JP2017039213A - ワーク割断方法およびワーク割断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ光の照射軌跡に対する割断線の追従性を向上させる。
【解決手段】ワーク割断方法は、圧縮応力が作用している強化層が非強化層の表面に積層されたワークWの表面Waに向かって、ワークの一端から他端までレーザ光の照射位置を変位させて、照射位置がワークの他端に達すると、他端側から一端側へ、照射位置の移動方向と逆方向にき裂が進展してワークが厚さ方向に割断され、少なくともレーザ光の照射がワークの他端に到達するときに、気体による押圧力または吸引力によって、ワークを、ワークの表面に張力が作用し、かつ、ワークの表面が移動方向に沿って直線状に延在するように湾曲した湾曲状態に保持する。
【選択図】図6
【解決手段】ワーク割断方法は、圧縮応力が作用している強化層が非強化層の表面に積層されたワークWの表面Waに向かって、ワークの一端から他端までレーザ光の照射位置を変位させて、照射位置がワークの他端に達すると、他端側から一端側へ、照射位置の移動方向と逆方向にき裂が進展してワークが厚さ方向に割断され、少なくともレーザ光の照射がワークの他端に到達するときに、気体による押圧力または吸引力によって、ワークを、ワークの表面に張力が作用し、かつ、ワークの表面が移動方向に沿って直線状に延在するように湾曲した湾曲状態に保持する。
【選択図】図6
Description
本発明は、熱応力によってワークを割断するワーク割断方法およびワーク割断装置に関する。
従来、ワークとして板状のガラスを分割する際に、前処理として、ワーク表面に溝を形成するスクライブ加工を行った上で、曲げ加工によって溝に応力を集中させて割断する方法が知られている。また、近年では、イオン交換などの化学処理によって表面に圧縮応力を持たせて強度を高めた強化層を形成し、強度を向上させた強化ガラスが普及している。強化ガラスの強化層には傷が付き難いため、強化層が形成されていないガラスに比べ、強化ガラスにスクライブ加工を施すのは困難であった。
そこで、例えば、特許文献1に記載の割断処理では、スクライブ加工を施さず、ワーク(強化層)の表面を厚さ方向に直交する方向に、ワークの一端から他端まで連続して加熱しながら、加熱された表面に水を噴霧することで、強化層の裏面側の非強化層における強化層との境界部分に破壊応力以上の熱応力を発生させている。その結果、ワークの他端まで加熱および冷却が完了すると、他端から一端に向かって瞬間的にき裂が進展して、ワークが割断される。
上記の特許文献1に記載された割断処理では、スクライブ加工を施すことなく、ワークを割断(フルカット)することができる。しかし、ワークの他端から一端に向かってき裂が進展する速度が速いことから、ワークが大型であるほど、き裂による割断線がレーザ光の照射軌跡からずれてしまう可能性が高くなる。そのため、レーザ光の照射軌跡に対する割断線の追従性を向上させる技術の開発が希求されている。
本発明の目的は、レーザ光の照射軌跡に対する割断線の追従性を向上させることが可能なワーク割断方法およびワーク割断装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のワーク割断方法は、圧縮応力が作用している強化層が非強化層の表面に積層されたワークの表面に向かって、ワークの一端から他端までレーザ光の照射位置を変位させて、照射位置がワークの他端に達すると、他端側から一端側へ、照射位置の移動方向と逆方向にき裂が進展してワークが厚さ方向に割断され、少なくともレーザ光の照射がワークの他端に到達するときに、気体による押圧力または吸引力によって、ワークを、ワークの表面に張力が作用し、かつ、ワークの表面が移動方向に沿って直線状に延在するように湾曲した湾曲状態に保持することを特徴とする。
ワークのき裂の進展速度は、ワークに対して、一端から他端側に向かうレーザ光の移動速度よりも速くてもよい。
少なくとも、レーザ光の照射がワークの他端に到達するよりも前のいずれかの時期に、ワークの他端に、き裂の始点となる切り欠き部を形成する工程をさらに含んでもよい。
