JP2017038536A - アルジナン組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、微細藻類由来バイオマスから、効率よく極めて簡便に高純度のアルジナン組成物を得る製造方法を提供することにある。【解決手段】pH10以上13以下の条件下でアルカリ処理を施した微細藻類由来バイオマスを含むスラリーから、アルジナンを浮遊分離処理することを特徴とするアルジナン組成物の製造方法であって、好ましくは、前記スラリー溶媒の比重が0.9〜1.2であるアルジナン組成物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、微細藻類由来バイオマスから、効率よく極めて簡便に、高純度のアルジナン組成物を得る製造方法に関するものである。
藻類が産生する炭化水素類はバイオ燃料として有望視され、産業化に向けた研究が進められている。藻類の中でもボトリオコッカス属の微細藻類は、重油相当の性質を持つ炭化水素を産生することから液体燃料を効率よく得られる藻類として注目されている。ボトリオコッカス属の微細藻類から産生する炭化水素は、構造上の特徴より、Race−A、Race−B、Race−LおよびRace−Sの大きく4つのグループに分けられ、なかでもC2n−10(n=30〜37)で表されるトリテルペン構造を持つ炭化水素を産生するRace−Bグループの株は、30〜40質量%の炭化水素を産生するものが多い(例えば、非特許文献1参照)。
ボトリオコッカス属の微細藻類は、成長の過程で数個〜数百個の細胞の集合体(コロニー)を形成し、自身が産生した炭化水素類等の重合合成物であるバイオポリマー(アルジナン)によってコロニーの構造が維持されている。前述のようにして産生した炭化水素類は、このアルジナン中に30〜40質量%程度まで保持、蓄積される。このようにして蓄積した炭化水素類は溶媒抽出等の過程を経てバイオ燃料やバイオリファイナリーの原料として利用されるが、炭化水素類を除かれた大量の残渣は廃棄物となり、藻類由来バイオ燃料の産業化の足枷となっていた(例えば、非特許文献2参照)。
このボトリオコッカス属の微細藻類より炭化水素類を除かれた大量の残渣は、先に述べた炭化水素類等の重合合成物であるアルジナンを50〜60質量%程度含有するが、従来は、残渣を原料として、各種溶媒による溶出分の除去、水酸化カリウムによる鹸化処理、リン酸処理、各種溶媒による洗浄処理等、煩雑な操作を経て得られていた(例えば、非特許文献3参照)。
一方、アルジナンについては機器分析による構造推定がなされており、ボトリオコッカス属の微細藻類の種によって若干異なる構造を有するものの、炭化水素鎖のなかに二重結合が存在することから、ゴム様、スポンジ様の弾力を有すると予想され(例えば、非特許文献4参照)、各種工業分野での利用が期待されているが、前述のように煩雑な精製操作が必要であるばかりか、アルジナンは酸、アルカリ等の各種薬剤への耐性が高く、また、有機溶剤等に溶解もしないことから、有効に利用されていない現状であり、効率よく極めて簡便にアルジナンの純度を高める製造方法の開発が望まれていた。
Microbiol.Cult.Coll.26(1).1−10(2010)p.4 平成23年度農山漁村6次産業化対策事業「農山漁村における藻類バイオマスファームの事業化可能性調査報告書」p.7 Phytochemistry 22(2).389−97(1983)p.395 Microbiol.Cult.Coll.26(1).1−10(2010)p.5−7
本発明の目的は、微細藻類由来バイオマスから、効率よく極めて簡便に高純度のアルジナン組成物を得る製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題の解決のため鋭意研究を重ねた結果、アルカリ処理を施した微細藻類由来バイオマスを含むスラリー中で、スラリー溶媒と該微細藻類由来バイオマスとの比重差により極めて容易に浮遊分離可能であることを見出した。本発明者らは、さらに研究を重ねて、アルカリ処理を施した微細藻類由来バイオマスを含むスラリーから、アルジナンを浮遊分離処理することで、効率よく極めて簡便に高純度のアルジナン組成物を得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(6)を要旨とするものである。
(1)pH10以上13以下の条件下でアルカリ処理を施した微細藻類由来バイオマスを含むスラリーから、アルジナンを浮遊分離処理することを特徴とするアルジナン組成物の製造方法。
