JP2017036737A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、本発明に係る制御装置を適用する車両用内燃機関の一例を示す。
内燃機関1は、シリンダブロック2と、シリンダブロック2内に形成されたシリンダボア3内に設けられたピストン4と、吸気ポート5及び排気ポート6が形成されたシリンダヘッド10と、吸気ポート5,排気ポート6の開口端を開閉する一気筒当たりそれぞれ一対の吸気バルブ7,7及び排気バルブ8,8と、を備えている。
そして、ピストン4の冠面4aとシリンダヘッド10の下面との間に、燃焼室14が形成される。燃焼室14を形成するシリンダヘッド10の略中央には、点火栓15を設けてある。
可変バルブリフト機構21は、例えば、特開2003−172112号公報などに開示されるように、電動モータなどのアクチュエータによって制御軸の角度位置を変化させることによって、吸気バルブ7,7の最大バルブリフト量を増減させ、係る最大バルブリフト量の増減に連動して、作動角(開期間の角度)を増減させる機構である。
また、可変バルブタイミング機構22は、クランクシャフト9に対する吸気カムシャフト24の位相を変更することで、吸気バルブ7,7の作動角を一定としたまま、作動角の中心位相を進角、遅角させる機構である。
クランクシャフト9は、複数のジャーナル部9aとクランクピン部9bとを備えており、シリンダブロック2の主軸受に、ジャーナル部9aが回転自在に支持される。
ロアリンク11は、2分割に構成され、略中央に設けた連結孔にクランクピン部9bが嵌合する。
アッパリンク12は、下端側が連結ピン25によりロアリンク11の一端に回動可能に連結され、上端側がピストンピン26によりピストン4に回動可能に連結される。
詳しくは、制御シャフト29は、回転可能にエンジン本体(シリンダブロック2)に支持されていると共に、その回転中心から偏心している偏心カム部29aを有し、この偏心カム部29aにコントロールリンク27の下端部が回転可能に嵌合する。
制御シャフト29は、電動モータを用いた圧縮比制御アクチュエータ30によって回動位置が制御される。
これにより、コントロールリンク27の下端の揺動支持位置が変化し、コントロールリンク27の揺動支持位置が変化すると、ピストン4の行程が変化し、ピストン上死点(TDC)におけるピストン4の位置が高くなったり低くなったりして、エンジン1の圧縮比が変更される。
可変バルブリフト機構21、可変バルブタイミング機構22、圧縮比可変機構23、電子制御スロットル41、更に、点火コイルの1次側に流れる電流を制御するパラートランジスタ43などは、コンピュータを備えた制御装置31によって制御される。
内燃機関1の運転条件を検出する各種センサとしては、上記の空燃比センサ42の他、機関回転に同期してパルス信号POSを出力するクランク角センサ32、内燃機関1の吸入空気流量を示す信号QAを出力するエアーフローセンサ33、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を示す信号ACCを出力するアクセル開度センサ34、内燃機関1が搭載される車両の走行速度(車速)を示す信号VSPを出力する車速センサ35、内燃機関1の冷却水温度(エンジン温度)を示す信号TWを出力する水温センサ37、排気中の酸素濃度を介して空燃比(空気過剰率λ)を検出する空燃比センサ42などが設けられている。
以下では、制御装置31による制御の内容を詳細に説明する。
制御装置31は、内燃機関1における失火の有無を検出する、失火診断機能を有している。
係る失火判定においては、例えば、機関回転速度をパルス信号POSに基づき一定周期で演算し、この機関回転速度の判定期間内における平均値と最大値又は最小値との偏差の絶対値が、判定値SL以上になった場合に失火の発生を判定する。
尚、失火判定に用いるパラメータを、前記偏差に限定するものではなく、失火に伴う回転変動やトルク変動を示すパラメータを用いることができる。
制御装置31は、機関負荷を示す状態量として、空気充填率若しくは空気充填率相当値を検出するが、図2に示すように、空気充填率が同じであっても、圧縮比が高いほどトルクは高くなるため、空気充填率から失火判定値SLを設定しても、実際のトルクに見合った値からずれてしまう場合がある。
