JP2017030311A - 木質材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の木質材の製造方法は、接着剤を含む製造中間体1Aを一対の電極45,46間に挟み、該電極45,46間に高周波電圧を印加して接着剤を加熱することにより、構成要素11が接着剤によって結合した木質材を得る木質材の製造方法であって、前記接着剤として、黒鉛粉末を配合した接着剤を用いることを特徴とする。
【選択図】図5
Description
また、集成材の製造において、接着剤にススを添加して高周波加熱する方法も知られている(特許文献2参照)。
本発明で製造する木質材としては、(1)集成材、(2)直交集成板、(3)単板積層材(LVL)、(4)合板、(5)パーティクルボード(PB)、(6)ファイバーボード(MDF等)、(7)OSB(Oriented Strand Board)等が挙げられる。木質材は、木材に由来する構成要素どうしを結合して得られるものである。
集成材としては、ひき板、小角材等をその繊維方向を互いにほぼ平行にして、厚さ、幅及び長さ方向に集成接着してなるものや、ひき板、小角材等を、それらの繊維方向を長手方向とほぼ平行にして、厚さ方向、又は厚さ方向及び幅方向に集成接着してなるものが挙げられる。
集成材1の各層を構成するラミナ11の厚み(Z方向の長さ)は、例えば、5〜150mmとすることができ、集成材1のラミナの積層数は、例えば、2〜30層とすることができ、3〜20層であることが好ましい。
集成材の構成要素であるラミナを得る木材の樹種としては、従来、集成材の製造に用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。
直交集成板は、ひき板又は小角材をその繊維方向を互いにほぼ平行にして幅方向に並べ又は接着したものを、主としてその繊維方向を互いにほぼ直角にして積層接着し3層以上の構造を持たせたものが挙げられる。ひき板及び小角材には、これらをその繊維方向を互いにほぼ平行にして長手方向に接合接着して調製したものも含まれる。
図3(a)に示す直交集成板10は、本発明で製造する直交集成板の一例である。直交集成板10は、積層された複数枚のラミナ12が、ラミナ間に配された接着剤(図示せず)を介して一体化されてなる。直交集成板10の各層を構成するラミナ12としては、ひき板をその繊維方向を互いにほぼ平行にして長さ方向に接着接合して調整したもの(図示せず)、小角材をその繊維方向を互いにほぼ平行にして幅方向に接着したもの〔図3(b)参照〕及びそれをさらに長さ方向に接着接合したもの(図示せず)が挙げられる。直交集成板10を構成する異なる層に、互いに異なる構成のラミナを使用しても良いし、直交集成板10の一つの層中に、異なる構成のラミナを混在させても良い。図3(c)に、ラミナ12として使用し得る単一のひき板からなるラミナを示す。
図3(a)に示す直交集成板10は、強軸方向(長手方向)X’及び弱軸方向(幅方向)Y’を有し、直交集成板10を構成する層として、複数本のラミナ12が、該ラミナを構成するひき板又は小角材の繊維方向が強軸方向X’に沿うように配置された平行層13と、複数本のラミナ12が、該ラミナを構成するひき板又は小角材の繊維方向が弱強方向Y’に沿うように配置された直交層14とを有し、厚み方向の中央に、平行層13と直交層14とが3層交互に配置された内層Mを有し、厚み方向における内層Mの上下それぞれに2層の平行層13からなる外層Sを有している。
直交集成板10の各層を構成するラミナの厚みは、例えば、5〜60mmとすることができ、直交集成板10のラミナの積層数は、平行層13及び直交層14の合計で、例えば、3〜30層とすることができ、3〜20層であることが好ましい。
単板積層材(LVL)は、ロータリーレースやスライサーその他の切削機械により木材を切削して得た単板を、主としてその繊維方向を互いにほぼ平行にして積層接着して得られる木質材である。
