JP2017038606A - 抗菌化合物を同定するおよび抗生物質感受性を決定する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】抗生物質が細菌細胞に対して有する効果によって抗生物質を特徴付けする改善された方法の提供。
【解決手段】以下の段階を含む、抗生物質の作用様式を決定する方法:(i)抗生物質に細菌を接触させる段階;(ii)段階(i)において接触させた細菌の少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階であって、該細胞学特徴が、細胞サイズ、染色体の形状、染色体のサイズ、細胞当たりの染色体の数、染色体の位置、膜の形状、細胞当たりの複製フォークの数、プロトン駆動力、細胞中心に対する染色体の位置、細胞中心間の平均距離、細胞透過性、および検出可能に標識したポリヌクレオチドまたはポリペプチドの位置または強度からなる群より選択される、段階;(iii)段階(ii)における少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を、対象のそれと比較する段階;ならびに(iv)抗生物質の作用様式を決定する段階。
【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その開示の全内容が参照により本明細書に組み入れられる、2010年8月12日に提出された米国特許出願第61/373,144号に対する優先権を主張する。
発明の背景
多くの個々の抗生物質の市場は、10億ドルを超えている。抗菌化合物を同定するために多くの方法が利用可能である。最も古いがなおも最も一般的に用いられるアプローチは、菌の生育を阻害する化合物に関してスクリーニングすることである(たとえば、液体培養または寒天などの半固体培地中で)。代わりとなるアプローチには、表現型スクリーニング、インビトロスクリーニング、および構造に基づくドラッグデザインが挙げられる。表現型スクリーニング法は、たとえばGFPまたはβ-ガラクトシダーゼレポーターシステムを用いて、細胞の生存にとって必須である特定の遺伝子または経路を不活化する化合物に関する探索を伴う。インビトロスクリーニングは、特異的酵素を阻害する薬物を発見するためにハイスループット酵素アッセイを使用する。次に、これらのスクリーニングからの候補薬物を典型的に、表現型スクリーニングまたは生育阻害アッセイにおいて調べる。合理的ドラッグデザインでは、標的と相互作用すると予想される限られた数の化合物を、インビボおよびインビトロ法を用いて特定の酵素の阻害能に関して試験する。
これらのアプローチは最終的に、候補薬物が細菌の生育を妨害できるか否かを報告するために集団に基づくバイオアッセイに頼っている。それらは典型的に、比較的大きい集団の細菌、大量の候補薬物および大量の公知の対照薬を必要とする。これらの集団に基づく方法は、多数の世代の細胞の生育を必要とすることから遅く、候補抗菌物質の作用機序(MOA)に対して洞察を与えない。細菌細胞を殺すのは比較的難しい。傷ついたまたは欠損のある細胞生理学を生じる物質はしばしば、標準的な生育曲線によって検出されない。重要な細胞プロセス(たとえば、DNA複製または細胞分裂)に欠損を有する細菌は、集団に基づく細胞生育アッセイでは野生型と同一であるように思われる。たとえば、細胞の生育に関するアッセイ(たとえば、コロニー形成単位、吸光度の読み、または最小発育阻止濃度(MIC))を用いる場合、抗生物質の致死下濃度での細菌生育は、無処置対照と類似であるように思われる。このように、これらのアッセイは、抗菌物質の微妙な効果を検出するために十分な感度を有しない。
細胞学プロファイリングは、真核細胞に及ぼす薬物の効果を比較するために用いられている(Perlman & Slack (2004) Science 306:1194 (非特許文献1); Mitchison (2005) Chembiochem 6:33 (非特許文献2); Feng et al. (2009) Nat Rev Drug Discov 8:567 (非特許文献3))。しかし、細菌は、50年以上に及ぶ細菌研究に基づいて内部組織がほとんどない酵素のバッグであると長く考えられてきた。細菌は、核、ゴルジ装置、紡錘極体、ミトコンドリア、微小管、または真核細胞における細胞学プロファイリングの基礎である他の細胞下区画を含まない。それゆえ、この一般的アプローチは、細菌細胞には応用できないと考えられた。先に述べたように、細菌は従来、一般的な生存および生育アッセイを用いて試験されている。この分野は、細菌ならびに様々な刺激および抗生物質に対する細菌の応答を特徴付けするために、細胞下特色を検出してこれを用いることができることを認識していなかった。
Perlman & Slack (2004) Science 306:1194 Mitchison (2005) Chembiochem 6:33 Feng et al. (2009) Nat Rev Drug Discov 8:567
本明細書において、抗生物質のハイスループットスクリーニングのために用いることができる特異的細胞学アッセイおよびその組み合わせを提供する。これらの方法により、抗生物質の特徴付けおよび分類が可能となる。細胞学プロファイリングはまた、たとえば公知の細菌株の細胞学プロファイルに基づいて試料中の細菌を同定するために、および細菌の特定の株の抗生物質感受性を決定するために用いることができる。方法は、広く応用可能であり、グラム陽性菌、グラム陰性菌、マイコバクテリウム、およびマイコプラズマを含む任意の微生物に向けられる化合物を特徴付けするために用いることができる。
本明細書において、抗生物質に微生物を接触させる段階;微生物の少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階;少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を、対照(または1つより多くの対象)のそれと比較する段階;および抗生物質のMOAを決定する段階を含む、抗生物質(公知または可能性がある)の作用機序(MOA)を決定する方法が提供される。いくつかの態様において、微生物は細菌(たとえば、グラム陽性菌またはグラム陰性菌)である。いくつかの態様において、対照は、抗生物質を接触させていない微生物(同じまたは異なる種または株の微生物)である。いくつかの態様において、対照は、公知のMOAを有する抗生物質を接触させた微生物(同じまたは異なる種または株の微生物)である。いくつかの態様において、対照は、公知のMOAを有する複数の抗生物質の細胞学特徴に関する平均値、または微生物の1つより多くの種もしくは株から得られた細胞学特徴の平均値である。いくつかの態様において、対照は、異なる公知のMOAを有する抗生物質のパネルを個別に接触させた微生物である。
いくつかの態様において、少なくとも1つの細胞学特徴は、細胞のサイズ(たとえば、長さ、幅、または体積)、染色体の形状(たとえば、リング、凝縮、拡散、トロイダル)、染色体のサイズ、細胞当たりの染色体数、染色体の位置(たとえば、細胞の境界と比較した)、ペプチドグリカン合成(膜形成)、細胞あたりの複製フォーク数、プロトン駆動力(PMF)、細胞中心間の平均距離、チャネル形成/細胞透過性、転写能、翻訳能(精度または伸長)、ヌクレオチド合成能、および検出可能に標識されたポリヌクレオチドまたはポリペプチドの位置または強度からなる群より選択される。タグをつけて検出することができるタンパク質の例は、DNA複製(たとえば、SeqA、DnaB)、細胞分裂(たとえば、FtsZ、FtsA、FtsW)、ストレス抵抗性(たとえば、DegP、GroEL、熱ショックタンパク質)、ならびに細菌アクチン(たとえば、MreB、Alp7A、AlfA)、および細菌チューブリン(たとえば、FtsZ、TubZ)に関係するタンパク質である。
いくつかの態様において、少なくとも1つの細胞学特徴は、PMFであり、公知のMOAを有する対照抗生物質は、CCCP、アジ化合物およびSDPから選択される。いくつかの態様において、少なくとも1つの細胞学特徴は、チャネル形成であり、公知のMOAを有する対照抗生物質は、ナイシンおよびスピロへキセノリドAから選択される。いくつかの態様において、少なくとも1つの細胞学特徴はPG合成および/または染色体の形状であり、公知のMOAを有する対照抗生物質は、バンコマイシン、ペニシリン、およびセファレキシンから選択される。いくつかの態様において、少なくとも1つの細胞学特徴は染色体の位置および/または細胞サイズであり、公知のMOAを有する対照抗生物質は、シプロフロキシンおよびナリジクス酸から選択される。いくつかの態様において、少なくとも1つの細胞学特徴は染色体の形状であり、対照抗生物質は漂白剤である。いくつかの態様において、少なくとも1つの細胞学特徴は、染色体の形状および/または細胞サイズであり、対照抗生物質は、リファンピシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、トリメトプリム、およびカナマイシンから選択される。いくつかの態様において、少なくとも1つの細胞学特徴は、細胞透過性および/または細胞分離であり、対照抗生物質は、chir-090である。
当業者は、任意の数の細胞学特徴を任意の組み合わせで検出することができることを認識するであろう。いくつかの態様において、少なくとも2、3、4、5、6、7、または8個の細胞学特徴が任意の所定の抗生物質に関して検出される。いくつかの態様において、細胞学特徴は、蛍光顕微鏡、たとえばハイスループット蛍光顕微鏡を用いて検出される。
いくつかの態様において、方法はさらに、抗生物質に異なる種または株の微生物(たとえば、細菌)を接触させる段階、および少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階を含む。
本発明の方法は、個々の細胞に基づいて行うことができ、このように、これまでの方法と比較して必要な試料の容量がより小さく、必要な細胞がより少なく、および必要な抗生物質(公知のまたは候補物質)の量がより少ない。いくつかの態様において、検出する段階は、少数の細胞、たとえば試料あたり細胞105個未満(試料あたり10、100、1000、または104個未満)で行われる。いくつかの態様において、接触させる段階は、少ない量の抗生物質で、最小発育阻止濃度(MIC)またはそれ以上の濃度で、しかし小さい容量、たとえば1 mL未満(たとえば、10、50、100、または200μL未満)で行われる。細菌に及ぼす抗生物質の効果を検出する本発明の方法の感度により、いくつかの態様において、接触させる段階は、抗生物質のMICより下の濃度(たとえば、MICの50、60、70、80、90、95パーセントまたはそれ以上)で行われる。
同様に、抗生物質を、たとえば候補抗生物質のプールから選択する方法が提供される。候補物質は、公知の抗生物質のアナログもしくは修飾型、または特徴付けされていない試料もしくは化合物のライブラリからの新規化合物でありうる。いくつかの態様において、方法は、微生物に候補抗生物質を接触させる段階、接触させた微生物の少なくとも1つの細胞学特徴を検出する段階、少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす候補抗生物質の効果を、公知のMOAを有する抗生物質の公知の量を接触させた微生物である対照(または1つより多くの対象)のそれと比較する段階、および候補抗生物質の同じまたはより少ない量(公知のMOAを有する抗生物質の公知の量と比較して)によって、公知のMOAを有する抗生物質の公知の量より、少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす大きい効果が得られれば、その候補抗生物質を選択する段階を含む。いくつかの態様において、微生物は、細菌(たとえば、グラム陽性菌またはグラム陰性菌)である。
いくつかの態様において、候補抗生物質および対照抗生物質に、同じ株または種の微生物を接触させる。いくつかの態様において、方法はさらに、接触させていない微生物(たとえば、候補または対照抗生物質に接触させていない同じ微生物)を含む陰性対照をさらに含む。いくつかの態様において、対照は、同じ公知のMOAを有する複数の抗生物質の細胞学特徴の平均値、または微生物の1つより多くの種もしくは株から得られた細胞学特徴の平均値である。いくつかの態様において、対照は、異なる公知のMOAを有する抗生物質のパネルを個別に接触させた微生物である。
再び、先に記載した任意の数の細胞学特徴を任意の組み合わせで検出することができる。いくつかの態様において、少なくとも2、3、4、5、6、7、または8個の細胞学特徴が、任意の所定の候補抗生物質に関して検出される。いくつかの態様において、細胞学特徴は、蛍光顕微鏡、たとえばハイスループット蛍光顕微鏡を用いて検出される。
いくつかの態様において、方法はさらに、候補抗生物質に、異なる種または株の微生物(たとえば、細菌)を接触させる段階、および少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階を含む。いくつかの態様において、対照抗生物質にも、異なる種または株の微生物を接触させる。
先に説明したように、本発明の方法は、個々の細胞に基づいて行うことができ、このためこれまでの方法と比較して必要な試料の容量がより小さく、必要な細胞がより少なく、および必要な抗生物質(公知のまたは候補物質)の量がより少ない。いくつかの態様において、検出する段階は、少数の細胞、たとえば、試料あたり細胞105個未満(試料あたり細胞10、100、1000、または104個未満)で行われる。いくつかの態様において、接触させる段階は、少ない量の抗生物質で、最小発育阻止濃度(MIC)またはそれ以上の濃度で、しかし小さい容量、たとえば1mL未満(たとえば、10、50、100、または200μL未満)で行われる。
さらに、抗生物質に微生物を接触させる段階;少なくとも1つの細胞学特徴(たとえば、先に記載したような)に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階;少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を対照(または多数の対象)のそれと比較する段階;および抗生物質を分類する段階を含む、抗生物質を分類する方法が提供される。いくつかの態様において、微生物は、細菌(たとえば、グラム陽性菌またはグラム陰性菌)である。いくつかの態様において、対照は、抗生物質を接触させていない微生物(同じまたは異なる種または株の微生物)である。いくつかの態様において、対照は、公知のMOAを有する抗生物質を接触させた微生物(同じまたは異なる種または株の微生物)である。いくつかの態様において、対照は、公知のMOAを有する複数の抗生物質の細胞学特徴に関する平均値、または微生物の1つより多くの種もしくは株から得られた細胞学特徴に関する平均値である。
いくつかの態様において、方法は、ハイスループットフォーマット(たとえば、マルチウェルプレートまたはマルチスポット表面)を用いて行われ、それによって多数の抗生物質(または候補抗生物質)を一度に分類することができる。いくつかの態様において、対照は、異なる公知のMOAを有する抗生物質のパネルを個別に接触させた微生物である。
再び、先に記載した任意の数の細胞学特徴を任意の組み合わせで検出することができる。いくつかの態様において、少なくとも2、3、4、5、6、7、または8個の細胞学特徴が、任意の所定の候補抗生物質に関して検出される。いくつかの態様において、細胞学特徴は、蛍光顕微鏡、たとえばハイスループット蛍光顕微鏡を用いて検出される。