(2)前記スラリー溶媒の比重が0.9〜1.2であることを特徴とする(1)記載のアルジナン組成物の製造方法。
(3)前記微細藻類がボトリオコッカス属であることを特徴とする(1)または(2)に記載のアルジナン組成物の製造方法。
(4)前記浮遊分離処理が遠心分離処理であることを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載のアルジナン組成物の製造方法。
(5)前記浮遊分離処理が静置処理であることを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載のアルジナン組成物の製造方法。
(6)(1)〜(5)記載の製造方法により得られたアルジナン組成物。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の微細藻類由来バイオマスは、主にバイオ燃料を産生する微細藻類由来のバイオマスをいい、具体的には、緑藻類、珪藻類由来のバイオマス等が挙げられる。さらに具体的には、Botryococcus braunii,Chlorella spp.,Cryptothecodinium cohnii,Cylindrotheca spp.,Dunaliella primolecta,Isochrysis spp.,Monallanthus salina,Nannochloris spp.,Nannochloropsis spp.,Neochloris spp.,Nitzschia spp.,Phaeodactylum tricornutum,Schizochytrium spp.,Tetraselmis suieiaなどの由来のバイオマスが挙げられる。
なかでも、重油相当の炭化水素類を産生するボトリオコッカス(Botryococcus)属由来のバイオマスであることが好ましい。
微細藻類由来のバイオマスは、微細藻類自体、微細藻類を乾燥したもの、各種凝集剤により凝集回収した微細藻類、凝集回収した微細藻類の乾燥物のいずれであってもかまわないが、それらから有機溶媒により炭化水素類を抽出した後の抽出残渣であることが好ましく、前述のボトリオコッカス属微細藻類から有機溶媒により炭化水素類を抽出した後の抽出残渣であることがより好ましい。
具体的には、上記微細藻類を、ヘキサン、クロロホルム、メタノール、エタノール、ジエチルエーテル、アセトンからなる1群の有機溶媒から1種以上、又はヘキサン/アセトンの混合溶媒、クロロホルム/メタノールの混合溶媒、エタノール/ジエチルエーテルの混合溶媒などに例示される前記有機溶媒の混合物に分散し、微細藻類中の炭化水素類を抽出することにより得られる抽出残渣を、微細藻類由来バイオマスとして利用することができる。
本発明において微細藻類由来バイオマスは、そのままアルカリ処理の原料として用いることができるが、さらにアルジナン分離効率を高めるため、あらかじめ粉末状、塊状等の形状に加工しておくことが好ましい。ここでいう粉末状とは、粉砕機(カッター、ハンマー等)や各種ミル(石臼タイプ、乳鉢タイプ、ボールミル等)により粒径0.1〜5mm程度まで細かくしたものが挙げられ、塊状は粒径5mm〜30mm程度の不均一な形状のものが挙げられる。
次に、微細藻類由来バイオマスのアルカリ処理について説明する。
本発明におけるアルカリ処理は、微細藻類由来バイオマスをアルカリ性溶液中で処理を施すものである。アルカリ処理のためのアルカリ剤は特に限定されないが、アルカリ金属やアルカリ土類金属等の水酸化物が挙げられる。中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムが好ましい。また、アルジナンの遊離を促す観点から、該アルカリ剤を含むアルカリ性溶液のpHは、10以上13以下に調整することが必要であり、pH11〜pH12.5以下が好ましい。
アルカリ処理に用いる溶媒は特に限定されないが、例えば、水、食塩水、エタノールやクロロホルムなどの有機溶媒、またはこれらの混合物が挙げられる。
アルカリ処理時間は特に限定されないが、例えば、0.01〜72時間が挙げられ、作業上の観点から、0.1〜48時間が好ましく、1〜24時間がより好ましい。
アルカリ処理温度は特に限定されないが、例えば、5〜90℃が挙げられ、15〜50℃が好ましく、20〜40℃がより好ましい。
アルカリ処理における微細藻類由来バイオマスと溶媒の比(固液比)は特に限定されないが、固/液(質量)比が1/1〜1/100が好ましく、1/5〜1/50がより好ましい。
