JP2017036216A - がん幹細胞標的薬組成物 - Google Patents

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健吉 増富
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Abstract

【課題】本発明は、がん幹細胞を標的として、再発や転移を防止し、がんの根治治療を目指すことができる医薬を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、VX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532、及びこれらの誘導体、並びにこれらの薬理学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群より選択される化合物を含む、がん幹細胞標的薬組成物を提供する。【選択図】 図5

Description

本発明は、がん幹細胞を標的とする医薬組成物等に関する。
近年、がんを形成する細胞集団に、「がん幹細胞」と呼ばれる幹細胞様の性質をもつ細胞が少数存在することが明らかとなってきた。がん幹細胞は、アメリカがん学会(American Association for
Cancer Research; AACR)において、腫瘍内に存在し、自己複製能と腫瘍組織を構成するさまざまな系統のがん細胞を生み出す能力を併せもつ細胞と定義されている(非特許文献1)。すなわち、がん幹細胞は、自己複製によって未分化ながん幹細胞を生み出す一方で、自身とは異なる非がん幹細胞を生み出す。その過程でジェネティック又はエピジェネティックな変化により様々ながん細胞が出現し、腫瘍内不均一性を生じると考えられている。腫瘍組織におけるがん細胞の不均一性は、組織内のがん細胞集団が治療に対して均一な反応を示さないことの原因になり得るため、臨床上重要である。
がん幹細胞は、抗がん剤や放射線療法に対する耐性が非がん幹細胞より強いことが知られている。抗がん剤に耐性を示す理由としては、薬剤排出能をもつABCトランスポーターが高発現していることや、細胞周期のG0期(休止期)にあるため細胞分裂を阻害する薬剤が奏功しないことなどが挙げられる。
がん幹細胞は、自己複製能を有し、少数の細胞から再び腫瘍を形成する能力があることから、微小残存病変(minimal residual disease; MRD)からの再発を生じうる。また、遠隔の臓器で至適微小環境(ニッチ)を得ることにより、少数の細胞から腫瘍組織を形成することができるので、転移巣を生じさせうる。
がん幹細胞の上記性質から、がんの根治治療を目指す上では、がん幹細胞を標的とした治療が重要であると考えられている。
ところで、本発明者らは、これまでにヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)が、RNA依存性RNAポリメラーゼ(RNA-dependent RNA polymerase; RdRP)として機能することを報告した(非特許文献2)。一方、hTERT、BRG1、及びNS/GNL3Lの複合体(以下「TBN複合体」という。)が、がん幹細胞の機能維持に必要であることが報告された(非特許文献3)。
Clarke, M.F. et al.: Cancer Res.,66:9339-9344, 2006 Maida Y. et al., Nature.,461(7261):230-235, 2009 Okamoto N. et al., Proc Natl Acad Sci.,108(51):20388-20393, 2011 Horn S. et al., Science, 2013,339(6122):959-961 Huang F.W. et al., Science,2013, 339(6122):957-959 Killela P.J. et al., Proc NatlAcad Sci, 2013, 110(15):3021-3026
本発明は、がん幹細胞を標的として、再発や転移を防止し、がんの根治治療を目指すことができる医薬を提供することを課題とする。
本発明者らは、その後、TBN複合体がヒトRdRPとして機能することを見出したことから、がん幹細胞の機能維持には、RdRPが関与するのではないかとの仮説を立てた。この仮説が正しければ、RdRPの阻害剤ががん幹細胞を標的とする治療薬となる可能性がある。
そこで、多数の低分子化合物の中からRdRPの特異的な阻害剤をスクリーニングしたところ、VX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532が同定された。さらに、がん幹細胞タイプのがん細胞は、通常のがん細胞より、VX-222に対する感受性が高いことを確認し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
〔1〕VX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532、及びこれらの誘導体、並びにこれらの薬理学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群より選択される化合物を含む、がん幹細胞標的薬組成物;
〔2〕がん幹細胞を有することが確認された対象、がん治療後の対象、又はがんの転移を有する対象に投与される、上記〔1〕に記載のがん幹細胞標的薬組成物;
〔3〕前記対象ががん幹細胞を有することの確認は、前記対象のがん組織に含まれる細胞におけるがん幹細胞マーカーの発現を調べることによって行われる、上記〔2〕に記載のがん幹細胞標的薬組成物;
〔4〕前記がん幹細胞マーカーは、CD34、CD38、CD133、CD44、CD24、ESA、ALDH1、EpCAM、CD90、インテグリンα2β1、Sca-1、hTERT、NS、BRG1、STAT3、TWIST、SNAIL、及びN-カドヘリンからなる群より選択される、上記〔3〕に記載のがん幹細胞標的薬組成物;
〔5〕VX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532、及びこれらの誘導体、並びにこれらの薬理学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群より選択される化合物を含む、がんの転移又は再発の予防又は治療剤;
〔6〕がん治療後の対象に投与される、上記〔3〕に記載のがんの転移又は再発の予防又は治療剤;
〔7〕VX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532、及びこれらの誘導体、並びにこれらの薬理学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群より選択される化合物を含む、RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害剤;
〔8〕VX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532、及びこれらの誘導体、並びにこれらの薬理学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群より選択される化合物を対象に投与することの適否を判断するためのデータを提示する方法であって、
