JP2017040759A - 光学シート - Google Patents
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Abstract
【課題】高い輝度と高い拡散性とを実現する光学シートを提供する。
【解決手段】本発明の態様による光学シート100は、透明基材10と、透明基材10上に配置されたレンズアレイ20と、を備え、レンズアレイ20は、凹状又は凸状の複数のレンズ22で構成され、複数のレンズ22は透明基材10のレンズ形成面上において隙間なく並んで配置され、レンズ22の曲面の曲率が最大になる点の接線と透明基材10表面とが成す接線角が20度以上50度以下である。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の態様による光学シート100は、透明基材10と、透明基材10上に配置されたレンズアレイ20と、を備え、レンズアレイ20は、凹状又は凸状の複数のレンズ22で構成され、複数のレンズ22は透明基材10のレンズ形成面上において隙間なく並んで配置され、レンズ22の曲面の曲率が最大になる点の接線と透明基材10表面とが成す接線角が20度以上50度以下である。
【選択図】図2
Description
本発明は、光学シートに関し、特に光路制御に用いられる光学シートに関する。
光路制御用に用いられる光学シートとして、例えば光を拡散する機能、集光機能、偏光機能などを有するものが普及している。拡散シートや集光シートは、主に発光面全体の明るさに均一性が求められている装置、例えば、照明装置や液晶表示パネルを利用した液晶表示装置等に搭載されている。そのような装置の中でも、液晶表示装置は携帯電話や個人用携帯情報端末等の携帯端末用、パーソナルコンピュータ(PC)用、家庭用の大型画面対応画像表示装置用等、幅広い分野に普及しており、液晶表示装置の利点をより活用させるために、大型化だけでなく、高輝度化、薄型・軽量化等に対応した様々な製品が供給されている。
液晶表示装置は装置内部に光源を内蔵していることも多く、画像を表示するために必要な明るさを確保するべく、液晶パネルの背面側に配置された光源を含めたバックライトユニットを含む場合もある。バックライトユニットに採用されている光源手段としては、現在、ライト・エミッティング・ダイオード(LED)が主流となっており、LED光源を液晶表示装置の側面側に配置させ、光透過性に優れた平板状の導光板内で多重反射させる「導光板ライトガイド方式」(いわゆる、エッジライト方式)と、画像表示素子及び液晶表示装置の背面側に複数のLED光源が配設され、両者の間に光散乱性の強い拡散板及び光学シートを配置してLED光源が直接視認されないような構成を備えた「直下型方式」等の方式が採用されている。
近年の液晶表示装置等のバックライトユニットを使用する画像表示装置においては、地球環境問題対策の一環でもある、消費エネルギーを低減させることを目的とする消費電力抑制が大きな課題となっている。液晶表示装置の場合、光源となるバックライトユニットの消費電力が最も大きく、このバックライトユニットの消費電力を抑制する取組みが幅広い分野の技術を駆使して行われている。特にバッテリーを有するスマートフォンやタブレッド等の携帯端末やノート型PCにおいては、駆動時間を長くすることが大きな課題となっており、消費電力を下げる取組みが数多く取られている。
消費電力が低いと言われているLEDを光源とする場合においても、光源を液晶表示装置の背面側に配置する直下型方式や液晶表示装置の側面側に配置するエッジライト型方式の構成が採用されており、従来よりもコントラスト比を向上させた製品が市場に投入さている。しかし、LED光源周囲の発熱や必要とされる輝度が得られていない等の課題が残されている。発熱を抑えて消費電力を下げるには、点光源であるLEDの数を減らすことが有効ではあるが、上述したように必要な輝度が得られない、LEDの間隔が広がることで光源の明暗である輝度ムラ(ランプイメージ)が強くなる、ディスプレイ内部の温度環境による光学シートの変形に起因する明暗ムラが発生する、等の課題を解決する必要がある。現状においては、これらの課題を解消する取組みとして、液晶表示装置に用いられている拡散板、導光板及び集光、拡散、偏光機能を有する光学シートのそれぞれの性能を向上させると共に、これらを複数組合せて使用することで、必要とされる輝度の確保や、ランプイメージや輝度ムラの低減が図られている。
従来の光学シートの一例として、半球状のレンズを有する光学シートを用いたものが特許文献1に開示されている。この光学シートは、光の集光性と拡散性を制御し、積層されて用いられる光学シートまたは機能性を有する光学部材と接触しても、丸みを帯びた構造上、接触による摩擦が生じても滑りがよいために傷が付き難い特徴を有している。
