JP2017030141A - 穴あけ工具及び導電性加工物の機械加工方法 - Google Patents

穴あけ工具及び導電性加工物の機械加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 導電性加工物(102)の内部に連続的な可変形態のボアホールを形成する。【解決手段】 導電性加工物(102)の機械加工で用いる穴あけ工具(112)は、本体部分(134)と、該本体部分(134)に結合した前方電極(136)と、該本体部分(134)に結合した側方電極(140、144、184)と、を含む。前方電極(136)及び側方電極(140、144、184)に電流を供給すると、前方電極(136)及び前記側方電極(140、144、184)に隣接する材料が導電性加工物(102)から除去される。前方電極(136)及び側方電極(140、144、184)は選択的に作動可能であり、材料が除去される場合に導電性加工物(102)を貫通して延びる可変形態のボアホール(118)を形成する。【選択図】 図1

Description

本開示は、一般的には、電解加工(ECM)に関し、より具体的には、導電性加工物の内部に連続した可変形態のボアホールを形成するシステム及び方法に関する。
ガスタービン等の回転機械は、発電機を用いて発電を行うために使用される場合が多い。例えば、ガスタービンは、典型的には、直列流れ関係で、吸気口、圧縮機、燃焼器、タービン、及びガス出口を含むガス経路を有する。圧縮機及びタービンセクションは、ハウジング内で結合した少なくとも1列の円周方向に離間した回転バケット又はブレードを含む。少なくとも一部のタービンエンジンは、コジェネレーション設備及び発電プラントで使用される。このような用途で使用するエンジンは、比仕事及び単位質量流あたりの出力要件が大きい場合がある。さらに、ガスタービン効率は、燃焼器から放出されかつタービンの回転バケット又はブレードを通って送られる排出ガスの温度に直接比例する。従って、排出ガスの過酷な温度により、概して固定及び回転タービン翼形部は、高耐熱性材料から製造すること、及び内部に冷却機構を含むことが必要である。
例えば、タービンブレードは、一般的に、タービンブレードを貫通して延びる複数の冷却流路を通って圧縮機吐出空気を送ることで冷却される。タービンブレード内に冷却流路を形成する少なくとも1つの公知のプロセスは、成形チューブ電解加工(STEM)である。STEMは非接触電解加工プロセスであり、導電性加工物(すなわちタービンブレード)を陽極として、細長い穴あけチューブを陰極として利用する。導電性加工物が電解液で満たされると、材料は酸化して,穴あけチューブの前縁の近傍で導電性加工物から除去される。一般に、STEMは、タービンブレード内で高アスペクト比の真っ直ぐな冷却流路を形成するのに有効である。しかしながら、一般に、穴あけチューブの前縁に位置決めされた電極チップの一定の方向及び細長い穴あけチューブの剛性は、タービンブレード内に形成できる冷却流路の幾何学的形状を制限する。
米国特許第8663450号明細書
1つの態様において、導電性加工物の機械加工で用いる穴あけ工具が提供される。工具は、本体部分と、該本体部分に結合した前方電極と、該本体部分に結合した少なくとも1つの側方電極と、を含む。前方電極及び少なくとも1つの側方電極に電流を供給すると、前方電極及び前記少なくとも1つの側方電極に隣接する材料が導電性加工物から除去される。さらに、前方電極及び少なくとも1つの側方電極は選択的に作動可能であり、材料が除去される場合に導電性加工物を貫通して延びる可変形態のボアホールを形成するようになっている。
他の態様において、導電性加工物を機械加工するための電解加工システムが提供される。システムは、電源と該電源に電気接続した穴あけ工具とを含む。穴あけ工具は、本体部分と、該本体部分に結合した前方電極と、該本体部分に結合した少なくとも1つの側方電極と、を含む。前方電極及び少なくとも1つの側方電極に電流を供給すると、前方電極及び少なくとも1つの側方電極に隣接する材料が導電性加工物から除去される。さらに、電源は、前方電極及び少なくとも1つの側方電極に電流を選択的に供給するように構成され、材料が除去される場合に導電性加工物を貫通して延びる可変形態のボアホールを形成するようになっている。
さらに他の態様において、導電性加工物を機械加工するための方法が提供される。本方法は、導電性加工物の内部で工具経路に沿って穴あけ工具を進める段階を含む。穴あけ工具は、本体部分と、各々が本体部分に結合する前方電極及び少なくとも1つの側方電極とを含む。本方法は、材料が2つ以上の次元で導電性加工物から除去されるように、前方電極及び少なくとも1つの側方電極に対して選択的に電流を供給する段階をさらに含む。前方電極及び少なくとも1つの側方電極は選択的に作動可能であり、材料が除去される場合に導電性加工物を貫通して延びる可変形態のボアホールを形成するようになっている。
本開示のこれら及び他の特徴、態様、並びに利点は、図面全体を通じて同様の参照符号が同様の要素を示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むと更に理解できるであろう。
例示的な電解加工システムの概略図。 図1に示す電解加工システムに使用できる例示的な穴あけ工具の斜視図。 図2に示す穴あけ工具の断面図。 図1の電解加工システムに使用できる導電性加工物を機械加工する例示的な方法の論理図。 図1の電解加工システムに使用できる別の穴あけ工具の斜視図。 図5の線6−6に沿って示された穴あけ工具の一部の図。
別途指示されていない限り、本明細書で示される図面は、本開示の実施形態の特徴を例証するものとする。これらの特徴は、本開示の1又はそれ以上の実施形態を含む幅広い種類のシステムで適用可能であると考えられる。従って、図面は、本明細書で開示される実施形態の実施に必要とされる当業者には公知の従来の全ての特徴を含むことを意図するものではない。
以下の明細書及び請求項において幾つかの用語を参照するが、これらは以下の意味を有すると定義される。
単数形態は、前後関係から明らかに別の意味を示さない限り、複数形態も含む。