対象から採取されたがん組織に含まれる細胞におけるがん幹細胞マーカーの発現を調べる工程を含む、方法;
〔9〕前記がん幹細胞マーカーは、CD34、CD38、CD133、CD44、CD24、ESA、ALDH1、EpCAM、CD90、インテグリンα2β1、Sca-1、hTERT、NS、BRG1、STAT3、TWIST、SNAIL、及びN-カドヘリンからなる群より選択される、上記〔8〕に記載の方法;
〔10〕VX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532、及びこれらの誘導体、並びにこれらの薬理学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群より選択される化合物と、
がん幹細胞マーカー検出薬と、
を含むがん幹細胞標的治療用キット;
〔11〕前記がん幹細胞マーカー検出薬は、
CD34、CD38、CD133、CD44、CD24、ESA、ALDH1、EpCAM、CD90、インテグリンα2β1、Sca-1、hTERT、NS、BRG1、STAT3、TWIST、SNAIL、及びN-カドヘリンからなる群より選択される少なくとも1つのがん幹細胞マーカーに対する抗体、又は
CD34、CD38、CD133、CD44、CD24、ESA、ALDH1、EpCAM、CD90、インテグリンα2β1、Sca-1、hTERT、NS、BRG1、STAT3、TWIST、SNAIL、及びN-カドヘリンからなる群より選択される少なくとも1つのがん幹細胞マーカーの発現をがん幹細胞特異的に上昇又は低下させるがん幹細胞マーカー遺伝子の変異を検出するプライマー及び/又はプローブを含む、上記〔10〕に記載のがん幹細胞標的治療用キット;及び
〔12〕医薬品候補化合物と、RNA依存性RNAポリメラーゼを接触させてインキュベートする工程と、
前記RNA依存性RNAポリメラーゼ活性を阻害する医薬品候補化合物を選択する工程と、
を含む、がん幹細胞標的薬のスクリーニング方法
に関する。
本発明によれば、RdRPの阻害を通じてがん幹細胞を攻撃することができるので、抗がん剤や放射線療法に耐性を有するがん幹細胞も死滅させて、がんの根治治療を目指すことができる。また、がんの治療後の微小残存病変を除去して再発や転移を予防することも可能である。
図1は、テロメレース活性とヒトRdRP活性に対するVX-222の影響を調べた結果を示す。 図2は、テロメレース活性とヒトRdRP活性に対するエリブリンの影響を調べた結果を示す。 図3は、ヒトRdRP活性に対するビンデシン、ビンクリスチン、パクリタキセル、ドセタキセル、及びエトポシドの影響を調べた結果を示す。VX-222は陽性コントロールである。 図4は、ヒトRdRP活性に対するβルブロマイシン、BIBR1532、及びコスツノリドの影響を調べた結果を示す。VX-222は陽性コントロールである。 図5は、がん幹細胞と、通常のがん細胞のVX-222に対する感受性を調べた結果を示す。 図6は、がん幹細胞と、通常のがん幹細胞のエリブリンに対する感受性を調べた結果を示す。 図7は、TERT遺伝子のプロモータ領域における塩基配列の点突然変異がある場合には、これらの細胞株(この場合ES-2とRMG-1)でTERTタンパク質の発現の上昇が見られることを確認した結果を示す。 図8は、TERT遺伝子のプロモータ領域における塩基配列の点突然変異がある場合には、これらの細胞株(この場合、ES-2とRMG-1がTERT遺伝子のプロモータ領域の点突然変異がある細胞でその他は変異がない細胞)でRdRP阻害剤(VX222)に高感受性を示すことを確認した結果を示す。 図9は、TERT遺伝子のプロモータ領域における塩基配列の点突然変異がある場合には、これらの細胞株(この場合Hs578TとMDA-MB-231がTERT遺伝子のプロモータ領域の点突然変異がある細胞でMCF7は変異がない細胞)でRdRP阻害剤(エリブリン)に高感受性を示すことを確認した結果を示す。
本発明に係るがん幹細胞標的薬組成物は、VX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532、及びこれらの誘導体、並びにこれらの薬理学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群より選択される化合物を含む。
本明細書において「がん幹細胞標的薬」とは、がん幹細胞に対して殺細胞効果を有する医薬又は試薬を意味する。本明細書において「医薬」とは、治療や予防を目的として対象に投与されるものであって開発途上の医薬品候補を含み、「試薬」とは、対象に投与されず主に実験においてin vitroで用いられるものを意味する。
本明細書において用語「がん幹細胞」は、その最も広い意味で用いられ、非常に少ない細胞数で腫瘍形成能を有する、自己複製能を有すると共に非がん細胞産生能を有する、薬剤耐性能を有する、などの性質で特徴付けられる細胞をいう。
がん幹細胞は以下のヒトのがんにおいて同定されているが、本明細書における「がん幹細胞」はこれらに限定されない。それぞれのがん幹細胞の単離に用いられ得るがん幹細胞マーカーと共に示す。
(がん) (がん幹細胞マーカー)
急性骨髄性白血病 CD34/CD38
脳腫瘍 CD133
肺がん CD133
乳がん CD44/CD24−/low/ESA、ALDH1
大腸がん CD133、EpCAMhi/CD44
膵がん ESA/CD44+/CD24
肝臓がん CD90
前立腺がん CD44/インテグリンα2β1 hi/CD133、Sca-1
頭頸部扁平上皮がん CD44
がん幹細胞に対する殺細胞効果は、当業者が公知の方法又はそれに準ずる方法(例えば後述する実施例で用いられる方法)で確認することができる。
ある医薬又は試薬ががん幹細胞に対する殺細胞効果を有するという場合、統計的に有意な殺細胞効果を示す場合に限られず、当業者が殺細胞効果を有する傾向があると判断できる程度の場合も含む。
VX-222(CAS登録番号:1026785-55-6)は、C型肝炎ウイルスポリメラーゼ阻害剤として知られる(WO2008/058393)。
VX-222の誘導体としては、例えば、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない。
5-(3,3-dimethyl-but-1-ynyl)-3-[(trans-4-methoxy-cyclohexyl)-(trans-4-methyl-cyclohexanecarbonyl)-amino]-thiophene-2-carboxylic
acid;
5-(3,3- dimethyl-but-1-ynyl)-3-[(
trans-4-methyl-cyclohexanecarbonyl)-(cis-4-[1,2,4]triazol-1-yl-cyclohexyl)-amino]-thiophene-2-carboxylic
acid;
5-(3,3-dimethyl-but-1-ynyl)-3-[(trans-4-methyl-cyclohexanecarbonyl)-(trans-4-[1,2,4]triazol-1-yl-cyclohexyl)-amino]-thiophene-2-carboxylic
acid;