尚、最大圧縮比、最小圧縮比は、圧縮比可変機構23で可変とされる圧縮比の変化範囲、又は、当該変化範囲内に設定される制御範囲を規定する、圧縮比の最大値、最小値である。
そこで、制御装置31は、機関負荷に応じた制御としての機関負荷に応じた失火判定値SLの設定において、失火判定値SLを圧縮比に応じて変更する処理を行い、圧縮比の変更があっても実際のトルクに見合った失火判定値SLを設定し、失火診断を精度よく行えるようにする。
前記基本判定値SLsの圧縮比に応じた変更(補正)は、例えば、以下の式(1)及び式(2)に従って行わせることができる。
式(2)…トルク比=理論熱効率×フリクション補正係数×冷却損失補正係数
一方、失火判定値SLは、トルクの増大(減少)に対して増大(減少)変化させる必要があるので、「現圧縮比でのトルク比/基本圧縮比でのトルク比」を、基本判定値SLsに乗算することで、基本圧縮比が最大圧縮比ではなく、基本圧縮比よりも圧縮比が高くなった場合には、基本判定値SLsを増大補正した結果を失火判定値SLとし、基本圧縮比よりも圧縮比が小さくなった場合には、基本判定値SLsを減少補正した結果を失火判定値SLとすることになる。
上記では、圧縮比毎にトルク比を、図2に示すようなテーブルから検索し、「現圧縮比でのトルク比/基本圧縮比でのトルク比」を補正係数として演算して、基本判定値SLsを補正させるが、基本圧縮比でのトルク比は一定値となるため、失火判定を行うときの圧縮比を補正係数に変換し、係る補正係数で基本判定値SLsを補正することができる。
例えば、図4に示すように、空気充填率(機関負荷)及び機関回転速度から失火判定値SLを設定するための判定値マップとして、圧縮比が最大圧縮比であるときに適合する第1マップと、圧縮比が最小圧縮比であるときに適合する第2マップとを備えるようにする。
例えば、最大圧縮比が11で、最小圧縮比が9である場合に、圧縮比=10であるときの失火判定値SLは、第1マップから求めた失火判定値SL(A)と第2マップから求めた失火判定値SL(B)との相加平均値(相加平均値=(失火判定値SL(A)+失火判定値SL(B))/2)となる。
尚、補間演算において、3つ以上の基本圧縮比それぞれに対応する失火判定値SLから、現時点での圧縮比に対応する失火判定値SLを補間演算で求めることができる。
まず、ステップS101では、失火診断を実施する条件が成立しているか否かを判断する。ステップS101で判断する条件は、例えば、内燃機関1の暖機が完了していること、クランク角センサ32などのセンサ故障が検出されていないこと、内燃機関1が正トルクを発生している(内燃機関1の出力による車両の駆動状態である)ことなどである。
この失火パラメータは、例えば、判定期間内における機関回転速度の平均値と最大値又は最小値との偏差であり、偏差の絶対値が大きいほど内燃機関1の回転変動(トルク変動)が大きいことを示す値である。
更に、ステップS104では、現時点での圧縮比に応じて、ステップS103で算出した失火判定値SL(基本判定値SLs)を補正するための補正値を算出する。
尚、現時点での圧縮比として、目標圧縮比、又は、例えば制御シャフト29の回転位置として検出される実圧縮比を用いることができる。
ここで、ステップS105で算出される最終的な失火判定値SLは、空気充填率及び機関回転速度が同じである場合、圧縮比が高いほどトルクが大きくなることに対応して、圧縮が高いほどより大きな値、換言すれば、より大きな回転変動で失火の発生を判定することになる値に設定される。
ステップS106で失火の発生を判定すると、ステップS107へ進んで、失火発生を判定した回数を計数する失火カウンタの値を増加させ、ステップS106で失火が発生していないと判定すると、ステップS107を迂回してステップS108へ進む。
前記閾値は、失火発生による排気性状の悪化や、失火による排気系での燃料燃焼による排気系部品の損傷など、失火に伴って発生する不具合のいずれをターゲットとするかによって、最適値が異なる。
