JP2017039195A - 金属製品に対する模様の形成方法及び模様付き金属製品 - Google Patents

金属製品に対する模様の形成方法及び模様付き金属製品 Download PDF

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Abstract

【課題】視覚効果を利用して立体的に認識し得る模様をブラスト法によって形成する方法を提供する。
【解決手段】金属製品W表面の所定の領域に対し,10μm〜200μmの球状粒体を,5°〜45°の傾斜角度で,所定の噴射方向に噴射するブラスト処理を行うことにより光沢面である第1光沢部10を形成し,前記金属製品W表面の他の領域に対し,10μm〜200μmの球状粒体を,5°〜45°の傾斜角度で,前記第1光沢部10に対する噴射方向とは異なる所定の噴射方向に噴射するブラスト処理を行うことにより,光沢面である第2光沢部20を形成し,第1光沢面10と第2光沢面20の反射方向の相違に基づく明度差により表出される模様を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は金属製品に対し,図形や記号,絵,文字,その他の模様(本発明において,これらを総称して「模様」という。)を形成する方法及び前記模様が形成された金属製品に関し,より詳細には,立体的に見える視覚効果を有する模様をブラスト加工によって金属製品の表面に形成する方法及び前記模様が形成された金属製品に関する。
なお,本発明において「金属製品」とは,模様を形成することが可能な,金属製の表面を有する製品を広く含み,製品の全体が金属によって形成されている場合の他,例えばプラスチック母材,セラミックス母材の表面にメタライズによって金属蒸着膜が形成されている製品等も,本願で処理対象とする「金属製品」に含む。
また,本発明におけるブラスト加工は,砥粒やショット等の噴射粒体を被加工物に噴射,衝突させて行う加工を広く含み,噴射方式としては,気体や液体等を圧縮して得た圧縮流体と共に噴射粒体を噴射する場合の他,遠心力や回転するインペラによる打撃等を利用して噴射粒体を噴射するものについても広く含む。
砥粒を噴射して被加工物の表面を切削するサンドブラストによって模様を形成する処理は,従来からコップやガラス,鏡等のガラス製品に対する装飾模様の形成,石碑や墓石等の石材に対する文字の彫り込み等に際し,広く利用されている。
このようなサンドブラストによる模様の形成は,ゴムシート等の耐サンドブラスト性のあるマスク材で切削部分を除いてガラス製品や石材の表面を覆い,マスク材で覆われていない部分に砥粒を噴射し,衝突させて,この部分を切削することにより行われる。
このようなサンドブラストによって形成する模様には,これに特殊な意匠的な効果を付与することも提案されており,一例として,娯楽性に優れているとともに,容易に模様の加工を施すことが可能な模様付きグラス(コップ)の提供を目的として,グラスの内表面にサンドブラスト加工によって模様を形成すると共に,外表面に内表面に形成した模様と関連する模様を形成し,内表面に形成した模様を,グラス内に飲料が充填された際に外側から認識できないようにすることで,グラス内に充填された飲料の残量によって意匠性が変化するように構成した模様付きグラス等も提案されている(特許文献1参照)。
なお,サンドブラストによる模様の形成に関するものではないが,錯視による視覚効果を利用することで,印刷された画像を立体的に認識させる技法として,「レンティキュラー」が知られている。
このレンティキュラーは,半円筒状の凸レンズを縦に細かく並べてシート状に形成したもので,その背面に,微細に分割された画像を配置して,凸レンズにより左右の眼でそれぞれ異なる画像が見えるようにすることで,視差により生じる錯覚を利用することで,特殊なメガネなどを用いることなく,画像が立体的に見える等の視覚効果を得ることができるものとなっている(非特許文献1)。
特開2010−29672号公報
「IT用語辞典 バイナリ」の「レンティキュラー」欄の解説(http://www.weblio.jp/content/%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%BC)
以上で説明したように,サンドブラストは,ガラス製品や石材等に対し模様を形成するために広く利用されており,これらの材質のみならず,例えば金属材料に対しても同様にサンドブラスト加工によって模様を形成することもできる。
また,サンドブラストにより形成する模様は,切削部分を深く彫り込むことで,形成する模様を立体的に表現することも可能である。
更に,サンドブラストで形成された模様は,液体等と接触して表面の凹凸に液体が入り込むと,目視によっては認識し難くなるという特性を有することから,前述した特許文献1として紹介したように,グラスの内面に対しサンドブラストによる模様を形成したグラスでは,グラス内に充填する飲料の残量によって意匠が変化する等の娯楽性を備えた模様を形成することも可能である。
