JP2017034931A - 電池制御装置、電池システム、および車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】充電完了時の電池の電圧を精度よく調整することができる電池制御装置、電池システム、および車両を提供することである。【解決手段】実施形態の電池制御装置は、電圧検出部と、電流検出部と、充放電制御部と、バランス充放電部と、バランス調整制御部とを持つ。前記バランス調整制御部は、前記電池モジュールが充電される過程において前記電圧検出部により検出された前記複数の電池のそれぞれの電圧に基づいて、前記複数の電池の充電時におけるそれぞれの電圧の差を小さくするためのバランス放電量を決定し、前記決定されたバランス放電量に基づいて前記バランス充放電部を制御する。前記バランス調整制御部は、充電完了時において最も電圧の高い電池の電圧である第1の電圧を、充電完了時における前記第1の電圧よりも低い第2の電圧以下に下げるように、前記バランス放電量を決定する。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、電池制御装置、電池システム、および車両に関する。
複数の電池が直列に接続された電池モジュールが充電される場合、各電池の電圧は均等に上昇するとは限らず、その電圧にばらつきが生じる場合がある。そして、電圧のばらつきは、満充電付近(充電完了時)で大きくなる。上記のような態様の電池モジュールにおいて、各電池に上限電圧が設定されている場合、充電時に一つの電池が上限電圧に達してしまうと、それ以上の充電を行うことができない。このため、電池の上限電圧に電池の数を乗算した電圧まで電池モジュールの電圧を高めることができない場合がある。
電池の電圧のばらつきを調整するために、各電池のOCV(Open Circuit Voltage)を検出し、検出されたOCVに基づいて電池のバランス放電量を制御する方法が知られている。OCVとは、電池モジュールに電流を流していない状態における、各電池の電圧である。
しかしながら、充電や放電のタイミングが外部環境に応じて到来するような運用場面では、一回一回充放電を停止して電池のOCVを測定することが現実的でない。このため、OCVに基づく調整方法は、運用場面によっては電池の電圧を精度よく調整することができない場合がある。
本発明が解決しようとする課題は、充電完了時の電池の電圧を精度よく調整することができる電池制御装置、電池システム、および車両を提供することである。
実施形態の電池制御装置は、電圧検出部と、電流検出部と、充放電制御部と、バランス充放電部と、バランス調整制御部とを持つ。前記バランス調整制御部は、前記電池モジュールが充電される過程において前記電圧検出部により検出された前記複数の電池のそれぞれの電圧に基づいて、前記複数の電池の充電時におけるそれぞれの電圧の差を小さくするためのバランス放電量を決定し、前記決定されたバランス放電量に基づいて前記バランス充放電部を制御する。前記バランス調整制御部は、充電完了時において最も電圧の高い電池の電圧である第1の電圧を、充電完了時における前記第1の電圧よりも低い第2の電圧以下に下げるように、前記バランス放電量を決定する。
以下、実施形態の電池制御装置、電池システム、および車両を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における、電池システム60を示す図である。電池システム60は、電池制御部61、電圧検出部64、電池モジュール65、バランス充放電部66、電流検出部67、記憶部68、および温度検出部69を備える。
図1は、第1の実施形態における、電池システム60を示す図である。電池システム60は、電池制御部61、電圧検出部64、電池モジュール65、バランス充放電部66、電流検出部67、記憶部68、および温度検出部69を備える。
電池モジュール65は、複数の電池が直列に接続された電池モジュールである。「電池」とは、例えば電池セルであるが、複数の電池セルが直列あるいは並列に接続されたものであってもよい。電池モジュール65は、例えば、リチウムイオン電池である。電池モジュール65は、外部の充電部70と接続されている。充電部70は、電池モジュール65に電力を供給することによって、電池モジュール65を充電する。また、電池モジュール65は、バランス充放電部66と接続されている。バランス充放電部66は、電池モジュール65内の各電池の電圧を個別に調整する。
電池制御部61は、電池モジュール65の充電および放電を直接的または間接的に制御する。「間接的に」とは、例えば、直接的に充電部70のオン/オフを制御するのではなく、充電部70が自発的に充電を行うのに対し、充電停止、あるいは、充電電流または充電電圧の値が所定の値以下となるよう(所定以上の値とならないよう)充電電流または充電電圧のうちの少なくとも一つを制限するステータスを充電部70に通知すること等を意味する。ここで、「所定の値」とは、電池セルの安全使用範囲を守るために、電池モジュール65(充電部70側)の電流または電圧を制限するときに使用される閾値である。
例えば、200[A]で充電部70が電池モジュール65を充電中に、電池モジュール65内のある電池が上限電圧(安全に動作させるためのセル上限電圧)に到達した場合に、充電電流を100[A]に下げる。これによって、充電を継続しつつ電池モジュール65を安全な状態で使用することができる。また、14.5[V]で充電部70が電池モジュール65を充電中に、電池モジュール65内のある電池が上限電圧(安全に動作させるためのセル上限電圧)に到達した場合に、充電電圧を14[V]に下げる。これによっても、充電を継続しつつ電池モジュール65を安全な状態で使用することができる。
電池制御部61は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが、プログラムメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現される。なお、電池制御部61は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現されてもよい。
電池制御部61には、電圧検出部64と電流検出部67が接続されている。電圧検出部64は、電池モジュール65内の各電池の電圧を検出し、検出した電圧のデータを電池制御部61に出力する。電流検出部67は、電池モジュールに流れる電流を検出し、検出した電流のデータを電池制御部61に出力する。
