JP2017035759A - クラウニング加工方法及び装置 - Google Patents

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慎二 伏原
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教志 杉立
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Abstract

【課題】クラウニングの曲率半径Rの大小に拘わらず、精度よく、確実に、十分なドロップ量(クラウニング量)をもって加工する。
【解決手段】ワークWが円弧状の移動軌跡を描くようにして搬送される間に、往復動する砥石SをワークWに押し付けて加工を行うクラウニング加工において、ワークWの移動軌跡の曲率中心Oを旋回中心として旋回可能な旋回体36を設け、旋回中心OからワークWの移動軌跡の半径Rと等しい距離を隔てた旋回体36上の位置に砥石ホルダ10を固定し、駆動装置42により砥石ホルダ10を旋回中心Oまわりに揺動させて、砥石Sの揺動軌跡をワークWの移動軌跡と一致させる。
【選択図】図1

Description

この発明はクラウニング加工方法及び装置に関し、限定する趣旨ではないが、転がり軸受用ころの外径面にクラウニング加工を施すために利用することができる。
転がり軸受のころは、通常、高品質な軸受鋼で造られ、円筒ころ、針状ころ、円すいころ、球面ころなどがある。円筒ころは、円筒ころ軸受に用いられ、外径面の母線が、基本的には直線であって、ころの中心軸と平行である。針状ころは、直径に対する長さの比が大きく、直径が小さい円筒ころである。円すいころは、外径面の母線が、基本的には直線であって、ころの中心軸と交わるころである。球面ころは、ころの中心軸を含む平面において、外径面が凸の曲率をもっているころである。
ころの外径面は転動面とも呼ばれ、軌道と転がり接触するころの表面であることから、高精度に仕上げられる。また、軌道ところとの接触部の端部に生じる集中応力を防ぐことを主な目的として、軌道又はころの母線にごくわずかな曲率をもたせる加工すなわちクラウニングを施すことがある。ころと軌道とが理論的な線接触をしているときには、ころの端部に中央部分よりかなり大きな応力(エッジロード)が発生し軸受寿命が著しく低下する。これを防止するために、ころの端部近傍で、ころの転動面又は軌道面の母線をわずかに曲線とすることによって、無負荷時には接触しないようにする。このようにすることで、負荷時におけるころの端部のエッジロードを軽減することができる。
転がり軸受用ころの外径面に効率的に超仕上げ加工を施すために、スルーフィード超仕上げ機による方法が知られている。スルーフィード超仕上げ機は、フィードロールを略平行に、かつ、その間隔がワーク(ころ)径よりも小となるように配置した一対の駆動ロール(以下、フィードロールという)を使用する。フィードロールは、例えば一方のフィードロールを水平に配置し、もう一方のフィードロールを水平に対して所定角度傾斜させて配置し、その角度をスルーフィードアングルと呼ぶ。あるいは、一方のフィードロールは水平方向に対してα/2上方に傾斜させて配置し、もう一方のフィードロールは水平方向に対してα/2下方に傾斜させて配置してもよく、この場合、両者の相対傾斜角度αが上記スルーフィードアングルに相当する。
スルーフィードアングルを持たせることにより、フィードロールを同方向に回転させたときフィードロールの軸方向に搬送力が発生する。すなわち、フィードロール間に回転軸がフィードロールの回転軸と一致する姿勢でワークを供給すると、ワークは一対のフィードロール上で自転しながら軸方向に移動する。
ワークを連続的に供給しながら、フィードロール上のワークに砥石を押し当て、砥石にワーク軸と平行な往復運動(オシレーション)を与えることにより、ワークの外径面が均一に加工される。このとき、砥石は砥石ホルダによって上下方向以外の自由度を拘束され、通常はエアシリンダによって上方から加圧される。また、砥石ホルダとエアシリンダはオシレーションヘッドに固定されてオシレーションユニットを構成し、このオシレーションユニットをワーク軸と略平行に微動させることで砥石にオシレーションが与えられる。