しかし,サンドブラストによって形成された模様が有する上記の特性は,形成された模様に立体感を与えるものではない。
そのため,サンドブラストによって立体的な模様を形成しようした場合,模様に立体感が出る迄,模様部分を彫り下げ,あるいは浮き彫りにする等,模様が実際に立体的な形状となる迄,加工を施すことが必要となる。
その結果,サンドブラストによって立体模様を形成する場合,加工に長時間を要すると共に,処理対象とする製品は,深く切削することができるだけの肉厚を有することが必要で,しかも,この切削によって生じる強度低下等によっても破損等しないものでなければならず,処理対象とすることができる製品は限定される。
なお,立体形状を現実には備えていないが,視差に伴う錯視を利用して,視覚上,あたかも立体的な形状を有しているかの如く認識させる印刷技術として,「レンティキュラー」が公知であることは前述した通りである。
しかし,この方法で画像を立体的に認識できるようにするためには,凸レンズによって左右の眼でそれぞれ別個の画像が見えるよう,各画像をそれぞれ短冊状に微細に分断して印刷し,この印刷された画像上の正確な位置に,レンティキュラーの各凸レンズを配置することが必要で,レンティキュラーによる立体像の認識は,高度な印刷技術によって達成されるものであって,サンドブラストによる模様の形成に応用することができるものではない。
本発明は,上記従来技術における欠点を解消するために成されたものであり,ブラスト法という比較的簡単な方法で形成することができるものでありながら,被加工物の表面を深く彫り込むことなく,視覚効果を利用して立体的に認識し得る模様を形成する方法を提供することで,比較的肉薄の金属製品や,プラスチック母材やセラミックス母材上に形成された金属膜等に対しても立体的に認識され得る模様を形成することのできる模様の形成方法,及び前記方法で模様が形成された金属製品を提供することを目的とする。
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本願発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
上記目的を達成するための,本発明の金属製品に対する模様の形成方法は,
金属製品W表面の所定の領域に対し,球状粒体を所定の噴射方向に傾斜させて噴射するブラスト処理を行うことにより,光沢面である第1光沢部10を形成する工程と,
前記金属製品W表面の他の領域に対し,球状粒体を,前記第1光沢部10に対する噴射方向とは異なる所定の噴射方向に傾斜させて噴射するブラスト処理を行うことにより,光沢面である第2光沢部20を形成する工程を含み,
前記第1光沢部10と第2光沢部20から成る模様を形成することを特徴とする(請求項1)。
前記第1光沢部10及び第2光沢部20の形成時におけるブラスト処理は,10μm〜200μmの球状粒体を,5°〜45°の傾斜角度で噴射することにより行うことができる(請求項2)。
更に,前記第1光沢部10と前記第2光沢部20の境界の少なくとも一部に,前記第1光沢部10及び前記第2光沢部20よりも光沢度の低い乱反射部30’をエッチングにより形成することが好ましい(請求項3)。
また,前記第1光沢部10及び前記第2光沢部20の形成前に,
前記第1光沢部10及び前記第2光沢部20を形成する領域の全体に対し,エッチングにより凹凸面30を形成する工程を更に設け,
該凹凸面30を,前記第1光沢部10と前記第2光沢部20の境界の少なくとも一部に残存させることにより,前記第1光沢部10及び前記第2光沢部20よりも光沢度の低い乱反射部30’を形成するものとしても良い(請求項4)。
更に,前記乱反射部30’を形成するための前記エッチングは,砥粒を噴射するブラスト加工により行うことができ(請求項5),
前記エッチングのための前記ブラスト加工を,♯14〜♯1000の砥粒を噴射圧力0.1〜0.6MPaで噴射することにより行うことができる(請求項6)。
また,表面に模様が形成された本発明の金属製品Wは,
ブラストにより形成された第1光沢部10と第2光沢部20から成る模様を表面に備え,
前記第1光沢部10と第2光沢部20が,異なる傾斜方向である光沢表面を有することを特徴とする(請求項7)。
上記構成の金属製品Wにおいて,前記第1光沢部10と前記第2光沢部20の境界の少なくとも一部に,エッチングによって形成された乱反射部30’を設けることが好ましい(請求項8)。
この場合,前記乱反射部30’の光沢度を,前記第1光沢部10及び第2光沢部20の光沢度に対し低く形成することが好ましい(請求項9)。この乱反射部30’を形成するための前述のエッチングは,砥粒を噴射して行うブラスト加工とすることができる(請求項10)。
