JP2017043747A - 易接着層形成用樹脂組成物及び易接着性材料 - Google Patents

易接着層形成用樹脂組成物及び易接着性材料 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリエステルフィルムと、紫外線硬化樹脂等の活性エネルギー線硬化樹脂によって形成される上塗り層と、の充分な密着性を示す易接着層を形成できる樹脂組成物の提供。
【解決手段】ポリエステルフィルム2と、硬化樹脂による上塗り層4との接着に用いる式(1)で表される単量体に由来する単量体単位を含む共重合体を含有する易接着層形成用樹脂組成物。共重合体における単量体単位の含有量が、共重合体の全質量を基準として35〜95質量%である易接着層4形成用樹脂組成物。
Figure 2017043747

(R及びRは夫々独立にH又はアルキルブチル酸エステル基;RはH又はメチル基;LはC1〜6のアルキレン基)
【選択図】図1

Description

本発明は、易接着層形成用樹脂組成物及び易接着性材料に関する。
ポリエステルフィルムは、包装材料、製版材料、表示材料、転写材料等の基材フィルムとして用いられている。これら用途では、一般に、ポリエステルフィルム上に、ハードコート層のような上塗り層が形成される。ポリエステルフィルムと上塗り層との密着性が不足する傾向があるため、ポリエステルフィルムの表面上に易接着層を予め設けることがある(例えば、特許文献1−5参照)。
特開平08−281890号公報 特開平11−286092号公報 特開2009−220376号公報 特開2002−234931号公報 特開2013−023611号公報
しかしながら、従来の易接着層では、上塗り層が紫外線硬化樹脂等の活性エネルギー線硬化樹脂であるときに、必ずしも充分な密着性が得られないという問題があった。
そこで、本発明は、紫外線硬化樹脂等の活性エネルギー線硬化樹脂によって形成される上塗り層との充分な密着性を示す易接着層を形成できる樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究したところ、特定の単量体単位を特定の含有量で含む共重合体を含有する樹脂組成物を用いることで、紫外線硬化樹脂等の活性エネルギー線硬化樹脂によって形成される上塗り層に対して充分な密着性を示す易接着層を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一側面は、下記一般式(1)で表される単量体に由来する単量体単位を含む共重合体を含有し、共重合体における単量体単位の含有量が、共重合体の全質量を基準として、35〜95質量%である、易接着層形成用樹脂組成物を提供する。
Figure 2017043747
式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は下記一般式(2)で表される基を示し、R及びRは、互いに同一であっても異なっていてもよく、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Lは、炭素数1〜6のアルキレン基を示す。
Figure 2017043747
式(2)中、Rは、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す。
上記樹脂組成物によって形成される易接着層は、紫外線硬化樹脂等の活性エネルギー線硬化樹脂によって形成される上塗り層に対して充分な密着性を示すことができる。この理由は、必ずしも明らかではないが、一般式(1)で表される単量体に由来する単量体単位が、活性エネルギー線硬化開始剤としての性質を有しており、その結果、易接着層と上塗り層との相互作用が高まるためであると考えられる。
上記共重合体のガラス転移温度は、0〜20℃であってもよい。ガラス転移温度がこのような範囲にあると、塗布に適した樹脂組成物が得られる傾向にある。
上記Rは、メチル基であってもよい。Rがメチル基であると、得られる易接着層の密着性がより向上する傾向にある。
別の側面において、本発明は、基材と、基材の表面の少なくとも一部を覆う易接着層と、を備える易接着性材料を提供する。易接着層は、上記一般式(1)で表される単量体に由来する単量体単位を含む共重合体を含有する。共重合体における単量体単位の含有量が、共重合体の全質量を基準として、35〜95質量%である。基材は、ポリエステルフィルムであってよい。
本発明によれば、紫外線硬化樹脂等の活性エネルギー線硬化樹脂を用いて形成される上塗り層に対して充分な密着性を示す易接着層を形成する樹脂組成物を提供することができる。いくつかの形態に係る樹脂組成物によって形成される易接着層は、耐ブロッキング性の点でも優れる。
易接着性材料の一実施形態を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
本明細書において、「易接着層」は、基材の表面の接着力を補強し、上塗り層等の他の材料と基材との密着性を高める機能を有する層を意味する。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。(メタ)アクリレート等の他の類似の表現においても同様である。