スルーフィード超仕上げ機を使用するクラウニング加工に関するものとして、特許文献1には次のような技術が記載されている。すなわち、フィードロールの互いに対向する位置に、異なる曲率半径の凸状部を軸方向に複数形成し、フィードロール間に送り込まれて回転する略円筒形状のワークの外周面に滑らかに曲率半径が変化するクラウニング量を有する曲線を形成する。対向する一対の接触部間をワークが移動する際に、複数の接触部の軸方向断面がそれぞれ異なる輪郭とされているため、ワークが異なる軌道で各接触部間を移動し、各接触部間においてワークの外周面を異なる形状に加工する。
例えば、緩やかな形状に加工する場合には、ワークが緩やかな形状の接触部間を通過するときに砥石を押し当て、また、傾斜のきつい部分を加工する場合には、ワークが傾斜のきつい形状の接触部間を通過するときに砥石を押し当てて加工する。そして、各接触部間における加工を組み合わせることにより、全体として所望のワークの母線形状、例えばストレート形状、単一R形状あるいは曲率半径の異なる複数の円弧のつなぎ合わせから成るクラウニング形状を得る。砥石は鉛直方向にスライド可能に案内、保持されており、ピストン・シリンダ機構で押し下げることにより、ワークの送りに沿った形状の作用面をワークに押し当てる。
特許文献2には、円筒部材を搬送ローラにより一方から投入し、円筒部材の端部を超仕上げ加工し、そのまま進行方向から取り出す加工方法では、円筒部材の両端部のクラウニング形状が非対称になりやすいという問題点の認識に立っている。そして、ワークの両端部が同一のクラウニングとなるようにするため、フィードロールを正回転及び逆回転させることにより、ワークを往復させて両端部を加工する技術が記載されている。
加工装置としては、フィードロールと二組以上の砥石ユニットを使用する。フィードロールは、一方のフィードロールを水平方向に対してα/2上方に傾斜させて配置し、もう一方のフィードロールを水平方向に対してα/2下方に傾斜させて配置することにより、相対傾斜角度をもたせてある。各砥石ユニットは、フィードロールの中央位置から見て外側に配置した上下動のみする超仕上げ用砥石ユニットと、それよりも内側に配置した上下動と首振り運動をする超仕上げ用砥石ユニットからなる。この場合の首振りとは、ワークの進行方向に応じてワークとの接触角度を変えるための動きである。
特許文献3には、円すいころの外径面を加工するにあたり、外周にらせん状の溝を有するフィードドラムを用いたスルーフィード超仕上げ機により、クラウニング形状を付与する技術が記載されている。円すいころの外径面は、直線状のストレート部と、このストレート部の軸方向両端側部分にそれぞれ形成されるクラウニング部とからなり、砥石の加工面に対してころの外径面を傾斜させて当てた状態で、ころを自転させながら搬送方向に移動させて加工する。
加工装置は、一対のフィードドラムと砥石を備えている。フィードドラムはらせん状の案内ねじ面を外周に有し、それぞれ中心軸まわりに回転駆動される。一対のフィードドラムは、雄側フィードドラムと雌側フィードドラムとからなり、雄フィードドラムの案内ねじ面は、らせん状のつば部によって隣り合う周面部分と区画されている。つば部にころの大端面を当接させた状態で、フィードドラムを回転させと、ころがその小端面を前方(つまり搬送方向)に向けて搬送方向上流側から下流側に搬送される。
案内ねじ面は、ころの外周面をころの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部に分割されている。つば部で区画された軸方向に並ぶ分割ねじ面部間には、円周溝が形成される。つば部と分割ねじ面部との間にも、分割ねじ面部間の円周溝よりも幅狭の円周溝がそれぞれ形成されている。雌側フィードドラム2は、つば部が設けられておらず、ころの外周面をころの前後2箇所で支持する軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部を含む案内ねじ面からなる。
