JP2017043528A - 光ファイバ素線の製造方法および製造装置 - Google Patents
光ファイバ素線の製造方法および製造装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017043528A JP2017043528A JP2015169829A JP2015169829A JP2017043528A JP 2017043528 A JP2017043528 A JP 2017043528A JP 2015169829 A JP2015169829 A JP 2015169829A JP 2015169829 A JP2015169829 A JP 2015169829A JP 2017043528 A JP2017043528 A JP 2017043528A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- optical fiber
- bare optical
- manufacturing
- bare
- direction changer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
Abstract
Description
これは、引取りによって光ファイバに印加される引張張力に相当し、同じ光ファイバ母材より線引きされた光ファイバ素線においても、線引張力を変化させることで光学特性が変化することが広く知られている。
したがって、安定的に光ファイバ素線を製造するためには線引張力を一定に制御することが求められる。また、線引張力により光学特性が変化することを利用して、線引張力を変化させることで母材段階での長手方向の光学特性変動を小さくする手法も提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
しかしながら、特許文献2に以下のように記載されているとおり、正確かつ連続的にガラス部にかかる線引張力を測定することは困難であった(段落0020参照)。
「線引張力測定装置2 2には、一般的に接触式張力計が用いられることが多い。接触式張力計は、安価であり、測定精度が高いという利点がある一方、ガラスファイバ3に傷をつけることになるので、一般的に良好部を製造している間は、張力を測定することができない。接触式張力計以外にも、ガラスファイバ3の側方から円偏光の光を照射し、偏光状態の変化から、ガラスファイバ3に生じている線引張力の大きさを測定する方法もあるが、接触式張力計に比べ高価であり、測定精度も落ちる。このため、線引張力を直接測定する代わりに、以下で述べる被覆後張力を測定し、この被覆後張力から線引張力を求めることが多い」。
しかしながら、被覆後張力にはコーティング装置で発生するコーティング負担張力が含まれているため、被覆後張力を一定になるように制御した場合に、必ずしもガラス部にかかる線引張力まで一定にできるとは言いにくかった。
例えば、光ファイバ外径を一定に保つ制御には、応答速度の速い引取り速度(線引速度)を用いることが多いが、線引速度の変化によってコーティング負担張力が変化することが知られており、線引速度の変動が光ファイバの光学特性の長手変動につながっていた。このような状況から、ガラス部に係る線引張力を一定に保つことができる製造方法および製造装置が求められていた。
前記制御される製造条件は、紡糸工程における前記加熱炉への加熱用の供給電力とすることができる。
前記制御される製造条件は、前記加熱炉への前記光ファイバ母材の進入速度あってもよい。
前記制御される製造条件は、紡糸工程における前記加熱炉への加熱用の供給電力とすることができる。
前記制御される製造条件は、前記加熱炉への前記光ファイバ母材の進入速度あってもよい。
本発明の一態様では、ガラス部(光ファイバ裸線)の浮上位置に基づいて製造条件を制御するため、線引速度にかかわらず、光ファイバ裸線の線引張力を一定範囲に保つことができる。換言すれば、光ファイバ裸線の線引張力を一定範囲に保ちつつ線引速度の調整が可能となるため、工程の運用の幅を広げることができる。
また、更新、修理などのためコーティング部を交換する場合には、交換によってコーティング負担張力が変化することがあるが、その場合でも、製造条件の設定し直しをしなくても安定した品質の光ファイバ素線を製造することができる。
図示しないが、ターンプーリ90の下流側には、光ファイバ素線5を巻き取る巻取り機が設けられている。
第1方向変換器20Aは、光ファイバ母材2から鉛直下向きに引き出された光ファイバ裸線3を、90°の方向変換により水平に向ける。