いくつかの態様において、検出する段階は、少数の細胞、たとえば試料またはウェルあたり細胞105個未満(試料またはウェルあたり細胞10、100、1000、または104個未満)で行われる。いくつかの態様において、接触させる段階は、少ない量の抗生物質で、最小発育阻止濃度(MIC)またはそれ以上の濃度で、しかし小さい容量、たとえば1 mL未満(たとえば、10、50、100、または200μL未満)で行われる。いくつかの態様において、接触させる段階は、抗生物質のMICより下の濃度(たとえば、MICの50、60、70、80、90、95パーセントまたはそれ以上)で行われる。
本明細書において、細菌株由来の細菌を抗生物質に接触させる段階;細菌の少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階;少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を対照(または1つより多くの対照)と比較して、それによって抗菌物質に対する細菌株の応答を特徴付けする段階を含む、抗菌物質に対する細菌株の応答を特徴付けする方法が提供される。
いくつかの態様において、対照は、抗生物質を接触させていない細菌(同じまたは異なる種または株の細菌)である。いくつかの態様において、対照は、公知のMOAを有する抗生物質を接触させた細菌(同じまたは異なる種または株の細菌)である。いくつかの態様において、対照は、公知のMOAを有する複数の抗生物質の細胞学特徴に関する平均値、または細菌の1つより多くの種もしくは株から得られた細胞学特徴に関する平均値である。いくつかの態様において、対照は、異なる公知のMOAを有する抗生物質のパネルを個別に接触させた細菌である。いくつかの態様において、細菌株は、少なくとも1つの抗菌物質に対して耐性である。
いくつかの態様において、少なくとも1つの細胞学特徴は先に提供した一覧から選択される。いくつかの態様において、少なくとも1つの細胞学特徴および対照抗生物質は、上記のように説明される。任意の数の細胞学特徴を任意の組み合わせで検出することができる。いくつかの態様において、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれより多くの細胞学特徴が、任意の所定の抗生物質に関して検出される。いくつかの態様において、細胞学特徴は、蛍光顕微鏡、たとえばハイスループット蛍光顕微鏡を用いて検出される。
いくつかの態様において、方法はさらに、抗生物質に異なる種または株の細菌を接触させる段階、および少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階を含む。
いくつかの態様において、検出する段階は、少数の細胞、たとえば試料あたり細胞105個未満(試料あたり細胞10、100、1000、または104個未満)で行われる。いくつかの態様において、接触させる段階は、少ない量の抗生物質で、最小発育阻止濃度(MIC)またはそれ以上の濃度で、しかし小さい容量、たとえば1 mL未満(たとえば、10、50、100、または200μL未満)で行われる。いくつかの態様において、接触させる段階は、抗生物質のMICより下である抗生物質の濃度(たとえば、MICの50、60、70、80、90、95パーセント、またはそれ以上)で行われる。
さらに、細菌株の抗生物質感受性を決定することによって、細菌株に感染した個体、表面、施設、食物もしくは水源、または真核細胞培養物に関する処置の方針を決定する方法が提供される。いくつかの態様において、方法は、細菌株由来の細菌に、複数の抗生物質を含むパネルを接触させる段階;細菌の少なくとも1つの細胞学特徴(たとえば、先に記載した)に及ぼすパネル中の少なくとも1つの抗生物質の効果を検出する段階;少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす少なくとも1つの抗生物質の効果を対照(または1つより多くの対象)のそれと比較して、それによって細菌株の抗生物質感受性を決定する段階を含む。いくつかの態様において、パネルからの複数の抗生物質の効果が検出される。いくつかの態様において、パネル中の少なくとも1つの抗生物質のMOAは公知である。いくつかの態様において、パネル中の全ての抗生物質のMOAが公知である。処置の方針(たとえば、個体、表面、施設、食物もしくは水源、または真核細胞培養物に関する)は、感染している細菌株に対して最も有効である(たとえば、急速に、有効に、または所望のMOAを用いて殺す)抗生物質を選択することによって決定することができる。いくつかの態様において、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれより多くの細胞学特徴が任意の所定の抗生物質に関して検出される。
いくつかの態様において、対照は、抗生物質を接触させていない細菌(同じまたは異なる種または株の細菌)である。いくつかの態様において、対照は、抗生物質のパネルを接触させた異なる種または株の細菌であり、同じ少なくとも1つの細胞学特徴を、感染している細菌の細胞学特徴と比較する。いくつかの態様において、対照は、公知のMOAを有する複数の抗生物質の細胞学特徴に関する平均値、または細菌の1つより多くの種もしくは株から得られた細胞学特徴に関する平均値である。
さらに、細菌株の細胞学プロファイルを作製する方法、およびたとえば臨床試料、表面、施設、食物または水源等における未知細菌を同定するためにプロファイルを用いる方法が提供される。いくつかの態様において、細胞学プロファイルを作製する方法は、(i)細菌株由来の細菌に抗生物質を接触させる段階;(ii)細菌の少なくとも1つの細胞学特徴(たとえば、本明細書において記述される任意の細胞学特徴)に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階;および(iii)少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を対照(または1つより多くの対象)のそれと比較して、それによって細菌株の細胞学プロファイルを作製する段階を含む。いくつかの態様において、方法はさらに、さらなる抗生物質、たとえば第二、第三、第四、第五、またはそれより多くの抗生物質に関して、段階(たとえば、段階(i)〜(iii))を繰り返す段階を含む。いくつかの態様において、抗生物質は、異なるMOAを有する(少なくとも1つの抗生物質は、他の抗生物質と異なるMOAを有する)。いくつかの態様において、対照は、接触させていない細菌である。いくつかの態様において、抗生物質を接触させた細菌と対照は、同じ細菌株である。いくつかの態様において、抗生物質を接触させた細菌と対照は、異なる細菌株である。いくつかの態様において、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれより多くの細胞学特徴が任意の所定の抗生物質に関して検出される。
本明細書において、細菌を同定するために細胞学プロファイルを用いる方法が提供される。細菌は、たとえば臨床試料、表面、施設、食物または水源等から得ることができる。いくつかの態様において、方法は、細菌の少なくとも1つの細胞学特徴(たとえば、本明細書において記述される任意の細胞学特徴)を検出する段階;および細菌の少なくとも1つの細胞学特徴を、その細菌が細菌株に属するか否かを示す少なくとも1つの細菌株(たとえば、公知のまたは対照細菌株)の細胞学プロファイルと比較して、それによって試料から細菌を同定する段階によって、試料から細菌を同定する段階を含む。いくつかの態様において、方法は、細菌に抗生物質を接触させる段階;細菌の少なくとも1つの細胞学特徴(たとえば、本明細書において記述される任意の細胞学特徴)に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階;および細菌に及ぼす抗生物質の効果を、その細菌が細菌株に属するか否かを示す少なくとも1つの細菌株(たとえば、公知のまたは対照細菌株)の細胞学プロファイルと比較して、それによって試料から細菌を同定する段階によって、試料から細菌を同定する段階を含む。いくつかの態様において、細菌に及ぼす抗生物質の効果は、2つまたはそれより多くの細菌株の細胞学プロファイルと比較される。
さらに、真核細胞酵素を発現する細菌の細胞学プロファイルに及ぼす候補阻害剤の効果を観察することによって、真核細胞タンパク質の阻害剤を同定および/または選択する方法が提供される。いくつかの態様において、方法は、細菌において異種真核細胞タンパク質を発現させる段階(たとえば、標準的な組み換え技術を用いて);細菌に候補阻害剤を接触させる段階;細菌の少なくとも1つの細胞学特徴(たとえば、本明細書において記述される任意の細胞学特徴)を検出する段階;少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす候補阻害剤の効果を、対照(または1つより多くの対象)のそれと比較する段階;候補阻害剤が少なくとも1つの細胞学特徴に対して効果を有すれば、その候補抗生物質を選択する段階を含む。いくつかの態様において、対照は接触させていない細菌である。いくつかの態様において、対照は、異種真核細胞タンパク質を発現しない細菌である。いくつかの態様において、対照は、公知のMOAを有する抗生物質を接触させた細菌である。いくつかの態様において、異種真核細胞タンパク質を発現する細胞と対照は、同じ細菌株である。いくつかの態様において、異種真核細胞タンパク質を発現する細菌と対照は、異なる細菌株の細菌である。いくつかの態様において、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれより多くの細胞学特徴が、所定の候補阻害剤に関して検出される。
表記の作用機序(MOA)を有する薬物の細胞学プロファイルの概要。無処置細胞は、生育し続けて、通常の細胞サイズ、透過性、および構造を維持し続ける。細胞ATPまたはプロトン駆動力(PMF)を枯渇させる化合物によって処置した細胞は、初期に染色体の脱凝縮を示す。後に、グラム陽性枯草菌(B. subtilis)細胞は、高い内部浸透圧により細胞壁を分解する自己溶解性酵素によって引き起こされる劇的な細胞溶解を示す。大きいチャネルを形成する化合物(たとえば、ナイシン)によって処置した細胞は、初期に透過性の増加を示す。後に、グラム陽性枯草菌細胞は、自己溶解を示すが、細胞は低い内部浸透圧およびより劇的でない溶解を有する。リピッドIIペプチドグリカン前駆体の隔離(たとえば、バンコマイシンによる)は、大きい内膜小胞を生じるが、ペプチドグリカンのクロスリンクを阻害すると(たとえば、ペニシリンによって)、染色体の凝縮および溶解を引き起こす。セファレキシンによって隔壁特異的ペプチドグリカン生合成を阻害すると、多数の染色体を有する伸長した細胞を生じる。DNAジャイレース阻害剤(たとえば、シプロフロキシン、ナリジクス酸)によって染色体分離を阻害すると、中央に局在化して断片化したDNAを有する伸長した細胞を生じる。漂白剤による酸化的損傷は、染色体を劇的なリボン状構造へと凝縮させるが、転写を阻害(たとえば、リファンピシン)すると、染色体を脱凝縮させて、より幅広の細胞を生じさせる。翻訳伸長の阻害(たとえば、テトラサイクリンまたはクロラムフェニコールによる)により、トロイダル染色体およびより幅広の細胞を生じる。翻訳精度の低減(たとえば、カナマイシンによる)は、より幅広の細胞を生じ、染色体は非トロイダル構造へと凝縮する。ヌクレオチド生合成阻害剤(たとえば、トリメトプリム)は、細胞の幅に影響を与えることなく染色体を凝縮させる。グラム陰性菌の外膜のLPS成分の合成を阻害すると(たとえば、CHIR-090によって)、透過性が増加した細胞の鎖を生じる。斜体で記載した化合物は、本明細書において表記の細胞学プロファイルを有することが示されている(たとえば、図8を参照されたい)。 異なる2つの抗生物質によって処置した大腸菌(E. coli)細胞の例。大腸菌細胞は、DNA複製フォークの位置のレポーターとしてバイオマーカー(SeqA-GFP)を含む。細胞をLB培地中で30℃で生育させた後、無処置のままか、またはナリジクス酸もしくはセファレキシンによって処置した。細胞の長さ、細胞の幅、染色体の形態(長さおよび幅)、細胞当たりの染色体数、染色体の位置、細胞当たりのSeqA-GFP中心の数、染色体に対する中心の位置、中心間の平均距離、および中心の強度を測定して、各々に関して分散を決定した。セファレキシンまたはナリジクス酸によって処置した細胞は、無処置対照に対しても、および互いに対しても劇的に異なる細胞学プロファイルを有する。具体的に、無処置細胞は、細胞の長さの約85%に及ぶ染色体を有し、染色体あたり1〜4個のSeqA中心を有するが、セファレキシン処置細胞は、細胞全体に均一に広がる多数のSeqA-GFP中心を含み、ナリジクス酸処置細胞は、SeqA中心が共に集合した高度に伸長した染色体を含む。 ナリジクス酸の致死量(黒色)または致死下量(赤色)のいずれかによって処置した細胞と比較した野生型無処置細胞(緑色)に関する細胞の長さの分布。細胞を図2と同様に調製して、細胞の長さを測定した。これらの測定を1ミクロンのビンサイズに群分けして、各ビン中の細胞数に対してプロットした。全体で細胞50個を各条件に関して測定した。ナリジクス酸の致死下濃度は伸長を引き起こした。 野生型細胞(緑色の棒グラフ)集団に関する染色体の長さの分布を(A)ナリジクス酸または(B)クロラムフェニコールの異なる2つの濃度によって2時間処置した細胞と比較する。(A)Nal 0.5(左側の青色の棒グラフ;1×MIC)、これらの条件下でナリジクス酸のそのMIC(0.5μg/ml)によって処置した細胞。Nal 0.1(中央の赤色の棒グラフ;1/5×MIC)、ナリジクス酸のそのMICの5倍下の濃度(0.1μg/ml)によって処置した細胞。無処置細胞を緑色(右側)の棒グラフで示す。(B)Cam 5(右側の赤色の棒グラフ)、クロラムフェニコールのそのMIC(5μg/ml)によって処置した細胞。Cam 1(中央の青色の棒グラフ)、クロラムフェニコールのMICの5倍下の濃度(1μg/ml)によって処置した細胞。左側の緑色の棒グラフは、無処置細胞の結果を示す。染色体の長さを測定して、0.5ミクロンのビンサイズに群分けして、各ビン中の細胞数に対してプロットした。全体で細胞50個を各条件に関して測定した。 大腸菌の染色体形態に及ぼすタンパク質合成阻害剤のMICでの異なる効果。細胞を、クロラムフェニコール(5μg/ml)、テトラサイクリン(20μg/ml)、ナリジクス酸、カナマイシン(50μg/ml)、またはストレプトマイシン(50μg/ml)の存在下で2時間生育させた後、膜染料FM4-64(赤色)およびDAPI(青色)によって染色し、蛍光顕微鏡によって撮像した。染色体が凝縮してリングを形成した細胞(n=50)の割合を各生育条件に関して定量した。野生型の無処置細胞またはクロラムフェニコール、テトラサイクリン、およびストレプトマイシンの存在下で生育させた細胞に関する代表的な画像を示す。ストレプトマイシンおよびカナマイシン処置細胞は、類似の外観を有する。類似の効果は枯草菌において認められた。 クロラムフェニコール処置後の染色体の境界部と細胞極とのあいだの距離。野生型細胞集団(緑色、右の棒グラフ)に関する染色体と細胞極とのあいだの距離の分布を、クロラムフェニコールの異なる2つの濃度によって2時間処置した細胞と比較する。Cam1(赤色、中央の棒グラフ)は、クロラムフェニコールのMICより下の濃度(1μg/ml)によって処置した細胞に関するデータを表す。Cam 5(黒色、左側の棒グラフ)は、クロラムフェニコールのMIC(5 μg/ml)によって処置した細胞に関するデータを表す。