともいずれか一方を制御することで行われるので、リッチ化度合いの制御を精度よく行うことができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、選択還元触媒によるNOx還元性能を示す指標に基づいてリッチ燃焼運転のリッチ化度合いを制御して三元触媒によって生成されて選択還元触媒へ供給されるNH量を制御することによって、選択還元触媒のNOx還元浄化を効率よく行うことができる。
また、NHを排ガス通路に噴射する装置を設けなくてよいため、排ガス浄化システムの小型化、コスト低減化を図ることができる。
一実施形態に係る内燃機関の排ガス浄化システムを示す概略構成図である。 一実施形態に係る内燃機関の排ガス浄化システムを示す概略構成図である。 一実施形態に係る空燃比制御部の構成説明図である。 一実施形態に係る空燃比制御部のフローチャートである。 一実施形態に係る空燃比制御部のフローチャートである。 一実施形態に係る空燃比制御部のフローチャートである。 一実施形態に係る空燃比制御部のフローチャートである。 燃料カット時の排ガス浄化のタイムチャートであり、(a)は空燃比A/F、(b)はNOx濃度、(c)はNH排出量、(d)は車速の変化をそれぞれ示す。 三元触媒の温度とNH生成量との関係を示すマップ。 リッチ化A/Fと三元触媒のNH生成量との関係を示すマップ。 選択還元触媒のNH吸着量とNOx浄化効率との関係を示すマップ。 選択還元触媒温度とNOx浄化効率との関係を示すマップ。 選択還元触媒温度とNH吸着量との関係を示すマップ。 三元触媒温度とNOx排出量との関係を示すマップ。 リッチ化A/Fと三元触媒のNOx排出量との関係を示すマップ。
以下、添付図面を参照して、本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、これらの実施形態に記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状及びその相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
本発明の幾つかの実施形態に係る排ガス浄化システム10Aは、図1に示すような全体構成を有し、エンジン(内燃機関)11は、ガソリンエンジンである。
エンジン11の燃焼室(不図示)と連通する排気ポート12が気筒毎に形成されている。そして、エンジン11には夫々の排気ポート12と連通するように排気マニフォールド14が接続されている。
排気マニフォールド14の排ガス流れ方向下流には、排気過給機16が設けられている。排気過給機16ではタービンハウジング16aと排気管(排ガス通路)18とが連通し、エンジン11から排出される排ガスeのエネルギを利用して吸入された新気を圧縮し、内燃機関10の燃焼室に供給する。
排ガス通路18には、前段三元触媒(TWC)22aを内蔵した触媒コンバータ20が設けられている。触媒コンバータ20の下流の排ガス通路18には、後段三元触媒(TWC)22bを内蔵した触媒コンバータ26が設けられている。前段三元触媒22a及び後段三元触媒22bによって三元触媒(TWC)22を構成している。前段三元触媒22a及び後段三元触媒22bを一体化して構成してもよい。
三元触媒22を備えるため、エンジン11は基本的には理論空燃比によって運転されるシステムとなっている。
また、触媒コンバータ26の排ガス通路18の下流には、排ガス中に含まれるNHを吸着可能で、かつ吸着したNHで排ガス中のNOxを選択還元する選択還元触媒(SCR)28を内蔵した触媒コンバータ30が設けられている。
後段三元触媒22bを内蔵した触媒コンバータ26と、選択還元触媒28を内蔵した触媒コンバータ30とは、同一の触媒コンバータの容器内に配置されている。
排ガス中にCO、HCが存在すると、反応式(1)の水性ガス反応と、反応式(2)の水蒸気改質反応が進行してHが生成され、反応式(3)、反応式(4)や反応式(5)の反応によりNHが生成する。
三元触媒22では、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)の排ガス浄化性能を最も効率よく達成するためにガソリンと空気が完全燃焼し、かつ、酸素の余らない理論空燃比で燃焼することが必要となる。
理論空燃比よりリッチ燃焼運転を行うことで、CO、CHの成分が増加して、前述した反応式(1)〜(5)によって三元触媒でNHが生成する。