光ファイバ母材2から第1方向変換器20Aまでの光ファイバ裸線3の鉛直下向きの経路を第一の経路L1といい、第1方向変換器20Aから第2方向変換器20Bまでの光ファイバ裸線3の水平の経路を第二の経路L2という。
第一の経路L1と第二の経路L2とを含む面をP1という。X方向は、面P1内において第二の経路L2に沿う方向であり、Y方向は、面P1に垂直な方向である。
第3方向変換器20Cは、光ファイバ裸線3を、90°の方向変換により、鉛直下向きとする。
第2方向変換器20Bから第3方向変換器20Cまでの光ファイバ裸線3の水平の経路を第三の経路L3といい、第3方向変換器20Cからの鉛直下向きの光ファイバ裸線3の経路を第四の経路L4という。
図3は、第1方向変換器20A(以下、単に方向変換器20Aということがある。)を示す図である。方向変換器20Aは、平面視円形とされ、外周面20aに全周長にわたってガイド溝21が形成されている。
方向変換器20Aは、中心軸方向(図3の紙面に垂直な方向)をY方向に一致させるとともに、径方向D1(図2参照)を面P1(図1参照)に沿う方向に向けた姿勢で設置される。なお、外周面20aに沿う方向を周方向という。
方向変換器20Aには、外部から流体溜部25に流体を導入する導入路26(図3参照)が接続されている。
方向変換器20Aは、例えば、流体を外部から導入路26を通して流体溜部25に導入し、吹出し口22を通してガイド溝21内に放出させることができる。ガイド溝21に吹出される流体の流量は、方向変換器20Aへの流体の導入流量に等しい。
方向変換器20Bは、中心軸方向をY方向に一致させるとともに、径方向D1(図2参照)を面P1(図1参照)に沿う方向に向けた姿勢で設置される。
ガイド溝31の断面形状はガイド溝21の断面形状(図2参照)と同じである。流体を吹出し口32を通してガイド溝31内に放出する構造は、図2に示す構造と同様の構造を採用することができる。
方向変換器20Bには、外部から流体溜部25に流体を導入する導入路26(図4参照)が接続されている。
方向変換器20Bは、例えば、流体を外部から導入路26を通して流体溜部25に導入し、吹出し口32を通してガイド溝31内に放出させることができる。ガイド溝31に吹出される流体の流量は、方向変換器20Bへの流体の導入流量に等しい。
方向変換器20Cでは、光ファイバ裸線3は、入線部43からガイド溝21に入り、出線部44でガイド溝21から出ることによって、90°の方向変換がなされる。
位置検出部35は、第3方向変換器20Cの下流側に設けられ、第四の経路L4の光ファイバ裸線3の位置を検出する。
位置検出部35としては、例えばレーザ方式(光学式)の位置センサを使用できる。レーザ方式の位置センサは、例えば、光源(レーザ光源)から光ファイバ裸線3に向けて照射された光を、前記光源と対向して設置された検知器で受光し、その光に基づいて光ファイバ裸線3の位置を検出することができる。
第1硬化部50は、例えば1または複数のUVランプを備え、紫外線照射によって一次被覆層を硬化させる。
第2硬化部70は、例えば、光ファイバ素線中間体4が通過する空間を挟んで設けられた複数対のUVランプ70aを有する。
なお、光ファイバ裸線3の外周面に形成する被覆材は、2層構造に限らず、1層構造でもよいし、3層以上の構造でもよい。
ターンプーリ90は、光ファイバ素線5を引き取るとともに光ファイバ素線5の向きを変え、巻き取り機(図示略)に導くことができる。
(紡糸工程)
紡糸部10において、光ファイバ母材2を加熱して溶融紡糸して光ファイバ裸線3を形成する。
光ファイバ母材2から鉛直下向き(第一の経路L1)に引き出された光ファイバ裸線3は、第1方向変換器20Aにおける90°の方向変換により、水平(第二の経路L2)に向けられる。
光ファイバ裸線3は、第2方向変換器20Bにおける180°の方向変換により、第二の経路L2とは反対の方向(第三の経路L3)に向けられ、第3方向変換器20Cにおける90°の方向変換により鉛直下向き(第四の経路L4)となる。
流体の流路に遮蔽物があると、その遮蔽物は流体から力を受ける。流路を限定された流体は、運動量保存則とエネルギ一保存則を満たしながら遮蔽物に力を加える。例えば、流路面積が徐々に広がる三角錐形状の流路の中に錘を浮上させる場合、錘の前後で発生する圧力差が位置によって変化する。これにより、流体から錘が受ける浮力と錘の荷重が釣り合った位置で錘は静止することができる。錘の荷重が一定の場合、浮上位置(より正確には流路と錘により限定された流路面積)と流量には明確な正の相関が存在する。この現象はフローメータの原理として広く一般に利用されている。