5-(3,3-dimethyl-but-1-ynyl)-3-[(cis-4-hydroxy-cyclohexyl)-(trans-4-methyl-cyclohexanecarbonyl)-amino]-thiophene-2-carboxylic
acid;
5-(3,3-dimethyl-but-1-ynyl)-3-[(trans-4-methyl-cyclohexanecarbonyl)-(1-methyl-piperidin-4-yl)-amino]-thiophene-2-carboxylic
acid; hydrochloride;
5-(3,3-dimethyl-but-1-ynyl)-3-[(trans-4-methyl-cyclohexanecarbonyl)-(4-cis-[1,2,3]triazol-1-yl-cyclohexyl)-amino]-thiophene-2-carboxylic
acid;
5-(3,3-dimethyl-but-1-ynyl)-3-[(trans-4-methyl-cyclohexanecarbonyl)-(trans-4-[1,2,3]triazol-1-yl-cyclohexyl)-amino]-thiophene-2-carboxylic
acid;及び
5-(3,3-dimethyl-but-1-ynyl)-3-[(trans-4-fluoro-cyclohexyl)-(trans-4-methyl-cyclohexanecarbonyl)-amino]-thiophene-2-carboxylic
acid。
エリブリン(Eribulin、CAS登録番号:253128-41-5)は、そのメシル酸塩が転移性乳がんや再発乳がんを適応とする抗がん剤として用いられている。海綿由来の天然有機化合物であるハリコンドリンBの大環状ケトン合成アナログであり、以下の式で表される。
エリブリンの誘導体としては、米国特許第6214865号に記載されたものが挙げられ、当該特許に記載されたエリブリン誘導体は、参照により本明細書に組み込まれる。具体的には、以下の一般式で表されるものからエリブリン自体を除いたものが挙げられる
式中、Aは、1〜10個の置換基を有していてもよい炭素数1〜6の飽和アルキル基、又は炭素数2〜6の不飽和アルキル基を示し、該置換基は、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロ基、アジド基、オキソ基、OR1、SR1、SO2R1、OSO2R1、NR2R1、NR2(CO)R1、NR2(CO)(CO)R1、NR4(CO)NR2R1、NR2(CO)OR1、(CO)OR1、O(CO)R1、(CO)NR2R1、及びO(CO)NR2R1からなる群より選択され;
R1、R2、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立に、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アミノアルキル、C6-10アリール、C6-10ハロアリール、C6-10ヒドロキシアリール、C1-3アルコキシ-C6アリール、C6-10アリール-C1-6アルキル、C1-6アルキル-C6-10アリール、C6-10ハロアリール-C1-6アルキル、C1-6アルキル-C6-10ハロアリール、(C1-3アルコキシ-C6アリール)-C1-3アルキル、C2-9複素環基、C2-9複素環-C1-6アルキル、C2-9へテロアリール、及びC2-9へテロアリール-C1-6アルキルからなる群より選択され;
D及びD'は、それぞれ独立に、R3及びOR3から選択され、R3はH、C1-3アルキル、及びC1-3ハロアルキルからなる群より選択され;
nは、0又は1であり;
Eは、R5又はOR5であり、
Gは、O、S、CH2、及びNR6からなる群より選択され、
J及びJ'は、それぞれ独立に、H、C1-6アルコキシ、及びC1-6アルキルからなる群より選択されるか、J及びJ'が一緒に、=CH2、又は、-O-(直鎖又は分岐C1-5アルキレン)-O-であり;
Qは、C1-3アルキルであり;
Tは、(CO)OR7で置換されていてもよいエチレン又はエテニレンであって、R7はH又はC1-6アルキルであり;
U及びU'は、それぞれ独立に、H、C1-6アルコキシ、及びC1-6アルキルからなる群より選択されるか、U及びU'が一緒に、=CH2、又は、-O-(直鎖又は分岐C1-5アルキレン)-O-であり;
Xは、H又はC1-6アルコキシであり;
Y及びY'は、それぞれ独立に、H、又はC1-6アルコキシであるか、Y及びY'が一緒に、=CH2、又は、-O-(直鎖又は分岐C1-5アルキレン)-O-であり;
Z及びZ'は、それぞれ独立に、H、又はC1-6アルコキシであるか、Z及びZ'が一緒に、=CH2、又は、-O-(直鎖又は分岐C1-5アルキレン)-O-である。
ビンデシン(Vindesine、CAS登録番号:53643-48-4)は、その硫酸塩が抗がん剤として用いられている。ビンブラスチンをもとに合成されたビンカアルカロイド系化合物である。したがって、ビンデシンの誘導体には、ビンカアルカロイド系化合物であるビンブラスチン、ビノレルビンが含まれる。
βルブロマイシン(β-Rubromycin、CAS登録番号:27267-70-5)は、ヒトテロメラーゼ阻害剤として報告されている化合物である(Ueno T. et al., Biochemistry,
39:5995-6002, 2000)。
BIBR1532(CAS登録番号:321674-73-1)もヒトテロメラーゼ阻害剤として報告されている化合物である(Damm K. et al., EMBO J. 20(24):6958-6968,
2001)。
本明細書において誘導体は、その誘導体ががん幹細胞に対する殺細胞効果を有する限り特に限定されない。
本明細書において薬理学的に許容される塩は、その化合物の塩ががん幹細胞に対する殺細胞効果を有する限り特に限定されないが、有機又は無機の酸又は塩基の塩とすることができる。例えば、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸、フマル酸塩、マレイン酸塩、リン酸塩、過リン酸塩、イソニコチン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、グルコン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、アスコルビン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、クエン酸塩、メシル酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、マロン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、及びベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。L-アルギニン、L-リシン、グルタミン酸などのアミノ酸の塩であってもよい。
塩基の塩としては、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、アンモニア、NR4 (Rは炭素数1〜4のアルキル基)、アルミニウム、亜鉛、コリン、及びトロメタミンの塩が挙げられる。
本明細書において溶媒和物に用いられる溶媒は、化合物の溶媒和物ががん幹細胞に対する殺細胞効果を有する限り特に限定されないが、例えば、水、薬理学的に許容される有機溶媒(エタノール、ヘキサン、酢酸エチル等)が挙げられる。