砥石の加工面に対する2点のころ接触点を結ぶ直線の、フィードドラム軸心に対する傾斜角度を、ころの搬送方向上流側から下流側に向かうに従って大→小→大と連続的に変化させるように、フィードドラムの分割ねじ面部を形成している。そして、フィードドラムの搬送方向上流位置から中間位置にわたって円すいころを通過させるときに、この円すいころの外周面のうち小端面側のクラウニング部を砥石の下端縁部で超仕上げする。その後、フィードドラムの搬送方向中間位置から下流位置にわたって円すいころを通過させるときに、この円すいころの外周面のうち大端面側のクラウニング部を砥石の下端縁部で超仕上げするようになっている。
板状の砥石をフィードドラムの軸方向に平行に複数並べて、砥石の加工面である下端縁部がそれぞれ両フィードドラム間に挿入されるように配置してある。砥石は支持部材に揺動可能に支持され、各砥石は支持部材に対して中心軸に平行に揺動可能である(特許文献3の図9、図10参照)。つまり、砥石の下端縁部にころのクラウニング部が当たった状態でころが搬送されると、それに従って砥石が揺動変位する。ころがフィードドラムの搬送方向上流側から下流側まで搬送されるとき、ころのクラウニング部に対し、砥石を微小に揺動変位させるとともに、砥石の加工面である下端縁部に対してころの外周面を傾斜させて搬送することで、微小な曲率のクラウニング部を得る。
特開2004−322307号公報 特開2005−118926号公報 特開2012−061571号公報
一定の荷重条件下で、ころが平面あるいは他の円筒面とその全長にわたって接するとき、ころの両端部にエッジロードが発生することが知られている。また、これを回避または緩和するために、ころの両端部にクラウニングを設けると効果的であること、その軸断面は端部に近づくほど曲率半径が小さくなる対数形状が理想的であることが理論的に示されている。工業的にこのような理論対数曲線形状を創成することは極めて困難であるため、通常は曲率半径の異なる複数の円弧のつなぎ合わせから成る「複合円弧」をクラウニング形状とすることが多い。
しかしながら、スルーフィード超仕上げ機は、砥石ホルダ及びエアシリンダがオシレーションヘッドに固定され、オシレーションヘッドはリニアガイド又はこれに準ずる機構で拘束されている。そのため、砥石のオシレーションは直線状で、フィードロールの回転軸線と平行な方向にしか起こらない。オシレーション振幅はせいぜい数ミリメートルであるため、クラウニングの曲率半径Rが十分に大きい場合にはあまり大きな問題はなく、ほぼワークの移動軌跡に見合ったクラウニング形状が得られる。しかし、クラウニングの曲率半径Rが小さくなると、砥石の移動軌跡が直線状であるために、砥石とワークとの接触が断続的となり、その結果、砥石の異常摩耗が誘発され、加工が不十分となる。
本発明の目的は、きわめて小さい曲率半径Rのクラウニングであっても、精度よく、確実に、十分なドロップ量(クラウニング量)をもって加工することが可能なクラウニング技術を提供することにある。
本発明は、砥石の往復動を、直線状ではなく円弧状の移動軌跡を描くように揺動させることによって課題を解決した。
すなわち、本発明は、ワークが円弧状の移動軌跡を描くようにして搬送される間に、往復動する砥石をワークに押し付けて加工を行うクラウニング加工において、ワークの移動軌跡の曲率中心を旋回中心として旋回可能な旋回体を設け、旋回中心からワークの移動軌跡の半径と等しい距離を隔てた旋回体上の位置に砥石ホルダを固定し、駆動装置により砥石ホルダを旋回中心まわりに揺動させるようにしたことを特徴とする。
これにより、ワークの移動軌跡の曲率半径の大小に関わらず、砥石の揺動軌跡がワークの移動軌跡と一致するため、砥石とワークが常に設定した一定の圧力で接しながら加工が行なわれる。
本発明によれば、砥石の揺動軌跡をワークの移動軌跡に正確に一致させることができ、そのように両者を一致させた状態でオシレーションを行うことにより、従来のスルーフィード超仕上げでは難しかったワーク端部の曲率半径が小さく深いドロップ量のクラウニング加工を確実に精度よく行うことが可能となる。
本発明の概要を説明するための略図であって、(A)は正面図、(B)は側面図である。 加工装置の一部破断正面図である。 加工装置における旋回中心機構の側面図である。 加工装置における砥石ホルダ部の正面図の一部破断正面図である。 図4のV‐V断面図である。 図4のVI‐VI断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