本発明におけるアルカリ処理は、アルカリ処理によるアルジナンの遊離効率を高めるために、各種攪拌、混合、粉砕処理を併用しても良い。具体的には、プロペラ式攪拌翼等による攪拌、各種ポンプによる処理液の循環、ボールミル、ビーズミル、ホモジナイザー等による粉砕等が挙げられる。
該アルカリ処理の前に、溶媒の吸収を速やかに行なうため、微細藻類由来バイオマスを前述の溶媒に予め浸漬しておいても良い。当該溶媒量は、微細藻類由来バイオマスの溶媒中での流動性を確認しながら調節すればよいが、微細藻類由来バイオマス1質量部に対して3〜20質量部とするのが好ましく、5〜10質量部とするのがより好ましい。3〜20質量部とすることで流動性を確保しつつ、高いアルカリ処理効率を得ることができる。
本発明におけるアルカリ処理を施した微細藻類由来バイオマスを含むスラリーは、前述のアルカリ処理を施した微細藻類由来バイオマスを溶媒に分散したものをいう。該溶媒は特に限定されないが、例えば、水、食塩水、アルカリ水溶液、エタノールやクロロホルムなどの有機溶媒、またはこれらの混合物が挙げられる。
アルジナンの浮遊促進の観点から、該溶媒の比重は、0.98〜1.20が好ましく、0.99〜1.15がより好ましく、1.0〜1.1がいっそう好ましい。中でも、0〜10%濃度の食塩水(該溶媒の比重が1.0〜1.1相当)は、後述する浮遊分離処理においてアルジナンと他の水溶性成分、不溶性成分との分離が速やかに起こるため好ましい。また、分離精製の効率の観点から、前述のアルカリ処理に用いる溶媒と当該スラリーに用いる溶媒は同じものがより好ましい。
次に、浮遊分離処理工程について説明する。
本発明における浮遊分離処理は、前述のアルカリ処理を施した微細藻類由来バイオマスを含むスラリーから、該溶媒とアルジナンとの比重差を利用して、アルジナンを浮遊分離する工程である。該浮遊分離処理は、アルジナンを浮遊分離できる処理であれば特に限定されないが、遠心分離処理、静置処理が工業的にも適している。
遠心分離処理は、遠心力を利用した分離処理であり、例えば、円筒(シャープレス)方式、分離板(ディスク)方式、傾寫(デカンタ)方式等、三層分離が好ましい。
静置処理は、微細藻類由来バイオマス粉砕物を含むスラリーから、静置状態によりアルジナンを浮遊分離するものである。該静置処理では、固液界面を視認するためののぞき窓が設置され、かつ、底部に排液口の設置されているタンク等の使用が適している。
前述の浮遊分離処理により得られたアルジナン組成物は、洗浄、脱水、乾燥、粉砕等の工程を付すことができる。さらに、利用性を高めるために、乾燥粉体を得る前に種々の水溶性成分、溶媒可溶性成分の除去操作を行うことが好ましい。
水溶性成分の除去操作としては、酸処理、アルカリ処理、温熱水処理等が挙げられる。水溶性成分の除去操作に用いられる薬剤としては、塩酸、硫酸、トリクロロ酢酸等の酸類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ類が挙げられる。また、温熱水処理の温度としては20〜110℃が好ましく、25〜80℃がより好ましく、30〜50℃がいっそう好ましい。当該酸処理、アルカリ処理及び温熱水処理は、併用して行なうこともできる。
溶媒可溶性成分の除去操作としては、浸漬、攪拌、還流、ソックスレー抽出処理等の抽出処理やそれに次ぐ遠心分離、濾過処理等の分離処理が挙げられる。種々の溶媒可溶性成分の除去操作に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、クロロホルム、テトラクロロエタン等の含有ハロゲン溶媒類、酢酸エチル、メチルエチルケトン等の高極性溶媒類、トルエン、ヘキサン等の低極性溶媒類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒類等が挙げられ、これらのうちのいくつかを順次単独に、あるいは、混合溶媒として使用することもできる。
次に、実施例により、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は、実施例に限定されるものではない。本発明の実施例におけるアルジナン純度(含有量)の測定方法を以下に示す。
1.アルジナンの含有量(純度)
アルジナン組成物に対し、示差熱熱重量同時測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製、TG/DTA7200)を用い、以下の温度条件における400℃以上での重量減少率より求めた。