<樹脂組成物>
一実施形態の樹脂組成物は、特定の(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来する単量体単位を含む共重合体を含有する。本実施形態の樹脂組成物は、任意の基材上に易接着層を形成するために用いられる。
[共重合体]
樹脂組成物に含まれる共重合体は、一般式(1)で表される単量体に由来する1種又は2種以上の単量体単位を含む。共重合体がこのような単量体に由来する単量体単位を含むことにより、形成される易接着層に高い密着性を付与することができる。
Figure 2017043747
式(1)中のRは、水素原子又はメチル基を示す。Rは、メチル基であってもよい。Rがメチル基であると、易接着層の密着性及び耐ブロッキング性がより向上する傾向にある。
式(1)中のLは、炭素数1〜6のアルキレン基を示す。Lは、例えば、エチレン基、n−ブチレン基、又はn−へキシレン基であってもよい。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は一般式(2)で表される基を示す。R及びRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。Rが水素原子で、Rが式(2)で表される基であってもよい。
Figure 2017043747
一般式(2)中、Rは、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す。
としての炭素数1〜10のアルキル基は、例えば、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であってもよい。Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ノニル基、及びデカニル基が挙げられる。
としての炭素数1〜10のアルキル基が有する置換基としては、例えば、オキシラニル基、オキセタニル基、テトラヒドロフリル基、及びテトラヒドロピラニル基等の飽和複素環式基が挙げられる。これらのうち、置換基は、テトラヒドロフリル基又はグリシジル基であってもよい。
一般式(2)で表される基は、典型的には、R及びRが水素原子である一般式(1)で表される単量体と、下記一般式(2B)で表されるアクリル酸エステルとのマイケル付加反応によって導入される。式(2B)中のRは、それぞれ式(2)中のRと同義である。マイケル付加反応は、トリシクロヘキシルホスフィン等の触媒存在下で行うことができる。
Figure 2017043747
例えば、アクリル酸テトラヒドロフルフリルへのマイケル付加により導入された式(2)の基を有する単量体は、下記式(11)で表される化合物である。
Figure 2017043747
一般式(1)で表される単量体に由来する単量体単位の含有量は、共重合体の全質量を基準として、35〜95質量%である。この単量体単位の含有量は、R及びRが水素原子である場合、60質量%以上又は70質量%以上であってもよい。また、この単量体単位の含有量は、R及びRの少なくとも一方が一般式(2)で表される基である場合、40質量%以上であってもよく、90質量%以下又は85質量%以下であってもよい。単量体単位の含有量は、共重合体を合成する際の各単量体の混合比(質量%)から、求めることができる。
本実施形態の共重合体は、通常、一般式(1)で表される単量体に由来する単量体単位以外の単量体単位をさらに含む。共重合体は、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン及びその誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸フェニル、α−クロロアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等の式(1)以外の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸から選ばれる単量体に由来する単量体単位を含んでいてもよい。これらは1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
一般式(1)で表される単量体に由来する単量体単位以外の単量体単位の含有量は、共重合体の全質量を基準として、5〜65質量%であってもよい。
本実施形態の共重合体のガラス転移温度(Tg)は、0〜20℃であってもよい。共重合体のガラス転移温度は、1℃以上、2℃以上又は3℃以上であってもよい。共重合体のガラス転移温度が0℃以上であると、得られる易接着層の耐ブロッキング性が向上する傾向にある。また、共重合体のガラス転移温度は、18℃以下、15℃以下又は12℃以下であってもよい。共重合体のガラス転移温度が20℃以下であると、塗布に適した樹脂組成物が得られる傾向にある。