また、一定流量の流体から物体が受ける力は、力を受ける面の形状に依存するが、通常の光ファイバ線引き工程では引取り速度を連続的に変化させることでファイバ外径を一定に保つような制御方法が一般的であるため、光ファイバは、無限に長い円柱とみなすことができる。また、光ファイバの質量は非常に小さいため、断面V字状のガイド溝を流れる流体にかかる荷重はほぼ引張張力と同等とみなせる。
第1コーティング部40において、光ファイバ裸線3の外周面に、ウレタンアクリレート系の樹脂などの被覆材を塗布(コーティング)して一次被覆層とする。
第1硬化部50において、例えばUVランプによる紫外線照射などによって、一次被覆層を硬化させる。
第2コーティング部60において、一次被覆層の外周面に、ウレタンアクリレート系の樹脂などの被覆材を塗布(コーティング)して二次被覆層とする。これによって、光ファイバ素線中間体4を得る。
第2硬化部70おいて、例えばUVランプによる紫外線照射などによって、二次被覆層を硬化させる。これによって、光ファイバ素線5を得る。
光ファイバ素線5は、必要に応じて、スパン装置80によってねじりを加えることができる。
光ファイバ素線5は、ターンプーリ90によって引き取られるとともに向きを変えられ、巻き取り機(図示略)により巻き取られる。
例えば、第3方向変換器20Cにおいて、線引張力が高いと、光ファイバ裸線3が方向変換器20Cに近づく方向の力は大きくなるため、光ファイバ裸線3の浮上量は小さくなる。
一方、光ファイバ裸線3に加えられる線引張力が低いと、光ファイバ裸線3が方向変換器20Cに近づく方向の力は小さくなるため、流体から受ける力によって、光ファイバ裸線3の浮上量は大きくなる。
例えば、第3方向変換器20Cにおける光ファイバ裸線3の浮上量が減少すると、第四の経路L4の光ファイバ裸線3は、第3方向変換器20Cに近づく方向に移動するため、X方向の位置は、図1および図5における右寄りとなる。
一方、光ファイバ裸線3の浮上量が増加すると、第四の経路L4の光ファイバ裸線3は、第3方向変換器20Cから離れる方向に移動するため、X方向の位置は、図1および図5における左寄りとなる。
第四の経路L4の光ファイバ裸線3のX方向の位置は、第3方向変換器20Cにおける光ファイバ裸線3の浮上量に応じた位置となるため、位置検出部35によって第四の経路L4の光ファイバ裸線3のX方向の位置を検出すれば、方向変換器20Cにおける光ファイバ裸線3の浮上量(浮上位置)を把握できる。
例えば、光ファイバ裸線3の浮上量が大きい場合には、加熱炉11の供給電力を調整して光ファイバ母材2の加熱温度を低くすることによって、浮上量を抑えることができる。一方、光ファイバ裸線3の浮上量が小さい場合には、加熱炉11の供給電力を調整して光ファイバ母材2の加熱温度を高くすることによって、浮上量を大きくすることができる。制御方法としては、PID制御などのフィードバック制御が好ましい。
このように、光ファイバ素線5の製造条件(加熱炉11の供給電力)を制御することによって、光ファイバ裸線3の浮上量を一定範囲に保つことができるため、光ファイバ裸線3に加えられる線引張力を一定範囲に保つことができる。
しかしながら、被覆後張力にはコーティング装置で発生するコーティング負担張力が含まれているため、線引速度が変動すれば、被覆後張力が一定であっても光ファイバの光学特性の長手方向の変動が起こり得た。
これに対し、本実施形態の製造方法によれば、ガラス部(光ファイバ裸線3)の浮上量(浮上位置)に基づいて製造条件を制御するため、線引速度にかかわらず、光ファイバ裸線3の線引張力を一定範囲に保つことができる。換言すれば、光ファイバ裸線3の線引張力を一定範囲に保ちつつ線引速度の調整が可能となる。そのため、工程の運用の幅を広げることができる。
また、更新、修理などのためコーティング部40,60を交換する場合には、交換によってコーティング負担張力が変化することがあるが、その場合でも、製造条件を設定し直すことなく、安定した品質の光ファイバ素線5を製造することができる。
また、加熱炉11の供給電力を制御対象とすると、他の製造条件への影響を小さくできるという利点がある。
制御部100によって制御される製造条件は、例えば、加熱炉11への光ファイバ母材2の進入速度であってもよい。図1では、加熱炉11への光ファイバ母材2の進入速度は、光ファイバ母材2の下方移動の速度である。光ファイバ母材2の進入速度は、光ファイバ母材2を加熱炉11に対して移動させる駆動機構(モータなど)の駆動力を調整することによって制御できる。
加熱炉11への光ファイバ母材2の進入速度を制御対象とすると、他の製造条件への影響を小さくできる。