<測定条件>
昇温度開始温度;25℃
最終到達温度;800℃
昇温速度;+10℃/分(なお、100℃の時点で30分維持する)
温度校正標準試料(インジウム(156.6℃)、亜鉛(419.4℃)
<参考例1>
ボトリオコッカス属の微細藻類乾燥物500gにヘキサン5Lを加え、室温下、24時間静置して炭化水素類等を抽出した。同様の操作をさらに2回繰り返した後、室温下、通風乾燥し、抽出残渣乾燥物330gを得た。抽出残渣乾燥物をブレンダにて粉砕し、孔径5mmのふるいを通し、抽出残渣乾燥粉末A315g(アルジナン粗精製物。アルジナン純度33%)を得た。
<比較例1>
非特許文献3記載の方法にしたがってアルジナンを調製した。すなわち、参考例1にて得られた抽出残渣乾燥粉末A20gを100mLのアセトンで洗浄(室温下、3時間攪拌)の後、遠心分離(久保田製作所製、型式7930、10000G×20分)により不溶分を回収し、引き続き、同様に100mLのメタノール、クロロホルム−メタノール(vol/vol=2:1)、ジエチルエーテルによる洗浄を行った後、室温下、通風乾燥して、残渣18gを得た。次に、6%水酸化カリウム−90%メタノール溶液100mLにより鹸化処理(室温下、6時間攪拌)を行なった。遠心分離により不溶分を回収し、水洗浄、エタノール洗浄、アセトン洗浄、ジエチルエーテル洗浄を経、残渣15gを得た。残渣をさらに100mLのリン酸に浸漬し、55℃加温下、13日間静置した。過剰量のペンタンを加え、遠心分離により不溶分を回収し、中和するまで水洗浄を行なった。最後に、100mLの水、メタノール、アセトン、ジエチルエーテルによる洗浄を経、アルジナンおよそ2g(純度72%)を得た。
<比較例2>
参考例1にて得られた抽出残渣乾燥粉末A50gを500mL容のビーカーに入れ、そこへエタノール50mL、水250mLを入れ、室温下、15時間攪拌した(このときpHは4.3を示した)。処理液を孔径1mmのざるに通し、未粉砕物を取り除いた後、透明容器(500mL容の分液漏斗)に移し、2時間静置した。下層(不溶分、液分)を廃棄し、浮遊画分について5%食塩水250mLで3回洗浄した後、水洗により残留する食塩を除去した。得られた浮遊画分を乾燥し、乳鉢にて粉砕し、アルジナンおよそ1.1g(純度69%)を得た。
<比較例3>
参考例1にて得られた抽出残渣乾燥粉末A50gを500mL容のビーカーに入れ、そこへエタノール50mL、水250mLを入れ、室温下、10分間攪拌した。そこへ4N水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pHを8に合わせ、室温下、15時間攪拌した。処理液を孔径1mmの篩に通し、未粉砕物を取り除いた後、透明容器(500mL容の分液漏斗)に移し、2時間静置した。下層(不溶分、液分)を廃棄し、浮遊画分について5%食塩水250mLで3回洗浄した後、水洗により残留する食塩を除去した。得られた浮遊画分を乾燥し、乳鉢にて粉砕し、アルジナンおよそ1.9g(純度67%)を得た。
<実施例1>
参考例1にて得られた抽出残渣乾燥粉末A50gを500mL容のビーカーに入れ、そこへエタノール50mL、水250mLを入れ、室温下、10分間攪拌した。そこへ4N水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pHを10に合わせ、室温下、15時間攪拌した。処理液を孔径1mmの篩に通し、未粉砕物を取り除いた後、透明容器(500mL容の分液漏斗)に移し、2時間静置した。下層(不溶分、液分)を廃棄し、浮遊画分について5%食塩水250mLで3回洗浄した後、水洗により残留する食塩を除去した。得られた浮遊画分を乾燥し、乳鉢にて粉砕し、アルジナンおよそ14g(純度68%)を得た。
<実施例2>
参考例1にて得られた抽出残渣乾燥粉末A50gを500mL容のビーカーに入れ、そこへエタノール50mL、水250mLを入れ、室温下、10分間攪拌した。そこへ4N水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pHを12に合わせ、室温下、15時間攪拌した。処理液を孔径1mmの篩に通し、未粉砕物を取り除いた後、透明容器(500mL容の分液漏斗)に移し、2時間静置した。下層(不溶分、液分)を廃棄し、浮遊画分について5%食塩水250mLで3回洗浄した後、水洗により残留する食塩を除去した。得られた浮遊画分を乾燥し、乳鉢にて粉砕し、アルジナンおよそ20g(純度68%)を得た。
