まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。尚、フローチャートの各ステップの説明にて、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。図1に示すパチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3とから構成されている。
遊技盤2の所定位置には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、LED等から構成され、変動表示ゲームとなる特図ゲームにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(特図)が、変動可能に表示(変動表示)される。以下、第1特別図柄表示器4Aにて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにて変動表示される特別図柄を「第2特図」という。
遊技盤2の遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、第1特図の変動表示や第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、3つの変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、第1特図の変動と第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、各演出図柄表示エリアにて演出図柄の変動(上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、演出表示装置5の各演出図柄表示エリアにて、確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、確定演出図柄を導出表示する。尚、演出図柄の変動表示中に変動表示が仮停止するようにしても良い。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5Dと第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。これら保留記憶表示エリアでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(実行条件)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていること等により、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の表示とする。
図1に示す例では、保留記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上部と下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過しやすい拡大開放状態となる。このように、第2始動入賞口は、遊技球が通過しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過しにくい、または、通過できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過した遊技球は、第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過した遊技球は、第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値「4」未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値「4」未満であれば、第2始動条件が成立する。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する所定領域としての大入賞口を形成する。
特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過し易くする。このように、大入賞口は、遊技球が通過し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、開放状態となった特別可変入賞球装置7の大入賞口を遊技球が通過したときには、他の入賞口(例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口)を遊技球が通過したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7の大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7の大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様にLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(普図或いは普通図)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(普通図ゲーム)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
図2に示す主基板11は、主として、特図ゲームにて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの出力信号を入力可能とする機能、演出制御基板12等からなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、外部に各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)等の点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯制御等を行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、演出表示装置5の表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9等の点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。図3は、演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
主基板11では、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4等の各種乱数値の数値データが、カウント可能に制御される。尚、乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントできるものであればよく、乱数回路104にてカウントしない乱数値については、CPU103が、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することでカウントするようにすればよい。