まず、図2及び図3を参照して加工装置の全体構成について述べるならば、加工装置は砥石ホルダ10と、エアシリンダ20と、旋回ユニット30を有する。
砥石Sを保持した砥石ホルダ10を、旋回ユニット30により旋回揺動可能に支持し、エアシリンダ20によって砥石SをワークWに対して押し付けた状態で旋回ユニット30を旋回揺動させて超仕上げを行う。
ワークWは、前述のスルーフィードアングルを持たせた一対のフィードロールによって、自転しながら搬送される。そして、図1に示すように、フィードロール外径をワークWの移動軌跡がクラウニング半径Rとなるような曲率に設定する。図1及び図4では、ワークWの移動軌跡(ワークWの外接円)を細線の円弧で示してあり、符号Rはその半径を表す。
砥石Sは従来のスルーフィード超仕上げ機で用いていた板状のスティック砥石を使用することができる。つまり砥石Sの作用面すなわちワークWと接する面は、ワークWを用いてなじみ運転することによってワークWの移動軌跡と同じ円弧形状に形成することができる。
砥石ホルダ10は、内部に砥石クランプ14を収容し、この砥石クランプ14によって砥石Sの上端部が保持され、砥石Sの下端部は砥石ホルダ10から突出している。
図5から分かるように、砥石クランプ14はスリット16を有し、砥石Sの上部をこのスリット16に挿入して保持させる。
また、図6から分かるように、砥石クランプ14の背面には突起18が形成してある。突起18は図4及び図5の上下方向に、また、図6の紙面に垂直に延びている。
横断面(図6)で見ると、砥石ホルダ10の内壁面も、砥石クランプ14の外壁面も、ともに矩形で、上下の2辺が長辺、左右の2辺が短辺となっている。図6の上側に位置する長辺に相当する内壁面には縦溝12が形成してあり、この縦溝12は上に述べた砥石クランプ14の突起18を受け入れる。図6の下側の長辺は、短辺寄りの領域を残して開放している。
砥石ホルダ10の長辺側の内壁面は、砥石クランプ14の外壁面と接触し、砥石クランプ14がスライドする際の案内面となる(ガイド機能)。このように、砥石クランプ14は砥石ホルダ10によって案内されるため、一方向すなわち、図4及び図5では上下方向、図6では紙面に垂直な方向にだけ移動可能である。当該一方向は、実施の形態の場合、円弧状のワークWの移動軌跡(ワークWの外接円)の法線方向である。
エアシリンダ20は、加工装置のフレーム40その他の静止部材に固定したブラケット28に固定してある。エアシリンダ20のピストンロッド22がブラケット28を貫通して図面では垂下している。ピストンロッド22の先端にはシリンダブロック24が固定してあり、このシリンダブロック24を介して、砥石クランプ14はエアシリンダ20のピストンロッド22の作用を受ける。つまり、ピストンロッド22が進出すると、シリンダブロック24を介して砥石クランプ14が押され、砥石SがワークWに向けて押し出される。実施の形態の場合、砥石Sの下方にワークWが位置し、砥石Sを押し下げてワークWに押し付けるようになっている。このように、エアシリンダ20は、砥石SをワークWに向けて加圧するための加圧装置を構成する。
図4から分かるように、シリンダブロック24の下面は凹面で、これと接する砥石クランプ14の上面は凸面である。これらの凸面と凹面は同等の曲率半径となっている。また、図4に想像線で示すように、シリンダブロック24の内部には加工液を供給するための通液孔26が設けてある。通液孔26はシリンダブロック24の下面に開口しており、通液孔26から供給された加工液は砥石クランプ14の凸面とシリンダブロック24の凹面の潤滑を行う。
エアシリンダ20のピストンロッド22の進出によって砥石クランプ14が押し下げられ、そのとき、上述の砥石ホルダ10によるガイド機能によって、砥石クランプ14は一方向にのみ動くことができる。矩形断面の砥石ホルダ10内に同じく矩形断面の砥石クランプ14を収容させたことに加えて、砥石クランプ14の突起18と砥石ホルダ10の縦溝12とをはまり合わせることにより、上記ガイド機能ばかりでなく、砥石クランプ14の安定した姿勢を保つ作用が得られる。