図4に示す単板積層材3は、本発明で製造する木質材の他の一例であり、一方向Xに長い形状を有する軸材である。単板積層材3は、厚み方向Zに積層された総ての層の単板について繊維の配向方向が揃っていることが好ましいが、厚み方向の一部(例えば、表裏面それぞれから2番目の層)に、繊維の配向方向が他の層と直交する層を有していても良い。但し、繊維の配向方向が他の層と直交する単板の合計厚さは、単板積層材の全体の厚さの20%以下であり、かつ、当該単板の枚数の構成比が30%以下であることが好ましい。また、厚み方向の中央部に、繊維方向を平行にして積層された複数の単板からなるコア部を有することが好ましく、該コア部を構成する単板の積層数は、単板積層材の単板の全積層数の半分以上であることが好ましい。単板積層材も、造作用でも構造用でも良い。
単板積層材の厚み方向Zの単板の積層数は、例えば、4〜60層とすることができ、8〜50層であることが好ましい。
単板積層材の構成要素である単板を得る木材の樹種としては、従来、単板積層材の製造に用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。
合板は、ロータリーレースやスライサーその他の切削機械により木材を切削して得た単板を、繊維方向が互い違いとなるように積層接着して得られる木質材であり、層間が接着剤を介して接合されている。合板は、厚み方向の一部に、繊維の配向方向を揃えた2層又は3層の単板が存在するようなものであってもよい。
パーティクルボードは、木材の切削や破砕等により得た小片(エレメント)を接着剤と共に混合してマット状としたのもの(製造中間体)を圧締して得られる木質ボードであり、エレメントどうしを結合するバインダーとして接着剤が用いられる。
(6)ファイバーボード
ファイバーボードは、木材の蒸射・解繊等により得た木材繊維(エレメント)を接着剤と混合してマット状としたもの(製造中間体)を圧締して得られる木質ボードであり、エレメントどうしを結合するバインダーとして接着剤が用いられる。ファイバーボードとしては、MDF(中密度繊維板)、やハードボード(HB)、インシュレーションボードが挙げられるが、本発明は、乾式でフォーミングするパーティクルボードやMDFの製造に適している。製造中間体は乾式フォーミングにより得られたものであることが好ましい。
OSB(Oriented Strand Board)は、薄い削片状にした原料のエレメントを配向させて積層、接着したものである。エレメントは、パーティクルボードに用いられるものより面積が大きく薄い形状をしており木材の異方性をより多く残している。
木質材として、パーティクルボード、ファイバーボード及びOSBを製造する場合、エレメント(構成要素)どうしを結合させる接着剤として、黒鉛粉末配合の接着剤を用いる。
本発明で用いる接着剤は、黒鉛粉末を配合した接着剤である。
黒鉛粉末は、炭素原子が六角網状平面(グラフェン)が規則性を持って積層した層状の結晶構造を有する。黒鉛の同素体としては、カーボンナノチューブが挙げられるが、カーボンナノチューブは炭素原子の六角網状平面(グラフェン)シートが継ぎ目のないよう、同軸円筒状に丸められたチューブ状の結晶構造であり、六角網状平面(グラフェン)が積層した結晶構造である黒鉛とは異なるものである。
黒鉛粉末は、人造黒鉛の粉末を用いることが好ましい。
人造黒鉛の粉末を用いることが好ましい理由は、例えば、天然黒鉛に比べ、同素体などの不純物が少なく、電気抵抗が小さいことや、人工的に作られるため品質が安定することなどである。
また、鱗状黒鉛や土状黒鉛等を含む天然黒鉛を人造黒鉛と組み合わせ使用しても良い。
粒径を250μm以下とすることにより、粉末が接着剤塗膜表面に異物として出現して接着不良の原因となることを効果的に防止することができる。
黒鉛粉末を配合する接着剤としては、例えば、水性高分子−イソシアネート系接着剤、レゾルシノール樹脂接着剤、レゾルシノール・フェノール樹脂接着剤、メラミン樹脂接着剤、メラミンユリア樹脂接着剤、変性酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤、スチレン・ブタジエン樹脂系ラテックス、アクリルスチレン樹脂系エマルジョン形接着剤、アクリル樹脂系エマルジョン形接着剤、エチレン酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤等が挙げられる。これらのなかでも、集成材の日本農林規格に例示されている点等から、水性高分子−イソシアネート系接着剤、レゾルシノール樹脂接着剤又はレゾルシノール・フェノール樹脂接着剤が好ましい。