レーザ光の照射開始後であって、レーザ光の照射がワークの他端に到達する前に、ワークを湾曲状態としてもよい。
ワークの裏面のうち、レーザ光の照射軌跡を挟んだ両側に吸引力を作用させて、ワークを支持する工程をさらに含んでもよい。
上記課題を解決するために、本発明のワーク割断装置は、圧縮応力が作用している強化層が非強化層の表面に積層されたワークの表面に向かって、ワークの一端から他端までレーザ光の照射位置を変位させて、照射位置がワークの他端に達すると、他端側から一端側へ、照射位置の移動方向と逆方向にき裂を進展させてワークを厚さ方向に割断し、少なくともレーザ光の照射がワークの他端に到達するときに、気体による押圧力または吸引力によって、ワークを、ワークの表面に張力が作用し、かつ、ワークの表面が移動方向に沿って直線状に延在するように湾曲した湾曲状態に保持する湾曲保持部を備えることを特徴とする。
本発明によれば、レーザ光の照射軌跡に対する割断線の追従性を向上させることができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、強化ガラスのワークWを説明するための説明図であり、ワークWの厚さ方向に平行な断面図を示す。本実施形態では、ワークWは、例えば、強化ガラスの板材(基板)などで構成される。
ワークWの表面Waには、ガラス中のアルカリイオンをよりイオン半径の大きいアルカリに交換するイオン交換処理が施されており、圧縮応力が作用する強化層L1が形成されている。すなわち、ワークWは、圧縮応力が作用している強化層L1が非強化層L2の表面に積層されている。ここでは、ワークWのうち、強化層L1でない層を非強化層L2と称する。ワークWの非強化層L2は、隣接する強化層L1に引っ張られており、非強化層L2には引張応力が作用している。
図2は、ワーク割断装置1の概略図であり、図2(a)には、ワーク割断装置1の上面図を示し、図2(b)には、ワーク割断装置1の側面図を示す。図2に示すように、ワーク割断装置1は、ワークWが載置される基台2を備える。基台2は、上面視が大凡長方形であって、上面にワークWが配される。
基台2の上面2aに配されたワークWよりも鉛直上方には、第1レール機構3aが設けられている。第1レール機構3aは、基台2上に組み付けられた複数のフレーム部材に設置されており、第1レール機構3aに載置された移動フレーム4は、不図示のモータによって、図2中、左右方向に移動可能となっている。
移動フレーム4の上面には、第2レール機構3bが設けられており、第2レール機構3bに張架された支持フレーム5は、不図示のモータによって、図2(a)中、上下方向に移動可能となっている。支持フレーム5には、レーザ照射装置6とミスト噴射装置7が固定されている。
レーザ照射装置6は、発振器6aと、ヘッド6bとを含んで構成される。発振器6aは、励起源によって媒質の電子を励起状態に遷移させ、再び基底状態に戻る際の放出光を共振器によって共振、増幅させる。本実施形態では、レーザ光は、レーザ光のエネルギーが高出力となる炭酸ガスを媒体として生成される。ヘッド6bは、発振器6aから出力されたレーザ光をワークWに向けて照射する。
上記のように、移動フレーム4は、図2(a)中、左右方向に移動可能であって、移動フレーム4と連動する支持フレーム5は、図2(a)中、上下方向に移動可能である。そのため、支持フレーム5に固定されたレーザ照射装置6およびミスト噴射装置7は、図2(a)中、左右方向および上下方向に移動可能となる。
そして、ワーク割断装置1の制御装置(不図示)は、移動フレーム4を移動させるモータ、および、支持フレーム5を移動させるモータを駆動制御し、レーザ照射装置6およびミスト噴射装置7を、ワークWに対して移動させる。
なお、ここでは、ワークWの位置が固定され、レーザ照射装置6およびミスト噴射装置7が移動する場合について説明したが、これとは逆に、レーザ照射装置6およびミスト噴射装置7の位置が固定され、ワークWが移動する構成としてもよいし、ワークWも、レーザ照射装置6およびミスト噴射装置7も移動可能としてもよい。いずれにしても、レーザ照射装置6とワークWを相対移動させ、ミスト噴射装置7が、ワークWに対するレーザ照射装置6の移動方向後方側に設けられていればよい。