失火カウンタの値が設定値以上であって、失火頻度が許容最大値を超えている場合には、ステップS110へ進み、失火発生の警告を、例えば警告灯の点灯などによって実施する。
一方、失火カウンタの値が閾値未満であって、失火頻度が許容最大値を下回っている場合には、ステップS111へ進み、失火発生の警告を停止する。
図6のフローチャートにおいて、まず、ステップS201では、空気充填率(機関負荷)及び機関回転速度の検出値を読み込む。
空気充填率を示す状態量として、シリンダ吸入空気量を用いることができ、このシリンダ吸入空気量は、エアーフローセンサ33で検出される吸入空気流量と機関回転速度とから算出することができ、また、スロットル開度又はブースト(吸気負圧)と機関回転速度とから算出することができる。更に、シリンダ吸入空気量に基づき算出される燃料噴射パルス幅(燃料噴射量)を、空気充填率を示す状態量として用いることができる。
ステップS202で参照する基本判定値SLsのマップは、圧縮比が基本圧縮比である場合に適合させたマップである。
ステップS203では、現時点での圧縮比(目標圧縮比又は実圧縮比)を読み込む。
ステップS205では、基本圧縮比でのトルク比、及び、現時点の圧縮比でのトルク比から、基本判定値SLsを補正するための補正値(補正値=現圧縮比でのトルク比/基本圧縮比でのトルク比)を算出する。
このステップS206で算出した失火判定値SLは、図5のフローチャートのステップS106において失火パラメータと比較される。
図7のフローチャートにおいて、まず、ステップS301では、ステップS201と同様に、空気充填率(機関負荷)及び機関回転速度の検出値を読み込む。
ステップS303では、ステップS301で読み込んだ空気充填率及び機関回転速度に対応する失火判定値SLを、判定値マップから検索する。
ステップS303で参照する判定値マップとして、第1基本圧縮比(例えば最大圧縮比)であるときに適合する第1マップと、第2基本圧縮比(例えば最小圧縮比)であるときに適合する第2マップとが予め記憶されており、ステップS303では、第1マップ及び第2マップの双方を参照して、ステップS301で読み込んだ空気充填率及び機関回転速度に対応する失火判定値SLをそれぞれに検索する。
このステップS306で算出した失火判定値SLは、図5のフローチャートのステップS106において失火パラメータと比較される。
上記のようにして、空気充填率及び機関回転速度に基づき変更される失火判定値SLを、更に、圧縮比に応じて変更すれば、圧縮比が変更されても実際のトルクに見合った失火判定値SLを設定でき、失火診断を精度良く行える。
ここで、正トルク(ポジティブトルク)の発生状態であるか否かを空気充填率及び機関回転速度に基づき判断させる場合、圧縮比によって正トルク(ポジティブトルク)領域が変化することで、減速運転により車軸側から内燃機関1が回転駆動される負トルク(ネガティブトルク)の状態で診断が実施され、或いは、正トルク(ポジティブトルク)の発生状態であるにも関わらずに失火診断が実施されない場合が生じる可能性がある。
この図8に示すように、同じ機関回転速度で比較した場合、機関回転速度が閾値を超える高回転領域では、低圧縮比の場合には、高圧縮比である場合に比べて正トルクとなる空気充填率が高くなり、高圧縮比での正トルク領域の一部が低圧縮比では負トルク領域に切り替わる。
制御装置31は、正トルク領域と負トルク領域との境界(以下、ポジティブトルクラインともいう)を規定する空気充填率を機関回転速度毎に記憶するテーブルとして、例えば、最大圧縮比である場合に適合する第1テーブル(図9(A)参照)と、最小圧縮比である場合に適合する第2テーブル(図9(B)参照)とを記憶している。
上記のようにして求めた最小空気充填率よりも高い空気充填率の状態であれば、正トルク(ポジティブトルク)の発生状態であると判定して失火診断を許可する一方、前記最小空気充填率よりも低い空気充填率の状態であれば、負トルクの発生状態(減速状態)である可能性があると判定し、失火診断を禁止する。
図10のフローチャートにおいて、ステップS401では、空気充填率(機関負荷)及び機関回転速度を読み込み、ステップS402では、現時点での圧縮比(目標圧縮比又は実圧縮比)を読み込む。