以上で説明した本発明の構成により,本発明の模様形成方法によれば,以下の顕著な効果を得ることができた。
球状粒体を所定の噴射方向に傾斜させて噴射して第1光沢部10を形成すると共に,同様にして砥粒を前記第1光沢部10に対する噴射方向とは異なる所定の噴射方向に傾斜させて噴射することにより第2光沢部20を形成したことで,両部分の噴射方向の相違により,第1光沢部10と第2光沢部20には,異なる傾斜方向の光沢表面が形成されることで,同時に同一方向からの光が入射した場合,第1光沢部10に入射した光と,第2光沢部20に入射した光とが,それぞれ異なる方向に反射されることとなり,この反射方向の相違によって,第1光沢部10と第2光沢部20を同時に観察した際,両部分に明度差が生じることで,第1光沢部10の形成パターンと,第2光沢部20の形成パターンの組み合わせから成る模様を形成することができた。
この模様は,前述したように第1光沢部10と第2光沢部20の明度差として認識されるものであることから,錯視によって高低差があるように見える視覚効果を発揮する。
その結果,本発明の方法で形成された模様は,立体感あるものとして認識することができ,ブラスト加工により数μm程度切削しただけで,その数百倍〜数千倍に当たる数mm程度の高低差のある立体模様の如く認識し得るものとすることができた。
このように,本発明の方法では,模様の立体感は錯視によってもたらされるものであることから,実際に金属製品の表面を深く,立体的となる迄彫り込むことは必要でなく,その結果,比較的肉薄の金属製品に対しても立体感のある模様を形成することができ,例えば金属母材上に形成されためっき層,プラスチック母材,セラミックス母材上に蒸着等の方法で形成された金属被膜等に対しても,母材を露出させることなく本発明の方法によって立体的な模様を形成することができた。
しかも,第1光沢部10と第2光沢部20の明度差は,前述したように,球状粒子の噴射方向の相違によってもたらされた,光沢表面の傾斜方向の相違に基づく光の反射方向の相違によって得られるものであることから,この明度差は,見る角度を変化させることにより変化,逆転するものとなっており,金属製品Wの表面に形成した模様を,動きのある変化に富んだものとすることができた。
特に,第1光沢部10と第2光沢部20の境界の少なくとも一部に,乱反射部30’,好ましくは第1光沢部10や第2光沢部20よりも光沢度の低い乱反射部30’を設けた構成にあっては,乱反射部30’が,第1光沢部10と第2光沢部20の高低差によって生じた「陰影」として認識されることで,錯視がより一層助長され,本発明の方法で形成した模様に,より一層の立体感を与えることができた。
本発明の模様形成方法の説明図。 第1光沢部を更に複数部分に分割して加工を行う場合の説明図。 本発明の模様形成方法の変形例を示した説明図。 本発明の模様形成方法で形成された模様の作用説明図。 本発明の方法で模様を形成したアルミ板の表面を撮影した写真(全体図)。 本発明の方法で模様を形成したアルミ板の表面を撮影した写真であり,(A)は模様を左側から,(B)は模様を右側から撮影した写真。 本発明の方法で模様を形成したアルミ板の表面を撮影した写真であり,(A)は模様を左側から,(B)は模様を右側から撮影した写真。 本発明の方法で模様を形成したアルミ板の表面顕微鏡写真(3000倍)。 図8の矢示A部分の断面曲線。 第1光沢部の(A)は表面顕微鏡写真,(B)は立体像。 第2光沢部の(A)は表面顕微鏡写真,(B)は立体像。 乱反射部の(A)は表面顕微鏡写真,(B)は立体像。 第1光沢部の表面を斜めから撮影した電子顕微鏡写真。 第2光沢部の表面を斜めから撮影した電子顕微鏡写真。 乱反射部の表面を斜めから撮影した電子顕微鏡写真。 図13〜図15の撮影方法の説明図。
次に,本発明の実施形態につき添付図面を参照しながら以下説明する。
〔処理対象〕
本発明の模様形成方法の適用対象とする金属製品Wの範囲は特に限定されず,模様を形成することができる金属製の表面を有するものであれば各種の金属製品を適用対象とすることができ,
一例として,金属板に対し本発明の方法で模様を形成することによるネームプレートや記念碑等の作成,金属洋食器や装飾品,時計側やその他のケーシング類等の各種金属製品に対する装飾模様の形成や,製造者のロゴマークの刻印等,各種の金属製品に対し適用可能であり,また,本発明の方法では,錯視により立体感を付与するものであって,実際に金属製品Wを立体的に彫り込む必要が無いことから,比較的肉薄の材料に対しても適用可能である。
また,対象とする金属製品Wの材質は,ブラストによる加工が可能なものであれば特に限定されず,一例として本実施形態にあっては,アルミ合金製の金属製品,及びステンレス(SUS)製の金属製品を処理対象としたが,これらの材質に限定されず,貴金属等を含め,各種金属材料から成る金属製品に対し本発明の模様形成方法を適用可能である。
