JP2017031291A - 黒色顔料組成物、及びこれを含む樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】黒色度と耐候性を両立することができ、赤外線透過性に優れる黒色顔料組成物及びその黒色顔料組成物を含む樹脂組成物を提供する。【解決手段】赤顔料、黄顔料、及び緑顔料の3種類の有機顔料を減法混色することにより得られる黒色顔料組成物であって、マンセル値で表わされる明度が0以上、2.0以下であり、彩度が0以上、1.0以下である、黒色顔料組成物及びこれを用いた樹脂組成物である。【選択図】なし
Description
本発明は、黒色顔料組成物、及びこれを含む樹脂組成物に関する。より詳しくは、優れた黒色度と耐候性を両立することができ、かつ、赤外線透過性に優れる黒色顔料組成物及びこれを含む樹脂組成物に関する。
従来から、黒色を有する塗料や黒色に着色するための黒色顔料には、カーボンブラックが使用されてきた。しかしながら、カーボンブラックは赤外線領域の波長を吸収するために、塗料や着色剤自体の温度を上昇させる性質を有している。この上昇を防止するために、例えば、特許文献1では、熱遮蔽顔料として酸化ジルコニウム等の金属酸化物を用いる方法が記載されている。また、特許文献2では、赤系顔料、橙系顔料、黄系顔料、青色系顔料、及び紫系顔料から選ばれる2種以上を塗料用樹脂に分散させることにより得られる黒色を有する塗料組成物が記載されている。そして、特許文献3では、アゾメチアゾ系化合物の黒色顔料と酸化チタン等の白色無機顔料を混合して遮熱性塗料とすることが知られている。
しかしながら、カーボンブラックを用いる方法や特許文献1の金属酸化物を用いる方法では、赤外線透過性に優れないという問題が生じる。そして、カーボンブラックを用いる方法は、塗料や着色剤自体の温度を上昇させるので、熱遮蔽効果に劣る問題点を有している。また、特許文献2に記載の方法で得られる黒色塗料組成物は、耐候性が十分ではないという問題点があった。また、特許文献3の記載の方法では、黒色顔料として使用されているアゾメチンアゾ系化合物が屋外で長期にわたり太陽光に暴露されると、色相の変化を起こすことがあり、同様に耐候性が十分ではないという問題点があった。
本発明の課題は、カーボンブラックや金属酸化物等を用いることなく、優れた黒色度と耐候性を両立することができ、かつ、赤外線透過性に優れる黒色顔料組成物及びその黒色顔料組成物を含む樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、上記の目的を達成すべく鋭意研究の結果、特定の3種類の有機顔料を減法混色し、特定のマンセル値明度及び彩度を有する顔料組成物を用いることにより、上記の問題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[12]に関する。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[12]に関する。
[1]赤顔料、黄顔料、及び緑顔料の3種類の有機顔料を減法混色することにより得られる黒色顔料組成物であって、マンセル値で表わされる明度が0以上、2.0以下であり、彩度が0以上、1.0以下である、黒色顔料組成物。
[2]前記3種類の有機顔料の配合比率が、緑顔料1.0質量部に対して、赤顔料1.0〜5.0質量部、及び黄顔料1.0〜5.0質量部である、上記[1]に記載の黒色顔料組成物。
[3]前記の赤顔料が、C.I.Pigment Red202、C.I.Pigment Red122、C.I.Pigment Red77、及びC.I.Pigment Red254から選ばれる少なくとも1種である、上記[1]又は[2]に記載の黒色顔料組成物。
[4]前記黄顔料が、C.I.Pigment Yellow110及びC.I.Pigment Yellow180から選ばれる少なくとも1種である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の黒色顔料組成物。
[5]前記緑顔料が、C.I.Pigment Green7、C.I.Pigment Green58、及びC.I.Pigment Green59から選ばれる少なくとも1種である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の黒色顔料組成物。
[6]JIS K 7102に準拠して測定される2000時間耐候性試験を行った後と耐候性試験前との色差dE*が0以上、1.0未満である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の黒色顔料組成物。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の黒色顔料組成物に、白色無機顔料を配合してなる、グレー顔料組成物。
[8]熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂に、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の黒色顔料組成物又は上記[7]に記載のグレー顔料組成物を配合してなる、樹脂組成物。
[9]熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂に、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の黒色顔料組成物、及び白色無機顔料を配合してなる、樹脂組成物。
[10]JIS A 5759に準拠して測定される日射透過率が15%以上である、上記[8]又は[9]に記載の樹脂組成物。
[11]JIS K 5602に準拠して測定される日射反射率が80%以上である材質を下地とした場合における日射反射率が20%以上である、上記[8]〜[10]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12]前記樹脂組成物がグレー色である、上記[8]〜[11]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[2]前記3種類の有機顔料の配合比率が、緑顔料1.0質量部に対して、赤顔料1.0〜5.0質量部、及び黄顔料1.0〜5.0質量部である、上記[1]に記載の黒色顔料組成物。
[3]前記の赤顔料が、C.I.Pigment Red202、C.I.Pigment Red122、C.I.Pigment Red77、及びC.I.Pigment Red254から選ばれる少なくとも1種である、上記[1]又は[2]に記載の黒色顔料組成物。
[4]前記黄顔料が、C.I.Pigment Yellow110及びC.I.Pigment Yellow180から選ばれる少なくとも1種である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の黒色顔料組成物。
[5]前記緑顔料が、C.I.Pigment Green7、C.I.Pigment Green58、及びC.I.Pigment Green59から選ばれる少なくとも1種である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の黒色顔料組成物。
[6]JIS K 7102に準拠して測定される2000時間耐候性試験を行った後と耐候性試験前との色差dE*が0以上、1.0未満である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の黒色顔料組成物。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の黒色顔料組成物に、白色無機顔料を配合してなる、グレー顔料組成物。