「任意」又は「場合により」とは、それに続いて記載されている事象又は状況が起こってもよいし起こらなくてもよいことを意味し、その記載はその事象が起こる場合と起こらない場合を含む。
本明細書及び請求項全体を通じてここで使用される近似表現は、関連する基本的機能の変更をもたらすことなく、許容範囲内で変わることのできるあらゆる定量的表現を修飾するのに適用することができる。従って、「約」及び「実質的に」などの1又は複数の用語により修飾される値は、指定される厳密な値に限定されるものではない。少なくとも幾つかの事例において、近似表現は、値を測定するための計器の精度に対応することができる。ここで、及び明細書及び請求項全体を通じて、範囲限界は組み合わせ及び/又は置き換えが可能である。このような範囲は前後関係又は表現がそうでないことを示していない限り、識別され、ここに包含される部分範囲全てを含む。
本明細書で使用する場合に、「コンピュータ」という用語、及び例えば「コンピュータデバイス」といった関連の用語は、当技術分野においてコンピュータと呼ばれる集積回路に限定されるものではなく、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブル論理制御装置(PLC)、特定用途向け集積回路、及びその他のプログラマブル回路を広く指しており、またこれらの用語は本明細書では同義的に使用する。
さらに、本明細書で使用する場合に、「ソフトウェア」および「ファームウェア」という用語は置き換え可能であり、パソコン、ワークステーション、クライアント、及びサーバによって実行するために、メモリに記憶された任意のコンピュータプログラムを含む。
本明細書で使用する場合に、「非一時的コンピュータ可読媒体」という用語は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール及びサブモジュール、又は任意のデバイス内の他のデータ等の情報の短期記憶及び長期記憶のための任意の方法又は技術に実装される任意の有形のコンピュータベースデバイスを示すことが意図される。従って、本明細書で述べる方法は、限定されるものではないが、記憶デバイス及び/又はメモリデバイスを含む、有形の非一時的なコンピュータ可読媒体において具現化される実行可能命令としてエンコードすることができる。こうした命令は、プロセッサによって実行されると、本明細書に記載の方法の少なくとも一部分をプロセッサに実行させる。更に、本明細書で使用する場合に、「非一時的コンピュータ可読媒体」という用語は、限定されるものではないが、揮発性媒体及び不揮発性媒体、ファームウェア、物理的ストレージ及びバーチャルストレージ、CD−ROM、DVD等の取外し可能媒体及び取外し不能媒体、及びネットワーク又はインターネット等の任意の他のデジタル源、並びにまだ開発されていないデジタル手段(唯一の例外は一時的な伝搬信号である)を含む、限定されるものではないが、非一時的コンピュータ記憶デバイスを含む全ての有形のコンピュータ可読媒体を含む。
本開示の実施形態は、タービンブレード、バケット、又はベーン等の導電性加工物を機械加工するための電解加工(ECM)システム及び方法に関する。より具体的には、ECMシステムは、本体部分に対して異なる方向で結合した本体部分及び複数の電極パッチを有する穴あけ工具を含む。電極パッチを本体部分に対して異なる方向で結合することで、穴あけ工具は、導電性加工物の内部に連続した可変形態のボアホールを形成する。本明細書で用いる場合、「可変形態」とうい用語は、2つ以上の平面における寸法の変化を指す。また、穴あけ工具は、本体部分に結合した可撓性案内部材を含むことができ、これは、連続した可変形態のボアホールを通って穴あけ工具を案内するのを容易にする。さらに、ECMシステムは、導電性加工物を通って進む穴あけ工具の位置、及びそれを通って延びるボアホールの方向に関する、リアルタイムフィードバックを可能にするための検査装置を含むことができる。従って、1つの実施形態において、リアルタイムフィードバックは、名目上の工具経路と比較した場合の穴あけ工具の位置誤差を特定するために利用され、かつ工具経路の適切な実行を助けるために利用される。例えば、リアルルタイムフィードバックは、導電性加工物からの材料除去速度の関数として提供されるので、時宜を得た方法で修正措置を実行することができる。
図1は、導電性加工物102を機械加工するための例示的な電解加工(ECM)システム100の概略図である。例示的な実施形態において、導電性加工物102は、電解液容器106の内部に設けられた取り付けプラットフォーム104に結合される。以下に詳細に説明するように、流量制御装置108は、機械加工作業時に電解流体109の流れが電解液容器106の内部から導電性加工物102に送出されるのを助ける。例示的な実施形態において、取り付けプラットフォーム104は、導電性加工物102が電解流体109の上方に配置されるように位置決めされる。もしくは、取り付けプラットフォーム104は、導電性加工物102が少なくとも部分的に電解流体109の中に浸漬するように、又は電解流体109が、導電性加工物102から遠隔の供給源から供給されるように位置決めされる。
ECMシステム100は、電源110及び該電源110に電気接続した穴あけ工具112を含む。より具体的には、電源110は、機械加工プロセスにおいて陽極として機能する導電性加工物102に、及び機械加工プロセスにおいて陰極として機能する穴あけ工具112に電気接続する。電源110が穴あけ工具112に対して電流を供給すると、導電性加工物102及び穴あけ工具112を横切る付加電圧が生じて導電性加工物102から材料が除去される。穴あけ工具112によって導電性加工物102から除去された材料は、導電性加工物102に送られる電解流体109の流れによって洗い流される。より具体的には、流量制御装置108はポンプ114に接続され、このポンプは、流体供給ライン116を介して電解流体109を穴あけ工具112に供給するのを助ける。従って、以下に詳細に説明されるように、穴あけ工具112は、2以上の次元で工具経路に沿って導電性加工物102の中を進み、材料がそこから除去される場合に導電性加工物102を貫通して延びる、可変形態のボアホール118を形成するようになっている。より具体的には、穴あけ工具112は、導電性加工物102の内部を2以上の次元(すなわち非直線方向)で進むことができる。