図4は、本実施例の変動パターンを示している。尚、ノーマルリーチ変動パターンとスーパーリーチ変動パターンの中には、演出図柄を一旦仮停止表示させた後、演出図柄を再び変動(擬似連変動、再変動)させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の変動表示が実行されているかのように見せる「擬似連」の変動表示演出を実行する変動パターンが含まれている。
更に、本実施例の擬似連が実行されるノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンでは、擬似連が実行される回数が多い順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されている。このため、擬似連が実行されるノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンでは、擬似連が2回実行されるスーパーリーチ変動パターンが最も大当り期待度が高く、次いで擬似連が1回実行されるスーパーリーチ変動パターンの順で大当り期待度が高くなっている。
図5は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。表示結果判定テーブルは、特図ゲームにおいて確定特別図柄が導出表示される前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
尚、ROM101には、大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照される大当り種別判定テーブルや、乱数値MR3に基づいて変動パターンを、図4に示す変動パターンのいずれかに決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されている。図6(A)に示す設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、遊技の進行等を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリアが設けられている。遊技制御用データ保持エリアは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第1特図を用いた特図ゲームの保留データとして、乱数値MR1、乱数値MR2、乱数値MR3を示す数値データ等を記憶する第1特図保留記憶部と、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第2特図を用いた特図ゲームの保留データとして、乱数値MR1、乱数値MR2、乱数値MR3を示す数値データ等を記憶する第2特図保留記憶部と、普図保留記憶部と、特図プロセスフラグ等の遊技の進行状況等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている遊技制御フラグ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている遊技制御タイマ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている遊技制御カウンタ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている遊技制御バッファ設定部とを備えている。
尚、演出制御基板12の側でも、主基板11と同様に、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための各種の乱数値が設定されている。また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のテーブルデータ、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各変動パターンに対応する演出制御パターンを構成するパターンデータ等が記憶されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図7(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。この演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置5の画面上の演出画像の表示状態等といった演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。また、演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置5の画面上の演出画像の表示動作等といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。また演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。また、演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。
本実施例では、図7(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194A(保留記憶バッファ)を構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、第1特図保留記憶の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域)と、変動表示中の第1特図に対応した格納領域(バッファ番号「1−0」に対応した領域)とが設けられている。また、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、第2特図保留記憶の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域)と、変動表示中の第2特図に対応した格納領域(バッファ番号「2−0」に対応した領域)とが設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド及び保留記憶数通知コマンドという4つのコマンドが1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの第1特図保留記憶に対応した格納領域と第2特図保留記憶に対応した格納領域は、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とに分けて格納するための格納領域(エントリ)が確保されている。
更に、本実施例の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、変動中演出決定処理(図14参照)において、変動中演出表示色(図21(C)参照)の決定に伴う変動中演出表示フラグの決定が未決定であるか否か、つまり、新たな始動入賞の発生によって、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドが新たに格納されたことにより変動中演出表示フラグの決定が未決定である旨を示す表示未決定フラグと、保留記憶表示の表示色に応じたフラグ値がセットされる保留表示フラグと、変動中演出の表示色に応じたフラグ値がセットされる変動中演出表示フラグと、を第1特図保留記憶及び第2特図保留記憶に対応する各バッファ番号に対応付けて格納できるように記憶領域が、各格納領域(エントリ)毎に確保されている。
尚、変動中演出では、青色と緑色と赤色の3つの表示色が用いられる。変動中演出表示フラグには、変動中演出決定処理において、変動中演出の実行が決定されなかった場合には、「変動中演出なし」に対応する「0」が格納される。また、変動中演出の実行が決定された場合には、「青色」に対応する「1」や、「緑色」に対応する「2」や、「赤色」に対応する「3」が格納される。この変動中演出表示フラグに対応する色は、変動中演出にて出現するフラッシュ画像(図21(C)参照)の色として用いられる。変動中演出が実行されることで、実行中の変動表示において、大当りとなる可能性やスーパーリーチとなる可能性が高いことが予告されるようになっている。
尚、変動中演出において、フラッシュ画像の表示色は、大当り期待度のランクを示している。例えば、青色のフラッシュ画像は、最も大当り期待度が低いランク(低ランク)であり、赤色のフラッシュ画像は、最も大当り期待度が高いランク(高ランク)である。緑色のフラッシュ画像は、大当り期待度が青色と赤色の中間程度のランク(中ランク)となっている。尚、フラッシュ画像の形状は、いずれの表示色であっても同一の形状となっている(図21(C)参照)。
尚、保留記憶表示には、青色と緑色と赤色の3つの表示色が用いられる。保留表示フラグには、変動中演出決定処理において、「青色」に対応する「1」や、「緑色」に対応する「2」や、「赤色」に対応する「3」が格納される。この保留表示フラグに対応する色は、保留記憶表示の色として用いられる。この保留記憶表示が第1保留記憶表示エリア5Dや第2保留記憶表示エリア5Uに表示されて、保留記憶表示に対応する変動表示において、大当りとなる可能性やスーパーリーチとなる可能性が高いことが予告されるようになっている。尚、青色の保留記憶表示が通常の表示態様であり、緑色や赤色の保留記憶表示が特定の表示態様であり、この保留記憶表示の色により保留表示予告演出が実行される。
尚、保留記憶表示の表示色は、変動中演出の表示色と対応して大当り期待度のランクを示している。例えば、青色の保留記憶表示は、変動中演出の青色のフラッシュ画像に関連して、大当り期待度が低いランク(低ランク)であり、赤色の保留記憶表示は、変動中演出の赤色のフラッシュ画像に関連して、大当り期待度が高いランク(高ランク)である。緑色の保留記憶表示は、変動中演出の緑色のフラッシュ画像に関連して、大当り期待度が青色と赤色の中間程度のランク(中ランク)となっている。尚、保留記憶表示の形状は、いずれの表示色であっても同一の丸型表示となっている(図21(A)参照)。
演出制御用CPU120は、第1始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの第1特図保留記憶に対応する空きエントリの先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していき、第2始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの第2特図保留記憶に対応する空きエントリの先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンドから保留記憶数通知コマンドまでが順次送信される。従って、コマンド受信が行われれば、第1特図保留記憶または第2特図保留記憶に対応するバッファ番号の末尾「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。
図7(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、直前に終了した変動表示の保留記憶に対応したエントリ(バッファ番号「1−0」または「2−0」のエントリ)に格納されているものが削除されるとともに、該開始する変動表示の保留記憶に対応したエントリ(バッファ番号「1−1」または「2−1」に対応したエントリ)に格納されているものと、該開始する変動表示の保留記憶以降のエントリの記憶内容がシフトされる。例えば図7(B)に示す格納状態において第1特図保留記憶の演出図柄の変動表示が終了した場合には、バッファ番号「0」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドがバッファ番号「0」にシフトされるとともに、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」、「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」、「3」に対応した領域にシフトされる。よって、バッファ番号「0」は、その時点において変動表示されている保留記憶に関する各コマンドを格納するための領域(エントリ)となる。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時の状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図8のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図8に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行する(S13)。次に、乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、図9に示す特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄表示器20での表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯等)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bの可動翼片の傾動動作設定等を行う普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。その後、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信(出力)する(S17)。
図9は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理では、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。その後、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。S21の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、乱数値MR1、MR2、MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納する。尚、始動入賞処理では、特図保留記憶部の空きエントリの先頭に保留情報を記憶する処理や、始動口入賞指定コマンドを送信するための設定や、保留記憶数通知コマンドを送信するための設定等が行われる(図10参照)。また、始動入賞処理では、入賞時乱数値判定処理を実行する。尚、入賞時乱数値判定処理では、変動カテゴリを判定し、この判定結果に応じた変動カテゴリ指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定等が行われる(図11参照)。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。特別図柄通常処理では、保留データの有無等に基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、乱数値MR1を示す数値データに基づき、変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。更に、変動表示結果に対応して確定特別図柄(大当り図柄やはずれ図柄のいずれか)が設定される。そして、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理等が含まれている。そして、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理等が含まれている。尚、特別図柄の変動経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、大当りフラグがオンとなっているか否かの判定等が行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったこと等に基づき、大当り遊技状態にてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理等が含まれている。具体的には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定する。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定する。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数等に基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理等を実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理等が含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知するエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理等が含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。尚、大当り終了処理では、遊技制御バッファ設定部に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、図12に示す演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理によりタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、コマンド解析処理を行う(S54)。コマンド解析処理では、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドが、どのコマンド(図3参照)であるのか解析する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。そして、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。そして、大当り図柄判定用乱数等の演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)、その後、S52に移行する。
図13は、演出制御メイン処理の演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、先ず、演出制御用CPU120は、変動中演出にて実行される演出の表示色や保留記憶表示の表示色を決定する変動中演出決定処理を実行する(S71)。次いで、演出制御用CPU120は、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理では、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5のラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
本実施例の変動中演出(予告演出)では、変動表示中に背景画像として一瞬だけ背景画像が輝くフラッシュ画像が表示され、このフラッシュ画像の表示色により当該変動表示にて大当りとなるか否かの期待度が示唆される(図21(C)参照)。また、変動中演出の実行に先立って、変動中演出に対応する変動表示が未だ開始される前に、保留記憶表示の表示色により当該変動表示にて大当りとなるか否かの期待度が示唆される保留表示予告演出が実行される(図21(A)参照)。
尚、各予告演出の大当り期待度(信頼度)とは、各予告演出が実行されて「大当り」となる確率を、各予告演出が実行されて「大当り」となる確率と各予告演出が実行されて「はずれ」となる確率の和で除算した数値である。
図14に示すように、変動中演出決定処理(S71)において演出制御用CPU120は、先ず、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aをチェックし(S241)、始動入賞時のコマンドの新たな格納が有るか否かを、表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリが存在するか否かにより判定する(S242)。
表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリが無い場合は(S242;N)、変動中演出決定処理を終了し、表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリが有る場合は(S242;Y)、該エントリの図柄指定コマンドが第1図柄指定コマンドであるか否か、つまり、図柄指定コマンドがはずれを示すコマンドであるか否かを判定する(S243)。該エントリの図柄指定コマンドが第1図柄指定コマンドでない場合、つまり、大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当りのいずれか)を示すコマンドである場合は(S243;N)、当該エントリの図柄指定コマンドから大当り種別を特定する(S244)。
そして、変動中演出用の乱数値を抽出し、S244において特定した大当り種別及び第1変動中演出表示色決定用テーブル(図15(A)参照)に基づいて、変動中演出の表示色、つまり変動中演出表示フラグの値を決定する(S245)。そして、後述するS248に進む。第1変動中演出表示色決定用テーブル(図15(A)参照)では、特定した大当り種別に応じて、変動中演出の表示色(予告種別)の決定割合を異ならせている。例えば、大当り種別が「確変大当りB」や「非確変大当り」である場合には、青色が最も決定され易く、赤色が最も決定され難い。また、大当り種別が「確変大当りA」である場合には、赤色が最も決定され易く、青色が最も決定され難い。尚、第1変動中演出表示色決定用テーブルでは、「変動中演出なし」が決定されることがないように判定値が割り当てられている。このような設定により、変動表示結果が「大当り」であり、かつ変動中演出の表示色として赤色が表示された場合は、その他の色が表示された場合よりも大当り種別が「確変大当りA」である割合が高くなり、遊技者の「確変大当りA」となることに対する期待度を高めることができる。
また、S243において、表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリの図柄指定コマンドが第1図柄指定コマンドである場合、つまり、はずれを示すコマンドである場合は(S243;Y)、新たな格納のあったエントリの変動カテゴリ指定コマンドが示す変動カテゴリを特定する(S246)。
そして、変動中演出用の乱数値を抽出し、S246において特定した変動カテゴリ及び第2変動中演出表示色決定用テーブル(図15(B)参照)に基づいて、変動中演出の表示色、つまり変動中演出表示フラグの値を決定する(S247)。そして、後述するS248に進む。第2変動中演出表示色決定用テーブル(図15(B)参照)では、特定した変動カテゴリに応じて、変動中演出の表示色(予告種別)の決定割合を異ならせている。例えば、変動カテゴリが「非リーチ」である場合には、「変動中演出なし」が最も決定され易く、青色、緑色、赤色の順で決定割合が少なくなっている。また、変動カテゴリが「その他」である場合には、「変動中演出なし」が決定される割合が「非リーチはずれ」である場合よりも減少し、青色、緑色、赤色が決定される割合がそれぞれ増加している。更に、変動カテゴリが「スーパーリーチ」である場合には、「変動中演出なし」が決定される割合が「その他」である場合よりも減少し、青色、緑色、赤色が決定される割合がそれぞれ増加している。
変動表示結果が「はずれ」である場合は、変動カテゴリが「非リーチ」、「その他」、「スーパーリーチ」のいずれにおいても、変動中演出が非実行に決定される割合が最も高く設定され、変動中演出が実行に決定されるとともに赤色が決定される割合が最も低く設定されている。変動カテゴリが「非リーチ」である場合は、赤色が決定されることがない。
更に、変動表示結果が「大当り」である場合には、変動中演出が非実行に決定されることがない。また、変動表示結果が「大当り」である場合には、変動中演出が実行に決定されるとともに、変動中演出の表示色が緑色や赤色に決定される割合は、変動表示結果が「はずれ」である場合の各変動カテゴリにおいて緑色や赤色に決定される割合よりも高く設定されている。このような設定により、変動中演出において緑色や赤色が用いられた場合は、変動表示結果が「大当り」となる可能性が高く、特に赤色が用いられた場合は、変動表示結果が「大当り」であり、かつ大当り種別が「確変大当りA」となる割合が高まるため、遊技者の期待度を高めることができる。
S245の実行後またはS247の実行後に、演出制御用CPU120は、決定された変動中演出の表示色が緑色または赤色であるか否か、つまり、決定された変動中演出表示フラグの値が「2」または「3」であるか否か(「0」または「1」でないこと)を判定する(S248)。ここで、決定された変動中演出表示フラグの値が「2」または「3」である場合は(S248;Y)、保留表示色決定用の乱数値を抽出し、決定された変動中演出表示フラグの値に対応する保留表示色決定用テーブルを用いて保留表示色、つまり保留表示フラグの値を「1」〜「3」のいずれかに決定する(S249)。
具体的には、決定された変動中演出表示フラグの値が緑色の変動中演出表示色に対応する「2」の値である場合は、第1保留表示色決定用テーブル(図16(A)参照)を用いて保留表示色を決定する。この第1保留表示色決定用テーブルでは、青色の保留表示色が最も決定され易く、赤色の保留表示色が決定されることがない。つまり、緑色の変動中演出表示色が決定されている場合には、この緑色と同ランクかそれ以下の保留表示色が決定される。また、決定された変動中演出表示フラグの値が赤色の変動中演出表示色に対応する「3」の値である場合は、第2保留表示色決定用テーブル(図16(B)参照)を用いて保留表示色を決定する。この第2保留表示色決定用テーブルでは、青色の保留表示色が最も決定され易く、赤色の保留表示色が最も決定され難い。尚、赤色の変動中演出表示色が決定されている場合には、青色、緑色、赤色のどの色が決定されても良くなっている。
また、演出制御用CPU120は、S249にて決定された保留表示色に対応するフラグ値を当該エントリの保留表示フラグにセットする(S250)。尚、S248の判定において決定された変動中演出表示フラグの値が「2」または「3」でなかった場合は(S248;N)、青色(通常の表示態様)に対応するフラグ値を当該エントリの保留表示フラグにセットする(S251)。そして、演出制御用CPU120は、当該エントリの表示未決定フラグの値を「0」に変更して(S252)、変動中演出決定処理を終了する。
図17に示すように、演出図柄変動開始処理(S74)において演出制御用CPU120は、先ず、変動開始コマンド受信フラグに応じて始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの特図保留記憶のバッファ番号に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S271〜S274)。尚、バッファ番号「1−0」や「2−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。そして、変動パターン指定コマンドを読み出し(S275)、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S276)。
次いで、演出制御用CPU120は、保留記憶バッファ(始動入賞時受信コマンドバッファ194A)に基づいて当該変動に対応する保留記憶(最上位のエントリ)の変動中演出表示フラグの値を特定する(S277)。そして、変動中演出表示フラグの値が「0」であるか否か、つまり、変動中演出の実行が決定されているか否かを判定する(S278)。ここで、変動中演出表示フラグの値が「0」である場合は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S281)。一方、変動中演出表示フラグの値が「0」でない場合、つまり、変動中演出を実行する場合は、変動中演出パターン決定処理を実行し(S279)、この変動中演出パターン決定処理にて決定した変動中演出パターンと変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S280)。
そして、演出制御用CPU120は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1のプロセスタイマをスタートし(S282)、プロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行し(S283)、変動時間タイマに変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S284)、変動制御タイマに所定時間を設定し(S285)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理に対応した値にし(S286)、当該演出図柄変動開始処理を終了する。
本実施例では、演出図柄変動開始処理にて各種変動パターンが選択され、変動表示が開始されるが、この変動表示中に背景画像として一瞬だけ背景画像が輝くフラッシュ画像が表示される変動中演出が実行される場合がある。このフラッシュ画像を表示するタイミングやフラッシュ画像の表示色は、プロセステーブルの記述に基づいて制御される。変動中演出パターン決定処理(S277)では、各種変動パターンに対応する変動中演出パターンが予め設定されており、各変動中演出パターンを所定の決定割合で決定する。
図18に示すように、変動中演出パターン決定処理(S277)において演出制御用CPU120は、当該変動の変動表示結果と変動パターンとを特定する(S291)。次いで、演出制御用CPU120は、保留記憶バッファ(始動入賞時受信コマンドバッファ194A)に基づいて当該変動に対応する保留記憶(最上位のエントリ)の変動中演出表示フラグの値に対応する変動中演出パターン決定用テーブルを特定する(S292)。そして、変動中演出パターン決定用乱数を抽出し、特定された変動中演出パターン決定用テーブルを用いて変動中演出パターンを決定し(S293)、決定された変動中演出パターンを記憶して(S294)、当該変動中演出パターン決定処理を終了する。
本実施例の各変動中演出パターン決定用テーブルは、非リーチ変動パターンやノーマルリーチ変動パターン等の各変動パターンに対応して予め設定されたテーブルである。尚、通常(擬似連以外)の変動パターンでは、1回の変動表示中に1回のフラッシュ画像が出現可能なタイミングが設定されている。また、スーパーリーチ変動パターンには、「擬似連」の変動表示演出を実行する変動パターン等が含まれているが、この擬似連の変動パターンでは、複数回のフラッシュ画像が出現可能なタイミングが設定されている。
例えば、図19に示すように、擬似連が2回実行されるスーパーリーチ変動パターンでは、変動中演出のフラッシュ画像が出現可能なタイミングとして、最初の変動とその後に続く2回の再変動とで合計3回のタイミングがある。尚、フラッシュ画像が出現可能なタイミングであってもフラッシュ画像が出現しないときもある。また、フラッシュ画像が多く出現する変動中演出パターンの方が「大当り」となる可能性が高い。また、青色のフラッシュ画像が多く出現するときよりも、緑色のフラッシュ画像が多く出現する変動中演出パターンの方が「大当り」となる可能性が高く、更に、緑色のフラッシュ画像が多く出現するときよりも、赤色のフラッシュ画像が多く出現する変動中演出パターンの方が「大当り」となる可能性が高い。図19では、変動中演出パターンAから順に変動中演出パターンIに至るまで「大当り」となる可能性が順次高くなっている。尚、各変動中演出パターンA〜Iは、各出現タイミングにおいて、直前に出現したフラッシュ画像の表示色が示唆する大当り期待度のランクよりも低いランクの表示色のフラッシュ画像が出現しないように予め設定されている。例えば、最初の変動で緑色のフラッシュ画像が出現した場合には、その後の再変動で青色のフラッシュ画像が出現しないようになっており、緑色や赤色のフラッシュ画像が出現するように予め設定されている。
図21及び図22に示すように、擬似連では、緑色の保留記憶表示に基づいて変動表示が開始されると(図21(A)〜(B))、最初の演出図柄の変動中に緑色のフラッシュ画像が表示される(図21(C))。そして、演出図柄が一旦仮停止された後(図21(D))、演出図柄の再変動中に赤色のフラッシュ画像が表示される(図21(E)〜(F))。更に、演出図柄が一旦仮停止された後(図21(G))、演出図柄が再変動され(図21(H))、左右の演出図柄が停止してリーチ状態になったときに赤色のフラッシュ画像が表示される(図22(I))。そして、リーチ演出が実行され(図22(J)〜(K))、大当り表示がされる(図22(L))。
図20には、擬似連が2回実行されるスーパーリーチ変動パターン用の変動中演出パターン決定用テーブルを例示している。図20(A)は、変動中演出表示フラグの値が「1」である場合、つまり、擬似連の最後の回の出現タイミングで表示されるフラッシュ画像が青色であることが決定されている場合に選択される第1変動中演出パターン決定用テーブルである。このテーブルでは、擬似連の最後の回に青色のフラッシュ画像が出現する変動中演出パターンA〜Cのいずれかが決定される。このテーブルでは、変動表示結果が「はずれ」となる場合は、変動中演出パターンAが決定され易いように判定値が割り当てられている。更に、変動表示結果が「大当り」となる場合は、変動中演出パターンCが決定され易いように判定値が割り当てられている。
図20(B)は、変動中演出表示フラグの値が「2」である場合、つまり、擬似連の最後の回の出現タイミングで表示されるフラッシュ画像が緑色であることが決定されている場合に選択される第2変動中演出パターン決定用テーブルである。このテーブルでは、擬似連の最後の回に緑色のフラッシュ画像が出現する変動中演出パターンD〜Fのいずれかが決定される。このテーブルでは、変動表示結果が「はずれ」となる場合は、変動中演出パターンDが決定され易いように判定値が割り当てられている。更に、変動表示結果が「大当り」となる場合は、変動中演出パターンFが決定され易いように判定値が割り当てられている。
図20(C)は、変動中演出表示フラグの値が「3」である場合、つまり、擬似連の最後の回の出現タイミングで表示されるフラッシュ画像が赤色であることが決定されている場合に選択される第3変動中演出パターン決定用テーブルである。このテーブルでは、擬似連の最後の回に赤色のフラッシュ画像が出現する変動中演出パターンG〜Iのいずれかが決定される。このテーブルでは、変動表示結果が「はずれ」となる場合は、変動中演出パターンGが決定され易いように判定値が割り当てられている。更に、変動表示結果が「大当り」となる場合は、変動中演出パターンIが決定され易いように判定値が割り当てられている。
前述した変動中演出決定処理(図14)において、変動中演出表示フラグの値、つまり、変動中演出のフラッシュ画像の表示色を決定し、決定された変動中演出の表示色に合わせて保留記憶表示の表示色を決定し、この保留記憶表示の表示色が変動中演出の表示色が示唆する大当り期待度のランクと、同一ランクか低いランクの表示色となっているので、保留記憶表示が緑色の大当り期待度の高い表示色で表示された場合に、その後の変動中演出において、緑色や赤色のフラッシュ画像が出現するようになっている。そのため、保留記憶表示の表示色により高められた大当りとなることの期待感、つまり、大当り遊技状態に制御される期待感が変動中演出においても持続される。
尚、本実施例では、擬似連用の変動中演出パターン決定用テーブルにおいて、変動中演出表示フラグの値が、擬似連の最後の回の出現タイミングで表示されるフラッシュ画像に対応するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動中演出表示フラグの値が、例えば、擬似連の最初の回や途中の回の出現タイミングで表示されるフラッシュ画像に対応するようにしても良い。
図23には、変形例としての擬似連が2回実行されるスーパーリーチ変動パターン用の変動中演出パターン決定用テーブルを例示している。変形例では、最初に出現するフラッシュ画像の表示色が、保留記憶表示の表示色と同一かそれ以上の大当り期待度のランクを示唆する表示色になるようにしている。
図23(A)は、変動中演出表示フラグの値が「1」である場合、つまり、最初に出現するフラッシュ画像の表示色が青色であることが決定されている場合に選択される第1変動中演出パターン決定用テーブルである。このテーブルでは、最初に出現するフラッシュ画像の表示色が青色である変動中演出パターンA〜Iのいずれかが決定される。このテーブルでは、変動表示結果が「はずれ」となる場合は、変動中演出パターンAが決定され易いように判定値が割り当てられている。更に、変動表示結果が「大当り」となる場合は、変動中演出パターンIが決定され易いように判定値が割り当てられている。
図23(B)は、変動中演出表示フラグの値が「2」である場合、つまり、最初に出現するフラッシュ画像の表示色が緑色であることが決定されている場合に選択される第2変動中演出パターン決定用テーブルである。このテーブルでは、最初に出現するフラッシュ画像の表示色が緑色である変動中演出パターンF〜Iのいずれかが決定される。このテーブルでは、変動表示結果が「はずれ」となる場合は、変動中演出パターンFが決定され易いように判定値が割り当てられている。更に、変動表示結果が「大当り」となる場合は、変動中演出パターンIが決定され易いように判定値が割り当てられている。
図23(C)は、変動中演出表示フラグの値が「3」である場合、つまり、最初に出現するフラッシュ画像の表示色が赤色であることが決定されている場合に選択される第3変動中演出パターン決定用テーブルである。尚、最初に出現するフラッシュ画像の表示色が赤色である変動中演出パターンは、変動中演出パターンIのみであるので、この変動中演出パターンIのみが決定される。
尚、図23(A)に示す第1変動中演出パターン決定用テーブルにおいて、フラッシュ画像が出現可能なタイミングであってもフラッシュ画像が出現しないときもある変動中演出パターンA及びBの変動中演出パターンを決定の対象から外すようにしても良い。つまり、再変動を含む変動にて1回はフラッシュ画像の表示(変動中演出)が行われる場合に、全てのフラッシュ画像の表示色が、保留記憶表示の表示色が示唆する大当り期待度のランクと、同一ランクか高いランクの表示色であるようにしても良い。
以上、本実施例のパチンコ遊技機1によれば、演出制御用CPU120が第2変動中演出パターン決定用テーブル(図20(B))を用いて変動中演出パターンD〜Fのいずれかを決定し、保留記憶表示の表示色が緑色である場合に、変動中演出にて最終的に表示されるフラッシュ画像が緑色または赤色であり、当該決定された変動中演出パターンに基づいて変動中演出を実行することで、変動中演出が実行されたときに、変動中演出以前に実行された保留表示予告演出により高められた遊技者の大当り遊技状態になることの期待感を損なわないようにできる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120が緑色のフラッシュ画像の対応する第1保留表示色決定用テーブル(図16(A))を用いて保留表示色を決定する場合に、青色または緑色のどちらか一方を選択することで、変動中演出が実行される前に、変動中演出よりも大当り遊技状態になることへの期待感が高められる保留表示予告演出が実行されることがなくなるので、遊技者の期待感を損なわないようにできる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120が第2変動中演出パターン決定用テーブル(図20(B))を用いて変動中演出パターンD〜Fのいずれかを決定し、保留記憶表示の表示色が緑色である場合に、変動中演出にて最終的に表示されるフラッシュ画像が緑色または赤色であり、当該決定された変動中演出パターンに基づいて変動中演出を実行することで、擬似連の最後の回の変動中演出が、保留表示予告演出が高めた大当り遊技状態になることへの期待感を更に高めるので、擬似連の最後の回の変動中演出まで遊技者の注目を持続させることができる。
また、変形例によれば、演出制御用CPU120が第2変動中演出パターン決定用テーブル(図23(B))を用いて変動中演出パターンF〜Iのいずれかを決定し、保留記憶表示の表示色が緑色である場合に、変動中演出にて最初に表示されるフラッシュ画像が緑色または赤色であり、当該決定された変動中演出パターンに基づいて変動中演出を実行することで、擬似連の全ての回の変動中演出が、変動前演出が高めた大当り遊技状態になることへの期待感を更に高めるので、保留表示予告演出により高められた遊技者の期待感を損なわないようにできる。
また、本実施例によれば、青色の保留記憶表示が変動中演出の青色のフラッシュ画像に関連し、緑色の保留記憶表示が変動中演出の緑色のフラッシュ画像に関連し、赤色の保留記憶表示が変動中演出の赤色のフラッシュ画像に関連していることで、保留表示予告演出が実行されたときに、その後に実行される変動中演出の演出態様が予想できるので、遊技者の大当り遊技状態になることへの期待感を持続させることができる。
尚、前記実施例では、青色の保留記憶表示が表示されたときには、緑色や赤色の保留記憶表示されたときよりも「はずれ」となる可能性が高くなっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、青色の保留記憶表示が表示されたときよりも更に「はずれ」となる可能性が高い色(例えば白色)の保留記憶表示を表示可能としても良い。そして、「はずれ」となる場合よりも「大当り」となる可能性が高い場合に、白色の保留記憶表示よりも高い割合で青色の保留記憶表示を表示するようにしても良い。
また、前記実施例では、変動中演出として所定の表示色のフラッシュ画像が出現する演出を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動中演出として、色、大きさ、種類、表示時間、表示タイミング、表示位置、動作範囲、表示回数、表示個数、角度、動作速度、音、光、輝度等の態様の変化で大当り期待度を示唆するものであっても良い。更に、キャラクタが登場するキャラクタ予告演出や、予告画像が段階的に変化するステップアップ予告や、キャラクタが所定のセリフを喋るセリフ予告や、枠画像等の所定の画像が一瞬だけ画面に表示されるカットイン予告や、所定のキャラクタの一群が表示領域を横切る群予告や、遊技効果ランプ9が所定の表示色で点灯するランプ予告等の演出を実行しても良い。また、表示色で大当り期待度が示唆されるもの以外の演出であっても良く、例えば、遊技領域に設けられた所定の役物部材が動作する役物予告等の演出にて、複数の役物部材のうち、いずれの役物部材が動作するかによって大当り期待度が示唆されるものであっても良い。尚、保留記憶表示との関連を明確にするために、各保留記憶表示の表示色に対応して各表示色を有する各役物部材を設けるようにしても良い。
また、変動前演出として保留記憶表示の表示色で大当り期待度を示唆する演出を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動前演出として、色、大きさ、種類、表示時間、表示タイミング、表示位置、動作範囲、表示回数、表示個数、角度、動作速度、音、光、輝度等の態様の変化で大当り期待度を示唆するものであっても良い。更に、保留記憶表示と変動中演出とが互いに関連する態様としては、表示色が関連しているもののみならず、その他の態様が互いに関連しても良い(互いに同一であっても良い)。例えば、保留記憶表示の画像と変動中演出の画像との形状が互いに関連しても良いし、保留記憶表示が発生したときの音と変動中演出の実行時の音とが互いに関連しても良い。また、保留記憶表示の画像と物語性等の観念が関連する画像を変動中演出で用いても良い。例えば、昔話の桃太郎の物語を題材としたときに、イヌ、サル、キジ、桃太郎の順で大当り期待度が高くなる場合には、保留記憶表示としてキジの画像を表示させたときに、その後の変動中演出では、キジまたは桃太郎が出現する演出を行うようにする。また、登場人物が使用するアイテムを保留記憶表示の画像として表示させた場合には、アイテムを使用するキャラクタを変動中演出で出現させても良い。つまり保留記憶表示の態様によって、遊技者が、その後に実行される変動中演出の態様を連想できるものであれば良い。
また、前記実施例では、変動中演出として当該変動表示を示す保留記憶、所謂アクティブ保留表示の表示色を変化させる演出を実行しても良い。また、アクティブ保留表示の表示色を変化させる演出の後に、変動中演出として所定の表示色のフラッシュ画像が出現する演出を実行しても良く、その場合には、アクティブ保留表示の表示色が示唆する大当り期待度のランクと、同一ランクまたは高いランクの表示色でフラッシュ画像が出現するようにしても良い。
また、前記実施例では、変動中演出決定処理(図14)において、変動中演出の表示色を決定し、決定された変動中演出の表示色に合わせて変動前演出としての保留記憶表示の表示色を決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留記憶表示の表示色を決定した後に、当該保留記憶表示に基づく変動表示が開始されるときに、変動中演出の表示色を決定するようにしても良い。尚、保留記憶表示に基づく変動表示結果が保留記憶表示の表示色が示唆する大当り期待度と異なる場合、例えば、赤色の保留記憶表示に基づく変動表示結果が「はずれ」となる場合は、当該保留記憶表示に基づく変動表示が開始されるときに、変動中演出を実行しないように決定しても良い。また、保留記憶表示に基づく変動表示が開始されるときに、当該変動表示に対応する保留記憶表示の表示色を参照するもののみならず、例えば、保留記憶表示に基づく変動表示が開始されるときに、表示中の全ての保留記憶表示の表示色を参照し、これら保留記憶表示の表示色のうち、最も大当り期待度が高いランクの表示色を特定し、この表示色よりも大当り期待度が同一ランクか高いランクの表示色を変動中演出の表示色として決定しても良い。更に、保留記憶表示の表示色及び変動中演出の表示色を決定する前に、まず、保留記憶に対応する変動カテゴリに基づいて変動表示結果の大当り期待度を示すランクを決定し、該決定されたランクに基づいて保留記憶表示の表示色及び変動中演出の表示色を決定するようにしても良い。
遊技者にとって有利な状態とは、遊技者が多くの遊技媒体を獲得できる遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り等)や、獲得できる遊技媒体の期待値が異なる複数種類の特定遊技状態や、通常遊技状態よりも賞球払出の条件が成立しやすくなる高ベース状態(時短状態)や、前記特定遊技状態となる確率が高い高確率遊技状態(高確率状態)や高確低ベース状態(潜伏確変状態)、特別リーチ状態(例えば、スーパーリーチ等)、当該変動パターンが大当り変動パターンに基づく変動パターンである状態等が含まれる。
また、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。また、打球発射装置をパチンコ遊技機1の遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしても良い。