本発明に係るがん幹細胞標的薬組成物を医薬として投与する場合、がん幹細胞を有することが確認された対象に投与してもよい。対象ががん幹細胞を有するか否かは、当業者が、公知の方法又はそれに準ずる方法で確認することができるが、例えば、対象から抽出されたがん組織における、がん幹細胞マーカーの発現を測定することによって調べることができる。
がん幹細胞マーカーは、がん幹細胞特異的に発現している又は発現が亢進しているタンパク質又は核酸(mRNA、miRNA等)、がん幹細胞において特異的に発現が低下している又は発現していないタンパク質又は核酸とすることができる。がん幹細胞マーカーの発現の測定は、タンパク質レベルで行っても核酸レベルで行ってもよい。
がん幹細胞マーカーの非限定的な例として、CD34、CD38、CD133、CD44、CD24、ESA、ALDH1(Aldehyde dehydrogenase 1)、EpCAM(Epithelial cell adhesion molecule)、CD90、インテグリンα2β1、Sca-1(stem cell antigen-1)、hTERT(human telomerase reverse transcriptase)、NS(Nucleostemin)、BRG1(Brahma related gene 1)、STAT3(signal transducer and
activator of transcription 3)、TWIST、SNAIL、及びN-カドヘリン又はこれらの組合せが挙げられる。TWIST、SNAIL、及びN-カドヘリンは、上皮間葉転換(Epithelial Mesenchymal Transition; EMT)のマーカーとして知られている。最近の研究で、EMTを起こしている細胞は、幹細胞様の機能を獲得し、がん幹細胞を生じることが示唆されるなど、EMTとがん幹細胞は関連性が高い。
がん幹細胞マーカーの発現の測定は、がん幹細胞特異的にがん幹細胞マーカーの発現を上昇又は低下させるような遺伝子の突然変異を検出して行うこともできる。例えば、がん幹細胞マーカーであるTERTタンパク質の発現の上昇は、TERT遺伝子のプロモータ領域における塩基配列の点突然変異(C288T及び/又はC250T;Horn
S. et al., Science, 2013, 339(6122):959-961;Huang
F.W. et al., Science, 2013, 339(6122):957-959;Killela
P.J. et al., Proc Natl Acad Sci, 2013, 110(15):3021-6026)で予測することができる。かかる遺伝子の点突然変異の有無を確認し、がん幹細胞特異的ながん幹細胞マーカーの発現の上昇又は低下を生じさせる変異があった場合は、その対象に本発明に係るがん幹細胞標的薬組成物を医薬として投与することができる。
本発明に係るがん幹細胞標的薬組成物を医薬として投与する場合、がん治療後の対象に投与してもよい。がん治療後とは、放射線療法、化学療法、又は外科療法を行った後を意味する。治療後であればどのタイミングで投与してもよいが、例えば、がん治療後、寛解状態の対象に投与すれば、がん幹細胞を含む目に見えない微小残存病変を攻撃して、再発や転移を防ぐために有用である。
本発明に係るがん幹細胞標的薬組成物を医薬として投与する場合、がんの転移を有する対象に投与してもよい。がん幹細胞は転移にも関連すると考えられているので、転移のさらなる進行を止めたり、遅らせたりする効果を得られる可能性がある。
本明細書において「対象」とは、典型的にはヒトであるが、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、サル、ヒツジ、ウシ、ウマなどの哺乳動物であってもよい。
本発明は、VX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532、及びこれらの誘導体、並びにこれらの薬理学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群より選択される化合物を含む、がんの転移又は再発の予防又は治療剤も包含する。
本発明に係るがんの転移又は再発の予防又は治療剤は、がんの治療後、例えば寛解状態のときに投与してもよい。また、がんの転移を有する対象に投与してもよい。
本発明に係るがん幹細胞標的薬組成物及び、がんの転移又は再発の予防又は治療剤は、がん組織中にがん幹細胞が含まれる限り、どのようながんを有する対象に投与してもよい。例えば、急性又は慢性骨髄性白血病、神経系型腫瘍、例えば星状細胞腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経繊維腫、神経膠芽腫、上衣腫、神経鞘腫、神経繊維肉腫、神経芽細胞腫、下垂体部腫瘍(例えば、下垂体腺腫)、髄芽細胞腫、黒色腫、脳腫瘍、前立腺がん、頭頚部がん、食道がん、腎がん、腎細胞がん、膵臓がん、乳がん、肺がん、結腸がん、大腸がん、胃がん、皮膚がん、卵巣がん、膀胱がん、繊維肉腫、扁平上皮がん、神経外胚葉、甲状腺腫瘍、リンパ腫、肝細胞腫、中皮腫、類表皮がん等が挙げられる。
本発明は、VX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532、及びこれらの誘導体、並びにこれらの薬理学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群より選択される化合物を含む、RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害剤も包含する。
本発明に係るRdRP阻害剤は、医薬又は試薬として、in vitro又はin vivoで使用することができ、RdRPが関与する種々の反応を調べるための試験や、RdRPが関与する種々の疾患の治療又は予防に有用であり得る。
本発明に係るがん幹細胞標的薬組成物、がんの転移又は再発の予防又は治療剤、及びRdRP阻害剤は、VX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532、及びこれらの誘導体、並びにこれらの薬理学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群より選択される化合物を2以上含んでいてもよい。
本発明に係るがん幹細胞標的薬組成物、がんの転移又は再発の予防又は治療剤、及びRdRP阻害剤は、がん幹細胞に対する殺細胞効果を有する限り、薬理学的に許容される担体や添加剤を適宜添加し、公知の方法により製剤化することもできる。製剤化の例としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、液剤、シロップ、チュアブル、トローチ等の経口剤、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、貼付剤等の外用剤、注射剤、舌下剤、吸入剤、点眼剤、坐剤が挙げられるがこれらに限定されない。また、リポソーム製剤、高分子ミセル製剤、デンドリマー製剤、水溶性高分子製剤、ハイドロゲル製剤、ナノスフェア製剤、エマルジョン製剤などのドラッグデリバリーシステム技術を用いて製剤化してもよい。製剤には抗体を結合させて標的化してもよいし、PEG等の高分子を結合させて血中滞留時間を制御してもよい。