[8]熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂に、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の黒色顔料組成物又は上記[7]に記載のグレー顔料組成物を配合してなる、樹脂組成物。
[9]熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂に、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の黒色顔料組成物、及び白色無機顔料を配合してなる、樹脂組成物。
[10]JIS A 5759に準拠して測定される日射透過率が15%以上である、上記[8]又は[9]に記載の樹脂組成物。
[11]JIS K 5602に準拠して測定される日射反射率が80%以上である材質を下地とした場合における日射反射率が20%以上である、上記[8]〜[10]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12]前記樹脂組成物がグレー色である、上記[8]〜[11]のいずれかに記載の樹脂組成物。
本発明の黒色顔料組成物は、カーボンブラックを用いることなく、優れた黒色度と耐候性を両立することができるので遮熱性及び耐候性に優れた遮熱材料を得ることができる。また、赤外線透過性に優れているので、本発明の黒色顔料組成物を用いた樹脂組成物から得られる成形品は、赤外線発光部や赤外線受光部のカバー部材等に用いることができる。
本発明の黒色顔料組成物(以下、黒色顔料と称することもある。)は、赤顔料、黄顔料、及び緑顔料の3種類の有機顔料を減法混色することにより得られる黒色顔料組成物であって、マンセル値で表わされる明度が0以上、2.0以下であり、彩度が0以上、1.0以下であることを有するものである。
以下、本発明の黒色顔料組成物について詳細に説明する。なお、本明細書において、好ましいとされている規定は任意に採用することができ、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましいと言える。
以下、本発明の黒色顔料組成物について詳細に説明する。なお、本明細書において、好ましいとされている規定は任意に採用することができ、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましいと言える。
[黒色顔料組成物]
<赤顔料>
本発明の黒色顔料組成物は、3種類の有機顔料が使用され、その1種類として赤顔料が用いられる。赤顔料としては、C.I.Pigment Red77、C.I.Pigment Red122、C.I.Pigment Red201、C.I.Pigment Red202、C.I.Pigment Red203、C.I.Pigment Red204、C.I.Pigment Red205、C.I.Pigment Red206、C.I.Pigment Red207、C.I.Pigment Red208、C.I.Pigment Red220、C.I.Pigment Red221、C.I.Pigment Red254、C.I.Pigment Red404、C.I.Pigment Red405等の赤色有機顔料を挙げることができる。これらの赤色有機顔料の中でも、C.I.Pigment Red202、C.I.Pigment Red122、C.I.Pigment Red77、及びC.I.Pigment Red254から選ばれる少なくとも1種を用いることが、耐候性を向上させる点から好ましい。
<赤顔料>
本発明の黒色顔料組成物は、3種類の有機顔料が使用され、その1種類として赤顔料が用いられる。赤顔料としては、C.I.Pigment Red77、C.I.Pigment Red122、C.I.Pigment Red201、C.I.Pigment Red202、C.I.Pigment Red203、C.I.Pigment Red204、C.I.Pigment Red205、C.I.Pigment Red206、C.I.Pigment Red207、C.I.Pigment Red208、C.I.Pigment Red220、C.I.Pigment Red221、C.I.Pigment Red254、C.I.Pigment Red404、C.I.Pigment Red405等の赤色有機顔料を挙げることができる。これらの赤色有機顔料の中でも、C.I.Pigment Red202、C.I.Pigment Red122、C.I.Pigment Red77、及びC.I.Pigment Red254から選ばれる少なくとも1種を用いることが、耐候性を向上させる点から好ましい。
<黄顔料>
3種類の有機顔料のうちの1種類として、黄顔料が用いられる。黄顔料としては、C.I.Pigment Yellow110、C.I.Pigment Yellow180、C.I.Pigment Yellow401等の黄色有機顔料を挙げることができる。これらの黄色有機顔料の中でも、C.I.Pigment Yellow110及びC.I.Pigment Yellow180から選ばれる少なくとも1種を用いることが、耐候性を向上させる点から好ましい。
3種類の有機顔料のうちの1種類として、黄顔料が用いられる。黄顔料としては、C.I.Pigment Yellow110、C.I.Pigment Yellow180、C.I.Pigment Yellow401等の黄色有機顔料を挙げることができる。これらの黄色有機顔料の中でも、C.I.Pigment Yellow110及びC.I.Pigment Yellow180から選ばれる少なくとも1種を用いることが、耐候性を向上させる点から好ましい。
<緑顔料>
3種類の有機顔料のうちの1種類として、緑顔料が用いられる。緑顔料としては、C.I.Pigment Green7、C.I.Pigment Green58、及びC.I.Pigment Green59から選ばれる少なくとも1種を用いることが耐候性を向上させる点から好ましい。
3種類の有機顔料のうちの1種類として、緑顔料が用いられる。緑顔料としては、C.I.Pigment Green7、C.I.Pigment Green58、及びC.I.Pigment Green59から選ばれる少なくとも1種を用いることが耐候性を向上させる点から好ましい。
前記で説明した3種類の有機顔料の形態は、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂に配合する点から、好ましくは、粉末等の微粒子状、ペースト状であることが望ましい。また、3種類の有機顔料には、顔料分以外に、分散剤成分や樹脂成分等を含有させて、それぞれの有機顔料とすることができる。
<黒色顔料組成物のマンセル値で表わされる明度及び彩度>
本願発明の黒色顔料組成物は、カーボンブラックと同様な調色に使用できる十分な黒色を有している。本願発明の黒色顔料組成物は、マンセル値で表わされる明度が0以上、2.0以下であり、彩度が0以上、1.0以下である。このような明度と彩度を有することにより、カーボンブラックと同様に調色用の黒とすることができる。好ましい明度は、1.8以下であり、彩度は、0.80以下である。黒色顔料組成物が、上記の明度及び彩度を有しているかどうかについては、後述する樹脂シートを評価することにより確認することができる。
本願発明の黒色顔料組成物は、カーボンブラックと同様な調色に使用できる十分な黒色を有している。本願発明の黒色顔料組成物は、マンセル値で表わされる明度が0以上、2.0以下であり、彩度が0以上、1.0以下である。このような明度と彩度を有することにより、カーボンブラックと同様に調色用の黒とすることができる。好ましい明度は、1.8以下であり、彩度は、0.80以下である。黒色顔料組成物が、上記の明度及び彩度を有しているかどうかについては、後述する樹脂シートを評価することにより確認することができる。
<3種類の有機顔料の配合比率>
