JP2017036815A - 軸受ハウジング用密封装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れたシール性を有し、ラビリンス部などの密封経路内部への粉塵の侵入を抑制できる軸受ハウジング用密封装置を提供する。【解決手段】軸受ハウジング用密封装置1は、回転軸14を支持する転がり軸受13が内部に配置され、軸受ハウジング12に固定される固定部材2と、回転軸14に固定される回転部材3とを備えてなり、固定部材2と回転部材3のそれぞれの表面が隙間を介して対向して形成されるラビリンス部4を有し、ラビリンス部4は、軸受ハウジング12の内部密封空間への外部からの入口部4aの隙間幅が、該入口部以外の部分の隙間幅よりも狭く、内部密封空間側から入口部4aまでの間に、回転軸14に対して非垂直かつ非平行である傾斜空間部4cを有する。【選択図】図1
Description
本発明は、一般産業機械において自動調心転がり軸受などを内部に配置して使用する軸受ハウジング(プランマブロック)用の密封装置に関する。
軸受ハウジングは、軸受箱またはプランマブロックと呼ばれ、内部に配置される転がり軸受と組み合わせた軸受ユニットとして一般産業機械に多く使用されている。適用される一般産業機械としては、車両、建設機械、工作機械、歯車装置、搬送装置、空調設備、鉱山設備、発電所設備など多岐にわたる。例えば、鉱山では、鉄鉱石や石炭を採掘場からトラック載積場まで搬送するベルトコンベアにおいて、コンベア両端のコンベアローラの回転軸を支持する軸受を保持するプランマブロックが使用されている。また、製鉄所では、圧延機ロールネック用軸受などに使用されている。
軸受ハウジングには、転がり軸受が配置されている内部密封空間に粉塵や水分が侵入することを防止するため、かつ、潤滑剤が外部に漏れることを防止するために密封装置が適用されている。軸受ハウジング用の密封装置としては、一般に、ゴムシール、フェルトシール、スプリング付ゴムシールなどの接触シール、狭い隙間空間を迷路のように形成したラビリンスシール、グリースなどを充填してなるグリースシール、またはこれらを組み合わせたシール構造などが用途に応じて適用されている。特に、鉱山、製鉄所、発電所などのように、微細な粉塵が多く舞いやすい環境下や、雨水や冷却水などが降り注ぐ環境下では、上記密封装置の構成が重要となり、複数のシールを組み合わせた強固なシールが採用されている。
従来、このような用途の軸受ハウジング用密封装置として特許文献1が提案されている。この密封装置の構造を図4に基づき説明する。図4は該密封装置の断面図である。図4に示すように、この密封装置21は、軸受ハウジング24に固定される固定部材22と、回転軸25に固定される回転部材23とを有している。密封装置の外部と、内部密封空間とを繋ぐ密封経路に、固定部材22と回転部材23のそれぞれの表面が隙間を介して対向して形成されるラビリンス部26と、2か所のピストンリングからなるピストンリングラビリンス部27とが配置された構成としている。また、ラビリンス部26を含む密封経路には、グリースが充填されている。この構成により、粉塵28や水分が軸受ハウジング24の内部密封空間に侵入することを防止している。
図4に示す構造では、外部から粉塵28が最初に侵入するラビリンス部26の入口部26aからピストンリングラビリンス部27に至るまでの密封経路空間が、断面図においては全てがほぼ同等になっている。このような構造では、入口部26aの空間体積に近似サイズの粉塵28は、密封経路内部に侵入して、ピストンリングラビリンス部27のピストンリングまで到達してしまう。密封経路内部に侵入した粉塵は、シールを構成している回転部材23と固定部材22との間に存在することで、いずれかの部材または両方の部材を摩耗させ得る。この結果、ラビリンス部26の隙間空間を広げることになり、長期の使用においてラビリンスシールとしての機能を損なうおそれがある。
鉱山や製鉄所のように、長い距離にわたり多数の軸受が設置されている場合、保守管理コスト軽減などの観点から、軸受ユニットの保守管理間隔を極力長くすることが要求される。このため、軸受ハウジングの内部密封空間への最終的な粉塵の侵入の防止は勿論、上記の部材摩耗によるシール性低下を避けるべく、固定部材と回転部材との間に形成されるラビリンス部などの密封経路内部への粉塵の侵入も抑制することが望まれる。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、優れたシール性を有し、ラビリンス部などの密封経路内部への粉塵の侵入を抑制できる軸受ハウジング用密封装置を提供することを目的とする。