なお,本発明の方法は,金属の表面に対し行う加工であるため,対象となる金属製品は,表面に金属が露出している必要がある。
従って,母材を金属とする製品であっても,表面全体に塗装が施されているもの等,金属の露出がないものについては処理対象とすることはできないが,金属母材の表面に形成されためっき層や,プラスチック母材やセラミックス母材の表面にメタライズによって形成された金属被膜等であっても,本発明で処理対象とする金属製品とすることができる。
〔模様の形成方法〕
本発明の方法による模様の形成は,一例として,以下の手順によって行う。
(1)凹凸面の形成
後述する第1光沢部10及び第2光沢部20の形成を開始する前に,第1光沢部10及び第2光沢部20を形成する全範囲に,エッチングにより図1(A)に示すように凹凸面30を形成する。
この凹凸面30の形成は,本実施形態にあっては,金属製品Wの表面に対し,♯14〜♯1000の砥粒を,0.1〜0.6MPaの噴射圧力,5°〜90°の噴射角度で噴射して行うブラスト加工によって行うものとしたが,凹凸面30を形成可能であれば,ブラスト加工に限定されず,既知の各種のエッチング方法を適用可能である。
この凹凸面30は,その後に形成する第1光沢部10と第2光沢部20の境界部分に残すことで,第1光沢部10と第2光沢部20に比較して低光沢度の乱反射部30’を形成するために行う処理であり,乱反射部30’を設けない場合には必ずしも必要としない工程であるが,乱反射部30’を設けない場合においても行っても良い。
なお,凹凸面30(後の乱反射部30’)は,後述する第1光沢部10や第2光沢部20との相対的な関係で,光沢度の低い部分となるよう形成するものであることから,使用する砥粒の粒径,噴射圧力等の処理条件は,後述する第1光沢部10や第2光沢部20の形成条件との関係を考慮して,これらの面に対し低光沢度の面となるよう,前述した範囲内において決定する。
砥粒の噴射に使用する噴射装置としては,砥粒を噴射する既知のブラスト加工装置全般を使用可能で,砥粒の噴射に圧縮流体を使用するものの他,遠心力や回転するインペラの打撃によって噴射するもの等,各種の噴射装置を使用可能である。
砥粒の噴射を,圧縮流体と共に行う場合,使用する圧縮流体は気体であっても液体であっても,更には気体と液体の混合流体であっても良い。
本実施形態にあっては,圧縮空気と共に砥粒を噴射する,既知のエア式のブラスト加工装置を使用して砥粒の噴射を行った。
このようなエア式のブラスト加工装置としては,圧縮気体の噴射により生じた負圧を利用して研磨材を噴射するサクション式のブラスト加工装置,研磨材タンクから落下した研磨材を圧縮気体に乗せて噴射する重力式のブラスト加工装置,研磨材が投入されたタンク内に圧縮気体を導入し,別途与えられた圧縮気体供給源からの圧縮気体流に研磨材タンクからの研磨材流を合流させて噴射する直圧式のブラスト加工装置,及び,上記直圧式の圧縮気体流を,ブロワーユニットで発生させた気体流としてこれに乗せて噴射するブロワー式ブラスト加工装置等が市販されているが,これらはいずれも前述した噴射粒体の噴射に使用可能である。
使用する砥粒としては,金属製品の表面を切削可能なものであれば各種材質のものを使用可能であるが,好ましくは処理対象とする金属製品の母材よりも高硬度の,多角形の砥粒を使用する。
一例として,ここで使用する砥粒の材質としては,スチール系,ステンレス系,アランダム,カーボランダム等を挙げることができ,その形状は,球状,多角形状等,各種形状のものであって良い。
また,この凹凸面30の形成では,形成される凹凸面30の表面に形成された凹凸が,一定の方向性(傾斜方向)を持たないように形成することが好ましく,好ましくは金属製品の表面に対し噴射角度を5°〜90°の範囲として行い,より好ましくは噴射角度を90°として行う。
(2)マスキング
以上のようにして,凹凸面30が形成された金属製品Wの表面は,図1(B)に示すように第1光沢部10を形成する部分を除き,耐ブラスト性を有するマスク材M1によって覆うことで,マスク材M1を貼着した部分に加工が及ばないようにする。
本実施形態にあっては,模様を構成する文字や図形の形成部分である第1光沢部10を先に形成し,その後,第1光沢部10を除く余白あるいは背景となる部分である第2光沢部20を形成する構成について説明するが,第1光沢部10と第2光沢部20の形成順は,本実施形態で説明する順番とは逆に,先に第2光沢部20を形成し,その後第1光沢部10を形成するものとしても良い。
使用するマスク材M1としては,耐ブラスト性を有すると共に,第1光沢部10を形成する所定領域以外に加工が及ばないよう金属製品Wの表面に対し密着し得るものであれば既知の各種のマスク材M1を使用可能であり,本実施形態にあっては,形成する模様のパターンに対応して型抜きを行った樹脂製のマスキングテープを貼着してマスキングを行った。
(3)第1光沢部の形成