そして、レーザ照射装置6は、支持フレーム5とともに、図2中、白抜き矢印の向きに移動しながら、制御装置の制御に応じて発振器6aからレーザ光を出力する。こうして、レーザ照射装置6は、ワークWの表面Waにレーザ光を照射し、ワークWのうち、図2中、右側の一端Wbから左側の他端Wcまでレーザ光の照射位置を変位させる。ミスト噴射装置7は、レーザ照射装置6より、支持フレーム5の移動方向の後方側(図2中、右側)に設けられ、制御装置の制御に応じてレーザ光が照射されたワークWの表面Waに冷却媒体を噴射する。冷却媒体としては、例えば、水を霧(ミスト)状にして用いる。
以下、図2に白抜き矢印で示す、ワークWに対するレーザ照射装置6の相対的な移動方向(すなわち、レーザ光の照射位置の移動方向)を、単にレーザ照射装置6の移動方向と称す。
図3は、ワークWに熱応力が作用する原理を説明するための説明図である。図3(a)に示すように、レーザ照射装置6によるレーザ光の照射が行われると、ワークWの強化層L1の表面(ワークWの表面Wa)が加熱される(高温域H)。強化層L1の表面の熱は、ワークWの内部の非強化層L2に伝わる。
そして、図3(b)に示すように、ミスト噴射装置7によってワークWの強化層L1の表面(ワークWの表面Wa)に冷却媒体が噴射されて冷却される(低温域C)。温度変化によって、高温域Hは膨張、低温域Cは収縮しようとするが、ワークWのうち、高温域Hおよび低温域Cの周囲の温度変化の少ない領域によって変形が抑制される。
その結果、図3(c)に白抜き矢印で示すように、高温域Hに圧縮応力が生じ、低温域Cに引張応力が生じる。こうして、ワーク割断装置1は、熱応力によって、非強化層L2における強化層L1との境界部分に、図3(c)中、黒の塗りつぶしで示すように、歪みやき裂を生じさせる。
図4は、ワークWのき裂の進展の向きについて説明するための説明図である。図4(a)中、白抜き矢印で示すように、ワークWの一端Wbから他端Wcに向かって、レーザ照射装置6によるレーザ光の照射と、ミスト噴射装置7による冷却が連続して遂行される。そうすると、図4(a)に破線で示すように、非強化層L2の歪みやき裂がレーザ光の照射軌跡に形成される。しかし、図4(a)に示す段階では、ワークWは、非強化層L2に歪みやき裂が形成されるだけで割断されない。
そして、この段階までは、ワークWの他端Wcに、き裂の始点となる切り欠き部が形成されている。
図5は、ワークWの切り欠き部Wd、Weを説明するための説明図である。図5(a)には、図4(a)の一点鎖線部分の拡大図を示す。図5(a)に示すように、ワークWの他端Wcには、レーザ照射装置6の移動方向(図5中、白抜き矢印で示す)と逆方向に窪んだ切り欠き部Wdが形成されている。
そして、図4(b)に示すように、レーザ照射装置6によるレーザ光の照射と、ミスト噴射装置7による冷却が、ワークWの他端Wcまで完遂すると、切り欠き部Wdに引張応力が集中的に作用する。
その結果、レーザ光の照射軌跡に形成された歪みやき裂から、厚み方向にき裂が進展するとともに、図4(c)中、ハッチングの矢印で示すように、ワークWの切り欠き部Wdから一端Wbに向かいレーザ光の照射軌跡に沿って(ワークに対するレーザ光の移動方向と逆方向に)き裂が進展して、ワークWが割断される。
このき裂は、瞬間的に進展してワークWを割断させる。すなわち、ワークWのき裂の進展速度は、レーザ照射装置6の移動速度(ワークWに対して一端Wbから他端Wc側に向かうレーザ光の移動速度)よりも速い。
また、ワークWの他端Wcには、切り欠き部Wdの代わりに、図5(b)に示す切り欠き部Weが形成されてもよい。図5(b)は、図4(a)におけるV(b)矢視図であり、切り欠き部Weは、ワークWの他端Wcの表面側の角に対する面取り加工によって形成される。この切り欠き部Weが形成されているだけでも、切り欠き部Wdと同様、レーザ光の照射および冷却がワークWの他端Wcまで完遂すると、ワークWの切り欠き部Weから一端Wbに向かってき裂が瞬間的に進展してワークWが割断される。
