JP2017030311A - 木質材の製造方法 - Google Patents

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康博 井手
弘之 石垣
Hiroyuki Ishigaki
弘之 石垣
敬明 樋口
Takaaki Higuchi
敬明 樋口
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Abstract

【課題】必要な接着強度を確保しつつ高周波プレスに要する時間を大幅に短縮して、木質材の生産性を向上させることができ、また微細炭素繊維、特にカーボンナノチューブを使用しないか又は使用量の抑制が可能である木質材の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の木質材の製造方法は、接着剤を含む製造中間体1Aを一対の電極45,46間に挟み、該電極45,46間に高周波電圧を印加して接着剤を加熱することにより、構成要素11が接着剤によって結合した木質材を得る木質材の製造方法であって、前記接着剤として、黒鉛粉末を配合した接着剤を用いることを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、木質材の製造方法に関する。
木質材を短時間で製造するために高周波プレスを用いる方法が知られている。その方法においては、接着剤として、常温プレスで用いられるものと同等のものが使用されている。高周波プレスを用いる木質材の製造工程においては、高周波の印加時間が生産性を大きく左右する因子である。
本出願人は、先に高周波の印加時間を短縮可能な技術として、接着剤に、微細炭素繊維を配合することを提案した(特許文献1参照)。
また、集成材の製造において、接着剤にススを添加して高周波加熱する方法も知られている(特許文献2参照)。
特開2013−158988号公報 特開2009−197189号公報
特許文献1に提案した技術によれば、高周波の印加時間の短縮が可能であるが、更なる生産性の向上が求められている。また、微細炭素繊維、特にカーボンナノチューブは高価であるため、微細炭素繊維を使用しない技術、あるいは微細炭素繊維の使用量を抑制する技術も要求される。特許文献2の技術は、ススがどのような性状のものか不明である。
本発明の目的は、高周波の印加時間及び/又は印加エネルギーを減らして、木質材の生産性を向上させることのできる木質材の製造方法であって、微細炭素繊維、特にカーボンナノチューブを使用しないか又はその使用量を抑制可能な木質材の製造方法を提供することにある。
本発明は、接着剤を含む製造中間体を一対の電極間に挟み、該電極間に高周波電圧を印加して前記接着剤を加熱することにより、構成要素が前記接着剤によって結合した木質材を得る木質材の製造方法であって、前記接着剤として、黒鉛粉末を配合した接着剤を用いることを特徴とする木質材の製造方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明の木質材の製造方法によれば、必要な接着強度を確保しつつ高周波プレスに要する時間を大幅に短縮可能であり、木質材の生産性を向上させることができる。また、黒鉛粉末を用いることにより、微細炭素繊維、特にカーボンナノチューブを、使用しないか又は使用量の抑制が可能である。
図1は、本発明で製造する集成材の一例を示す斜視図である。 図2は、本発明で製造する集成材の他の一例であるエンドグレインパネルを示す斜視図である。 図3(a)は、本発明で製造する直交集成板の一例を示す斜視図であり、図3(b)及び図3(c)は、直交集成板を構成するラミナの一例を示す斜視図である。 図4は、本発明で製造する木質材の他の一例である単板積層材(LVL)を示す斜視図である。 図5は、本発明の実施に好ましく用いられる高周波加熱装置を示す概略図である。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明で製造する木質材としては、(1)集成材、(2)直交集成板、(3)単板積層材(LVL)、(4)合板、(5)パーティクルボード(PB)、(6)ファイバーボード(MDF等)、(7)OSB(Oriented Strand Board)等が挙げられる。木質材は、木材に由来する構成要素どうしを結合して得られるものである。
(1)集成材
集成材としては、ひき板、小角材等をその繊維方向を互いにほぼ平行にして、厚さ、幅及び長さ方向に集成接着してなるものや、ひき板、小角材等を、それらの繊維方向を長手方向とほぼ平行にして、厚さ方向、又は厚さ方向及び幅方向に集成接着してなるものが挙げられる。