また、選択還元触媒28では、三元触媒22で生成されて存在するNHと、排ガス中に存在するNOxとを反応させ、反応式(6)〜(8)の反応によりNOxを選択還元する。
エンジン11の運転を制御する制御装置40が設けられている。
制御装置40には、図示しない信号入力部、信号出力部、記憶部、演算部等が設けられ、さらに、エンジン11の燃焼空燃比を制御する空燃比制御部42が設けられている。
信号入力部には、エンジン11の運転状態の空燃比、エンジン回転、エンジン負荷等、さらに、温度センサ44から三元触媒22(22b)の温度、温度センサ46から選択還元触媒28の温度の信号が入力され、信号出力部からは、燃料供給装置48への燃料供給量を制御する信号、すなわち、空燃比を制御する信号が出力される。
空燃比制御部42には、空燃比を理論空燃比よりリッチ燃焼運転に制御して三元触媒22においてNHを生成させて、選択還元触媒28に供給するNH生成部50と、選択還元触媒28によるNOx還元性能を示す指標に基づいてリッチ燃焼運転のリッチ化度合いを制御してNH生成部50によって生成されるNH量を制御するリッチ化制御部52とを有している。
NH生成部50は、空燃比制御部42をリッチ側に制御して、三元触媒22でNHを生成させ、生成されたNHは下流側の選択還元触媒28に向かって流下される。
リッチ化制御部52は、選択還元触媒28によるNOx還元性能を示す指標(以下「NOx還元指標」と言う)に基づいて、リッチ燃焼運転時のリッチ化度合いを制御する。
また、NH生成部50では、空燃比を理論空燃比よりリッチ燃焼運転に制御して三元触媒22においてNHを生成させ選択還元触媒28に供給するので、リッチ化制御部52でのリッチ化度合いを制御することで、生成されるNH量を制御することができる。
従って、選択還元触媒28のNOx還元指標に基づいてリッチ燃焼運転を制御することによって、燃料消費を低減してNOx還元浄化を効率よく達成できる。
また、還元剤を排気通路に供給するための還元剤供給装置を別途設置する必要がないため排ガス浄化システムの簡素化による小型軽量化及びコスト低減が図れる。
幾つかの実施形態では、図3に示すように、リッチ化制御部52は、選択還元触媒28に吸着したNH吸着量を「NOx還元指標」としてリッチ化度合いを制御する構成を有る。
この制御のために、NH生成部50で生成されるNH生成量を求めるNH生成量算出部54と、NH生成量算出部54で求めたNH生成量と選択還元触媒28の温度とから選択還元触媒のNH吸着量を求めるNH吸着量算出部56とを有し、さらに、NH吸着量算出部56で算出したNH吸着量が、所定のNH吸着閾値より低下したか否かを判定するNH吸着量判定部58を有している。
NH生成量算出部54は、図9、10に示すNH生成量マップ(第1のマップ)60、62を用いて、三元触媒22で生成されるNH生成量を算出する。
図9のNH生成量マップは、三元触媒22(22b)の温度とNH生成量との関係が設定されている。また、図10のNH生成量マップは、空燃比(A/F)と三元触媒22で生成されるNH生成量との関係が設定されている。従って、温度センサ44からの検出温度と、エンジン11からの空燃比情報を基に図9、10のNH生成量マップ60、62を用いて算出される。例えば、一方のマップには生成量(ppm)が設定され、他方のマップには補正係数が設定されており、それらを掛け合わせてNH生成量を求める。
NH吸着量算出部56は、NH生成量算出部54で求めたNH生成量と選択還元触媒28の温度とから、選択還元触媒のNH吸着量を求める。例えば、図13の選択還元触媒28の温度とNH吸着量との関係が設定されたNH吸着量マップ63を用いて算出する。図13のNH吸着量は、最大吸着量を示すため、NH生成量算出部54で求めたNH生成量が、最大吸着量に達している場合には、最大吸着量が吸着され、達していない場合には、その流入するNH生成量が吸着量となると仮定して算出する。
NH吸着量判定部58は、所定のNH吸着閾値より低下したか否かを判定して、低下している場合には、NOx還元性能が得られないと判定して、空燃比のリッチ化を強化(増大)する。また、NH吸着量が閾値を超えるときは、リッチ化度合いを抑制(低減)する。
この所定のNH吸着閾値は、図13に示す最大吸着量に対して所定の比率、例えば50%の値として、50%以上であれば必要なNOx還元性能(NOxの排ガス規制値を満たすことができるNOx還元性能)が得られるよう値として設定される。また、NH吸着閾値を範囲として設定してもよく50%〜70%のように範囲指定し、その範囲を超える場合または低下する場合として判定してもよい。