電池制御部61は、電池モジュール65の充電を制御する充放電制御部62を備える。充放電制御部62は、電池モジュール65の充電を開始する前に、充電部70に充電開始可能ステータスを出力する。充電部70は、充放電制御部62から充電開始可能ステータスが入力されると、電池モジュール65に対して電力を供給する。これによって、電池モジュール65に対する充電が行われる。
一方、充放電制御部62は、電池モジュール65の充電を停止するときに、充電部70に充電停止ステータスを出力する。充電部70は、充放電制御部62から充電停止ステータスが入力されると、電池モジュール65に対して電力の供給を停止あるいは制限する。
充放電制御部62は、電池モジュール65の充電中において、電圧検出部64によって検出された各電池の電圧値に基づき、電池モジュール65内のいずれかの電池の電圧が予め設定された上限値VLに達したかどうかを判断する。上限値VLは、安全性の観点から予め設定されている値である。本実施形態において、上限値VLは4.10[V]に設定されているものとする。電池モジュール65内のいずれかの電池の電圧が上限値VLに達した場合、充放電制御部62は、充電部70に充電停止ステータスを出力する。
また、電池制御部61は、電池モジュール65の各電池間の電圧を均等化するバランス調整制御部63を備える。バランス調整制御部63は、電池モジュール65内のいずれかの電池の放電を開始するときに、バランス充放電部66に放電開始ステータスを出力する。放電開始ステータスは、放電を開始する電池を特定する情報を含む。バランス充放電部66は、バランス調整制御部63から放電開始ステータスが入力されると、放電開始ステータスによって特定された電池の放電を開始する。
一方、バランス調整制御部63は、電池モジュール65の各電池の電圧の均等化を停止するときに、バランス充放電部66に放電停止ステータスを出力する。放電停止ステータスは、放電を停止する電池を特定する情報を含む。バランス充放電部66は、バランス調整制御部63から放電停止ステータスが入力されると、放電停止ステータスによって特定された電池の放電を停止する。
記憶部68は、電池モジュール65の充電および放電を制御する際に必要となる各種の情報を記憶する。電池制御部61は、記憶部68に対して情報の読み書きを行う。温度検出部69は、電池モジュール65の温度を検出する。例えば、温度検出部69は、検出した温度データを電池制御部61に出力し、必要に応じて、温度データは記憶部68に保存される。
図2は、第1の実施形態における、電池モジュール65およびバランス充放電部66の構成を示す図である。電池モジュール65は、直列に接続された複数の電池B1からBnを備える。図2においては、一例として、n個の電池を備える電池モジュール65が示されている。
バランス充放電部66は、例えば、各電池に対応したn個の放電抵抗Ra−1からRa−n、およびn個のスイッチS−1からS−nを備える。バランス充放電部66は、バランス調整制御部63から放電開始ステータスが入力されると、放電開始ステータスによって特定された電池のスイッチをオン状態(導通状態)にする。
例えば、バランス充放電部66は、電池モジュール65内の電池B1に対する放電開始ステータスがバランス調整制御部63から入力されると、電池B1に対応して設けられたスイッチS−1をオン状態にする。これによって、電池B1から放電抵抗Ra−1に電流が流れ、電池B1の電力が消費される。これによって、電池B1を放電させることができる。
なお、バランス調整制御部63は、放電時間を調節することにより、バランス放電量を制御することができる。具体的には、バランス調整制御部63は、バランス充放電部66に放電開始ステータスを出力してから、バランス充放電部66に放電停止ステータスを出力するまでの時間を調節することにより、バランス放電量を制御することができる。
図3は、電池モジュール65内の各電池の充電特性を例示した図である。図3は、5つの電池を備える電池モジュール65を例として示している。電圧V1からV5は、それぞれ電池B1からB5の電圧である。なお、図3から図6における「時間」とは、充電開始時からの経過時間を示している。
図3に示される例において、充電開始から約14[sec]で電池B1の電圧V1が上限値VL(4.10[V])に到達している。このため、充放電制御部62は、充電開始から約14[sec]経過した時点で、電池モジュール65の充電を停止する。ここで、図3に示されるように、充電完了時における電池B1からB5の電圧は均一ではなく、ばらついている。
図4は、電池モジュール65の充電特性を例示した図である。電池モジュール65内の電池B1からB5は、それぞれ上限値VL(4.10[V])まで充電可能である。仮に電池B1からB5の充電時の電圧にばらつきがなく、全てが上限値VL(4.10[V])まで充電されるものとすると、電池モジュール65の充電特性は、最大電圧Vmaxによって示される充電特性となる。この場合、電池モジュール65の充電完了時において、電池モジュール65の電圧は20.50[V](4.10×5[V])となる。
しかしながら、電池B1からB5の充電特性は、実際にはばらつくことがある。図3に示される例では、充電完了時において、電池B1は上限値VL(4.10[V])まで充電されているものの、他の電池B2からB5の電圧は上限値VL(4.10[V])未満となっている。このため、電池モジュール65の充電完了時において、電池モジュール65の実際の電圧(モジュール電圧)Vtotal(V1+V2+V3+V4+V5)は、Vmax(20.50[V])に満たないことになる。
このように、電池B1からB5の充電特性がばらついていると、電池モジュール65を最大まで充電することができず、電池モジュール65の回生性能を十分に確保することができない場合がある。そこで、本実施形態においては、バランス調整制御部63は、ある回の充電が行われた際の電池B1からB5の電圧に基づいて、次回の充電に先立って電池B1を放電するようバランス充放電部66を制御する。これによって、次回の充電完了時の電池モジュール65の各電池B1からB5のばらつきを抑制し、結果として充電時のモジュール電圧を高めることができる。以下、これを実現するための本実施形態におけるバランス調整制御部63の制御について述べる。