添加剤としては、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤、結合剤、矯味矯臭剤、乳化剤、界面活性剤、溶解補助剤、懸濁化剤、緩衝剤、着色剤、防腐剤、抗酸化剤、安定化剤、吸収促進剤等を挙げることができる。
賦形剤としては、例えばデンプン、デキストリン、白糖、乳糖、ブドウ糖、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、トレハロース、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、硫酸カルシウムが挙げられる。滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルクが挙げられる。崩壊剤としては、例えば寒天、ゼラチン、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、ペクチン、デキストリン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウムが挙げられる。結合剤としては、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アラビアガム、トラガント、ゼラチンが挙げられる。
乳化剤または界面活性剤としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、モノステアリン酸グリセリン、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。溶解補助剤としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、安息香酸ベンジル、エタノール、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムが挙げられる。懸濁化剤としては、上記界面活性剤の他、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子が挙げられる。緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩等の緩衝液が挙げられる。
矯味矯臭剤としては、例えばハッカ油、メントール、レモン油、アスコルビン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、着色剤としては、例えば三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、カルミン、カラメル、β−カロチン、酸化チタン、タルク、リン酸リボフラビンナトリウム等が挙げられる。防腐剤としては、例えばメチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール、クロロブタノール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸、抗酸化剤としては、例えばアスコルビン酸、トコフェロール、安定化剤としては、例えばアスコルビン酸、エデト酸ナトリウム、エリソスビン酸、トコフェロール、吸収促進剤としては、ミリスチン酸イソプロピル、トコフェロール、カルシフェロール等が挙げられる。
本発明に係るがん幹細胞標的薬組成物、がんの転移又は再発の予防又は治療剤、及びRdRP阻害剤を医薬として対象に投与する場合、他の抗がん剤と組み合わせて併用投与してもよい。
抗がん剤の非限定的な例としては、オキサリプラチン、カルボプラチン、シスプラチン、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターロイキン2、アナストロゾール、エキセメスタン、エチニルエストラジオール、クロルマジノン、ゴセレリン、タモキシフェン、ビカルタミド、フルタミド、プレドニゾロン、ニュープロレリン、レトロゾール、アクチノマイシンD、アクラルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ピラルビシン、ブレオマイシン、ペプロマイシン、マイトマイシンC、ミトキサントロン、イリノテカン、エトポシド、ソブゾキサン、ドセタキセル、ノギテカン、エキサテカン、パクリタキセル、ビノレルビン、エノシタビン、カルモフール、ゲムシタビン、シタラビン、テガフール、フルオロウラシル、フルダラビン、ペメトレキセド、ペントスタチン、メトトレキサート、イホスファミド、シクロホスファミド、ダカルバジン、テモゾロミド、二ムスチン、ブスルファン、メルファラン、イブリツモマブチルキセタン、イマニチブ、エルロチニブ、ゲフィニチブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、スニチニブ、ゼツキシマブ、ソラフェニブ、ダサチニブ、タミバロテン、トラスツズマブ、トレチノイン、パニツムマブ、ベバシズマブ、ボルテゾミブ、ラパチニブ、リツキシマブ、又はこれらの任意の塩が挙げられる。
本発明に係るがん幹細胞標的薬組成物、がんの転移又は再発の予防又は治療剤、及びRdRP阻害剤を医薬として対象に投与する場合、その副作用を軽減するための医薬と組み合わせて投与してもよい。例えば、抗がん剤による全身倦怠感や食欲低下、嘔吐等を改善するステロイド剤(デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、ヒドロコルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロン等)の短期投与、制吐剤である5HT3受容体拮抗薬(オンダンセトロン、グラニセトロン、パロノセトロン、ラモセトロン、トロピセトロン、アザセトロン、インジセトロン等)、NK1受容体拮抗薬(アプレピタント等)、プロクロルペラジン、メトクロプラミド、ロラゼパム、H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害剤、ドーパミン受容体拮抗薬、ブチロフェノン類等の投与との組合せが挙げられる。
他の医薬と併用投与する場合、本発明に係るがん幹細胞標的薬組成物、がんの転移又は再発の予防又は治療剤、及びRdRP阻害剤と、併用する医薬を同時に投与してもよいし、いずれかを先に投与してもよい。また、それぞれの投与回数や投与間隔が異なっていてもよい。
本発明に係るがん幹細胞標的薬組成物、がんの転移又は再発の予防又は治療剤、及びRdRP阻害剤に含まれるVX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532、及びこれらの誘導体、並びにこれらの薬理学的に許容される塩及び溶媒和物の量は、対象疾患の種類、活性化合物の種類、対象の年齢、性別、体重、症状、他の医薬との併用の有無等に従って、適宜決定することができる。
本発明は、本発明に係るがん幹細胞標的薬組成物、がんの転移若しくは再発の予防又は治療剤、又はRdRP阻害剤を投与することを含む、がん幹細胞の攻撃方法、がんの再発又は転移の予防又は治療方法も包含する。
かかる治療方法に先立って、上述した対象ががん幹細胞を有することを確認する工程を行ってもよい。