旋回ユニット30は、図1に示すように、ワークWの移動軌跡(ワークWの外接円)の中心を旋回中心Oとし、この旋回中心Oのまわりに旋回可能な旋回体としてのシャフト36に砥石ホルダ10を取り付ける。このようにして、砥石ホルダ10は旋回ユニット30によって旋回揺動可能に支持される。図3は、シャフト36の自由端に砥石ホルダ10を取り付けた例であるが、シャフト36の長さ方向における砥石ホルダ10の位置は任意に変更可能とするのが望ましい。
シャフト36は、旋回中心Oとなるその基端部を、旋回ユニット30のベース32に、軸受を介して回転可能に固定してある。ベース32は加工装置のフレーム40その他の静止部材に固定してある。上記軸受は、ベース32に設けた上下方向の長穴34を利用することにより、軸受の、したがってまた旋回中心Oの上下方向の位置を変更することができる。
上述のシャフト36の長手方向における砥石ホルダ10の位置と、旋回中心Oの上下方向の位置を変更することにより、砥石Sの旋回半径を変更することができる。旋回中心Oまわりにシャフト36を旋回させるための機構は、作業面高さを考慮すると、旋回半径はせいぜい1000mm程度が限界ではあるが、それ以上の曲率半径に対しては従来の加工装置で対応できるため、それらと組み合わせて使用することが望ましい。
往復動(オシレーション)のための駆動装置としては、偏心カムやクランク機構その他の適当な機構を選択して採用することができる。図2及び図4は偏心カム42を採用した例であって、偏心カム42が回転すると、砥石ホルダ10に対してワークWの搬送方向とは逆向きの力が作用し、砥石ホルダ10を旋回中心Oを中心として揺動させる。
ここで、砥石Sの移動量は±0.5mm程度、振幅にして1mm程度のものであるが、図面では誇張して示してある。
揺動系は基本的に、シャフト36、砥石ホルダ10、ピストンロッド22、砥石クランプ14、砥石Sのみである。したがって、エアシリンダ20の本体等質量の大きい要素は揺動しないので、慣性モーメントがきわめて小さく、高いオシレーション周波数にも追従することができ、振動も抑制することができる。
また、砥石ホルダ10が揺動する際に抵抗となるのは、主として、砥石クランプ14の凸面とシリンダブロック24の凹面との間のしゅう動抵抗と、旋回中心Oに設けた軸受の転がり又は滑り抵抗であるが、前者は加工液による潤滑作用で軽減される。後者も潤滑剤の使用により相当程度軽減される。
上述の実施の形態の効果をまとめるならば次のとおりである。
実施の形態は、ワークWの移動軌跡の曲率中心Oを旋回中心として旋回可能な旋回体36を有し、旋回体36に砥石Sを保持させた旋回ユニット30を具備する。このような構成を採用したことにより、砥石Sを、円弧状のワークWの移動軌跡と一致する方向で旋回揺動させることができる。
砥石Sは、ワークWの移動軌跡の法線方向に移動可能に砥石ホルダ10に保持させ、その砥石ホルダ10を旋回体36に固定する。このような構成を採用したことにより、砥石ホルダ10が旋回体36と共に揺動したとき、砥石SをワークWの移動軌跡の法線方向に押し出して常にワークWに押し当てておくことができる。
砥石SをワークWに向けて加圧するための加圧装置20としては、図面に例示したエアシリンダのほか、ばねを採用することもできる。ばねは長さが変化するとばね力が変化するほか、揺動によってたわむおそれがあるのに対して、エアシリンダは、ストロークが変化しても加圧力を一定に保つことができるため、クラウニング加工の精度向上の面から有利である。
旋回体36を往復動させるための駆動装置42としては、偏心カムやクランク機構その他の適当な機構を選択して採用することができる。ワークWの搬送方向とは逆向きに力を加えるだけでよく、しかもストロークは0.5mm程度と短いため、駆動装置の構造は比較的簡単なものでよい。
砥石ホルダ10内に収容され、砥石ホルダ10に対して相対移動可能な砥石クランプ14を有し、加圧装置20によって砥石クランプ14を押すようにしたことにより、旋回ユニット30からの力と、加圧装置20からの力を、それぞれ無理なく作用させることができる。
静止部材に固定したブラケット28に加圧装置20を固定することにより、質量の大きい加圧装置20は揺動しないため揺動系の慣性モーメントがきわめて小さくなる。したがって、高いオシレーション周波数にも追従することができる。また、振動抑制の面からも有利である。