図5は、電池モジュール65における、電圧が最も高い電池の充電特性と、各電池の充電特性の平均値とを例示した図である。なお、図5に示すような特性は、電池モジュール65の充電電流値、温度、および充電開始時の充電率(SOC:State Of Charge)によって変動する。図5に示される例は、充電電流値が100[A]、電池モジュール65の温度が25[℃]、および充電開始時の電池モジュール65の各電池の充電率が50[%]といった特定の条件下における特性の例である。
図5において、変化曲線V1は、最も電圧の高い電池B1の電圧変化を示す曲線であり、変化曲線Vaveは、複数の電池B1からB5の平均電圧の変化を示す曲線である。電圧Vaは、充電完了時における電池B1の電圧である。電圧Vaは、特許請求の範囲における「第1の電圧」の一例である。電圧Vbは、充電完了時における複数の電池B1からB5の平均電圧である。電圧Vbは、特許請求の範囲における「第2の電圧」の一例である。
時間Taは、電池モジュール65の充電を開始してから、電圧V1が上限値VLに到達することで充電が完了するまでに経過する時間である。時間Tbは、電池モジュール65の充電を開始してから、充電完了時の平均電圧Vbに電池B1の電圧V1が到達するまでの時間である。
本実施形態において、バランス調整制御部63は、例えば、充電完了時における電池B1の電圧Vaと、充電完了時における複数の電池B1からB5の平均電圧Vbとに基づいて、充電完了時における電池B1の電圧Vaを平均電圧Vbに一致させるための時間的シフト量ΔTを導出する。その後、バランス調整制御部63は、導出したシフト量ΔTに基づき、電圧が最も高い電池B1のバランス放電量(放電時間)を決定する。
ΔTの導出方法として、電池B1の充電電圧曲線(履歴)を記憶し、充電完了時における電池B1の電圧Vaと、充電完了時における複数の電池B1からB5の平均電圧Vbに到達した時間TaあるいはTbを記録することで、ΔTを求めることは可能となる。
また、以下のような方法でΔTを導出することも可能である。図6は、充電電流、充電時間、および電池の電圧の関係を示すグラフの一例である。図6における各推移線は、それぞれが示す電圧に到達するまでの時間と、充電電流との関係を示す推移線である。また、図6に示される電圧毎の推移線は、電池モジュール65の温度および充電開始時の電池のSOC毎に用意されている。なお、図6に示される例は、電池モジュール65の温度が25[℃]、充電開始時の電池のSOCが50[%]といった特定の条件下における特性の例である。
バランス調整制御部63は、温度検出部69によって検出された温度と、電池の充電率(SOC)と、充電電流に基づいて、図6に例示される、それぞれの充電電流における充電時間と電圧との関係を示すテーブルを記憶部68から読み出し参照して、調整対象となる電池電圧Vaと、一致させる電圧Vbに該当するポイントを抽出し、抽出したポイント間の時間をシフト量ΔTとして決定する。
例えば、図6に示される例において、充電電流値が100[A]の場合、電池の充電を開始してから電池が4.00[V](平均電圧Vb)まで充電されるのに必要な時間は12.8[sec]である。また、電池の充電を開始してから電池が4.10[V](電圧Va)まで充電されるのに必要な時間は14.0[sec]である。したがって、シフト量ΔTは、1.2[sec](14[sec]−12.8[sec])となる。
次に、バランス調整制御部63は、導出したシフト量ΔTに基づき、電圧が最も高い電池B1のバランス放電量(例えば、放電時間)を決定する。電池モジュール65の充電電流値をIcとし、バランス充放電部66における放電電流値をIdとすると、バランス調整制御部63は、例えば式(1)に基づいて、電圧が最も高い電池B1の放電時間Tdを算出する。すなわち、バランス調整制御部63は、電池モジュール65の充電電流値Icをバランス充放電部66における放電電流値Idで除算した値を、シフト量ΔTに乗算することで、電圧が最も高い電池B1の放電時間Tdを算出する。
このように、バランス調整制御部63は、シフト量ΔTと、充電電流値Icおよび放電電流値Idの比とに基づいて電池B1の放電時間Tdを求めることができる。バランス調整制御部63は、充電に先立って、算出した放電時間Tdの間、電圧が最も高い電池B1をバランス充放電によって放電し、均等化することで、充電完了時の電池の電圧を精度よく調整することができるとともに、電池モジュール65の充電時のモジュール電圧を高くまで使用することができる。
図7は、第1の実施形態における、放電動作および充電動作を示すフローチャートである。まず、電池制御部61内の充放電制御部62は、充電部70に充電開始ステータスを出力する(ステップS10)。充電部70は、充放電制御部62から充電開始ステータスが入力されると、電池モジュール65に対して電力を供給する。これによって、電池モジュール65に対する充電が開始される。
次に、充放電制御部62は、電圧検出部64を用いて複数の電池B1からBnの電圧を検出する(ステップS11)。充放電制御部62は、検出した複数の電池B1からBnの電圧を記憶部68に記憶する。その後、充放電制御部62は、複数の電池B1からBnのいずれかの電圧が上限値VLに到達したかどうかを判断する(ステップS12)。充放電制御部62は、複数の電池B1からBnの電圧がいずれも上限値VLに到達していないと判断した場合(ステップS12:NO)、ステップS11に処理を戻す。
一方、充放電制御部62は、複数の電池B1からBnのいずれかの電圧が上限値VLに到達したと判断した場合(ステップS12:YES)、充電部70に充電停止ステータスを出力する(ステップS13)。充電部70は、充放電制御部62から充電停止ステータスが入力されると、電池モジュール65に対して電力の供給を停止あるいは充電電圧、充電電流を制限する。
次に、電池制御部61内のバランス調整制御部63は、複数の電池B1からBnの平均電圧Vbを算出する(ステップS14)。具体的に、バランス調整制御部63は、複数の電池B1からBnの電圧を記憶部68から読み出し、複数の電池B1からBnのそれぞれの電圧の和を電池の数であるnで除算することにより、平均電圧Vbを算出する。また、バランス調整制御部63は、電圧が最も高い電池の電圧Vaを取得する(ステップS15)。
次に、バランス調整制御部63は、電圧が最も高い電池の電圧Vaおよび平均電圧Vbを用いて、電圧が最も高い電池のバランス放電量(放電時間)を決定する(ステップS16)。前述したように、バランス調整制御部63は、セル電圧B1の充電電圧曲線(履歴)からシフト量ΔTを算出するか、テーブルを参照してシフト量ΔTを算出し、算出したシフト量ΔTに基づき、式(1)を用いて放電時間Tdを算出する。