本発明の黒色顔料組成物は、上記に説明した赤顔料、黄顔料、及び緑顔料を混合することにより、減法混色させて、黒色とすることができる。赤顔料、黄顔料、及び緑顔料を混合させる際の配合比率は、緑顔料1.0質量部に対して、好ましくは、赤顔料1.0〜5.0質量部、黄顔料1.0〜5.0質量部の範囲内で混合することにより黒色とすることができる。より好ましくは、緑顔料1.0質量部に対して、赤顔料1.5〜3.5質量部、黄顔料1.5〜3.5質量部である。
本発明の黒色顔料組成物は、上記に説明した赤顔料、黄顔料、及び緑顔料を混合することにより、減法混色させて、黒色とすることができる。赤顔料、黄顔料、及び緑顔料を混合させる際の配合比率は、緑顔料1.0質量部に対して、好ましくは、赤顔料1.0〜5.0質量部、黄顔料1.0〜5.0質量部の範囲内で混合することにより黒色とすることができる。より好ましくは、緑顔料1.0質量部に対して、赤顔料1.5〜3.5質量部、黄顔料1.5〜3.5質量部である。
<黒色顔料組成物の製造方法>
本発明の黒色顔料組成物を得るためには、上記に説明した赤顔料、黄顔料、及び緑顔料を、前記にて説明した好ましい配合比率にて混合させることにより得ることができる。混合に際しては、できるだけ均一となるように混合させる。混合機としては、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等の混練機を用いて混合させて得ることができる。赤顔料、黄顔料、及び緑顔料は、均一に混合されて、減法混色により、黒色とすることができる。
本発明の黒色顔料組成物を得るためには、上記に説明した赤顔料、黄顔料、及び緑顔料を、前記にて説明した好ましい配合比率にて混合させることにより得ることができる。混合に際しては、できるだけ均一となるように混合させる。混合機としては、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等の混練機を用いて混合させて得ることができる。赤顔料、黄顔料、及び緑顔料は、均一に混合されて、減法混色により、黒色とすることができる。
<黒色顔料組成物の耐候性>
本発明の黒色顔料組成物は、JIS K 7102に準拠して測定される2000時間耐候性試験を行った後と耐候性試験前との色差dE*が0以上、1.0未満であることが好ましい。このような優れた耐候性を有する黒色顔料組成物を得るためには、使用する赤顔料、黄顔料、及び緑顔料の耐候性が共に優れる顔料を用いることが望ましい。また、耐候性が共に優れる顔料を用いるに当っては、3種類の顔料のそれぞれの耐候性が同程度であることが望ましい。3種類の顔料に耐候性について差がある場合、耐候性試験後に黒色から有彩色等に変色することがある。なお、黒色顔料組成物の耐候性は、後述する耐候性試験で詳細に記載する方法により、樹脂材料に当該黒色顔料組成物を配合して樹脂組成物を得て、得られた樹脂組成物をシートに成形し、このシートについてJIS K 7102に準拠して測定される2000時間耐候性試験を行った後と耐候性試験前との色差dE*を求めることにより評価することができる。シートでの色差dE*が0以上、1.0未満であれば、黒色顔料組成物の色差dE*も0以上、1.0未満であるということができる。
本発明の黒色顔料組成物は、JIS K 7102に準拠して測定される2000時間耐候性試験を行った後と耐候性試験前との色差dE*が0以上、1.0未満であることが好ましい。このような優れた耐候性を有する黒色顔料組成物を得るためには、使用する赤顔料、黄顔料、及び緑顔料の耐候性が共に優れる顔料を用いることが望ましい。また、耐候性が共に優れる顔料を用いるに当っては、3種類の顔料のそれぞれの耐候性が同程度であることが望ましい。3種類の顔料に耐候性について差がある場合、耐候性試験後に黒色から有彩色等に変色することがある。なお、黒色顔料組成物の耐候性は、後述する耐候性試験で詳細に記載する方法により、樹脂材料に当該黒色顔料組成物を配合して樹脂組成物を得て、得られた樹脂組成物をシートに成形し、このシートについてJIS K 7102に準拠して測定される2000時間耐候性試験を行った後と耐候性試験前との色差dE*を求めることにより評価することができる。シートでの色差dE*が0以上、1.0未満であれば、黒色顔料組成物の色差dE*も0以上、1.0未満であるということができる。
[黒色顔料組成物を使用した顔料組成物]
本発明の黒色顔料組成物に他の顔料を配合することにより各種の色調を有する顔料組成物を得ることができる。例えば、白色無機顔料を配合することにより、明度、彩度の異なるグレー顔料組成物とすることができる。グレー顔料組成物とは、前述した、マンセル値で表わされる彩度が0以上、1.0以下である黒色顔料組成物の黒色度に達しない無彩色の顔料組成物であり、例えば、日塗工色見本のN30〜N80のグレー色を示す顔料組成物を例示することができる。グレー顔料組成物の色調については、後述する樹脂シートを評価することにより、日塗工色見本から確認することができる。
白色無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、マイカ、オキシ塩化ビスマス、タルク、カオリン、硫酸バリウム、無水ケイ酸、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、及びケイ酸アルミニウムマグネシウム等を挙げることができる。これらの白色無機顔料を配合することにより、遮熱性の向上した顔料組成物とすることができる。
本発明の黒色顔料組成物に他の顔料を配合することにより各種の色調を有する顔料組成物を得ることができる。例えば、白色無機顔料を配合することにより、明度、彩度の異なるグレー顔料組成物とすることができる。グレー顔料組成物とは、前述した、マンセル値で表わされる彩度が0以上、1.0以下である黒色顔料組成物の黒色度に達しない無彩色の顔料組成物であり、例えば、日塗工色見本のN30〜N80のグレー色を示す顔料組成物を例示することができる。グレー顔料組成物の色調については、後述する樹脂シートを評価することにより、日塗工色見本から確認することができる。
白色無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、マイカ、オキシ塩化ビスマス、タルク、カオリン、硫酸バリウム、無水ケイ酸、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、及びケイ酸アルミニウムマグネシウム等を挙げることができる。これらの白色無機顔料を配合することにより、遮熱性の向上した顔料組成物とすることができる。
また、本発明の黒色顔料組成物に有彩色の顔料、例えば、赤顔料、黄顔料、及び緑顔料等を配合することにより、有彩色顔料組成物とすることができる。本発明の黒色顔料組成物に有彩色の顔料を用いることにより、効率よく望みの色調を有する有彩色顔料組成物を得ることができる。さらに、有彩色顔料組成物とする際には、白色無機顔料を併用することにより、同様に遮熱性の向上した顔料組成物とすることができる。前記白色無機顔料の中でも、酸化チタンを用いることが、遮熱性の向上の点から好ましい。酸化チタンは、ルチル型、アナターゼ型の両方共、使用することができる。
[樹脂組成物]