図1に示す集成材1は、本発明で製造する集成材(木質材)の一例であり、一方向Xに長い形状を有する軸材である。集成材1は、積層された複数枚のラミナ11が、ラミナ間に配された接着剤(図示せず)を介して一体化されてなる。集成材1の各層を構成するラミナ11は、長手方向Xの長さが短い小ラミナをフィンガージョイント等の接合方法で長手方向Xに継いだものであっても良い。
集成材1の各層を構成するラミナ11の厚み(Z方向の長さ)は、例えば、5〜150mmとすることができ、集成材1のラミナの積層数は、例えば、2〜30層とすることができ、3〜20層であることが好ましい。
集成材1は、造作用でも構造用でも良い。構造用の集成材は、例えば、木造住宅等の木造建築物の柱や梁、桁、土台等に用いられる。構造用の集成材は、短辺(横断面における短い辺)が15cm以上、断面積が300cm2以上の大断面集成材であっても良いし、短辺が7.5cm以上、長辺(横断面における長い辺)が15cm以上(但し大断面集成材を除く)の中断面集成材であっても良いし、短辺が7.5cm未満又は長辺が15cm未満の小断面集成材であっても良い。
集成材の構成要素であるラミナを得る木材の樹種としては、従来、集成材の製造に用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。
本発明における集成材には、図1に示すような、複数枚のラミナ11が積層接着されてなる集成材1の他、図2に示すように、ひき板や小角材等から得たブロック状の小片21を、それぞれの両木口面21a,21bがパネルの上下面2a,2bを形成するように集成接着してなるエンドグレインパネル2も含まれる。ひき板、小角材等から得たブロック状の小片を、相互間に接着剤を介在させてパネル状に並べたものがエンドグレインパネルの製造中間体である。
(2)直交集成板
直交集成板は、ひき板又は小角材をその繊維方向を互いにほぼ平行にして幅方向に並べ又は接着したものを、主としてその繊維方向を互いにほぼ直角にして積層接着し3層以上の構造を持たせたものが挙げられる。ひき板及び小角材には、これらをその繊維方向を互いにほぼ平行にして長手方向に接合接着して調製したものも含まれる。
図3(a)に示す直交集成板10は、本発明で製造する直交集成板の一例である。直交集成板10は、積層された複数枚のラミナ12が、ラミナ間に配された接着剤(図示せず)を介して一体化されてなる。直交集成板10の各層を構成するラミナ12としては、ひき板をその繊維方向を互いにほぼ平行にして長さ方向に接着接合して調整したもの(図示せず)、小角材をその繊維方向を互いにほぼ平行にして幅方向に接着したもの〔図3(b)参照〕及びそれをさらに長さ方向に接着接合したもの(図示せず)が挙げられる。直交集成板10を構成する異なる層に、互いに異なる構成のラミナを使用しても良いし、直交集成板10の一つの層中に、異なる構成のラミナを混在させても良い。図3(c)に、ラミナ12として使用し得る単一のひき板からなるラミナを示す。
図3(a)に示す直交集成板10は、強軸方向(長手方向)X’及び弱軸方向(幅方向)Y’を有し、直交集成板10を構成する層として、複数本のラミナ12が、該ラミナを構成するひき板又は小角材の繊維方向が強軸方向X’に沿うように配置された平行層13と、複数本のラミナ12が、該ラミナを構成するひき板又は小角材の繊維方向が弱強方向Y’に沿うように配置された直交層14とを有し、厚み方向の中央に、平行層13と直交層14とが3層交互に配置された内層Mを有し、厚み方向における内層Mの上下それぞれに2層の平行層13からなる外層Sを有している。
直交集成板10の各層を構成するラミナの厚みは、例えば、5〜60mmとすることができ、直交集成板10のラミナの積層数は、平行層13及び直交層14の合計で、例えば、3〜30層とすることができ、3〜20層であることが好ましい。
(3)単板積層材
単板積層材(LVL)は、ロータリーレースやスライサーその他の切削機械により木材を切削して得た単板を、主としてその繊維方向を互いにほぼ平行にして積層接着して得られる木質材である。
図4に示す単板積層材3は、本発明で製造する木質材の他の一例であり、一方向Xに長い形状を有する軸材である。単板積層材3は、厚み方向Zに積層された総ての層の単板について繊維の配向方向が揃っていることが好ましいが、厚み方向の一部(例えば、表裏面それぞれから2番目の層)に、繊維の配向方向が他の層と直交する層を有していても良い。但し、繊維の配向方向が他の層と直交する単板の合計厚さは、単板積層材の全体の厚さの20%以下であり、かつ、当該単板の枚数の構成比が30%以下であることが好ましい。また、厚み方向の中央部に、繊維方向を平行にして積層された複数の単板からなるコア部を有することが好ましく、該コア部を構成する単板の積層数は、単板積層材の単板の全積層数の半分以上であることが好ましい。単板積層材も、造作用でも構造用でも良い。
