JP2017022878A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御性を向上させることが可能なモータの制御装置を提供する。【解決手段】トルク指令値から回転座標系上の第1電流指令値を算出する電流指令部と、算出された第1電流指令値から第2電流指令値を算出する補正部と、算出された第2電流指令値と、各相のコイルに流れる実電流値とに基づいて、各相のコイルに印加する電圧の電圧指令値を算出する電圧指令部と、算出された電圧指令値に基づいて、インバータを操作する操作部と、を備える。補正部は、回転子位置θに対する各相の自己インダクタンスの変化量が正の値となる区間に基づいて、各相の相電流の通電区間を判別するとともに、通電区間以外を非通電区間とする区間判別部を含み、通電区間における第1電流指令値を通電区間における第2電流指令値とするとともに、非通電区間における各相の前記相電流を減少させるように各相の前記第1電流指令値を補正して、第2電流指令値を算出する。【選択図】 図2

Description

本発明は、相毎に独立して制御するモータの制御装置に関する。
SRモータのような相毎に独立して制御されるモータの制御装置として、特許文献1に記載のSRモータの制御装置が提案されている。一般に、SRモータのような相毎に独立して制御されるモータの駆動には、ユニポーラ駆動回路が用いられ、モータのコイルには一方向にしか電流が流れない。特許文献1に記載の制御装置は、各相に流れる電流をそれぞれ検出し、検出した各相の電流の符号を操作することで、各相の電流を交流電流として扱っている。そして、特許文献1に記載の制御装置は、各相の電流を交流電流として扱うことで、回転座標系におけるベクトル制御の適用を可能にして、モータの制御性を向上させている。この種の制御装置として、電流指令値を正の値で変動する理想的な正弦波電流とすることで、ベクトル制御の適用を可能にして、制御性を向上させているものもある。
特開2005−151665号公報
電流指令値を理想的な正弦波電流とすることで、モータの制御性を向上させることができるが、このようにすると、モータの回転子位置に対するインダクタンスの変化量が負の値となる期間においてもモータに電流が流れる。インダクタンスの変化量が負の値となる期間においては、負のトルクが発生する。よって、トルクに寄与しない電流がモータに流れるため、銅損が増加するという問題がある。ひいては、損失が増加することにより、指令電流に対する実電流の追従性が低下し、制御性が低下するおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑み、制御性を向上させることが可能なモータの制御装置を提供することを主たる目的とする。
請求項1に記載の発明は、モータを駆動するインバータを操作して、前記モータを相毎に独立して制御するモータ制御装置であって、前記モータに対するトルク指令値から回転座標系上の第1電流指令値を算出する電流指令部と、前記電流指令部により算出された前記第1電流指令値から回転座標系上の第2電流指令値を算出する補正部と、前記補正部により算出された前記第2電流指令値と、前記各相のコイルに流れる実電流値を前記モータの回転子位置を用いて変換した回転座標系上の実電流と、に基づいて、前記各相のコイルに印加する電圧の指令値である電圧指令値を算出する電圧指令部と、前記電圧指令部により算出された電圧指令値に基づいて、前記インバータを操作する操作部と、を備え、前記補正部は、前記回転子位置に対する前記モータの各相のコイルの自己インダクタンスの変化量が正の値となる区間に基づいて、各相の相電流の通電区間を判別するとともに、前記通電区間以外を非通電区間とする区間判別部を含み、前記通電区間における前記第1電流指令値を前記通電区間における前記第2電流指令値とするとともに、前記非通電区間における各相の前記第1電流指令値を、各相の前記相電流を抑制するように補正して、前記非通電区間における第2電流指令値を算出する。
請求項1に記載の発明によれば、トルク指令値から回転座標系上の第1電流指令値が算出される。また、モータの回転子位置に対する各相のコイルの自己インダクタンスの変化量が正の値となる区間、すなわち、正のトルクが発生する区間に基づいて、各相の相電流の通電区間が判別されるとともに、通電区間以外が非通電区間とされる。そして、通電区間における第1電流指令値はそのまま通電区間における第2電流指令値とされる。また、非通電区間における第1電流指令値が、相電流を抑制するように補正されて、非通電区間における第2電流指令値とされる。さらに、第2電流指令値と実電流とに基づいて電圧指令値が算出され、算出された電圧指令値に基づいてインバータが操作される。これにより、回転座標系上におけるベクトル制御を適用しつつ、正のトルクが発生しない非通電区間における相電流の通電を抑制することができる。よって、損失を低減しつつ電流指令値に対する実電流の追従性を向上させ、モータの制御性を向上させることができる。