距離を測定して、0.5ミクロンのビンサイズに群分けして、各ビン中の細胞数に対してプロットした。各条件に関して、全体で100個の測定を行った。 (A)無処置またはテトラサイクリン(B、Tet)、クロラムフェニコール(C、Cam)、リファンピシン(D、Rif)、およびナリジクス酸(E、Nal)の1/5×MIC、またNalは1×MIC(F)でも、2時間処置した大腸菌細胞の細胞学プロファイリングである。図7Gは、生育曲線を示し、赤色の矢印は画像を得る時間を示す。Nalの1/5×MICによって処置した細胞は、生育は正常であるが、異常な形態を示す。 枯草菌(Bacillus subtilis)の細胞構造および透過性に及ぼす様々な処置の影響。(A〜J)細胞学プロファイリング。細胞を膜染料FM 4-64(赤色)および膜不透過性ヌクレオチド染料Sytoxグリーン(緑色)およびDAPI(青色)によって染色して、それ以外であることを明記している場合を除き、処置後2時間で可視化した。(A)無処置細胞は、均一なFM 4-64染色、かすかなDAPI染色を示し、Sytoxグリーン染色を示さない。(B)ナイシン処置細胞は、DAPIおよびSytoxグリーンに対して急速に透過性となり、不均一な膜染色を有する。細胞を処置の1時間後に撮像した。(C)バンコマイシン処置細胞は、球状の内膜および気泡を示す。(D)ペニシリンG処置細胞は、凝縮した染色体を示し、いくつかの細胞はSytoxおよびDAPIに対して透過性の増加を示し、細胞形質膜に間隙を示す。(E)アジ化合物および(F)CCCP処置細胞は、細胞形質膜に大きい間隙を有し、SytoxおよびDAPIに対して透過性の増加を有すると共に膜の破片および小胞を有するいくつかの細胞を示す。(G)SDP処置細胞は、アジ化合物およびCCCP処置細胞、ならびに通気しなかった細胞(H)と類似であるように思われる。SDP(I)および静的にインキュベートした培養物(J)の劇的な溶解は、lytA、lytB、lytC、およびlytDによってコードされる自己溶解酵素に依存する。細胞を8時間後に撮像した。 枯草菌(Bacillus subtilis)の細胞構造および透過性に及ぼす様々な処置の影響。(A〜J)細胞学プロファイリング。細胞を膜染料FM 4-64(赤色)および膜不透過性ヌクレオチド染料Sytoxグリーン(緑色)およびDAPI(青色)によって染色して、それ以外であることを明記している場合を除き、処置後2時間で可視化した。(K)ピクセル当たりのSytox染色強度によって評価した細胞の透過性。ナイシンは、透過性の増加を示す。(L)DAPI染色強度/ピクセルは、透過性の増加(本明細書においてナイシンのみに認められる)および染色体凝縮の増加を反映する。SDPおよびCCCP処置細胞はいずれも脱凝縮染色体を有するが(F〜Gにも認められる)、バンコマイシンおよびナイシンは、より凝縮した染色体を引き起こす(B〜Cにも認められる)。(M)細胞生存率は、SDP処置の10分以内に減少し、溶解は数時間以内に起こる。(N)溶解欠損株(ALB 1111)も同様に、生存率の急激な減少を示すが、溶解しない。(O)SDPおよびナイシンは、プロトン駆動力(PMF)を急激に崩壊させて、膜を脱分極させるが、MICでのバンコマイシンは、蛍光計アッセイによって決定した場合にPMFに対して効果を有しない。 異なるMOAを有する抗生物質は、異なる明らかに定義されたカテゴリーに分類される。細胞パラメータの定量的分析は、作用機序によって抗生物質を分離することができる。Y-軸の値は、染色体と細胞極との平均距離を平均細胞長で除することによって得られた。大腸菌を表記の抗生物質のMIC濃度で2時間処置した後、細胞膜およびDNAを染色後、蛍光顕微鏡を用いて撮像した。各条件に関して細胞50個に関して測定を行った。Rif:リファンピシン;Tmp:トリメトプリム;Kan:カナマイシン;Tet:テトラサイクリン;Cam:クロラムフェニコール;Cip:シプロフロキサシン;Nal:ナリジクス酸;NaOCl:漂白剤。 異なるMOAを有する抗生物質は、異なる明らかに定義されたカテゴリーに分類される。主成分分析(PCA)は、プロットした2つの主成分が生存率の85%を説明することを示している。 ナイシン、スピロヘキセノリドA、クロロスリシン、およびDMSOに10分間曝露した後の単細胞のDAPI染色の測定。グラフは、底部に示される細胞の各々の中央を通って引いた線に対応するDAPI染色の蛍光強度を示す。ナイシン、スピロAおよびクロロスリシンによって処置した細胞は、無処置対照と比較して蛍光の増加を示す。 ポリミキシンB処置細胞の細胞学プロファイリング。データは、ポリミキシンBがChir-090と類似の外膜生合成を阻害することを示している。画像は、Chir-090(左側)およびポリミキシンB(右側)のMIC濃度による2時間処置後での大腸菌の細胞学プロファイリングの例を示す。 枯草菌株3610における抗生物質活性の同定。(A)寒天および細菌を固体培養物から95%メタノールによって抽出して、可能性がある天然物を除去した。メタノール抽出物をC18 SepPakカラムにおいて分画して、疎水性が増加する順序の溶媒によって溶出した。Speed vacを用いて溶媒を除去して、試料を水に浮遊させた。大腸菌の菌叢の上に抽出物をしみこませることによっておよび細胞学プロファイリングによって、各画分を、抗生物質活性に関してスクリーニングした。80%メタノール画分は、大腸菌を殺す化合物を含み、透明なゾーンを生じる。(B)細胞学プロファイリングは、同じ枯草菌粗抽出物が、TetおよびCamなどの翻訳阻害剤による処置によってトロイダル染色体を生じさせる化合物を含むことを示している。バシラエンを生じないpks変異体からの比較可能な粗抽出物は、細胞に対して効果を示さず、バシラエンが、細胞学効果の原因となる化合物であることを示唆している。(C)HPLCカラムを用いて粗画分を分離して、画分を、エレクトロスプレーイオン化質量分析に供した。バシラエンAおよびBに対応する質量を有する分子イオンが、これらのイオンのナトリウム塩と同様に検出された。
発明の詳細な説明
I.緒言
本明細書において、新規抗生物質を迅速に同定して、その作用機序(MOA)を決定する方法およびアッセイが提供される。これらのアプローチはまた、たとえば抗生物質感受性に関する微生物の診断試験のために臨床の状況において用いることができる。
異なるクラスの抗生物質は、細胞に対して異なる細胞学効果を有し、それによって各クラスの抗生物質の特徴である細胞学プロファイルが得られる。この現象を本明細書において多元的イメージング細胞学プロファイリングと呼ぶ。本発明の方法は、公知のまたは未知の任意の作用機序によって任意の細菌種に影響を及ぼす抗生物質に関してスクリーニングするために用いることができる。本発明の方法は、公知のクラスの抗生物質を迅速に区別して、それによって新規化合物に関するMOAを迅速に決定することができる。本発明の方法はまた、抗生物質耐性が生じる場合、その機序に対する洞察も提供する。本発明の方法は、より低い最小発育阻止濃度(MIC)、異なるまたは改善された殺菌速度論、異なる作用機序を有する化合物(たとえば、公知の抗生物質の誘導体)、ならびに細胞の異なる亜集団にまたはバイオフィルムなどの異なる状態において影響を及ぼす化合物をスクリーニングするために用いることができる。
以下に記述されるアプローチは、微生物細胞に有害な影響を及ぼす化合物を同定するために、ハイスループット顕微鏡および多元的画像分析を用いる。当業者は、特定の細胞学パラメータを検出するために、他の技術、たとえば蛍光に基づく決定のためのフローサイトメトリーを用いることができる、または開発されうることを認識するであろう。本明細書において記述される細胞学プロファイリングは、細菌に及ぼす公知のまたは候補抗生物質化合物の細胞学効果を測定する。方法は、個々の細胞に及ぼすこれらの効果をモニターして、このため極めて感度がよく、集団に基づくアッセイにおいて達成することができるよりはるかに低い濃度で効果を検出する。実施例において記述される顕微鏡を用いる単細胞アプローチは、集団に基づく化合物スクリーニングアプローチに対して多くの長所を有する:
1.アプローチは、単細胞アッセイであり、細胞の亜集団に及ぼす効果を検出することができる。
2.アプローチは、非常に感度がよく、MICより十分に下の濃度で、および標準的な生育アッセイを用いて細胞の生育が阻害されない化合物の濃度で、細菌細胞に対する有害な効果を検出することができる。
3.必要とされるのは非常に少数の細胞に過ぎず、そのため高密度マイクロスケールフォーマットで行うことができる。このように、ごく少量の試験および対照物質が必要であるに過ぎない。このことは臨床の状況において有利であり、臨床では、患者から得られる少数の細菌を用いて処置の方針を決定することができ、および処置が経時的に有効であるか否かを決定することができる。
4.このアプローチは、必須の細胞周期タンパク質または細胞分裂タンパク質などの、細胞内に非常に低レベルで存在しうる生物標的(タンパク質)に対する効果に関してスクリーニングするために用いることができる。
5.包括的細胞学分析は、タンパク質合成阻害剤が大腸菌染色体をドーナツ形状へと劇的に再編成する能力などの、細胞に及ぼす薬物の予想外の効果を明らかにすることができる。
6.アプローチは非常に迅速であり、従来の抗生物質感度試験では丸1日かかっていたのに対し、抗生物質感受性および化合物の効果に関する読出しを数時間以内に提供する。
7.アプローチは、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)のような選好性の細菌を含む任意の微生物に影響を及ぼす抗生物質を同定するために広く応用することができる。
8.この用途の広いアプローチは、細胞がバイオフィルム、膿瘍などに存在する場合のように急速に生育していない場合でも、または生育依存的アッセイが失敗する条件である静止相でも、活性に関して化合物をスクリーニングするために用いることができる。このアプローチの長所は、ほとんどの他のアッセイのように経時的に細胞の生育を測定することに依存せず、その代わりに1つの細胞に基づいて経時的に細胞応答をモニターするという点である。たとえば、バイオフィルムに存在する場合または界面活性剤の存在下などのより複雑な条件下で、細菌を死滅させる抗生物質およびその誘導体をスクリーニングすることができる。
9.アプローチは、作用様式に関する機序の情報を直ちに提供する。
10.アプローチは、細胞死の速度論に関する情報および所定の化合物が静菌的であるかまたは殺菌的であるかに関する情報を提供する。
11.アプローチは、MOAに基づいて物質を区別して、このように、異なる細胞プロセスに影響を及ぼす化合物に関してスクリーニングするために、たとえば改変された標的特異性を有する化合物に関してライブラリをスクリーニングするために用いることができる。
12.抗生物質の活性を調べるために蛍光染料、タンパク質-GFP融合体および多数の細胞学測定の組み合わせを用いるアプローチはこれまで、細胞学特徴の微妙な変化を検出することができ、および異なるMOAを有する抗生物質を区別することができる条件では、細菌に関して全く用いられていない。
13.方法は、抗生物質の作用に応答した細胞死のグラフィック表示を提供するが、これは、商業団体および規制団体による新規抗生物質の理解および許容を促進することができる。
14.方法は、たとえば臨床の状況で細菌を同定するために用いることができる。様々な抗生物質の存在下で個々の細菌株に関して開発された細胞学プロファイルに基づいて、未知細菌を区別することができ、しばしば特定の株に属すると特異的に同定することができる。
15.本発明のアプローチは、真核細胞酵素の阻害剤に関してスクリーニングするために用いることができる。真核細胞酵素は、公知の細菌相同体に対応する酵素でありうる。細菌相同体に候補物質を標的化させて、細菌の細胞学プロファイルに及ぼす物質の効果を決定することによって、薬物を所望の様式で真核細胞酵素を標的とするように開発することができる。または真核細胞酵素を細菌において発現させて、候補物質によって標的化させることができる。物質の存在下での細菌の細胞学特徴を観察することができ、所望の効果を有する物質を選択することができる。そのような方法は、癌、マラリア、病原性真菌等を標的とする物質を同定するために用いることができる。
II.定義
それ以外であると定義している場合を除き、本明細書において用いられる科学技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。たとえば、Lackie, DICTIONARY OF CELL AND MOLECULAR BIOLOGY, Elsevier (4th ed. 2007); Sambrook et al., MOLECULAR CLONING, A LABORATORY MANUAL, Cold Springs Harbor Press (Cold Springs Harbor, NY 1989)を参照されたい。本明細書において記述されるものと類似または同等である任意の方法、装置、および材料を、本発明の実践において用いることができる。本明細書において頻繁に用いられる一定の用語の理解を促進するために以下の定義を提供するが、これらは本開示の範囲を制限することを意味しない。
「抗生物質」または「抗菌物質」は、微生物の生育または生存率を低減させることができる化合物を意味する。抗生物質は、有機または無機化合物のいずれかで構成することができ、免疫系によって産生される生物活性分子を含むことができる。一般的に、細菌は最も一般的な標的微生物であることから、この用語は、「抗菌物質」と互換的に用いられる。抗生物質の殺細胞活性は、相対的な用語で、たとえば対照(無処置細胞または公知の抗生物質によって処置した細胞)と比較して一般的に定義されるが、定量的用語(たとえば、殺細胞単位/ng物質)で表現することもできる。一般的に、抗生物質の活性は、一般的現象として、たとえば細胞の生育または生存の低減として所定の物質に関して最初に観察されるであろう。そうすれば物質は、たとえMOAまたは定量的効能が不明であっても、典型的に抗生物質と呼ばれる。
MOAは、「作用様式」または「作用機序」を意味する。抗生物質は、1つより多くのMOAを有することができる。当業者は、ある経路、たとえば細胞分裂に影響を及ぼすMOAを、異なる方法で記述することができ、たとえば同じ経路の異なる分子メンバーによって同定することができることを認識するであろう。MOAおよび対応する抗生物質の例を図1に示して、実施例において説明する。
細胞学特徴は、観察可能な(定量可能なまたは比較可能な)細胞特色である。例には、細胞サイズ(たとえば、長さ、幅、体積);染色体(またはヌクレオイド)の形状(長さおよび幅)、数、および位置;検出可能なタンパク質(たとえば、フォーカスまたは染色体に結合するタンパク質)の量および局在;細胞当たりの複製フォークの数、プロトン駆動力(PMF)等が挙げられる。タグをつけて検出することができるタンパク質の例は、DNA複製(たとえば、SeqA、DnaB)、細胞分裂(たとえば、FtsZ、FtsA、FtsW)、ストレス抵抗性(たとえば、DegP、GroEL、熱ショックタンパク質)、ならびに細菌アクチン(たとえば、MreB、Alp7A、AlfA)、および細菌チューブリン(たとえば、FtsZ、TubZ)に関係するタンパク質である。
「細胞学プロファイル」という用語は、様々な条件下で、たとえば抗生物質の存在下もしくは非存在下、または異なる抗生物質の存在下で特定の細菌株において観察される細胞学特徴を意味する。同様に、特定の抗生物質は、様々な細菌においてそれが引き起こす細胞学特徴を含む細胞学プロファイルを有することができる。