また、ECMシステム100は、穴あけ工具112に結合したロボット装置120又は何らかの適切な連接部材を含むことができ、穴あけ工具112が、導電性加工物102の中の工具経路に沿って進むのを助ける。例示的な実施形態において、ロボット装置120は、ロボットエンドエフェクタ等の何らかの適切なコンピュータ数値制御装置であり、穴あけ工具112は、制御された自動様式で工具経路に沿って進むことができる。より具体的には、以下に詳細に示すように、ロボット装置120はボアホール118内で穴あけ工具112の方向を変更するのを助けるので、導電性加工物102内に形成されるボアホール118は可変形態とすることができる。もしくは、ボアホール118内の穴あけ工具112の方向は、ロボット装置120を用いることなくオペレータの手作業等で変更される。
また、ECMシステム100は、導電性加工物102の非破壊検査を行うための検査装置122を含むことができる。検査装置122は、ECMシステム100が本明細書に記載のように機能できるようにする任意の非破壊検査装置である。例示的な非破壊検査装置は、限定されるものではないが、超音波試験装置、X線試験装置、及びコンピュータ断層撮影(CT)スキャン装置である。以下に詳細に説明するように、検査装置122は、連続的に又は所定間隔で作動して、穴あけ工具112によって形成されたボアホール118の向き又は工具経路に沿った穴あけ工具112の位置のうちの少なくとも一方を特定する。従って、実際の工具経路が穴あけ工具112の名目上の工具経路と異なる場合に、穴あけ工具112の位置誤差を特定することができる。
一部の実施形態において、ECMシステム100は、ボアホール118の出口126の近くに配置されたイオンセンサ124を含む。前述のように、穴あけ工具112によって導電性加工物102から除去された材料は、導電性加工物102に向かって送られる電解流体109の流れによって洗い流される。イオンセンサ124は、ボアホール118の出口126から吐出する電解流体109のイオン濃度を測定する。以下に詳細に説明するように、イオン濃度測定値は、電解流体109の化学組成を特定するために使用され、これは、穴あけ工具112の健康状態又は作動状態を特定するのを助ける。もしくは、制御装置128のメモリ内に組み込まれた学習アルゴリズムを使用して、穴あけ工具112の健康状態又は作動状態を特定することができる。
例示的な実施形態において、流量制御装置108、電源110、ロボット装置120、検査装置122、及びイオンセンサ124は、制御装置128に有線又は無線で接続して通信を行う。制御装置128は、メモリ130(すなわち、非一時的コンピュータ可読媒体)及びプログラムされた命令を実行するためのメモリ130に接続したプロセッサ132を含む。プロセッサ132は、1又は2以上の処理ユニット(例えば、マルチコア構成)を含むこと、及び/又は暗号化アクセラレータ(図示せず)を含むことができる。制御装置128は、メモリ130及び/又はプロセッサ132をプログラミングすることで本明細書に記載の1又は2以上の動作を行うようにプログラム可能である。例えば、プロセッサ132は、動作を実行可能命令として符号化しかつ実行可能命令をメモリ130に提供することでプログラムすることができる。
プロセッサ132は、限定されるものではないが、汎用中央処理ユニット(CPU)、マイクロコントローラ、縮小命令セット・コンピュータ(RISC)プロセッサ、オープンメディアアプリケーションプラットフォーム(OMAP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理回路(PLC)、及び/又は本明細書で記載される機能を実行可能な他の何れかの回路又はプロセッサのような、プロセッサ、プロセッシングデバイス、又はコントローラを含む。本明細書で記載される方法は、限定されるものではないが、ストレージデバイス及び/又はメモリデバイスを含む、コンピュータ可読媒体において具現化される実行可能命令として符号化することができる。このような命令により、プロセッサ132によって実行されたときに、該プロセッサ132が本明細書で記載される方法の少なくとも一部を実施するようになる。上記の実施例は、例証に過ぎず、従って、用語「プロセッサ」及び「プロセッシングデバイス」の定義及び/又は意味をどのようにも限定するものではない。
メモリ130は、実行可能命令及び/又は他のデータ等の情報を格納すること及び読み出すことを可能にする1又は2以上のデバイスである。メモリ130は、限定されるものではないが、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、半導体ディスク、及び/又はハードディスク等の1又は2以上のコンピュータ可読媒体を含むことができる。メモリ130は、限定されるものではないが、実行可能命令、オペレーティングシステム、アプリケーション、リソース、インストールスクリプト、及び/又は本明細書に記載の方法及びシステムでの使用に適した任意の他のタイプのデータを格納するように構成することができる。
オペレーションシステム及びアプリケーションに関する命令は、非一時的メモリ130上に関数形式で配置され、プロセッサ132が実行して本明細書に記載の1又は2以上の処理を行うようになっている。異なる実施例におけるこれらの命令は、メモリ130又は限定されるものではないがフラッシュドライブ及び/又はサムドライブを含むことができるコンピュータ可読媒体(図示せず)等の他のメモリといった、異なる物理的又は有形のコンピュータ可読媒体に組み込むことができる。さらに、命令は、限定されるものではないが、スマートメディア(SM)メモリ、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CF)メモリ、セキュアデジタル(SD)メモリ、メモリスティック(MS)メモリ、マルティメディアカード(MMC)メモリ、組み込み型マルティメディアカード(e−MMC)、及びマイクロドライブメモリを含むことができる、非一時的コンピュータ可読媒体上に関数形式で配置することができる。コンピュータ可読媒体は、選択的に制御装置128に挿入すること及び/又は取り外すことができ、プロセッサ132がアクセスすること及び/又は実行することができる。他の実施例において、コンピュータ可読媒体は取り外しできない。