制御対象となる製造条件は、このほか、コーティング部40,60における樹脂の供給圧力であってもよい。
光ファイバ裸線3の線引張力を測定するには、予め、光ファイバ裸線3に加えられる線引張力と、第四の経路L4の光ファイバ裸線3のX方向の位置との相関を把握しておく。例えば、予備試験により、線引張力が異なる複数の条件で、第四の経路L4の光ファイバ裸線3のX方向の位置を位置検出部35によって検出しておくのが好ましい。
位置検出部35の検出値は、光ファイバ裸線3の浮上量に応じた値となるため、ガラス部(光ファイバ裸線3)にかかる線引張力を精度よく測定できる。また、位置検出部35の検出値から線引張力を導出するため、光ファイバ素線5の製造工程において、光ファイバ裸線3の長さ方向に連続的に線引張力を測定できる。そのため、測定値に基づいて製造条件を制御する場合には、即応性の点で有利となる。また、張力異常が生じた場合にその異常の原因箇所を特定しやすくなるため、修復が容易となる。
さらに、線引張力の測定にあたって、装置構成が複雑化したり製造条件の制約が生じることはないため、光ファイバ素線5の製造における不利は生じない。
図6に示す製造装置1Aでは、2つの方向変換器20が用いられる。これらの方向変換器20を、それぞれ第1および第2方向変換器20A,20Dという。
位置検出部35は、第2方向変換器20Dの下流側に設けられ、第三の経路L5の光ファイバ裸線3の位置を検出する。
図7に示す製造装置1Bは、制御部110と、流量調整器120とを備えている点で、図1に示す製造装置1と異なる。
制御部110は、位置検出部35からの検出信号に基づいて、流量調整器120を用いて、方向変換器20(例えば方向変換器20C)への流体の導入流量を制御することで、方向変換器20における光ファイバ裸線3の浮上量を調整することができる。流量調整器120としては、マスフローコントローラ(MFC)等が使用できる。
制御部110は、検出信号に基づいて、流量調整器120を用いて、方向変換器20への流体の導入流量を制御する。これによって、方向変換器20において、吹出し口22からガイド溝21に放出される流体の流速を制御し、光ファイバ裸線3の浮上量を調整することができる。
一方、光ファイバ裸線3の浮上量が大きくなることで、第四の経路L4の光ファイバ裸線3が方向変換器20Cから離れる方向に変位すると、制御部110は、方向変換器20Cへの流体の導入流量を小さくする。これによって、方向変換器20Cにおいて、吹出し口22からガイド溝21に放出される流体の流速が小さくなり、光ファイバ裸線3の浮上量が抑制される。
このようにして、光ファイバ裸線3の浮上位置を一定に保つことができる。
制御方法としては、PID制御などのフィードバック制御を採用すると、流体の流量の制御を応答性よく行うことができる。
例えば、方向変換器20(20C)における流体の流量に基づいて、制御部100によって加熱炉11の加熱用の供給電力を制御し、これによって、加熱炉11における光ファイバ母材2の加熱温度を調整することができる。
詳しくは、方向変換器20(20C)における流体の流量が大きい場合には、加熱炉11の供給電力を調整して光ファイバ母材2の加熱温度を高くすることによって、流体の流量を抑えることができる。一方、流体の流量が小さい場合には、加熱炉11の供給電力を調整して光ファイバ母材2の加熱温度を低くすることによって、流体の流量を大きくすることができる。制御方法としては、PID制御などのフィードバック制御が好ましい。
このように、光ファイバ素線5の製造条件を制御することによって、光ファイバ裸線3に加えられる線引張力を一定範囲に保つことができる。
測定部本体36は、流体の導入流量と線引張力との相関を用いて、方向変換器20への流体の導入流量から線引張力を測定することができる。
図1に示す製造装置1では第3方向変換器20Cの下流側に位置検出部35を設け、図6に示す製造装置1Aでは第2方向変換器20Dの下流側に位置検出部35を設けたが、位置検出部の位置は、これらの例に限定されない。
例えば、図1に示す製造装置1において、方向変換器20A,20B,20Cのうち1または2以上の下流側にそれぞれ位置検出部を設けてもよい。
方向変換器20Aの下流側(方向変換器20Aと方向変換器20Bとの間)に位置検出部を設ける場合には、方向変換器20Aにおける光ファイバ裸線3の浮上量を検出できる。方向変換器20Bの下流側(方向変換器20Bと方向変換器20Cとの間)に位置検出部を設ける場合には、方向変換器20Bにおける光ファイバ裸線3の浮上量を検出できる。