水性高分子−イソシアネート系接着剤、レゾルシノール樹脂接着剤、及びレゾルシノール・フェノール樹脂接着剤としては、集成材の日本農林規格に記載されているもの等、従来、集成材や単板積層材等の木質材の製造に用いられているものを特に制限なく用いることができる。
また、黒鉛粉末を主剤に混合する場合、水性高分子イソシアネート系接着剤の主剤100質量部に対して、黒鉛粉末30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜10質量部であり、更に好ましくは0.01〜5質量部である。
また、黒鉛粉末を主剤に混合する場合、レゾルシノール樹脂接着剤又はレゾルシノール・フェノール樹脂接着剤の主剤100質量部に対して、黒鉛粉末30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜10質量部であり、更に好ましくは0.01〜5質量部である。
微細炭素繊維は、その外径が、200nm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5〜150nmのものである。微細炭素繊維は、カーボンナノチューブであることが好ましい。カーボンナノチューブは、炭素原子の六角網状平面(グラフェン)シートが継ぎ目のないよう、同軸円筒状に丸められたチューブ状の構造を有する。同軸円筒状に丸められた六角網状平面(グラフェン)シートは単層、二層又は多層である。
また、黒鉛粉末及び微細炭素繊維を主剤に混合する場合、水性高分子イソシアネート系接着剤の主剤100質量部に対して、微細炭素繊維30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜10質量部であり、更に好ましくは0.01〜5質量部である。
また、微細炭素繊維を主剤に混合する場合、レゾルシノール樹脂接着剤又はレゾルシノール・フェノール樹脂接着剤の主剤100質量部に対して、微細炭素繊維30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜10質量部であり、更に好ましくは0.01〜5質量部である。
微細炭素繊維の配合割合を、黒鉛粉末100部に対して20部以上、特に30部以上の割合とすることにより、接着剤の保存安定性を向上させることができる。例えば、保管時に、接着剤中に人造黒鉛粉末の沈殿が生じると、使用時に撹拌しても分散性が不十分となって、接着性及び高周波適正等に問題が生じる恐れがあるが、微細炭素繊維を併用、特に上記の割合で併用すると、沈殿の発生を効果的に防止することができる。
図5は、本発明に好ましく用いられる高周波加熱装置を示す模式図である。
図5に示す高周波加熱装置4は、木質材の製造中間体1A(図示例は前述した集成材1の製造中間体)を載置する下側熱盤41(加圧台)と、公知の昇降機構により昇降して、下側熱盤41との間に挟んで製造中間体1Aを鉛直方向に加圧する上側熱盤42(鉛直方向加圧部材)と、公知の駆動機構により一方又は双方が水平方向に移動し、製造中間体1Aを水平方向に加圧する水平加圧部材43,44と、下側熱盤41及び上側熱盤42のそれぞれに高周波絶縁体(図示せず)を介して取り付けられた金属板からなる一対の電極45,46と、電極45,46と電気的に接続され、電極45,46間に高周波電圧を印加する公知の高周波電源(図示せず)を備えている。
なお、高周波絶縁体としては、各種公知のものを用いることができ、例えば、シート状のもの、特公平4−79282号公報に記載の盤状の高周波絶縁体、特開平9−289078号公報に記載の高周波絶縁構造等を用いることができる。なお、図5には、前述した集成材1の製造中間体1Aを下側熱盤41上に1本のみ配置し、その1本のみに高周波プレスを施す様子を示したが、下側熱盤41上に製造中間体1Aを2本、あるいは3本以上並べて配置し、それらに同時に高周波プレスを施しても良い。