その後、バランス調整制御部63は、算出した放電時間Tdの間、電圧が最も高い電池を放電する(ステップS17)。放電が完了すると、バランス調整制御部63は、本フローチャートによる処理を終了する。
図8および図9は、第1の実施形態による効果を示す図である。電池制御部61が図7に示されるフローチャートを実行することで、図8に示される複数の電池B1からB5の充電特性、および図9に示される電池モジュール65の充電特性が得られる。
図8に示されるように、電圧が最も高い電池B1が放電されることにより、電圧V1を下げることができる。充電完了時において、図8に示される電圧V2からV5は、図3に示される電圧V2からV5よりも高い値となっている。これにより、図9に示される電池モジュール65の実際の電圧Vtotal(V1+V2+V3+V4+V5)は、図4に示される電池モジュール65の実際の電圧Vtotalよりも高い値となっている。
以上説明したように、本実施形態において、バランス調整制御部63は、電池モジュール65が充電される過程において電圧検出部64により検出された複数の電池のそれぞれの電圧に基づいて、複数の電池の充電時におけるそれぞれの電圧の差を小さくするための放電時間Tdを決定する。また、バランス調整制御部63は、決定した放電時間Tdに基づいてバランス充放電部66を制御する。これによって、充電完了時の電池の電圧を精度よく調整することができるとともに、電池モジュール65の充電時のモジュール電圧を高くまで使用することができる。
なお、本実施形態においては、バランス調整制御部63は、充電完了時において最も電圧の高い電池B1の電圧V1(Va)を、複数の電池B1からB5の平均電圧Vbに一致させるように、電池B1の放電時間Tdを決定するものとした。しかしながら、バランス調整制御部63は、充電完了時の電池B1の電圧Vaを、複数の電池B1からB5の電圧の平均電圧Vb以下となるように、電池B1の放電時間Tdを決定してもよい。
また、バランス調整制御部63は、充電完了時において最も電圧の高い電池B1の電圧V1を、充電完了時において最も電圧の低い電池B5の電圧V5(図3参照)に一致させるように、電池B1のバランス放電量を決定してもよい。
また、バランス調整制御部63は、充電完了時において平均電圧Vbよりも電圧の高い電池(B1およびB2)の電圧(V1およびV2)を平均電圧Vb以下となるように、電池B1および電池B2のバランス放電量を決定してもよい。
また、バランス調整制御部63は、充電完了時において平均電圧Vbよりも電圧の高い電池(B1およびB2)の電圧(V1およびV2)を、充電完了時において最も電圧の低い電池B5の電圧V5に一致させるように、電池B1および電池B2のバランス放電量を決定してもよい。
また、バランス調整制御部63は、充電完了時において最も電圧の低い電池B5の電圧V5に、他の複数の電池B1からB4の電圧V1からV4を一致させるように、電池B1からB4のバランス放電量を決定してもよい。これらによって、充電完了時における複数の電池の電圧をより精度よく調整することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して、バスバーやハーネス等の抵抗値に起因する電圧の誤差を補正する点が異なる。また、第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して、最も電圧の高い電池の電圧の変化曲線を、基準となる変化曲線(例えば、複数の電池の平均電圧の変化曲線)にフィッティングさせる点が異なる。以下では、この相違点を中心に説明する。
以下、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して、バスバーやハーネス等の抵抗値に起因する電圧の誤差を補正する点が異なる。また、第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して、最も電圧の高い電池の電圧の変化曲線を、基準となる変化曲線(例えば、複数の電池の平均電圧の変化曲線)にフィッティングさせる点が異なる。以下では、この相違点を中心に説明する。
図10は、第2の実施形態における、電池モジュール65およびバランス充放電部66の構成を示す図である。図10において、第1の実施形態との間で共通する構成要素については、図2と同一の符号を付し、共通する機能については説明を省略する。図10に示されるように、電池モジュール65内の電池B1からBnは、それぞれバスバーやハーネス等の抵抗値Rb−1からRb−nおよびRc−1からRc−nを有する。これらの抵抗値によって、電圧検出部64によって検出される電圧と、電池B1からB5の実際の電圧との間で誤差が生じる。
例えば、電圧検出部64が電池B1の電圧を検出する場合、電圧検出部64は、実際の電池B1の電圧に加えて、充電時や放電時にはバスバーやハーネス等の抵抗値Rb−1およびRc−1に応じた電圧を余分に検出することとなる。したがって、本実施形態において、バランス調整制御部63は、バスバーやハーネス等の抵抗値Rb−1およびRc−1に応じた電圧の誤差を補正することで、充電完了時の電池の電圧をより精度よく調整する。
また、本実施形態において、バランス調整制御部63は、充電完了時において最も電圧の高い電池の電圧の変化曲線と、複数の電池の平均電圧の変化曲線との間の乖離を最小にするバランス放電量を決定する。つまり、バランス調整制御部63は、これらの曲線のフィッティングを行うことによりバランス放電量を決定する。これにより、電池モジュール65に充電時に電池以外のバスバー、ハーネス等による電圧上昇が生じた場合であっても、充電完了時の電池の電圧を精度よく調整することができる。以下、第2の実施形態について詳細に説明する。
図11は、電池モジュール65の充電特性を例示した図である。図11には、充電完了時において最も電圧の高い電池の電圧の変化曲線V1、および複数の電池B1からBnの平均電圧の変化曲線Vaveが示されている。なお、変化曲線V1は、特許請求の範囲における「第1の曲線」の一例である。変化曲線Vaveは、特許請求の範囲における「第2の曲線」の一例である。図11に示されるように、電池モジュール65の充電完了時において、電圧が最も高い電池の電圧Vaは4.10[V]である。一方、複数の電池の平均電圧Vbは3.93[V]である。