また、請求項7に記載の発明は、モータを駆動するインバータを操作して、前記モータを相毎に独立して制御するモータ制御装置であって、前記モータに対するトルク指令値から回転座標系上の電流指令値を算出する電流指令部と、前記電流指令部により算出された前記電流指令値と、前記モータの各相のコイルに流れる実電流値を前記モータの回転子位置を用いて変化した回転座標系上の実電流と、に基づいて、比例積分制御及び非干渉制御により前記各相のコイルに印加する電圧の指令値である電圧指令値を算出する電圧指令部と、前記電圧指令部により算出された前記電圧指令値に基づいて、前記インバータを操作する操作部と、前記電流指令部により算出された前記電流指令値に対応する各相の相電流が所定値以下となる場合に、前記所定値以下となった相の前記比例積分制御を停止させる停止部と、を備える。
請求項7に記載の発明によれば、トルク指令値から回転座標系上の電流指令値が算出され、算出された電流指令値とコイルに流れる実電流とに基づいて、比例積分制御及び非干渉制御により電圧指令値が算出される。算出された電圧指令値に基づいて、インバータが操作される。さらに、電流指令値に対応する相電流が負の値となる場合には、比例積分制御が停止される。一般に、相毎に独立して制御されるモータには、ユニポーラインバータが適用され、モータのコイルには一方向にしか電流が流れない。相電流が負となる電流指令値が与えられた場合に比例積分制御を続けると、指令電流値と実電流値との偏差が増大する。その結果、相電流が正となる電流指令値に変わった後も、増大した偏差の影響が残り、電流指令値に対する実電流の追従性が低下する。ひいては、モータの制御性が低下する。これに対して、相電流が所定値以下となる場合に、所定値以下となった相の比例積分制御を停止させることにより、指令電流値と実電流値との偏差の増大を抑制して、制御性を向上させることができる。
モータシステムの概略構成を示す構成図。 第1実施形態に係るモータ制御装置の機能を示すブロック図。 第1実施形態に係るモータ制御装置の補正部の機能を示すブロック図。 回転子位置及び相電流の振幅に対する磁束の変化を示す図。 回転子位置に対する通電区間及び非通電区間を示す図。 (a)第1実施形態に係る対策後の電流指令値及び実電流を示す図。(b)対策前の電流指令値及び実電流を示す図。 (a)第1実施形態に係る相電流を示す図。(b)第1実施形態に係る損失を示す表。 (a)従来の相電流を示す図。(b)従来の損失を示す表。 第2実施形態に係るモータ制御装置の機能を示すブロック図。 (a)第2実施形態に係る対策後の電流指令値及び実電流を示す図。(b)対策前の電流指令値及び実電流を示す図。 第3実施形態に係るモータ制御装置の機能を示すブロック図。
以下、モータ制御装置をSRモータに適用した各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。各実施形態において、SRモータは、車両に搭載された走行用モータを想定している。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
(第1実施形態)
まず、本実施形態に係るSRモータシステムの構成について、図1を参照して説明する。本実施形態に係るSRモータシステムは、SRモータ300、インバータ200、電流センサ310、回転位置センサ320、直流電源210、及び制御装置100を備える。
SRモータ300は、例えば、径方向に突出する4個の突極を有する回転子330と、回転子330の突極と対向する6個の突極を有する筒状の固定子(図略)と、固定子の突極に巻回されたコイルφa,φb,φcと、を有する3相モータとして構成されている。コイルφa,φb,φcは、それぞれa相、b相、c相を構成している。
電流センサ310は、コイルφa,φb,φcを流れる実電流である相電流Ia,Ib,Icを検出する。相電流Ia,Ib,Icは、固定子のコイルφa,φb,φcに固定されたa軸、b軸、c軸からなる固定座標系の電流である。回転位置センサ320は、回転子の電気角位置を検出するセンサであり、レゾルバ等により構成されている。
インバータ200は、電圧Vdcの直流電源210から供給された直流電力を3相電力に変換して、SRモータ300へ供給する電力変換回路である。インバータ200は、a相の電力変換回路、b相の電力変換回路、及びc相の電力変換回路が互いに並列に接続されて構成されており、相毎に独立してコイルφa,φb,φcを通電するものである。各相の電力変換回路は同様の構成となっているため、以下、a相の電力変換回路を代表して説明する。
a相の電力変換回路は、IGBTやMOSFET等のスイッチング素子S1,S2及びダイオードD1,D2を備える。スイッチング素子S1は、ダイオードD1のアノード側に直列に接続されており、スイッチング素子S2は、ダイオードD2のカソード側に直列に接続されている。また、スイッチング素子S1,S2には、それぞれボディダイオードが並列に接続されている。そして、スイッチング素子S1及びダイオードD1の接続点と、スイッチング素子S2及びダイオードD2の接続点との間に、コイルφaが接続されている。すなわち、a相の電力変換回路は、いわゆる非対称Hブリッジ回路となっている。
同様に、b相及びc相の電力変換回路も、非対称Hブリッジ回路となっている。よって、インバータ200は、3個の非対称Hブリッジ回路が互いに並列に接続された回路となっている。インバータ200の入力端子間には、平滑コンデンサを介して、直流電源210が接続されている。直流電源210は、例えば、リチウム二次電池等の高圧バッテリである。上述したように、インバータ200は、各相の非対称Hブリッジ回路が互いに並列に接続されているため、SRモータ300の各相のコイルφa,φb,φcに個別に電圧を印加して、各相の電流を個別に制御することができる。すなわち、SRモータ300を相毎に独立して制御することができる。