「アゴニスト」、「活性化剤」、「誘発剤」およびその他の用語は、対照(たとえば、陰性対照)と比較して活性または発現を増加させる分子を意味する。アゴニストは、たとえば標的に結合する、標的を刺激する、標的を増加させる、標的を活性化する、標的の活性化を増強する、標的を感作する、または標的の活性をアップレギュレートする物質である。活性は、対照の活性より10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%またはそれより多く増加させることができる。ある状況において、活性化は、対照と比較して、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍またはそれ以上である。
「阻害剤」、「抑制剤」、「アンタゴニスト」、または「ダウンレギュレート剤」という用語は、互換的に、対照(たとえば、陰性対照)と比較して検出可能に低い活性レベルを生じる物質を意味する。阻害された活性は、対照の活性の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ未満でありうる。ある状況において、阻害は、対照と比較して、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍またはそれ以上である。
「対照」試料または値は、試験試料と比較するために参照として、通常、公知の参照として役立つ試料を意味する。たとえば、試験試料を、試験状態から、たとえば試験化合物の存在下で採取することができ、公知の状態からの試料、たとえば試験化合物の非存在下(陰性対照)または公知の化合物の存在下(陽性対照)の試料と比較することができる。対照はまた、多数の試験または結果から集めた平均値であってもよい。このように、対照は、並んだ比較である必要はないが、異なる時期に得られた平均値または値との比較である。当業者は、任意の数のパラメータを評価するために、対照を設計できることを認識するであろう。たとえば、定性的(たとえば、同等の明るさ)または定量的測定(たとえば、客観的な長さ)、または治療的測定(たとえば、起こりうるまたは実際の恩恵および/または副作用の比較)を比較するために、対照を考案することができる。対照は、インビトロまたはインビボ応用のために設計することができる。当業者は、対照が所定の状況において価値があり、対照値との比較に基づいてデータを分析することができることを理解するであろう。対照はまた、データの有意性を決定するために価値がある。たとえば、所定のパラメータの値が対照において広く変動する場合、試験試料における変動は有意ではないと見なされるであろう。
「標識」または「検出可能な部分」は、分光光度的、光化学的、生化学的、免疫化学的、化学的または他の物理的手段によって検出可能な組成物である。たとえば、有用な標識には、32P、蛍光色素、電子密度の高い試薬、酵素(たとえば、ELISAにおいて一般的に用いられる酵素)、ビオチン、ジゴキシゲニン、またはたとえば放射標識を、標的と特異的に反応性のペプチド、抗生物質、もしくは抗体に組み入れることによって検出可能にすることができる他の実体が挙げられる。適切な分子を標的にコンジュゲートするために、当技術分野において公知の任意の方法、たとえばHermanson, Bioconjugate Techniques 1996, Academic Press, Inc., San Diegoにおいて記述される方法を使用してもよい。
「標識された」分子(たとえば、核酸、タンパク質、または抗体)は、分子の存在が、分子に結合した標識の存在を検出することによって検出されうるように、リンカーもしくは化学結合を通して標識に共有結合するか、またはイオン結合、ファンデルワールス結合、静電気結合、もしくは水素結合を通して標識に非共有結合する分子である。
細胞は、生きていて生育することができる場合に、「生存している」と見なされる。所定の試料における生存細菌細胞数は、直接、たとえば顕微鏡を用いて、または様々な希釈のプレートの計数を用いて決定することができる。Roszak and Colwell (1987) Applied Environ. Microbiol. 53:2889は、放射標識物質の取り込みに基づいて生存率を決定するためのさらなる方法を記述している。
「核酸」は、一本鎖または二本鎖型のいずれかでのデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドおよびそのポリマー、ならびにその相補体を意味する。「ポリヌクレオチド」という用語は、ヌクレオチドの直線状の配列を意味する。「ヌクレオチド」という用語は典型的に、ポリヌクレオチドの1つの単位、すなわち単量体を意味する。ヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、またはその修飾型でありうる。本明細書において企図されるポリヌクレオチドの例は、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖RNA(siRNAを含む)、ならびに一本鎖および二本鎖のDNAおよびRNAの混合物を有するハイブリッド分子が挙げられる。
2つもしくはそれより多くの核酸または2つもしくはそれより多くのタンパク質の文脈における「同一」または「パーセント同一性」という用語は、同じである2つもしくはそれより多くの配列もしくは小配列を意味するか、または以下に記述されるデフォルトパラメータを用いたBLASTもしくはBLAST 2.0配列比較アルゴリズムを用いて、もしくは手動での整列および肉眼での検分によって測定した場合に、同じである(すなわち、比較ウィンドウまたは指定された領域に対して最大に一致するように比較および整列した場合に、明記された領域に対して約60%の同一性、好ましくは65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い同一性)ヌクレオチドの明記された百分率を有する2つもしくはそれより多くの配列もしくは小配列を意味する。たとえば、NCBIウェブサイトncbi.nlm.nih.gov/BLASTを参照されたい。そのような配列は、「実質的に同一である」と言われる。この定義はまた、試験配列の相補体を意味するか、または相補体にも適用されうる。定義はまた、欠失および/または付加を有する配列、ならびに置換を有する配列を含む。以下に記述されるように、好ましいアルゴリズムは、ギャップおよびその他を説明することができる。好ましくは、同一性は、長さが少なくとも約15、20、25、30、35、40、45個またはそれより多くのアミノ酸またはヌクレオチド、たとえば、長さが25-40、30-40、30-45、40-80個である領域、または長さが50-100個のアミノ酸またはヌクレオチドである領域に対して存在する。いくつかの場合において、対応する(たとえば、相同な)配列のパーセント同一性は、1つの機能的ドメイン、1つより多くの機能的ドメインの長さに対して、または配列の全長に対して決定される。対応する機能的ドメイン(および機能的ドメインをコードする配列)のパーセント同一性は、典型的に介在配列の同一性より高い。
それ以外であると明記している場合を除き、特定の核酸配列はまた、その保存的に改変された変種(たとえば、縮重コドン置換)および相補的配列、ならびに明示された配列を暗に包含する。具体的に、縮重コドン置換は、1つまたは複数の選択された(または全ての)コドンの第三の位置が、混合塩基および/またはデオキシイノシン残基に置換されている配列を生成することによって達成されうる(Batzer et al, Nucleic Acid Res. 19:5081 (1991); Ohtsuka et al., J. Biol. Chem. 260:2605-2608 (1985); Rossolini et al, Mol. Cell. Probes 8:91-98 (1994))。核酸という用語は、遺伝子、cDNA、mRNA、オリゴヌクレオチド、およびポリヌクレオチドと互換的に用いることができる。
「タンパク質」、「ペプチド」、および「ポリヌクレオチド」という言葉は、アミノ酸のポリマーまたは2つもしくはそれより多くの相互作用するもしくは結合したアミノ酸ポリマーの組を意味する。この用語はまた、1つまたは複数のアミノ酸残基が対応する天然に存在するアミノ酸の人工化学模倣体であるアミノ酸ポリマー、ならびに天然に存在するアミノ酸ポリマーおよび天然に存在しないアミノ酸ポリマーにも適用することができる。
「アミノ酸」という用語は、天然に存在するアミノ酸および合成アミノ酸、ならびに天然に存在するアミノ酸と類似のように機能するアミノ酸アナログおよびアミノ酸模倣体を意味する。天然に存在するアミノ酸は、遺伝子コードによってコードされるアミノ酸、ならびに後に修飾されるアミノ酸、たとえばヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタメート、およびO-ホスホセリンである。アミノ酸アナログは、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造、すなわち、水素に結合したα炭素、カルボキシル基、アミノ基、およびR基を有する化合物、たとえばホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムを意味する。そのようなアナログは、修飾されたR基(たとえば、ノルロイシン)または修飾されたペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造を保持する。アミノ酸模倣体は、アミノ酸の一般的化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と類似のように機能する化学化合物を意味する。
アミノ酸は、本明細書において、一般的に公知の三文字記号またはIUPAC-IUB生化学命名法委員会によって推奨される一文字記号のいずれかによって言及されうる。同様に、ヌクレオチドは、その一般的に容認される一文字コードによって言及されうる。
「保存的改変変種」は、アミノ酸および核酸配列の双方に当てはまる。特定の核酸配列に関して、保存的に改変された変種は、同一または実質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸を意味するか、または核酸がアミノ酸配列をコードしない場合には、実質的に同一の配列を意味する。遺伝子コードの縮重のために、多数の機能的に同一の核酸が任意の所定のタンパク質をコードする。例として、コドンGCA、GCC、GCG、およびGCUは全て、アミノ酸アラニンをコードする。このように、アラニンがコドンによって明記されるあらゆる位置で、コードされるポリペプチドを変化させることなく、コドンを、記述の対応する任意のコドンに変更することができる。
アミノ酸配列に関して、当業者は、コードされる配列における1つのアミノ酸またはアミノ酸の小さい割合を変化させる、付加する、または欠失させる、核酸、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質配列に対する個々の置換、欠失、または付加は、変更によってアミノ酸の化学的に類似のアミノ酸への置換が起こる場合に、「保存的改変変種」であると認識するであろう。機能的に類似のアミノ酸を提供する保存的置換表は、当技術分野において周知である。そのような保存的改変変種は、本発明の多形変種、種間相同体、および対立遺伝子に加えて存在し、それらを除外しない。所定の残基を異なるアミノ酸に置換して、それによってタンパク質の活性が実質的に変化しない場合、置換が保存的であることを示すことができる。
以下の群は各々、互いに保存的置換であるアミノ酸を含む:1)アラニン(A)、グリシン(G);2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);4)アルギニン(R)、リジン(K);5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);7)セリン(S)、トレオニン(T);および8)システイン(C)、メチオニン(M)(たとえば、Creighton, Proteins (1984)を参照されたい)。
たとえば細胞、または核酸、タンパク質、もしくはベクターを参照して用いる場合の「組み換え型」という用語は、細胞、核酸、タンパク質、またはベクターが、異種核酸もしくはタンパク質の導入によって、または本来の核酸もしくはタンパク質の変更によって改変されていること、または細胞がそのように改変された細胞に由来することを示している。このように、たとえば、組み換え型細胞は、細胞の本来の型(非組み換え型)において見いだされない遺伝子を発現するか、またはそうでなければ異常に発現される、過少発現される本来の遺伝子を発現するか、または本来の遺伝子を全く発現しない。トランスジェニック細胞および動物は、典型的に組み換え法の結果として、異種遺伝子またはコード配列を発現する細胞および動物である。
核酸の一部を参照して用いる場合の「異種」という用語は、核酸が天然において互いに同じ関係で見いだされない2つまたはそれより多くの小配列を含むことを意味する。例として、核酸は典型的に組み換えによって産生され、新しい機能的核酸を作製するように整列させた無関係な遺伝子からの2つまたはそれより多くの配列、たとえば1つの起源からのプロモーターおよび別の起源からのコード領域を有する。同様に、異種タンパク質は、タンパク質が天然において互いに同じ関係で見いだされない2つまたはそれより多くの小配列を含むことを示す(たとえば、融合タンパク質)。異種タンパク質の例は、GFPタンパク質(すなわち、1つのポリペプチド鎖を形成するために異なるタンパク質配列と組み合わせたGFPタンパク質配列)である。
「培養する」、「培養している」、「生育する」、「生育している」、「維持する」、「維持している」、「拡大する」、「拡大している」等の用語は、細胞培養そのものまたは培養プロセスを意味する場合、細胞が体外で(たとえば、エクスビボ)生存にとって適した条件下で維持されることを意味するために互換的に用いることができる。培養細胞は生存を許され、培養段階によって細胞の生育、分化、または分裂が起こりうる。いくつかの細胞は自然に老化しうることなどから、この用語は、培養中の全ての細胞が生存する、または生育する、または分裂することを暗示するのではない。細胞は典型的に、培地において培養されるが、これは培養の過程において交換することができる。
「培地」および「培養液」という用語は、細胞培養の環境を意味する。培地は典型的に等張溶液であり、液体、ゼラチン様、またはたとえば細胞接着もしくは支持のためのマトリクスを提供するために半固体でありうる。本明細書において用いられる培地は、細胞を培養するために必要な栄養的、化学的および構造的に支えるための成分を含むことができる。
III.細胞学特徴を検出する方法
細胞学特徴は、定性的(たとえば、比較可能な染色プロファイル)および定量的(たとえば、細胞の長さおよび他の細胞下寸法)特徴を検出するために用いることができる蛍光顕微鏡によって簡便に決定することができる。光学顕微鏡および電子顕微鏡などの他の顕微鏡法も同様に用いることができる。顕微鏡は当技術分野において公知であり、たとえばPogliano et al. (2001) PNAS 98:4486およびLiu et al. (2006) Mol. Microbiol. 59:1097において記述されている。