しかしながら、前述したように、電圧検出部64によって検出された電圧Vaには、バスバーやハーネス等の抵抗値に応じた誤差が含まれている。特に大電流で充電した場合にはこの誤差が大きくなる。このため、バランス調整制御部63は、この誤差を補正した上で、最も電圧の高い電池の電圧の変化曲線V1に対する時間的シフト量を算出する。以下、この誤差の補正方法について説明する。
複数の電池B1からBnのそれぞれに対応する抵抗値Rd−1からRd−nが、予め測定されている。これらの測定された抵抗値Rd−1からRd−nは、記憶部68(図1参照)に記憶されている。なお、抵抗値Rd−i(i=1,2,…,n)は、電池Bi自身の抵抗値に、バスバーやハーネス等の抵抗値Rb−iおよびRc−iを加えた値である。
図12は、第2の実施形態における、電圧の変化曲線を縦方向(電圧方向)にシフトする処理を示す図である。電池制御部61内のバランス調整制御部63は、記憶部68から抵抗値Rd−1からRd−nを読み出し、これらの抵抗値Rd−1からRd−nの平均抵抗値Raveを算出する。最も電圧の高い電池の抵抗値をRmaxとし、充電電流値をIcとすると、バランス調整制御部63は、例えば式(2)に基づいて変化曲線V1のシフト量S1を算出する。すなわち、バランス調整制御部63は、抵抗値Rmaxと平均抵抗値Raveとの差分に、電池モジュール65の充電電流値Icを乗算することで、シフト量S1を算出する。シフト量S1は、特許請求の範囲における「第1のシフト量」の一例である。
バランス調整制御部63は、算出したシフト量S1に基づいて、最も電圧の高い電池の電圧の変化曲線V1を縦方向(電圧方向)にシフトする。変化曲線Vs1は、変化曲線V1をシフトすることによって得られた曲線であり、特許請求の範囲における「第3の曲線」の一例である。これによって、バランス調整制御部63は、電圧の変化曲線V1に対して、バスバーやハーネス等の抵抗値に起因する電圧誤差を補正することができる。
図13は、第2の実施形態における、電圧の変化曲線を横方向(充電時間方向)にシフトする処理を示す図である。バランス調整制御部63は、変化曲線Vs1に対する横方向(充電時間方向)のシフト量S2を変えながら、電池モジュール65の充電完了までの期間Pにおいて、変化曲線V1と変化曲線Vaveとの間の乖離を最小とする変化曲線Vss1を探索する。なお、シフト量S2は、特許請求の範囲における「第2のシフト量」の一例である。また、変化曲線Vss1は、特許請求の範囲における「第4の曲線」の一例である。
より具体的には、バランス調整制御部63は、横方向(充電時間方向)のシフト量S2を変化させつつ、期間P内の各点における変化曲線Vss1と変化曲線Vaveとの間の誤差の2乗和を算出し、2乗和が最小となるシフト量S2を決定する。ここで決定されたシフト量S2は、変化曲線V1と変化曲線Vaveとの間の乖離を最小にするための、横方向(充電時間方向)のシフト量である。
次に、バランス調整制御部63は、算出したシフト量S2に基づき、電圧が最も高い電池B1のバランス放電量(放電時間)を決定する。電池モジュール65の充電電流値をIcとし、バランス充放電部66における放電電流値をIdとすると、バランス調整制御部63は、例えば式(3)に基づいて放電時間Tdを算出する。すなわち、バランス調整制御部63は、電池モジュール65の充電電流値Icをバランス充放電部66における放電電流値Idで除算した値を、シフト量S2に乗算することで、電圧が最も高い電池B1の放電時間Tdを算出する。
このように、バランス調整制御部63は、シフト量S2と、充電電流値Icおよび放電電流値Idの比とに基づいて電池B1の放電時間Tdを求めることができる。バランス調整制御部63は、算出した放電時間Tdの間、電圧が最も高い電池B1を放電しておくことで、充電完了時の電池の電圧を精度よく調整することができるとともに、電池モジュール65の充電時のモジュール電圧を高くまで使用することができる。
図14は、第2の実施形態における、放電動作および充電動作を示すフローチャートである。まず、電池制御部61内の充放電制御部62は、充電部70に充電開始ステータスを出力する(ステップS20)。充電部70は、充放電制御部62から充電開始ステータスが入力されると、電池モジュール65に対して電力を供給する。これによって、電池モジュール65に対する充電が開始される。
次に、充放電制御部62は、電圧検出部64を用いて複数の電池B1からBnの電圧を検出する(ステップS21)。充放電制御部62は、検出した複数の電池B1からBnの電圧を記憶部68に記憶する。その後、充放電制御部62は、複数の電池B1からBnのいずれかの電圧が上限値VLに到達したかどうかを判断する(ステップS22)。充放電制御部62は、複数の電池B1からBnの電圧がいずれも上限値VLに到達していないと判断した場合(ステップS22:NO)、ステップS20に処理を戻す。
一方、充放電制御部62は、複数の電池B1からBnのいずれかの電圧が上限値VLに到達したと判断した場合(ステップS22:YES)、充電部70に充電停止ステータスを出力する(ステップS23)。充電部70は、充放電制御部62から充電停止ステータスが入力されると、電池モジュール65に対して電力の供給を停止あるいは充電電圧、充電電流を制限する。
次に、バランス調整制御部63は、電圧が最も高い電池のバランス放電量(放電時間Td)を決定する(ステップS24)。ステップS24の具体的な処理フローは、図15を用いて後述する。その後、バランス調整制御部63は、決定した放電時間Tdの間、電圧が最も高い電池を放電させる(ステップS25)。放電が完了すると、バランス調整制御部63は、本フローチャートによる処理を終了する。
図15は、第2の実施形態における、バランス放電量(放電時間)の決定動作を示すフローチャートである。図15のフローチャートは、図14のステップS24の処理を具体的に示すサブルーチンである。まず、バランス調整制御部63は、複数の電池B1からBnのそれぞれに対応する抵抗値Rd−1からRd−nを取得する(ステップS30)。具体的には、バランス調整制御部63は、複数の電池B1からBnのそれぞれに対応する抵抗値Rd−1からRd−nを、記憶部68から読み出す。記憶部の抵抗値は、あらかじめ、モジュールを製造時に検査装置によって計測された値が記憶されたものでも良く、あるいは、電池モジュールが独自に、所定の充電電流に対する電圧変化を各セルに対して記録し、電圧変化を電流で割り算した値を抵抗値として記憶させたものでも良い。