本発明の軸受ハウジング用密封装置は、回転軸を支持する転がり軸受が内部に配置される軸受ハウジング用の密封装置であって、該密封装置は、上記軸受ハウジングに固定される固定部材と、上記回転軸に固定される回転部材とを備えてなり、上記固定部材と上記回転部材のそれぞれの表面が隙間を介して対向して形成されるラビリンス部を有し、上記ラビリンス部は、該密封装置による上記軸受ハウジングの内部密封空間への外部からの入口部の隙間幅が、該入口部以外の部分の隙間幅よりも狭く、上記内部密封空間側から上記入口部までの間に、上記回転軸に対して非垂直かつ非平行である傾斜空間部を有することを特徴とする。
上記密封装置は、上記ラビリンス部よりも上記内部密封空間側の密封経路に、上記回転部材に固定されるシールリングと上記固定部材との隙間で形成されるシールリングラビリンス部と、上記固定部材と上記回転部材との間で上記ラビリンス部よりも広い隙間幅の空間にグリースが充填されて形成されるグリースシール部とを有することを特徴とする。また、上記密封装置は、上記ラビリンス部よりも上記内部密封空間側の密封経路に、フェルトまたはOリングによる接触シール部を有することを特徴とする。
上記密封装置は、給油脂栓と、該給油脂栓から供給されるグリースを上記ラビリンス部に送るためのグリース溝とを有し、該グリース溝は、上記傾斜空間部の上記入口部側の端部近傍に連結されていることを特徴とする。
本発明の軸受ハウジング用密封装置は、軸受ハウジングに固定される固定部材と、回転軸に固定される回転部材とを備えてなり、固定部材と回転部材のそれぞれの表面が隙間を介して対向して形成されるラビリンス部を有し、このラビリンス部において、該密封装置による軸受ハウジングの内部密封空間への外部からの入口部の隙間幅が該入口部以外の部分の隙間幅よりも狭いので、外部から粉塵が最初に侵入するラビリンス部の入口部の断面積が内部断面積より小さくなり、粉塵の侵入を抑制でき、侵入する場合もその粉塵のサイズを小さくできる。また、密封装置の容量(サイズ)を減少できる。
また、ラビリンス部において、内部密封空間側から入口部までの間に、回転軸に対して非垂直かつ非平行である傾斜空間部を有するので、回転部材に発生する遠心力により、この傾斜空間部において内部から外部に向かって圧力差を発生させることが可能になり、粉塵の侵入を抑制できる。
上記密封装置は、ラビリンス部よりも内部密封空間側の密封経路に、回転部材に固定されるシールリングと固定部材との隙間で形成されるシールリングラビリンス部と、固定部材と回転部材との間でラビリンス部よりも広い隙間幅の空間にグリースが充填されて形成されるグリースシール部とを有するので、より強固なシール構造となる。さらに、上記密封装置は、ラビリンス部よりも内部密封空間側の密封経路に、フェルトまたはOリングによる接触シール部を有するので、内部に侵入した僅かな粉塵が、軸受ハウジングの内部密封空間まで到達することをより確実に防止できる。
上記密封装置は、給油脂栓と、該給油脂栓から供給されるグリースをラビリンス部に送るためのグリース溝とを有し、該グリース溝は、ラビリンス部における傾斜空間部の入口部側の端部近傍に連結されているので、グリースや粉塵が、傾斜空間部側およびグリース溝側の両方からラビリンス部の入口部に向けて押されて、粉塵の侵入を抑制できる。
本発明の軸受ハウジング用密封装置の一実施例を図1に基づき説明する。図1はこの密封装置の断面図である。軸受ハウジング12は、回転軸14を支持する転がり軸受13が内部に配置される。転がり軸受13としては特に限定されず、自動調心玉軸受、玉軸受、ころ軸受などが用いられる。軸受ハウジング用密封装置1は、軸受ハウジング12に固定される固定部材2と、回転軸14に固定される回転部材3とを備えてなる。回転部材3は、W型セットスクリュー3aなどにより回転軸14に強固に固定されている。この構成において、固定部材2と回転部材3との間に、軸受ハウジング用密封装置1の外部と、軸受ハウジング12の内部密封空間とを繋ぐ密封経路が形成され、該経路に(1)ラビリンス部4、(2)シールリングラビリンス部5、(3)グリースシール部6、(4)接触シール部7が形成されている。本発明では、特に(1)ラビリンス部4の構造に特徴を有する。また、密封経路には、グリース8が充填されている。軸受ハウジング用密封装置1は、固定部材2の上部に給油脂栓11を有し、定期的にこれを開栓して、グリース孔10やグリース溝9を介して密封経路にグリース8を補給している。以下(1)〜(4)のシール部の構造をそれぞれ説明する。
(1)ラビリンス部
ラビリンス部4は、固定部材2と回転部材3のそれぞれの凹凸表面が隙間を介して対向することで形成されている。すなわち、固定部材2と回転部材3とは、一方の部材の凸部が他方の部材の凹部と隙間を介して相補的に配された位置関係にある。ラビリンス部4は、密封経路において、最も軸受ハウジング用密封装置1の外部側に配置されている。ラビリンス部4における入口部4aは、軸受ハウジング用密封装置1で密封された軸受ハウジング12の内部密封空間への外部からの入口となる部分である。