各相の電力変換回路に含まれるスイッチング素子S1〜S6は、それぞれ、制御装置100から送信された操作信号g1〜g6によりオン又はオフされる。スイッチング素子S1〜S6がIGBT等の電圧制御素子の場合、操作信号g1〜g6は、スイッチング素子S1〜S6のゲート駆動信号となる。
スイッチング素子S1及びS2をオンにすると、直流電源210の正極側からスイッチング素子S2、コイルφa、スイッチング素子S1を通る経路で電流が流れ、コイルφaに正の電圧Vdcが印加される(正電圧印加モード)。スイッチング素子S1をオフ及びスイッチング素子S2をオンにすると、スイッチング素子S2、コイルφa、ダイオードD1の経路を電流が循環して、コイルφaに印加される電圧は零になる(零電圧印加モード)。同様に、スイッチング素子S1をオン及びスイッチング素子S2をオフにすると、コイルφaに印加される電圧は零になる(零電圧印加モード)。また、スイッチング素子S1及びS2をオフにすると、直流電源210の負極がwからダイオードD2、コイルφa、ダイオードD1の経路で電流が流れ、コイルφaに負の電圧−Vdcが印加される(負電圧印加モード)。
上記各モードのいずれの場合でも、コイルφaには同じ方向にしか電流が流れない。b相及びc相も同様である。すなわち、インバータ200は、コイルφa,φb,φcのそれぞれに対して、一定の方向にしか電流を流さないユニポーラ駆動回路である。一般に、SRモータ300のような相毎に独立して制御されるモータには、ユニポーラ駆動のインバータが適用される。
制御装置100(モータ制御装置)は、CPU、ROM、RAM及びI/O等を備えたマイクロコンピュータである。制御装置100は、CPUがROMに記憶されている各種プログラムを実行することにより、電流指令部10、補正部20、電圧指令部30、座標変換部40、変調率指令部50及びPWM部60の各機能を実現する。以下、制御装置100の各機能について、図2を参照して説明する。
電流指令部10は、SRモータ300に対するトルク指令値τ*から、回転座標系上の第1電流指令値Id*,Iq*,I0*を算出する。詳しくは、電流指令部10は、電気角で示される回転子330の回転子位置θごとに、所望のトルクとなる電流指令値を示す指令マップを有している。そして、電流指令部10は、指令マップを用いて、トルク指令値τ*、及び回転位置センサ320により検出された回転子位置θから、電流指令値Id*,Iq*,I0*を算出する。トルク指令値τ*は、制御装置100よりも上位の制御装置、例えばハイブリッド制御装置等から制御装置100へ送信される。
なお、回転座標系は、回転子330に固定されたd軸、q軸、0軸からなる座標系である。固定座標系と回転座標系との関係は次の式(1)のようになる。相電流Ia,Ib,Icが平衡している場合、すなわちIa+Ib+Ic=0の場合、0軸の電流I0は0となるが、相電流Ia,Ib,Icが不平衡となる場合、0軸の電流I0は0とならない。本実施形態では、相電流Ia,Ib,Icが不平衡となる場合を考慮して、dq軸だけでなく0軸も用いている。
補正部20は、電流指令部10により算出された第1電流指令値Id*,Iq*,I0*に基づいて、回転座標系上の第2電流指令値Id**,Iq**,I0**を算出する。補正部20の詳細については後述する。
電圧指令部30は、補正部20により算出された第2電流指令値Id**,Iq**,I0**と、コイルφa,φb,φcを流れる実電流である相電流Ia,Ib,Icとに基づいて、電圧指令値Va*,Vb*,Vc*を算出する。電圧指令値Va*,Vb*,Vc*は、コイルφa,φb,φcに印加する相電圧の指令値である。詳しくは、電圧指令部30は、偏差算出部31a〜31c、PI制御部32a〜32c、非干渉制御部33及び座標変換部34の機能を有する。
偏差算出部31a〜31cは、それぞれ、座標変換部40により算出された回転座標系上の実電流Id,Iq,I0と、補正部20により算出された第2電流指令値Id**,Iq**,I0**との、偏差ΔId,ΔIq,ΔI0を算出する。座標変換部40は、電流センサ310により検出された相電流Ia,Ib,Icを、回転位置センサ320により検出された回転子位置θを用いて、回転座標系上の実電流Id,Iq,I0に変換する。
そして、PI制御部32a〜32cは、それぞれ、偏差算出部31a〜31cにより算出された偏差ΔId,ΔIq,ΔI0について、比例積分制御を実施する。非干渉制御部33は、PI制御部32a〜32cの各出力に対して、回転子位置θを微分して算出した回転速度を用いて周知の非干渉制御を実施し、回転座標系上の電圧指令値Vd*,Vq*,V0*を算出する。座標変換部34は、回転位置センサ320により検出された回転子位置θを用いて、回転座標系上の電圧指令値Vd*,Vq*,V0*を、固定座標系上の電圧指令値Va*,Vb*,Vc*に変換する。
変調率指令部50は、電源電圧と固定座標系上の電圧指令値とに基づいて、変調指令値Ta*,Tb*,Tc*を算出する。
PWM部60(操作部)は、変調率指令部50により算出された変調指令値Ta*,Tb*,Tc*から、スイッチング素子S1〜S6を操作する操作信号g1〜g6を算出する。そして、PWM部60は、算出したゲート駆動信号である操作信号g1〜g6を、スイッチング素子S1〜S6へ送信する。これにより、コイルφa,φb,φcに電圧指令値Va*,Vb*,Vc*の電圧が印加されるように、インバータ200が操作される。