しかしながら、従来の光学シートでは、隣接するマイクロレンズ間に隙間が生じることから、マイクロレンズ内を通ってマイクロレンズと空気層界面で屈折、散乱されて正面に集光される光と、隣接するマイクロレンズ間にできる隙間から屈折、散乱されずに出射される光とが発生し、これらの光の輝度差から輝点や輝線が視認されることがあった。
また、光を拡散させる光学シートとしては、シート表面に光を拡散させる粒子を層状に形成させたもの、またはシート内部に光を散乱させる粒子を分散させたものがある。これらのシートは、光を拡散させる粒子の密度や濃度、添加量によって拡散特性を制御することが出来るが、その反面光拡散粒子の散乱により光線透過率が大きく低下し、輝度の低下を招いている。
先に述べたように、光学シートには液晶表示装置の画面全体の輝度を出来るだけ高く維持しつつ輝度分布を均一にする機能が求められている。特に光の指向性が高いLEDを光源とする液晶表示装置や照明装置においては、LED光源の配置数や配置箇所、あるいは側面側から入射されたLED光源からの光を垂直に立ち上げる役割を担う導光板の特性によって、LED光源による明暗差の低減や画面全体の輝度分布を均一にすることが難しくなっている。
以上のような課題を解決するために用いられている光学シートにおいても、拡散特性を用いて画面全体の輝度ムラを緩和させると同時にシート面内の輝度を高く維持することの両立は困難であり、これを可能にするためには、複雑な形状や難易度の高い加工工程を必要とする光学シートを利用する必要があるため、装置全体のコストアップを招いているのが現状である。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、高い輝度と高い拡散性とを実現する光学シートを提供することを目的とする。
本発明の第1態様による光学シートは、透明基材と、前記透明基材上に配置されたレンズアレイと、を備え、前記レンズアレイは、凹状又は凸状の複数のレンズで構成され、前記複数のレンズは前記透明基材のレンズ形成面上において隙間なく並んで配置され、前記レンズの曲面の曲率が最大になる点の接線と前記透明基材表面とが成す接線角が20度以上50度以下である。
また、本発明の第2態様による光学シートの前記レンズの平面形状は、第1対角線と、前記第1対角線と長さが異なる第2対角線とを含む六角形であって、前記第2対角線の長さは前記第1対角線の長さの1.3倍以上1.8倍以下である。
また、本発明の第3態様による光学シートの前記レンズの平面形状は、全ての対角線の長さが同じである六角形又は四角形である。
また、本発明の第3態様による光学シートの前記レンズの平面形状は、全ての対角線の長さが同じである六角形又は四角形である。
また、本発明の第4態様による光学シートは、第1態様の光学シートの前記複数のレンズは、平面形状が互いに異なるものを含むものである。
また、本発明の第5態様による光学シートは、第1態様の光学シートの前記複数のレンズは、前記接線角が互いに異なるものを含むものである。
また、本発明の第5態様による光学シートは、第1態様の光学シートの前記複数のレンズは、前記接線角が互いに異なるものを含むものである。
本発明の光学シートによれば、高い輝度と高い拡散性とを実現する光学シートを提供することができる。
<第1実施形態>
以下に、第1実施形態の光学シートについて図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態による光学シートの一構成例を概略的に示す断面図である。
本実施形態の光学シート100は、透明基材10と、レンズアレイ20とを積層して構成されている。
以下に、第1実施形態の光学シートについて図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態による光学シートの一構成例を概略的に示す断面図である。
本実施形態の光学シート100は、透明基材10と、レンズアレイ20とを積層して構成されている。
透明基材10は、透明なシート状の部材である。本実施形態では、透明基材10は例えばPET(ポリエチレンテレフタレート:polyethylene terephthalate)により形成され、その厚み(Y方向の幅)Y1は略50μm以上略250μm以下とする。透明基材の厚みは、50μm以下である場合は片面に形成する透明樹脂レンズに起因する反りが発生することから好ましくなく、250μm以上である場合はシート自体の厚みや重量が高くなり、薄型化や軽量化を求められる用途先に適さないことが生じる。透明基材10の材料はPETに限定されるものではない。透明な材料であれば透明基材10の材料として採用することができる。例えば、透明基材10の材料として、PC(ポリカーボネイト)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、アクリルニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリルポリスチレン共重合体等を採用することができる。
レンズアレイ20は、透明基材10上に配置されている。レンズアレイ20は、透明基材10のレンズ形成面上において隙間なく並んで配置された複数の凸レンズ22を有している。凸レンズ22は、透明基材10とレンズアレイ20とが積層した方向(積層方向)Yと略直交した平面(X−Z平面と平行な平面)上において、隙間なく並んで配置されている。すなわち、複数の凸レンズ22間に平坦な部分はなく、凸レンズ22は隣り合う複数の凸レンズ全てと接するように配置されている。これは平坦面が光学シートに入射する光が制御することなく出射されるため、光学シートの輝度と拡散性の光学設計や制御が困難になるためである。なお、図1では、Y方向が積層方向、X方向が幅方向、Z方向が奥行方向である。
本実施形態では、レンズアレイ20は、例えば透明な紫外線硬化樹脂材料により形成されている。レンズアレイ20において、透明基材10の表面から凸レンズ22の曲面下部までに高さ(レンズ基部高さ)Y2を設けている。レンズ基部高さY2が薄すぎると、光学シート100の透過率が上がるが、後述するように金型でレンズ形状を形成する際にレンズ形状がきれいに形成されないことがある。またレンズ基部高さY2が厚すぎると光学シートの透過率が下がり、また光学シート100が反ってしまうことがある。このことから、レンズ基部高さY2は例えば5μm以上30μm以下とすることが望ましい。特に15μm以上20μm以下であることがより望ましい。上記透明基材10とレンズアレイ20とは一体に形成されている。
本実施形態において、必ずしも透明基材を必要とすることはなく、例えば耐熱性に優れたポリカーボネイト樹脂や透明性に優れたアクリル樹脂を用いた押出賦形工法による一種類の樹脂で光学シートが構成されていても良い。
図2は、図1に示す光学シートのレンズの平面形状の一例を説明するための図である。
ここでは、X−Z平面と垂直な方向Yに沿って、図1に示した光学シート100をレンズアレイ20側から見たときの凸レンズ22の形状(平面形状)を示している。
ここでは、X−Z平面と垂直な方向Yに沿って、図1に示した光学シート100をレンズアレイ20側から見たときの凸レンズ22の形状(平面形状)を示している。
本実施形態では、複数の凸レンズ22の平面形状(凸レンズ22同士の境界を結ぶラインに囲まれた形状)は全て同じ形状であって、例えば図2に示すように1本の対角線Aに対して線対称な六角形である。凸レンズ22の平面形状をこのような形状とし、複数の凸レンズ22の対角線A同士が平行となるように並べると、複数の凸レンズ22を隙間なく配置することができる。換言すると、複数の凸レンズ22のそれぞれは、その平面形状である六角形の全ての辺を、他の凸レンズ22と共有している。
本実施形態では、対角線(第1対角線)Aと他の2本の対角線(第2対角線)Bとは長さが異なる六角形である。また、凸レンズ22の平面形状は、図2に示す平面図において、平面視でレンズ頂点TPを通る第1線L1と、レンズ頂点TPを通り第1線L1と直交し、第1線L1より長い第2線L2とを含む六角形である。第1線L1は、第1対角線Aと共通である。以下の説明においてこのような六角形を長方六角形という。対角線Aは対角線Bよりも短い短対角線であり、対角線Bは長対角線である。対角線の長さを変えることで、対角線長さが同じ正六角形レンズに比べて、それぞれの対角線において全光線透過率及びヘイズ値を担当制御させることで光学設計が容易になる。長対角線Bの長さは短対角線Aの長さの略1.3倍以上1.8倍以下であることが望ましい。長対角線Bと短対角線Aとの長さが上記範囲を外れると、全光透過率およびヘイズ値を高く維持することが困難となる。
図3は、図1および図2に示す光学シートのレンズの曲面形状の一例を説明するための図である。
ここでは、例えば、凸レンズ22の長対角線Bを通り積層方向Yに平行な平面における断面の曲面形状の一例を示している。点Pは、凸レンズ22の曲面の曲率が最も大きくなる点である。この例では、長対角線Bを通り、積層方向Yに平行な平面における断面の点Pの接線と、長対角線Bを延長した線(又は透明基材10の表面)とが交差した角度θ(点Pを通る接線よりも凸レンズ22側に生じる角度であり、以下の説明において接線角θと言う)を20度以上50度以下とすることが望ましい。
ここでは、例えば、凸レンズ22の長対角線Bを通り積層方向Yに平行な平面における断面の曲面形状の一例を示している。点Pは、凸レンズ22の曲面の曲率が最も大きくなる点である。この例では、長対角線Bを通り、積層方向Yに平行な平面における断面の点Pの接線と、長対角線Bを延長した線(又は透明基材10の表面)とが交差した角度θ(点Pを通る接線よりも凸レンズ22側に生じる角度であり、以下の説明において接線角θと言う)を20度以上50度以下とすることが望ましい。
なお、図3では、長対角線Bを通り、積層方向Yに平行な平面における断面の点Pの接線と、長対角線Bを延長した線(又は透明基材10の表面)とが交差した角を接線角θの一例として記載している。凸レンズ22の平面形状の重心(又は平面視におけるレンズ頂点TP)を通りかつ積層方向Yに略平行な平面における断面の、曲率が最も大きくなる点の接線と、透明基材10の表面と略平行な平面とが成す角を接線角θとしてもよく、このような接線角θの全てを20度以上50度以下とすることが望ましい。
また、第1線L1を通り積層方向Yに平行な断面において、凸レンズ22のレンズ曲面の曲率が最大になる点の接線と透明基材10表面とが成す接線角θは、30度以上50度以下とすることが望ましく、第2線L2を通り積層方向Yに平行な断面において、凸レンズ22のレンズの曲面の曲率が最大になる点の接線と透明基材10表面とが成す接線角θは20度以上30度以下とすることが望ましい。
第1線L1を通り積層方向Yに平行な断面におけるレンズ曲面の曲率半径が50μmから100μmの範囲とすることが望ましく、第2線L2を通り積層方向Yに平行な断面におけるレンズ曲面の曲率半径は150μmから250μmの範囲とすることが望ましい。
図4は、図1および図2に示す光学シートの一構成例を概略的に示す部分斜視図である。図4に示すように、レンズアレイ20の複数の凸レンズ22は、互いに隙間なく並んで配置されている。複数の凸レンズ22同士の間に平坦な部分(透明基材10の表面と略平行な部分)は無く、凸レンズ22同士の境界線も平坦ではない。凸レンズ22同士の境界線はレンズ表面に沿って曲線状に延びている。
上記のように凸レンズ22を隙間なく配置したレンズアレイ20を含む光学シート100によれば、従来の半球状のレンズを用いた光学シートとは異なり隣接する凸レンズ22間に隙間が生じることがなくなるため、例えば透明基材10側から光学シート100に入射した光は全て凸レンズ22内を通り、凸レンズ22と空気層界面で屈折、散乱されて正面に集光されることになる。したがって、本実施形態の光学シート100によれば、従来の半球状のレンズを用いた光学シートに比べて高い全光線透過率を実現するとともに、高いヘイズ値を実現することが可能となる。
また、本実施形態の光学シート100では、例えば短対角線Aにおける凸レンズ22の断面と長対角線Bにおける凸レンズ22の断面との曲面形状が異なっている。このように異なる曲面形状を含む凸レンズ22を隙間なく配置したレンズアレイ20を含むことにより、本実施形態の光学シート100は高いヘイズ値を実現することができる。
例えば、短対角線Aを93μm、長対角線Bを150μmとし、第1線接線角を42度、第2線接線角を25度とし、第1線L1を通り積層方向Yに平行な凸レンズ22の断面におけるレンズ曲面の曲率半径を68μm、第2線L2を通り積層方向Yに平行な凸レンズ22の断面におけるレンズ曲面の曲率半径を190μmとし、下記の製造方法で作成した光学シート100をエッジライト型のバックライトユニット上に配置し、全光線透過率を測定したところ、91.9%であり、ヘイズ値を測定したところ、92.7%であった。
なお、第1線接線角は、第1線L1を通り積層方向Yに平行な凸レンズ22の断面における接線角θであり、第2接線角は、第2線L2を通り積層方向Yに平行な凸レンズ22の断面における接線角θである。
なお、第1線接線角は、第1線L1を通り積層方向Yに平行な凸レンズ22の断面における接線角θであり、第2接線角は、第2線L2を通り積層方向Yに平行な凸レンズ22の断面における接線角θである。
次に、上述の光学シート100の製造方法について説明する。
上述の光学シート100は例えばロールツーロール(roll to roll)により形成される。シート状或いはロール状の透明基材10を用意し、透明基材10上にレンズアレイ20となる透明樹脂材料を塗布する。レンズアレイ20となる透明樹脂材料として、例えば紫外線硬化樹脂を用いることができる。塗布した透明樹脂材料にロール状或いは平板状の金型を押し当ながら透明樹脂材料を硬化させて、複数の凸レンズ22を備えたレンズアレイ20を形成する。なお、レンズアレイ20を形成する材料は紫外線硬化樹脂材料に限定されるものではなく、例えば熱硬化樹脂材料等の、製造方法に応じた適切な材料を用いることができる。
上述の光学シート100は例えばロールツーロール(roll to roll)により形成される。シート状或いはロール状の透明基材10を用意し、透明基材10上にレンズアレイ20となる透明樹脂材料を塗布する。レンズアレイ20となる透明樹脂材料として、例えば紫外線硬化樹脂を用いることができる。塗布した透明樹脂材料にロール状或いは平板状の金型を押し当ながら透明樹脂材料を硬化させて、複数の凸レンズ22を備えたレンズアレイ20を形成する。なお、レンズアレイ20を形成する材料は紫外線硬化樹脂材料に限定されるものではなく、例えば熱硬化樹脂材料等の、製造方法に応じた適切な材料を用いることができる。
ここで用いる金型は切削加工により形成される。エッチングにより金型を形成すると等方的な形状となり、本実施形態の凸レンズ22(又は凹レンズ)を隙間なく並べたレンズアレイ20の所望の曲面形状を精度よく形成することが困難になるからである。切削加工により曲面レンズを含むレンズアレイ20の版を形成することで、所望の曲面形状のレンズアレイ20を空隙を設けることなく備えた光学シート100を安価に作製することが可能となる。
一方で、金型を切削加工により形成すると、金型の切削面に切削刃による加工スジが残る。この加工スジは切削刃が当たる際の抵抗により生じる刃先の跡であり、例えば、切削刃を進める方向と略直交した方向に延びたスジである。切削加工により形成された金型により、レンズアレイ20の表面形状を形成すると、凸レンズ22(又は凹レンズ)の表面に加工スジが生じる。これは非常に微細なスジであり、例えば金型の切削加工により凸レンズ22(又は凹レンズ)の表面に加工スジが生じた場合、その表面の算術平均粗さ(Ra)が0.005μmから0.03μmの範囲である。
上記のように、本実施形態によれば、レンズアレイ20の金型を切削加工により形成しているので、隣接する凸レンズ22(又は凹レンズ)間に空隙を設けることなく、且つ凸レンズ22(又は凹レンズ)の表面に対し不規則に連続した加工スジからなる微細凹凸を、工程数を増やすことなく形成することができる。その結果、高い輝度と高い拡散性とを備える光学シートを提供することができる。
上記のように、本実施形態によれば、レンズアレイ20の金型を切削加工により形成しているので、隣接する凸レンズ22(又は凹レンズ)間に空隙を設けることなく、且つ凸レンズ22(又は凹レンズ)の表面に対し不規則に連続した加工スジからなる微細凹凸を、工程数を増やすことなく形成することができる。その結果、高い輝度と高い拡散性とを備える光学シートを提供することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の光学シートについて図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明において、上述の第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態の光学シート100は、レンズアレイ20の構成が上述の第1実施形態と異なっている。
次に、第2実施形態の光学シートについて図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明において、上述の第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態の光学シート100は、レンズアレイ20の構成が上述の第1実施形態と異なっている。
図5は、図1および図2に示す光学シートのレンズの平面形状の他の例を説明するための図である。本実施形態では、凸レンズ22の平面形状は正六角形である。凸レンズ22の平面形状の対角線Cの長さは例えば略23μm以上略173μm以下であり、対向した辺間の距離Dは例えば略20μm以上略150μm以下である。本実施形態において、例えば、対角線Cと積層方向Yとを通る平面における断面の凸レンズ22の曲面の曲率が最も大きくなる点を通る接線と、対角線Cの延長線(又は透明基材10の表面)とが成す接線角θを20度以上50度以下とすることが望ましい。
図6は、図1および図5に示す光学シートの一構成例を概略的に示す部分斜視図である。図6に示すように、レンズアレイ20の複数の凸レンズ22は、互いに隙間なく並んで配置されている。複数の凸レンズ22同士の境界線は、透明基材10の表面と略平行ではなく透明基材10の表面に対して凸状に延びている。上記のレンズ形状以外の構成は、上述の第1実施形態と同様である。
凸レンズ22の平面形状を上記のように正六角形とすると、凸レンズ22を隙間なく配置することができる。換言すると、複数の凸レンズ22のそれぞれは、その平面形状である正六角形の全ての辺を、他の凸レンズ22と共有している。このことにより、本実施形態の光学シート100によれば、従来の半球状のレンズを用いた光学シートに比べて高い全光線透過率を実現することが可能である。また、上記の凸レンズ22を隙間なく配置したレンズアレイ20を含むことにより、本実施形態の光学シート100は高いヘイズ値を実現することができる。
例えば、対角線Cを64μm、対向した辺間の距離Dを54μmとし、接線角θを31度とし、対角線Cを通り積層方向Yに平行な凸レンズ22の断面におけるレンズ曲面の曲率半径を68μmとした光学シート100をエッジライト型のバックライトユニット上に配置し全光線透過率を測定したところ、91.8%であり、ヘイズ値を測定したところ89.1%であった。
上記のように、本実施形態によれば、高い輝度と高い拡散性とを実現する光学シートを提供することができる。
上記のように、本実施形態によれば、高い輝度と高い拡散性とを実現する光学シートを提供することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の光学シートについて図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の光学シート100は、レンズアレイ20の構成が上述の第1および第2実施形態と異なっている。
次に、第3実施形態の光学シートについて図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の光学シート100は、レンズアレイ20の構成が上述の第1および第2実施形態と異なっている。
図7は、図1および図2に示す光学シートのレンズの平面形状の他の例を説明するための図である。実施形態では、凸レンズ22の平面形状は正方形である。凸レンズ22の平面形状の辺の長さEは例えば略20μm以上略100μm以下である。本実施形態において、例えば、凸レンズ22の平面形状の対角線と積層方向Yとを通る平面における断面の凸レンズ22の曲面の曲率が最も大きくなる点を通る接線と、対角線の延長線(又は透明基材10の表面)とが成す接線角θを20度以上50度以下とすることが望ましい。
図8は、図1および図7に示す光学シートの一構成例を概略的に示す部分斜視図である。図8に示すように、レンズアレイ20の複数の凸レンズ22は、互いに隙間なく並んで配置されている。複数の凸レンズ22同士の境界線は、透明基材10の表面と略平行ではなく透明基材10の表面に対して凸状に延びている。上記のレンズ形状以外の構成は、上述の第1および第2実施形態と同様である。
凸レンズ22の平面形状を上記のようにすると、凸レンズ22を隙間なく配置することができる。換言すると、複数の凸レンズ22のそれぞれは、その平面形状である正方形の全ての辺を、他の凸レンズ22と共有している。なお、図4では、凸レンズ22は平面形状の正方形がX方向およびZ方向に沿ってマトリクス状に並んで配置しているが、これに限定されるものではなく、凸レンズ22が隙間なく配置されていればよい。例えば、平面形状の正方形の一辺が隣接する他の2つの凸レンズ22と接するように配置してもよい。
このことにより、本実施形態の光学シート100によれば、従来の半球状のレンズを用いた光学シートに比べて高い全光線透過率を実現することが可能である。また、上記の凸レンズ22を隙間なく配置したレンズアレイ20含むことにより、本実施形態の光学シート100は高いヘイズ値を実現することができる。
例えば、対向した辺間の距離Eを45μmとし、接線角θを28度とし、距離Eを通り積層方向Yに平行な凸レンズ22の断面におけるレンズ曲面の曲率半径値を68μmとした光学シート100をエッジライト型のバックライトユニット上に配置し全光線透過率を測定したところ、91.5%であり、ヘイズ値は86.6%であった。
上記のように、本実施形態によれば、高い輝度と高い拡散性とを実現する光学シートを提供することができる。
上記のように、本実施形態によれば、高い輝度と高い拡散性とを実現する光学シートを提供することができる。
なお、上記の第1乃至第3実施形態では光学シート100のレンズアレイ20は複数の凸レンズ22を有していたが、これに限定されるものではなく、複数の凹レンズを備えていても構わない。レンズアレイ20が複数の凹レンズを備える場合は、凹レンズの平面形状および曲面形状を凸レンズ22の上述の条件と同じにすることにより、凸レンズ22を備えたレンズアレイ20を含む光学シート100と同様の効果を得ることができる。
また、レンズアレイ20の凸レンズ22の平面形状は、上述の実施形態の記載に限定されるものではない。例えば、凸レンズ22の平面形状は長方形や平行四辺形やひし形等であっても、複数の凸レンズ22を隙間なく配置できる形状であれば構わない。
図9は、本発明の実施形態による光学シートと比較例による光学シートとについて、全光線透過率とヘイズ値とを測定した結果の一例を示す図である。
次に、図9に基づいて、上述の第1実施形態、第2実施形態、および、第3実施形態の光学シート100と、第1比較例、第2比較例、および、第3比較例の光学シートとについて、全光線透過率とヘイズ値とを測定した結果の一例について説明する。第1比較例、第2比較例、および、第3比較例の光学シートは、レンズアレイの凸レンズの形状が上述の実施形態と異なっている。
次に、図9に基づいて、上述の第1実施形態、第2実施形態、および、第3実施形態の光学シート100と、第1比較例、第2比較例、および、第3比較例の光学シートとについて、全光線透過率とヘイズ値とを測定した結果の一例について説明する。第1比較例、第2比較例、および、第3比較例の光学シートは、レンズアレイの凸レンズの形状が上述の実施形態と異なっている。
第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態の光学シートは、透明基材10として厚みが188μmのPET基材(東洋紡製A4300)を用い、レンズアレイ20となる透明樹脂としては屈折率1.50の紫外線硬化樹脂を用いて作製した。
第1比較例の光学シートは、凸レンズの平面形状が直径略78μmの円形であり、半球状の凸レンズの高さ(半球状の凸レンズの曲面頂点と底面との距離)は略37μmである。この第1比較例の光学シートは、全光線透過率が56.8%であり、ヘイズ値は65.7%であった。
第2比較例の光学シートは、半球状の凸レンズの平面形状が直径略79μmの円形であり、半球状の凸レンズの高さは略40μmである。この第2比較例の光学シートは、全光線透過率が53.8%であり、ヘイズ値は90.3%であった。
第3比較例の光学シートは、半球状の凸レンズの平面形状が直径略26μmの円形であり、半球状の凸レンズの高さは略16μmである。この第3比較例の光学シートは、全光線透過率が66.1%であり、ヘイズ値は92.6%であった。
第1乃至第3比較例の光学シートの測定結果によれば、90%以上の高いヘイズ値を得られるものもあるが、全光線透過率とヘイズ値との両方が高いものはなかった。これに対し、第1乃至第3実施形態の光学シート100によれば、いずれも90%以上の高い全光線透過率と、85%を上回る高いヘイズ値との両方を実現していることが分かる。
この結果から、上記の第1乃至第3実施形態によれば、高い輝度と高い拡散性とを実現する光学シートを提供することができると言える。すなわち、第1乃至第3実施形態の光学シート100は、他のシートにて特性を補うことなく、1枚で十分な輝度と十分な拡散性を得ることができるものであって、搭載する装置の構成部材の数を減らすことを可能にするものである。例えば、光学シート100を液晶表示装置等の画像表示装置、バックライトユニット、照明装置に搭載した場合、他の光学シートを更に備える必要がなくなるため、液晶表示装置、バックライトユニット、照明装置の薄型化、小型化、軽量化の実現を可能とするものである。また、上述の光学シート100では高い全光線透過率を得ることができるため、バックライトユニットや照明装置の光源を増加せずに十分な明るさを得ることができるため、低消費電力化を実現することができる。
上記の実施形態では、ロールツーロールにより光学シート100を形成する場合について説明したが、上述のレンズ形状を形成する金型を用いる他の製造方法であってもかまわない。例えば、上述の光学シート100のレンズ形状を形成する金型を用いて、押出成形により光学シートを形成することが可能である。その場合、透明基材10は必要なく、例えばポリカーボネイトなどによる単層の光学シートを形成することができ、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。この場合、光学シート100の材料として、例えば、ポリカーボネイト樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン、アクリルニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリルポリスチレン共重合体などの熱可塑性樹脂を採用することが可能である。このようにレンズ形状が上述の第1乃至第3実施形態と同じ光学シートであれば、そのシートの製造方法によらず、同様の効果を得ることができる。
また上記実施形態では、各光学シート100の凸レンズ22の形状は全て同じであったが、凸レンズ22を隙間なく配置することができれば、レンズ22の形状が異なっていても構わない。例えば、平面形状が正方形の凸レンズと平面形状が長方形の凸レンズとを組み合わせて隙間なく配置したレンズアレイを含んだ光学シートでもよく、アルキメデスの平面充填法による正三角形と正方形の組み合わせといった、既知の平面充填法により凸レンズ22を隙間無く配置してもよい。また、接線角θが異なる凸レンズを組み合わせて隙間なく配置したレンズアレイを含んだ光学シート100でもよい。その場合であっても上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
10…透明基材、20…レンズアレイ、22…凸レンズ、100…光学シート、A…短対角線(第1対角線)、B…長対角線(第2対角線)、C…対角線、D、E…対向した辺間の距離、P…曲率が最大となる点、Y…積層方向、Y1…透明基材の厚み、Y2…レンズ基部高さ、θ…接線角、TP…レンズ頂点、L1…第1線、L2…第2線。
Claims (8)
- 透明基材と、
前記透明基材上に配置されたレンズアレイと、を備え、
前記レンズアレイは、凹状又は凸状の複数のレンズで構成され、
前記複数のレンズは前記透明基材のレンズ形成面上において隙間なく並んで配置され、
前記レンズの曲面の曲率が最大になる点の接線と前記透明基材表面とが成す接線角が20度以上50度以下であることを特徴とする光学シート。 - 平面視において、前記レンズは、レンズ頂点を通る第1線と、前記レンズ頂点を通り前記第1線と長さが異なる第2線とを含む六角形であって、
前記第1線を通り前記透明基材と前記レンズアレイとが積層した積層方向に平行な断面におけるレンズ曲面の曲率が最大になる点の接線と前記透明基材表面とが成す接線角が30度以上50度以下の範囲であり、
前記第2線を通り前記積層方向に平行な断面におけるレンズの曲面の曲率が最大になる点の接線と前記透明基材表面とが成す接線角が20度以上30度以下であることを特徴とする請求項1記載の光学シート。 - 平面視において、前記レンズは、レンズ頂点を通る第1線と、前記レンズ頂点を通り前記第1線と長さが異なる第2線とを含む六角形であって、
前記第1線を通り前記透明基材と前記レンズアレイとが積層した積層方向に平行な断面におけるレンズ曲面の曲率半径が50μmから100μmの範囲であり、
前記第2線を通り前記積層方向に平行な断面におけるレンズ曲面の曲率半径は150μmから250μmの範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光学シート。 - 前記レンズは、レンズ底面における第1対角線と、前記第1対角線と長さが異なる第2対角線とを含む六角形であって、前記第2対角線の長さは前記第1対角線の長さの1.3倍以上1.8倍以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学シート。
- 前記レンズは、レンズ表面にスジ状の微細な凹凸が複数存在し、その凹凸の算術平均粗さ(Ra)が0.005μmから0.03μmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学シート。
- 前記レンズの底面の形状は、全ての対角線の長さが同じである六角形又は四角形であることを特徴とする請求項1記載の光学シート。
- 前記レンズアレイは、底面の形状が互いに異なる複数の前記レンズを含む請求項1記載の光学シート。
- 前記レンズアレイは、前記接線角が互いに異なる複数の前記レンズを含む請求項1記載の光学シート。
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JP2021009356A (ja) * | 2019-07-01 | 2021-01-28 | メムスラックス | 非対称型出光パターンを有するディフューザー及びこの製造方法 |
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2015
- 2015-08-19 JP JP2015161996A patent/JP2017040759A/ja active Pending
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