ラビリンス部4は、固定部材2と回転部材3のそれぞれの凹凸表面が隙間を介して対向することで形成されている。すなわち、固定部材2と回転部材3とは、一方の部材の凸部が他方の部材の凹部と隙間を介して相補的に配された位置関係にある。ラビリンス部4は、密封経路において、最も軸受ハウジング用密封装置1の外部側に配置されている。ラビリンス部4における入口部4aは、軸受ハウジング用密封装置1で密封された軸受ハウジング12の内部密封空間への外部からの入口となる部分である。
ラビリンス部4は、入口側から順に配置された、第1領域である入口部4a、第2領域4b、第3領域である傾斜空間部4c、第4領域4d、第5領域4eとから構成されている。第1領域である入口部4aと第5領域4eは、回転軸14に対して平行な隙間空間である。入口部4aを水平な隙間空間とすることで、雨水などが侵入しにくくなる。第2領域4bと第4領域4dは、回転軸14に対して垂直な隙間空間である。第3領域である傾斜空間部4cは、回転軸14に対して非垂直かつ非平行の隙間空間である。第1領域である入口部4aと第3領域である傾斜空間部4cと第5領域4eにおける隙間幅(ラジアル隙間幅)は、第2領域4bと第4領域4dにおける隙間幅(アキシアル隙間幅)よりも狭く設定されている。
ラビリンス部4において、第1領域である入口部4aの隙間幅が、他の領域の隙間幅よりも狭く設定されている。隙間幅は、各領域における固定部材2と回転部材3との表面間の距離である。隙間幅が狭いと、その隙間空間の断面積も小さくなる。このため、入口部4aの隙間空間の断面積は、他の領域の隙間空間の断面積よりも小さくなる。これにより、外部から粉塵が最初に侵入する箇所であるラビリンス部4の入口部4aにおいて、粉塵が侵入しにくく、侵入するとしてもサイズの小さい粉塵のみに限定できる。また、密封経路に充填されたグリースなどの潤滑剤が、入口部4aから漏れることも抑制できる。
ラビリンス部4の形状としては、グリースや粉塵などの通過物の抵抗を大きくしてグリース漏れや粉塵侵入を抑制できるよう、隙間幅の狭い領域を有していれば特に限定されない。好ましくは、図1に示すように、隙間幅の狭い領域と隙間幅の広い領域を交互に設けた形状とする。隙間幅の広い領域を複数回にわたって通過させることで、通過物の速さを漸次減少でき、グリース漏れや粉塵侵入をより抑制できる。また、密封経路にグリースを充填する場合、グリースは一般的にチキソトロピー性を有することから、隙間幅の狭い領域では大きなせん断応力が加わって高い潤滑性を示しつつ、隙間幅の広い領域では半固体状の態様で存在して高い密封性を付与できる。
ラビリンス部4の傾斜空間部4cの作用について図2に基づいて説明する。図2は、図1における傾斜空間部周囲の拡大図である。ラビリンス部4において、第3領域である傾斜空間部4cは、上述のとおり、回転軸14に対して非垂直かつ非平行の隙間空間である。詳細には、傾斜空間部4cは、第4領域4d側から第2領域4b側に向けて回転軸からみて遠ざかるように傾斜している。回転部材3に発生する遠心力により、第4領域4d側(内部側)から第2領域4b側(外部側)に向けて圧力差を発生させることができる。これにより、回転部材3が回転すると、第4領域4d側から傾斜空間部4cの傾斜に沿ってグリースや粉塵を押し出す方向に力が作用する(図中黒矢印)。
傾斜空間部4cの回転軸方向に対する傾斜角度は特に限定されないが、上記効果を発生させつつ、シール性を担保するために、3°〜60°程度が好ましく、40°〜50°程度が特に好ましい。
また、グリース溝9は、グリース孔(図1参照)と連結され、回転軸に対して平行な溝である。グリース溝9は、傾斜空間部4cの入口部4a側の端部近傍である第2領域4bに連結されており、この溝側から第2領域4b側に向けてグリース8を押し出すように供給している(図中白矢印)。これによりラビリンス部4の第2領域4bと第1領域である入口部4aとに、入口側に向けて押し出す方向の力が2方向からほぼ同位置から加わり、粉塵の侵入を効果的に抑制できる。また、この力により、通常より隙間幅が狭い入口部4aにもグリース8が十分に充填される。
(2)シールリングラビリンス部
図1に示すように、シールリングラビリンス部5は、ラビリンス部4よりも軸受ハウジング12の内部密封空間側の密封経路に配置され、回転部材3に固定されるシールリングと固定部材2との隙間で形成されている。ラビリンス用のシールリングは、例えば、これを構成する複数のリングの一端が固定部材または回転部材と接触し、他端がラビリンス溝を形成するラビリンスリングである。シールリングの材質としては、特に限定されず、例えば、ばね鋼などが使用される。また、シールリングの形状も特に限定されず、シングルリング、タブルリングなど、ラビリンスリングとして公知のリングを使用できる。