これらの切り欠き部Wd、Weは、少なくとも、レーザ光の照射がワークWの他端Wcに到達するよりも前のいずれかの時期に、制御装置が不図示の加工装置を制御してワークWの他端Wcを加工させることで形成される。
こうして、ワーク割断装置1は、スクライブ加工を施すことなく、ワークWを割断(フルカット)することができる。しかし、ワークWのうち、割断線の両側の応力バランスが偏ると、き裂による割断線がレーザ光の照射軌跡からずれる場合がある。ワークWの他端Wcから一端Wbに向かってき裂が進展する速度が速いことから、従来の割断手段よりも応力バランスの偏重による影響が大きい。
図6は、ワークWの湾曲を説明するための説明図であり、図6(a)は、図2(b)におけるVI(a)−VI(a)線断面を示し、図6(b)は、ワークWの他の配置例における図6(a)と同じ位置の断面を示す。ただし、図6では、理解を容易とするため、図2(b)中、ワークW、基台2、および、発振器6aを抽出して示す。
図6(a)に示すように、基台2の上面2aには、窪み部8が形成されている。窪み部8は、レーザ照射装置6の移動方向に沿って延在し、窪み部8の底面には噴出孔9が開口している。噴出孔9は、不図示のエアポンプと連通しており、制御装置の制御に応じてエアポンプから圧送された空気を窪み部8に噴出する。
また、基台2の上面2aには、窪み部8を挟んだ両側に多孔質チャック10が配設されている。多孔質チャック10は、窪み部8と平行に延在しており、制御装置の制御に応じてエアポンプが空気を吸引することで上面2a側を負圧にする。このように、基台2は、噴出孔9からの空気の噴出と、多孔質チャック10からの空気の吸引を、それぞれ個別にオンとオフとで切り換えられる。
窪み部8、噴出孔9、多孔質チャック10は湾曲保持部11として機能しており、少なくともレーザ光の照射がワークWの他端Wcに到達するときに、気体による押圧力または吸引力によって、ワークWを湾曲状態に保持する。
まず、ワークWのうち、レーザ光の照射予定線の裏面Wf側を窪み部8に対向させた状態で、基台2の上面2aにワークWを載置する。そして、レーザ照射装置6によるレーザ光の照射、および、ミスト噴射装置7による冷却が開始する。
その後、レーザ光の照射開始後であって、レーザ光の照射がワークWの他端Wcに到達する前に、例えば、他端Wcより予め設定された所定間隔だけ一端Wb側の位置にレーザ光の照射位置が到ると、ワーク割断装置1の制御装置は、エアポンプを駆動し、多孔質チャック10から空気を吸引させる。レーザ光の照射位置の判定は、例えば、制御装置が、移動フレーム4および支持フレーム5を移動させるモータの移動量に基づいて遂行する。
こうして、ワーク割断装置1は、図6(a)中、白抜き矢印で示すように、ワークWの裏面Wfのうち、レーザ光の照射軌跡(照射予定線)を挟んだ両側に吸引力を作用させて、ワークWを基台2の上面2aに吸い付けて支持する。
その後、図6(a)中、黒の矢印で示すように、噴出孔9から空気が噴出してワークWが押圧され、ワークWは、ワークWの表面Waが突出する向きに、照射軌跡(照射予定線)を中心に湾曲する。すなわち、ワークWは、ワークWの表面Waの中心側が突出して表面Waに張力が作用し、かつ、ワークWの表面Waが、レーザ照射装置6の移動方向に沿って直線状に延在するように湾曲する(湾曲状態)。
ワーク割断装置1では、このようにワークWを湾曲させた状態で、レーザ光の照射および冷却がワークWの他端Wcまで完遂し、ワークWの切り欠き部Wdから一端Wbに向かってき裂が瞬間的に進展する。
図6(a)に示すようにワークWが湾曲した状態では、ワークWの表面Wa側において、割断線(レーザ光の照射軌跡、レーザ光の照射予定線)に張力(引張応力)が作用している。そのため、上記の応力バランスの偏重の影響が抑えられ、割断線がレーザ光の照射軌跡からずれ難くなり、ワークWが大型化しても、レーザ光の照射軌跡に対する割断線の追従性を向上させることが可能となる。