以上のようにして,第1光沢部10を形成する所定の領域を除き,金属材料Wの表面をマスク材M1で覆った後,図1(C)に示すように,圧縮流体と共に10μm〜200μmの球状粒子を5°〜45°の傾斜角,0.1〜0.6MPaの噴射圧力で,所定の噴射方向で噴射し,マスク材M1によって覆われていない領域に,光沢面である第1光沢部10を形成する。
ここで使用する球状粒子の噴射装置としては,前述した凹凸面30の形成に使用したと同様,既知の各種のブラスト加工装置を使用することが可能であり,本実施形態にあっては,一例としてエア式のブラスト加工装置を使用した。
また,本工程で使用する球状粒子としては,「ビーズ」や「ショット」等の呼称で市販されている,金属系,セラミックス系,ガラス系のブラスト加工用の噴射材を使用することができる。
このうち,金属系のものとしては,スチール系,ステンレス系の球状粒子等を挙げることができ,また,セラミックス系のものとしては,アランダム,カーボランダム,ジルコン製の球状粒子等を挙げることができ,更にガラス系のものとしてはガラスビーズを挙げることがてきる。
このようにして,球状粒子を所定の傾斜角で傾斜させて噴射すると,前工程で形成されていた凹凸面30の各凹凸に対し,球状粒子が側方より衝突して凹凸面30をならして表面粗さを低減させることで,光沢面である第1光沢部10が形成される。
この第1光沢部10は,前述したように球状粒子を所定の傾斜角度で傾斜させ,且つ,所定の噴射方向で噴射(図示の例では,紙面右側から左側に向けて噴射)することにより形成されるものであることから,第1光沢部10の表面に形成される微細な凹凸には,図1(C)に模式的に示したように,この噴射方向に対応して,凹凸の山頂が噴射方向の下流側に向く,所定の傾斜方向が与えられることとなる。
なお,マスク材M1により覆われていない領域のうち,噴射方向上流側におけるマスク材M1の縁によって陰となる部分〔図1(C)中,破線の円で囲んだ部分〕には,球状粒子が衝突せずに,凹凸面30が僅かな範囲で残った状態となる。
このようにして,第1光沢部10を形成した後,次工程に移る前に,金属製品の表面を覆っていたマスク材M1はこれを除去する〔図1(D)〕。
(4)再マスキング
以上のようにして第1光沢部10を形成し,マスク材M1の除去を行った後,図1(E)に示すように,文字や図形等の模様となる部分である第1光沢部10に対し,余白や背景の部分となる第2光沢部20の形成領域を除き,マスク材M2を貼着して,マスク材M2の貼着部分に加工が及ばないようこれを保護する。
使用するマスク材M2としては,第1光沢部10の形成時に使用したと同様,各種のマスク材が使用可能であり,本実施形態にあっては,第1光沢部10の形成時と同様,第2光沢部20の形成パターンに対応する部分を切り抜いた耐ブラスト性を有する樹脂製マスキングテープを使用してマスキングを行った。
マスキングは,前述した第1光沢部10の形成位置と,この第1光沢部10の境界部分に形成された,後述する乱反射部30’となる凹凸面30の一部を覆うように行い,その他の部分を露出させて第2光沢部20の形成領域とした。
(5)第2光沢部の形成
以上で説明したように,第2光沢部20の形成領域を除いて金属製品Wの表面にマスク材M2を貼着した後,マスク材M2の貼着されていない部分に対し,図1(F)に示すように,圧縮流体と共に10μm〜200μmの球状粒子を5°〜45°の傾斜角で,噴射圧力0.1〜0.6MPaで噴射して,第2光沢部20を形成する。
球状粒子の噴射に使用する噴射装置としては,前述した凹凸面30の形成や第1光沢部10の形成に使用したと同様,既知の各種のブラスト加工装置を使用することができる。
また,噴射する球状粒子の材質や粒径,噴射角度,及び噴射圧力等は,前述した第1光沢部10の形成時における条件と同様の範囲から選択することが可能であり,第2光沢部20を形成する際のブラスト条件は,噴射方向を除き,前述した第1光沢部10の形成時における条件と同一としても良く,この場合,表面に形成された微細な凹凸の山頂部の傾斜方向が相違する点を除き,第1光沢部10と同様の表面状態を有する第2光沢部20が形成される。
また,第2光沢部20の形成は,噴射方向のみならず,噴射する球状粒子の材質や粒径,噴射角度,及び噴射圧力等のその他の噴射条件についても第1光沢部10の形成時における条件とは異なる条件を採用しても良く,第2光沢部20の表面微細構造を,前述した凹凸の傾斜方向以外の点でも第1光沢部10の表面微細構造とは異なるものとし,第1光沢部10と第2光沢部20の明度差のみならず,質感等についても変化させて模様を表出させるものとしても良い。
但し,第1光沢部10の形成時における噴射方向と,第2光沢部20の形成時における噴射方向は,異なる方向とすることが必須である。