単板積層材の厚み方向Zの単板の積層数は、例えば、4〜60層とすることができ、8〜50層であることが好ましい。
単板積層材の構成要素である単板を得る木材の樹種としては、従来、単板積層材の製造に用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。
(4)合板
合板は、ロータリーレースやスライサーその他の切削機械により木材を切削して得た単板を、繊維方向が互い違いとなるように積層接着して得られる木質材であり、層間が接着剤を介して接合されている。合板は、厚み方向の一部に、繊維の配向方向を揃えた2層又は3層の単板が存在するようなものであってもよい。
木質材として、前述した集成材、直交集成板、単板積層材及び合板を製造する場合、総ての層間又は一部の層間の接着に用いる接着剤として、黒鉛粉末配合の接着剤を用いる。好ましくは総ての層間の接着に用いる接着剤として、黒鉛粉末配合の接着剤を用いる。また、集成材又は直交修正板を製造する場合、ひき板、小角材等を相互間に接着剤を介在させて所定形状に並べたものが製造中間体である。単板積層材又は合板を製造する場合、単板を相互間に接着剤を介在させて積層したものが製造中間体である。
(5)パーティクルボード
パーティクルボードは、木材の切削や破砕等により得た小片(エレメント)を接着剤と共に混合してマット状としたのもの(製造中間体)を圧締して得られる木質ボードであり、エレメントどうしを結合するバインダーとして接着剤が用いられる。
(6)ファイバーボード
ファイバーボードは、木材の蒸射・解繊等により得た木材繊維(エレメント)を接着剤と混合してマット状としたもの(製造中間体)を圧締して得られる木質ボードであり、エレメントどうしを結合するバインダーとして接着剤が用いられる。ファイバーボードとしては、MDF(中密度繊維板)、やハードボード(HB)、インシュレーションボードが挙げられるが、本発明は、乾式でフォーミングするパーティクルボードやMDFの製造に適している。製造中間体は乾式フォーミングにより得られたものであることが好ましい。
(7)OSB
OSB(Oriented Strand Board)は、薄い削片状にした原料のエレメントを配向させて積層、接着したものである。エレメントは、パーティクルボードに用いられるものより面積が大きく薄い形状をしており木材の異方性をより多く残している。
木質材として、パーティクルボード、ファイバーボード及びOSBを製造する場合、エレメント(構成要素)どうしを結合させる接着剤として、黒鉛粉末配合の接着剤を用いる。
次に、本発明で用いる接着剤について説明する。
本発明で用いる接着剤は、黒鉛粉末を配合した接着剤である。
黒鉛粉末は、炭素原子が六角網状平面(グラフェン)が規則性を持って積層した層状の結晶構造を有する。黒鉛の同素体としては、カーボンナノチューブが挙げられるが、カーボンナノチューブは炭素原子の六角網状平面(グラフェン)シートが継ぎ目のないよう、同軸円筒状に丸められたチューブ状の結晶構造であり、六角網状平面(グラフェン)が積層した結晶構造である黒鉛とは異なるものである。
黒鉛粉末は、人造黒鉛の粉末を用いることが好ましい。
人造黒鉛の粉末を用いることが好ましい理由は、例えば、天然黒鉛に比べ、同素体などの不純物が少なく、電気抵抗が小さいことや、人工的に作られるため品質が安定することなどである。
また、鱗状黒鉛や土状黒鉛等を含む天然黒鉛を人造黒鉛と組み合わせ使用しても良い。
人造黒鉛の粉末は、例えば、石炭コークスを粉砕し、バインダーピッチ(結合材)を加えて、押出成形、型押成形、CIP成形等により成形し、1000〜1200℃の温度で1次焼成した後、更に2700〜3000℃の温度で加熱処理して得た人造黒鉛を粉砕して得られる。人造黒鉛の粉末は、その粉砕物から篩で分画して所定範囲の粒径のものを用いることが好ましい。人造黒鉛の粉末は、このように、2500℃以上3500℃以下の温度、特に2700℃以上3100℃以下の温度の加熱処理を経て得られたものであることが好ましい。
使用する黒鉛粉末は、その平均粒径が、0.1〜250μmであることが好ましく、より好ましくは3〜80μmであり、更に好ましくは3〜20μmである。
粒径を250μm以下とすることにより、粉末が接着剤塗膜表面に異物として出現して接着不良の原因となることを効果的に防止することができる。
黒鉛粉末を配合した接着剤は、木質材の製造に従来用いられている各種公知の接着剤に対して黒鉛粉末を配合(添加等)することにより得られる。
黒鉛粉末を配合する接着剤としては、例えば、水性高分子−イソシアネート系接着剤、レゾルシノール樹脂接着剤、レゾルシノール・フェノール樹脂接着剤、メラミン樹脂接着剤、メラミンユリア樹脂接着剤、変性酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤、スチレン・ブタジエン樹脂系ラテックス、アクリルスチレン樹脂系エマルジョン形接着剤、アクリル樹脂系エマルジョン形接着剤、エチレン酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤等が挙げられる。これらのなかでも、集成材の日本農林規格に例示されている点等から、水性高分子−イソシアネート系接着剤、レゾルシノール樹脂接着剤又はレゾルシノール・フェノール樹脂接着剤が好ましい。
水性高分子−イソシアネート系接着剤は、典型的には、各種親水性高分子の水溶液又はエマルジョン溶液(主剤)と、硬化剤としてのイソシアネート化合物を主成分とする二液型の接着剤である。黒鉛粉末は、主剤に配合しておいても良いし、硬化剤を含む液に配合しておいても良いが、主剤に配合しておくことが、分散性、ポットライフ、混合時の簡易さ等の点から好ましい。また、主剤と硬化剤を混合する際に黒鉛粉末を配合しても良い。
水性高分子−イソシアネート系接着剤、レゾルシノール樹脂接着剤、及びレゾルシノール・フェノール樹脂接着剤としては、集成材の日本農林規格に記載されているもの等、従来、集成材や単板積層材等の木質材の製造に用いられているものを特に制限なく用いることができる。
水性高分子−イソシアネート系接着剤に黒鉛粉末を配合する場合、黒鉛粉末の配合量は、全成分配合後の濃度(黒鉛粉末含有接着剤中の濃度)が、20質量%以下であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましい。
また、黒鉛粉末を主剤に混合する場合、水性高分子イソシアネート系接着剤の主剤100質量部に対して、黒鉛粉末30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜10質量部であり、更に好ましくは0.01〜5質量部である。
レゾルシノール樹脂接着剤又はレゾルシノール・フェノール樹脂接着剤に黒鉛粉末を配合する場合、黒鉛粉末の配合量は、全成分配合後の濃度(黒鉛粉末含有接着剤中の濃度)が20質量%以下であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましい。
また、黒鉛粉末を主剤に混合する場合、レゾルシノール樹脂接着剤又はレゾルシノール・フェノール樹脂接着剤の主剤100質量部に対して、黒鉛粉末30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜10質量部であり、更に好ましくは0.01〜5質量部である。
黒鉛粉末を配合する接着剤には、必要に応じ、その接着剤に従来配合されている各種公知の成分、例えば硬化促進剤、増粘剤、減粘剤、分散剤、増量剤、防虫剤、着色剤等の各種添加剤を配合することもできる。
本発明で用いる接着剤は、前述した黒鉛粉末に加えて微細炭素繊維を配合したものであっても良い。黒鉛粉末に加えて微細炭素繊維を配合することにより、接着剤の保存安定性を向上させることができる。
微細炭素繊維は、その外径が、200nm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5〜150nmのものである。微細炭素繊維は、カーボンナノチューブであることが好ましい。カーボンナノチューブは、炭素原子の六角網状平面(グラフェン)シートが継ぎ目のないよう、同軸円筒状に丸められたチューブ状の構造を有する。同軸円筒状に丸められた六角網状平面(グラフェン)シートは単層、二層又は多層である。
微細炭素繊維は、単層、二層又は多層の微細炭素繊維であり、これらの2種以上を併用することもできる。好ましくは、多層の微細炭素繊維が用いられる。微細炭素繊維の製造方法に関しては、特に限定されないが、触媒を用いる気相成長法、アーク放電法、レーザー蒸発法およびHiPco法(High−pressure carbon monoxide process)等、従来公知のいずれの製造方法も用いることができる。
好ましい微細炭素繊維やその製造方法等は、特開2013−158988号公報の段落〔0022〕〜〔0036〕に記載されている。しかし、本発明に使用し得る微細炭素繊維は、同公報に記載のものに制限されるものではない。
水性高分子−イソシアネート系接着剤に黒鉛粉末及び微細炭素繊維を配合する場合、微細炭素繊維の配合量は、全成分配合後の濃度(黒鉛粉末及び微細炭素繊維含有接着剤中の濃度)が、20質量%以下であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましい。
また、黒鉛粉末及び微細炭素繊維を主剤に混合する場合、水性高分子イソシアネート系接着剤の主剤100質量部に対して、微細炭素繊維30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜10質量部であり、更に好ましくは0.01〜5質量部である。
レゾルシノール樹脂接着剤又はレゾルシノール・フェノール樹脂接着剤に、黒鉛粉末及び微細炭素繊維を配合する場合、微細炭素繊維の配合量は、全成分配合後の濃度(黒鉛粉末及び微細炭素繊維含有接着剤中の濃度)が、20質量%以下であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましい。
また、微細炭素繊維を主剤に混合する場合、レゾルシノール樹脂接着剤又はレゾルシノール・フェノール樹脂接着剤の主剤100質量部に対して、微細炭素繊維30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜10質量部であり、更に好ましくは0.01〜5質量部である。
また、微細炭素繊維は、配合割合が、黒鉛粉末100部に対して20部以上の割合であることが好ましく、より好ましくは黒鉛粉末100部に対して30部以上の割合である。上限は特に制限されないが、高価な微細炭素繊維の使用量の抑制の観点から、黒鉛粉末100部に対して200部以下が好ましく、黒鉛粉末100部に対して100部以下がより好ましい。
微細炭素繊維の配合割合を、黒鉛粉末100部に対して20部以上、特に30部以上の割合とすることにより、接着剤の保存安定性を向上させることができる。例えば、保管時に、接着剤中に人造黒鉛粉末の沈殿が生じると、使用時に撹拌しても分散性が不十分となって、接着性及び高周波適正等に問題が生じる恐れがあるが、微細炭素繊維を併用、特に上記の割合で併用すると、沈殿の発生を効果的に防止することができる。
また、黒鉛粉末及び微細炭素繊維を主剤に混合する場合、レゾルシノール樹脂接着剤又はレゾルシノール・フェノール樹脂接着剤の主剤100質量部に対して、微細炭素繊維黒鉛粉末及び微細炭素繊維の合計配合量は30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜10質量部であり、更に好ましくは0.01〜5質量部である。
本発明においては、黒鉛粉末を配合する接着剤を介在させて構成要素を積層したり、所定形状に纏めたりした製造中間体を一対の電極間に挟み、該電極間に高周波電圧を印加して前記接着剤を加熱することにより、構成要素が前記接着剤によって結合した木質材を得る。
図5は、本発明に好ましく用いられる高周波加熱装置を示す模式図である。
図5に示す高周波加熱装置4は、木質材の製造中間体1A(図示例は前述した集成材1の製造中間体)を載置する下側熱盤41(加圧台)と、公知の昇降機構により昇降して、下側熱盤41との間に挟んで製造中間体1Aを鉛直方向に加圧する上側熱盤42(鉛直方向加圧部材)と、公知の駆動機構により一方又は双方が水平方向に移動し、製造中間体1Aを水平方向に加圧する水平加圧部材43,44と、下側熱盤41及び上側熱盤42のそれぞれに高周波絶縁体(図示せず)を介して取り付けられた金属板からなる一対の電極45,46と、電極45,46と電気的に接続され、電極45,46間に高周波電圧を印加する公知の高周波電源(図示せず)を備えている。
電極45,46は、電極45(下部電極)をアース側、電極46(上部電極)をホット側として、高周波電源に接続してある。
なお、高周波絶縁体としては、各種公知のものを用いることができ、例えば、シート状のもの、特公平4−79282号公報に記載の盤状の高周波絶縁体、特開平9−289078号公報に記載の高周波絶縁構造等を用いることができる。なお、図5には、前述した集成材1の製造中間体1Aを下側熱盤41上に1本のみ配置し、その1本のみに高周波プレスを施す様子を示したが、下側熱盤41上に製造中間体1Aを2本、あるいは3本以上並べて配置し、それらに同時に高周波プレスを施しても良い。
木質材の製造中間体を高周波加熱する場合(特に木質材が集成材又は単板積層材である場合)、構成要素であるラミナ11、ブロック状の小片21(図2参照)又は単板31(図3参照)を含む製造中間体1Aを、図5に示すように、構成要素11の接着面(互いに接着される面)12が前記電極45,46の面に対して垂直となるように配して、電極45,46間に高周波電圧を印加することが、接着面に存在する接着剤を接着面の全域に亘って万遍なく加熱する観点から好ましい。しかし、面材として使用される単板積層材や合板を製造する場合には、接着面が前記電極の面に対して平行に配しても構わない。また直交集成板は軸材でも面材でも良い。面材である直交集成板を製造する場合は、厚み方向に積層する層間に、黒鉛粉末入りの接着剤を配してその接着面を前記電極の面に対して平行とすることも好ましい。
黒鉛粉末を配合した接着剤を含む製造中間体を挟んだ状態で電極45,46間に高周波電圧を印加することにより、黒鉛粉末を配合した接着剤が加熱され、それにより、接着剤の硬化が促進され、ラミナ11等の構成要素が該接着剤によって結合した集成材1(木質材)が得られる。
本発明においては、構成要素どうしを結合させる接着剤に黒鉛粉末を配合しているため、高周波を選択的に吸収する黒鉛粉末が電波を吸収し、そのエネルギーを熱変換するため、ミクロ的視点から解説すると黒鉛粉末周辺の接着剤部が選択的に加温され、その結果、接着剤部全体が選択的に加熱促進される状態になるため、高周波電圧の印加時間及び/又は印加エネルギーを減らすことができる。
すなわち、高周波電圧の印加時間が現行と同じ場合、印加エネルギーを下げることができ、省エネルギー化が可能となり環境に配慮した製造が可能となる。また、高周波の印加エネルギーが現行と同じ場合、硬化時間を短縮することができ、省エネルギー化と木質材の生産性を同時に向上させることができる。更に、黒鉛粉末は接着剤への硬化促進剤ではないため、接着剤の可使用時間への影響もないか殆ど無い。
印加する電波の周波数は、300kHz〜3MHzの中波、3MHz〜30MHzの短波、30MHz〜300MHzの超短波、又は300MHz〜3000MHzの極超短波であることが好ましく、より好ましくは300kHz〜300MHzであり、更に好ましくは1MHz〜300MHzであり、とりわけ好ましくは3MHz〜300MHzである。ISMバンドで言えば、13.56MHz±7kHz、27.12MHz±163kHz、40.68MHz±20kHz、及び915MHz±13MHzであることが好ましく、前3者であることがより好ましい。
300MHz超の帯域は、マイクロ波とも呼ばれ、製造中間体の厚みが厚い場合に、電極の近くのみが加熱されるため、接合面に存在する接着剤を万遍なく加熱する観点からは300kHz〜300MHzであることが好ましい。
製造中間体1Aを高周波で加熱する場合、電極45,46のそれぞれを加熱し、加熱された電極45,46による外部加熱と、高周波による誘電及び/又は抵抗加熱による内部加熱とを併用することが、接着面に存在する接着剤を該接合面の全域に亘って万遍なく加熱する観点等から好ましい。図5に示す高周波加熱装置4においては、下側熱盤41及び上側熱盤42が、電熱ヒーター、蒸気の流通管等の公知の加熱手段を備えることで、電極45,46を所定温度に加熱可能になっている。
電極45,46を加熱する場合、その加熱温度は、35〜120℃であることが好ましく、40〜110℃であることがより好ましい。また、接着剤の種類に応じて、その接着剤が硬化する温度付近の温度に加熱することも好ましく、例えば、接着剤が、水性高分子−イソシアネート系接着剤の場合の加熱温度は、35〜60℃、特に40〜60℃であることが好ましく、レゾルシノール系接着剤の場合の加熱温度は、60〜120℃、特に80〜110℃であることが好ましい。レゾルシノール・フェノール樹脂接着剤の場合の加熱温度は、60〜120℃、特に80〜110℃であることが好ましい。
また、黒鉛粉末の配合量が多くなると電極45,46間の中央部付近の温度の上昇速度が相対的に高くなる傾向がある。そのため、黒鉛粉末の配合量は、接着剤の種類や塗布量に応じて、接着面と平行な方向に接着剤の温度むらができるだけ生じないように決定することが好ましい。そのためには、後述する実施例におけるように、接着剤の温度を電極45又は46からの距離が異なる複数箇所で測定し、接着剤の温度むらができるだけ生じないような配合量に決定することが好ましい。
なお、製造中間体を挟んだ状態の電極45,46間の距離は、特に制限されるものではないが、例えば3〜60cmとすることができ、5〜18cm程度とすることが好ましい。
図5に示す高周波加熱装置4で、高周波加熱して得られる集成材は、高周波の印加終了後にただちに解圧して取り出すことが生産性の観点からは好ましいが、熱硬化性樹脂ではない水性高分子−イソシアネート系接着剤等の場合には、数分間(例えば2分間)、養生(放置)して接着剤の温度をやや低下させてから解圧することが、構成要素間の剥離を防止する観点から好ましい。高周波加熱装置4から取り出した木質材は、プレーナー等で所定寸法の木質材に仕上げることが好ましい。
なお、黒鉛粉末を配合した接着剤を、ラミナ、単板等の木質材の構成要素に塗布する方法としては、各種公知の塗布方法を特に制限なく用いることができるが、例えば、ハケ、ブラシ、ハンドローラーによる塗布、ロールコーター、ロールスプレッダーによる塗布、ツルーダーによる塗布、エアースプレー、エアレススプレー、低圧霧化スプレーによる塗布、バーコーダー法による塗布、スピンコーター、ディップコーターを用いた塗布等が挙げられる。
次に、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。以下の説明において、特に断らない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を意味する。
〔比較例1〕
杉(スギ)から得たラミナ(厚さ27mm×幅109mm×長さ400mmの無垢材)を、ラミナ間に接着剤を介在させて4枚重ね、構造用集成材製造用の4プライのラミナ積層体(製造中間体:厚さ108mm×幅109mm×長さ400mm)を得た。
接着剤は、アイカ工業株式会社製のレゾルシノール樹脂接着剤を用いた。接着剤は、互いに接合されるラミナの相対向する2面のうちの片面の全体に塗布し、その塗布量は210g/m2とした。
得られた4プライの積層体1A(製造中間体)を、図5に示す高周波加熱装置4の下側熱盤41上に、図5に示すように配置した。次いで、上側熱盤42を下降させて、積層体1Aにおける、ラミナ11どうしの接着面と平行な方向(図5中の上下方向)に0.2MPaの圧力を加えるとともに、水平加圧部材43,44により、積層体1Aにおける、ラミナ11の積層方向(図5中の左右方向)に0.7MPaの圧力を加えた。なお、電極45,46(熱盤41,42)は、積層体1Aを下側熱盤41に載せる前から80℃に加熱しておいた。また、積層体1Aには、木口面から光ファイバーセンサーを挿入しておき、長さ方向の端面からの距離が50mmの位置における、接着剤の温度の変化を記録した。光ファイバーセンサーの設置位置は、図5に示すように、電極45からの距離が、電極45,46間の距離の1/4となる位置P1及び電極45,46間の中央位置P2とした。
そして、その状態において、電極45,46間に高周波電圧を印加し、積層体1Aに13.56MHzの高周波を印加した。高周波出力は700Wとした。
そして、前記両位置P1,P2における接着剤の温度が共に70℃に達したことを目安に、高周波の印加を停止した。高周波出力の印加中、電極45,46(熱盤41,42)の温度は80℃に維持した。
表1に、高周波の印加開始から、両位置P1,P2における接着剤の温度が共に70℃に達するまでの高周波の印加時間を示した。
〔比較例2〕
比較例1で用いた接着剤に代えて、比較例1で用いたレゾルシノール樹脂接着剤の主剤100部に、微細炭素繊維(昭和電工株式会社製のカーボンナノチューブ「VGCF−H」,繊維径150nm)及び比較例1で用いた硬化剤30部を混合して得た接着剤を用いた以外は、比較例1と同様にして集成材を製造した。
微細炭素繊維の配合量は、接着剤の主剤に対する微細炭素繊維の割合(以下、微細炭素繊維の濃度ともいう)が0.195%となるようにした。
微細炭素繊維の濃度(%)は、下記式(1)で求められる。
微細炭素繊維の濃度(%)=(微細炭素繊維の質量(g)/微細炭素繊維の質量と接着剤の主剤の質量との合計(g)) ×100 ・・・(1)
微細炭素繊維の質量(後述する黒鉛粉末の質量も同様)は、乾燥状態の質量である。
〔実施例1〕
比較例1で用いた接着剤に代えて、比較例1で用いたレゾルシノール樹脂接着剤の主剤100部に、下記の黒鉛A及び比較例1で用いた硬化剤30部を混合して得た接着剤を用いた以外は、比較例1と同様にして集成材を製造した。
黒鉛A:昭和電工株式会社製の人造黒鉛粉末「UF−G30」(平均粒径10.5μm)
人造黒鉛粉末の配合(混合)量は、接着剤の主剤に対する人造黒鉛粉末の割合(以下、人造黒鉛粉末の濃度ともいう)が0.5%となるようにした。
人造黒鉛粉末の濃度(%)は、下記式(2)で求められる。
人造黒鉛粉末の濃度(%)=(人造黒鉛粉末の質量(g)/人造黒鉛粉末の質量と接着剤の主剤の質量との合計(g)) ×100 ・・・(2)
〔実施例2〕
実施例1において、黒鉛Aの代わりに下記の黒鉛Bを用いた以外は、実施例1と同様にして集成材を得た。
黒鉛B:昭和電工株式会社製の人造黒鉛粉末「UF−G10」(平均粒径4.5μm)
〔実施例3〕
比較例1で用いた接着剤に代えて、比較例1で用いたレゾルシノール樹脂接着剤の主剤100部に、比較例2で用いた微細炭素繊維と、実施例1で用いた黒鉛Aと、比較例1で用いた硬化剤30部を混合して得た接着剤を用いた以外は、比較例1と同様にして集成材を得た。
微細炭素繊維の配合量は、接着剤の主剤に対する微細炭素繊維の配合割合(微細炭素繊維の濃度)が0.156%となるようにし、人造黒鉛粉末の配合量は、接着剤の主剤に対する人造黒鉛粉末の配合割合(人造黒鉛粉末の濃度)が0.4%となるようにした。
比較例2及び実施例1〜3についても、比較例1と同様に、高周波の印加開始から、両位置P1,P2における接着剤の温度が共に70℃に達するまでの高周波の印加時間を計測した。
Figure 2017030311
また、比較例1,2及び実施例1〜3のそれぞれについて、操作を2回繰り返して2本の集成材を製造した(n=2)。表1には、高周波の印加時間の平均値を示した。
表1に示す結果によれば、接着剤に、人造黒鉛粉末を配合すること(実施例1〜3)で、人造黒鉛粉末を配合しない標準仕様の場合(比較例1)に比して、印加時間が大幅に短縮されている。このことから、本発明によれば、必要な接着強度を確保しつつ高周波プレスに要する時間を短縮することができることでき、木質材の生産性を向上させることができることが判る。また、微細炭素繊維に比して、人造黒鉛の価格は安く、高周波出力の増大も不要であるため、生産コストの抑制も可能である。
また、接着剤に、微細炭素繊維と共に人造黒鉛粉末を配合すること(実施例3)、あるいは、微細炭素繊維を配合せずに人造黒鉛粉末を配合すること(実施例1,2)で、人造黒鉛と比較して高価な微細炭素繊維の使用量を減らすことができ、高周波プレスに要する時間を短縮しつつ、集成材の製造コストを抑制することもできる。
〔接着剤の調製〕
〔サンプル3の調製〕
住友林業クレスト株式会社製のレゾルシノール樹脂接着剤の主剤に、比較例2に用いた微細炭素繊維及び実施例1に用いた前記黒鉛Aを添加し、攪拌機(EYELA 東京理化機器株式会社製)を用いて3〜6時間混合して接着剤を得た。
接着剤中の微細炭素繊維及び人造黒鉛粉末の配合量は、接着剤の主剤全量に対する微細炭素繊維及び人造黒鉛粉末それぞれの配合割合(濃度)が、順に1.95%及び5.0%となるようにした。
〔サンプル1,2,4〜6の調製〕
接着剤の主剤に対する微細炭素繊維及び人造黒鉛粉末の配合割合(濃度)が、表2に示す値となるように、微細炭素繊維及び/又は人造黒鉛粉末の添加量を変える以外は、サンプル3と同様にして接着剤を調整した。
〔接着剤の保存安定性の評価〕
試験例1〜6で得られた接着剤を、それぞれ、40°Cの条件で静置し、開始日及び開始日から所定の日数経過後に、粘度及び添加剤の沈殿状況を確認した。沈殿状況は、沈殿の有無や量を目視観察し、次の評価基準「○:沈殿が認められない。△:沈殿が僅かに認められる。×:沈殿がある。」で評価した。その結果を表2に示した。
Figure 2017030311
表2に示す結果から、接着剤に人造黒鉛粉末を配合すること(サンプル6)で、沈殿が生じ易くなるが、人造黒鉛粉末に加えて微細炭素繊維を配合すること(サンプル3〜5)で、その沈殿の生成が抑制されることができることが判る。また、人造黒鉛粉末100部に対して微細炭素繊維を20部以上、特に30部以上の割合で配合することが好ましいことが判る。
なお、サンプル1は、微細炭素繊維及び人造黒鉛粉末をいずれも含まずに、高周波の印加時間の短縮効果が得られないものであり、サンプル2は、微細炭素繊維のみを含むものであり、沈殿は生じ難いものの、使用する微細炭素繊維自体が人造黒鉛粉末に比して大幅に高価である点で不利である。
1 集成材(木質材)
1A 積層体(製造中間体)
11 ラミナ
2 エンドグレインパネル(集成材,木質材)
21 ブロック状の小片
21a,21b 木口面
3 単板積層材(木質材)
31 単板
10 直交集成板
12 ラミナ
13 平行層
14 直交層
X’ 強軸方向(長手方向)
Y’ 弱軸方向(幅方向)
M 内層
S 外層
4 高周波加熱装置
41 下側熱盤
42 上側熱盤
43,44 水平加圧部材
45,46 電極

Claims (6)

  1. 接着剤を含む製造中間体を一対の電極間に挟み、該電極間に高周波電圧を印加して前記接着剤を加熱することにより、構成要素が前記接着剤によって結合した木質材を得る木質材の製造方法であって、
    前記接着剤として、黒鉛粉末を配合した接着剤を用いることを特徴とする木質材の製造方法。
  2. 前記黒鉛粉末の平均粒径が0.1〜250μmである、請求項1に記載の木質材の製造方法。
  3. 前記接着剤として、前記黒鉛粉末及び微細炭素繊維を配合した接着剤を用いる、請求項1又は2に記載の木質材の製造方法。
  4. 前記微細炭素繊維の配合割合が、前記黒鉛粉末100質量部に対して20質量部以上200質量部以下の割合である、請求項3に記載の木質材の製造方法。
  5. 前記木質材が、集成材、直交集成板又は単板積層材であり、構成要素であるラミナ、ブロック状の小片又は単板を含む製造中間体を、構成要素の接着面が前記電極の面に対して垂直又は平行となるように配して、前記電極間に前記高周波電圧を印加することを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の木質材の製造方法。
  6. 前記集成材が、複数枚のラミナが積層接着されてなる集成材である、請求項1〜5の何れか1項に記載の木質材の製造方法。
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