以上の構成では、選択還元触媒28のNH吸着量が所定のNH吸着閾値に維持されるよう空燃比のリッチ化度合が制御されるので、NOx還元浄化を、燃費を向上しつつ効率よく行うことができる。
幾つかの実施形態では、図3に示すように、リッチ化制御部52は、選択還元触媒28から排出されるNOx濃度を「NOx還元指標」としてリッチ化度合いを制御する構成を有する。
この制御のために、三元触媒22の下流側の排ガスに含まれるNOx濃度を求める第1のNOx濃度算出部64と、選択還元触媒28の出口側のNOx濃度を求める第2のNOx濃度算出部66とを有し、さらに、第2のNOx濃度算出部66で算出したNOx濃度が、所定のNOx濃度閾値を越えたか否かを判定するNOx濃度判定部68を有している。
第1のNOx濃度算出部64は、図14、15に示すNOx濃度マップ(第2のマップ)70、72を用いて、三元触媒22の下流側でのNOx濃度を算出する。
図14のNOx濃度マップ70は、三元触媒22(22b)の温度とNOx排出量(濃度)との関係が設定されている。触媒温度が高いほど、三元触媒下流のNOx排出量は減少する。
また、図15のNOx濃度マップ72は、空燃比(A/F)とNOx排出量(濃度)との関係が設定されている。理論空燃比近傍では、三元触媒下流のNOx排出量は極めて少ない。しかし過剰なリッチ空燃比では、NOx排出量が僅かに増加する。
従って、温度センサ44からの検出温度と、エンジン11からの空燃比情報を基に図14、15のNOx濃度マップ70、72を用いて算出される。例えば、一方のマップには生成量(ppm)が設定され、他方のマップには補正係数が設定されており、それらを掛け合わせて求める。
第2のNOx濃度算出部66は、NH吸着量算出部56で求めた選択還元触媒28のNH吸着量と、選択還元触媒28のNOx浄化効率との関係を設定した図11に示すNOx浄化効率マップ74、及び選択還元触媒28の温度と選択還元触媒28のNOx浄化効率との関係を設定した図12に示す浄化効率マップ76とを用いて、例えば、NH吸着量から求めた浄化効率に対して温度補正をするようにして求めた浄化効率を用いて、第1のNOx濃度算出部64で求めた選択還元触媒28の入口のNOx濃度から選択還元触媒28の出口のNOx濃度を算出する。
NOx濃度判定部68は、所定のNOx濃度閾値を超えたか否かを判定して、超えた場合には、NOx排出規制値が満たされないと判定して、空燃比のリッチ化を強化(増大)する。また、NOx排出濃度がNOx排出閾値より低下したときは、リッチ化度合いを抑制(低減)する。
このように、NOx排出規制値が満たされるのに必要なNOx還元性能が得られるようにリッチ化度合いが制御される。
以上の構成では、選択還元触媒から排出されるNOx濃度が、NOx排出規制値を満たすように設定されたNOx濃度閾値を維持するよう空燃比のリッチ化度合が制御されるので、NOx還元浄化を、燃費を向上しつつ効率よく行うことができる。
幾つかの実施形態では、図2、図3に示すように、リッチ化制御部52において、NH生成量マップ(第1のマップ)60、62に代えて、三元触媒22と選択還元触媒28との間の排ガス通路18に設けられ、排ガス中のNH濃度を検出する第1のNHセンサ80を用いて、該第1のNHセンサ80から信号を基に、三元触媒22(22a、22b)によって生成されるNH生成量が算出される。
また、NOx濃度マップ(第2のマップ)70、72に代えて、三元触媒22と選択還元触媒28との間の排ガス通路18に設けられ、排ガス中のNOx濃度を検出する第1のNOxセンサ82を用いて、該第1のNOxセンサ82から信号を基に、三元触媒22(22a、22b)の下流側におけるNOx濃度が算出される。
図2に示す排ガス浄化システム10Bの構成は、図1と第1のNHセンサ80、及び第1のNOxセンサ82以外は同様である。また、図3においては、第1のNHセンサ80、及び第1のNOxセンサ82は点線で示す。
以上の構成では、NH生成量及びNOx濃度が、それぞれ第1のNHセンサ80、及び第1のNOxセンサ82からの信号で算出されるため正確に算出できる。
幾つかの実施形態では、図2、図3に示すように、リッチ化制御部52には、選択還元触媒28の下流側のNH排出量を算出するNH排出量算出部78を有し、選択還元触媒28の下流の排ガス通路18に設けられた第2のNHセンサ84からの信号によってNH排出量が算出されるようになっている。