図2は、ECMシステム100(図1に示す)で使用することができる穴あけ工具112の斜視図であり、図3は、穴あけ工具112の断面図である。例示的な実施形態において、穴あけ工具112は、本体部分134及びこれに結合した複数の電極パッチを含む。より具体的には、前方電極136は、本体部分134の先端部138に結合し、少なくとも1つの側方電極は本体部分134に結合する。例えば、第1の側方電極140は、本体部分134の第1の側面142上に結合し、第2の側方電極144は、本体部分134の第2の側面146上に結合する。前方電極136は、本体部分134の方向に向いており、前方電極136に電流が供給されると、本体部分134から第1の方向148に向かう材料が導電性加工物102(図1に示す)から除去される。本体部分134から第1の方向148に向かう材料を除去することで、穴あけ工具112は、工具経路に沿って前方方向に進むことができる。さらに、少なくとも1つの側方電極は、少なくとも1つの側方電極に電流が供給されると、本体部分134から第2の方向150に向かう材料が導電性加工物102から除去されるように、本体部分134上で方向付けされる。本体部分134から第2の方向150に向かう材料を除去することで、穴あけ工具112の工具経路を方向的に修正することができる。従って、導電性加工物102の中を進む穴あけ工具112で形成される(図1に示す)ボアホール118は、可変形態とすることができる。さらに、第1の側方電極140及び第2の側方電極144を有するように示されているが、穴あけ工具112が本明細書に記載のように機能できるようにする任意の数の側方電極を使用できることを理解されたい。加えて、複数の電極の各々は、独立した電源に接続することができ、材料は、各電極から異なる速度で除去することができる。1つの実施形態において、電源110は、前方電極及び少なくとも1つの側方電極に独立して電力を供給できる複数の伝送路を有する。電源110は、定電流を供給すること、ON−OFFパルス方式とすること、高電流−低電流方式とすることができる。
また、穴あけ工具112は、電極パッチを電源110(図1に示す)に電気接続するための複数のバスワイヤを含む。より具体的には、第1のバスワイヤ152は前方電極136を電源110に電気接続し、第2のバスワイヤ154は第1の側方電極140を電源110に電気接続し、第3のバスワイヤ156は第2の側方電極144を電源110に電気接続する。従って、以下に詳細に説明するように、前方電極136、第1の側方電極140、及び第2の側方電極144は、選択的かつ独立的に作動可能であり、材料が除去されると導電性加工物102を貫通して延びる、可変形態のボアホール118を形成するようになっている。
例示的な実施形態において、穴あけ工具112は、前方電極136と、第1及び第2の側方電極140及び144との間に位置決めされたスペーサ158を含む。スペーサ158は、前方電極136を第1及び第2の側方電極140及び144から電気的に絶縁するのを助ける。さらに、2つ以上の側方電極が本体部分134に結合される場合、間隙160は、隣接する側方電極の間に定められる。従って、電気的短絡の形成を制限するのを助けるために、各電極パッチは互いに電気的に絶縁される。
また、穴あけ工具112は、本体部分134に結合した非導電性バンパ162を含む。非導電性バンパ162は、穴あけ工具112が本明細書に記載のように機能するのを可能にする何らかの材料で製造することができる。例えば、1つの実施形態において、非導電性バンパ162は、非導電性ポリマー材料で製造される。非導電性バンパ162は、第1及び第2の側方電極140及び144よりも大きな距離で本体部分134から延びる。従って、非導電性バンパ162は、第1及び第2の側方電極140及び144をボアホール118の側壁から離間させて、第1及び第2の側方電極140及び144と、導電性加工物102との間の電気短絡の形成を制限するのを助ける。
さらに、穴あけ工具112は、本体部分134に結合した可撓性案内部材164を含む。可撓性案内部材164は、導電性加工物102を貫通して延びるボアホール118を通して穴あけ工具112を案内するのを助ける。前述のように、穴あけ工具112の電極パッチは選択的に作動可能であり、可変形態のボアホール118が導電性加工物102を貫通して延びる。従って、可撓性材料から可撓性案内部材164を製造することで、穴あけ工具112は、導電性加工物102の中で可変形態工具経路に沿って移動することができる。例示的な可撓性材料としては、限定されるものではないが、ゴム、シリコーン、ナイロン、ポリウレタン、及びラテックスを挙げることができる。さらに、一部の実施形態において、可撓性材料は、銅層でコーティングされ、案内部材164に沿って電気的導管を形成する。
図3を参照すると、中心洗浄流路166は、可撓性案内部材164及び本体部分134を貫通して延びる。中心洗浄流路166は、導電性加工物102から除去された材料をボアホール118から洗い出すためにそこを通って流れる電解流体109(図1に示す)を送るような大きさである。より具体的には、前方電極136は、少なくとも1つの洗浄用開口168を含む。洗浄用開口168は、中心洗浄流路166を流体連通状態で導電性加工物102に接続する。従って、中心洗浄流路166を通って送られる電解流体109は、洗浄用開口168から吐出されて、導電性加工物102から除去された材料を洗い出す。
作動時、制御装置128は、検査装置122に対して導電性加工物102の事前穴あけ検査を行うよう指示する。事前穴あけ検査により、仮想導電性加工物(すなわち、名目上の導電性加工物102のCAD図)の寸法に対する比較のために導電性加工物102の寸法を特定するのが容易になる。例示的な実施形態において、仮想導電性加工物は、穴あけ工具112を用いて導電性加工物102にボアホール118を形成するための工具経路に対応する、複数の名目上の工具経路を含む。導電性加工物102と仮想導電性加工物との間の固有の寸法偏差によって、穴あけ工具112で実行される前に、名目上の工具経路が修正されて、導電性加工物102の中に形成されるボアホール118を寸法公差内に確実に維持するようになっている。従って、制御装置128は、仮想導電性加工物の寸法と比較する際に導電性加工物102の寸法偏差を特定して、導電性加工物102における変動に基づいて名目上の工具経路を修正する。次に、修正された名目上の工具経路は、穴あけ工具112によって実行される。