図1に示すように、シールリングラビリンス部5は、ラビリンス部4よりも軸受ハウジング12の内部密封空間側の密封経路に配置され、回転部材3に固定されるシールリングと固定部材2との隙間で形成されている。ラビリンス用のシールリングは、例えば、これを構成する複数のリングの一端が固定部材または回転部材と接触し、他端がラビリンス溝を形成するラビリンスリングである。シールリングの材質としては、特に限定されず、例えば、ばね鋼などが使用される。また、シールリングの形状も特に限定されず、シングルリング、タブルリングなど、ラビリンスリングとして公知のリングを使用できる。
(3)グリースシール部
図1に示すように、グリースシール部6は、固定部材2と回転部材3との間でラビリンス部4よりも広い隙間幅の空間にグリース8が充填されることで形成されている。グリースシール部6は、グリース孔10に直結しており、給油脂栓11からグリース8が補給されることで、十分な量のグリースが保持され、高いシール性を維持できる。
図1に示すように、グリースシール部6は、固定部材2と回転部材3との間でラビリンス部4よりも広い隙間幅の空間にグリース8が充填されることで形成されている。グリースシール部6は、グリース孔10に直結しており、給油脂栓11からグリース8が補給されることで、十分な量のグリースが保持され、高いシール性を維持できる。
(4)接触シール部
図1に示すように、接触シール部7は、ラビリンス部4よりも軸受ハウジング12の内部密封空間側の密封経路において、固定部材2と回転部材3との両部材に接触するフェルトまたはOリングを用いて形成されている。Oリングとしては、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどのゴムシールリングを使用できる。また、フェルトとしては、羊毛繊維や合成繊維などを用いて、絡み合わせて均一な層としたフェルトシール材を使用できる。なお、フェルトを用いる場合は、グリース潤滑を採用する必要がある。
図1に示すように、接触シール部7は、ラビリンス部4よりも軸受ハウジング12の内部密封空間側の密封経路において、固定部材2と回転部材3との両部材に接触するフェルトまたはOリングを用いて形成されている。Oリングとしては、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどのゴムシールリングを使用できる。また、フェルトとしては、羊毛繊維や合成繊維などを用いて、絡み合わせて均一な層としたフェルトシール材を使用できる。なお、フェルトを用いる場合は、グリース潤滑を採用する必要がある。
以上の(1)ラビリンス部、(2)シールリングラビリンス部、(3)グリースシール部は、いずれも非接触シール部である。これら(1)〜(3)の組み合わせでも高いシール性を確保でき、粉塵などの侵入を抑制できる。これらの組み合わせで十分なシール性を確保できる用途では、(4)接触シール部を省略できる。
本発明の軸受ハウジング用密封装置の他の例を図3に基づき説明する。図3はこの密封装置の断面図である。この形態の軸受ハウジング用密封装置1は、軸受ハウジング12に固定される固定部材2と、回転軸14に固定される回転部材3とを備えてなる。この構成において、固定部材2と回転部材3との間に、軸受ハウジング用密封装置1の外部と、軸受ハウジング12の内部密封空間とを繋ぐ密封経路が形成され、該経路に(1)ラビリンス部4、(2)シールリングラビリンス部5、(3)グリースシール部6が形成されている。すなわち、この形態の軸受ハウジング用密封装置1は、図1の形態に対して接触シール部を省略した形とされている。それ以外の(1)〜(3)のシール部の構成は図1に示す場合と同様である。
本発明の軸受ハウジング用密封装置は、軸受ハウジング内に加えて、上述のように密封経路にも主にグリースを充填して使用するものである(グリース潤滑)。軸受ハウジングの形式によっては油潤滑であってもよい。なお、軸受ハウジング内にグリースを充填する場合、先に転がり軸受内部にグリースを充填する。
グリースを構成する基油としては、通常、プランマブロックに用いられるものであれば特に制限なく使用できる。例えば、スピンドル油、マシン油、タービン油などの鉱油、ポリブテン油、ポリ−α−オレフィン油、アルキルベンゼン油、アルキルナフタレン油などの炭化水素系合成油、または、天然油脂やポリオールエステル油、リン酸エステル油、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、フッ素油などの非炭化水素系合成油などが挙げられる。これらの潤滑油は、単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。油潤滑の場合には、これらの基油を潤滑油として使用する。