たとえば、培養物を採取してPBSに浮遊させて、細胞浮遊液のアリコートをアガロースパッドまたはスライド上に載せることができる。任意で、アガロースパッドを、顕微鏡のステージ上で加熱することができる(たとえば、人工気候室を用いて)。細胞の画像を1回または複数回獲得する。時間経過実験の場合、細胞を、記述のように沈殿させて、一定間隔(たとえば、30秒または1分間隔)で画像を獲得することができる。画像は、顕微鏡、対物レンズ、カメラ、および蛍光フィルターを含む光学セクショニング顕微鏡を用いて獲得することができる。標準的な蛍光フィルターは、GFPを可視化するためのFITC(励起、青色490/20 nm;放射、緑色528/38 nm)およびFM 4-64およびmCherry FPを可視化するためのRD-TR-PE(励起、緑色550/28 nm;放射、オレンジ色617/73 nm)を含む。ソフトウェアを用いて、画像をデコンボリューションするアルゴリズム、たとえば強制反復デコンボリューションアルゴリズムを適用することができる。デコンボリューション後、各蛍光色素の明度およびコントラストを、細胞の外側の領域が背景となるよう設定するように調節することができる。
蛍光顕微鏡を、ハイスループットおよび/またはリアルタイム測定のために改変することができる。そのような方法は、定量的データ処理アプローチを記述するFero & Pogliano (2010) Cold Spring Harbor Perspect Biol 2:a000455において記述される。
イメージング質量分析も同様に、Gonzalez et al. (2011) Microbiol、およびYang et al. (2009) Nat. Chem Biol. 5:885において記述されるように、ある代謝パラメータを検出するために用いることができる。例として、細菌を含む寒天試料を、MALDI標的プレート上に置いて、イメージングのためにBruker microflex MALDI-TOF MSに供することができる。画像は、典型的にソフトウェア(たとえば、FlexImaging 2.0ソフトウェア)を用いて分析される。
フローサイトメトリーおよびFACSなどのさらなる蛍光に基づく方法を、ある種の標識されたまたは染色された細胞学成分を検出するために用いることができる。これらのデータは、染色強度、多数の染色/蛍光体の存在および強度、ならびに細胞サイズおよび生存率などの他の有用な特徴を示すことができる。小型化した培養容積の正確な制御を可能にするマイクロフルイディックデバイスも同様に用いることができる。ナノ加工デバイスを用いて、患者の試料からの細菌をサイズに基づいてソーティングすることができ、それによって細菌を細胞学試験のために単離することができる。
当業者は、検出技術が絶えず改善しつつあり、それによって様々な細胞学特徴を検出するための新しい方法が開発されることを認識するであろう。このように、本発明の開示は、主に顕微鏡に依存するが、細胞サイズ(たとえば、長さ、幅、体積);染色体の数、サイズ、および形状;細胞下距離(たとえば、遺伝子座のあいだ、遺伝子座と所定の染色質タンパク質とのあいだ等);および代謝特徴(たとえば、PMF)を検出する任意の方法を用いることができる。
IV.微生物と細菌株
細菌株のサイズが小さいことにより、低分子および抗生物質の細胞学効果の理解は妨げられている。細菌細胞構造の変化を定量するために十分な解像度を達成することは、難題であり、高い倍率を必要とする。さらに、細菌は、真核細胞においてこのアプローチを可能にする細胞区画(たとえば、核、ゴルジ、ミトコンドリア、液胞、分泌小胞)を欠いている。加えて、細菌細胞分裂は、真核細胞の有糸分裂に関連する劇的な構造の変化を伴わず、細菌は、紡錘極体、微小管、アクチン、運動タンパク質等を含む容易に可視化されるタンパク質の多くを欠いている。それゆえ、細菌に及ぼす抗菌化合物の影響を調べるために細胞学プロファイリングを応用する努力はほとんど行われていない。以下により詳細に記述するように、高解像度蛍光顕微鏡を用いて、細胞構造に及ぼす再現可能な効果に基づいて、細胞学パラメータを評価して抗菌物質の異なるクラスを区別することができる(図1に要約)。本発明において記述される細胞学プロファイリングアッセイは、新規抗感染症化合物および抗生物質化合物に関してスクリーニングするために、臨床単離体の抗生物質感受性を評価するために、ならびに粗抽出物中のまたは精製後の新たに同定された抗菌物質の活性を分類するために用いることができる。
開示の方法のために用いることができる細菌属の例には、大腸菌(Escherichia)、サルモネラ(Salmonella)、シュードモナス(Pseudomonas)、クレブシエラ(Klebsiella)、アシネトバクター(Acinetobacter)、アナプラズマ(Anaplasma)、ブチリビブリオ(Butyrivibrio)、ロドコッカス(Rhodococcus)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、ラリバクター(Laribacter)、パントエア(Pantoea)、マイコバクテリウム(Mycobacterium)、ツエツエバエ(Glossina)、ヘリコバクター(Helicobacter)、シネココッカス(Synechococcus)、シネコシスチス(Synechocystis)、カウロバクター(Caulobacter)、ストレプトミセス(Streptomyces)、リケッチア(Rickettsia)、カンピロバクター(Campylobacter)、ナイセリア(Neisseria)、アクロバクター(Arcobacter)、連鎖球菌(Streptococcus)、ブドウ球菌(Staphylococcus)、エルジニア(Yersinia)、ボルデテラ(Bordetella)、カンジダ(Candidatus)、クラミジア(Chlamydia)、ボレリア(Borrelia)等が挙げられる。いくつかの態様において、細菌は、グラム陽性菌(たとえば、連鎖球菌、ブドウ球菌、クロストリジウム(Clostridium)、リステリア(Listeria)、バチルス(Bacillus))である。いくつかの態様において、細菌は、グラム陰性菌(たとえば、腸内細菌(Enterobacteriaceae)、ナイセリア、ビブリオ(Vibrio)、カンピロバクター)である。
本発明の方法は、複雑な真核細胞構造の観察を必要とせず、他の微生物にも同様に応用することができる。グラム陽性菌およびグラム陰性菌以外にも、本発明の方法は、たとえばマイコバクテリアおよびマイコプラズマに応用することができる。
V.抗生物質
図1は、各クラスの例と共に抗菌物質の全般的クラスを記載する。抗生物質は、何世代も開発および改変されており、いくつかの包括的論評が、公知の抗生物質を記述している(たとえば、Walsh, Antibiotics: Actions, Origins, Resistance (2003); Grayson, Kucer's Use of Antibiotics (2010)を参照されたい)。
抗生物質の簡単な一覧には、以下が挙げられるがこれらに限定されるわけではない:
・カルバセフェム:細胞壁生合成を阻害する
・アミノグリコシド:30Sリボソームサブユニットに結合することによって翻訳を阻害する
・マクロライドおよびリンコサミド:50Sリボソームサブユニットに結合することによって翻訳を阻害する
・ダプトマイシン:膜の破壊、PMFの破壊
・β-ラクタム(ペニシリンを含む)、セファロスポリン、モノバクタム、およびグリコペプチド:PG合成を阻害して、細菌細胞壁を破壊する
・キノロン:DNAジャイレースを阻害することによってDNA複製/転写を阻害する
・スルホンアミド:葉酸合成を阻害することによって核酸合成を阻害する
・テトラサイクリン:30Sリボソームサブユニットへの結合を通して翻訳を阻害する。
これらのクラスの代表例を用いて、たとえば多様な細菌株におけるそのクラスの細胞学プロファイルを作製するために、または新規もしくは候補抗生物質を試験するための対照として、所定の細菌株に関する細胞学プロファイルを作製することができる。
VI.キット
細胞学プロファイルを生成するためのキットがさらに提供される。いくつかの態様において、キットは、以下の成分の少なくとも1つを含む:核酸/染色質の染料(たとえば、DAPI、Sytoxグリーン、アクリジンオレンジ(AO)、エチジウムブロミド(EB)、ヘマトキシリン、ヘキスト)、細胞壁染料(たとえば、クリスタルバイオレット、グラム染色、カルコフロール、ソロフェニルフラビン、ポンタミンファーストスカーレット)、膜電位感受性染料(たとえば、3,3'-ジエチルオキサカルボシアニンヨージド、またはDiOC2、3,3'-ジプロピルチアジカルボシアニンヨージド、またはDiSC3)、および細胞膜染料(たとえば、FM 4-64、CTC)。いくつかの態様において、キットは核酸染料および細胞壁染料を含む。いくつかの態様において、キットは細胞膜染料および核酸染料を含む。いくつかの態様において、キットは記載の全ての成分を含む。
キットはまた、公知のMOAを有する対照抗生物質化合物を含むことができる。たとえば、キットは、以下の少なくとも1つを含むことができる:タンパク質合成阻害剤(たとえば、クロラムフェニコール、ストレプトマイシン、テトラサイクリン、またはカナマイシン)、DNAジャイレース阻害剤(たとえば、ナリジクス酸)、細胞壁阻害剤(たとえば、バンコマイシン、セファレキシン、またはペニシリンG)、エネルギー毒/PMF阻害剤(たとえば、ナイシン、アジ化合物、またはCCCP)、免疫系のエフェクター(たとえば、抗体)、および非特異的阻害剤(たとえば、漂白剤、エチジウムブロミド、SDS)。
キットはまた、細胞学プロファイルを生成するために用いられる細菌を含むことができる。細菌は、任意の株の細菌でありえて、野生型または遺伝子改変型でありうる。有用な遺伝子改変株は、タグ付けされたタンパク質、たとえば染色質タンパク質成分またはDNA結合タンパク質成分とGFPまたは他の検出可能な成分とを含む融合タンパク質をコードする細菌を含むであろう。いくつかの態様において、タグ付けされたタンパク質は、細菌細胞構造に結合するタンパク質成分とGFPまたは他の検出可能な成分とを含む融合タンパク質である。例は、複製中心でヘミメチル化DNAを検出するSeqA-GFPである。遺伝子改変細菌株はまた、細胞学プロファイルに影響を及ぼす経路または遺伝子が欠損している細菌株、たとえば自己溶解またはリン脂質(細胞膜)合成が欠損している変異株でありうる。例示的なキットは、1つより多くの細菌株の代表、たとえばグラム陰性およびグラム陽性菌株を含む。
キットはまた、消費可能な項目、たとえば培養培地または培地保存溶液または粉末;マルチウェルプレート、チューブ、ピペットなどの培養実験器具;たとえば可視化のためのスライドガラス等を含むことができる。
当業者は、これらの成分の任意の数を任意の組み合わせでキットに含めることができることを理解するであろう。たとえば、キットは、細胞学成分(たとえば、核酸、細胞膜、または細胞壁)のための染料、および公知のMOAを有する少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたはそれより多くの抗生物質を含むことができる。いくつかの態様において、キットはさらに、少なくとも1つまたは2つの細菌株の試料を含む。
本明細書において記述される実施例および態様は、説明する目的に限られ、それに照らして様々な改変または変更が当業者に示唆されるが、それらも本出願の精神および範囲ならびに添付の特許請求の範囲の範囲に含まれると理解される。本明細書において引用した全ての刊行物、特許、および特許出願は、全ての目的に関してその全内容が参照により本明細書に組み入れられる。
VII.実施例
A.実施例1:グラム陽性菌およびグラム陰性菌に及ぼす抗菌物質の細胞学効果
細胞学パラメータに基づいて異なるクラスの抗菌物質を区別することができるか否かを決定するために、いくつかの異なるクラスの抗生物質によって処置した大腸菌および枯草菌細胞の比較可能な細胞学分析を行った。試験は、いくつかの異なるタンパク質合成阻害剤(クロラムフェニコール、ストレプトマイシン、テトラサイクリン、カナマイシン)、DNAジャイレース阻害剤(ナリジクス酸)、細胞壁阻害剤(バンコマイシン、セファレキシン、ペニシリンG)、およびエネルギー毒(ナイシン、アジ化合物、CCCP)を含んだ。同様に、漂白剤、エチジウムブロミド、およびドデシル硫酸ナトリウムなどの非特異的阻害剤も含んだ。結果は、異なる作用機序(MOA)を有する各抗生物質が、非特異的阻害剤とは異なる独自の細胞学プロファイルを生成することを示している。この分析を、以下に記述されるようにMOAが不明である分子に拡大する。
B.実施例2:MICの決定
各抗生物質の最小発育阻止濃度(MIC)を、大腸菌株JP750またはW3110に関して、および枯草菌株PY79に関して決定した。LB 5 mlを含む試験管に1つのコロニーを接種して、培養物がおよそ2×108個/mlの密度に達するまで生育させた。この培養物の小さい接種物(20μl)を、0から200μg/mlの範囲の様々な濃度の抗生物質を含むLB中に希釈して、培養物を30℃で終夜インキュベートした。MICは、生育を遮断する最低濃度であった。
C.実施例3:大腸菌の細胞学プロファイリング
様々なクラスの抗生物質に関する用量依存的細胞学プロファイルを決定した。一般的に、適切な株の一連の培養物を、培養物の密度がおよそ2×108個/mlに達するまでLB中で30℃で生育させて、この時点で、関心対象化合物を最終濃度が0から200μg/mlの範囲となるように添加した。各化合物に関して、MICの1/5倍、1倍および5倍を表す試料を調べた。試料を薬物の添加後の様々な時点(0.2から3時間の範囲)で採取した。細胞を、FM 4-64(1μg/ml)によって染色して細胞膜を可視化して、DAPI(5μg/ml)によって染色して染色体を可視化した(Pogliano et al. (1999) Mol. Microbiol. 31:1149)。試料はまた、非常に小さい容量で(10μlまたはそれ未満)でインキュベートすることができ、それでも類似の結果が得られる。
次に、各染色および染色中に存在する任意の蛍光タグ付け融合タンパク質の画像を、高解像度顕微鏡を用いて獲得した。細胞の長さおよび幅、染色体の長さおよび形状、各細胞極からの染色体の距離、細胞あたりの染色体数、ならびに細胞内に存在するGFP(またはGFP融合体)の存在および分布を測定した。
以下に記述する特異的実施例において、大腸菌株JP750を、0から30μg/mlの範囲の様々な濃度のナリジクス酸、クロラムフェニコール、またはセファレキシンの存在下で30℃で2時間生育させた。株JP750は、IPTG依存的プロモーターからのSeqA-GFP融合体を発現する。SeqA-GFPは、細胞内のDNA複製フォーク/ヘミメチル化DNAの位置を示す蛍光中心を形成する(Brendler et al. (2000) EMBO 19:6249)。2時間生育させた後、細胞を採取して、FM 4-64(1μg/ml)によって染色して細胞膜を可視化して、DAPI(5μg/ml)によって染色して染色体を可視化した。
細胞の長さの測定を、最初に各試料に関して得た。図2は、セファレキシンおよびナリジクス酸による処置後の大腸菌細胞の画像を示す。図3は、異なる濃度のナリジクス酸において生育させた細胞の集団に関するサイズ長さの分布の一連のヒストグラムを示す。無処置(wt)細胞は、長さが1.8から4.2ミクロンの範囲であった。対照的に、ジャイレース阻害剤であるナリジクス酸の致死濃度(0.5μg/ml)によって処置した細胞は、伸長して5から16ミクロンの範囲であった。しかし、異なるMOAを有する抗生物質が細胞の伸長を引き起こすことができることは公知である。たとえば、細胞分裂の際に細胞壁生合成にとって必要なペニシリン結合タンパク質に結合するセファレキシンによって処置した細胞も同様に、伸長する(図2)(Pogliano et al. (1997) PNAS 94:559; Drawz & Bonomo (2010) Clin. Microbiol. Rev. 23:160)。細胞の長さ単独では抗生物質のクラスを区別しなかったが、以下に示す結果は、他の形態学特色および/または蛍光タグ付け融合タンパク質を含めることにより、様々な薬物クラスを区別できることを証明している。