より具体的には、1つの実施形態において、制御装置128は、ロボット装置120に対して、導電性加工物102の中で実際の工具経路に沿って穴あけ工具112を進めてボアホール118を形成するように指示する。次に、制御装置128は、検査装置122に対して導電性加工物102の検査を行うように指示し、工具経路に沿った穴あけ工具112の位置を特定し、修正された名目上の工具経路に対応する工具経路と比較して、穴あけ工具112の位置誤差を特定するようになっている。位置誤差は、穴あけ工具112の位置と、対応する修正された名目上の工具経路に沿った理論上の位置との間の差分によってよって定義される。もしくは、制御装置128は、ロボット装置120に対して任意の工具経路に沿って穴あけ工具112を進めるように指示する。さらに、代替的に穴あけ工具112は手作業で工具経路に沿って進められる。
一部の実施形態において、制御装置128は、位置誤差が第1の所定の閾値よりも大きい場合に穴あけパラメータを修正することで位置誤差を低減する修正措置を実行する。例示的な穴あけパラメータとしては、複数の電極パッチに供給される電流量、ボアホール118の中の穴あけ工具112の方向、穴あけ工具112の中心洗浄流路166を通って流れる電解流体の洗浄圧、及びボアホール118の中を進む穴あけ工具112の送り速度を挙げることができる。従って、制御装置128は、位置誤差が第1の所定の閾値よりも大きい場合に穴あけ工具112に関する穴あけパラメータのうちの少なくとも1つを修正することで修正措置を行う。
1つの実施形態において、制御装置128は、位置誤差が第1の所定の閾値よりも大きいその量に基づいて、どの穴あけパラメータを修正するかを選択するか、又は穴あけパラメータを特定の度合いで修正する。例えば、制御装置128は、位置誤差が第1の所定の閾値よりも大きく、この第1の所定の閾値よりも大きな第2の所定の閾値よりも小さい場合に低レベルの修正措置を実行する。1つの例示的な低レベル修正措置は、導電性加工物102から第1の方向148及び第2の方向150に向いた材料が異なる速度で除去されるように、電源110に対して各電極パッチに異なる電流量を供給するように指示することを含む。別の低レベル修正措置は、電源110に対して第1の時間で前方電極136に第1の電流を供給するように指示すると共に、電源110に対して、第1の時間とはオーバーラップしない第2の時間で少なくとも一方の側方電極に第2の電流を供給するように指示することを含む。代替的な実施形態において、制御装置128は、ボールト部(vault)又は乱流発生部(すなわち、正方形波形)がボアホール118の中に形成されるように、電源110に対して電極パッチに電流を供給するように指示する。
さらに、例えば、制御装置128は、位置誤差が第1の所定の閾値よりも大きくかつ第2の所定の閾値よりも大きい第3の所定の閾値よりも小さい場合に、中間レベル修正措置を実行する。1つの例示的な中間レベル修正措置は、電源110に対して電極パッチのうちの1又は2以上に電流を供給するのを停止するように指示することを含む。代替的な中間レベル修正措置は、ロボット装置120に対してボアホール118の中で穴あけ工具112の方向を修正するように指示することを含む。従って、中間レベル修正措置を実行することで、低レベル修正措置と比べた場合に、大きな割合で穴あけ工具112の位置誤差を修正するのが容易になる。
低レベル及び中間レベル修正措置の任意の組み合わせを協調的に実行することができ、工具経路に沿った穴あけ工具112の進行を助けるようになっている。
一部の実施形態において、制御装置128は、位置誤差が第3の所定の閾値よりも大きな第4の所定の閾値よりも大きい場合に、穴あけ工具112の動作を終了させる。このような実施形態において、低レベル及び中間レベル修正措置は、許容差の範囲に位置誤差を戻すことができないので、穴あけ工具112の動作を終了させることで、修正された名目上の工具経路からの更なる逸脱が阻止される。
さらに、一部の実施形態において、制御装置128は、イオンセンサ124が測定した、ボアホール118から吐出した電解流体のイオン濃度測定値を受信する。次に、制御装置128は、電解流体のイオン濃度に基づいて、電解流体の化学組成を特定する。前述のように、電解流体の化学組成を特定することで、穴あけ工具112の健康状態又は作動状態を特定することが容易になる。例えば、制御装置128は、電解流体で測定した電極パッチ材料からのイオンの濃度が閾値よりも大きいか否かを特定する。閾値よりも大きい場合、電気的短絡が生じている可能性があり、制御装置128は、穴あけ工具112の動作を終了させる。
図4は、導電性加工物102(図1に示す)を機械加工する例示的な方法の論理図である。前述のように、導電性加工物102は、穴あけ工具112(図1に示す)の位置誤差を特定するために連続的に又は所定間隔で検査される。次に、制御装置128(図1に示す)は、工具経路が確実に適切に実行されるように1又は2以上の修正措置を実行する。図4に示すように、工具経路を実行する、導電性加工物102を検査する、位置誤差を特定する、及び修正措置を実行するプロセスが、連続サイクルとして統合される。従って、1つの実施形態において、穴あけ工具112は、完全に実行されるまで工具経路に沿って進められる。
図5は、電解加工システム100(図1に示す)に使用することができる別の穴あけ工具170の斜視図である。例示的な実施形態において、穴あけ工具170は、本体部分134及びこれに結合した複数の電極パッチを含む。より具体的には、前方電極172は本体部分134に結合し、少なくとも1つの側方電極は本体部分134に結合する。前方電極172は、「トップハット」構成であり、本体部分134に結合した半径方向外側部174と、該半径方向外側部174の前方面178から延びる半径方向内側部176とを有する。さらに、洗浄流路166は、半径方向外側部174及び半径方向内側部176を貫通して延び、流体を導電性加工物102に向かって送るのを助けるようになっている。