なお,図示の実施形態にあっては,第2光沢部20の形成時における噴射方向〔図1(F)〕を,第1光沢部10の形成時における噴射方向〔図1(C)〕に対し反対方向とした例(180°変更した例)を示したが,第1光沢部10と第2光沢部20を同時に観察した際,両者間に異なる傾斜方向の光沢表面が形成されるものであれば,各種方向を採用可能であり,例えば,第1光沢部10の形成時における噴射方向に対し,第2光沢部20の形成時における噴射方向を直交方向とする等,図示の例とは異なる方向として行うものとしても良い。
なお,このようにして球状粒子を斜めに噴射することで,図1(F)に示すように,第1光沢部10上を覆うマスク材M2の陰となる部分〔図1(F)中,破線の円で囲った部分〕にも,球状粒子が衝突せずに凹凸面30が残存する部分が生じ,この凹凸面が,第1光沢部10の形成時に生じた凹凸面と共に,光沢度の低い乱反射部30’を形成する。
(6)マスキングの除去
以上のようにして第2光沢部20の形成が完了した後,図1(G)に示すように第2光沢部20の形成範囲以外の部分を覆っていたマスク材M2を除去することで,第1光沢部10と第2光沢部20がそれぞれ形成されると共に,第1光沢部10と第2光沢部20との境界の一部分に,球状粒体と衝突せずに残った凹凸面30によって形成された乱反射部30’を備えた表面模様が完成する。
(7)その他(変形例)
図1を参照して説明した実施形態にあっては,先ず,金属製品Wの全体に凹凸面30を形成し,その後,この凹凸面30上に,第1光沢部10及び第2光沢部20を形成することで,第1光沢部10と第2光沢部20の境界部分に凹凸面30を残すことにより,この残った凹凸面30を乱反射部30’とする構成について説明したが,この構成とは別に,第1光沢部10と第2光沢部20を形成した後,両者の境界部分にブラスト,その他のエッチングを行い,乱反射部30’を形成するものとしても良い。
また,図1を参照して説明した実施形態にあっては,第1光沢部10の形成領域の全てに対し,同一の噴射方向で球状粒子を噴射して単一の第1光沢部10を形成し,その他の余白又は背景となる領域の全てに対し,同一の噴射方向に球状粒子を噴射して単一の第2光沢部20を形成する構成について説明したが,第1光沢部10や第2光沢部20を更に細分化して形成するものとしても良い。
例えば,模様として,図2に示すような花柄模様を形成する場合,第1光沢部10を花弁部分毎に4つの領域101〜104に分割し,各領域101〜104に対し,球状粒子を図中に矢印で示したようにそれぞれ異なる方向から噴射して第1光沢部10を形成すると共に,第2光沢部20となる部分に対し,第1光沢部10の各領域101〜104のいずれに対する噴射方向とも異なる噴射方向で球状粒子を噴射して第2光沢部20を形成するものとしても良い。
このように,第1光沢部10を複数の領域に分割し,それぞれの領域毎に噴射方向を異なるものとすることで,見る角度によって第1光沢部10の各領域101〜104の見え方が変化することで,より変化に富んだ,動きのある模様を形成することが可能となる。
なお,このように第1光沢部10や第2光沢部20を複数の領域に分割して形成する場合,噴射方向の異なる領域を形成する毎に,前述したマスク材の貼着と除去を繰り返して行う。
また,図1を参照して説明した実施形態にあっては,マスク材として耐ブラスト性を有するマスキングテープを使用する場合を例に挙げて説明したが,このマスキングテープの代わりに樹脂塗料をマスク材として使用するものとしても良く,図3に,このような樹脂塗料を使用した模様形成方法の例を示す。
図3に記載の実施形態において,凹凸面30の形成〔図3(A)〕,マスキング〔図3(B)〕,及び第1光沢部10の形成〔図3(C)〕迄の処理は,図1を参照して説明した実施形態と同様であるが,第1光沢部10の形成後,図1を参照して説明した模様形成方法では,マスク材M1を除去した後,第2光沢部20を形成する領域以外を覆うマスク材M2の貼着を行うものとなっていたのに対し,図3に示す実施形態にあっては,第1光沢部10の形成後,マスク材M1を除去する前に,マスク材M1の上から樹脂塗料をスプレーして塗膜Pを形成し〔図3(D)〕,その後,マスク材M1を除去することで,残った塗膜Pを,第2光沢部を形成する部分以外を覆うマスク材とする点〔図3(E)〕で,図1を参照して説明した方法と異なる。
また,図1を参照して説明した模様形成方法では,第2光沢部20の形成後,マスク材M2を剥離して除去していたのに対し,図3に記載の方法では,マスク材として使用した後の塗膜Pを,第2光沢部20の形成後,有機溶剤に浸漬して溶解・除去する点で図1を参照して説明した模様の形成方法と異なるが,その他の構成は,図1を参照して説明した模様の形成方法と同様である。
〔作用等〕
以上のように,第1光沢部10と第2光沢部20の表面は,凹凸面30に生じていた凹凸に対し球状粒子が側方より衝突してこれをならすことで光沢面を形成したもので,第1光沢部10や第2光沢部20の表面は,これを微視的に見ると,球状粒子の噴射方向に対応し,図1(G)及び図3(G)に模式的に示したように,表面に形成された凹凸の山頂が,噴射方向の下流側に向いた,所定の傾斜方向が与えられる。