すなわち、高周波電圧の印加時間が現行と同じ場合、印加エネルギーを下げることができ、省エネルギー化が可能となり環境に配慮した製造が可能となる。また、高周波の印加エネルギーが現行と同じ場合、硬化時間を短縮することができ、省エネルギー化と木質材の生産性を同時に向上させることができる。更に、黒鉛粉末は接着剤への硬化促進剤ではないため、接着剤の可使用時間への影響もないか殆ど無い。
300MHz超の帯域は、マイクロ波とも呼ばれ、製造中間体の厚みが厚い場合に、電極の近くのみが加熱されるため、接合面に存在する接着剤を万遍なく加熱する観点からは300kHz〜300MHzであることが好ましい。
なお、製造中間体を挟んだ状態の電極45,46間の距離は、特に制限されるものではないが、例えば3〜60cmとすることができ、5〜18cm程度とすることが好ましい。
杉(スギ)から得たラミナ(厚さ27mm×幅109mm×長さ400mmの無垢材)を、ラミナ間に接着剤を介在させて4枚重ね、構造用集成材製造用の4プライのラミナ積層体(製造中間体:厚さ108mm×幅109mm×長さ400mm)を得た。
接着剤は、アイカ工業株式会社製のレゾルシノール樹脂接着剤を用いた。接着剤は、互いに接合されるラミナの相対向する2面のうちの片面の全体に塗布し、その塗布量は210g/m2とした。
そして、前記両位置P1,P2における接着剤の温度が共に70℃に達したことを目安に、高周波の印加を停止した。高周波出力の印加中、電極45,46(熱盤41,42)の温度は80℃に維持した。
表1に、高周波の印加開始から、両位置P1,P2における接着剤の温度が共に70℃に達するまでの高周波の印加時間を示した。
比較例1で用いた接着剤に代えて、比較例1で用いたレゾルシノール樹脂接着剤の主剤100部に、微細炭素繊維(昭和電工株式会社製のカーボンナノチューブ「VGCF−H」,繊維径150nm)及び比較例1で用いた硬化剤30部を混合して得た接着剤を用いた以外は、比較例1と同様にして集成材を製造した。
微細炭素繊維の配合量は、接着剤の主剤に対する微細炭素繊維の割合(以下、微細炭素繊維の濃度ともいう)が0.195%となるようにした。
微細炭素繊維の濃度(%)は、下記式(1)で求められる。
微細炭素繊維の濃度(%)=(微細炭素繊維の質量(g)/微細炭素繊維の質量と接着剤の主剤の質量との合計(g)) ×100 ・・・(1)
微細炭素繊維の質量(後述する黒鉛粉末の質量も同様)は、乾燥状態の質量である。
比較例1で用いた接着剤に代えて、比較例1で用いたレゾルシノール樹脂接着剤の主剤100部に、下記の黒鉛A及び比較例1で用いた硬化剤30部を混合して得た接着剤を用いた以外は、比較例1と同様にして集成材を製造した。
黒鉛A:昭和電工株式会社製の人造黒鉛粉末「UF−G30」(平均粒径10.5μm)
人造黒鉛粉末の配合(混合)量は、接着剤の主剤に対する人造黒鉛粉末の割合(以下、人造黒鉛粉末の濃度ともいう)が0.5%となるようにした。
人造黒鉛粉末の濃度(%)は、下記式(2)で求められる。
人造黒鉛粉末の濃度(%)=(人造黒鉛粉末の質量(g)/人造黒鉛粉末の質量と接着剤の主剤の質量との合計(g)) ×100 ・・・(2)
実施例1において、黒鉛Aの代わりに下記の黒鉛Bを用いた以外は、実施例1と同様にして集成材を得た。
黒鉛B:昭和電工株式会社製の人造黒鉛粉末「UF−G10」(平均粒径4.5μm)
比較例1で用いた接着剤に代えて、比較例1で用いたレゾルシノール樹脂接着剤の主剤100部に、比較例2で用いた微細炭素繊維と、実施例1で用いた黒鉛Aと、比較例1で用いた硬化剤30部を混合して得た接着剤を用いた以外は、比較例1と同様にして集成材を得た。
微細炭素繊維の配合量は、接着剤の主剤に対する微細炭素繊維の配合割合(微細炭素繊維の濃度)が0.156%となるようにし、人造黒鉛粉末の配合量は、接着剤の主剤に対する人造黒鉛粉末の配合割合(人造黒鉛粉末の濃度)が0.4%となるようにした。
比較例2及び実施例1〜3についても、比較例1と同様に、高周波の印加開始から、両位置P1,P2における接着剤の温度が共に70℃に達するまでの高周波の印加時間を計測した。