次に、補正部20について、図3を参照して詳しく説明する。SRモータ300のa相のトルクτaは、式(2)のように表される。式(2)で示すように、トルクτaは、a相の相電流Iaの振幅の2乗に比例する。また、トルクτaは、回転子330の回転子位置θに対するa相の自己インダクタンスLaの傾きが正の場合に正のトルクとなり、自己インダクタンスLaθの傾きが負の場合に負のトルクとなる。
図2に、b相及びc相の相電流Ib及びIcの振幅を一定として、a相の相電流Iaの振幅を60(A)から300(A)の範囲で変化させた場合における、回転子位置θに対する各相の磁束λa,λb,λcの変化を示す。磁束λaは、自己インダクタンスLaと相電流Iaに比例するため、所定の相電流値における磁束λaの変化は、自己インダクタンスLaの変化を表す。
図示されるように、自己インダクタンスLaは、回転子位置θに対して増減する。自己インダクタンスLaが減少する期間、すなわち、回転子位置θに対する自己インダクタンスLaの変化の傾きが負となる期間において、コイルφaに相電流Iaを流すと、負のトルクが発生して、損失、特に銅損が大きくなる。ひいては、電流指令値に対して実電流の追従性が低下し、SRモータ300の制御性が低下する。よって、損失を抑制するためには、回転子位置θに対する自己インダクタンスLaの変化の傾きが負となる期間では、コイルφaに流す相電流Iaを抑制することが望ましい。同様に、回転子位置θに対する自己インダクタンスLb,Lcの変化の傾きが負となる期間では、コイルφb,φcに流す相電流Ib,Icを抑制することが望ましい。
なお、図4において、相電流Iaの振幅変化により、b相及びc相の自己インダクタンスLb,Lcが変化している。このように、実際には、自己インダクタンスLa,Lb,Lcは、自相の相電流の振幅変化だけでなく、他相の相電流の振幅変化の影響も受けて変化するが、自相の相電流の振幅変化の影響に対して、他相の相電流の振幅変化の影響は小さい。よって、自相の相電流の振幅変化を考慮するだけでもよい。
補正部20は、回転子位置に対する各相の自己インダクタンスLa,Lb,Lcの変化量が負の値となる期間において、コイルφa,φb,φcに流れる相電流Ia,Ib,Icを抑制するように、第1電流指令値Id*,Iq*,I0*を補正する。具体的には、補正部20は、座標変換部21、変化量算出部22、インダクタンスマップ23、区間判別部24、制限部25、及び座標変換部26の機能を有する。
座標変換部21(第1変換部)は、電流指令部10により算出された第1電流指令値Id*,Iq*,I0*を、固定座標系上の第1電流指令値Ia*,Ib*,Ic*に変換する。
インダクタンスマップ23は、回転子位置θ及び相電流Iaの振幅値に対する自己インダクタンスLa、回転子位置θ及び相電流Ibの振幅値に対する自己インダクタンスLb、回転子位置θ及び相電流Icの振幅値に対する自己インダクタンスLcを示すマップである。あるいは、インダクタンスマップ23は、回転子位置θ及び相電流Ia,Ib,Icの振幅値に対する自己インダクタンスLa、自己インダクタンスLb、及び自己インダクタンスLcを示すマップにしてもよい。
変化量算出部22は、回転子位置θ、各相の相電流Ia,Ib,Ic、及びインダクタンスマップ23を用いて、自己インダクタンスLa,Lb,Lcを算出する。そして、変化量算出部22は、今回算出した自己インダクタンスLa,Lb,Lcのそれぞれから、前回の演算周期で算出した自己インダクタンスLa,Lb,Lcをそれぞれ差引いて、各相のインダクタンス変化量ΔLa,ΔLb,ΔLcを算出する。
区間判別部24は、変化量算出部22により算出されたインダクタンス変化量ΔLa,ΔLb,ΔLcが、正の値となる回転子位置θの区間に基づいて、回転子位置θに対する各相の相電流の通電区間を判別する。また、区間判別部24は、回転子位置θに対して、通電区間以外を非通電区間とする。
ここで、上述したように、インバータ200は、コイルφa,φb,φcに対して一方向にしか電流を流さない。詳しくは、電流が流せる方向の電流を正とすると、ダイオードD1〜D6の逆方向飽和電流は負の電流となり、インバータ200は、逆方向飽和電流よりも小さい値の電流(負の方向に大きい電流)を流せない。よって、回転座標系上の第2電流指令値Id**,Iq**,I0**を、相電流Ia,Ib,Icが負となるような指令値、詳しくは、ダイオードD1〜D6の逆方向飽和電流よりも小さくなるような指令値とした場合、インバータ200に対して制御不可能な電流指令値が与えられることになる。この場合、電流指令値に対して実電流の追従性が低下し、SRモータ300の制御性が低下する。
そこで、区間判別部24は、各相において、インダクタンス変化量ΔLa,ΔLb,ΔLcが正の値となり、且つ、第1電流指令値Id*,Iq*,I0*に基づいてコイルφa,φb,φcに相電流Ia,Ib,Icを流した場合に、相電流Ia,Ib,Icが所定値Imよりも大きくなる区間を、通電区間と判別する。詳しくは、区間判別部24は、各相において、インダクタンス変化量ΔLa,ΔLb,ΔLcが正の値となり、且つ、固定座標系上の第1電流指令値Ia*,Ib*,Ic*が所定値Imよりも大きくなる区間を、通電区間と判別する。