<実施例3>
参考例1にて得られた抽出残渣乾燥粉末A50gを500mL容の磁性ポットに入れ、そこへエタノール50mL、水250mLを入れ封をし、ボールミル装置(日陶科学製、ANZ−50S)で室温下、ロータ回転数250rpm×10分間混合した。一旦封を開け、そこへ4N水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pHを12に合わせた後、ジルコニア球(直径5mm 50mL、直径10mm 50mLの混合)を入れ封をし、ボールミル装置で室温下、ロータ回転数250rpm×15時間の粉砕処理を行なった。処理液を孔径1mmの篩に通し、未粉砕物、ジルコニア球を取り除いた後、透明容器(500mL容の分液漏斗)に移し、室温下、2時間静置した。下層(不溶分、液分)を廃棄し、浮遊画分について5%食塩水250mLで3回洗浄した後、水洗により残留する食塩を除去した。得られた浮遊画分を乾燥し、乳鉢にて粉砕し、アルジナンおよそ22g(純度69%)を得た。
<参考例2>
ボトリオコッカス属の微細藻類乾燥物1kgにヘキサン5Lを加え、室温下、24時間静置して炭化水素類等を抽出した。同様の操作をさらに2回繰り返して、抽出残渣乾燥物を得た。ここまでの操作をさらに4回繰り返して、抽出残渣乾燥物を合わせて3.5kg得た。抽出残渣乾燥物をブレンダにて粉砕し、孔径5mmのふるいを通し、抽出残渣乾燥粉末B3.3kg(アルジナン粗精製物。アルジナン純度32%)を得た。
<実施例4>
参考例2にて得られた抽出残渣乾燥粉末B2kgをボールミル装置(中央化工機製、AB200)に入れ、そこへ水30L、水酸化ナトリウムペレット80g、ジルコニア球(直径10mm 10L、直径50mm 5Lの混合)を入れ封をし、ロータ回転数30rpm×48時間の粉砕処理を行なった(処理開始直後のpHは11.6を示した)。処理液を孔径1mmの篩に払い出し、未粉砕物、ジルコニア球を取り除いた後、処理液をシャープレス遠心分離装置(関西遠心分離機製作所製、型式NO−6−A、15000rpm)へ導入した。上清を廃棄し、円筒内の残留物のうち上層部のものを回収し、45L容のポリバケツに移し、水20Lに再び懸濁した。同様にシャープレス遠心分離装置へ導入し、上清を廃棄し、円筒内の残留物のうち上層部のものを回収した。同操作をさらに1回繰り返した。得られた回収物を乾燥し、ブレンダにて粉砕し、アルジナンおよそ720g(純度65%)を得た。
実施例1〜4、比較例1〜3にて得られた結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜4においては、特定条件でアルカリ処理を施した微細藻類由来のバイオマスを含むスラリーからアルジナンを浮遊分離するという極めて簡便な方法にもかかわらず、従来法である比較例1と同等純度のアルジナン組成物を収率良く得ることができた。特に、アルカリ処理時のpHを11〜12.5の範囲に調整した実施例2〜4においては、純度の高いアルジナン組成物を収率良く得ることができた。さらに、実施例4において、工業的に適用可能な装置によっても、従来方法と同等以上の収率でアルジナン組成物を得ることができることが分かった。

Claims (6)

  1. pH10以上13以下の条件下でアルカリ処理を施した微細藻類由来バイオマスを含むスラリーから、アルジナンを浮遊分離処理することを特徴とするアルジナン組成物の製造方法。
  2. 前記スラリー溶媒の比重が0.9〜1.2であることを特徴とする請求項1記載のアルジナン組成物の製造方法。
  3. 前記微細藻類がボトリオコッカス属であることを特徴とする請求項1または2に記載のアルジナン組成物の製造方法。
  4. 前記浮遊分離処理が遠心分離処理であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のアルジナン組成物の製造方法。
  5. 前記浮遊分離処理が静置処理であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のアルジナン組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜5記載の製造方法により得られたアルジナン組成物。
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