そして、NH吸着量算出部56における吸着量の算出を、第2のNHセンサ84からの信号と、第1のNHセンサ80とからの信号を用いて、それぞれのNHセンサ80、84からの検出値の差分を算出することで求めることができる。
また、選択還元触媒28の下流の排ガス通路18に、排ガス中のNOx排出濃度を検出する第2のNOxセンサ86を設け、選択還元触媒28の下流側のNOx濃度を算出する第2のNOx濃度算出部66を、NOx浄化効率マップ74、76を用いて選択還元触媒28の入口のNOx濃度から算出する代わりに、第2のNOxセンサ86からの信号を基に算出する。
図2に示す排ガス浄化システム10Bの構成は、図1とは、第2のNHセンサ84、及び第2のNOxセンサ86以外は同様である。また、図3においては、第2のNHセンサ84、及び第2のNOxセンサ86は点線で示す。
以上の構成では、第2のNHセンサ84、及び第2のNOxセンサ86からの信号を用いることで、選択還元触媒28の下流側のNOx濃度、及び選択還元触媒28の下流側のNH排出量、及び選択還元触媒28のNH吸着量を正確に算出できる。
幾つかの実施形態では、図4に示すフローチャートのように、リッチ化制御部52は、選択還元触媒28に吸着したNH排出量を「NOx還元指標」としてリッチ化度合いを制御する。
ステップS1で、各種エンジン運転条件を検出する。例えば、空燃比、エンジン回転、エンジン負荷、燃料カット制御の実施の有無等を検出する。ステップS2で、温度センサ44から三元触媒(TWC)22の温度、温度センサ46から選択還元触媒(SCR)28の温度を検出する。ステップS3で、選択還元触媒28へのNH流入量を推定する。このステップS3の推定は、NH生成量算出部54による算出によって推定する。その後、ステップS4で、選択還元触媒28のNH吸着量を推定する。このステップS4の推定は、NH吸着量算出部56による算出によって推定する。
その後、ステップS5で、推定したNH吸着量が、所定のNH吸着閾値以下か否かを判定して、Yesの場合には、NOx還元性能が得られないと判定して、ステップS6に進んで燃料カット(F/C)後の空燃比のリッチ化を強化(増大)し、ステップS5でNOの場合には、すなわち、NH吸着閾値を越えている場合には、NHのスリップの恐れが生ずる可能性が高いためステップS7に進んで、燃料カット(F/C)後の空燃比のリッチ化を抑制(低減)する。なお、NH吸着閾値を一定の範囲の値として設定してもよい。
以上の構成によると、選択還元触媒28のNH吸着量が所定のNH吸着閾値より低下しないように空燃比のリッチ化度合が制御されるので、燃料カット後に生じるNOxの浄化性能の低下を、燃費を悪化させることなく効率よく防止することができる。
幾つかの実施形態では、図5に示すフローチャートのように、選択還元触媒28から排出されるNOx濃度を「NOx還元指標」としてリッチ化度合いを制御する。
ステップS11、S12は、図4のステップS1、S2と同一であり、ステップS13で、選択還元触媒28へ流入するNOx濃度を推定する。このステップS13の推定は、第1のNOx濃度算出部64の算出によって推定する。その後、ステップS14で、選択還元触媒28のNOx浄化効率を算出する。このステップS14の算出は、NOx浄化効率マップ74、76を用いて算出される。その後、ステップS15で、選択還元触媒28の下流側のNOx濃度を推定する。このステップS15の推定は、第2のNOx濃度算出部66の算出によって推定する。
その後、ステップS16で、推定したNOx濃度が、所定のNOx排出閾値以下か否かを判定して、Yesの場合には、NOx還元性能が得られていると判定して、ステップS17に進んで燃料カット(F/C)後の空燃比のリッチ化を抑制(低減)し、ステップS16でNOの場合には、すなわち、NOx排出閾値を越えている場合には、NOx還元性能が得られていないと判定して、ステップS18に進んで、燃料カット(F/C)後の空燃比のリッチ化を強化(増大)する。なお、NOx排出閾値を一定の範囲の値として設定してもよい。
以上の構成によると、選択還元触媒28の下流側のNOx濃度に基づいて、NOx濃度がNOx排出閾値より低下しないように空燃比のリッチ化度合が制御されるので、燃料カット後に生じるNOxの浄化性能の低下を、燃費を悪化させることなく効率よく防止することができる。