次に、バランス調整制御部63は、抵抗値Rd−1からRd−nの平均抵抗値Raveを算出する。そして、バランス調整制御部63は、算出した平均抵抗値Raveと、最も電圧の高い電池の抵抗値Rmaxとに基づき、式(2)を用いてシフト量S1を算出する(ステップS31)。
次に、バランス調整制御部63は、複数の電池B1からBnの平均電圧の変化曲線Vaveを算出する(ステップS32)。ステップS32において、バランス調整制御部63は、複数の電池B1からBnの電圧の時系列データを、複数の電池B1からBnの電圧の変化曲線として記憶部68から読み出す。そして、バランス調整制御部63は、複数の電池B1からBnのそれぞれの電圧の変化曲線の和を電池の数であるnで除算することにより、変化曲線Vaveを算出する。また、バランス調整制御部63は、電圧が最も高い電池の電圧の時系列データを、変化曲線V1として取得する(ステップS33)。
次に、バランス調整制御部63は、シフト量S2を0に初期化する(ステップS34)。そして、バランス調整制御部63は、シフト量S1およびシフト量S2に基づき、図13に示される変化曲線Vss1を算出する(ステップS35)。その後、バランス調整制御部63は、変化曲線Vss1と変化曲線Vaveとの間の誤差の2乗和を算出する(ステップS36)。
次に、バランス調整制御部63は、シフト量S2が最大値Smaxを超えたかどうかを判断する(ステップS37)。最大値Smaxは、予め設定されたシフト量S2の最大値であり、例えば5.0[sec]に設定されている。シフト量S2が最大値Smaxを超えていない場合(ステップS37:NO)、バランス調整制御部63は、シフト量S2にΔSを加算する(ステップS38)。ΔSは予め設定された値であり、例えば0.1[sec]に設定されている。その後、バランス調整制御部63は、ステップS35に処理を戻す。
シフト量S2が最大値Smaxを超えている場合(ステップS37:YES)、バランス調整制御部63は、ステップS36で算出された誤差の2乗和が最小となるシフト量S2を取得する(ステップS39)。そして、バランス調整制御部63は、取得したシフト量S2に基づき、式(3)を用いて放電時間Tdを算出する(ステップS40)。その後、バランス調整制御部63は、図14のステップS25に処理を進める。シフト量S1は、前記の通り、あらかじめ測定された各電池の抵抗値に基づき計算(式(2))することも可能であるが、誤差の最小2乗和がS1とS2に対して、最小となるような条件を計算することによって計算される場合も、本提案の実施例である。
以上説明したように、本実施形態において、バランス調整制御部63は、電池モジュール65が充電される過程において電圧検出部64により検出された複数の電池のそれぞれの電圧に基づいて、複数の電池の充電時におけるそれぞれの電圧の差を小さくするための放電時間Tdを決定する。また、バランス調整制御部63は、決定した放電時間Tdに基づいてバランス充放電部66を制御する。これによって、充電完了時の電池の電圧を精度よく調整することができるとともに、電池モジュール65の充電時のモジュール電圧を高くまで使用することができる。
また、本実施形態において、バランス調整制御部63は、バスバーやハーネス等の抵抗値に応じた電圧の誤差を補正する。これにより、充電完了時の電池の電圧をより精度よく調整することができる。
また、本実施形態において、バランス調整制御部63は、充電完了時において最も電圧の高い電池の電圧の変化曲線と、複数の電池の平均電圧の変化曲線との乖離を最小にするバランス放電量を決定する。これにより、電池モジュール65に充電時に電池以外のバスバー、ハーネス等による電圧上昇が生じた場合であっても、充電完了時の電池の電圧を精度よく調整することができる。
(第3の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態及び第2の実施形態に記載の電池システム60を、ISS(Idling Stop System)を搭載した車両1に適用するものである。以下、本実施形態の車両1について詳細に説明する。
本実施形態は、第1の実施形態及び第2の実施形態に記載の電池システム60を、ISS(Idling Stop System)を搭載した車両1に適用するものである。以下、本実施形態の車両1について詳細に説明する。
図16は、第3の実施形態における、電池システム60が搭載された車両1の機能構成例を示す図である。車両1は、例えば、エンジン10と、スタータモータ14と、変速機18と、エンジンECU(Electronic Control Unit)20と、アクセル開度センサ22と、ブレーキセンサ24と、シフト位置センサ26と、車速センサ28と、車軸30と、補機40と、鉛蓄電池50と、スイッチ55aおよび55bと、電池制御部61と、リチウムイオン電池(電池モジュール)65と、オルタネータ(充電部)70と、を備える。
エンジン10は、ガソリン等の炭化水素系の燃料を内部で燃焼させることによって動力を出力する。エンジン10の出力する動力は、変速機18や図示しないクラッチ、デファレンシャルギヤ等を介して車軸30に出力される。オルタネータ70は、エンジン10の出力する動力を用いて発電したり、車両1の減速時に車軸30から入力される動力を用いて発電(回生)したりする。オルタネータ70の発電した電力は、鉛蓄電池50やリチウムイオン電池65を充電するのに用いられる。スタータモータ14は、エンジン10が停止している状態においてエンジンECU20により駆動されてクランキング動作を行い、エンジン10を始動させる。また、スタータモータ14は、車両1の発進時や加速時に、走行用の駆動力を出力する機能を有していてもよい。この場合、スタータモータ14は、車両1の制動時に回生によって発電することも可能になる。
なお、エンジン10、オルタネータ70、およびスタータモータ14は、入出力軸が直接または間接的に連結されていればよい。また、図16に示されるエンジン10、オルタネータ70、およびスタータモータ14の並び順は、これらの連結態様を特定するものではない。