D.実施例4:ナリジクス酸およびクロラムフェニコール後の染色体構造
染色体の形状は、異なる抗生物質によって異なるようにおよび用量依存的に影響を受ける(図2および4)。ジャイレース阻害剤であるナリジクス酸によって処置した細胞は、伸長した染色体を有する。図4Aにおいて、無処置細胞の集団に関する染色体の長さの分布を、ナリジクス酸の2つの異なる濃度によって2時間処置した細胞と比較する。無処置細胞において、染色体は、長さが1から4ミクロンの範囲であったのに対し、ナリジクス酸の致死用量によって処置した細胞は、長さが1から6ミクロンの範囲であった。MICより5倍低いレベルのナリジクス酸によって処置した場合であっても、細胞は、長さが1から7.5ミクロンの範囲の非常に伸長した染色体を示した。これは、セファレキシンについては当てはまらず、セファレキシンでは細胞は伸長するが、染色体の形状は影響を受けない(Pogliano et al. 1997)。
対照的に、翻訳阻害剤クロラムフェニコールは、大腸菌の染色体構造に対して完全に異なる効果を有した。細胞を致死量(5μg/ml)または致死下用量(1μg/ml)のいずれかによって2時間処置した後、染色体は顕著により凝縮して、長さは0.5から2ミクロンの範囲となったのに対し、無処置染色体は1から4ミクロンの範囲であった(図4B)。最も顕著な効果は、クロラムフェニコールおよびテトラサイクリンの致死量の存在下で認められた。染色体の98%が顕著なドーナツ形状またはリング形状を示した(図5)。ドーナツ形状はまた、30μg/mlなどのクロラムフェニコールの高用量でも存在したが、ナリジクス酸処置細胞では存在しなかった。
他のタンパク質合成阻害剤をこのように試験して、それらが染色体の形態に対して類似の効果を有するか否かを決定した。蛍光顕微鏡は、その作用機序に基づいて、異なるタンパク質合成阻害剤を区別することができる。テトラサイクリンおよびクロラムフェニコールはいずれも、染色体にリングを形成させた(図5)。これらの2つの化合物は構造的に異なるが、それらはリボソームに対して類似の阻害効果を有する(Wilson (2009))。ストレプトマイシンおよびカナマイシンは、翻訳に影響を及ぼすが、異なる機序によって作用する。これらの化合物によって、凝縮した染色体が起こったが、リング形成は起こらなかった(図5)。このように、異なるタンパク質合成阻害剤によってもまた、異なる細胞学パターンが起こる。
E.実施例5:細胞学プロファイリングは、MICより低い濃度(<1/5×MIC)で抗生物質のMOAを検出することができる
細胞学プロファイリング(たとえば、顕微鏡による)の長所は、集団の全体的な生育に対して実質的に効果を有しない顕著な細胞学効果を細胞上で観察できることである。図3および4Aは、ナリジクス酸の致死下濃度の存在下で生育させると、極めて長い染色体(図4A)を有する伸長した細胞(図3)を生じることを証明している。対照的に、クロラムフェニコールの致死下用量の存在下で生育させると、染色体の比較的軽微な凝縮を引き起こした(図4B)。
1つの染色体の端部と細胞の極とのあいだの距離を図6に示す。無処置細胞において、染色体の端部は、細胞のほぼ2/3において、細胞極の0.5ミクロン以内に存在し、このパラメータは、0.1から0.7ミクロンの範囲であった(図6;左側の棒グラフ)。クロラムフェニコールの致死下用量によって処置した細胞において、このパラメータは有意に増加した;値の範囲は0.1ミクロンから1.3ミクロンまで拡大した(図6;中央の棒グラフ)。対照として、この効果をクロラムフェニコールの致死量による処置後に測定したところ、劇的な増加が起こった(図6;右側の棒グラフ)。このように、追加のパラメータを用いると、全体的な生育に及ぼす効果がほとんどない場合であっても、抗生物質の細胞学効果を感度よく検出することができる。
第二の例として、ナリジクス酸を致死量(1×MIC)で細胞に添加したところ、生育の低減および劇的な形態学的欠損が認められた(図7)。ナリジクス酸をMICより5倍低い濃度で培養物に添加すると、生育に対して検出可能な効果は認められなかった(600 nmでの吸光度に基づく;図7G)。しかし、低用量のナリジクス酸は、細胞の形態に対して劇的な効果を有する(図7E)。結果は、細胞学プロファイリングが抗体の多数のクラスの効果を検出するために極めて感度がよいことを示している。
F.実施例6:細胞のエンベロープを標的とする抗生物質は、異なる細胞学プロファイルを生じる
上記の例は、ジャイレース阻害剤であるナリジクス酸、細胞分裂阻害剤であるセファレキシン、タンパク質合成阻害剤のクロラムフェニコールおよびテトラサイクリン、ならびにタンパク質合成阻害剤のストレプトマイシンおよびカナマイシンの差異を証明している。本発明の実施例は、バンコマイシン(ペプチドグリカン生合成のためにリピッドII前駆体に結合する)、ペニシリンG(細胞壁生合成を阻害する)、ナイシン(膜チャネルを組み立てる)、アジ化合物(細胞ATPレベルを低減させる)、およびCCCP(プロトンイオノフォア)によって代表される他の抗生物質クラスの独自の細胞学効果を示す。
これらの薬物がグラム陽性細菌である枯草菌に及ぼす効果を、蛍光膜染料FM 4-64および膜不透過性である2つのヌクレオチド染料(DAPIおよびSytox)を用いて決定した。後者の染料は、無傷の細胞において低い蛍光強度(図8、無処置)を示し、および膜を透過性にしたまたは完全に溶解した細胞において明るい蛍光を示す。
図8は、膜に大きい孔を生じるナイシンによる処置が、DAPIおよびSytox染色の増加を急激に引き起こすことを示している。不均一な細胞分裂および細胞形質膜の不均一な染色などのわずかな膜の破壊も同様に認められる。リピッドII前駆体に結合することによって細胞壁生合成を阻害するバンコマイシンによる処置は、細胞のサブセットにおいて、内膜小胞を生じて、DAPIおよびSytox透過性の増加を生じる。細胞壁生合成を阻害するペニシリンGによる処置は、様々な時間で溶解する凝縮染色体を有する細胞を生じる。これらの溶解細胞は、細胞形質膜において大きい間隙を有し、DAPIおよびSytoxによって明るく染色する。細胞エネルギーを枯渇させる2つの化合物、すなわちアジ化ナトリウム(細胞ATPを枯渇させる)およびプロトンイオノフォアCCCP(タンパク質駆動力(PMF)を枯渇させる)による処置は、不均一な膜染色および脱凝縮染色体を有する細胞を生じる。細胞のいくつかは溶解して、膜に大きい間隙を示し、DAPIおよびSytox染色、ならびに細胞外膜小胞を大きく増加させた。
それゆえ、細胞学プロファイリングは、細胞形質膜において大きいチャネルを形成する化合物、細胞エネルギー貯蔵を破壊する化合物、および細胞壁生合成を阻害する化合物を区別することができ、この場合、細胞壁合成における異なる段階を阻害する化合物もさらに識別することができる。このように、細胞学プロファイリングは、細胞エンベロープの異なる特色に影響を及ぼす化合物を信頼可能に識別することができる。これらの特色は、細胞学プロファイリングをハイスループットスクリーニングにおいて用いることができる自動画像分析を用いて測定することができる。
G.実施例7:主成分分析
細胞学プロファイリングは、集団の各細胞に関する一連の測定を行うことに依存する。2つから12個より多くの異なる細胞学測定を得ることができる。一連の測定を行った後、データを異なるように分析することができる。最も単純なタイプの分析において、2つの測定を互いに対してプロットする(たとえば、図9Aを参照されたい)。図9Aは、細胞幅の平均値を、染色体と細胞極との距離対平均細胞長の比率の平均値に対してプロットする。二次元プロットを用いて、異なる抗生物質は明らかにカテゴリーに分離する。
2つより多くの要因を分析において用いて、さらなる分離を提供することができる。このように、主成分分析は、特定の実験においてなされた細胞学測定の全てを分析するために用いることができる。この強力な数学的分析は、多数の細胞学測定の分析を可能にして、異なる抗生物質クラスを識別するために最も重要であるものを同定する。
主成分分析(PCA)を用いて多数の測定を比較して、データ中のパターンを同定および定量することができる。結果を多次元データセットから単純な2Dフォーマットに圧縮する(図9B)。PCAは、タンパク質翻訳阻害剤、RNA転写阻害剤、DNA複製阻害剤、プロトン駆動力(PMF)阻害剤などのMOAに基づいて化合物を区別することができる。これらは、無処置および漂白剤処置(非特異的)対照試料からさらに区別される。
H.実施例8:未知である化合物のMOAの決定
新しく同定された化合物および粗抽出物に存在する1つの化合物を含む、未知である化合物のMOAを決定するために細胞学プロファイリングを用いることが示される。第一の化合物であるSDPは、枯草菌の人食い毒素であるが(Liu et al. (2010) PNAS 107:16286)、本発明者らは、SDPが膜を急速に脱分極させて自己溶解を誘発することによって細胞を殺すことを見いだした(図1)。第二および第三の化合物であるスピロヘキセノリドAおよびクロロスリシン(Kang et al. (2009) J. Org. Chem. 74:9054; Pache & Champman (1972) Biochim Biophys Acta 255:348)は、グラム陽性菌および大腸菌imp変異体に対して活性なスピロテトロン酸塩化合物である。第四の化合物であるポリミキシンBは、薬物耐性細菌感染症に関する最後の手段の処置として用いられる。最後に、細胞学プロファイリングを用いて、バシラエンを含む粗抽出物が翻訳を阻害することを証明した。
1.SDP
図8におけるSDPの細胞学プロファイルは、アジ化合物およびCCCP処置細胞において、ならびに非通気培養物において認められる表現型と類似の劇的な溶解表現型を示す。表現型は、SDPが、細胞エネルギーレベル(ATPまたはプロトン駆動力のいずれか)を減少させることを示している。蛍光染料DiSC3(5)を蛍光計アッセイにおいて用いたが、このアッセイでは減少したPMFを有する細胞は蛍光の増加を示す。このアッセイは、フローサイトメトリーデータと共に、SDP(ナイシンおよびCCCPと同様に)が膜を急速に脱分極することを証明した。SDPは、PMFを枯渇させることによって細胞を殺す。溶解は、生存率が失われた後によく起こるSDP処置の副次的結末である。主要な自己溶解酵素を欠損する変異体は、SDP処置により溶解することができないが、なおも生存不能のままである。このように、自己溶解は、細胞エネルギー貯蔵の枯渇に起因する。
細胞学プロファイリングは、ナイシンとSDPのMOAの重要な差を明らかにした。第一に、ナイシン処置細胞は、おそらく大きいチャネルの形成により、SytoxおよびDAPIに対する透過性の急速な増加を示した。SDP処置細胞は、溶解後に限って透過性の増加を示し、このことはSDPが大きい膜チャネルを作製しないことを示している。第二に、ナイシン処置細胞は、SDP処置細胞において観察された劇的な溶解を示さなかった。対照的に、SDP処置細胞は、急速に透過性とならず、自己溶解酵素が細胞壁を消化して、膜小胞を急速に押し出させるまで高い内部浸透圧を維持する。
結果は、細胞学プロファイリングが、PMFを阻害する細胞溶解化合物と、膜チャネルを作る化合物とを区別できることを示している。
2.スピロヘキセノリドAおよびクロロスリシン
細胞学プロファイリングを用いて、スピロヘキセノリドAのMOAを決定した。大腸菌imp株の培養物をLB培地において30℃で生育させて、スピロヘキセノリドAを様々な濃度で添加した。10分または2時間後、蛍光顕微鏡によって調べるために、試料をFM 4-64およびDAPIによって染色した。スピロヘキセノリドAの細胞学プロファイルは、膜においてチャネルを形成する化合物であるナイシンのプロファイルと同一であった。DAPIおよびSytoxグリーンなどの染色体染料は、無処置細胞では細胞形質膜によって細胞から部分的に排除されるが、ナイシンなどの透過剤によって処置した細胞では取り込まれる。図10に示されるように、ナイシンまたはスピロヘキセノリドAによって処置した細胞は、無処置(WT)細胞より5倍強くDAPIによって染色された。このことは、スピロヘキセノリドAが細胞形質膜を透過性にすることを示唆している。クロロスリシンも同様に、DAPI染色を増加させたが、ナイシンまたはスピロヘキセノリドAよりいくぶん程度は低かった。結果は、スピロヘキセノリドAおよびクロロスリシンが、孔形成毒素であるナイシンと類似のように細胞を急速に透過性にすることを示している。
3.ポリミキシンB
ポリミキシンは、1950年代に最初に記述されたグラム陰性菌に対する抗菌物質であるが、その臨床での使用は用量制限毒性のために中断された(Zavascki et al. (2007) J. Antimicrob Chemother. 60: 1206)。薬物耐性グラム陰性菌感染症の出現は、緑膿菌(P. aeruginosa)、アシネトバクター・バウマンニ(A. baumannii)、およびクレブシエラ・ニューモニエ(K. pneumoniae)によって引き起こされる感染症を処置するための最後の手段の薬物として、ポリミキシンの臨床での使用の増加のきっかけとなっている。しかし、毒性の問題はなおもやっかいであり、しばしば処置の一時中止が起こる。
ポリミキシンが細胞を殺す機序は、完全にはわかっていない。広く容認されている膜破壊モデルは、インビトロ試験に由来するが、生きている細胞に対するポリミキシンの効果は、決定されていない。
ポリミキシンB処置大腸菌による細胞学プロファイリングは、ポリミキシンBが、LpxC(LPSのリピッドA部分の合成に関係する)を阻害する化合物であるCHIR-090と類似の細胞学プロファイルを示すことを示した(図11)。結果は、ポリミキシンBが外膜生合成を遮断することを示している(Barb et al. (2007) PNAS 104: 18433)。この新しいモデルは、ポリミキシンBが、外膜を可溶化する前に単にリピッドAを用いて外膜に結合するのではなく、リピッドAに直接結合して、これを隔離することによって作用することを示している。この新しいモデルは、ポリミキシンが、通常グラム陽性菌のみを殺す薬物であるバンコマイシンに対してグラム陰性菌を感作できることと一貫する(Gordon et al. (2010) Antimicrob. Agents Chemother.54:5316)。
4.粗生物抽出物中の分子のMOA決定
天然物は抗菌化合物の重要な起源であるが、粗抽出物の複雑さは単離を難しくしうる。天然物抽出物に関するこれまでの研究は、化合物の同一性および作用機序を決定しようと試みる前に、可能性がある新規化合物を複雑な抽出物から均一になるまで最初に精製する段階に依存した(Molinari et al. (2009) Adv. Exp. Med. Biol. 655:13)。本発明の結果は、精製が不要であることを示しており、抗生物質発見に関する細胞学プロファイリングの効力を証明している。
枯草菌は、多様な公知の抗菌化合物を産生して、そのゲノムは、特徴付けされていない化合物を産生することができるいくつかの特徴付けされていないpks遺伝子を含む。枯草菌株3610からの抽出物を調製した(図12)。株を最初にペトリプレート上で生育させた後、寒天および細菌を95%メタノールによって抽出して、余分な天然物を除去した。C18カラムによりメタノール抽出物を8個の画分に分離した。数マイクロリットル(1μl、3μl、または5μl)を大腸菌imp変異体(外膜を欠損する)の菌叢の上にしみこませることによって、画分の各々を抗生物質活性に関してスクリーニングした。2つの画分(50%メタノールおよび80%メタノール)が抗菌活性を含んだ(透明なゾーンによって示される)。