グリースを構成する増ちょう剤としては、例えば、アルミニウム石けん、リチウム石けん、ナトリウム石けん、複合リチウム石けん、複合カルシウム石けん、複合アルミニウム石けんなどの金属石けん系増ちょう剤、ジウレア化合物(脂肪族、脂環式、芳香族ジウレアなど)、ポリウレア化合物などのウレア系化合物、PTFE樹脂などのフッ素樹脂粉末が挙げられる。これらの増ちょう剤は、単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
潤滑剤には必要に応じて公知の添加剤を適宜添加できる。添加剤としては、例えば、有機亜鉛化合物、有機モリブデン化合物などの極圧剤、アミン系、フェノール系、イオウ系化合物などの酸化防止剤、イオウ系、リン系化合物などの摩耗抑制剤、多価アルコールエステルなどの防錆剤、ポリメタクリレート、ポリスチレンなどの粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイトなどの固体潤滑材、エステル、アルコールなどの油性剤などが挙げられる。
本発明の軸受ハウジング用密封装置は、優れたシール性を有し、ラビリンス部などの密封経路内部への粉塵の侵入を抑制できるので、一般産業機械、特に、鉱山、製鉄所、発電所などのように、微細な粉塵が多く舞いやすい環境下や、雨水や冷却水などが降り注ぐ環境下での密封装置として好適に利用できる。
1 軸受ハウジング用密封装置
2 固定部材
3 回転部材
4 ラビリンス部
5 シールリングラビリンス部
6 グリースシール部
7 接触シール部
8 グリース
9 グリース溝
10 グリース孔
11 給油脂栓
12 軸受ハウジング
13 転がり軸受
14 回転軸
2 固定部材
3 回転部材
4 ラビリンス部
5 シールリングラビリンス部
6 グリースシール部
7 接触シール部
8 グリース
9 グリース溝
10 グリース孔
11 給油脂栓
12 軸受ハウジング
13 転がり軸受
14 回転軸
Claims (4)
- 回転軸を支持する転がり軸受が内部に配置される軸受ハウジング用の密封装置であって、
該密封装置は、前記軸受ハウジングに固定される固定部材と、前記回転軸に固定される回転部材とを備えてなり、前記固定部材と前記回転部材のそれぞれの表面が隙間を介して対向して形成されるラビリンス部を有し、
前記ラビリンス部は、該密封装置による前記軸受ハウジングの内部密封空間への外部からの入口部の隙間幅が、該入口部以外の部分の隙間幅よりも狭く、前記内部密封空間側から前記入口部までの間に、前記回転軸に対して非垂直かつ非平行である傾斜空間部を有することを特徴とする軸受ハウジング用密封装置。 - 前記密封装置は、前記ラビリンス部よりも前記内部密封空間側の密封経路に、前記回転部材に固定されるシールリングと前記固定部材との隙間で形成されるシールリングラビリンス部と、前記固定部材と前記回転部材との間で前記ラビリンス部よりも広い隙間幅の空間にグリースが充填されて形成されるグリースシール部とを有することを特徴とする請求項1記載の軸受ハウジング用密封装置。
- 前記密封装置は、前記ラビリンス部よりも前記内部密封空間側の密封経路に、フェルトまたはOリングによる接触シール部を有することを特徴とする請求項2記載の軸受ハウジング用密封装置。
- 前記密封装置は、給油脂栓と、該給油脂栓から供給されるグリースを前記ラビリンス部に送るためのグリース溝とを有し、該グリース溝は、前記傾斜空間部の前記入口部側の端部近傍に連結されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載の軸受ハウジング用密封装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015159696A JP2017036815A (ja) | 2015-08-12 | 2015-08-12 | 軸受ハウジング用密封装置 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015159696A Pending JP2017036815A (ja) | 2015-08-12 | 2015-08-12 | 軸受ハウジング用密封装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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