断面矩形の内壁面を有する砥石ホルダ10内に、同じく矩形断面の外壁面を有する砥石クランプ14を収容させることにより、砥石クランプ14を一方向にのみ移動させることができる(ガイド機能)。また、当該一方向を、ワークの移動軌跡に対する法線方向に一致させることにより、砥石ホルダ10が揺動して中立位置から離れたときでも砥石Sを法線方向に押し出して常にワークWに押し当てておくことができる。
砥石クランプ14の外壁面に設けた突起18を、砥石ホルダ10の内壁面に設けた溝12にはまり合わせることにより、上記ガイド機能と合わせて、砥石クランプ14の、ひいては砥石Sの安定した姿勢を維持させることができるため、クラウニング加工の精度向上に寄与する。
以上、転がり軸受用ころをワークとした場合を例にとって本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、図示し、かつ、ここに記述した実施の形態に限らず、特許請求の範囲に悖ることなく、種々の改変を加えて実施をすることができることは言うまでもない。
例えば、図2及び図3では、揺動系の質量軽減、省スペース等の観点から細い棒状のシャフト36を例示したが、旋回中心Oのまわりを旋回可能な旋回体であればよく、その形状は問わない。
また、ワーク(被加工物)の代表例として転がり軸受のころを挙げたが、そのほか、直動案内(リニアガイド)用のころや、軸受軌道輪、カムフォロアにも適用することができる。
10 砥石ホルダ
12 縦溝
14 砥石クランプ
16 スリット
18 突起
20 エアシリンダ(加圧装置)
22 ピストンロッド
24 シリンダブロック
26 加工液流入口
28 ブラケット
30 旋回ユニット
32 ベース
34 長穴
36 シャフト
38 アーム
40 フレーム
42 偏心カム(駆動装置)
S 砥石
W ワーク

Claims (10)

  1. ワークが円弧状の移動軌跡を描くようにして搬送される間に、往復動する砥石をワークに押し付けて加工を行うクラウニング加工において、ワークの移動軌跡の曲率中心を旋回中心として旋回可能な旋回体を設け、旋回中心からワークの移動軌跡の半径と等しい距離を隔てた旋回体上の位置に砥石ホルダを固定し、駆動装置により砥石ホルダを旋回中心まわりに揺動させるようにしたクラウニング加工方法。
  2. スルーフィード超仕上げ機を用い、フィードローラによって搬送されるワークに砥石を押し付け、かつ、前記砥石を往復動させることによって前記ワークの端部にクラウニング加工を施すようにしたものにおいて、
    前記ワークの移動軌跡を円弧状とし、前記砥石を前記ワークの移動軌跡と一致する方向で旋回揺動させるようにしたクラウニング加工装置。
  3. 前記ワークの移動軌跡の曲率中心を旋回中心として旋回可能な旋回体を有し、前記旋回体に前記砥石を保持させた旋回ユニットを具備する請求項2のクラウニング加工装置。
  4. 前記旋回体に、前記砥石を前記ワークの移動軌跡の法線方向に移動可能に保持するための砥石ホルダを固定した請求項3のクラウニング加工装置。
  5. 前記砥石を前記ワークに向けて加圧するための加圧装置を有する請求項2、3又は4のクラウニング加工装置。
  6. 前記旋回体を往復動させるための駆動装置を有する請求項3、4又は5のクラウニング加工装置。
  7. 前記砥石ホルダ内に収容され、前記砥石ホルダに対して相対移動可能な砥石クランプを有し、前記加圧装置によって前記砥石クランプを押すようにした請求項4、5又は6のクラウニング加工装置。
  8. 静止部材に固定したブラケットに前記加圧装置を固定した請求項5、6又は7のクラウニング加工装置。
  9. 前記砥石クランプは断面矩形の外壁面を有し、前記砥石ホルダは断面矩形の内壁面を有し、前記砥石クランプを前記砥石ホルダ内に収容させた請求項7又は8のクラウニング加工装置。
  10. 前記砥石クランプの外壁面に設けた突起を、前記砥石ホルダの内壁面に設けた溝にはまり合わせた請求項9のクラウニング加工装置。
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