本発明の黒色顔料組成物、本発明の黒色顔料組成物から得られるグレー顔料組成物、本発明の黒色顔料組成物から得られる有彩色顔料組成物のいずれかを熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂に配合することにより、樹脂組成物とすることができる。本発明の樹脂組成物に用いることのできる熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、結晶性熱可塑性樹脂及び非晶性熱可塑性樹脂を挙げることができる。結晶性熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル系樹脂、ポリカプロラクトン等のポリエステル、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12等の脂肪族ポリアミド、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンより製造される芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂、ポリホルムアルデヒド(ポリオキシメチレン)、ポリアセトアルデヒド、ポリプロピレンアルデヒド、ポリブチルアルデヒド等のポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等を挙げることができる。また、非晶性熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリイミド樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で使用してもよいし、2種以上として使用してもよい。
本発明の黒色顔料組成物、本発明の黒色顔料組成物から得られるグレー顔料組成物、本発明の黒色顔料組成物から得られる有彩色顔料組成物のいずれかを熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂に配合することにより、樹脂組成物とすることができる。本発明の樹脂組成物に用いることのできる熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、結晶性熱可塑性樹脂及び非晶性熱可塑性樹脂を挙げることができる。結晶性熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル系樹脂、ポリカプロラクトン等のポリエステル、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12等の脂肪族ポリアミド、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンより製造される芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂、ポリホルムアルデヒド(ポリオキシメチレン)、ポリアセトアルデヒド、ポリプロピレンアルデヒド、ポリブチルアルデヒド等のポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等を挙げることができる。また、非晶性熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリイミド樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で使用してもよいし、2種以上として使用してもよい。
本発明の樹脂組成物に用いることのできる熱硬化性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ラジカル重合性のアクリル樹脂、マレイミド樹脂、熱硬化性シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シアネート樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂を例示することができる。これらの熱硬化性樹脂は、単独で使用してもよいし、2種以上として使用してもよい。
本発明の樹脂組成物を得るに当たっては、熱可塑性樹脂を用いる場合は、一軸混練押出機や二軸混練押出機等の押出機を使用して溶融混練させ、ペレット化して樹脂組成物を製造することができる。押出機を使用してペレット化した樹脂組成物を製造する際は、連続的に供給する熱可塑性樹脂に対して一定量の前述した本発明の黒色顔料組成物、グレー顔料組成物、又は有彩色顔料組成物のいずれかを熱可塑性樹脂とともに、ポッパー等から連続的に押出機に供給して溶融混練させ、ペレット化したり、又は押出機中の溶融状態の熱可塑性樹脂に対して、ポッパー等から連続的に一定量の前記顔料組成物をサイドフィードすることにより定量的に添加し、溶融混練させてペレット化することができる。熱可塑性樹脂を用いて樹脂組成物を製造するに当たっては、前述した顔料組成物以外に、ガラス繊維等の強化充填材、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止材、帯電防止剤、難燃剤、スリップ剤等の添加剤を添加してペレット化して樹脂組成物を製造することができる。このようにして得られる本発明の樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形、インフレーション成形、圧縮成形等の公知の成形方法により、シート、フィルム、パイプ、家電製品、携帯電話やOA機器等の電子機器、自動車部品等に使用される各種の成形品を得ることができる。
また、本発明の樹脂組成物を得るに当たっては、熱硬化性樹脂を用いる場合は、溶液状態又は可塑化可能な状態の熱硬化性樹脂を用い、本発明の黒色顔料組成物、グレー顔料組成物、又は有彩色顔料組成物のいずれかと混合して熱硬化性樹脂組成物とする。熱硬化性樹脂組成物とするに当っては、上記の添加剤も必要に応じて用いることができる。得られた熱硬化性樹脂組成物を金型内に充填した後、熱や光により硬化させたり、触媒等を用いて硬化させたりして、所定形状を有する成形品とすることができる。成形方法としては、射出成形、インサート成形、コンプレツション成形、注型成形等の公知の成形方法を用いることができる。得られた成形品は、シート、フィルム、パイプ、家電製品、携帯電話やOA機器等の電子機器、自動車部品等に使用することができる。なお、本発明の樹脂組成物は、前記の熱可塑性樹脂と前記の熱硬化性樹脂とを併用して用い、樹脂組成物とすることもできる。
本発明の黒色顔料組成物は、赤外線領域の波長を吸収するカーボンブラック等の顔料を使用していないことから、遮熱性に優れており、かつ、耐候性にも優れているので、当該黒色顔料組成物を含む樹脂組成物は、屋外等で使用される各種断熱材料、自動車内装部材等として好ましく用いることができる。遮熱性に優れているかどうかを判断するには、日射反射率を測定することにより判断することができる。日射反射率を測定するに当っては、後述するように、黒色顔料組成物を含む樹脂組成物から得られる樹脂シートの裏面に赤外線を反射させるための酸化アルミ板を設置し、測定することができる。日射反射率が20%以上であれば遮熱性に優れている。
また、本発明の黒色顔料組成物は、赤外線透過性に優れていることから、当該黒色顔料組成物を含み、白色無機顔料等の赤外線を遮蔽する物質を含まない樹脂組成物は、赤外線を発することにより作動させることができる各種家電製品に用いられるリモコンの赤外線発光部のカバー部材、当該家電製品の赤外線受光部のカバー部材等に好ましく用いることができる。赤外線透過性が優れているかどうかについては、日射透過率を測定することにより判断することができ、日射透過率が15%以上、好ましくは20%以上であれば、赤外線透過性が優れている。
また、本発明の黒色顔料組成物は、赤外線透過性に優れていることから、当該黒色顔料組成物を含み、白色無機顔料等の赤外線を遮蔽する物質を含まない樹脂組成物は、赤外線を発することにより作動させることができる各種家電製品に用いられるリモコンの赤外線発光部のカバー部材、当該家電製品の赤外線受光部のカバー部材等に好ましく用いることができる。赤外線透過性が優れているかどうかについては、日射透過率を測定することにより判断することができ、日射透過率が15%以上、好ましくは20%以上であれば、赤外線透過性が優れている。