幾つかの実施形態では、図6に示すフローチャートのように、選択還元触媒28に吸着したNH排出量、及び選択還元触媒28から排出されるNOx濃度を組み合わせて「NOx還元指標」としてリッチ化度合いを制御する。
ステップS21〜S25は、図4の実施形態のステップS1〜S5にそれぞれ対応しており、同一である。
ステップS25で、NOの場合にはリターンに戻り、Yesの場合には、すなわち選択還元触媒28のNH吸着量が、所定のNH吸着閾値以下の場合には、NOx還元性能が得られない恐れがあるため、ステップS26に進んで、NOx還元性能が得られているかどうかを、選択還元触媒28の下流側の推定したNOx濃度が、所定のNOx閾値以下か否かによって判定する。
ステップS26での判定がYesの場合には、NOx還元性能が得られていると判定してステップS28に進み、ステップS26での判定がNOの場合には、NOx還元性能が得られていないと判定してステップS27に進む。
以降のステップS27、S28における作動は、図5の実施形態におけるステップS17、18とそれぞれ対応して同一である。
再度説明すると、ステップS26でNOの場合には、すなわち、NOx排出閾値を越えている場合には、NOx還元性能が得られていないと判定して、ステップS27に進んで、燃料カット(F/C)後の空燃比のリッチ化を強化(増大)する。また、ステップS26でNOの場合には、すなわち、NOx排出閾値以下の場合には、NOx還元性能が得られていると判定して、ステップS28に進んで、燃料カット(F/C)後の空燃比のリッチ化を抑制(低減)する。なお、NOx排出閾値を一定の範囲の値として設定してもよい。
以上の構成によれば、選択還元触媒28に吸着したNH排出量、及び選択還元触媒28から排出されるNOx濃度を組み合わせて「NOx還元指標」として判定して、その結果を基にリッチ化度合いを制御するので、一つの「NOx還元指標」による判定よりも、精度が高められるため、燃料カット後の空燃比のリッチ化によるNOxの浄化を、燃費を悪化させることなくより効率よく行うことができ。
幾つかの実施形態では、図7に示すフローチャートのように、図6の実施形態に対してさらに、ステップS40〜S43を追加した構成を有する。
図7において、ステップS35でNOの場合、すなわち、選択還元触媒28のNH吸着量が、所定のNH吸着閾値を越えている場合には、NHのスリップの恐れがあるため、ステップS40に進んで、NH排出量が、所定のNH排出閾値以下か否かを判定する。
選択還元触媒28の下流側に排出されるNHの排出量は、NH排出量算出部78によって算出され、第2のNHセンサ84からの信号から算出される。
ステップS40での判定結果、Yesの場合には、NHのスリップの恐れは問題ないと判定して、ステップS41に進んで、空燃比のリッチ化を強化(増大)する。
一方、ステップS40で、NOの場合には、すなわち、NH排出閾値を越えている場合には、NHのスリップ量が多いと判定して、ステップS42に進んで、空燃比のリッチ化を抑制(低減)する。
以上の構成によれば、図6の実施形態で得られる効果に加えて、選択還元触媒28をスリップしてしまうNHスリップ量の抑制を可能とする。従って、燃料カット後の空燃比のリッチ化によるNOxの浄化を、燃費を悪化させることなくさらに効率よく行うことができる。
幾つかの実施形態では、図9に示す排ガス浄化の手順に沿って、燃料カット後の空燃比のリッチ化の制御が行われる。
燃費向上の観点から、減速時に燃料カット制御が実施される。燃料カット後に理論空燃比の運転に戻る際に、燃料カット運転中に三元触媒22に酸素貯蔵量が多くなりNOx浄化性能が低下しているため、燃料カット後に理論空燃比に戻る際に、空燃比をリッチ化させて、三元触媒22においてNHを生成させて、選択還元触媒28に供給するNH量を増大させて、選択還元触媒28でのNOx還元効率を高めてNOx排出量の低減効果を図っている。
従って、燃料カット後の空燃比のリッチ化を、予め燃料カットを開始する運転条件(燃料カットを開始するエンジン回転数及びエンジン負荷等の条件)に基づいて設定される基準のリッチ化の空燃比に対して、NOx還元性能を示す指標(「NOx還元指標」)を基にさらにリッチ化を増大、低減するように補正する。
図9は、排ガス浄化のタイムチャートを示すものであり、横軸に時間、縦軸には、(a)では空燃比(A/F)、(b)ではNOx濃度、(c)ではNH排出量、(d)ではエンジン11を車両に搭載した場合の車速をそれぞれ示している。