ここで、共重合体のガラス転移温度Tgは、以下の関係式(FOX式)により算出したものを意味する。
1/Tg=Σ(X/Tg
[上記式中、Tgは、共重合体のガラス転移温度(K)を示す。Xは、各単量体の質量分率を示し、X+X+…+X+…+X=1である。Tgは、各単量体の単独重合体のガラス転移温度(K)を示す。]
例えば、メタクリル酸メチル(単独重合体のガラス転移温度:105℃)を50質量%、アクリル酸2−エチルヘキシル(単独重合体のガラス転移温度:−85℃)を30質量%、スチレン(単独重合体のガラス転移温度:100℃)を20質量%の割合で共重合して得られる共重合体のガラス転移温度は以下のように算出される。
1/Tg=(0.5/378)+(0.3/188)+(0.2/373)
Tg(K)=289.5
Tg(℃)=289.5−273=16.5
本実施形態の共重合体は、上述の単量体を乳化重合、懸濁重合等の通常の方法により共重合することによって、得ることができる。
重合反応に用いられる溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール;水とアルコールとの混合溶媒が挙げられる。これら溶媒には、必要に応じて、乳化剤(界面活性剤)が含まれていてもよい。乳化剤(界面活性剤)としては、例えば、SR−1025(株式会社アデカ)等の市販品を用いることができる。
必要に応じて添加される重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルベンゾエート、ペルオキソ二硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)が挙げられる。重合開始剤は、全単量体100質量部に対して、例えば、0.1〜10.0質量部の範囲で使用することができる。
重合反応の温度及び時間は、単量体及び重合開始剤の種類に応じて、適宜選択することができる。重合温度は、例えば、25〜110℃であってもよい。重合時間は、例えば、0.5〜48時間であってもよい。
[その他の成分]
本実施形態の樹脂組成物は、共重合体以外の成分として、溶剤;顔料;粘度調整剤;光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の耐候剤;基材に対し密着性を与えるシランカップリング剤又はエポキシ化合物;造膜助剤;外部架橋剤;レベリング剤;消泡剤;滑剤;帯電防止剤;防カビ剤;防腐剤等を含有してもよい。
樹脂組成物が含有する溶剤としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶剤;トルエン等の芳香族炭化水素溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶剤が挙げられる。これらは単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。共重合体を合成する際に用いた溶媒をそのまま樹脂組成物の溶剤として、用いてもよい。
溶剤の含有量は、目的等に応じて適宜選択することができる。例えば、溶剤を含有する液状樹脂組成物に関して、溶剤以外の成分の割合が、樹脂組成物の全質量を基準として10〜90質量%であってもよい。
溶剤を含有する樹脂組成物を塗布液として用い、これを後述する基材の表面に塗布し、塗膜から溶剤を除去することにより、上述の共重合体を含有する易接着層を形成することができる。
<易接着性材料>
図1は、易接着性材料の一実施形態を示す模式断面図である。図1に示す易接着性材料10は、対向する1対の主面を有する基材2と、基材2の一方の主面2aを覆う易接着層4とを備える。易接着層は、基材2の表面の少なくとも一部を覆っていればよい。例えば、主面2aの反対側の主面上にさらに易接着層が形成されていてもよい。
易接着層4は、上述の共重合体、及び必要によりその他の成分を含有する。この易接着層4上に、紫外線硬化樹脂等の活性エネルギー線硬化樹脂によって上塗り層を形成したときに、易接着層4と上塗り層との優れた密着性が得られる。
易接着層4の厚みは、特に制限されないが、その用途に応じて適宜選択することができる。易接着層4の厚みは、例えば、0.005〜5μm又は0.05〜2μmであってもよい。
易接着層4は、例えば、基材2の表面に、溶剤を含有する樹脂組成物(塗布液)を塗布して塗膜を形成し、塗膜から溶剤を除去する方法によって形成することができる。
塗布液の基材2への塗布は、ロールコート、コンマコート、グラビアコート、エアーナイフコート、ダイコート、バーコート、フローコート等の通常の方法により行うことができる。
塗膜から溶剤を除去するための温度(乾燥温度)は、例えば、50〜240℃であってもよい。乾燥時間は、1秒〜60分間であってもよい。乾燥後の易接着層4は、通常、溶剤を実質的に含有しないが、微量の溶剤が易接着層4中に残存していてもよい。
基材2としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム;トリアセチルセルロースフィルム;メラミン化粧板等の化粧合板;ケイ酸カルシウム板等が挙げられる。基材2は、ポリエステルフィルムであってよい。