また、本願発明の黒色顔料組成物及び当該黒色顔料組成物を含むグレー顔料組成物や有彩色顔料組成物は、塗料として用いることができる。これらの顔料組成物は、カーボンブラック等を含まないため、太陽光線にさらされても、塗料を塗布した後に形成される塗膜自体が高温となることもないので、遮熱性に優れており、耐候性に優れていることから長期間にわたり、変色の少ない塗膜とすることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。各種の評価は以下の方法により行った。
[熱可塑性樹脂を用いた場合の評価方法]
(1)色調
熱可塑性樹脂として塩化ビニル樹脂(軟質塩化ビニル樹脂)を用い、その塩化ビニル樹脂100質量部に対して、顔料組成物2.0質量部を添加して、塩化ビニル樹脂組成物を得て、その塩化ビニル樹脂組成物から厚み10.0mmの樹脂シートを得た。この樹脂シートについて、白〜黒グラデーション色については、日塗工色見本のN−20〜N−80の黒色又はグレー色に相当する色調となるように調色した。また、有彩色については、JIS Z 8102でバーントアンバー、ブロンズ、セピア、鉄色、藍鼠、及びボルドーの6種の色調となるように調色した。
(2)マンセル値で表わされる明度及び彩度の測定
上記(1)で得られた樹脂シートについて、コニカミノルタ(株)製の分光光度計(CM−3600d)を使用し、SCI方式を用いて、C光源2°の視野角で測定し、明度及び彩度を測定した。
(3)日射反射率
上記(1)で得られた樹脂シートの裏側に酸化アルミ板を設置し、(株)島津製作所製の分光光度計(SOLIDSPEC−3700)を使用し、300〜2500nmの反射率を測定し、JIS K 5602に定められる式に基づき日射反射率(%)を算出した。日射反射率が高いほど、赤外線を反射させる効果が高いことを示す。
(4)色差の測定
上記(1)で得られた樹脂シートについて、コニカミノルタ(株)製の分光光度計(CM−3600d)を使用し、SCI方式を用いて、C光源2°の視野角で測定し、実施例と比較例で得られた同じ色調を有する樹脂シートの色差を測定した。
(5)最大温度の測定
ダイワライティング(株)製のサンリームライト(キセノン光源)を用い、照度が85000lxの光を10分間、上記(1)で得られた樹脂シートに照射した。照射から30秒ごとに樹脂シートの裏面温度を測定し、その間の最大温度を測定した。最大温度が低いほど、遮熱性に優れていることを示す。
(6)耐候性試験(色差)
上記(1)で得られた樹脂シートを用いて、ウェザーメータによる耐候性試験をJIS K 7102に準拠して行った。耐候性試験前と2000時間の耐候性試験後の色差(dE*)をコニカミノルタ(株)製の分光光度計(CM−3600d)を使用し、SCI方式を用いて、C光源2°の視野角で測定した。色差(dE*)の値が小さいほど、変色していなく、耐候性に優れていることを示す。なお、使用したウェザーメータの試験機及び測定条件は、下記のとおりである。
試験機
サンシャインスーパーロングライフウェザーメーター(スガ試験機(株)製、WEL−SUNーHC型)を使用
測定条件
光源: サンシャインカーボンアークランプ
サイクル: 照射 60min/降雨 12min (暗黒なし)
ブラックパネル温度: 63±3℃/ 83±3℃(2種類)
平均放電電圧:48〜52V
平均放電電流:58〜62A
試験機は JIS B7753に規定される試験機に該当し、試験時間×13倍に相当するものである。
(7)日射透過率
上記(1)で得られた樹脂シートを用いて、(株)島津製作所製の分光光度計(SOLIDSPEC−3700)を使用し、300〜2500nmの波長範囲の光線透過率を測定し、JIS A 5759に基づいて、樹脂シートの日射透過率を算出した。日射透過率が高いほど赤外線透過率が高いことを示す。
[熱可塑性樹脂を用いた場合の評価方法]
(1)色調
熱可塑性樹脂として塩化ビニル樹脂(軟質塩化ビニル樹脂)を用い、その塩化ビニル樹脂100質量部に対して、顔料組成物2.0質量部を添加して、塩化ビニル樹脂組成物を得て、その塩化ビニル樹脂組成物から厚み10.0mmの樹脂シートを得た。この樹脂シートについて、白〜黒グラデーション色については、日塗工色見本のN−20〜N−80の黒色又はグレー色に相当する色調となるように調色した。また、有彩色については、JIS Z 8102でバーントアンバー、ブロンズ、セピア、鉄色、藍鼠、及びボルドーの6種の色調となるように調色した。
(2)マンセル値で表わされる明度及び彩度の測定
上記(1)で得られた樹脂シートについて、コニカミノルタ(株)製の分光光度計(CM−3600d)を使用し、SCI方式を用いて、C光源2°の視野角で測定し、明度及び彩度を測定した。
(3)日射反射率
上記(1)で得られた樹脂シートの裏側に酸化アルミ板を設置し、(株)島津製作所製の分光光度計(SOLIDSPEC−3700)を使用し、300〜2500nmの反射率を測定し、JIS K 5602に定められる式に基づき日射反射率(%)を算出した。日射反射率が高いほど、赤外線を反射させる効果が高いことを示す。
(4)色差の測定
上記(1)で得られた樹脂シートについて、コニカミノルタ(株)製の分光光度計(CM−3600d)を使用し、SCI方式を用いて、C光源2°の視野角で測定し、実施例と比較例で得られた同じ色調を有する樹脂シートの色差を測定した。
(5)最大温度の測定
ダイワライティング(株)製のサンリームライト(キセノン光源)を用い、照度が85000lxの光を10分間、上記(1)で得られた樹脂シートに照射した。照射から30秒ごとに樹脂シートの裏面温度を測定し、その間の最大温度を測定した。最大温度が低いほど、遮熱性に優れていることを示す。
(6)耐候性試験(色差)
上記(1)で得られた樹脂シートを用いて、ウェザーメータによる耐候性試験をJIS K 7102に準拠して行った。耐候性試験前と2000時間の耐候性試験後の色差(dE*)をコニカミノルタ(株)製の分光光度計(CM−3600d)を使用し、SCI方式を用いて、C光源2°の視野角で測定した。色差(dE*)の値が小さいほど、変色していなく、耐候性に優れていることを示す。なお、使用したウェザーメータの試験機及び測定条件は、下記のとおりである。
試験機
サンシャインスーパーロングライフウェザーメーター(スガ試験機(株)製、WEL−SUNーHC型)を使用
測定条件
光源: サンシャインカーボンアークランプ
サイクル: 照射 60min/降雨 12min (暗黒なし)
ブラックパネル温度: 63±3℃/ 83±3℃(2種類)
平均放電電圧:48〜52V
平均放電電流:58〜62A
試験機は JIS B7753に規定される試験機に該当し、試験時間×13倍に相当するものである。
(7)日射透過率
上記(1)で得られた樹脂シートを用いて、(株)島津製作所製の分光光度計(SOLIDSPEC−3700)を使用し、300〜2500nmの波長範囲の光線透過率を測定し、JIS A 5759に基づいて、樹脂シートの日射透過率を算出した。日射透過率が高いほど赤外線透過率が高いことを示す。
[熱硬化性樹脂を用いた場合の評価方法]
(1)マンセル値で表わされる明度及び彩度の測定
熱硬化性樹脂としてアクリル樹脂を用い、アクリル樹脂100質量部に対して、本発明の顔料組成物0.5質量部を配合して得られた熱硬化性樹脂組成物を硬化させ、厚さ15mmの樹脂シートを得た。得られた樹脂シートについて、コニカミノルタ(株)製の分光光度計(CM−3600d)を使用し、SCI方式を用いて、C光源2°の視野角で測定し、明度及び彩度を測定した。
(2)日射反射率
上記(1)で得られた樹脂シートの裏側に酸化アルミ板を設置し、(株)島津製作所製の分光光度計(SOLIDSPEC−3700)を使用し、300〜2500nmの反射率を測定し、JIS K 5602に定められる式に基づき日射反射率(%)を算出した。日射反射率が高いほど、赤外線を反射させる効果が高いことを示す。
(3)日射透過率