ステップS404では、最大圧縮比の場合に適合する最小空気充填率と、最小圧縮比の場合に適合する最小空気充填率とから、現時点での圧縮比に対応する最小空気充填率を補間演算によって求める。
また、制御装置31は、機関負荷に応じた制御として、内燃機関1の点火時期を、機関負荷を含む機関運転状態に応じて決定し、決定した点火時期に応じてパラートランジスタ43の通電制御を行う、点火時期制御機能を有している。
点火時期は、筒内圧力(機関負荷)及び機関回転速度に応じて最適値が変化する。ここで、筒内圧力(機関負荷)を代表する状態量として空気充填率(又は空気充填率相当値)を用いた場合、圧縮比可変機構23を備えた内燃機関1では、同じ空気充填率でも圧縮比の変化によって筒内圧が変化する。
そこで、制御装置31は、空気充填率の検出値を圧縮比に基づいて補正した結果を、点火時期の決定に用いる機関負荷とし、係る機関負荷と機関回転速度とに基づいて点火時期(点火進角値、目標点火時期)を決定する。
式(3)…機関負荷=空気充填率×筒内圧力比×体積効率変化分
また、体積効率変化分は、圧縮比の変化に伴う残留ガス(体積効率)の変化に対応するための補正項であり、圧縮比の増大によって残留ガスが減って体積効率が増加し、不活性ガスである残留ガスが減ることで点火時期を遅角できるので、点火時期の遅角方向である機関負荷の増大方向に空気充填率を補正すべく、図11(B)に示すように、圧縮比が高いほど体積効率変化分をより大きな値に設定する。尚、体積効率変化分は、換言すれば、残留ガス量比の逆数となり、圧縮比の増大によって残留ガス量が少なくなるほど、逆に、空気充填率をより大きく増大補正する。
ここで、前記点火時期マップは、機関負荷(筒内圧力)の増大に対して点火時期を遅角変化させる特性に設定されており、空気充填率が同じでも圧縮比が高くなることで筒内圧力が増大すると、点火時期をより遅角側に設定することになり、逆に、圧縮比が低くなることで筒内圧力が減少すると、点火時期をより進角側に設定することになる。
この場合、基本圧縮比であるときに適合して、空気充填率(シリンダ吸入空気量)及び機関回転速度に対応する点火時期を記憶した点火時期マップ(図13参照)を、空気充填率(シリンダ吸入空気量)を機関負荷として参照し、基本点火時期を設定する。
式(4)…点火時期=基本点火時期×筒内圧力比×体積効率変化分
そこで、筒内圧力比及び体積効率変化分は、図14(A)、(B)に示すように、圧縮比が高くなるほどより小さくなる値として与え、圧縮比が高くなるほど、基本点火時期をより遅角側に補正するようにしてある。
また、制御装置31は、機関負荷に応じた制御として、内燃機関1の排気系に設けた排気浄化触媒の温度(換言すれば、排気温度)を機関負荷に基づき推定し、推定した触媒温度に基づいて、点火時期の補正、パージ制御、燃焼モードの切り替え(成層燃焼、均質燃焼の切り替え)などを行う機能を有している。
ここで、空気充填率が高いほど触媒温度(排気温度)は高くなり、また、機関回転速度が高いほど触媒温度(排気温度)は高くなる特性があるが、空気充填率が同じでも圧縮比が高くなって理論熱効率が高くなると、触媒温度(排気温度)は低くなる。
そこで、制御装置31は、空気充填率の検出値を圧縮比に応じて補正し、補正後の空気充填率に基づき触媒温度(排気温度)の推定を行う。
そして、前記触媒温度マップを参照して触媒温度(排気温度)を検索する場合に、空気充填率の検出値を圧縮比に応じて補正し、補正後の空気充填率に対応する触媒温度(排気温度)を、触媒温度マップから検索するようになっている。
式(5)…機関負荷=空気充填率×排温比
これは、圧縮比の増加に伴って理論熱効率が高くなり、排温が低下することに対応しており、同じ空気充填率でも圧縮比が高いほど、触媒温度の推定に用いる機関負荷をより小さく補正し、圧縮比が高いほど触媒温度(排気温度)がより低く推定されるようにする。
式(6)…触媒温度=マップ触媒温度×排温比
これにより、基本圧縮比であるとの仮定で推定した触媒温度(排気温度)は、圧縮比が基本圧縮比よりも高ければ、より低い温度に補正され、圧縮比が基本圧縮比よりも低ければ、より高い温度に補正されることになる。