また、本発明は、化学療法、放射線療法、及び外科的療法を行う工程と、本発明に係るがん幹細胞標的薬組成物、がんの転移若しくは再発の予防又は治療剤、又はRdRP阻害剤を投与する工程を含むがんの治療方法を包含する。化学療法、放射線療法、外科的療法の後に、がん幹細胞標的薬組成物等をルーチンで投与することにより、目に見えない残存腫瘍を標的として再発や転移を予防することが可能である。
また、本発明は、VX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532、及びこれらの誘導体、並びにこれらの薬理学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群より選択される化合物を対象に投与することの適否を判断するためのデータを提示する方法を包含する。
VX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532、及びこれらの誘導体、並びにこれらの薬理学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群より選択される化合物は、がん幹細胞を標的とするものであるから、かかるデータは、対象から採取されたがん組織に含まれる細胞におけるがん幹細胞マーカーの発現量を示すデータを含む。データを提示する行為は、例えば検査会社等が行うことができ、このデータを医師等に提示すれば、医師は、がん組織におけるがん幹細胞の有無に基づいて、本発明に係るがん幹細胞標的薬組成物、がんの転移又は再発の予防又は治療剤、及びRdRP阻害剤の投与の適否を判断することができる。
本発明は、VX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532、及びこれらの誘導体、並びにこれらの薬理学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群より選択される化合物と、がん幹細胞マーカー検出薬と、を含むがん幹細胞を標的とする治療のためのキットも包含する。
かかるキットを用いれば、対象のがん組織におけるがん幹細胞の有無を評価して、がん幹細胞が存在した場合には、VX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532、並びにこれらの薬理学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群より選択される化合物を投与して、がん幹細胞を攻撃することができる。
がん幹細胞マーカー検出薬としては、がん幹細胞マーカーを特異的に認識する抗体や、がん幹細胞マーカーの遺伝子(例えば、がん幹細胞特異的にがん幹細胞マーカーの発現を上昇又は低下させる変異を含む領域)を特異的に増幅するプライマーや特異的に検出するプローブ等が挙げられる。本発明に係るキットは、その他、抗体や増幅された核酸を検出可能に標識する試薬、マイクロタイタープレート、緩衝液、取扱説明書等を備えていてもよい。
本発明はまた、がん幹細胞標的薬のスクリーニング方法も包含する。実施例に示されるように、本発明者らの仮説どおり、RdRP阻害剤であるVX-222は、がん幹細胞に対する殺細胞効果を示した。したがって、RdRPの特異的阻害剤は、がん幹細胞標的薬となり得る。
本発明に係るスクリーニング方法は、医薬品候補化合物と、RNA依存性RNAポリメラーゼを接触させてインキュベートする工程と、RNA依存性RNAポリメラーゼ活性を阻害する医薬品候補化合物を選択する工程と、を含む。
医薬品候補化合物は特に限定されず、低分子化合物、高分子化合物、核酸、ペプチド、タンパク質等とすることができる。医薬品候補化合物と、RdRPを接触させてインキュベートする工程は、当業者が、医薬品候補化合物の種類のあわせて適宜条件を選択して行うことができる。RdRP活性も、当業者が公知の方法に従って測定すればよい。
本明細書において引用されるすべての特許文献及び非特許文献の開示は、全体として本明細書に参照により組み込まれる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。当業者は、本発明の意義を逸脱することなく様々な態様に本発明を変更することができ、かかる変更も本発明の範囲に含まれる。
1.ヒトRdRP阻害剤のスクリーニング
1−1.M期集積細胞の作成方法
Day0:HeLa細胞を10cmディッシュあたり1x106個播種した(培地10ml)。
Day2:Thymidine(最終濃度 2.5mM)が入った培地に交換した(培地は用事調整)。
Day3:Thymidine培地に交換してから24時間後、HeLa細胞をPBS 10mlで3回洗浄し、通常培地に交換し培養した。
通常培地で6時間培養後、Nocodazole(最終濃度 0.1μg/ml)の入った培地に換え、14時間培養した(培地は用事調整)。
Day4:ピペットでディッシュに培地をかけ、物理的に細胞をはがして回収した。50mlチューブに回収し(5枚分)、細胞数をカウントして、遠心後に培地を除いてペレットを-80℃で保存した。
[培地]
DMEM Wako 044-29765(10% IFS含有)に、ペニシリン(100U/ml)とストレプトマイシン(100μg/ml)を加えた。
[同調用試薬]
Thymidine(ナカライテスク 07147-61)の125mM水溶液stockを調製し、0.22 μmフィルターで濾過滅菌後、-20℃で保存した。
Nocodazole(Sigma M1404)の5μg/μl DMSO溶液を調製し、遮光して4℃で保存した。
1−2.ライセートの調整
1−1.でM期に同調したHeLa細胞を、10 mlのPBS(-)で静かに洗い、3000 rpm (1,450×g)、4°Cで5分遠心した後、上清を除いた(PBS(-)は氷冷しておいた)。
HeLa細胞をlysis buffer A(150 mM NaCl、20 mM Tris-HCl(pH 7.4)、0.5% NP-40)で懸濁した(1x107個/ml)した。バッファーは氷冷しておいた。
超音波処理を10秒、1回行い、15,000 rpm(20,400×
g)、4°Cで15分遠心した後、ライセートを回収した。
1−3.IP-RdRPアッセイ
ライセート1 mlに、Pierce Protein A Plus Agarose(Thermo scientific)を40 μl(bed volume 20 μl)加え、ローテーターを用いて4°Cで30分撹拌し、プレクリアを調製した。Protein A Agaroseは、事前にlysis buffer Aで平衡化した。
13,000×g、4°Cで1分遠心し、ライセートを回収した。ライセートに10 μgの抗hTERT抗体(clone: 10E9-2)と40 μl(bed volume 20 µl)のPierce Protein A Plus Agarose (Thermo
scientific)を加え、ローテーターを用いて4°Cで一晩反応させた。
3,300×g、4°Cで0.5 min遠心し、上清をアスピレーターで除いた。ビーズ(Protein A Plus Agarose)を1mlのWash buffer Iで洗浄した(ローテーターを用い、4°Cで5分、4回と行った)。
Wash buffer Iは、10% glycerol、0.1% Triton-X、及び0.06x protease inhibitors(Roche、complete EDTA-free)を含む1x acetate bufferである。