また、穴あけ工具170は、前方電極172の半径方向外側部174から半径方向外側に位置決めされた非導電性バンパ180を含む。非導電性バンパ180は、半径方向外側部174の周りで円周方向に延び、非導電性バンパ180の少なくとも一部は、半径方向外側部174の前方面178を超えて第1の前方向148に延びる。従って、電流が前方電極172に供給されると、そこから発生する電場が、ボアホール118(図1に示す)の側壁に接触する前に、非導電性バンパ180の周りで移動せざる得なく、これは、半径方向外側部174の最も外側の部分に最接近して位置決めされた導電性加工物102の材料の除去速度をバランス調整するのを助ける。
さらに、半径方向内側部176の前方面178から方向148への延在は、供給される電流量が同様のフラット電極と比べた場合、前方電極172から発生した電場の影響場を前方向へ広げる。前方電極172から発生した電場の影響場を前方向へ広げると、前方電極172に供給される電流量を増大させることなく、導電性加工物102からの材料除去を増やすのが容易になる。加えて、半径方向内側部176の最も外側の部分を半径方向外側部174から半径方向内側に位置決めすると、ボアホール118が導電性加工物102の中で湾曲する場合に、前方電極172と導電性加工物102との間の接触を制限するのが容易になる。
図6は、線5−5に沿った穴あけ工具170(図5に示す)の一部を示す。例示的な実施例において、穴あけ工具170は、本体部分134(図5に示す)に結合した側方電極組立体182を含む。側方電極組立体182は、互いに離間すると共に側方電極組立体182の周りで円周方向に位置決めされた複数の側方電極184を含む。より具体的には、側方電極組立体182は、さらに非隣接する側方電極184の間に広がる導電性スペーサ部材186を含み、これは、側方電極184を互いに電気的に絶縁するのを助ける。さらに、側方電極140及び144と同様に、各々の側方電極184は、独立的かつ選択的に作動可能であり、導電性加工物102に形成されたボアホール118(それぞれ図1に示す)は可変形態となる。
本明細書に記載のシステム及び方法は、導電性加工物の内部に連続した可変形態のボアホールを形成することに関する。システムは、2つ以上の次元で導電性加工物から材料を除去することができる複数の電極パッチを有する穴あけ工具を含む。また。システムは、導電性加工物の内部の穴あけ工具の位置に関するリアルタイムフィードバックを可能にする検査装置を含む。検査装置は制御装置に接続するが、制御装置は、リアルタイムフィードバックを処理して、1つの実施形態において、穴あけ工具が修正措置を実行するようにさせる。従って、本明細書に記載のシステム及び方法は、自律的で正確かつ時間効率の良い方法でもって、導電性加工物の内部に連続した可変形態のボアホールを形成するのを容易にする。
本明細書に記載の電解加工システム及び方法の例示的な技術的効果としては、少なくとも(a)導電性加工物の内部に可変形態のボアホールを形成することができる穴あけ工具を提供すること、(b)導電性加工物の内部の穴あけ工具のリアルタイム位置データを提供すること、及び(c)リアルタイム位置データを用いて穴あけ工具のための修正措置を助長すること、を挙げることができる。
上記に電解加工システムの例示的な実施形態が詳細に記載されている。システムは、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されないが、むしろ、システムの構成要素及び/又は方法ステップは、本明細書に記載の他の構成要素及び/又はステップとは独立して及び別々に用いることができる。例えば、本明細書に記載の構成要素の形態は、他のプロセスと組み合わせて使用することができ、本明細書に記載のガスタービンエンジン構成要素及び関連する方法のみの実施に限定されない。むしろ、例示的な実施形態は、導電性加工物の中にボアホールを形成するのが望ましい多くの用途で実施及び利用することができる。
種々の実施形態の特定の特徴は一部の図面で示され、他の図面では示されない場合があるが、これは便宜上のことに過ぎない。本開示の原理によれば、図面の何れかの特徴は、他の何れかの図面のあらゆる特徴と組み合わせて言及し及び/又は特許請求することができる。
一部の実施形態は、1つ又はそれ以上の電子又はコンピュータデバイスの使用を伴う。このようなデバイスは通常、汎用中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、マイクロコントローラ、縮小命令セット・コンピュータ(RISC)プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理回路(PLC)、及び/又は本明細書で記載される機能を実行可能な他の何れかの回路又はプロセッサのような、プロセッサ、プロセッシングデバイス、又はコントローラを含む。本明細書で記載される方法は、限定されるものではないが、ストレージデバイス及び/又はメモリデバイスを含む、コンピュータ可読媒体において具現化される実行可能命令として符号化することができる。このような命令により、プロセッシングデバイスによって実行されたときに、該プロセッシングデバイスが本明細書で記載される方法の少なくとも一部を実施するようになる。上記の実施例は、例証に過ぎず、従って、用語「プロセッサ」及び「プロセッシングデバイス」の定義及び/又は意味をどのようにも限定するものではない。
本明細書は、最良の形態を含む実施例を用いて本発明を開示し、また、あらゆる当業者が、あらゆるデバイス又はシステムを実施及び利用すること並びにあらゆる組み込み方法を実施することを含む本発明を実施することを可能にする。本発明の特許保護される範囲は、請求項によって定義され、当業者であれば想起される他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、請求項の文言と差違のない構造要素を有する場合、或いは、請求項の文言と僅かな差違を有する均等な構造要素を含む場合には、本発明の範囲内にあるものとする。
最後に、代表的な実施態様を以下に示す。