図9(a)において、空燃比(A/F)の変化を示すタイムチャートでは、t0で燃料カットが実施され、t1で燃料カットが終了し、その終了直後から空燃比のリッチ化の制御が実施され、t2でリッチ化が終了する。
燃料カット後のリッチ化は、燃料カット直後にリッチ化時間tcとしてt1〜t2行われ、リッチ燃焼運転の前記リッチ化度合の制御は、少なくとも前記リッチ化時間tcまたは空燃比(A/F)の大きさwの増減によって行われる。また、燃料カットを行う間隔時間Mを変更して発生頻度を制御することによって可能である。
図9(b)のNOx濃度の変化を示すタイムチャートでは、燃料カット直後に、三元触媒22の出口側すなわち、選択還元触媒28への流入NOxは、NOx排出閾値を大きく超えた値を示しているが、選択還元触媒28の出口側のNOx濃度は、NOx排出閾値を満たす範囲に低減されていることがわかる。
図9(c)のNH排出量の変化を示すタイムチャートでは、燃料カット直後に、三元触媒22の出口側すなわち、選択還元触媒28への流入NHは、大きく増加していることがわかる。選択還元触媒28の出口側のNHは僅かな排出量となっており、選択還元触媒28に吸着されるとともにNOxの還元作用に用いられて消費されたことがわかる。
図9(d)の車速の変化を示すタイムチャートでは、燃料カットが開始されると、車速が低下することが示されている。
以上の構成によれば、リッチ化度合いの制御を、リッチ化時間tc、又はリッチ化の空燃比の大きさw、すなわち燃料量と空気量との増減、又は燃料カットを行う間隔時間M(発生頻度の増減)、のうちの少なくともいずれかを制御することで行われるので、リッチ化度合いの制御を精度よく行うことができる。その結果、燃費を抑えて、NOx浄化性能を効率よく発揮することができる。
なお、燃料カット後の空燃比のリッチ化の制御について説明したが、加速時の燃料増量によるリッチ化においても同様の制御が可能である。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、選択還元触媒によるNOx還元性能を示す指標に基づいてリッチ燃焼運転のリッチ化度合いを制御して三元触媒によって生成されて選択還元触媒へ供給されるNH量を制御することによって、三元触媒下流の選択還元触媒のNOx還元浄化を効率よく行うことができるので、ガソリンエンジンの排気浄化システムへの適用に適している。
10A、10B 排ガス浄化システム
11 エンジン(内燃機関)
12 排気ポート
14 排気マニフォールド
16 排気過給機
18 排ガス通路
22(22a、22b) 三元触媒
28 選択還元触媒
40 制御装置
42 空燃比制御部
44、46 温度センサ
50 NH生成部
52 リッチ化制御部
54 NH生成量算出部
56 NH吸着量算出部
58 NH吸着量判定部
60、62 NH生成量マップ(第1のマップ)
64 第1のNOx濃度算出部
66 第2のNOx濃度算出部
68 NOx濃度判定部
70、72 NOx濃度マップ(第2のマップ)
74、76 NOx浄化効率マップ
80 第1のNHセンサ
82 第1のNOxセンサ
84 第2のNHセンサ
86 第2のNOxセンサ
e 排ガス
tc リッチ化時間
w リッチ化の大きさ
M 間隔時間

Claims (11)

  1. 内燃機関の排ガス通路に設けられた三元触媒と、
    該三元触媒より下流の排ガス通路に設けられ、排ガス中に含まれるNHを吸着可能で、かつ吸着したNHで排ガス中のNOxを選択還元する選択還元触媒と、
    内燃機関の燃焼空燃比を制御する空燃比制御部と、を備え、
    前記空燃比制御部は、
    空燃比を理論空燃比よりリッチ燃焼運転に制御して前記三元触媒においてNHを生成させ前記選択還元触媒に供給するNH生成部と、
    前記選択還元触媒によるNOx還元性能を示す指標に基づいて前記リッチ燃焼運転のリッチ化度合いを制御して前記NH生成部によって生成されるNH量を制御するリッチ化制御部と、を有することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化システム。
  2. 前記選択還元触媒によるNOx還元性能を示す指標は、前記選択還元触媒のNH吸着量であり、
    前記リッチ化制御部は、前記選択還元触媒のNH吸着量が所定のNH吸着閾値より低下した場合には前記空燃比のリッチ化度合いを増大することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排ガス浄化システム。