所定値Imは、ダイオードD1〜D6の逆方向飽和電流以上(例えば零)の値とする。簡易的には、ダイオードD1〜D6は零以上の正電流を流すとして、所定値Imは零以上正の値としてもよい。詳しくは、所定値Imは、トルク指令値τ*と実トルクとの誤差が数%(例えば5%)以内に収まる零近傍の値であればよい。本実施形態では、所定値Imを零とする。すなわち、a相の通電区間は、インダクタンス変化量ΔLaが正の値で、且つ、固定座標系上の第1電流指令値Ia*が正の値となる区間である。b相及びc相の通電区間も同様である。固定座標系上の第1電流指令値Ia*,Ib*,Ic*が正の値となる区間は、次の式(3)〜(10)により算出される。なお、各式において、角度は度を単位として表している。
式(1)から、固定座標系上の第1電流指令値Ia*,Ib*,Ic*は式(3)のように表される。よって、相電流Ia,Ib,IcがImよりも大きくなる条件は、次の式(4)で表される。
式(4)から、次の式(5)が算出される。
sin(θ+α)の最大値は1であるので、次の式(6)の条件を満たす場合は、所定値Imよりも大きい相電流Ia,Ib,Icしか流れない。よって、この場合、図5に示すように、区間判別部24は、インダクタンス変化量ΔLa,ΔLb,ΔLcがそれぞれ正の値となる、回転子330の位置θ2から位置θ1までの区間を、各相の通電区間と判別する。
一方、次の式(7)の条件を満たす場合は、所定値Imよりも大きい相電流Ia,Ib,Icが流れる回転子位置θの範囲が限られる。
式(8)を満たすとすると、a相の相電流Iaが所定値Imとなる回転子330の位置ξ1,位置ξ2は、式(9)のようになる。また、相電流Iaが所定値Imよりも大きくなる通電幅Δθは、位置ξ2から位置ξ1までの区間であり、式(10)のようになる。なお、b相及びc相も同様になる。
区間判別部24は、相毎に、位置ξ2から位置ξ1までの区間の中に、インダクタンス変化量が正の値となる区間(θ2〜θ1)が入っている場合、位置θ2から位置θ1までの区間を、各相の通電区間と判別する。また、位置θ2から位置θ1までの区間に、通電幅Δθの区間が入っている場合は、位置ξ2から位置ξ1までの区間を、各相の通電角と判別する。区間判別部24は、位置θ2から位置θ1までの区間と通電幅Δθの区間との重なった部分を、各相の通電区間と判別する。
制限部25は、回転子位置θが、区間判別部24により非通電区間と判別された区間にあり、且つ、固定座標系上の第1電流指令値Ia*,Ib*,Ic*が所定値Im以下の場合に、固定座標系上の第1電流指令値Ia*,Ib*,Ic*を所定値Imにする。これにより、コイルφa,φb,φcに、所定値Im未満の相電流Ia,Ib,Icを流そうとすることが抑制される。また、制限部25は、回転子位置θが、区間判別部24により非通電区間と判別された区間にあり、且つ、固定座標系上の第1電流指令値Ia*,Ib*,Ic*が所定値Imよりも大きい場合に、固定座標系上の第1電流指令値Ia*,Ib*,Ic*を所定値Imに制限する。これにより、コイルφa,φb,φcに、負のトルクを発生させる相電流Ia,Ib,Icを流そうとすることが抑制される。
すなわち、制限部25は、回転子位置θが、区間判別部24により非通電区間と判別された区間において、固定座標系上の第1電流指令値Ia*,Ib*,Ic*を所定値Imに固定する。そして、制限部25は、所定値Imとした固定座標系上の第1電流指令値Ia*,Ib*,Ic*を、固定座標系上の第2電流指令値Ia**,Ib**,Ic**する。また、制限部25は、回転子位置θが、区間判別部24により通電区間と判別された区間にある場合、固定座標系の第1電流指令値Ia*,Ib*,Ic*を、そのまま固定座標系の第2電流指令値Ia**,Ib**,Ic**とする。
座標変換部26(第2変換部)は、制限部25により算出された固定座標系上の第2電流指令値Ia**,Ib**,Ic**を、回転座標系上の第2電流指令値Id**,Iq**,I0**に変換する。以上により、非通電区間における第1電流指令値Id*,Iq*,I0*は補正されて、第2電流指令値Id**,Iq**,I0**となるが、通電区間における第1電流指令値Id*,Iq*,I0*は、そのまま第2電流指令値Id**,Iq**,I0**となる。
非通電区間では、第2電流指令値Id**,Iq**,I0**を所定値Imに固定することにより、負のトルクの発生が抑制されるとともに、コイルφa,φb,φcに流せない方向の相電流Ia,Ib,Icを流そうとすることが抑制される。また、通電区間では、トルク指令値τ*から算出した電流指令値Id*,Iq*,I0*を、電流指令値Id**,Iq**,I0**とすることにより、電流を制御量として、実トルクがトルク指令値τ*にフィードバック制御される。
次に、本実施形態に係る制御装置100を適用した場合の効果について、図6〜図8を参照して説明する。図6に、固定座標系上の実電流Id,Iq,I0、及び固定座標系上の第1電流指令値Id*,Iq*,I0*のタイムチャートを示す。図6(a)は、補正部20による電流指令値の補正処理を実施した場合であり、図6(b)は補正処理を実施しなかった場合である。電流指令値の補正処理を実施しなかった場合は、電流指令値と実電流との差が比較的大きい箇所が周期的にみられる。これは、相電流が負となる電流指令値が与えられたことにより、電流指令値と実電流との差が大きくなっている箇所である。これに対して、電流指令値の補正処理を実施したことにより、実施しなかた場合と比べて、電流指令値に対する実電流の追従性が非常に向上している。これは、相電流が負となる電流指令値を与えないようにしたこと、及び負のトルクの発生を抑制して損失を低減したことによる。