[実施態様1]
本体部分と、
上記本体部分に結合した前方電極と、
上記本体部分に結合した少なくとも1つの側方電極と、
を備える導電性加工物の機械加工で用いる穴あけ工具であって、
上記前方電極及び上記少なくとも1つの側方電極に電流を供給すると、上記前方電極及び上記少なくとも1つの側方電極に隣接する材料が上記導電性加工物から除去され、
上記前方電極及び上記少なくとも1つの側方電極は選択的に作動可能であり、上記材料が除去される場合に上記導電性加工物を貫通して延びる可変形態のボアホールを形成するようになっている、工具。
[実施態様2]
上記前方電極は、半径方向外側部及び半径方向内側部を備え、上記半径方向内側部は、上記半径方向外側部の前方面から延びている、実施態様1に記載の工具。
[実施態様3]
上記前方電極の上記半径方向外側部から半径方向外側に位置決めされた非導電性バンパをさらに備え、上記非導電性バンパの少なくとも一部は、上記半径方向外側部の上記前方面を超えて延びている、実施態様2に記載の工具。
[実施態様4]
上記本体部分に結合した非導電性バンパをさらに備え、上記非導電性バンパは、上記本体部分から上記少なくとも1つの側方電極よりも大きな距離で延びており、上記少なくとも1つの側方電極は、上記ボアホールの側壁から離間する、実施態様1に記載の工具。
[実施態様5]
上記本体部分に結合した可撓性案内部材と、
上記可撓性案内部材及び上記本体部分を貫通して延びる中心洗浄流路と、
をさらに備え、上記中心洗浄流路は、それを通して電解流体を送るように構成される、実施態様1に記載の工具。
[実施態様6]
上記前方電極に形成された洗浄用開口をさらに備え、上記洗浄用開口は、中心洗浄流路を流体連通状態で導電性加工物に接続するように構成される、実施態様5に記載の工具。
[実施態様7]
上記前方電極と上記少なくとも1つの側方電極との間に位置決めされたスペーサをさらに備え、上記スペーサは、上記前方電極を上記少なくとも1つの側方電極から電気的に絶縁するように構成される、実施態様1に記載の工具。
[実施態様8]
電源と、
上記電源に電気接続した穴あけ工具と、
を備える、導電性加工物を機械加工するための電解加工システムであって、
上記穴あけ工具は、
本体部分と、
上記本体部分に結合した前方電極と、
上記本体部分に結合した少なくとも1つの側方電極と、
を備え、
上記前方電極及び上記少なくとも1つの側方電極に電流を供給すると、上記前方電極及び上記少なくとも1つの側方電極に隣接する材料が上記導電性加工物から除去され、
上記電源は、上記前方電極及び上記少なくとも1つの側方電極に電流を選択的に供給するように構成され、上記材料が除去される場合に上記導電性加工物を貫通して延びる可変形態のボアホールを形成するようになっている、システム。
[実施態様9]
上記電源は、上記前方電極及び上記少なくとも1つの側方電極に対して異なる電流量を供給するように構成され、第1の方向及び第2の方向に向いた材料を上記導電性加工物から異なる速度で除去するようになっている、実施態様8に記載のシステム。
[実施態様10]
上記電源は、第1の時間で上記前方電極に第1の電流を供給すると共に、上記第1の時間とはオーバーラップしない第2の時間で上記少なくとも1つの側方電極に第2の電流を供給するように構成される、実施態様8に記載のシステム。
[実施態様11]
上記本体部分に結合した非導電性バンパをさらに備え、上記非導電性バンパは、上記本体部分から上記少なくとも1つの側方電極よりも大きな距離で延びており、上記少なくとも1つの側方電極は、上記ボアホールの側壁から離間する、実施態様8に記載のシステム。
[実施態様12]
上記本体部分に結合した可撓性案内部材をさらに備え、上記可撓性案内部材は、上記導電性加工物を貫通して延びるボアホールを通って上記穴あけ工具を案内するように構成される、実施態様8に記載のシステム。
[実施態様13]
上記可撓性案内部材及び上記本体部分を貫通して延び、それを通して電解流体流を送るように構成された中心洗浄流路と、
上記前方電極に形成され、中心洗浄流路を流体連通状態で導電性加工物に接続するように構成された洗浄用開口と、
をさらに備える、実施態様12に記載のシステム。
[実施態様14]
上記穴あけ工具の工具経路に沿った位置を特定するように構成された検査装置をさらに備える、実施態様12に記載のシステム。
[実施態様15]
上記前方電極と上記少なくとも1つの側方電極との間に位置決めされたスペーサをさらに備え、上記スペーサは、上記前方電極を上記少なくとも1つの側方電極から電気的に絶縁するように構成される、実施態様8に記載のシステム。
[実施態様16]
導電性加工物を機械加工するための方法であって、
導電性加工物の内部で工具経路に沿って穴あけ工具を進める段階であって、上記穴あけ工具が、本体部分と、各々が上記本体部分に結合する前方電極及び少なくとも1つの側方電極を含む、段階と、
材料が2つ以上の次元で上記導電性加工物から除去されるように、上記前方電極及び上記少なくとも1つの側方電極に対して選択的に電流を供給する段階と、
を含み、
上記前方電極及び上記少なくとも1つの側方電極は選択的に作動可能であり、上記材料が除去される場合に上記導電性加工物を貫通して延びる可変形態のボアホールを形成するようになっている、方法。
[実施態様17]
上記ボアホールの内部の上記穴あけ工具の方向を修正して、上記導電性加工物を通って進む上記穴あけ工具の上記工具経路を修正する段階をさらに含む、実施態様16に記載の方法。
[実施態様18]
上記電流を選択的に供給する段階は、前方電極及び上記少なくとも1つの側方電極に対して異なる電流量を供給する段階を含み、第1の方向及び第2の方向に向いた材料を上記導電性加工物から異なる速度で除去するようになっている、実施態様16に記載の方法。
[実施態様19]
上記電流を選択的に供給する段階は、
第1の時間で上記前方電極に第1の電流を供給する段階と、
上記第1の時間とはオーバーラップしない第2の時間で上記少なくとも1つの側方電極に第2の電流を供給する段階と、
を含む、実施態様16に記載の方法。
[実施態様20]
上記穴あけ工具を貫通して延びる中心洗浄流路を通って電解流体流を送る段階をさらに含み、上記電解流体流は、上記導電性加工物に向かって吐出する、実施態様16に記載の方法。