  3. 前記選択還元触媒によるNOx還元性能を示す指標は、前記選択還元触媒の下流側のNOx排出濃度であり、
    前記リッチ化制御部は、前記選択還元触媒の下流側のNOx排出濃度が所定のNOx排出閾値を越えた場合には前記空燃比のリッチ化度合いを増大し、前記NOx排出濃度が前記NOx排出閾値より低下した場合には前記リッチ化度合いを低減することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の排ガス浄化システム。
  4. 前記リッチ化制御部は、
    前記NH生成部で生成されるNH生成量を求めるNH生成量算出部と、
    前記NH生成量算出部で求めたNH生成量と前記選択還元触媒の温度とから前記選択還元触媒のNH吸着量を求めるNH吸着量算出部とを有し、
    該NH吸着量算出部で算出されたNH吸着量に基づいて前記リッチ化度合いを制御することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排ガス浄化システム。
  5. 前記NH生成量算出部において、
    前記NH生成量は、空燃比及び前記三元触媒の温度を含む内燃機関の運転状態量と前記三元触媒で生成されるNH生成量との関係を示す第1のマップによって算出されることを特徴とする請求項4記載の内燃機関の排ガス浄化システム。
  6. 前記NH生成量算出部において、
    前記NH生成量は、前記三元触媒と前記選択還元触媒との間の前記排ガス通路に設けられ、排ガス中のNH濃度を検出する第1のNHセンサからの信号を基に算出されることを特徴とする請求項4記載の内燃機関の排ガス浄化システム。
  7. 前記リッチ化制御部は、
    前記生成部で生成されるNH生成量を求めるNH生成量算出部と、該NH生成量算出部で求めたNH生成量と前記選択還元触媒の温度とから前記選択還元触媒のNH吸着量を求めるNH吸着量算出部とを有し、
    さらに、前記三元触媒の下流側排ガスに含まれるNOx濃度を求める第1のNOx濃度算出部と、
    前記NH吸着量算出部で求めた前記選択還元触媒のNH吸着量と前記選択還元触媒のNOx浄化効率との関係、及び前記選択還元触媒の温度と前記選択還元触媒のNOx浄化効率との関係を用いて、前記第1のNOx濃度算出部で求めたNOx濃度から前記選択還元触媒出口のNOx濃度を算出する第2のNOx濃度算出部と、を有し、
    該第2のNOx濃度算出部で算出されたNOx濃度に基づいて前記リッチ化度合いを制御することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の排ガス浄化システム。
  8. 前記第1のNOx濃度算出部において、
    前記三元触媒の下流側排ガスに含まれるNOx濃度は、空燃比及び前記三元触媒の温度を含む内燃機関の運転状態量と前記三元触媒の下流側排ガスに含まれるNOx濃度との関係を示す第2のマップに基づいて算出されることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の排ガス浄化システム。
  9. 前記第1のNOx濃度算出部において、
    前記三元触媒の下流側排ガスに含まれるNOx濃度は、前記三元触媒と前記選択還元触媒との間の前記排ガス通路に設けられ、排ガス中のNOx濃度を検出する第1のNOxセンサからの信号を基に算出されることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の排ガス浄化システム。
  10. 前記選択還元触媒の下流側のNOx排出濃度は、前記選択還元触媒より下流の前記排ガス通路に設けられ、排ガス中のNOx排出濃度を検出する第2のNOxセンサからの信号を基に算出されることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の排ガス浄化システム。
  11. 前記リッチ燃焼運転は、燃料カット直後に所定時間行われ、前記リッチ燃焼運転の前記リッチ化度合の制御は、少なくとも前記所定時間または燃料量の増減によって行われることを特徴とする請求項請求項1乃至10の何れか1項に記載の内燃機関の排ガス浄化システム。
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