表1に示す結果によれば、接着剤に、人造黒鉛粉末を配合すること(実施例1〜3)で、人造黒鉛粉末を配合しない標準仕様の場合(比較例1)に比して、印加時間が大幅に短縮されている。このことから、本発明によれば、必要な接着強度を確保しつつ高周波プレスに要する時間を短縮することができることでき、木質材の生産性を向上させることができることが判る。また、微細炭素繊維に比して、人造黒鉛の価格は安く、高周波出力の増大も不要であるため、生産コストの抑制も可能である。
また、接着剤に、微細炭素繊維と共に人造黒鉛粉末を配合すること(実施例3)、あるいは、微細炭素繊維を配合せずに人造黒鉛粉末を配合すること(実施例1,2)で、人造黒鉛と比較して高価な微細炭素繊維の使用量を減らすことができ、高周波プレスに要する時間を短縮しつつ、集成材の製造コストを抑制することもできる。
〔サンプル3の調製〕
住友林業クレスト株式会社製のレゾルシノール樹脂接着剤の主剤に、比較例2に用いた微細炭素繊維及び実施例1に用いた前記黒鉛Aを添加し、攪拌機(EYELA 東京理化機器株式会社製)を用いて3〜6時間混合して接着剤を得た。
接着剤中の微細炭素繊維及び人造黒鉛粉末の配合量は、接着剤の主剤全量に対する微細炭素繊維及び人造黒鉛粉末それぞれの配合割合(濃度)が、順に1.95%及び5.0%となるようにした。
接着剤の主剤に対する微細炭素繊維及び人造黒鉛粉末の配合割合(濃度)が、表2に示す値となるように、微細炭素繊維及び/又は人造黒鉛粉末の添加量を変える以外は、サンプル3と同様にして接着剤を調整した。
試験例1〜6で得られた接着剤を、それぞれ、40°Cの条件で静置し、開始日及び開始日から所定の日数経過後に、粘度及び添加剤の沈殿状況を確認した。沈殿状況は、沈殿の有無や量を目視観察し、次の評価基準「○:沈殿が認められない。△:沈殿が僅かに認められる。×:沈殿がある。」で評価した。その結果を表2に示した。
なお、サンプル1は、微細炭素繊維及び人造黒鉛粉末をいずれも含まずに、高周波の印加時間の短縮効果が得られないものであり、サンプル2は、微細炭素繊維のみを含むものであり、沈殿は生じ難いものの、使用する微細炭素繊維自体が人造黒鉛粉末に比して大幅に高価である点で不利である。
1A 積層体(製造中間体)
11 ラミナ
2 エンドグレインパネル(集成材,木質材)
21 ブロック状の小片
21a,21b 木口面
3 単板積層材(木質材)
31 単板
10 直交集成板
12 ラミナ
13 平行層
14 直交層
X’ 強軸方向(長手方向)
Y’ 弱軸方向(幅方向)
M 内層
S 外層
4 高周波加熱装置
41 下側熱盤
42 上側熱盤
43,44 水平加圧部材
45,46 電極
Claims (6)
- 接着剤を含む製造中間体を一対の電極間に挟み、該電極間に高周波電圧を印加して前記接着剤を加熱することにより、構成要素が前記接着剤によって結合した木質材を得る木質材の製造方法であって、
前記接着剤として、黒鉛粉末を配合した接着剤を用いることを特徴とする木質材の製造方法。 - 前記黒鉛粉末の平均粒径が0.1〜250μmである、請求項1に記載の木質材の製造方法。
- 前記接着剤として、前記黒鉛粉末及び微細炭素繊維を配合した接着剤を用いる、請求項1又は2に記載の木質材の製造方法。
- 前記微細炭素繊維の配合割合が、前記黒鉛粉末100質量部に対して20質量部以上200質量部以下の割合である、請求項3に記載の木質材の製造方法。
- 前記木質材が、集成材、直交集成板又は単板積層材であり、構成要素であるラミナ、ブロック状の小片又は単板を含む製造中間体を、構成要素の接着面が前記電極の面に対して垂直又は平行となるように配して、前記電極間に前記高周波電圧を印加することを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の木質材の製造方法。
- 前記集成材が、複数枚のラミナが積層接着されてなる集成材である、請求項1〜5の何れか1項に記載の木質材の製造方法。
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