100 ECMシステム
102 導電性加工物
104 取り付けプラットフォーム
106 電解液容器
108 流量制御装置
109 電解流体
110 電源
112 穴あけ工具
114 ポンプ
116 流体供給ライン
118 ボアホール
120 ロボット装置
122 検査装置
124 イオンセンサ
126 出口
128 制御装置
130 メモリ
132 プロセッサ
134 本体部分
136 前方電極
138 先端部
140 第1の側方電極
142 第1の側面
144 第2の側方電極
146 第2の側面
148 第1の方向
150 第2の方向
152 第1のバスワイヤ
154 第2のバスワイヤ
156 第3のバスワイヤ
158 スペーサ
160 間隙
162 非導電性バンパ
164 可撓性案内部材
166 中心洗浄流路
168 洗浄用開口
170 穴あけ工具
172 前方電極
174 半径方向外側部
176 半径方向内側部
178 前方面
180 非導電性バンパ
182 側方電極組立体
184 側方電極

Claims (10)

  1. 本体部分(134)と、
    前記本体部分(134)に結合した前方電極(136)と、
    前記本体部分(134)に結合した少なくとも1つの側方電極(140、144、184)と、
    を備える導電性加工物(102)の機械加工で用いる穴あけ工具(112)であって、
    前記前方電極(136)及び前記少なくとも1つの側方電極(140、144、184)に電流を供給すると、前記前方電極(136)及び前記少なくとも1つの側方電極(140、144、184)に隣接する材料が前記導電性加工物(102)から除去され、
    前記前方電極(136)及び前記少なくとも1つの側方電極(140、144、184)は選択的に作動可能であり、前記材料が除去される場合に前記導電性加工物(102)を貫通して延びる可変形態のボアホールを形成するようになっている、工具(112)。
  2. 前記前方電極(136)及び前記少なくとも1つの側方電極(140、144、184)は選択的に作動可能であり、前記材料が除去される場合に2以上の次元で前記導電性加工物(102)を貫通して延びるボアホールを形成するようになっている、請求項1に記載の工具(112)。
  3. 前記本体部分(134)に結合した非導電性バンパをさらに備え、前記非導電性バンパは、前記本体部分(134)から前記少なくとも1つの側方電極(140、144、184)よりも大きな距離で延びており、前記少なくとも1つの側方電極(140、144、184)は、前記ボアホールの側壁から離間する、請求項2に記載の工具。
  4. 前記本体部分(134)に結合した可撓性案内部材(164)をさらに備え、中心洗浄流路(166)が、前記可撓性案内部材及び前記本体部分(134)を貫通して延び、洗浄用開口(168)が、前記前方電極(136)に形成され、前記中心洗浄流路(166)は、それを通して電解流体を送るように構成され、前記洗浄用開口(168)は、前記中心洗浄流路(166)を流体連通状態で導電性加工物(102)に接続するように構成される、請求項1に記載の工具。
  5. 前記前方電極(136)と前記少なくとも1つの側方電極(140、144)との間に位置決めされたスペーサ(158)をさらに備え、前記スペーサ(158)は、前記前方電極(136)を前記少なくとも1つの側方電極(140、144、184)から電気的に絶縁するように構成される、請求項1に記載の工具。
  6. 電源(110)と、
    導電性加工物(102)を機械加工するために用いる穴あけ工具(112)と、
    を備える、導電性加工物(102)を機械加工するための電解加工システム(100)であって、
    前記穴あけ工具(112)は、
    本体部分(134)と、
    前記本体部分(134)に結合した前方電極(136)と、
    前記本体部分(134)に結合した少なくとも1つの側方電極(140、144、184)と、
    を備え、
    前記前方電極(136)及び前記少なくとも1つの側方電極(140、144、184)に電流を供給すると、前記前方電極(136)及び前記少なくとも1つの側方電極(140、144、184)に隣接する材料が前記導電性加工物(102)から除去され、
    前記電源(110)は、前記前方電極(136)及び前記少なくとも1つの側方電極(140、144、184)に電流を選択的に供給するように構成され、前記材料が除去される場合に2以上の次元で前記導電性加工物(102)を貫通して延びるボアホール(118)を形成するようになっている、システム(100)。
  7. 前記電源(110)は、前記前方電極(136)及び前記少なくとも1つの側方電極(140、144、184)に対して異なる電流量を供給するように構成され、第1の方向及び第2の方向に向いた材料を前記導電性加工物(102)から異なる速度で除去するようになっている、請求項6に記載のシステム(100)。
  8. 前記電源(110)は、第1の時間で前記前方電極(136)に第1の電流を供給すると共に、前記第1の時間とはオーバーラップしない第2の時間で前記少なくとも1つの側方電極(140、144、184)に第2の電流を供給するように構成される、請求項6に記載のシステム(100)。
  9. 前記本体部分(134)に結合し、前記導電性加工物(102)を貫通して延びるボアホール(118)を通って前記穴あけ工具(112)を案内するように構成された可撓性案内部材(164)と、
    前記可撓性案内部材(164)及び前記本体部分(134)を貫通して延び、それを通して電解流体流を送るように構成された、中心洗浄流路(166)と、
    前記前方電極(136)に形成され、前記中心洗浄流路(166)を流体連通状態で導電性加工物(102)に接続するように構成された洗浄用開口と、
    をさらに備える、請求項6に記載のシステム(100)。
  10. 工具経路に沿った前記穴あけ工具(112)の位置を特定するように構成された検査装置(122)をさらに備える、請求項9に記載のシステム。
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