また、制御装置31は、機関負荷の制御として、アクセル開度などから目標トルク(要求トルク)を設定し、当該目標トルクに基づいて、内燃機関1の吸入空気量の調整機構(電子制御スロットル41や、可変バルブリフト機構21、可変バルブタイミング機構22などの可変動弁機構)を制御する、トルクコントロール(トルクデマンド)機能を有している。
圧縮比可変機構23を備える内燃機関1の場合、圧縮比が変わると、同じ空気充填率でも、理論熱効率の変化によって内燃機関1のトルクが変動するから、圧縮比の変化に対して吸入空気量を変更しないと、実際のトルクが目標トルクからずれることになってしまう。
目標吸入空気量の圧縮比に応じた補正は、例えば、式(7)に従って行われる。
式(7)…目標吸入空気量=目標吸入空気量×圧縮比補正項
そのため、前記圧縮比補正項は、図19(B)に示すように、圧縮比が高いほどより小さくなる値として設定され、圧縮比が基本圧縮比よりも高い場合には、目標吸入空気量を減量補正し、圧縮比が基本圧縮比よりも低い場合には、目標吸入空気量を増量補正する。
尚、トルクコントロールにおける圧縮比に応じた補正として、目標吸入空気量を補正する代わりに、目標トルクや空気量調整機構の目標値を補正することができ、結果的に、圧縮比が高いほど吸入空気量が少なくなるような補正であれば、補正対象を目標吸入空気量に限定するものではない。
例えば、アクセル開度などから基準圧縮比での基本目標トルクを演算し、実際の圧縮比が基準圧縮比よりも高い(低い)場合には、基本目標トルクを減少(増大)側に変更し、変更後の目標トルクに基づいて目標吸入空気量を演算することで、結果的に、実際の圧縮比が基準圧縮比よりも高い(低い)場合に、同じ基本目標トルクを得るのに、基準圧縮比である場合よりも目標吸入空気量を減らす(増やす)ことができる。
また、目標トルク及び当該目標トルクに基づく目標吸入空気量を圧縮比に応じて変更せずに、目標吸入空気量から空気量調整機構の操作量を設定するときに、実際の圧縮比が基準圧縮比よりも高い(低い)場合には、吸入空気量が減る(増える)方向に操作量を修正することで、同じ目標トルクを得るのに、基準圧縮比である場合よりも吸入空気量(空気充填率)を減らす(増やす)ことができる。
また、機関負荷に応じた制御は、一例として挙げた失火診断、点火時期制御、触媒温度の推定に限定されるものではなく、公知の機関負荷の検出値に基づく制御が含まれ、また、診断制御なども含まれる。
内燃機関の制御装置は、その一態様として、圧縮比を可変とする圧縮比可変機構を備えた内燃機関において、機関負荷の制御と機関負荷に応じた制御との少なくとも一方を、前記圧縮比可変機構によって可変とされる圧縮比に応じて変更する。
前記内燃機関の制御装置の好ましい態様において、空気充填率に基づく制御を圧縮比に応じて制御を変更する。
別の好ましい態様では、目標トルクに基づく空気充填率の制御を圧縮比に応じて変更する。
また、内燃機関の制御装置は、その一態様として、圧縮比可変機構を備えると共に、内燃機関の出力変動に基づき失火診断を行う内燃機関の制御装置において、失火診断パラメータと比較する判定値を、圧縮比に応じて変更する。
上記発明によると、圧縮比によるトルクの変化に対応して判定値を変更でき、失火の誤判定を抑制することができる。
上記発明によると、圧縮比の増加による理論熱効率の増加によって排気温度が減少することに対応して、触媒温度を高精度に推定することができる。
上記発明によると、圧縮比による筒内圧力の変化に対応して、点火時期を変更でき、機関の運転性能の向上を図れる。
上記発明によると、圧縮比が高くなることで理論熱効率が上がり、より高いトルクが発生することから、目標トルクを発生させるために要求される吸入空気量が変化するので、圧縮比に応じて吸入空気量調整機構によって調整される吸入空気量を変更して、圧縮比が変化しても目標トルクに制御できるようにする。
Claims (1)
- 圧縮比を可変とする圧縮比可変機構を備えた内燃機関において、
機関負荷の制御と機関負荷に応じた制御との少なくとも一方を、前記圧縮比可変機構によって可変とされる圧縮比に応じて変更する、内燃機関の制御装置。
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