エンジンECU20は、アクセル開度センサ22、ブレーキセンサ24、シフト位置センサ26、車速センサ28等から入力される値に基づいて、エンジン10、オルタネータ70、およびスタータモータ14の制御を行う。エンジンECU20は、例えば、アクセル開度センサ22、シフト位置センサ26、および車速センサ28から入力される値に基づいて、エンジン10のスロットル開度を調整したり、点火時期を適切に調整する。また、エンジンECU20は、車両1の走行状態や鉛蓄電池50の充電率に基づいて、オルタネータ70のオン/オフ制御を行う。オルタネータ70は、第1の実施形態及び第2の実施形態における充電部70に対応する。エンジンECU20は、例えば、車両1が加速する場合にはオルタネータ70をオフ状態にする。それ以外の場合、エンジンECU20は、電池制御部61から入力される、鉛蓄電池50やリチウムイオン電池65のSOC(充電率)が予め設定された下限値を下回ったときに、オルタネータ70をオン状態にする。
また、エンジンECU20は、例えば、車速センサ28から入力される値と、アクセル開度センサ22から入力される値が共に微小値未満(ゼロとみなされる値)であり、且つ、ブレーキセンサ24から入力される値または信号がブレーキ中であることを示す場合に、エンジン10を停止させる制御(アイドリングストップ制御)を行う。
鉛蓄電池50は、リチウムイオン電池65と並列に接続される。鉛蓄電池50およびリチウムイオン電池65は、スタータモータ14やエンジンECU20、電池制御部61等の各種ECU、補機40等に電力を供給する。鉛蓄電池50には、電圧センサ52や図示しない電流センサ、温度センサ等が取り付けられている。また、鉛蓄電池50とオルタネータ70との間には、スイッチ55aおよび55bが設けられている。スイッチ55aおよび55bは、鉛蓄電池50、リチウムイオン電池65とオルタネータ70、補機40とを接続状態または遮断状態にすることができる。
リチウムイオン電池65は、第1の実施形態及び第2の実施形態における電池モジュール65に対応する。本実施形態において、リチウムイオン電池65は、例えば、正極側にニッケル、コバルト、マンガン系のいずれかあるいは混合された材料用い、負極側に炭素、チタン酸リチウムあるいはニオブ系酸化物を、それぞれ用いた電池を複数、直列に接続し、筐体に収容した電池モジュールである。
電池制御部61は、第1の実施形態及び第2の実施形態における電池制御部61に対応する。電池制御部61は、エンジンECU20と類似する回路構成であってよい。例えば、電池制御部61は、鉛蓄電池50やリチウムイオン電池65の充放電電流を積算することにより、これらのSOCを算出する。
電池制御部61は、リチウムイオン電池(電池モジュール)65に対して、第1の実施形態の放電動作および充電動作(図7参照)、または第2の実施形態の放電動作および充電動作(図14参照)を実行する。これにより、車両1に搭載されるリチウムイオン電池65に対しても、充電完了時の電池の電圧を精度よく調整することができるとともに、リチウムイオン電池65の充電時のモジュール電圧を高くまで使用することができる。
なお、上記第1〜第3の実施形態において、バランス充放電部66は電池モジュール65内の複数の電池を個別に充電できる構成としてもよい。この場合、充放電制御部62は、充電完了時において最も電圧の低い電池の電圧を、複数の電池の平均電圧まで上げるように予め充電してもよい。これによって、充電完了時の電池の電圧を精度よく調整することができるとともに、リチウムイオン電池65の電圧を更に高めることができる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、電池モジュール65が充電される過程において電圧検出部64により検出された複数の電池B1からBnのそれぞれの電圧に基づいて、複数の電池B1からBnの充電時におけるそれぞれの電圧の差を小さくするための放電時間Tdを決定し、決定した放電時間Tdに基づいてバランス充放電部66を制御するバランス調整制御部63を持つことにより、充電完了時の電池の電圧を精度よく調整することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…車両、10…エンジン、60…電池システム、61…電池制御部、62…充放電制御部、63…バランス調整制御部、64…電圧検出部、65…電池モジュール(リチウムイオン電池)、66…バランス充放電部、67…電流検出部、68…記憶部、69…温度検出部、70…充電部。
Claims (18)
- 複数の電池が直列に接続された電池モジュールにおける、前記複数の電池のそれぞれの電圧を検出する電圧検出部と、
前記電池モジュールに流れる電流を検出する電流検出部と、
前記電池モジュールの充電中において、前記電圧検出部により検出された前記複数の電池のそれぞれの電圧と上限値との比較に基づき、前記電池モジュールの充電を停止、あるいは、充電電流または充電電圧のうちの少なくとも一つを制限する充放電制御部と、
前記複数の電池を個別に充放電するバランス充放電部と、
前記電池モジュールが充電される過程において前記電圧検出部により検出された前記複数の電池のそれぞれの電圧に基づいて、前記複数の電池の充電時におけるそれぞれの電圧の差を小さくするためのバランス放電量を決定し、前記決定されたバランス放電量に基づいて前記バランス充放電部を制御するバランス調整制御部と、を備え、
前記バランス調整制御部は、充電完了時において最も電圧の高い電池の電圧である第1の電圧を、充電完了時における前記第1の電圧よりも低い第2の電圧以下に下げるように、前記バランス放電量を決定する、電池制御装置。 - 前記バランス調整制御部は、次回の充電に先立って、前記複数の電池のうちの少なくとも1つの電池を、前記決定されたバランス放電量に基づいて放電するよう前記バランス充放電部を制御する
請求項1記載の電池制御装置。 - 前記第2の電圧は、前記複数の電池の平均電圧である
請求項1または2記載の電池制御装置。 - 前記バランス調整制御部は、
前記第1の電圧と前記第2の電圧との差分を補正するための充電時間方向のシフト量を導出し、導出した前記充電時間方向のシフト量に基づき、前記バランス放電量を決定する
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電池制御装置。 - それぞれの充電電流における充電時間と電圧との関係を示すテーブルを記憶する記憶部と、
前記電池モジュールの温度を検出する温度検出部と、を更に備え、
前記バランス調整制御部は、前記温度検出部によって検出された温度と、放電対象である電池の充電率と、充電電流に基づいて、現在の条件に該当するテーブルを前記記憶部から読み出し、読み出したテーブルに基づいて前記充電時間方向のシフト量を導出する