その結果,このような傾斜方向を持った第1光沢部10及び第2光沢部20から形成された金属製品Wの表面に,一例として図4に示すように,金属製品Wの表面に対し紙面右側から光が入射したと仮定すると,第1光沢部10に入射した光は紙面右側に向かって反射する一方,第2光沢部20に入射した光は,紙面左側に向かって反射されるといったようにもその反射方向が違ったものとなる。
その結果,この金属製品Wの表面を,紙面左側(図4中の位置A)から観察した場合には,第2光沢部20が明るく,第1光沢部が暗く見え,一方,紙面右側(図4中の位置B)から観察した場合には,第2光沢部20が暗く,第1光沢部10が明るく見えるといったように,第1光沢部10と第2光沢部20は,異なる明度で観察され,これにより模様として認識されることとなる。
このようにして,第1光沢部10と第2光沢部とを同時に観察した場合,両者間には明度差が生じるため,この明度差によってもたらされる錯視により,立体的な模様が形成されているかの如く認識される。
特に,第1光沢部10と第2光沢部20の境界に,乱反射部30’を設けた構成では,この乱反射部30’は,第1光沢部10及び第2光沢部20の双方に対し低光沢度となっていることで,この部分は,第1光沢部10と第2光沢部20の高低差によって生じた「陰影」と認識されることで,より一層,錯視が助長される結果,模様の立体感を増大させる作用を発揮するものとなっている。
〔模様の形成試験例〕
(1)試験の目的
本発明の方法で形成した模様を観察し,模様が立体的に認識されるものであることを確認すると共に,第1光沢部,第2光沢部,及び乱反射部それぞれの表面状態を観察する。
(2)試験方法
(2-1) 模様の形成方法
アルミ板(縦90mm,横90mm,厚さ2mm)を処理対象として本発明の方法による模様の形成を行った。
模様の形成は,先ず,上記アルミ板の片面全面に対し,ブラスト加工装置を使用して,砥粒(WA:♯400)を圧縮空気と共に噴射圧力0.4MPa,噴射距離100mmでアルミ板の表面に対し垂直に噴射して,アルミ板の表面全体に凹凸面を形成した。
次いで,模様を形成する領域を除き,マスキングテープでマスキングをして覆った後,球状粒子(ガラスビーズ:♯600)を噴射圧力0.4MPa,噴射距離50mmとして,傾斜角20°で噴射して,模様(ロゴマークと文字)となる部分に第1光沢部を形成した。
第1光沢部の形成後,マスキングを除去すると共に,余白又は背景とする部分を除き再度マスク材を貼着してマスキングを行い,球状粒子を噴射し,余白又は背景となる部分に第2光沢部を形成した。
第2光沢部の形成時における噴射条件は,噴射方向を逆向きとした点を除き,第1光沢部の形成時における噴射条件と同一である。
(2-2) 観察方法
以上のようにして,第1光沢部と第2光沢部を形成した後のアルミ板の表面を,写真に撮影すると共に,形状解析レーザー顕微鏡(KEYENCE製「VK-X250」)を使用して,その表面状態を観察した。
(3)試験結果
(3-1) 立体感の確認
以上のようにして模様を形成したアルミ板の表面を撮影した写真を図5〜図7に示す。
図5〜7に示すように,本発明の方法でアルミ板の表面に形成した模様では,第1光沢部(模様部分)と,第2光沢部(余白又は背景部分)とで,あたかも高低差があるかのように見え,上記方法によって形成された模様が,立体感を有するものであることが確認できた。
しかも,金属製品の表面に対する観察方向を変更することで,第2光沢部に対し,第1光沢部が明るく観察され,模様が浮き彫りにされているかの如く見える場合と〔図6(A),図7(A)〕,第2光沢部に対し第1光沢部が暗く観察され,余白又は背景に対し模様が凹んでいるように見える場合〔図6(B),図7(B)〕が生じることから,本発明の方法で形成された模様は,見る角度によって模様の印象が変化するものとなっており,変化に富んだ立体感のある模様を,ブラスト加工という比較的簡単な方法によって形成できることが確認できた。
特に,第1光沢部(模様部分)と第2光沢部(余白又は背景部分)との境界に乱反射部を設けたことで,この乱反射部が第1光沢部(模様部分)と第2光沢部(余白又は背景部分)の高低差によって生じた「陰影」の如く認識される結果,錯視がより一層助長されて立体感を感じさせるものとなっていることが確認できた。
なお,図6(A),(B)及び図7(A),(B)に示すように,見る方向によって第1光沢部と第2光沢部の明度が逆転することから,図4を参照して説明したように,球状粒子の噴射方向を異なる方向として形成された第1光沢部と第2光沢部が,それぞれ異なる傾斜方向(反射方向)を有するものであることが合理的に推測される。
(3-2) 表面状態(表面微細構造)の確認
図8は,上記方法で模様を形成したアルミ板の顕微鏡写真(3000倍)であり,図8中に実線で示した測定箇所(第2光沢部,乱反射部,第1光沢部,及び第2光沢部)の断面曲線を,図9に示す。
図9の断面曲線からも明らかなように,第2光沢部と第1光沢部の境界の一部には,第1光沢部や第2光沢部に比較して断面曲線の変化が激しい,乱反射部が存在していることが判り,この乱反射部が,図8に示すように模様に対し視覚上,「陰影」を与える効果を発揮することで,形成された模様により一層の立体感を与えていることが判る。
図10〜図12は,それぞれ第1光沢部,第2光沢部,乱反射部のレーザー顕微鏡写真と3D像である。
図10及び図11に示す第1光沢部と第2光沢部は,略同様の表面状態として観察されているのに対し,図12に示す乱反射部の表面が,第1光沢部や第2光沢部に比較して粗くなっていることが確認できる。
更に,図13は第1光沢部の表面,図14は第2光沢部の表面,図15は乱反射部の表面をそれぞれ電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製「S-3400N」)によって撮影した電子顕微鏡写真であり,各部の表面傾斜方向を確認することができるよう,図16に示すように模様の形成されたアルミ板(図5)の表面に対し,撮影方向を30°傾斜させて撮影したものである。
図13及び図14より,第1光沢部及び第2光沢部では,表面に形成された凹凸の頂部が,それぞれ球状粒体の噴射方向前方に向いた,傾斜方向を有することが確認できる一方,乱反射部では方向性の無い,ランダムな凹凸が形成されていることが判る。
このような第1光沢部及び第2光沢部の傾斜方向の相違と,乱反射部における表面凹凸の無方向性により,前述したように本発明の方法で処理された金属製品を同一方向より観察した際,各部が異なる明度で観察される結果,立体的な模様として観察することができたものと考えられる。
10 第1光沢部
101〜104 領域(第1光沢部10の)
20 第2光沢部
30 凹凸面
30’ 乱反射部
W 金属製品
M1,M2 マスク材
P 塗膜

Claims (10)

  1. 金属製品表面の所定の領域に対し,球状粒体を所定の噴射方向に傾斜させて噴射するブラスト処理を行うことにより,光沢面である第1光沢部を形成する工程と,
    前記金属製品表面の他の領域に対し,球状粒体を,前記第1光沢部に対する噴射方向とは異なる所定の噴射方向に傾斜させて噴射するブラスト処理を行うことにより,光沢面である第2光沢部を形成する工程を含み,
    前記第1光沢部と第2光沢部から成る模様を形成することを特徴とする金属製品に対する模様の形成方法。
  2. 前記第1光沢部及び第2光沢部の形成時におけるブラスト処理を,10μm〜200μmの球状粒体を,5°〜45°の傾斜角度で噴射することにより行うことを特徴する請求項1記載の金属製品に対する模様の形成方法。
  3. 前記第1光沢部と前記第2光沢部の境界の少なくとも一部に,前記第1光沢部及び前記第2光沢部よりも光沢度の低い乱反射部をエッチングにより形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の金属製品に対する模様の形成方法。
  4. 前記第1光沢部及び前記第2光沢部の形成前に,
    前記第1光沢部及び前記第2光沢部を形成する領域の全体に対し,エッチングにより凹凸面を形成する工程を更に設け,
    該凹凸面を,前記第1光沢部と前記第2光沢部の境界の少なくとも一部に残存させることにより,前記第1光沢部及び前記第2光沢部よりも光沢度の低い乱反射部を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の金属製品に対する模様の形成方法。
  5. 前記エッチングを,砥粒を噴射するブラスト加工により行うことを特徴とする請求項3又は4記載の金属製品に対する模様形成方法。
  6. 前記エッチングのための前記ブラスト加工を,♯14〜♯1000の砥粒を噴射圧力0.1〜0.6MPaで噴射することにより行うことを特徴とする請求項5記載の金属製品に対する模様の形成方法。
  7. ブラストにより形成された第1光沢部と第2光沢部から成る模様を表面に備え,
    前記第1光沢部と第2光沢部が,異なる傾斜方向である光沢表面を有することを特徴する金属製品。
  8. 前記第1光沢部と前記第2光沢部の境界の少なくとも一部に,エッチングにより形成された乱反射部を設けたことを特徴とする請求項7記載の金属製品。
  9. 前記乱反射部の光沢度を,前記第1光沢部及び第2光沢部の光沢度に対し低く形成したことを特徴とする請求項8記載の金属製品。
  10. 前記エッチングが,砥粒を噴射して行うブラスト加工であること特徴とする請求項8又は9記載の金属製品。
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