また、図6(b)に示すように、レーザ光の照射軌跡を挟んだ両側で大きさ(重量バランス)が異なる場合、レーザ光の照射軌跡を挟んだ両側で、基台2側からワークWへの反力の差が大きくなり、ワークWの位置ずれが生じ易い。このような場合であっても、ワークWの裏面Wfのうち、レーザ光の照射軌跡を挟んだ両側に吸引力を作用させることで、ワークWの位置ずれを抑制することが可能となる。
図7は、ワーク割断処理の流れを説明するためのフローチャートである。以下、上記のワーク割断装置1を用いたワーク割断方法について詳述する。
(設置S110)
まず、ワークWのうち、レーザ光の照射予定線の裏面側を窪み部8に対向させた状態で、基台2の上面2aにワークWを載置する。
まず、ワークWのうち、レーザ光の照射予定線の裏面側を窪み部8に対向させた状態で、基台2の上面2aにワークWを載置する。
(切欠処理S120)
制御装置は、加工装置を制御してワークWの他端Wcに切り欠き部Wdを形成させる。
制御装置は、加工装置を制御してワークWの他端Wcに切り欠き部Wdを形成させる。
(開始S130)
制御装置は、モータを駆動し、レーザ照射装置6およびミスト噴射装置7の移動を開始させるとともに、レーザ照射装置6に、ワークWの表面Waに向かってレーザ光を照射させることで、ワークWの一端Wbから他端Wcに向かってレーザ光の照射位置を変位させる。また、制御装置は、ミスト噴射装置7に、レーザ光が照射されたワークWの表面Waへの冷却媒体の噴射を開始させる。
制御装置は、モータを駆動し、レーザ照射装置6およびミスト噴射装置7の移動を開始させるとともに、レーザ照射装置6に、ワークWの表面Waに向かってレーザ光を照射させることで、ワークWの一端Wbから他端Wcに向かってレーザ光の照射位置を変位させる。また、制御装置は、ミスト噴射装置7に、レーザ光が照射されたワークWの表面Waへの冷却媒体の噴射を開始させる。
(湾曲開始判定S140)
制御装置は、他端Wcより所定間隔だけ一端Wb側の位置にレーザ光の照射位置が到達したか否かを判定する。他端Wcより所定間隔だけ一端Wb側の位置にレーザ光の照射位置が到達したと判定されると、吸引開始処理S150に処理を移し、他端Wcより所定間隔だけ一端Wb側の位置にレーザ光の照射位置が到達したと判定されないと、当該湾曲開始判定S140を繰り返す。
制御装置は、他端Wcより所定間隔だけ一端Wb側の位置にレーザ光の照射位置が到達したか否かを判定する。他端Wcより所定間隔だけ一端Wb側の位置にレーザ光の照射位置が到達したと判定されると、吸引開始処理S150に処理を移し、他端Wcより所定間隔だけ一端Wb側の位置にレーザ光の照射位置が到達したと判定されないと、当該湾曲開始判定S140を繰り返す。
(吸引開始処理S150)
制御装置は、エアポンプによって多孔質チャック10から空気を吸引し、ワークWの裏面Wfのうち、レーザ光の照射軌跡を挟んだ両側に吸引力を作用させて、ワークWを基台2の上面2aに吸い付けて支持する。
制御装置は、エアポンプによって多孔質チャック10から空気を吸引し、ワークWの裏面Wfのうち、レーザ光の照射軌跡を挟んだ両側に吸引力を作用させて、ワークWを基台2の上面2aに吸い付けて支持する。
(押圧開始処理S160)
制御装置は、エアポンプによって噴出孔9から空気を噴出し、ワークWを押圧させ、湾曲保持部11にワークWを湾曲状態に支持(維持)させる。この間、ワークWの一端Wbから他端Wc側に向かうレーザ光の照射と冷却が継続して遂行されるものの、他端Wcまでは到達していない。
制御装置は、エアポンプによって噴出孔9から空気を噴出し、ワークWを押圧させ、湾曲保持部11にワークWを湾曲状態に支持(維持)させる。この間、ワークWの一端Wbから他端Wc側に向かうレーザ光の照射と冷却が継続して遂行されるものの、他端Wcまでは到達していない。
(割断処理S170)