上記(1)で得られた樹脂シートを用いて、(株)島津製作所製の分光光度計(SOLIDSPEC−3700)を使用し、300〜2500nmの波長範囲の光線透過率を測定し、JIS A 5759に基づいて、樹脂シートの日射透過率を算出した。日射透過率が高いほど赤外線透過率が高いことを示す。
(1)マンセル値で表わされる明度及び彩度の測定
熱硬化性樹脂としてアクリル樹脂を用い、アクリル樹脂100質量部に対して、本発明の顔料組成物0.5質量部を配合して得られた熱硬化性樹脂組成物を硬化させ、厚さ15mmの樹脂シートを得た。得られた樹脂シートについて、コニカミノルタ(株)製の分光光度計(CM−3600d)を使用し、SCI方式を用いて、C光源2°の視野角で測定し、明度及び彩度を測定した。
(2)日射反射率
上記(1)で得られた樹脂シートの裏側に酸化アルミ板を設置し、(株)島津製作所製の分光光度計(SOLIDSPEC−3700)を使用し、300〜2500nmの反射率を測定し、JIS K 5602に定められる式に基づき日射反射率(%)を算出した。日射反射率が高いほど、赤外線を反射させる効果が高いことを示す。
(3)日射透過率
上記(1)で得られた樹脂シートを用いて、(株)島津製作所製の分光光度計(SOLIDSPEC−3700)を使用し、300〜2500nmの波長範囲の光線透過率を測定し、JIS A 5759に基づいて、樹脂シートの日射透過率を算出した。日射透過率が高いほど赤外線透過率が高いことを示す。
[黒色顔料組成物及びこれを用いた熱可塑性樹脂組成物(白〜黒クラデーション色)]
実施例1
赤色顔料として、大日精化工業(株)製DYMIC SZ7129(C.I.Pigment Red202、顔料分50%)を39.81質量部、黄顔料として、大日精化工業(株)製DAP−4446(C.I.Pigment Yellow110、顔料分50%)を44.03質量部、及び緑顔料として、大日精化工業(株)製DAEP−4514(C.I.Pigment Green7、顔料分50%)を16.16質量部混合して、黒色顔料組成物を得た。次いで、塩化ビニル樹脂[大日精化工業(株)製、商品名:EM T−コンパウンド]100質量部に対して、得られた黒色顔料組成物2.0質量部を160℃のロールで2分間練り込み黒色顔料を含む塩化ビニル樹脂組成物からなるシートを製造した。得られたシートを175℃でシート成形し、厚み10.0mmの黒い色調(N−20)を有する樹脂シートを得た。得られた黒い色調を有する樹脂シートを用いて、マンセル値明度及び彩度を測定したところ、明度は、1.50であり、彩度は0.22であった。また、この樹脂シートの裏側に酸化アルミ板を設置し、日射反射率を測定したところ、27.7%であった。塩化ビニル樹脂シートのマンセル値明度とマンセル値彩度の数値結果から、得られた黒色顔料組成物は、マンセル値明度(L)が0以上、2.0以下であって、マンセル値彩度(C)が0以上、1.0以下を満たすことを確認した。そして、得られた樹脂シートの日射透過率を測定したところ、25.9%であった。
実施例1
赤色顔料として、大日精化工業(株)製DYMIC SZ7129(C.I.Pigment Red202、顔料分50%)を39.81質量部、黄顔料として、大日精化工業(株)製DAP−4446(C.I.Pigment Yellow110、顔料分50%)を44.03質量部、及び緑顔料として、大日精化工業(株)製DAEP−4514(C.I.Pigment Green7、顔料分50%)を16.16質量部混合して、黒色顔料組成物を得た。次いで、塩化ビニル樹脂[大日精化工業(株)製、商品名:EM T−コンパウンド]100質量部に対して、得られた黒色顔料組成物2.0質量部を160℃のロールで2分間練り込み黒色顔料を含む塩化ビニル樹脂組成物からなるシートを製造した。得られたシートを175℃でシート成形し、厚み10.0mmの黒い色調(N−20)を有する樹脂シートを得た。得られた黒い色調を有する樹脂シートを用いて、マンセル値明度及び彩度を測定したところ、明度は、1.50であり、彩度は0.22であった。また、この樹脂シートの裏側に酸化アルミ板を設置し、日射反射率を測定したところ、27.7%であった。塩化ビニル樹脂シートのマンセル値明度とマンセル値彩度の数値結果から、得られた黒色顔料組成物は、マンセル値明度(L)が0以上、2.0以下であって、マンセル値彩度(C)が0以上、1.0以下を満たすことを確認した。そして、得られた樹脂シートの日射透過率を測定したところ、25.9%であった。
実施例2〜7
実施例1で得られた黒色顔料組成物と白色無機顔料として、大日精化工業(株)製 DAP−4050(ルチル型酸化チタン、顔料分70%)とを下記表1に示す黒色顔料組成物の含有率とし、混合し、グレー顔料組成物を得た。得られたグレー顔料組成物を用い、実施例1と同様にして塩化ビニル樹脂組成物からなるグレーの色調(N−30〜N−80)を有する樹脂シートを得た。得られた樹脂シートを用いて実施例1と同様にして樹脂シートの評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1で得られた黒色顔料組成物と白色無機顔料として、大日精化工業(株)製 DAP−4050(ルチル型酸化チタン、顔料分70%)とを下記表1に示す黒色顔料組成物の含有率とし、混合し、グレー顔料組成物を得た。得られたグレー顔料組成物を用い、実施例1と同様にして塩化ビニル樹脂組成物からなるグレーの色調(N−30〜N−80)を有する樹脂シートを得た。得られた樹脂シートを用いて実施例1と同様にして樹脂シートの評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1〜7
大日精化工業(株)製DA P−4710(カーボンブラック、顔料分20%)と白色無機顔料として、大日精化工業(株)製 DAP−4050(ルチル型酸化チタン、顔料分70%)とを表1に示す組成割合として混合し、黒色顔料組成物及びグレー顔料組成物を得た。得られたそれぞれの顔料組成物を用い、実施例1と同様にして塩化ビニル樹脂組成物からなる黒い色調(N−20)を有する樹脂シート及びグレーの色調(N−30〜N−80)を有する樹脂シートを得た。得られた樹脂シートを用いて実施例1と同様にして樹脂シートの評価を行った。結果を表1に示す。
大日精化工業(株)製DA P−4710(カーボンブラック、顔料分20%)と白色無機顔料として、大日精化工業(株)製 DAP−4050(ルチル型酸化チタン、顔料分70%)とを表1に示す組成割合として混合し、黒色顔料組成物及びグレー顔料組成物を得た。得られたそれぞれの顔料組成物を用い、実施例1と同様にして塩化ビニル樹脂組成物からなる黒い色調(N−20)を有する樹脂シート及びグレーの色調(N−30〜N−80)を有する樹脂シートを得た。得られた樹脂シートを用いて実施例1と同様にして樹脂シートの評価を行った。結果を表1に示す。
[有彩色顔料組成物及びこれを用いた熱可塑性樹脂組成物]
実施例8〜13
実施例1で得られた黒色顔料組成物、大日精化工業(株)製 DAP−4050(ルチル型酸化チタン、顔料分70%)、及び有彩色の着色として、赤色顔料である大日精化工業(株)製DYMIC SZ7129(C.I.Pigment Red202、顔料分50%)、黄顔料である大日精化工業(株)製DAP−4446(C.I.Pigment Yellow110、顔料分50%)、及び緑顔料である大日精化工業(株)製DAEP−4514(C.I.Pigment Green7、顔料分50%)の3種類の有機顔料から2種類を用いて、表2に示す割合で混合し、有彩色顔料組成物を得た。得られた有彩色顔料組成物を用い、実施例1と同様にして塩化ビニル樹脂組成物からなる6種類の色調の異なる樹脂シートを得た。得られた樹脂シートを用いて、色差(比較例と同じ色調を有する樹脂シートとの色差)、最大温度、日射反射率を測定した。結果を表2に示す。
実施例8〜13