基材2は、フィルム状又は板状であってもよく、その厚みは、特に制限されないが、例えば、100μm〜10mmであってもよい。基材2の表面に凹凸が形成されていてもよい。
易接着性材料10の形態は特に制限されない。例えば、基材がフィルムである場合、易接着性材料は、シート状又は巻芯にロール状に巻き取られていてもよい。基材と易接着層との間に、水性シーラー、目止め剤等により形成される他の層が更に設けられていてもよい。
易接着層4上に上塗り層を形成して、加工製品を得ることができる。上塗り層が紫外線硬化樹脂によって形成される場合に、本実施形態の易接着層による密着性向上が特に有用である。上塗り層としては、例えば、ハードコート層がある。
以下、本発明の内容を実施例及び比較例を用いてより詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
1.共重合体の合成
合成例1
撹拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた1000mLフラスコにイオン交換水200gを仕込み、80℃まで昇温した。別途、単量体としてのスチレン6g、アクリル酸2−エチルヘキシル18g、メタクリル酸2g、及びメタクリル酸アセトアセトキシエチル(AAEM)140gと、重合開始剤である過硫酸アンモニウム(APS)1.2gと、乳化剤としてのSR−1025(エーテルサルフェート型アンモニウム塩、株式会社アデカ製)40gと、イオン交換水105gとを、ホモジナイザーを用いて混合して、乳化物を調製した。この乳化物を上記1000mLフラスコ中のイオン交換水に2時間かけて滴下し、80℃で3時間熟成させて、合成例1の共重合体を生成させた。その後、この熟成混合物を30℃まで冷却し、25%アンモニア水で中和し、不揮発分(固形分)の濃度が34質量%となるように調整して、合成例1の共重合体を含む懸濁液を得た。表1に、使用した各単量体の混合比(質量%)を示す。各単量体の混合比から求めたAAEMに由来する単量体単位の含有量は、共重合体の全質量を基準として、84質量%であった。AAEMは、式(1)において、R及びRが水素原子で、Rが水素原子で、Lがエチレン基である、化合物である。
合成例2
撹拌機、温度計及びコンデンサーを備えた300mLフラスコに、アクリル酸テトラヒドロフルフリル(THFA)100g及び20%トリシクロヘキシルホスフィン−トルエン溶液(北興化学工業株式会社製)8.4gを仕込み、80℃まで昇温した。この混合液にAAEM68.6gを100分かけて滴下した。滴下終了後、80℃で10時間熟成させて、THFAで変性したAAEM(THFA変性AAEM)を生成させた。その後、30℃まで冷却し、不揮発分(固形分)の濃度が96.2質量%のTHFA変性AAEM溶液を得た。THFA変性AAEMは、式(11)において、Rが水素原子で、Lがエチレン基である、化合物である。
得られたTHFA変性AAEM溶液を、THFA変性AAEMの量として140g用い、その他の単量体としてスチレン6g、メタクリル酸メチル18g、及びメタクリル酸2gを用いて、合成例1と同様の方法で、合成例2の共重合体を含む懸濁液を得た。表1に、使用した各単量体の混合比(質量%)を示す。各単量体の混合比から求めたTHFA変性AAEMに由来する単量体単位の含有量は、共重合体の全質量を基準として、84質量%であった。
合成例3
表1に示した単量体を用いて、合成例1と同様の方法で、合成例3の共重合体を含む懸濁液を得た。各単量体の混合比から求めたAAEMに由来する単量体単位の含有量は、共重合体の全質量を基準として、70質量%であった。
合成例4
表1に示した単量体を用いて、合成例1と同様の方法で、合成例4の共重合体を含む懸濁液を得た。各単量体の混合比から求めたTHFA変性AAEMに由来する単量体単位の含有量は、共重合体の全質量を基準として、70質量%であった。
合成例5
表1に示した単量体を用いて、合成例1と同様の方法で、合成例5の共重合体を含む懸濁液を得た。各単量体の混合比から求めたAAEMに由来する単量体単位の含有量は、共重合体の全質量を基準として、91質量%であった。
合成例6
表1に示した単量体を用いて、合成例1と同様の方法で、合成例6の共重合体を含む懸濁液を得た。各単量体の混合比から求めたアクリル酸2−アセトアセトキシエチル(AAEA)に由来する単量体単位の含有量は、共重合体の全質量を基準として、70質量%であった。
合成例7
表2に示した単量体を用いて、合成例1と同様の方法で、合成例7の共重合体を含む懸濁液を得た。各単量体の混合比から求めたアクリル酸4−アセトアセトキシブチル(AABA)に由来する単量体単位の含有量は、共重合体の全質量基準で、70質量%であった。
合成例8
表2に示した単量体を用いて、合成例1と同様の方法で、合成例8の共重合体を含む懸濁液を得た。各単量体の混合比から求めたTHFA変性AAEMに由来する単量体単位の含有量は、共重合体の全質量基準で、40質量%であった。
合成例9