ワークWが湾曲状態に支持された状態で、レーザ照射装置6によるレーザ光の照射およびミスト噴射装置7による冷却が、ワークWの他端Wcまで到達し、レーザ光の照射軌跡に沿って、他端Wcから一端Wbに向かってワークWにき裂が進展し、ワークWが割断される。ここでは、理解を容易とするため、当該割断処理S170を上記のS130〜S160と区別して説明したが、ワークWの割断は、S130〜S160の処理の結果としてなされるものであり、割断処理S170として別個の処理が遂行されるわけではない。
ワークWが湾曲状態に支持された状態で、レーザ照射装置6によるレーザ光の照射およびミスト噴射装置7による冷却が、ワークWの他端Wcまで到達し、レーザ光の照射軌跡に沿って、他端Wcから一端Wbに向かってワークWにき裂が進展し、ワークWが割断される。ここでは、理解を容易とするため、当該割断処理S170を上記のS130〜S160と区別して説明したが、ワークWの割断は、S130〜S160の処理の結果としてなされるものであり、割断処理S170として別個の処理が遂行されるわけではない。
(終了処理S180)
制御装置は、モータを停止させてレーザ照射装置6およびミスト噴射装置7の移動を停止させるとともに、レーザ照射装置6によるレーザ光の照射、ミスト噴射装置7による冷却を停止させる。また、制御装置は、エアポンプを停止させる。
制御装置は、モータを停止させてレーザ照射装置6およびミスト噴射装置7の移動を停止させるとともに、レーザ照射装置6によるレーザ光の照射、ミスト噴射装置7による冷却を停止させる。また、制御装置は、エアポンプを停止させる。
上述したように、ワークWが湾曲した状態では、ワークWの表面Wa側において、割断線に引張応力が作用しているため、応力バランスの偏重の影響が抑えられ、レーザ光の照射軌跡に対する割断線の追従性を向上させることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上述した本実施形態では、レーザ照射装置6が、炭酸ガスを媒体とする場合について説明したが、媒質は炭酸ガスに限られない。また、非強化層L2における強化層L1との境界部分に、歪みやき裂を生じさせることができれば、例えば、レーザ照射装置6として、パルス発振を行うパルスレーザを用いてもよい。この場合、パルスレーザのレーザ光は、ワークWの強化層L1を透過して、直接、非強化層L2における強化層L1との境界部分に、歪みやき裂を生じさせることができることから、ミスト噴射装置7による冷却は不要となる。
また、上述した実施形態では、基台2に設けられた噴出孔9から噴出する空気の押圧力によってワークWを湾曲状態とする場合について説明したが、ベルヌーイチャックなどで、ワークWの表面Wa側を吸引することでワークWを湾曲状態としてもよい。
また、上述したように、ワークWの他端Wcから一端Wbに向かうき裂の進展速度は、ワークWに対して、一端Wbから他端Wc側に向かうレーザ光の移動速度よりも速い。そのため、本来、割断線がレーザ光の照射軌跡からずれ易いことから、上述したワーク割断方法が好適に用いられる。
また、上述した実施形態では、レーザ光の照射が開始する前に、切り欠き部Wdを形成する場合について説明したが、レーザ光の照射を開始後、レーザ光の照射がワークWの他端Wcに到達するよりも前に、切り欠き部Wdを形成してもよい。いずれにしても、切り欠き部Wd、Weを、レーザ光の照射がワークWの他端Wcに到達するよりも前のいずれかの時期に形成することで、確実に、ワークWの他端Wcから一端Wbにき裂が進展する。
また、上述した実施形態では、レーザ光の照射開始後であって、レーザ光の照射がワークWの他端Wcに到達する前に、ワークWを湾曲状態とする場合について説明したが、レーザ光の照射開始前にワークWを湾曲状態にしてもよい。ただし、レーザ光の照射開始後にワークWを湾曲状態とすることで、ワークWを湾曲状態に支持するための空気の噴出や吸引に要するエネルギーを抑制できる。また、ワークWを湾曲状態とする前にレーザ光を照射した部位については、ワークWの湾曲に伴うワークWの位置ずれの影響を受けずに、レーザ光の照射位置の位置精度を高く維持できる。