実施例1で得られた黒色顔料組成物、大日精化工業(株)製 DAP−4050(ルチル型酸化チタン、顔料分70%)、及び有彩色の着色として、赤色顔料である大日精化工業(株)製DYMIC SZ7129(C.I.Pigment Red202、顔料分50%)、黄顔料である大日精化工業(株)製DAP−4446(C.I.Pigment Yellow110、顔料分50%)、及び緑顔料である大日精化工業(株)製DAEP−4514(C.I.Pigment Green7、顔料分50%)の3種類の有機顔料から2種類を用いて、表2に示す割合で混合し、有彩色顔料組成物を得た。得られた有彩色顔料組成物を用い、実施例1と同様にして塩化ビニル樹脂組成物からなる6種類の色調の異なる樹脂シートを得た。得られた樹脂シートを用いて、色差(比較例と同じ色調を有する樹脂シートとの色差)、最大温度、日射反射率を測定した。結果を表2に示す。
比較例8〜13
実施例8〜13において、実施例1で得られた黒色顔料組成物に変えて、黒色顔料として、大日精化工業(株)製DA P−4710(カーボンブラック、顔料分20%)を用い、表2に記載の組成の有彩色顔料組成物を得て、実施例8〜13と同様にして塩化ビニル樹脂組成物からなる6種類の色調の異なる樹脂シートを得た。得られた樹脂シートを用いて、色差(実施例と同じ色調を有する樹脂シートとの色差)、最大温度、日射反射率を測定した。結果を表2に示す。
実施例8〜13において、実施例1で得られた黒色顔料組成物に変えて、黒色顔料として、大日精化工業(株)製DA P−4710(カーボンブラック、顔料分20%)を用い、表2に記載の組成の有彩色顔料組成物を得て、実施例8〜13と同様にして塩化ビニル樹脂組成物からなる6種類の色調の異なる樹脂シートを得た。得られた樹脂シートを用いて、色差(実施例と同じ色調を有する樹脂シートとの色差)、最大温度、日射反射率を測定した。結果を表2に示す。
実施例14及び比較例14〜17
表3に示す組成割合で、顔料組成物を製造した。これらの顔料組成物を用い、実施例1と同様にして塩化ビニル樹脂組成物からなるグレーの色調を有する樹脂シートを得た。これらの樹脂シートを用いて、耐候性試験(色差)を求めた。結果を表3に示す。
表3に示す組成割合で、顔料組成物を製造した。これらの顔料組成物を用い、実施例1と同様にして塩化ビニル樹脂組成物からなるグレーの色調を有する樹脂シートを得た。これらの樹脂シートを用いて、耐候性試験(色差)を求めた。結果を表3に示す。
*1 DAP-4710:黒顔料(大日精化工業(株)製 DAP−4710、カーボンブラック含有顔料、顔料分20質量%)
*2 DAP-4050:白顔料(大日精化工業(株)製 DAP−4050、ルチル型酸化チタン含有顔料、顔料分70質量%)
*3 DYMIC SZ7129:赤顔料(大日精化工業(株)製 DYMIC SZ7129、顔料分50質量%、C.I.Pigment Red202)
*4 DAP−4446:黄顔料(大日精化工業(株)製 DAP−4446、顔料分50質量%、C.I.Pigment Yellow110)
*5 DAEP−4514:緑顔料(大日精化工業(株)製 DAEP−4514、顔料分50質量%、C.I.Pigment Green7)
*6 DAP−4191:赤顔料(大日精化工業(株)製 DAP−4191、ジメチルキナクリドン含有顔料、顔料分50質量%)
*7 DAP−4880:茶顔料(大日精化工業(株)製 DAP−4880、ポリアゾブラウン含有顔料、顔料分49質量%)
*8 A1103:既存遮熱黒顔料(大日精化工業(株)製 アゾメチンアゾ化合物含有黒顔料、顔料分20質量%)
*9 MPT370:既存遮熱黒顔料(石原産業(株)製 MPT370、(CaO−TiO2−MnO2固溶体含有黒顔料)
*2 DAP-4050:白顔料(大日精化工業(株)製 DAP−4050、ルチル型酸化チタン含有顔料、顔料分70質量%)
*3 DYMIC SZ7129:赤顔料(大日精化工業(株)製 DYMIC SZ7129、顔料分50質量%、C.I.Pigment Red202)
*4 DAP−4446:黄顔料(大日精化工業(株)製 DAP−4446、顔料分50質量%、C.I.Pigment Yellow110)
*5 DAEP−4514:緑顔料(大日精化工業(株)製 DAEP−4514、顔料分50質量%、C.I.Pigment Green7)
*6 DAP−4191:赤顔料(大日精化工業(株)製 DAP−4191、ジメチルキナクリドン含有顔料、顔料分50質量%)
*7 DAP−4880:茶顔料(大日精化工業(株)製 DAP−4880、ポリアゾブラウン含有顔料、顔料分49質量%)
*8 A1103:既存遮熱黒顔料(大日精化工業(株)製 アゾメチンアゾ化合物含有黒顔料、顔料分20質量%)
*9 MPT370:既存遮熱黒顔料(石原産業(株)製 MPT370、(CaO−TiO2−MnO2固溶体含有黒顔料)
表1において、実施例1は、本発明の黒色顔料を用いて得られた樹脂組成物をシート化した樹脂シートについて測定した結果を示しており、マンセル明度が1.50、彩度が0.22であった。この樹脂シートは、カーボンブラックを用いて得られる黒色と同程度の黒色を有していることが示されており、この黒色顔料は、マンセル値で表わされる明度が0以上、2.0以下であって、彩度が0以上、1.0以下に含まれていることを示している。さらに、実施例1では、得られた樹脂シートの赤外線透過率が高いことを示している。また、実施例1で得られた本発明の黒色顔料を用いて得られた樹脂組成物から得られた樹脂シートは、日射反射率が、27.73%と優れている。また、実施例2〜7は、実施例1で得られた本発明の黒色顔料に白色無機顔料として酸化チタン顔料を種々の配合比率で混合して本発明のグレー顔料を得て、このグレー顔料を用いて評価した結果を示している。実施例2〜7で得られた樹脂シートは、日射反射率が30〜72%と高い反射率を有していることを示している。一方、比較例1〜7では、黒色顔料として、カーボンブラックを用いた黒色顔料と酸化チタン顔料を種々の配合比率で混合して得られたグレー顔料を用いているため、得られた樹脂シートの日射反射率は、実施例と同程度の黒色顔料を含む樹脂シートに比較して、日射反射率が低く、遮熱性に劣ることが示されている。
表2において、実施例8〜13では、実施例1で得られた本発明の黒色顔料と有彩色の顔料とを用いて、各種色調を有する樹脂シートを得たものである。一方、比較例8〜13では、本発明の黒色顔料を用いないで、カーボンブラックを用いた黒色顔料を用いて、各種色調を有する樹脂シートを得たものである。同じ色調を有する実施例の樹脂シーと比較例の樹脂シートとを対比すると、実施例の樹脂シートは、一般的な黒色顔料として使用されるカーボンブラックで作成した樹脂シートとの色差が2.00以下と小さいことから、黒色の着色顔料として用いることが可能であり、且つ、比較例の樹脂シートよりも、最大温度が低く、日射反射率が高いことが示されており、遮熱性に優れていることが示されている。
表3において、実施例14は、実施例1で得られた本発明の黒色顔料と白色顔料とを用いてグレー顔料とし、このグレー顔料を用いて樹脂シートを得たものである。一方、比較例14〜17は、本発明の黒色顔料を用いないで、各種の顔料と白色顔料とを用いてグレー顔料とし、樹脂シートを得たものである。同じグレーの色調を有する樹脂シートが得られているが、耐候性試験における色差は、本発明の黒色顔料を用いた実施例14の樹脂シートは、色差が0.92であり、比較例の樹脂シートと比較して耐候性に優れていることが示されている。
[黒色顔料組成物及びこれを用いた熱硬化性樹脂組成物]
実施例15