図8に、本実施形態に係る(a)相電流Ia,Ib,Icのタイムチャート及び(b)損失を示す。また、図9に、従来の電流指令値を理想的な正弦波電流とした場合における、(a)相電流Ia,Ib,Icのタイムチャート及び(b)損失を示す。本実施形態に係る相電流Ia,Ib,Icは、従来と比べて、零となる期間が長くなり、MG損失が低減している。特に、本実施形態では、従来と比べて銅損が大きく低減している。
以上説明した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
・回転子位置θに対する各相のインダクタンス変化量ΔLa,ΔLb,ΔLcが正の値となる区間に基づいて、各相の相電流Ia,Ib,Icの通電区間が判別されるとともに、通電区間以外が非通電区間とされる。そして、通電区間における第1電流指令値Id*,Iq*,I0*は、そのまま通電区間における第2電流指令値Id**,Iq**,I0**とされる。また、非通電区間における第1電流指令値Id**,Iq**,I0**は、固定座標系上の第1電流指令値Ia*,Ib*,Ic*の絶対値を減少させるように補正されて、非通電区間における第2電流指令値Id**,Iq**,I0**とされる。
さらに、実電流Id,Iq,I0と第2電流指令値Id**,Iq**,I0**との偏差ΔId,ΔIq,ΔI0から、電圧指令値Va*,Vb*,Vc*が算出され、算出された電圧指令値Va*,Vb*,Vc*に基づいて、インバータ200が操作される。これにより、SRモータ300に回転座標系におけるベクトル制御を適用しつつ、正のトルクが発生しない非通電区間における相電流Ia,Ib,Icの通電を抑制することができる。よって、損失を低減して、第2電流指令値Id**,Iq**,I0**に対する実電流Id,Iq,I0の追従性を向上させ、SRモータ300の制御性を向上させることができる。
・各相の通電区間が、固定座標系上の第1電流指令値Ia*,Ib*,Ic*が所定値Imよりも大きくなる区間とされる。これにより、通電区間を、第1電流指令値Id*,Iq*,I0*に応じて相電流Ia,Ib,Icを流すことが可能な区間にできる。よって、第2電流指令値Id**,Iq**,I0**に対する実電流Id,Iq,I0の追従性をさらに向上させることができる。
・非通電区間における固定座標系上の第1電流指令値Ia*,Ib*,Ic*が所定値Im以下の場合に、第1電流指令値Ia*,Ib*,Ic*値が所定値Imとされる。これにより、非通電区間において、インバータ200の特性上流すことができない相電流Ia,Ib,Icに対応した第1電流指令値Ib*,Iq*,I0*が、インバータ200に与えられることを抑制できる。よって、第2電流指令値Id**,Iq**,I0**に対する実電流Id,Iq,I0の追従性を向上させることができる。
・所定値Imを零とすることにより、負のトルクが発生する区間において相電流Ia,Ib,Icが流れることを抑制しつつ、負の相電流Ia,Ib,Icに対応した第1電流指令値Ib*,Iq*,Ic*が与えられることを抑制できる。
・インダクタンスマップ23を用いることにより、回転子位置θに対する各相のインダクタンス変化量ΔLa,ΔLb,ΔLcを、高精度に算出することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るモータ制御装置について、第1実施形態に係るモータ制御装置と異なる点を、図9を参照して説明する。
本実実施形態では、制御装置100は、補正部20の機能を備えず、代わりに停止部70の機能を有する。上述したように、コイルφa,φb,φcには、負の相電流を流すことができない。相電流Ia,Ib,Icが負となる電流指令値Ia*,Ib*,Ic*が与えられた場合、指令値と実電流は乖離し続け、偏差算出部31a〜31cにより算出される偏差ΔId,ΔIq,ΔI0は増大し続ける。その結果、相電流Ia,Ib,Icが正となる電流指令値Ia*,Ib*,Ic*に切り替わった後も、増大した偏差ΔId,ΔIq,ΔI0の影響を受けて、電流指令値Id*,Iq*,I0*に対する実電流Id,Iq,I0の追従性が低下する。そこで、本実施形態では、停止部70の機能を備え、相電流Ia,Ib,Icが所定値Im以下となる電流指令値Id*,Iq*,I0*が与えられた場合に、所定値Im以下となる相の比例積分制御を停止する。なお、本実施形態では、第1実施形態における第1電流指令値Id*,Iq*,I0*を、電流指令値Id*,Iq*,I0*とする。
停止部70は、座標変換部71、条件判別部72、及び信号部73の機能を有し、固定座標系上の電流指令値Ia*,Ib*,Ic*が負の値となる場合に、比例積分制御を停止させる。
座標変換部71は、電流指令部10により算出された回転座標系上の電流指令値Id*,Iq*,I0*を、固定座標系上の電流指令値Ia*,Ib*,Ic*に変換する。
条件判別部72は、座標変換部71により算出された電流指令値Ia*,Ib*,Ic*が所定値Imよりも小さいか否か判定する。所定値Imは、第1実施形態と同様の値であり、本実施形態では、所定値Imを零とする。すなわち、条件判別部72は、電流指令値Ia*,Ib*,Ic*が負の値か否か判定する。