また、方向変換器20における方向変換は、紡糸工程の後、第1コーティング工程の前のいずれかの位置で行うことができる。方向変換器20の設置位置は、紡糸部10の下流側であり、かつ第1コーティング部40の上流側であれば、いずれの位置であってもよい。
方向変換器20の数は、1または複数であってよい。
光ファイバ裸線3の外径を測定するには、例えば、位置検出部35の下流側(位置検出部35と第1コーティング部40との間)に、外径測定部(図示略)を設けることができる。外径測定部としては、例えば、光源と検知器とを備えた光学式の測定装置を使用できる。この測定装置は、例えば、光ファイバ裸線3の側方位置に設置された光源(レーザ光源など)から光を照射し、前記光源と対向して設置された検知器で前方散乱光を受光し、そのパターンまたは強度を解析することにより光ファイバ裸線3の外径を測定する。
光ファイバ裸線3の外径を測定する場合には、外径測定部からの測定信号を制御部100に送り、制御部100において、光ファイバ裸線3の外径を考慮した制御を行うことができる。
流体から物体が受ける力は、力を受ける物体の面の大きさに影響されるため、例えば、光ファイバ裸線3の外径が大きくなると、線引張力が一定でも浮上量は大きくなる。一方、光ファイバ裸線3の外径が小さくなると、線引張力が一定でも浮上量は小さくなる。そのため、このような光ファイバ裸線3の外径の変化を原因とする浮上量の変動を考慮して、この変動の影響を打ち消すように、制御部100によって製造条件(例えば加熱炉11への加熱用の供給電力など)を制御することができる。
図1に示す製造装置1を作製した。
方向変換器20(20A,20B,20C)における光ファイバ裸線3の浮上旋回半径は、約62.5mmとした。
図2に示すように、方向変換器20A,20Cのガイド溝21の内側面21cの、径方向Rに対する傾斜角度θはそれぞれ0.5°とした。ガイド溝21の底における幅は50μmとした。方向変換器20Bのガイド溝31にはガイド溝21と同様の構造を採用した。
方向変換器20A〜20Cに導入される流体は、除湿した空気であり、その温度は室温(約24℃)とした。
空気の導入流量は、方向変換器20A,20Cについてそれぞれ100リットル/分とし、方向変換器20Bについて200リットル/分とした。
光ファイバ母材2から鉛直下向き(第一の経路L1)に引き出された光ファイバ裸線3を、第1方向変換器20Aによって水平(第二の経路L2)に方向変換し、次いで、第2方向変換器20Bにおける180°の方向変換により、第二の経路L2とは反対の方向(第三の経路L3)に向け、第3方向変換器20Cにおける90°の方向変換により鉛直下向き(第四の経路L4)とした。
第1コーティング部40で光ファイバ裸線3の外周面に紫外線硬化樹脂からなる一次被覆層を形成し、第1硬化部50で紫外線を照射して一次被覆層を硬化させ、第2コーティング部60で一次被覆層の外周面に紫外線硬化樹脂からなる二次被覆層を形成し、第2硬化部70で紫外線を照射して二次被覆層を硬化させて光ファイバ素線5(外径250μm)を得た。
光ファイバ素線5は、スパン装置80、ターンプーリ90を経て巻き取り機(図示略)により巻き取った。線引速度は1000m/minとした。
図8より、光ファイバ裸線3の浮上量に応じて線引張力が変化することがわかる。
Claims (8)
- 光ファイバ母材を加熱炉で加熱することにより溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成する紡糸工程と、
前記光ファイバ裸線の外周に樹脂からなる被覆層を設けるコーティング工程と、を有し、
前記紡糸工程から前記コーティング工程までの間で、前記光ファイバ裸線の方向を、流体により前記光ファイバ裸線を浮上させつつ方向変換器によって変換し、
前記方向変換器における前記光ファイバ裸線の浮上位置を検出し、前記浮上位置の検出値に基づいて前記光ファイバ素線の製造条件を制御する、光ファイバ素線の製造方法。 - 前記制御される製造条件は、紡糸工程における前記加熱炉への加熱用の供給電力である、請求項1に記載の光ファイバ素線の製造方法。
- 前記制御される製造条件は、前記加熱炉への前記光ファイバ母材の進入速度である、請求項1に記載の光ファイバ素線の製造方法。
- 光ファイバ母材を加熱炉により溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成する紡糸部と、
前記光ファイバ裸線の外周に樹脂からなる被覆層を設けるコーティング部と、
前記紡糸部から前記コーティング部までの間で、流体によって前記光ファイバ裸線を浮上させつつ前記光ファイバ裸線の方向を変換する方向変換器と、
前記方向変換器における前記光ファイバ裸線の浮上位置を検出する位置検出部と、