赤色顔料として大日精化工業(株)製 赤色顔料含有着色剤(C.I.Pigment Red202、顔料分25質量%)11.5質量部、黄色顔料として大日精化工業(株)製 黄色顔料含有着色剤(C.I.Pigment Yellow110、顔料分49質量%)4.2質量部、緑色顔料として大日精化工業(株)製 緑色顔料含有着色剤(C.I.Pigment Green7、顔料分29質量%)4.3質量部を混合して、黒色顔料組成物を得た。次いで、熱硬化性樹脂用材料としてMMA(メチルメタクリレート)のプレポリマー[三菱レイヨン(株)製]95質量部、MMAモノマー[三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリルエステルM]5.0質量部、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)[大塚化学(株)製、商品名:AIBN]0.3質量部に対して顔料組成物0.5質量部を容器内ディスパーで混合した後、ガラス板に組成物を注ぎ込み、65℃の温水下で3時間、120℃2時間組成物を硬化させ厚さ15mmの黒色の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂シートを得た。得られた樹脂シートについて、マンセル値の明度及び彩度を測定したところ、明度0.96、彩度0.94の測定値を得た。この樹脂シートの裏側に酸化アルミを設置し、日射反射率を測定したところ27.12%であった。熱硬化性樹脂組成物から得られた樹脂シートのマンセル値明度とマンセル値彩度の数値結果から、得られた黒色顔料組成物はマンセル値明度(L)が0以上、2.0以下であって、マンセル値彩度(C)が0以上、1.0以下を満たすことを確認した。そしてこの熱硬化性樹脂組成物から得られた樹脂シートの日射透過率を測定したところ28.51%であった。
実施例15
赤色顔料として大日精化工業(株)製 赤色顔料含有着色剤(C.I.Pigment Red202、顔料分25質量%)11.5質量部、黄色顔料として大日精化工業(株)製 黄色顔料含有着色剤(C.I.Pigment Yellow110、顔料分49質量%)4.2質量部、緑色顔料として大日精化工業(株)製 緑色顔料含有着色剤(C.I.Pigment Green7、顔料分29質量%)4.3質量部を混合して、黒色顔料組成物を得た。次いで、熱硬化性樹脂用材料としてMMA(メチルメタクリレート)のプレポリマー[三菱レイヨン(株)製]95質量部、MMAモノマー[三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリルエステルM]5.0質量部、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)[大塚化学(株)製、商品名:AIBN]0.3質量部に対して顔料組成物0.5質量部を容器内ディスパーで混合した後、ガラス板に組成物を注ぎ込み、65℃の温水下で3時間、120℃2時間組成物を硬化させ厚さ15mmの黒色の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂シートを得た。得られた樹脂シートについて、マンセル値の明度及び彩度を測定したところ、明度0.96、彩度0.94の測定値を得た。この樹脂シートの裏側に酸化アルミを設置し、日射反射率を測定したところ27.12%であった。熱硬化性樹脂組成物から得られた樹脂シートのマンセル値明度とマンセル値彩度の数値結果から、得られた黒色顔料組成物はマンセル値明度(L)が0以上、2.0以下であって、マンセル値彩度(C)が0以上、1.0以下を満たすことを確認した。そしてこの熱硬化性樹脂組成物から得られた樹脂シートの日射透過率を測定したところ28.51%であった。
実施例15の結果から、優れた黒色度を有する黒色顔料組成物が得られていることが示されており、この黒色顔料組成物を熱硬化性樹脂に配合して得られた熱硬化性樹脂組成物から得られたシートは、日射反射率及び日射透過率に優れていることが示されている。
本発明の黒色顔料組成物は、カーボンブラックや金属酸化物等を用いることなく、黒色度と耐候性を両立することができるので、遮熱性及び耐候性に優れていることから、屋外等で使用される各種の断熱材料や塗料として好適に用いることができる。また、本発明の黒色顔料組成物は赤外線透過性に優れるので、白色無機顔料等の赤外線を遮蔽する物質を含まない熱可塑性樹脂組成物は、各種家電製品のリモコンの赤外線発光部のカバー部材や家電製品の赤外線受光部のカバー部材として好適に用いることができる。
Claims (12)
- 赤顔料、黄顔料、及び緑顔料の3種類の有機顔料を減法混色することにより得られる黒色顔料組成物であって、該黒色顔料組成物のマンセル値で表わされる明度が0以上、2.0以下であって、彩度が0以上、1.0以下である、黒色顔料組成物。
- 前記3種類の有機顔料の配合比率が、緑顔料1.0質量部に対して、赤顔料1.0〜5.0質量部、及び黄顔料1.0〜5.0質量部である、請求項1に記載の黒色顔料組成物。
- 前記赤顔料が、C.I.Pigment Red202、C.I.Pigment Red122、C.I.Pigment Red77、及びC.I.Pigment Red254から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の黒色顔料組成物。
- 前記黄顔料が、C.I.Pigment Yellow110及びC.I.Pigment Yellow180から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の黒色顔料組成物。
- 前記緑顔料が、C.I.Pigment Green7、C.I.Pigment Green58、及びC.I.Pigment Green59から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の黒色顔料組成物。
- JIS K 7102に準拠して測定される2000時間耐候性試験を行った後と耐候性試験前との色差dE*が0以上、1.0未満である、請求項1〜5のいずれかに記載の黒色顔料組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の黒色顔料組成物に、白色無機顔料を配合してなる、グレー顔料組成物。
- 熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂に、請求項1〜6のいずれかに記載の黒色顔料組成物又は請求項7に記載のグレー顔料組成物を配合してなる、樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂及び又は熱硬化性樹脂に、請求項1〜6のいずれかに記載の黒色顔料組成物、及び白色無機顔料を配合してなる、樹脂組成物。
- JIS A 5759に準拠して測定される日射透過率が15%以上である、請求項8又は9に記載の樹脂組成物。
- JIS K 5602に準拠して測定される日射反射率が80%以上である材質を下地とした場合における日射反射率が20%以上である、請求項8〜10のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物がグレー色である、請求項8〜11のいずれかに記載の樹脂組成物。
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CN115926545A (zh) * | 2022-12-26 | 2023-04-07 | 苏州赛伍应用技术股份有限公司 | 一种耐候黑色涂料及其制备方法和应用 |
JP7490129B1 (ja) | 2023-10-30 | 2024-05-24 | 大日精化工業株式会社 | 樹脂成形品 |
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- 2015-07-30 JP JP2015151305A patent/JP2017031291A/ja active Pending
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