請求項4記載の電池制御装置。 - 前記バランス調整制御部は、前記電池モジュールの充電電流値を前記バランス充放電部における放電電流値で除算した値を、前記シフト量に乗算することで、充電完了時において最も電圧の高い電池の放電時間を算出する
請求項5記載の電池制御装置。 - 複数の電池が直列に接続された電池モジュールにおける、前記複数の電池のそれぞれの電圧を検出する電圧検出部と、
前記電池モジュールに流れる電流を検出する電流検出部と、
前記電池モジュールの充電中において、前記電圧検出部により検出された前記複数の電池のそれぞれの電圧と上限値との比較に基づき、前記電池モジュールの充電を停止、あるいは、充電電流または充電電圧のうちの少なくとも一つを制限する充放電制御部と、
前記複数の電池を個別に充放電するバランス充放電部と、
前記電池モジュールが充電される過程において前記電圧検出部により検出された前記複数の電池のそれぞれの電圧に基づいて、前記複数の電池の充電時におけるそれぞれの電圧の差を小さくするためのバランス放電量を決定し、前記決定されたバランス放電量に基づいて前記バランス充放電部を制御するバランス調整制御部と、を備え、
前記バランス調整制御部は、充電完了時において最も電圧の高い電池の電圧の変化曲線である第1の曲線を、充電完了時における電圧が前記最も電圧の高い電池の電圧よりも低い第2の曲線に合致させるためのバランス放電量を決定する、電池制御装置。 - 前記第2の曲線は、前記複数の電池の平均電圧の変化曲線である
請求項7記載の電池制御装置。 - 前記バランス調整制御部は、
充電時間方向のシフト量を変えながら、充電完了までのあらかじめ設定された区間における前記第1の曲線と前記第2の曲線の電圧差が最小になる充電時間方向のシフト量を導出し、導出した前記充電時間方向のシフト量に基づき、前記バランス放電量を決定する
請求項7記載の電池制御装置。 - 前記バランス調整制御部は、
前記第1の曲線に対する電圧方向のシフト量である第1のシフト量を変えて第3の曲線を算出し、更に前記第3の曲線に対する充電時間方向のシフト量である第2のシフト量を変えて第4の曲線を算出し、充電完了までのあらかじめ設定された区間において、前記第4の曲線と前記第2の曲線と間の乖離を最小とする、前記第1のシフト量と前記第2のシフト量を導出し、導出された前記第1のシフト量に基づき、前記バランス放電量を決定する
請求項7記載の電池制御装置。 - 前記複数の電池のそれぞれの抵抗値を記憶する記憶部を更に備え、
前記バランス調整制御部は、
前記記憶部に記憶された前記複数の電池のそれぞれの前記抵抗値に基づいて、前記第1のシフト量を決定する
請求項10記載の電池制御装置。 - 前記バランス調整制御部は、充電完了時において最も電圧の高い電池の抵抗値と、前記複数の電池の平均抵抗値との差分に、前記電池モジュールの充電電流値を乗算することで、前記第1のシフト量を算出する
請求項10または11記載の電池制御装置。 - 前記バランス調整制御部は、前記電池モジュールの充電電流値を前記バランス充放電部における放電電流値で除算した値を、前記第2のシフト量に乗算することで、充電完了時において最も電圧の高い電池の放電時間を算出する
請求項10乃至12のいずれか一項に記載の電池制御装置。 - 前記充放電制御部は、充電完了時において最も電圧の低い電池の電圧である第3の電圧を、充電完了時における前記第3の電圧よりも高い第4の電圧以上に上げるように、前記最も電圧の低い電池を予め充電する
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の電池制御装置。 - 前記第4の電圧は、前記複数の電池の平均電圧である
請求項14記載の電池制御装置。 - 複数の電池が直列に接続された電池モジュールと、
前記電池モジュールにおける、前記複数の電池のそれぞれの電圧を検出する電圧検出部と、
前記電池モジュールに流れる電流を検出する電流検出部と、
前記電池モジュールの充電中において、前記電圧検出部により検出された前記複数の電池のそれぞれの電圧と上限値との比較に基づき、前記電池モジュールの充電を停止、あるいは、充電電流または充電電圧のうちの少なくとも一つを制限する充放電制御部と、
前記複数の電池を個別に充放電するバランス充放電部と、
前記電池モジュールが充電される過程において前記電圧検出部により検出された前記複数の電池のそれぞれの電圧に基づいて、前記複数の電池の充電時におけるそれぞれの電圧の差を小さくするためのバランス放電量を決定し、前記決定されたバランス放電量に基づいて前記バランス充放電部を制御するバランス調整制御部と、を備え、
前記バランス調整制御部は、充電完了時において最も電圧の高い電池の電圧である第1の電圧を、充電完了時における前記第1の電圧よりも低い第2の電圧以下に下げるように、前記バランス放電量を決定する、電池システム。 - 複数の電池が直列に接続された電池モジュールと、
前記電池モジュールにおける、前記複数の電池のそれぞれの電圧を検出する電圧検出部と、
前記電池モジュールに流れる電流を検出する電流検出部と、
前記電池モジュールの充電中において、前記電圧検出部により検出された前記複数の電池のそれぞれの電圧と上限値との比較に基づき、前記電池モジュールの充電を停止、あるいは、充電電流または充電電圧のうちの少なくとも一つを制限する充放電制御部と、
前記複数の電池を個別に充放電するバランス充放電部と、
前記電池モジュールが充電される過程において前記電圧検出部により検出された前記複数の電池のそれぞれの電圧に基づいて、前記複数の電池の充電時におけるそれぞれの電圧の差を小さくするためのバランス放電量を決定し、前記決定されたバランス放電量に基づいて前記バランス充放電部を制御するバランス調整制御部と、を備え、
前記バランス調整制御部は、充電完了時において最も電圧の高い電池の電圧の変化曲線である第1の曲線を、充電完了時における電圧が前記最も電圧の高い電池の電圧よりも低い第2の曲線に合致させるためのバランス放電量を決定する、電池システム。 - 請求項16または請求項17に記載の電池システムと、
走行のための動力を出力するエンジンと、
前記エンジンの出力を用いて前記電池モジュールを充電する充電部と、
を備える車両。
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