また、上述した実施形態では、ワークWの裏面Wfのうち、レーザ光の照射軌跡を挟んだ両側に吸引力を作用させて、ワークWを支持する場合について説明したが、レーザ光の照射軌跡を挟んだ両側に吸引力を作用させなくてもよい。ただし、レーザ光の照射軌跡を挟んだ両側に吸引力を作用させることでワークWの位置ずれを抑制できる。特に、図6(b)に示すように、レーザ光の照射軌跡を挟んだ両側で重量バランスが異なる場合、レーザ光の照射軌跡を挟んだ両側で、基台2側からワークWへの反力の差が大きくなり、ワークWの位置ずれが生じ易い。そのため、このような場合に、ワークWの裏面Wfのうち、レーザ光の照射軌跡を挟んだ両側に吸引力を作用させる処理が好適に用いられる。
本発明は、熱応力によってワークを割断するワーク割断方法およびワーク割断装置に利用することができる。
L1 強化層
L2 非強化層
W ワーク
Wa 表面
Wb 一端
Wc 他端
Wd 切り欠き部
We 切り欠き部
Wf 裏面
1 ワーク割断装置
11 湾曲保持部
S120 切欠処理
S150 吸引開始処理
L2 非強化層
W ワーク
Wa 表面
Wb 一端
Wc 他端
Wd 切り欠き部
We 切り欠き部
Wf 裏面
1 ワーク割断装置
11 湾曲保持部
S120 切欠処理
S150 吸引開始処理
Claims (6)
- 圧縮応力が作用している強化層が非強化層の表面に積層されたワークの表面に向かって、該ワークの一端から他端までレーザ光の照射位置を変位させて、該照射位置が該ワークの他端に達すると、該他端側から該一端側へ、該照射位置の移動方向と逆方向にき裂が進展して該ワークが厚さ方向に割断されるワーク割断方法であって、
少なくとも前記レーザ光の照射が前記ワークの他端に到達するときに、気体による押圧力または吸引力によって、該ワークを、該ワークの表面に張力が作用し、かつ、該ワークの表面が前記移動方向に沿って直線状に延在するように湾曲した湾曲状態に保持することを特徴とするワーク割断方法。 - 前記ワークのき裂の進展速度は、該ワークに対して、前記一端から他端側に向かう前記レーザ光の移動速度よりも速いことを特徴とする請求項1に記載のワーク割断方法。
- 少なくとも、前記レーザ光の照射が前記ワークの他端に到達するよりも前のいずれかの時期に、該ワークの他端に、前記き裂の始点となる切り欠き部を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載のワーク割断方法。
- 前記レーザ光の照射開始後であって、該レーザ光の照射が前記ワークの他端に到達する前に、該ワークを前記湾曲状態とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のワーク割断方法。
- 前記ワークの裏面のうち、前記レーザ光の照射軌跡を挟んだ両側に吸引力を作用させて、該ワークを支持する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のワーク割断方法。
- 圧縮応力が作用している強化層が非強化層の表面に積層されたワークの表面に向かって、該ワークの一端から他端までレーザ光の照射位置を変位させて、該照射位置が該ワークの他端に達すると、該他端側から該一端側へ、該照射位置の移動方向と逆方向にき裂を進展させて該ワークを厚さ方向に割断するワーク割断装置であって、
少なくとも前記レーザ光の照射が前記ワークの他端に到達するときに、気体による押圧力または吸引力によって、該ワークを、該ワークの表面に張力が作用し、かつ、該ワークの表面が前記移動方向に沿って直線状に延在するように湾曲した湾曲状態に保持する湾曲保持部を備えることを特徴とするワーク割断装置。
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JP2015160355A JP2017039213A (ja) | 2015-08-17 | 2015-08-17 | ワーク割断方法およびワーク割断装置 |
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