信号部73は、条件判別部72により電流指令値Ia*,Ib*,Ic*が所定値Im以下と判定された場合に、電圧指令部30のPI制御部32a〜32cへ、制御停止信号を送信する。詳しくは、信号部73は、条件判別部72により、電流指令値Ia*,Ib*,Ic*のいずれかが所定値Im以下であると判定された場合に、所定値Im以下であると判定された相のPI制御部32a〜32cへ制御停止信号を送信する。第1実施形態では、電流指令値Ia*,Ib*,Ic*が所定値Imよりも小さい場合には、電流指令値Ia*,Ib*,Ic*を補正したが、本実施形態では、比例積分制御を停止する。
PI制御部32a〜32cは、制御停止信号を受信した場合に、比例積分制御を停止する。そして、PI制御部32a〜32cは、比例積分制御を停止している間、比例積分制御を停止する直前の出力値を出力し続ける。すなわち、比例積分制御が停止されている間、比例積分制御の出力値は、比例積分制御が停止される前の演算周期における出力値に維持される。
電圧指令部30の非干渉制御部33は、停止部70により比例積分制御が停止された場合、維持されているPI制御部32a〜32cの出力値に基づいて、電圧指令値Va*,Vb*,Vc*を算出する。PI制御部32a〜32cの出力値が変化しなくても、回転速度が変化すれば、電圧指令値Va*,Vb*,Vc*は変化する。そして、電圧指令部30の座標変換部34は、非干渉制御部33により算出された電圧指令値Vd*,Vq*,V0*を、固定座標系上の電圧指令値Va*,Vb*,Vc*に変換する。
次に、本実施形態に係る制御装置100を適用した場合の効果について、図10を参照して説明する。図10に、固定座標系上の実電流Id,Iq,I0、及び固定座標系上の電流指令値Id*,Iq*,I0*のタイムチャートを示す。図10(a)は、停止部70による比例積分制御の停止処理を実施した場合、図10(b)は停止処理を実施しなかった場合である。
比例積分制御の停止処理を実施しなかった場合は、電流指令値と実電流との差が比較的大きい箇所が周期的にみられる。これは、相電流が負となる電流指令値が与えられたことにより、電流指令値と実電流との差が大きくなっている箇所である。これに対して、比例積分制御の停止処理を実施したことにより、実施しなかた場合と比べて、電流指令値と実電流との差が小さくなり、電流指令値Id*,Iq*,I0*に対する実電流Id,Iq,I0の追従性が向上している。なお、本実施形態は、第1実施形態と比べて、電流指令値Id*,Iq*,I0に対する実電流Id,Iq,I0の追従性が低い。これは、第1実施形態では、相電流Ia,Ib,Icが負となる第1電流指令値Id*,Iq*,I0*を補正したのに対して、本実施形態では、相電流Ia,Ib,Icが負となる電流指令値Id*,Iq*,I0*を、そのまま電流指令値としているからである。
以上説明した第2実施形態によれば、相電流Ia,Ib,Icが負となる電流指令値Id*,Iq*,I0*が与えられている間における、指令電流値Id*,Iq*,I0*と実電流Id,Iq,I0との偏差の増大が抑制される。これにより、相電流が正となる電流指令値Id*,Iq*,I0*に切り替わった後に、それ以前の偏差の影響を抑制して、制御性を向上させることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係るモータ制御装置について、第1実施形態に係るモータ制御装置と異なる点を、図11を参照して説明する。
本実施形態に係る制御装置100は、補正部20に加えて停止部70の機能を備える。この場合、停止部70は、座標変換部71の機能を備えていなくてもよい。また、本実施形態では、停止部70の機能を備えているため、補正部20の区間判別部24は、相電流Ia,Ib,Icが所定値Imよりも大きくなるか否かに関わらず、インダクタンス変化量ΔLa,ΔLb,ΔLcが正の値となる区間を、通電区間と判別してもよい。
以上説明した第3実施形態によれば、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果を奏する。
(他の実施形態)
・トルクセンサによりSRモータ300のトルクを検出している場合、電流指令部10は、指令マップを用いずに、トルクセンサにより検出された実トルクτsに基づいて、第1電流指令値Id*,Iq*,I0*、及び電流指令値Id*,Iq*,I0*を生成してもよい。SRモータ300では、q軸の電流Iqを増加させると、実トルクτsが増加する。よって、電流指令部10は、実トルクτsと指令トルクτとのトルク偏差に基づいて電流指令値Iq*を増減させ、電流指令値Id*,Iq*,I0*を生成してもよい。
・インバータ200は、非対称Hブリッジ回路を相数分並列に接続した回路に限らず、相毎にコイルφa,φb,φcを通電する回路であればよい。例えば、インバータ200は、対称なHブリッジ回路を相数分並列に接続して構成してもよい。
・各実施形態に係る制御装置100は、SRモータに限らず、他の相毎に独立して制御するモータに適用してもよい。また、各実施形態に係る制御装置100は、三相のモータに限らず、2相又は4相以上のモータに適用してもよい。
100…制御装置、200…インバータ、300…SRモータ。

Claims (10)

  1. モータ(300)を駆動するインバータ(200)を操作して、前記モータを相毎に独立して制御するモータ制御装置(100)であって、
    前記モータに対するトルク指令値から回転座標系上の第1電流指令値を算出する電流指令部と、
    前記電流指令部により算出された前記第1電流指令値から回転座標系上の第2電流指令値を算出する補正部と、
    前記補正部により算出された前記第2電流指令値と、前記各相のコイル(φa,φb,φc)に流れる実電流値を前記モータの回転子位置を用いて変換した回転座標系上の実電流と、に基づいて、前記各相のコイルに印加する電圧の指令値である電圧指令値を算出する電圧指令部と、
    前記電圧指令部により算出された電圧指令値に基づいて、前記インバータを操作する操作部と、を備え、
    前記補正部は、
    前記回転子位置に対する前記モータの各相のコイルの自己インダクタンスの変化量が正の値となる区間に基づいて、各相の相電流の通電区間を判別するとともに、前記通電区間以外を非通電区間とする区間判別部を含み、
    前記通電区間における前記第1電流指令値を前記通電区間における前記第2電流指令値とするとともに、前記非通電区間における各相の前記第1電流指令値を、各相の前記相電流を抑制するように補正して、前記非通電区間における第2電流指令値を算出するモータ制御装置。
  2. 前記区間判別部は、前記自己インダクタンスの変化量が正の値となり、且つ、前記第1電流指令値に対応する前記相電流が所定値よりも大きくなる区間を、前記通電区間と判別する請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記補正部は、
    前記電流指令部により算出された前記第1電流指令値を、前記回転子位置を用いて固定座標系上の電流指令値に変換する第1変換部と、
    前記区間判別部により判別された前記非通電区間において、前記第1変換部により変換された固定座標系上の電流指令値が前記所定値以下の場合には、前記固定座標系上の電流指令値を前記所定値とする制限部と、
    前記制限部により処理された前記固定座標系上の電流指令値を、前記回転子位置を用いて回転座標系上の電流指令値に変換する第2変換部と、を含み、
    前記第2変換部により変換された電流指令値を前記第2電流指令値とする請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記所定値は、前記インバータに含まれるダイオードの逆方向飽和電流以上の値である請求項2又は3に記載のモータ制御装置。
  5. 各相の前記自己インダクタンスの値は、各相の相電流の振幅値に応じて変化するものであり、
    前記回転子位置及び各相の前記相電流の振幅値に対する各相の前記自己インダクタンスの値のマップと、
    前記マップを用いて前記自己インダクタンスの変化量を算出する変化量算出部と、を備え、
    前記区間判別部は、前記変化量算出部により算出された前記変化量に基づいて、前記通電区間を算出する請求項1〜4のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  6. 前記電圧指令部は、前記補正部により算出された前記第2電流指令値と、前記回転座標系上の実電流とに基づいて、比例積分制御及び非干渉制御により前記電圧指令値を算出するものであり、
    前記電流指令部により算出された前記第1電流指令値に対応する前記相電流が前記所定値以下となる場合に、前記比例積分制御を停止させる停止部を備える請求項2〜5のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  7. モータ(300)を駆動するインバータ(200)を操作して、前記モータを相毎に独立して制御するモータ制御装置(100)であって、
    前記モータに対するトルク指令値から回転座標系上の電流指令値を算出する電流指令部と、
    前記電流指令部により算出された前記電流指令値と、前記モータの各相のコイル(φa,φb,φc)に流れる実電流値を前記モータの回転子位置を用いて変化した回転座標系上の実電流と、に基づいて、比例積分制御及び非干渉制御により前記各相のコイルに印加する電圧の指令値である電圧指令値を算出する電圧指令部と、
    前記電圧指令部により算出された前記電圧指令値に基づいて、前記インバータを操作する操作部と、
    前記電流指令部により算出された前記電流指令値に対応する各相の相電流が所定値以下となる場合に、前記所定値以下となった相の前記比例積分制御を停止させる停止部と、
    を備えるモータ制御装置。
  8. 前記所定値は、前記インバータに含まれるダイオードの逆方向飽和電流以上の値である請求項7に記載のモータ制御装置。
  9. 前記電圧指令部は、前記停止部により前記比例積分制御が停止された場合に、前記比例積分制御の出力値として、前記比例積分制御が停止される前の出力値を維持し、維持している前記出力値に基づいて、前記電圧指令値を算出する請求項6〜8のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  10. 前記インバータは、相毎に前記コイルを通電するものである請求項1〜9のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
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