前記浮上位置の検出値に基づいて前記光ファイバ素線の製造条件を制御する制御部と、を備えている、光ファイバ素線の製造装置。 - 前記制御される製造条件は、前記加熱炉への加熱用の供給電力である、請求項4に記載の光ファイバ素線の製造装置。
- 前記制御される製造条件は、前記加熱炉への前記光ファイバ母材の進入速度である、請求項4記載の光ファイバ素線の製造装置。
- 光ファイバ母材を加熱炉で加熱することにより溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成する紡糸工程と、
前記光ファイバ裸線の外周に樹脂からなる被覆層を設けるコーティング工程と、を有し、
前記紡糸工程から前記コーティング工程までの間で、前記光ファイバ裸線の方向を、流体により前記光ファイバ裸線を浮上させつつ方向変換器によって変換し、
前記方向変換器における前記光ファイバ裸線の浮上位置を検出し、前記浮上位置の検出値に基づいて、前記浮上位置が一定となるように前記方向変換器における前記流体の流量を調整し、前記流量に基づいて前記光ファイバ素線の製造条件を制御する、光ファイバ素線の製造方法。 - 光ファイバ母材を加熱炉により溶融紡糸して光ファイバ裸線を形成する紡糸部と、
前記光ファイバ裸線の外周に樹脂からなる被覆層を設けるコーティング部と、
前記紡糸部から前記コーティング部までの間で、流体によって前記光ファイバ裸線を浮上させつつ前記光ファイバ裸線の方向を変換する方向変換器と、
前記方向変換器における前記光ファイバ裸線の浮上位置を検出する位置検出部と、
前記浮上位置が一定となるように前記方向変換器における前記流体の流量を調整する流量調整器と、
前記流量に基づいて前記光ファイバ素線の製造条件を制御する制御部と、を備えている、光ファイバ素線の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015169829A JP6573508B2 (ja) | 2015-08-28 | 2015-08-28 | 光ファイバ素線の製造方法および製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015169829A JP6573508B2 (ja) | 2015-08-28 | 2015-08-28 | 光ファイバ素線の製造方法および製造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017043528A true JP2017043528A (ja) | 2017-03-02 |
JP6573508B2 JP6573508B2 (ja) | 2019-09-11 |
Family
ID=58209778
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015169829A Active JP6573508B2 (ja) | 2015-08-28 | 2015-08-28 | 光ファイバ素線の製造方法および製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6573508B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020026371A (ja) * | 2018-08-10 | 2020-02-20 | 古河電気工業株式会社 | 光ファイバの製造装置および光ファイバの製造方法 |
WO2022244529A1 (ja) * | 2021-05-18 | 2022-11-24 | 株式会社フジクラ | 光ファイバの製造方法及び光ファイバの製造装置 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS603037A (ja) * | 1983-06-20 | 1985-01-09 | Fujitsu Ltd | 遠隔装置のフアイルアクセス方式 |
JPS60251145A (ja) * | 1984-05-29 | 1985-12-11 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 線引制御方法 |
JPH08217481A (ja) * | 1995-02-17 | 1996-08-27 | Fujikura Ltd | 光ファイバの製造方法及び線引き装置 |
JP2010510957A (ja) * | 2006-11-28 | 2010-04-08 | コーニング インコーポレイテッド | 光ファイバの製造方法 |
-
2015