表2に示した単量体を用いて、合成例1と同様の方法で、合成例9の共重合体を含む懸濁液を得た。各単量体の混合比から求めたTHFA変性AAEMに由来する単量体単位の含有量は、共重合体の全質量基準で、60質量%であった。
合成例10
撹拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた1000mLフラスコにイソプロパノール(IPA)90gを仕込み、80℃まで昇温した。IPAを撹拌しながら、AAEM70g、メタクリル酸10g、メタクリル酸メチル10g、アクリル酸2−エチルヘキシル10g、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)3gの混合液をIPAに2時間かけて滴下し、80℃で3時間反応を継続させた。その後、IPA10g及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.2gの混合液を、1時間かけて滴下し、80℃で2時間反応を継続させて、合成例10の共重合体を生成させた。混合物にIPAを200g加えてさらに撹拌し、0.6%濃度のアンモニア水溶液を用いてpH9となるように調整し、75℃に加温してIPAを留去して、不揮発分(固形分)の濃度が34質量%となるように調整して、合成例10の共重合体を含む懸濁液を得た。各単量体の混合比から求めたAAEMに由来する単量体単位の含有量は、共重合体の全質量基準で、70質量%であった。
合成例11
表2に示した単量体を用いて、合成例10と同様の方法で、合成例11の共重合体を得た。各単量体の混合比から求めたTHFA変性AAEMに由来する単量体単位の含有量は、共重合体の全質量基準で、70質量%であった。
比較合成例1
表3に示した単量体を用いて、合成例1と同様の方法で、比較合成例1の共重合体を含む懸濁液を得た。各単量体の混合比から求めたAAEMに由来する単量体単位の含有量は、共重合体の全質量を基準として、30質量%であった。
[共重合体のガラス転移温度]
合成例1〜11及び比較合成例1の共重合体のガラス転移温度を上述の方法により算出した。表1及び表2に、その結果を示す。
Figure 2017043747
Figure 2017043747
2.評価
(実施例1)
合成例1〜11及び比較合成例1で得られた懸濁液100質量部を180質量部の水で希釈し、易接着層形成用の塗布液を調製した。この塗布液を、#3バーコーターを用いてコロナ放電処理ポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム上に塗布し、塗膜を130℃で2分乾燥させて、易接着層を備える実施例1−1〜1−11及び比較例1−1の易接着性フィルムを得た。得られた易接着性フィルムの密着性、及び耐ブロッキング性を評価した。
耐ブロッキング性
2枚の易接着性フィルムを、1枚の易接着性フィルムの易接着層ともう1枚の易接着性フィルムのポリエチレンテレフタレートフィルムとが密着するように重ねた。重ねられたフィルムに、40℃で24時間、0.5kgf/cmの荷重を加えた。その後のブロッキングの有無を観察し、以下の基準で耐ブロッキング性を判定した。表3及び表4に、その結果を示す。
A:ブロッキングが観察されなかった
B:ブロッキングがごくわずかに観察された
C:ブロッキングが観察された
<密着性評価>
密着試験1
JIS−K5400に準じた方法により、易接着層の密着性を評価した。易接着性フィルムの易接着層上に、下記の紫外線硬化樹脂を厚さが3μmとなるように塗布し、これを高圧水銀灯で照射することで硬化させた。硬化樹脂に、100個の升目(碁盤目)状の切れ目を、1mm間隔のカッターガイドを用いて形成させた。硬化樹脂面にセロハンテープ(登録商標)を貼り、硬化樹脂面から垂直方向にセロハンテープを剥がした。その後、硬化樹脂の剥離面を観察して、以下の基準に基づき密着性を評価した。表3及び表4に、その結果を示す。
紫外線硬化樹脂:ビスコート#802(大阪有機化学工業株式会社製)50質量部、ビームセット770(荒川化学工業株式会社製)25質量部、紫外線重合開始剤:IRGACURE754(BASF社製)3質量部
A:剥離面積が全体の5%未満
B:剥離面積が全体の5%以上15%未満
C:剥離面積が全体の15%以上20%未満
D:剥離面積が全体の20%以上
密着試験2
易接着性フィルムの易接着層上に、下記の紫外線硬化樹脂を厚さが3μmとなるように塗布し、ゴムローラーで圧着した後、紫外線硬化樹脂を高圧水銀灯で照射して、硬化させた。硬化樹脂を、オートグラフ(株式会社島津製作所製)を用いて易接着フィルムに対し垂直は方向に引き剥がした。このときの剥離強度を測定して、以下の基準に基づき密着性を評価した。表3及び表4に、その結果を示す。
紫外線硬化樹脂:CN2304(サートマー社製)50質量部、ビームセット770(荒川化学工業株式会社製)25質量部、紫外線重合開始剤:IRGACURE754(BASF社製)3質量部
A:剥離強度が2.0N以上
B:剥離強度が1.0N以上2.0N未満
C:剥離強度が1.0N未満
Figure 2017043747