ビーズを、2 mM CaCl2を含むAGC solutionで、4°Cで5分洗浄した。AGC solutionの組成は、1x acetate buffer、10% glycerol、及び0.02% CHAPSとした。
ビーズに付着した核酸を除くためMicrococcal nuclease(MNase)処理を行った。
Bead suspension:20 μl(bed volume)
MNase(20U/μl、Takara):1 μl
10xMNase reaction buffer:8
μl
H2O:51 μl
25°Cのインキュベータに入れた8字シェーカーにチューブを乗せて15minゆっくり振とうした(25rpm)。
3,300×g、4°Cで0.5 min遠心して上清をアスピレートで除去した後、ビーズを、3mM EGTAを含むAGC solutionにより、4°Cで5分ずつ2回洗浄した。
ビーズを0.02% CHAPSを含む1x
acetate bufferにより、4°Cで5分洗浄した。
RdRP反応を行った。試薬の組成は以下のとおりとした。
0.07% CHAPS:6 μl
HMD solution*:2 μl
(*0.2 M HEPES-KOH(pH 7.8)、40 mM MgCl2、及び2 mM DTT)
80 mM rATP:0.5 μl
8 mM rGTP:1 μl
0.4 mM rUTP:1 μl
8 mM rCTP:1 μl
RNase inhibitor(40U/μl、Toyobo):0.5 μl
[α-32P]UTP、3000 Ci/mmol:6 μl
1μg/μlのtemplate RNA:1 μl
H2O:1 μl
上記試薬を調整後、洗浄バッファーをアスピレートで除去したビーズ(20 μl(bed volume))に加えた。阻害剤を加える場合は、ビーズに試薬を加えた後、阻害剤(10mM)0.4μlを加え、ピペッティングした。
32°Cのインキュベータに入れた8字シェーカーにチューブを載せてゆっくり振とうし(25rpm)、2時間反応させた。
20 mg/ml Proteinase K(Takara)を5.4 μl、2x Proteinase K buffer(20 mM Tris-HCl(pH7.6)、20 mM EDTA、及び1% SDS)を45.4 μl加え、37°Cで30分反応させた。
H2Oを109.2 μl加えた後、200μlのacid
phenol-chloroform(Ambion)を加え、Vortex、15,000
rpm(21,100×g)、室温で5分遠心した後、水層を新しいチューブに移した。
再度Phe/Chl処理を繰り返した後、3
M sodium acetate(pH5.2)を20μl、GenTLE precipitation carrier(Takara)4 μl、ethanol 250μlを加え、15,000 rpm(21,100×g)、4°Cで20分遠心し、上清を捨てた。
ペレットを300 μlの70%
冷エタノールでリンスし、15,000 rpm(21,100×g)、4°Cで15分遠心した。ペレットを乾燥させた。ペレットは-20°Cで2日保存可能であった。
1−4.RNase処理および泳動
Terminal transferase活性によるsingle stranded RNAsを除くため、RNase処理を行った。
RNAサンプル20μlを、以下のとおりH2Oに溶かした。
RNA sample:20 μl
RNase One(10 U/μl、Promega):0.2 μl
10x reaction buffer:20 μl
H2O:159.8 μl
37°Cで2時間インキュベートした。さらに、2.3 μlの10%
SDSを加え、37°Cで15分インキュベートした。2 μlの20 mg/ml Proteinase K(Takara)を加え、37°Cで15分インキュベートした。205μl のacid
phenol-chloroform(Ambion)を加えVortex、15,000
rpm(21,100×g)、室温で5分遠心した後、水層を新しいチューブに移した。
3 M sodium acetate(pH5.2)を20μl、GenTLE precipitation carrier(Takara)4 μl、ethanol 250 μlを加え15,000 rpm(21,100×g)、4°Cで20分遠心し、上清を捨てた。
ペレットを300 μlの70%
冷エタノールでリンスし、15,000 rpm(21,100×g)、4°Cで15分遠心した。ペレットを20 μlのH2Oで溶かし、2x loading buffer(95% formamide、20 mM EDTA、及び1% Orange G)を20
μl 加えた。95°Cで10分処理した後、氷上で急冷し、7M Urea 10%アクリルアミドゲルで泳動した。
[試薬]
5x acetate buffer(50 mM HEPES-KOH(pH7.8)、500 mM potassium acetate、20 mM MgCl2)の調製
500 ml中に:
0.5 M HEPES-KOH(pH7.8):50 ml
K-Acetate:24.5 g
0.5 M MgCl2:20 ml
とし、0.2 μmのフィルターで溶液をろ過し、室温で保存した。
10x MNase reaction bufferの調製
200 mM Tris HCl(pH8.0)
50 mM NaCl
25 mM CaCl2
を混合した。
結果を図1〜3に示す。図示されるとおり、テロメレース活性には影響を及ぼさない一方で、ヒトRdRPを阻害する化合物として、VX-222、エリブリン、及びビンデシンが同定された。ビンクリスチン、パクリタキセル、及びドセタキセルには、RdRP阻害活性は見られなかった。
また、図4に示すとおり、テロメレース阻害剤として知られるβルブロマイシンとBIBR1532も、ヒトRdRPを阻害することが確認された。同じテロメレース阻害剤であるコスツノリドには、ヒトRdRP阻害活性は見られなかった。
2.がん幹細胞に対する作用
がん細胞及び人工がん幹細胞を、96ウェルプレートに、10,000個/ウェルで播種した。がん細胞としてはHeLa細胞を用い、人工がん幹細胞としてはOkamotoらの方法(Okamoto
N. et al., Proc Natl Amer Sci., 108(51):20388-20393)に従って、Nucleosteminを過剰発現させたHeLa細胞を用いた。
24時間培養後にVX-222又はエリブリンを添加し、48時間培養後にMTTアッセイを行って、生細胞をカウントした。
結果を図5、図6に示す。人工がん幹細胞は、通常のがん細胞に比較して、VX-222(図5)及びエリブリン(図6)に対して高い感受性を示すことが確認された。
3.TERT遺伝子のプロモータ領域における塩基配列の点突然変異がある細胞の検索
3−1.表1に示す乳がん細胞株、卵巣がん細胞株のゲノムDNA 100 ngを、2× PCR Buffer for KOD FX (TOYOBO) 25 μL、2 mM dNTPs (TOYOBO) 10 μL、20
μM プライマー2種(hTERT_short_FおよびhTERT_short_R)各0.75 μL、KOD FX (TOYOBO) 1 μL、および、超純水と混合し、総量50 μLとした。
3−2. hTERT_short_Fの塩基配列は5-CAGCGCTGCCTGAAACTC-3’、hTERT_short_Rの塩基配列は5’-GTCCTGCCCCTTCACCTT-3’を用いた。(非特許文献4)
3−3.3−1の混合液を用いてThermal cycler により、Polymerase Chain Reaction (PCR)を行う。PCRの反応条件は、94℃, 2分に引き続き、98℃, 10秒; 55℃, 30秒; 68℃, 1分を40サイクル行った。
3−4.3−3のPCR反応液をアガロースゲルに泳動し、Wizard® SV Gel and PCR
Clean-Up System (Promega)を用いて163塩基対のPCR産物を精製抽出した。
3−5.3−4で精製抽出したPCR産物を、hTERT_short_F、および、dGTP BigDyeTM Terminator Cycle Sequencing
FS Ready Reaction Kit (Applied Biosystems)を用いて、Applied Biosystems 3730xl DNA
Analyzerにてシーケンスする。
表1は、乳がん細胞株、卵巣がん細胞株でhTERTのプロモーター領域の点変異の検索結果を示す。乳がん細胞株ではHs578TとMDA-MB-231、卵巣がんでは、ES-2とRMG-1においてTERT遺伝子のプロモータ領域における塩基配列の点突然変異を見出した。(非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6)
4.TERT遺伝子のプロモータ領域における塩基配列の点突然変異がある細胞に対するRdRP阻害剤の作用
図7に記載した細胞株を96ウェルプレートに、10,000個/ウェルで播種した。24時間培養後にRdRP阻害剤(VX222ないしエリブリン)を添加し、72時間培養後にMTTアッセイを行って、生細胞をカウントした。結果を図8、9に示す。TERT遺伝子のプロモータ領域における塩基配列の点突然変異がある細胞は、変異のない細胞に比較して、RdRP阻害剤(VX222:図8、エリブリン:図9)に対して高い感受性を示すことが確認された。
以上のことより、TERT遺伝子のプロモータ領域における塩基配列の点突然変異がある場合にはTERTタンパク質の発現上昇がみられ(図7)、その結果RdRP活性を介してがん幹細胞の機能維持に関連することが認められた。TERT遺伝子のプロモータ領域の点突然変異の有無を確認し、がん幹細胞特異的ながん幹細胞マーカーであるhTERTの発現の上昇を生じさせる変異があった場合は、その対象に本発明に係るがん幹細胞標的薬組成物を医薬として投与することができるといえる。

Claims (12)

  1. VX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532、及びこれらの誘導体、並びにこれらの薬理学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群より選択される化合物を含む、がん幹細胞標的薬組成物。
  2. がん幹細胞を有することが確認された対象、又はがん治療後の対象、又はがんの転移を有する対象に投与される、請求項1に記載のがん幹細胞標的薬組成物。
  3. 前記対象ががん幹細胞を有することの確認は、前記対象のがん組織に含まれる細胞におけるがん幹細胞マーカーの発現を調べることによって行われる、請求項2に記載のがん幹細胞標的薬組成物。
  4. 前記がん幹細胞マーカーは、CD34、CD38、CD133、CD44、CD24、ESA、ALDH1、EpCAM、CD90、インテグリンα2β1、Sca-1、hTERT、NS、BRG1、STAT3、TWIST、SNAIL、及びN-カドヘリンからなる群より選択される、請求項3に記載のがん幹細胞標的薬組成物。
  5. VX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532、及びこれらの誘導体、並びにこれらの薬理学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群より選択される化合物を含む、がんの転移又は再発の予防又は治療剤。
  6. がん治療後の対象に投与される、請求項3に記載のがんの転移又は再発の予防又は治療剤。
  7. VX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532、及びこれらの誘導体、並びにこれらの薬理学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群より選択される化合物を含む、RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害剤。
  8. VX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532、及びこれらの誘導体、並びにこれらの薬理学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群より選択される化合物を対象に投与することの適否を判断するためのデータを提示する方法であって、
    対象から採取されたがん組織に含まれる細胞におけるがん幹細胞マーカーの発現を調べる工程を含む、方法。
  9. 前記がん幹細胞マーカーは、CD34、CD38、CD133、CD44、CD24、ESA、ALDH1、EpCAM、CD90、インテグリンα2β1、Sca-1、hTERT、NS、BRG1、STAT3、TWIST、SNAIL、及びN-カドヘリンからなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
  10. VX-222、エリブリン、ビンデシン、β−ルブロマイシン、BIBR1532、及びこれらの誘導体、並びにこれらの薬理学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群より選択される化合物と、
    がん幹細胞マーカー検出薬と、
    を含むがん幹細胞標的治療用キット。
  11. 前記がん幹細胞マーカー検出薬は、
    CD34、CD38、CD133、CD44、CD24、ESA、ALDH1、EpCAM、CD90、インテグリンα2β1、Sca-1、hTERT、NS、BRG1、STAT3、TWIST、SNAIL、及びN-カドヘリンからなる群より選択される少なくとも1つのがん幹細胞マーカーに対する抗体、又は
    CD34、CD38、CD133、CD44、CD24、ESA、ALDH1、EpCAM、CD90、インテグリンα2β1、Sca-1、hTERT、NS、BRG1、STAT3、TWIST、SNAIL、及びN-カドヘリンからなる群より選択される少なくとも1つのがん幹細胞マーカーの発現をがん幹細胞特異的に上昇又は低下させるがん幹細胞マーカー遺伝子の変異を検出するプライマー及び/又はプローブを含む、請求項10に記載のがん幹細胞標的治療用キット。
  12. 医薬品候補化合物と、RNA依存性RNAポリメラーゼを接触させてインキュベートする工程と、
    前記RNA依存性RNAポリメラーゼ活性を阻害する医薬品候補化合物を選択する工程と、
    を含む、がん幹細胞標的薬のスクリーニング方法。
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