細胞学プロファイリングは、抽出物が翻訳阻害剤を含むことを証明した(図12)。これらの知見に基づき、抗生物質活性は、ハイブリッドポリケチド/非リボソームペプチドバシラエンであるという仮説が立てられた。2回の実験は、バシラエンが細胞学プロファイルによって示される翻訳阻害剤であることを証明した。第一に、変異体3610株(バシラエン合成にとって必要なpks遺伝子クラスタにおいて)からの抽出物を生成した。細胞学プロファイリングは、変異体株の抽出物が翻訳を阻害せず(図12)、細胞の生育も阻害しないことを示した。第二に、質量分析により、バシラエンが、殺細胞を引き起こして翻訳を阻害する抽出物中に存在することが示された(図12)。それゆえ、バシラエンは、枯草菌抽出物中の抗生物質である。
5.真核細胞酵素、疾患、および病原体に対する細菌細胞学プロファイルの応用
多くの必須の生化学経路が細菌と真核細胞のあいだで保存されている。細胞学プロファイリングを用いて、細菌において機能的相同体またはアナログを有する真核細胞酵素に対して活性である薬物に関してスクリーニングすることができる。これらのスクリーニング法では、細菌酵素を枯渇させて、真核細胞酵素をその場所に発現させる。たとえば、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)は、細菌および真核細胞の双方においてヌクレオチドの合成にとって必須である。細菌酵素(抗生物質として用いられる)、マラリア原虫(Plasmodium malariae)酵素(抗マラリア剤として用いられる)、または哺乳動物酵素(化学療法剤として用いられる)のいずれかに対して選択的であるDHFR阻害剤が開発されている。トリメトプリムは、細菌DHFRを選択的に阻害する抗生物質である。メトトレキサートは、哺乳動物DHFRを阻害し、多くのタイプの癌を処置するために用いられている。細胞学プロファイリングは、トリメトプリム処置細胞が、他の抗生物質のプロファイルとは異なる独自の細胞学プロファイルを有することを示している。細菌DHFRをプラスモディウムのDHFRまたは哺乳動物のDHFRに交換すると、このように、抗マラリア剤または抗癌剤に関して薬物をスクリーニングすることができる。類似の戦略を、細菌において本質的な相対物を有する酵素に依存する任意のヒト疾患に応用してもよく、たとえば抗真菌化合物、抗マラリア化合物、および抗癌剤に関してスクリーニングするために用いてもよい。さらなる例には、DNA代謝、アミノ酸代謝、およびミトコンドリア機能に関係する他の酵素が挙げられる。
さらに、真核細胞酵素を発現する細菌の細胞学プロファイルに及ぼす候補阻害剤の効果を観察することによって、真核細胞タンパク質の阻害剤を同定および/または選択する方法が提供される。いくつかの態様において、方法は、細菌において異種真核細胞タンパク質を発現させる段階(たとえば、標準的な組み換え技術を用いて);細菌に候補阻害剤を接触させる段階;細菌の少なくとも1つの細胞学特徴(たとえば、本明細書において記述される任意の細胞学特徴)を検出する段階;少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす候補阻害剤の効果を、対照(または1つより多くの対象)のそれと比較する段階;候補阻害剤が少なくとも1つの細胞学特徴に対して効果を有すれば、その候補抗生物質を選択する段階を含む。いくつかの態様において、対照は接触させていない細菌である。いくつかの態様において、対照は、異種真核細胞タンパク質を発現しない細菌である。いくつかの態様において、対照は、公知のMOAを有する抗生物質を接触させた細菌である。いくつかの態様において、異種真核細胞タンパク質を発現する細胞と対照は、同じ細菌株である。いくつかの態様において、異種真核細胞タンパク質を発現する細菌と対照は、異なる細菌株の細菌である。いくつかの態様において、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれより多くの細胞学特徴が、所定の候補阻害剤に関して検出される。
[本発明1001]
以下の段階を含む、抗生物質の作用様式を決定する方法:
(i)抗生物質に細菌を接触させる段階;
(ii)段階(i)において接触させた細菌の少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階であって、該細胞学特徴が、細胞サイズ、染色体の形状、染色体のサイズ、細胞当たりの染色体の数、染色体の位置、膜の形状、細胞当たりの複製フォークの数、プロトン駆動力、細胞中心に対する染色体の位置、細胞中心間の平均距離、細胞透過性、および検出可能に標識したポリヌクレオチドまたはポリペプチドの位置または強度からなる群より選択される、段階;
(iii)段階(ii)における少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を、対象のそれと比較する段階;ならびに
(iv)抗生物質の作用様式を決定する段階。
[本発明1002]
対照が、接触させていない細菌である、本発明1001の方法。
[本発明1003]
対照が、公知の作用様式を有する抗生物質を接触させた細菌である、本発明1001または1002の方法。
[本発明1004]
段階(i)において抗生物質を接触させた細菌と対照とが同じ細菌株である、本発明1002または1003の方法。
[本発明1005]
段階(i)の細菌とは異なる細菌株の細菌を抗生物質に接触させる段階、および少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階をさらに含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1006]
検出する段階が、ハイスループット顕微鏡を用いて行われる、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1007]
少なくとも2つの細胞学特徴が検出される、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1008]
少なくとも3つの細胞学特徴が検出される、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1009]
以下の段階を含む、抗生物質を選択する方法:
(i)細菌に候補抗生物質を接触させる段階;
(ii)段階(i)において接触させた細菌の少なくとも1つの細胞学特徴を検出する段階であって、該細胞学特徴が、細胞サイズ、染色体の形状、染色体のサイズ、細胞当たりの染色体の数、染色体の位置、膜の形状、細胞当たりの複製フォークの数、プロトン駆動力、細胞中心に対する染色体の位置、細胞中心間の平均距離、細胞透過性、および検出可能に標識したポリヌクレオチドまたはポリペプチドの位置または強度からなる群より選択される、段階;
(iii)少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす候補抗生物質の効果を、公知の作用様式を有する抗生物質の公知の量を接触させた細菌である対象のそれと比較する段階;ならびに
(iv)同じまたはより少ない量の候補抗生物質によって、少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす段階(iii)における抗生物質の公知の量より大きな効果が得られる場合、段階(i)における候補抗生物質を選択する段階。
[本発明1010]
段階(i)において候補抗生物質を接触させた細菌と対照とが同じ細菌株である、本発明1009の方法。
[本発明1011]
以下の段階を含む、抗生物質に対する細菌株の応答を特徴付けする方法:
(i)細菌株由来の細菌を抗生物質に接触させる段階;
(ii)細菌の少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階であって、該少なくとも1つの細胞学特徴が、細胞サイズ、染色体の形状、染色体のサイズ、細胞当たりの染色体の数、染色体の位置、膜の形状、細胞当たりの複製フォークの数、プロトン駆動力、細胞中心に対する染色体の位置、細胞中心間の平均距離、細胞透過性、および検出可能に標識したポリヌクレオチドまたはポリペプチドの位置または強度からなる群より選択される、段階;
(iii)少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を対象のそれと比較して、それによって抗生物質に対する細菌株の応答を特徴付けする段階。
[本発明1012]
対照が、接触させていない細菌である、本発明1011の方法。
[本発明1013]
対照が、公知の作用様式を有する抗生物質を接触させた細菌である、本発明1011または1012の方法。
[本発明1014]
段階(i)において抗生物質を接触させた細菌と対照とが同じ細菌株である、本発明1012または1013の方法。
[本発明1015]
段階(i)の細菌とは異なる株の細菌における少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階をさらに含む、本発明1011〜1014のいずれかの方法。
[本発明1016]
対照が、抗生物質を接触させた段階(i)の細菌とは異なる株の細菌である、本発明1011の方法。
[本発明1017]
段階(i)の細菌が、少なくとも1つの抗生物質に対して耐性である、本発明1011〜1016のいずれかの方法。
[本発明1018]
以下の段階を含む、細菌株の抗生物質感受性を決定する方法:
(i)細菌株由来の細菌に、少なくとも1つの抗生物質を含むパネルを接触させる段階;
(ii)細菌の少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす少なくとも1つの抗生物質の効果を検出する段階であって、該少なくとも1つの細胞学特徴が、細胞サイズ、染色体の形状、染色体のサイズ、細胞当たりの染色体の数、染色体の位置、膜の形状、細胞当たりの複製フォークの数、プロトン駆動力、細胞中心に対する染色体の位置、細胞中心間の平均距離、細胞透過性、および検出可能に標識したポリヌクレオチドまたはポリペプチドの位置または強度からなる群より選択される、段階;ならびに
(iii)少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす少なくとも1つの抗生物質の効果を対象のそれと比較して、それによって細菌株の抗生物質感受性を決定する段階。
[本発明1019]
パネルが複数の抗生物質を含み、かつ該複数の抗生物質が、異なる作用様式を有する抗生物質を含む、本発明1018の方法。
[本発明1020]
対照が、接触させていない細菌である、本発明1018または1019の方法。
[本発明1021]
対照が、公知の作用様式を有する抗生物質を接触させた細菌である、本発明1018〜1020のいずれかの方法。
[本発明1022]
段階(i)において少なくとも1つの抗生物質を接触させた細菌と対照とが同じ細菌株である、本発明1018〜1021のいずれかの方法。
[本発明1023]
対照が、抗生物質を接触させた段階(i)の菌とは異なる株の細菌である、本発明1018〜1021のいずれかの方法。
[本発明1024]
段階(i)の細菌株に感染した個体、表面、真核細胞培養物、または施設の抗生物質処置の方針を決定する段階をさらに含む、本発明1018〜1023のいずれかの方法。
[本発明1025]
以下の段階を含む、抗生物質を分類する方法:
(i)抗生物質に細菌を接触させる段階:
(ii)段階(i)において接触させた細菌の少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階であって、該細胞学特徴が、細胞サイズ、染色体の形状、染色体のサイズ、細胞当たりの染色体の数、染色体の位置、膜の形状、細胞当たりの複製フォークの数、プロトン駆動力、細胞中心に対する染色体の位置、細胞中心間の平均距離、細胞透過性、および検出可能に標識したポリヌクレオチドまたはポリペプチドの位置または強度からなる群より選択される、段階;
(iii)段階(ii)における少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を対象のそれと比較する段階;ならびに
(iv)抗生物質を分類する段階。
[本発明1026]
対照が、接触させていない細菌である、本発明1025の方法。
[本発明1027]
対照が、公知の作用様式を有する公知の抗菌物質を接触させた細菌である、本発明1025または1026の方法。
[本発明1028]
段階(i)において接触させた細菌と対照とが同じ細菌株である、本発明1026または1027の方法。
[本発明1029]
複数の細菌株について行われる、本発明1025〜1028のいずれかの方法。
[本発明1030]
以下の段階を含む、細菌株に関する細胞学プロファイルを作製する方法:
(i)細菌株由来の細菌に第一の抗生物質を接触させる段階;
(ii)細菌の少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階であって、該特徴が、細胞サイズ、染色体の形状、染色体のサイズ、細胞当たりの染色体の数、染色体の位置、膜の形状、細胞当たりの複製フォークの数、プロトン駆動力、細胞中心に対する染色体の位置、細胞中心間の平均距離、細胞透過性、および検出可能に標識したポリヌクレオチドまたはポリペプチドの位置または強度からなる群より選択される、段階;
(iii)少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす第一の抗生物質の効果を対象のそれと比較して、それによって細菌株の細胞学プロファイルを作製する段階。
[本発明1031]
以下の段階をさらに含む、本発明1030の方法:
(iv)細菌株由来の細菌に第二の抗生物質を接触させる段階;
(v)細菌の少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階であって、該特徴が、細胞サイズ、染色体の形状、染色体のサイズ、細胞当たりの染色体の数、染色体の位置、細胞当たりの複製フォークの数、プロトン駆動力、細胞中心に対する染色体の位置、細胞中心間の平均距離、細胞透過性、および検出可能に標識したポリヌクレオチドまたはポリペプチドの位置または強度からなる群より選択される、段階;ならびに
(vi)少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす第二の抗生物質の効果を対象のそれと比較する段階。
[本発明1032]
対照が、接触させていない細菌である、本発明1030または1031の方法。
[本発明1033]
抗生物質を接触させた細菌と対照とが同じ細菌株である、本発明1030〜1032のいずれかの方法。
[本発明1034]
抗生物質を接触させた細菌と対照が異なる細菌株である、本発明1030〜1032のいずれかの方法。
[本発明1035]
以下の段階を含む、試料中の細菌を同定する方法:
細菌に抗生物質を接触させる段階;
細菌の少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階であって、該特徴が、細胞サイズ、染色体の形状、染色体のサイズ、細胞当たりの染色体の数、染色体の位置、細胞当たりの複製フォークの数、プロトン駆動力、細胞中心に対する染色体の位置、細胞中心間の平均距離、細胞透過性、および検出可能に標識したポリヌクレオチドまたはポリペプチドの位置または強度からなる群より選択される、段階;