Figure 2017043747
(実施例2)
合成例1、2の共重合体を含む懸濁液を、そのまま易接着層形成用の塗布液として用いた。塗布液をロールコーターにて21.8g/m程度の塗布量で、高圧メラミン化粧板に塗布した。塗膜を120℃の熱風乾燥機で乾燥して、易接着層を備える高圧メラミン化粧板を得た。得られた高圧メラミン化粧板の易接着層に、紫外線硬化樹脂(軟質ウレタンアクリレート樹脂又は硬質ウレタンアクリレート樹脂、紫外線重合開始剤IRGACURE754(BASF社製)2質量%)を、ロールコーターを用いて、43.6g/mの塗布量で塗布した。塗布された紫外線硬化樹脂を、高圧水銀灯で光照射することで硬化させた。硬化樹脂を乾燥後、上述の密着試験1と同様の方法で密着性を評価した。易接着層を形成する前の高圧メラミン化粧板に上記と同様の紫外線硬化樹脂による硬化樹脂を形成させて、同様に密着性を評価した。表5に、その結果を示す。
Figure 2017043747
(実施例3)
合成例1、2の共重合体を含む懸濁液の20℃での粘度を、25%アンモニア水及びアルカリ増粘型粘度調整剤を加えることで7±0.5dPas(B型粘度計、No.3ローター)に調整した。さらに、顔料としてSAホワイトNF−3769、SAブラック5748、SAエローNF−117及びSAブラウン215A(御国色素株式会社製)を添加して、全体の20質量%の顔料を含む易接着層形成用の塗布液を得た。
6mm厚のケイ酸カルシウム板(株式会社エーアンドエーマテリアル製)に、水性シーラー及び目止め剤を塗布し、乾燥してから、塗膜を研磨した。そこに、上述の塗布液をスプレー・アンド・ロールで塗装し、塗膜を乾燥して、易接着層を備える易接着性ケイ酸カルシウム板を得た。易接着層上に、高光沢紫外線クリヤー(ナトコ株式会社製)をフローコーターで塗装した。塗膜に高圧水銀灯で光照射した後、上述の密着試験1と同様の方法で密着性を評価した。
共重合体を式(1)の単量体に由来する単量体単位を含まない市販のアクリル樹脂(LX−2115、三菱レイヨン株式会社製)に変更し、顔料をウオーラCRVアイボリー(ナトコ株式会社製)に変更して調製した塗布液を用いて、比較例3−1の易接着性ケイ酸カルシウム板を作製し、その密着性を同様に評価した。表6に、その結果を示す。
Figure 2017043747
以上の結果から、式(1)で表される単量体に由来する単量体単位を含む共重合体を含有する樹脂組成物によれば、紫外性硬化樹脂によって形成される上塗り層に対して充分な密着性を示す易接着層を形成できることが確認された。
2…基材、2a…主面、4…易接着層、10…易接着性材料。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される単量体に由来する単量体単位を含む共重合体を含有し、
    前記共重合体における前記単量体単位の含有量が、前記共重合体の全質量を基準として、35〜95質量%である、易接着層形成用樹脂組成物。
    Figure 2017043747

    [式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は下記一般式(2)で表される基を示し、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Lは、炭素数1〜6のアルキレン基を示す。]
    Figure 2017043747

    [式(2)中、Rは、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す。]
  2. 前記共重合体のガラス転移温度が0〜20℃である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. がメチル基である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 基材と、前記基材の表面の少なくとも一部を覆う易接着層と、を備え、
    前記易接着層が、下記一般式(1)で表される単量体に由来する単量体単位を含む共重合体を含有し、
    前記共重合体における前記単量体単位の含有量が、前記共重合体の全質量を基準として、35〜95質量%である、易接着性材料。
    Figure 2017043747

    [式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は下記一般式(2)で表される基を示し、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Lは、炭素数1〜6のアルキレン基を示す。]
    Figure 2017043747

    [式(2)中、Rは、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す。]
  5. 前記基材がポリエステルフィルムである、請求項4に記載の易接着性材料。
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