- 2015-08-28 JP JP2015169829A patent/JP6573508B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS603037A (ja) * | 1983-06-20 | 1985-01-09 | Fujitsu Ltd | 遠隔装置のフアイルアクセス方式 |
JPS60251145A (ja) * | 1984-05-29 | 1985-12-11 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 線引制御方法 |
JPH08217481A (ja) * | 1995-02-17 | 1996-08-27 | Fujikura Ltd | 光ファイバの製造方法及び線引き装置 |
JP2010510957A (ja) * | 2006-11-28 | 2010-04-08 | コーニング インコーポレイテッド | 光ファイバの製造方法 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020026371A (ja) * | 2018-08-10 | 2020-02-20 | 古河電気工業株式会社 | 光ファイバの製造装置および光ファイバの製造方法 |
WO2022244529A1 (ja) * | 2021-05-18 | 2022-11-24 | 株式会社フジクラ | 光ファイバの製造方法及び光ファイバの製造装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6573508B2 (ja) | 2019-09-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5917736B1 (ja) | 光ファイバ素線の製造方法、制御装置および製造装置 | |
US10745314B2 (en) | Method of manufacturing optical fiber, optical fiber manufacturing apparatus, and control apparatus therefor | |
JP6196999B2 (ja) | 光ファイバ素線の製造方法、制御装置および製造装置 | |
US10202301B2 (en) | Apparatus for manufacturing an optical fiber | |
WO2017038396A1 (ja) | 光ファイバの線引張力測定方法および線引張力測定装置 | |
JP6573508B2 (ja) | 光ファイバ素線の製造方法および製造装置 | |
JP5732586B1 (ja) | 光ファイバ素線の製造方法および製造装置 | |
JP6471044B2 (ja) | 光ファイバ素線の製造方法、制御装置および製造装置 | |
US20220185721A1 (en) | Method for manufacturing optical fiber | |
JP6457580B2 (ja) | 光ファイバの製造方法 | |
JP6335957B2 (ja) | 光ファイバ素線の製造方法 | |
JP2021147285A (ja) | 光ファイバ素線の製造装置および製造方法 | |
JP2005314118A (ja) | 線引方法及び線引装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180620 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20181019 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190214 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190219 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190311 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190723 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190813 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6573508 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |