JP2017040461A - 蓄熱器及び蓄熱バーナー - Google Patents

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高志 黒木
村井 亮太
Ryota Murai
亮太 村井
鷲見 郁宏
Ikuhiro Sumi
郁宏 鷲見
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Abstract

【課題】コンパクトな構造で高い熱交換性能を有し、流体からの高い熱回収量(蓄熱量)が得られる蓄熱機構を提供する。
【解決手段】蓄熱体が充填された蓄熱部Aを備え、流体が蓄熱部Aを一方向に通過することで当該流体から蓄熱体への蓄熱がなされ、流体が蓄熱部Aを逆方向に通過することで蓄熱体から当該流体への放熱がなされる蓄熱器であって、蓄熱部Aを流体の流れ方向で複数の領域aに区画し、これら複数の領域aには異なる種類の蓄熱体を充填するとともに、複数の領域aのうちの少なくとも1つは、カプセル内に潜熱蓄熱材を封入して構成された潜熱蓄熱体xが充填された領域aとする。
【選択図】図5

Description

本発明は、排ガスなどの高温流体から熱回収を行って蓄熱する蓄熱器と、これを用いた蓄熱バーナーなどに関する。
従来、鋼材などを加熱するための加熱炉に設置される燃焼バーナーとして、二酸化炭素削減や省エネルギーの観点から、蓄熱式バーナーが用いられている。この蓄熱式バーナーは、燃焼排ガスと支燃ガス(燃焼用空気など)を交互に通過させる蓄熱器を備えており、この蓄熱器で燃焼排ガスの熱を回収・蓄熱するとともに、その熱を放出して支燃ガスを予熱することにより、燃焼排ガスの熱を有効利用して燃焼効率の改善を図るようにしている。
蓄熱式バーナーの蓄熱器としては、バーナーの燃焼容量に応じて容積が決められた蓄熱室(蓄熱体収納容器)内に、蓄熱体であるセラミックボールを充填し、そこに燃焼排ガスと支燃ガスを交互に流して蓄熱・放熱を行うようにしたものが知られている。特許文献1には、このような蓄熱器を備えた蓄熱式バーナーのとして、熱交換性能を向上させるために大きさの異なる蓄熱体を備えたものが示されている。
特開2003−343829号公報 国際公開第2013/061978号
しかしながら、従来の蓄熱器は熱交換性能が十分でなく、熱回収量(蓄熱量)が少ないという問題がある。熱回収量を多くするために蓄熱室(蓄熱体収納容器)を大きくすることが考えられるが、コンパクトな設備構成ができなくなり、設備費も高くなる。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、コンパクトな構造で高い熱交換性能を有し、流体からの高い熱回収量(蓄熱量)が得られる蓄熱器を提供することにある。また、本発明の他の目的は、そのような高性能の蓄熱器を備えた蓄熱式バーナーや排熱回収システムなどを提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]蓄熱体が充填された蓄熱部(A)を備え、流体が蓄熱部(A)を一方向に通過することで当該流体から蓄熱体への蓄熱がなされ、流体が蓄熱部(A)を逆方向に通過することで蓄熱体から当該流体への放熱がなされる蓄熱器であって、
蓄熱部(A)が流体の流れ方向で複数の領域(a)に区画され、これら複数の領域(a)には異なる種類の蓄熱体が充填されるとともに、複数の領域(a)のうちの少なくとも1つは、カプセル内に潜熱蓄熱材を封入して構成された潜熱蓄熱体(x)が充填された領域(a)であることを特徴とする蓄熱器。
[2]上記[1]の蓄熱器において、複数の領域(a)のうちの少なくとも1つは、顕熱蓄熱体(y)が充填された領域(a)であることを特徴とする蓄熱器。
[3]上記[2]の蓄熱器において、顕熱蓄熱体(y)が充填された2つの領域(a)間に、潜熱蓄熱体(x)が充填された1つ以上の領域(a)が設けられることを特徴とする蓄熱器。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの蓄熱器において、潜熱蓄熱体(x)が備える潜熱蓄熱材が固液相変態する金属又は合金からなることを特徴とする蓄熱器。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの蓄熱器において、潜熱蓄熱体(x)が充填された複数の領域(a)が設けられるとともに、該複数の領域(a)の潜熱蓄熱体(x)が備える潜熱蓄熱材は、蓄熱体への蓄熱を行う流体の流れ方向における上流側の領域(a)ほど相変態温度が高いことを特徴とする蓄熱器。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの蓄熱器において、潜熱蓄熱体(x)が備える潜熱蓄熱材の固液相変態する際の融解点(但し、固相状態にある潜熱蓄熱材の一部が融解し始める温度)をT(℃)、凝固開始点(但し、液相状態にある潜熱蓄熱材の一部が凝固し始める温度)をT(℃)とした場合において、
蓄熱部(A)における流体流れ方向において、流体から蓄熱体への蓄熱期間の終点での蓄熱体温度がT±50℃となる位置と、蓄熱体から流体への放熱期間の終点での蓄熱体温度がT±50℃となる位置との間の任意の範囲に、前記潜熱蓄熱体(x)が充填された領域(a)が設けられることを特徴とする蓄熱器。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかの蓄熱器において、蓄熱部(A)が通気性のある仕切壁を介して複数の領域(a)に区画されることを特徴とする蓄熱器。
[8]燃焼排ガスと支燃ガスを交互に通過させる蓄熱器として、上記[1]〜[7]のいずれかの蓄熱器を備えることを特徴とする蓄熱式バーナー。
[9]排ガスからの熱回収及び蓄熱を行う蓄熱器として、上記[1]〜[7]のいずれかの蓄熱器を備えることを特徴とする排熱回収システム。
[10]熱媒体の循環路において熱媒体からの熱回収及び蓄熱を行う蓄熱器として、上記[1]〜[7]のいずれかの蓄熱器を備えることを特徴とする熱媒体の循環システム。
本発明の蓄熱器で用いる潜熱蓄熱体xは、封入された潜熱蓄熱材に固有の限られた温度域で高い蓄熱性能を発揮する。本発明の蓄熱器は、蓄熱部Aを流体の流れ方向で複数の領域aに区画し、これら複数の領域aに異なる種類の蓄熱体を充填するとともに、複数の領域aのうちの少なくとも1つを、特定の潜熱蓄熱体xが充填された領域aとしたものであるため、潜熱蓄熱体xを、その性能を最大限に発揮できる温度領域(領域a)に選択的に配置できることができ、また、その他の領域aにも、その温度域に適した蓄熱体を選択的に配置することができる。すなわち、少なくとも潜熱蓄熱体xを含む異なる種類の蓄熱体を、その性能を最大限に発揮できる温度領域(領域a)に対して適材適所に配置することができる。このため、コンパクトな構造で高い熱交換性能を有し、流体からの高い熱回収量(蓄熱量)が得られる蓄熱器とすることができる。
また、本発明の蓄熱器を備えた蓄熱式バーナーは、燃焼排ガスからの高い熱回収量(蓄熱量)が得られ、この熱で支燃ガスを予熱できるため、バーナー温度が安定化し、従来の蓄熱式バーナーに較べて被加熱物をより均一に加熱することができる。
さらに、本発明の蓄熱器を備えた排熱回収システムや熱媒体の循環システムは、流体からの高い熱回収量(蓄熱量)が得られ、効率的な運転、操業を行うことができる。
本発明の蓄熱器に使用する潜熱蓄熱体xの一実施形態を示す半断面図 潜熱蓄熱材であるAl−Si共晶合金の共晶二元系状態図 本発明の蓄熱器において、蓄熱部Aを構成する領域aの配置例を示す説明図 蓄熱式バーナーが設置された加熱炉の一実施形態と、その操業状況を示す説明図 本発明の蓄熱器を備える蓄熱式バーナーの一実施形態において、蓄熱体が充填された蓄熱部Aを模式的に示す断面図 図5に示す蓄熱式バーナーの蓄熱部Aに充填された蓄熱体の温度分布と、蓄熱体(潜熱蓄熱体、顕熱蓄熱体)の融解潜熱、凝固潜熱を含めたみかけ比熱を示すグラフ 本発明の蓄熱部を備える蓄熱式バーナーの他の実施形態において、蓄熱体が充填された蓄熱部Aを模式的に示す断面図 図7に示す蓄熱式バーナーの蓄熱部Aに充填された蓄熱体の温度分布と、蓄熱体(潜熱蓄熱体)の融解潜熱、凝固潜熱を含めたみかけ比熱を示すグラフ
本発明の蓄熱器は、高温流体の熱を蓄熱し、その熱を低温流体に放出するための装置であり、蓄熱体が充填された蓄熱部Aを備え、流体(高温流体)が蓄熱部Aを一方向に通過することで当該流体から蓄熱体への蓄熱がなされ、流体(低温流体)が蓄熱部Aを逆方向に通過することで蓄熱体から当該流体への放熱がなされる。
本発明の蓄熱器は、蓄熱部Aを流体の流れ方向で複数の領域aに区画し、これら複数の領域aに異なる種類の蓄熱体を充填するとともに、複数の領域aのうちの少なくとも1つを、カプセル内に潜熱蓄熱材を封入して構成された潜熱蓄熱体x(以下、単に「潜熱蓄熱体x」という)が充填された領域aとする。
ここで、蓄熱体への蓄熱、蓄熱体からの放熱がなされる流体は、通常はガスであるが、ガス以外の流体(例えば、熱媒や冷媒として用いられる水、溶液、溶融塩など)であってもよい。
潜熱蓄熱材は、相変態(例えば固相と液相間での相変態)する際に蓄熱・放熱する材料であり、このような材料を封入したカプセル体が潜熱蓄熱体xである。この潜熱蓄熱体xも、従来から用いられているセラミックボールなどの顕熱蓄熱体と同様、流体が通過する蓄熱用空間(領域)に多数個充填され、流体との間で熱交換することにより蓄熱、放熱がなされる。
図1は、潜熱蓄熱体xの一実施形態を示す半断面図であり、カプセル1内に潜熱蓄熱材2が封入された構造を有する。本実施形態のカプセル1は球形であるが、カプセル1の形状に特に制限はない。潜熱蓄熱体xの大きさ(径)は、蓄熱部Aに充填する関係上、体積の球形換算で10〜30mm程度であるのが普通である。通常、カプセル1は半割状のカプセル部材を連結(例えば、ネジによる連結)又は接合することで構成される。
潜熱蓄熱体xが備える潜熱蓄熱材2の種類に特に制限はなく、例えば、金属又は合金、無機塩、無機水和塩、有機化合物などを用いることができる。これらの大部分は固液相変態する際に蓄熱・放熱するものであるが、固固相変態する際に蓄熱・放熱するものなどもある。また、カプセル1は、金属又は合金やセラミックなどで構成される。
また、潜熱蓄熱材2としては、特に金属又は合金からなるものが好ましく、なかでも、特許文献2に示されるような、Si及び/又はBiと、Mg、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Pd、Ag、Au、Pbの中から選ばれる1種以上の金属元素を含む合金が好ましい。この潜熱蓄熱材は、固液相変態する材料であり、周囲から熱を吸収した際に固相から液相に相変態して熱を潜熱として蓄え、周囲に熱を放出した際に液相から固相に相変態する(潜熱の放出)。この潜熱蓄熱材は、金属であるため熱エネルギーの迅速な入出力が可能であるとともに、相変態する際の体積膨張率(融解時体積膨張率)が小さいため、蓄熱密度を高くできる利点がある。また、合金を構成する各元素の組成比を変えることで、合金の相変態温度(凝固開始点など)を調整でき、幅広い温度帯の熱回収に適用することができる。
また、上記合金のなかでも、カプセルと蓄熱材の膨張、収縮の親和性の観点から、特にAl−Si共晶合金が好ましい。図2は、Al−Si共晶合金の共晶二元系状態図であり、横軸はSi含有量である。図中、Lは液相領域、α+βは固相領域、L+αとL+βは液相・固相の共存領域である。ここで、Si含有量が数%以上の合金では、融解点(但し、固相状態にある合金の一部が融解し始める温度。以下同様。)は約580℃であり、また、Si含有量が約13mass%以上の合金では、Si含有量が多いほど凝固開始点(但し、液相状態にある合金の一部が凝固し始める温度。以下同様。)は高くなる。したがって、Si含有量が約13mass%以上の合金では、融解点と凝固開始点間の温度範囲で、固液相変態によって周囲の熱を潜熱として蓄え、また潜熱として蓄えた熱を放出することができる。例えば、Al−25mass%Si共晶合金の凝固開始点は約770℃、Al−40mass%Si共晶合金の凝固開始点は約960℃、Al−60mass%Si共晶合金の凝固開始点は約1160℃であり、したがって、Al−25mass%Si共晶合金では約580〜770℃の温度範囲、Al−40mass%Si共晶合金では約580〜960℃の温度範囲、Al−60mass%Si共晶合金では約580℃〜1160℃の温度範囲において、特に高い蓄熱性能を発揮できる。ただし、Al−Si共晶合金の場合には、これらの温度範囲の中でも低温側の温度範囲おいて、より高い蓄熱性能を発揮する。
また、潜熱蓄熱材2としては上記以外に、Al−Cu合金、Cu、Al、MgClなども使用できる。ここで、Al−92mass%Cu合金では1030〜1050℃の温度範囲で、Cuでは1085℃で、Alでは660℃、MgClでは710℃で、それぞれ高い蓄熱性能を発揮できる。
本発明の蓄熱器では、蓄熱部Aの複数の領域aに異なる種類の蓄熱体を充填するとともに、複数の領域aのうちの少なくとも1つを潜熱蓄熱体xが充填された領域aとするものであり、したがって、他の領域aのうちの少なくとも1つを顕熱蓄熱体yが充填された領域aとしてもよい。この場合、例えば、顕熱蓄熱体yが充填された2つの領域a間に、潜熱蓄熱体xが充填された1つ以上の領域aを設けてもよい。顕熱蓄熱体yは、通常、粒状ないし塊状(ボール状など)の金属、合金、セラミックなどからなるもので、例えば、Alボールなどのセラミックボールを用いることができる。顕熱蓄熱体yの大きさ(径)は、蓄熱部Aに充填する関係上、体積の球形換算で10〜30mm程度であるのが普通である。
また、潜熱蓄熱体xが充填された領域aを複数設けてもよいが、この場合、効率的な蓄熱を行うために、その複数の領域aの潜熱蓄熱体xが備える潜熱蓄熱材は、蓄熱体への蓄熱を行う流体(高温流体)の流れ方向における上流側の領域aほど相変態温度が高いことが好ましい。なお、この場合の相変態温度の定義は、後述する通りである。
図3(ア)〜(ウ)は、本発明の蓄熱器における蓄熱部Aを構成する複数の領域aの配置例を示すものである。3は蓄熱部Aが設けられる容器であり、この容器3の両端に流体の出入口30、31が設けられている。蓄熱部Aは流体流れ方向において複数の領域aに区画されている。この実施形態では、蓄熱部A(容器内部)が網などの通気性のある仕切壁4で仕切られることで、複数の領域aに区画されている。
蓄熱体への蓄熱を行う流体f1(高温流体)は、出入口30から蓄熱部Aに導入され、蓄熱部Aを通過した後、出入口31から排出される。一方、蓄熱体からの放熱を行う流体f2(低温流体)は、出入口31から蓄熱部Aに導入され、蓄熱部Aを通過した後、出入口30から排出される。
なお、図3の実施形態では、蓄熱部A(容器内部)が網などの通気性のある仕切壁4で仕切られることで、複数の領域aに区画されているが、例えば、複数の領域aをそれぞれ独立した容器に設け、これら容器を連通させるような構造にしてもよい。
図3(ア)の実施形態では、蓄熱部Aは流体流れ方向において3つの領域aに区画され、中央が潜熱蓄熱体xが充填された領域a、両端が顕熱蓄熱体yが充填された領域ay1,ay2となっている。
図3(イ)の実施形態では、蓄熱部Aは流体流れ方向において3つの領域aに区画され、異なる潜熱蓄熱材を備えた潜熱蓄熱体xが充填された領域ax1〜ax3となっている。これら3つの領域ax1〜ax3の潜熱蓄熱体xが備える潜熱蓄熱材は、蓄熱体への蓄熱を行う流体f1(高温流体)の流れ方向における上流側の領域aほど相変態温度が高くなっている。すなわち、潜熱蓄熱体xが備える潜熱蓄熱材の相変態温度は、領域ax1>領域ax2>領域ax3となっている。
図3(ウ)の実施形態では、蓄熱部Aは流体流れ方向において4つの領域aに区画され、中央の2つが潜熱蓄熱体xが充填された領域ax1,ax2、両端が顕熱蓄熱体yが充填された領域ay1,ay2となっている。中央の2つの領域ax1,ax2の潜熱蓄熱体xが備える潜熱蓄熱材の相変態温度は、領域ax1>領域ax2となっている。
ここで、潜熱蓄熱材の相変態温度とは、融解点(但し、固相状態にある潜熱蓄熱材の一部が融解し始める温度。以下、「融解点」という場合は、この意味である。)、凝固開始点(但し、液相状態にある潜熱蓄熱材の一部が凝固し始める温度。以下、「凝固開始点」という場合は、この意味である。)などの1つ以上を指す。例えば、図3(イ)、(ウ)において潜熱蓄熱材として用いられるAl−Si共晶合金の場合は、相変態温度が高いとは凝固開始点が高いという意味である。
潜熱蓄熱体xが充填された領域aを設ける温度域については、当該潜熱蓄熱体xが備える潜熱蓄熱材の潜熱蓄熱特性に応じて、以下のようにすることが好ましい。すなわち、潜熱蓄熱体xが固液相変態する潜熱蓄熱材を備える場合において、その潜熱蓄熱材の固液相変態する際の融解点をT(℃)、凝固開始点をT(℃)とした場合において、蓄熱部Aにおける流体流れ方向において、流体から蓄熱体への蓄熱期間の終点での蓄熱体温度がT±50℃となる位置と、蓄熱体から流体への放熱期間の終点での蓄熱体温度がT±50℃となる位置との間の任意の範囲に、前記潜熱蓄熱体xが充填された領域aが設けられることが好ましい。なお、上記のようにT、Tに対して±50℃とするのは、若干の許容温度範囲を考慮したものである。
ここで、流体から蓄熱体への蓄熱期間、蓄熱体から流体への放熱期間は、蓄熱器が適用される装置や設備・システムにおいて、それぞれの必要に応じて決められる。
例えば、潜熱蓄熱材がAl−25mass%Si共晶合金の場合、上述したように融解点Tは約580℃、凝固開始点Tは約770℃なので、蓄熱部Aにおける流体流れ方向において、流体(例えば、蓄熱バーナーでは燃焼排ガス)から蓄熱体への蓄熱期間の終点での蓄熱体温度が580℃±50℃となる位置と、蓄熱体から流体(例えば、蓄熱バーナーでは支燃ガス)への放熱期間の終点での蓄熱体温度が770℃±50℃となる位置との間の任意の範囲に、前記潜熱蓄熱体x(Al−25mass%Si共晶合金)が充填された領域aが設けられることが好ましい。
潜熱蓄熱体xが充填された領域aを以上のように設けることにより、潜熱蓄熱材の潜熱蓄熱性能を最大限に発揮させることができる。
潜熱蓄熱体xは、封入された潜熱蓄熱材2(例えば、上記のような共晶合金)に固有の限られた温度域で高い蓄熱性能を発揮する。本発明の蓄熱器は、蓄熱部Aに設けられた複数の領域aに異なる種類の蓄熱体を充填するとともに、複数の領域aのうちの少なくとも1つを潜熱蓄熱体xが充填された領域aとするものであり、上記の通り、潜熱蓄熱体xを、その性能を最大限に発揮できる温度領域(領域a)に選択的に配置できることができる。また、その他の領域aにも、その温度域に適した蓄熱体を選択的に配置することができる。すなわち、少なくとも潜熱蓄熱体xを含む異なる種類の蓄熱体を、その性能を最大限に発揮できる温度領域(領域a)に対して適材適所に配置することができる。このため、コンパクトな構造で高い熱交換性能を有し、流体からの高い熱回収量(蓄熱量)が得られる蓄熱器とすることができる。
以下、本発明の蓄熱器を適用した蓄熱バーナーの実施形態について説明する。
図4は、蓄熱式バーナーが設置された加熱炉の一実施形態と、その操業状況を示している。
図4において、加熱炉5の両側部には、蓄熱式バーナー6a,6bが設置され、その燃焼により炉内の被加熱物S(鋼材など)が加熱される。各バーナー6a,6bのバーナー本体7には、本発明の蓄熱器8が付設されている。この蓄熱器8は、例えば、図3(ア)〜(ウ)に示すような蓄熱部Aを有している。
各バーナー6a,6bは交互に使用され(例えば、0.5〜1分毎に交互に使用される)、一方のバーナー6a又は6bの使用時に生じた高温の燃焼排ガスが、使用されていない他方のバーナー6b又は6aを通じて排気され、この際、燃焼排ガスが蓄熱器8内の蓄熱部Aを通過することで、燃焼排ガスから蓄熱体への蓄熱がなされる。また、バーナー6a又は6bの使用時には、燃焼用空気などの支燃ガス(通常、常温)が蓄熱器8の蓄熱部Aを通過してバーナー本体7内に供給され、この際、蓄熱体から支燃ガスへの放熱がなされ、支燃ガスが予熱される。
各バーナー6a,6bにおいて、蓄熱器8の両端のガス出入口のうち、一方のガス出入口はバーナー本体7に通じ、他方のガス出入口には、支燃ガスの供給と燃焼排ガスの排出を行う配管9a,9bが接続される。各配管9a,9bの末端には、支燃ガス供給用の配管10a,10bと燃焼排ガス排出用の配管11a,11bが接続されている。また、各バーナー6a,6bのバーナー本体7には、配管12a,12bを通じて燃料ガスが供給される。各バーナー6a,6bに対応した配管10a〜12a,10b〜12bには、それぞれ開閉弁13a〜15a,13b〜15bが設けられている。
以下、図4の加熱炉の操業形態について説明するが、図示した配管9a〜12a、9b〜12bのうち、太線で表している部分はガスが流れている配管部、細線で表している部分はガスが流れていない配管部である。また、開閉弁13a〜15a、13b〜15bのうち、白抜きで表したものが開状態、黒で表したものが閉状態のものである。
蓄熱式バーナーを備えた加熱炉で蓄熱燃焼を行う場合には、一定時間毎にバーナー6a,6bの燃焼を切り替える交番燃焼が行われる。切り替え時間は、概ね0.5〜5分間程度と短いのが普通である。
図4(ア)に示すように、バーナー6aが燃焼状態にある場合は、配管10a、配管9aを通じて供給される燃焼用空気などの支燃ガス(通常、常温)が蓄熱状態にある蓄熱部Aを通過し、その際に蓄熱体から支燃ガスへの放熱がなされることで支燃ガスが予熱され(例えば、予熱温度1000℃)、この予熱された支燃ガスがバーナー本体7に導入される。炉内ガスであるバーナー6aの燃焼排ガス(例えば、排ガス温度1200℃)は、バーナー6b内に吸引され、その蓄熱部Aを通過することで蓄熱体への蓄熱がなされた後、この燃焼排ガス(例えば、排ガス温度200℃)は配管11bを通じて排気ブロワ(図示せず)により排気される。
所定時間後、バーナー6a,6bの燃焼の切り替えが行われ、図4(イ)に示すように、バーナー6aの燃焼が停止され、バーナー6bを燃焼させる。このバーナー6bでは、配管10b、配管9bを通じて供給される燃焼用空気などの支燃ガス(通常、常温)が蓄熱状態にある蓄熱部Aを通過し、その際に蓄熱体から支燃ガスへの放熱がなされることで支燃ガスが予熱され(例えば、予熱温度1000℃)、この予熱された支燃ガスがバーナー本体7に導入される。炉内ガスであるバーナー6bの燃焼排ガス(例えば、排ガス温度1200℃)は、バーナー6a内に吸引され、その蓄熱部Aを通過することで蓄熱体への蓄熱がなされた後、この燃焼排ガス(例えば、排ガス温度200℃)は配管11aを通じて排気ブロワ(図示せず)により排気される。
以上のように、一方のバーナー6が燃焼状態にあるとき、加熱炉5内の燃焼排ガス(炉内ガス)は他方のバーナー6に吸引されてその蓄熱部Aを通過し、蓄熱がなされるが、この際、蓄熱部A内の蓄熱体の高温側(燃焼排ガス入側)は短時間で燃焼排ガス温度まで加熱される。蓄熱部Aを通過した燃焼排ガスは蓄熱体に熱を与えるため降温する。ここで、燃焼排ガスの吸引を継続すれば、蓄熱部Aの内部まで燃焼排ガス温度に加熱することが可能であるが、やがて蓄熱部Aの低温側(燃焼排ガス出側)でのガス温度が上昇する。蓄熱部Aを通過した燃焼排ガスは、開閉弁14を有する燃焼排ガス排出用の配管11を通じて系外に排出されるので、蓄熱部Aの低温側(燃焼排ガス出側)でのガス温度は開閉弁14の耐熱温度(通常、経済的な価格で入手できる弁では350℃程度)を超えることはできない。一方、蓄熱部Aの低温側(燃焼排ガス出側)での燃焼排ガス温度は低すぎても問題がある。すなわち、燃焼排ガス中に水分とともに硫黄分(燃料成分に由来する硫黄分)が含まれる場合、燃焼排ガスが150℃程度以下になるとガスの一部が凝縮して燃焼水が生じ、この燃焼水は配管や開閉弁を腐食させる。したがって、蓄熱部Aの低温側(燃焼排ガス出側)での燃焼排ガス温度は150〜350℃の範囲(例えば平均で180℃程度)に維持されることが好ましい。
一方、燃焼状態にあるバーナーでは、一般に常温の支燃ガス(燃焼用空気など)が蓄熱部Aを通過することで蓄熱体からの放熱により予熱された後、バーナー本体7に供給される。この予熱温度は高いほど好ましいが、例えば、蓄熱状態の蓄熱部Aの最高温度(炉内での燃焼排ガス温度)よりも200℃程度低い予熱温度が得られればよい。
以上の観点から、蓄熱式バーナーの燃焼排ガス温度(炉内ガス温度)に応じて蓄熱器8の蓄熱期間(燃焼排ガスから蓄熱体への蓄熱期間。以下同様。)、放熱期間(蓄熱体から支燃ガスへの放熱期間。以下同様。)の長さが決まり、これに基づく所定の切り替え時間でバーナー6a,6bの燃焼を切り替える。
図5は、図4に示す蓄熱式バーナーに本発明の蓄熱器を適用した場合の一実施形態において、蓄熱体が充填された蓄熱部Aを模式的に示した断面図である。また、図6は、その蓄熱部Aに充填された蓄熱体の温度分布と、蓄熱体(潜熱蓄熱体、顕熱蓄熱体)の融解潜熱、凝固潜熱を含めたみかけ比熱を示すグラフである。蓄熱体の温度分布のうち、実線が燃焼排ガスから蓄熱体への蓄熱期間の終点での温度分布、破線が蓄熱体から支燃ガスへの放熱期間の終点での温度分布である。
この実施形態の蓄熱部Aは、図3(ア)の構成を有しており、蓄熱部Aはガス流れ方向において3つの領域aに区画され、中央が潜熱蓄熱体xが充填された領域a、両端が顕熱蓄熱体yが充填された領域ay1,ay2となっている。
蓄熱部Aに流入する燃焼排ガス温度は約1100℃であり、図6によると、蓄熱期間の終点での蓄熱体温度は、蓄熱部Aの高温側(燃焼排ガス入側)で約1100℃、低温側(燃焼排ガス出側)で約320℃である。また、放熱期間の終点での蓄熱体温度は、蓄熱部Aの高温側(支燃ガス出側)で約1000℃、低温側(支燃ガス入側)で約120℃である。
本実施形態の潜熱蓄熱体xは、セラミック製のカプセル内に潜熱蓄熱材(PCM)であるAl−25mass%Si共晶合金が封入されたものであり、また、顕熱蓄熱体yはAlボールである。Al−25mass%Si共晶合金は、固液相変態する潜熱蓄熱材であり、固液相変態する際の融解点Tが約580℃、凝固開始点T(℃)が約770℃である。この潜熱蓄熱体xが充填された領域aは、蓄熱部Aにおけるガス流れ方向において、燃焼排ガスから蓄熱体への蓄熱期間の終点での蓄熱体温度が約540℃となる位置と、蓄熱体から支燃ガスへの放熱期間の終点での蓄熱体温度が約800℃となる位置との間に設けられている。ガス流れ方向における蓄熱部Aの厚さは250mmであり、その上面位置を0mm、下面位置を250mmした場合、100mm〜200mmの位置に領域aが設けられている。
図7は、図4に示す蓄熱式バーナーに本発明の蓄熱器を適用した場合の他の実施形態において、蓄熱体が充填された蓄熱部Aを模式的に示した断面図である。また、図8は、その蓄熱部Aに充填された蓄熱体の温度分布と、蓄熱体(潜熱蓄熱体)の融解潜熱、凝固潜熱を含めたみかけ比熱を示すグラフである。蓄熱体の温度分布のうち、実線が燃焼排ガスから蓄熱体への蓄熱期間の終点での温度分布、破線が蓄熱体から支燃ガスへの放熱期間の終点での温度分布である。
この実施形態の蓄熱部Aは、図3(イ)の構成を有しており、蓄熱部Aはガス流れ方向において3つの領域aに区画され、これら3つの領域は、異なる潜熱蓄熱材を備えた潜熱蓄熱体xが充填された領域ax1〜ax3となっている。これら3つの領域ax1〜ax3の潜熱蓄熱体xが備える潜熱蓄熱材は、燃焼排ガスの流れ方向における上流側の領域aほど相変態温度(凝固開始温度)が高くなっている。
図5及び図6の実施形態と同様、蓄熱部Aに流入する燃焼排ガス温度は約1100℃であり、図8によると、蓄熱期間の終点での蓄熱体温度は、蓄熱部Aの高温側(燃焼排ガス入側)で約1100℃、低温側(燃焼排ガス出側)で約320℃である。また、放熱期間の終点での蓄熱体温度は、蓄熱部Aの高温側(支燃ガス出側)で約1000℃、低温側(支燃ガス入側)で約120℃である。
領域ax1は、蓄熱部Aにおけるガス流れ方向において、燃焼排ガスから蓄熱体への蓄熱期間の終点での蓄熱体温度が約1090℃となる位置と、蓄熱体から支燃ガスへの放熱期間の終点での蓄熱体温度が約780℃となる位置との間に設けられている。領域ax2は、蓄熱部Aにおけるガス流れ方向において、燃焼排ガスから蓄熱体への蓄熱期間の終点での蓄熱体温度が約880℃となる位置と、蓄熱体から支燃ガスへの放熱期間の終点での蓄熱体温度が約400℃となる位置との間に設けられている。領域ax3は、蓄熱部Aにおけるガス流れ方向において、燃焼排ガスから蓄熱体への蓄熱期間の終点での蓄熱体温度が約560℃となる位置と、蓄熱体から支燃ガスへの放熱期間の終点での蓄熱体温度が約150℃となる位置との間に設けられている。
本実施形態の潜熱蓄熱体xも、セラミック製のカプセル内に潜熱蓄熱材(PCM)が封入されたものであり、例えば、領域ax1に充填する潜熱蓄熱体xは潜熱蓄熱材(PCM(1))がCuからなり、領域ax2に充填する潜熱蓄熱体xは潜熱蓄熱材(PCM(2))がMgClからなり、領域ax3に充填する潜熱蓄熱体xは潜熱蓄熱材(PCM(3))がAl−13mass%Si共晶合金からなる。
ガス流れ方向における蓄熱部Aの厚さは250mmであり、その上面位置を0mm、下面位置を250mmした場合、0mm〜100mmの位置に領域ax1が、100mm〜200mmの位置に領域ax2が、200mm〜250mmの位置に領域ax3が、それぞれ設けられている。
本発明の蓄熱器は、上述したように蓄熱式バーナーの蓄熱器として好適なものであるが、それ以外の種々の装置やシステムに適用できる。例えば、(i)排熱回収システムにおいて排ガスからの熱回収及び蓄熱を行う蓄熱器、(ii)熱媒体の循環システムにおいて熱媒体の循環路で熱媒体からの熱回収及び蓄熱を行う蓄熱器
などが挙げられる。また、上記(i)の排熱回収システムとしては、例えば、製鉄プロセスでの排熱回収などのためのシステムが挙げられ、上記(ii)の熱媒体の循環システムとしては、例えば、太陽熱発電システム、自動車や建設機械などのエンジン冷却システム、空調システムなどが挙げられる。
また、本発明の蓄熱器を備えた蓄熱式バーナーは、種々の被加熱物(例えば、鋼材など)の加熱設備に適用できる。この加熱設備は、本発明の蓄熱器を備えた蓄熱式バーナーを用いるため、バーナー温度が安定化し、従来の蓄熱式バーナーに較べて被加熱物をより均一に加熱することができる。
また、本発明の蓄熱器を備えた排熱回収システムや熱媒体の循環システムは、流体からの高い熱回収量(蓄熱量)が得られ、効率的な運転、操業を行うことができる。
図4に示すような蓄熱式バーナーを備えた加熱炉において、蓄熱式バーナーに従来例と本発明例の蓄熱器を適用し、蓄熱試験を実施して、それぞれの熱効率を測定した。
蓄熱式バーナーは、バーナー容量200万kcal/h/本とし、蓄熱器は、蓄熱部水平断面積0.5m、蓄熱部高さ0.27mとした。蓄熱式バーナーの使用条件としては、バーナー吸引率80%、空気比1.1、炉内燃焼排ガス温度1100℃、初期燃焼用空気温度30℃とした。
・従来例
蓄熱体としてAlボールを使用し、このAlボールを蓄熱部全体に充填した。バーナーの切替時間60秒で実施した。この従来例の排熱回収量は30Mcal/tonであった。
・本発明例1
図5に示すような構造の蓄熱器を用い、バーナーの切替時間は60秒とした。
本発明例の排熱回収量は31.5Mcal/tonであった。
・本発明例2
図7に示すような構造の蓄熱器を用いた。この蓄熱器は、領域ax1に潜熱蓄熱材(PCM(1))がCuからなる潜熱蓄熱体xを、領域ax2に潜熱蓄熱材(PCM(2))がMgClからなる潜熱蓄熱体xを、領域ax3に潜熱蓄熱材(PCM(3))がAl−13mass%Si共晶合金からなる潜熱蓄熱体xを、それぞれ充填した。バーナーの切替時間は60秒とした。本発明例の排熱回収量は32.5Mcal/tonであった。
1 カプセル
2 潜熱蓄熱材
3 容器
4 仕切壁
5 加熱炉
6a,6b バーナー
7 バーナー本体
8 蓄熱器
9a,9b,10a,10b,11a,11b,12a,12b 配管
13a,13b,14a,14b,15a,15b 開閉弁
30,31 出入口
A 蓄熱部
x 潜熱蓄熱体
y 顕熱蓄熱体
a,a,ax1,ax2,ax3,a,ay1,ay2 領域
f1,f2 流体

Claims (10)

  1. 蓄熱体が充填された蓄熱部(A)を備え、流体が蓄熱部(A)を一方向に通過することで当該流体から蓄熱体への蓄熱がなされ、流体が蓄熱部(A)を逆方向に通過することで蓄熱体から当該流体への放熱がなされる蓄熱器であって、
    蓄熱部(A)が流体の流れ方向で複数の領域(a)に区画され、これら複数の領域(a)には異なる種類の蓄熱体が充填されるとともに、複数の領域(a)のうちの少なくとも1つは、カプセル内に潜熱蓄熱材を封入して構成された潜熱蓄熱体(x)が充填された領域(a)であることを特徴とする蓄熱器。
  2. 複数の領域(a)のうちの少なくとも1つは、顕熱蓄熱体(y)が充填された領域(a)であることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱器。
  3. 顕熱蓄熱体(y)が充填された2つの領域(a)間に、潜熱蓄熱体(x)が充填された1つ以上の領域(a)が設けられることを特徴とする請求項2に記載の蓄熱器。
  4. 潜熱蓄熱体(x)が備える潜熱蓄熱材が固液相変態する金属又は合金からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蓄熱器。
  5. 潜熱蓄熱体(x)が充填された複数の領域(a)が設けられるとともに、該複数の領域(a)の潜熱蓄熱体(x)が備える潜熱蓄熱材は、蓄熱体への蓄熱を行う流体の流れ方向における上流側の領域(a)ほど相変態温度が高いことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蓄熱器。
  6. 潜熱蓄熱体(x)が備える潜熱蓄熱材の固液相変態する際の融解点(但し、固相状態にある潜熱蓄熱材の一部が融解し始める温度)をT(℃)、凝固開始点(但し、液相状態にある潜熱蓄熱材の一部が凝固し始める温度)をT(℃)とした場合において、
    蓄熱部(A)における流体流れ方向において、流体から蓄熱体への蓄熱期間の終点での蓄熱体温度がT±50℃となる位置と、蓄熱体から流体への放熱期間の終点での蓄熱体温度がT±50℃となる位置との間の任意の範囲に、前記潜熱蓄熱体(x)が充填された領域(a)が設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の蓄熱器。
  7. 蓄熱部(A)が通気性のある仕切壁を介して複数の領域(a)に区画されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の蓄熱器。
  8. 燃焼排ガスと支燃ガスを交互に通過させる蓄熱器として、請求項1〜7のいずれかに記載の蓄熱器を備えることを特徴とする蓄熱式バーナー。
  9. 排ガスからの熱回収及び蓄熱を行う蓄熱器として、請求項1〜7のいずれかに記載の蓄熱器を備えることを特徴とする排熱回収システム。
  10. 熱媒体の循環路において熱媒体からの熱回収及び蓄熱を行う蓄熱器として、請求項1〜7のいずれかに記載の蓄熱器を備えることを特徴とする熱媒体の循環システム。
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