細菌に及ぼす抗生物質の効果を、少なくとも1つの細菌株の細胞学プロファイルと比較し、該細胞学プロファイルは細菌が該細菌株に属するか否かを示し、それによって試料から細菌を同定する段階。
[本発明1036]
細胞学プロファイルが、本発明1030〜1034のいずれか一項に記述されるように作製される、本発明1035の方法。
[本発明1037]
細菌に及ぼす抗生物質の効果が、2つまたはそれより多くの細菌株の細胞学プロファイルと比較される、本発明1035または1036の方法。
[本発明1038]
以下の段階を含む、真核細胞タンパク質の阻害剤を同定する方法:
(i)細菌において異種真核細胞タンパク質を発現させる段階;
(ii)細菌に候補阻害剤を接触させる段階;
(iii)少なくとも1つの細胞学特徴を検出する段階であって、該特徴が、細胞サイズ、染色体の形状、染色体のサイズ、細胞当たりの染色体の数、染色体の位置、膜の形状、細胞当たりの複製フォークの数、プロトン駆動力、細胞中心に対する染色体の位置、細胞中心間の平均距離、細胞透過性、および検出可能に標識したポリヌクレオチドまたはポリペプチドの位置または強度からなる群より選択される、段階;
(iv)少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす候補阻害剤の効果を対象のそれと比較する段階;ならびに
(v)候補阻害剤が少なくとも1つの細胞学特徴に対して効果を有する場合、該候補抗生物質を選択する段階。
[本発明1039]
対照が、接触させていない細菌である、本発明1038の方法。
[本発明1040]
対照が、異種真核細胞タンパク質を発現しない細菌である、本発明1038または1039の方法。
[本発明1041]
対照が、公知のMOAを有する抗生物質を接触させた細菌である、本発明1038〜1040のいずれかの方法。
[本発明1042]
異種真核細胞タンパク質を発現する細菌と対照とが同じ細菌株である、本発明1038〜1041のいずれかの方法。
[本発明1043]
少なくとも3つの細胞学特徴が所定の候補阻害剤に関して検出される、本発明1038〜1042のいずれかの方法。

Claims (43)

  1. 以下の段階を含む、抗生物質の作用様式を決定する方法:
    (i)抗生物質に細菌を接触させる段階;
    (ii)段階(i)において接触させた細菌の少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階であって、該細胞学特徴が、細胞サイズ、染色体の形状、染色体のサイズ、細胞当たりの染色体の数、染色体の位置、膜の形状、細胞当たりの複製フォークの数、プロトン駆動力、細胞中心に対する染色体の位置、細胞中心間の平均距離、細胞透過性、および検出可能に標識したポリヌクレオチドまたはポリペプチドの位置または強度からなる群より選択される、段階;
    (iii)段階(ii)における少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を、対象のそれと比較する段階;ならびに
    (iv)抗生物質の作用様式を決定する段階。
  2. 対照が、接触させていない細菌である、請求項1記載の方法。
  3. 対照が、公知の作用様式を有する抗生物質を接触させた細菌である、請求項1または2記載の方法。
  4. 段階(i)において抗生物質を接触させた細菌と対照とが同じ細菌株である、請求項2または3記載の方法。
  5. 段階(i)の細菌とは異なる細菌株の細菌を抗生物質に接触させる段階、および少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階をさらに含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  6. 検出する段階が、ハイスループット顕微鏡を用いて行われる、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  7. 少なくとも2つの細胞学特徴が検出される、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  8. 少なくとも3つの細胞学特徴が検出される、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  9. 以下の段階を含む、抗生物質を選択する方法:
    (i)細菌に候補抗生物質を接触させる段階;
    (ii)段階(i)において接触させた細菌の少なくとも1つの細胞学特徴を検出する段階であって、該細胞学特徴が、細胞サイズ、染色体の形状、染色体のサイズ、細胞当たりの染色体の数、染色体の位置、膜の形状、細胞当たりの複製フォークの数、プロトン駆動力、細胞中心に対する染色体の位置、細胞中心間の平均距離、細胞透過性、および検出可能に標識したポリヌクレオチドまたはポリペプチドの位置または強度からなる群より選択される、段階;
    (iii)少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす候補抗生物質の効果を、公知の作用様式を有する抗生物質の公知の量を接触させた細菌である対象のそれと比較する段階;ならびに
    (iv)同じまたはより少ない量の候補抗生物質によって、少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす段階(iii)における抗生物質の公知の量より大きな効果が得られる場合、段階(i)における候補抗生物質を選択する段階。
  10. 段階(i)において候補抗生物質を接触させた細菌と対照とが同じ細菌株である、請求項9記載の方法。
  11. 以下の段階を含む、抗生物質に対する細菌株の応答を特徴付けする方法:
    (i)細菌株由来の細菌を抗生物質に接触させる段階;
    (ii)細菌の少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階であって、該少なくとも1つの細胞学特徴が、細胞サイズ、染色体の形状、染色体のサイズ、細胞当たりの染色体の数、染色体の位置、膜の形状、細胞当たりの複製フォークの数、プロトン駆動力、細胞中心に対する染色体の位置、細胞中心間の平均距離、細胞透過性、および検出可能に標識したポリヌクレオチドまたはポリペプチドの位置または強度からなる群より選択される、段階;
    (iii)少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を対象のそれと比較して、それによって抗生物質に対する細菌株の応答を特徴付けする段階。
  12. 対照が、接触させていない細菌である、請求項11記載の方法。
  13. 対照が、公知の作用様式を有する抗生物質を接触させた細菌である、請求項11または12記載の方法。
  14. 段階(i)において抗生物質を接触させた細菌と対照とが同じ細菌株である、請求項12または13記載の方法。
  15. 段階(i)の細菌とは異なる株の細菌における少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階をさらに含む、請求項11〜14のいずれか1項記載の方法。
  16. 対照が、抗生物質を接触させた段階(i)の細菌とは異なる株の細菌である、請求項11記載の方法。
  17. 段階(i)の細菌が、少なくとも1つの抗生物質に対して耐性である、請求項11〜16のいずれか1項記載の方法。
  18. 以下の段階を含む、細菌株の抗生物質感受性を決定する方法:
    (i)細菌株由来の細菌に、少なくとも1つの抗生物質を含むパネルを接触させる段階;
    (ii)細菌の少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす少なくとも1つの抗生物質の効果を検出する段階であって、該少なくとも1つの細胞学特徴が、細胞サイズ、染色体の形状、染色体のサイズ、細胞当たりの染色体の数、染色体の位置、膜の形状、細胞当たりの複製フォークの数、プロトン駆動力、細胞中心に対する染色体の位置、細胞中心間の平均距離、細胞透過性、および検出可能に標識したポリヌクレオチドまたはポリペプチドの位置または強度からなる群より選択される、段階;ならびに
    (iii)少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす少なくとも1つの抗生物質の効果を対象のそれと比較して、それによって細菌株の抗生物質感受性を決定する段階。
  19. パネルが複数の抗生物質を含み、かつ該複数の抗生物質が、異なる作用様式を有する抗生物質を含む、請求項18記載の方法。
  20. 対照が、接触させていない細菌である、請求項18または19記載の方法。
  21. 対照が、公知の作用様式を有する抗生物質を接触させた細菌である、請求項18〜20のいずれか1項記載の方法。
  22. 段階(i)において少なくとも1つの抗生物質を接触させた細菌と対照とが同じ細菌株である、請求項18〜21のいずれか1項記載の方法。
  23. 対照が、抗生物質を接触させた段階(i)の菌とは異なる株の細菌である、請求項18〜21のいずれか1項記載の方法。
  24. 段階(i)の細菌株に感染した個体、表面、真核細胞培養物、または施設の抗生物質処置の方針を決定する段階をさらに含む、請求項18〜23のいずれか1項記載の方法。
  25. 以下の段階を含む、抗生物質を分類する方法:
    (i)抗生物質に細菌を接触させる段階:
    (ii)段階(i)において接触させた細菌の少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階であって、該細胞学特徴が、細胞サイズ、染色体の形状、染色体のサイズ、細胞当たりの染色体の数、染色体の位置、膜の形状、細胞当たりの複製フォークの数、プロトン駆動力、細胞中心に対する染色体の位置、細胞中心間の平均距離、細胞透過性、および検出可能に標識したポリヌクレオチドまたはポリペプチドの位置または強度からなる群より選択される、段階;
    (iii)段階(ii)における少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を対象のそれと比較する段階;ならびに
    (iv)抗生物質を分類する段階。
  26. 対照が、接触させていない細菌である、請求項25記載の方法。
  27. 対照が、公知の作用様式を有する公知の抗菌物質を接触させた細菌である、請求項25または26記載の方法。
  28. 段階(i)において接触させた細菌と対照とが同じ細菌株である、請求項26または27記載の方法。
  29. 複数の細菌株について行われる、請求項25〜28のいずれか1項記載の方法。
  30. 以下の段階を含む、細菌株に関する細胞学プロファイルを作製する方法:
    (i)細菌株由来の細菌に第一の抗生物質を接触させる段階;
    (ii)細菌の少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階であって、該特徴が、細胞サイズ、染色体の形状、染色体のサイズ、細胞当たりの染色体の数、染色体の位置、膜の形状、細胞当たりの複製フォークの数、プロトン駆動力、細胞中心に対する染色体の位置、細胞中心間の平均距離、細胞透過性、および検出可能に標識したポリヌクレオチドまたはポリペプチドの位置または強度からなる群より選択される、段階;
    (iii)少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす第一の抗生物質の効果を対象のそれと比較して、それによって細菌株の細胞学プロファイルを作製する段階。
  31. 以下の段階をさらに含む、請求項30記載の方法:
    (iv)細菌株由来の細菌に第二の抗生物質を接触させる段階;
    (v)細菌の少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階であって、該特徴が、細胞サイズ、染色体の形状、染色体のサイズ、細胞当たりの染色体の数、染色体の位置、細胞当たりの複製フォークの数、プロトン駆動力、細胞中心に対する染色体の位置、細胞中心間の平均距離、細胞透過性、および検出可能に標識したポリヌクレオチドまたはポリペプチドの位置または強度からなる群より選択される、段階;ならびに
    (vi)少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす第二の抗生物質の効果を対象のそれと比較する段階。
  32. 対照が、接触させていない細菌である、請求項30または31記載の方法。
  33. 抗生物質を接触させた細菌と対照とが同じ細菌株である、請求項30〜32のいずれか1項記載の方法。
  34. 抗生物質を接触させた細菌と対照が異なる細菌株である、請求項30〜32のいずれか1項記載の方法。
  35. 以下の段階を含む、試料中の細菌を同定する方法:
    細菌に抗生物質を接触させる段階;
    細菌の少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす抗生物質の効果を検出する段階であって、該特徴が、細胞サイズ、染色体の形状、染色体のサイズ、細胞当たりの染色体の数、染色体の位置、細胞当たりの複製フォークの数、プロトン駆動力、細胞中心に対する染色体の位置、細胞中心間の平均距離、細胞透過性、および検出可能に標識したポリヌクレオチドまたはポリペプチドの位置または強度からなる群より選択される、段階;
    細菌に及ぼす抗生物質の効果を、少なくとも1つの細菌株の細胞学プロファイルと比較し、該細胞学プロファイルは細菌が該細菌株に属するか否かを示し、それによって試料から細菌を同定する段階。
  36. 細胞学プロファイルが、請求項30〜34のいずれか1項に記述されるように作製される、請求項35記載の方法。
  37. 細菌に及ぼす抗生物質の効果が、2つまたはそれより多くの細菌株の細胞学プロファイルと比較される、請求項35または36記載の方法。
  38. 以下の段階を含む、真核細胞タンパク質の阻害剤を同定する方法:
    (i)細菌において異種真核細胞タンパク質を発現させる段階;
    (ii)細菌に候補阻害剤を接触させる段階;
    (iii)少なくとも1つの細胞学特徴を検出する段階であって、該特徴が、細胞サイズ、染色体の形状、染色体のサイズ、細胞当たりの染色体の数、染色体の位置、膜の形状、細胞当たりの複製フォークの数、プロトン駆動力、細胞中心に対する染色体の位置、細胞中心間の平均距離、細胞透過性、および検出可能に標識したポリヌクレオチドまたはポリペプチドの位置または強度からなる群より選択される、段階;
    (iv)少なくとも1つの細胞学特徴に及ぼす候補阻害剤の効果を対象のそれと比較する段階;ならびに
    (v)候補阻害剤が少なくとも1つの細胞学特徴に対して効果を有する場合、該候補抗生物質を選択する段階。
  39. 対照が、接触させていない細菌である、請求項38記載の方法。
  40. 対照が、異種真核細胞タンパク質を発現しない細菌である、請求項38または39記載の方法。
  41. 対照が、公知のMOAを有する抗生物質を接触させた細菌である、請求項38〜40のいずれか1項記載の方法。
  42. 異種真核細胞タンパク質を発現する細菌と対照とが同じ細菌株である、請求項38〜41のいずれか1項記載の方法。
  43. 少なくとも3つの細胞学特徴が所定の候補阻害剤に関して検出される、請求項38〜42のいずれか1項記載の方法。
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