JP2017022603A - ホーンスピーカおよびフェイズプラグ - Google Patents
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Abstract
【課題】特定の周波数以外の周波数帯域の音波に影響を与えず、フェイズプラグの設計が容易でありながら定在波に起因する音質の劣化を防止する。
【解決手段】ホーンスピーカ1は、中心軸ax廻りに周回する複数のスリット92aおよび92bが形成されたフェイズプラグ96であって、複数のスリットのうちの1つのスリット92aのダイアフラム87側の開口端a1から当該フェイズプラグの放音側先端a3’を回り、当該スリットに隣り合う他のスリット92bを経由して前記開口端a1に至る経路の経路長は、当該スリットの周回方向の位置によって異なるフェイズプラグ96を有する。この構成によれば、定在波の波長に影響を与える上記経路長が変化するため、定在波の発生が妨げられ、定在波に起因する音質の劣化が防止される。
【選択図】 図2
【解決手段】ホーンスピーカ1は、中心軸ax廻りに周回する複数のスリット92aおよび92bが形成されたフェイズプラグ96であって、複数のスリットのうちの1つのスリット92aのダイアフラム87側の開口端a1から当該フェイズプラグの放音側先端a3’を回り、当該スリットに隣り合う他のスリット92bを経由して前記開口端a1に至る経路の経路長は、当該スリットの周回方向の位置によって異なるフェイズプラグ96を有する。この構成によれば、定在波の波長に影響を与える上記経路長が変化するため、定在波の発生が妨げられ、定在波に起因する音質の劣化が防止される。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ホーンスピーカおよびフェイズプラグに関する。
ホーンスピーカとは、音の指向性を良くするために、コンプレッションドライバにホーンを付加したものである。図9は、従来のホーンスピーカ4の縦断面図である。図9に示す構成のうちホーン84を除いた部分がコンプレッションドライバである。図9に示すように、ホーン84のスロート部94は、コンプレッションドライバのバックプレート80の一端面に固定されている。このバックプレート80において、ホーン84と反対側の端面にはポールピース85の一底面が固定されている。そして、バックプレート80とポールピース85の中心には両者を貫いてホーン84のスロート部94に至る導音孔83が設けられている。ポールピース85においてバックプレート80と反対側の底面は導音孔83に向かってすり鉢状に凹んでおり、このすり鉢状の面にはフェイズプラグ86が嵌め込まれている。このフェイズプラグ86は、ホーンスピーカ4の中心軸axに対して軸対称な形状を有する。また、このフェイズプラグ86には、中心軸axに対して軸対称な複数のスリット91が形成されている。ここで、スリット91とは、フェイズプラグ86の背後の空間とフェイズプラグ86の正面の空間(すなわち、導音孔83)とを連通させる細長い空間のことである。そして、フェイズプラグ86の背後には一定間隔を開けてダイアフラム87が支持されている。このダイアフラム87は、ドーム状に湾曲した半真球形状をしており、その外周部に筒状のボイスコイルボビン88が設けられている。
バックプレート80におけるホーン84と反対側の端面には、バックプレート80と同じ直径の環状マグネット82とトッププレート81があり、環状マグネット82は、バックプレート80とトッププレート81との間に挟まれ支持されている。環状マグネット82は、一方の底面(例えばバックプレート80側の底面)にN極があり、他方の底面(例えばトッププレート81側の底面)にS極がある。
トッププレート81の内周面は、微小な間隔を空けてポールピース85の外周面と対向している。そして、バックプレート80と、環状マグネット82と、トッププレート81と、フェイズプラグ86と、ポールピース85とからなる磁気のループは、環状マグネット82が発生した磁力線を一巡させる磁気回路を構成している。そして、ダイアフラム87は、この磁気回路において、トッププレート81の内周面とポールピース85の外周面との間にある磁気ギャップAGに周端のボイスコイルボビン88を収めた状態で支持されている。
ダイアフラム87を支持する構成は次の通りである。まず、トッププレート81の環状マグネット82と反対側の端面には、スペーサリング90が固定されている。このスペーサリング90の内周面とダイアフラム87の外周部との間にはエッジ89が介在している。このエッジ89がダイアフラム87を支持する役割を果たす。
以上のような構成を有するホーンスピーカ4では、環状マグネット82の発生した磁束がトッププレート81とポールピース85の間の磁気ギャップAGを通過する。そして、ボイスコイルボビン88におけるボイスコイルに電流を流すと、ボイスコイルボビン88には、ホーンスピーカ4の中心軸axに平行な方向の駆動力が与えられ、ボイスコイルボビン88に固定されたダイアフラム87が振動する。ダイアフラム87が振動すると、この振動により、ダイアフラム87とフェイズプラグ86との間の空間OSの空気がフェイズプラグ86の各スリット91を介して導音孔83に押し出されたり引き戻されたりする。そして、この押し出されたり引き戻されたりする空気の粗密波が、音波として導音孔83を経由し、ホーン84から放音される。
ホーンスピーカ4は、ダイアフラム87を挟んでフェイズプラグ86の反対側にダイアフラム87を覆うバックカバー95を備えている。ホーンスピーカ3では、ダイアフラム87がある周波数で振動すると、ダイアフラム87からフェイズプラグ86へ進む音波と、ダイアフラム87、エッジ89、スペーサリング90およびバックカバー95によって包囲されたバックキャビティBCへ進む音波とにより、空間OS、空間OSに連通する周囲の空間およびバックキャビティBCに定在波が生じる。この定在波に起因して、本来平坦であるべきホーンスピーカ4の周波数特性にディップが発生し、ホーンスピーカ4の音質劣化を引き起こす。この理由は以下の通りである。
図10は、図9に示す従来のホーンスピーカ4の縦断面図に定在波の節が生じる位置を例示したものである。図10では、フェイズプラグ86の最外周のスリット91aの空間OS側開口端を開口端a1およびb1としている。さらに、フェイズプラグ86の最外周から2番目のスリット91bの空間OS側開口端を開口端a2およびb2としている。さらに、フェイズプラグ86のホーン84側先端の最外周部分を先端a3およびb3としている。
ホーンスピーカ4では、フェイズプラグ86の最外周のスリット91aの空間OS側開口端と最外周から2番目のスリット91bの空間OS側開口端との中間の位置(すなわち、開口端a1とa2の中間の位置と、開口端b1とb2の中間の位置)Aと、フェイズプラグ86のホーン84側先端の最外周部分の位置(すなわち、先端a3とb3)Bと、ボイスコイルボビン88のホーン84側先端の位置Cに節を各々有する定在波が発生する。
ホーンスピーカ4において、開口端a1とa2の中間の位置Aと先端a3との間の経路の長さを半波長とする定在波が発生すると、先端a3において定在波の節が生じるので、ホーンスピーカ4の周波数特性にディップが発生する。以下では、このディップを先端a3に節を有する定在波に起因するディップと呼ぶ。開口端b1とb2の中間の位置Aと先端b3との間の経路の長さを半波長とする定在波が発生すると、先端b3において定在波の節が生じるので、ホーンスピーカ4の周波数特性にディップが発生する。以下では、このディップを先端b3に節を有する定在波に起因するディップと呼ぶ。ここで、ホーンスピーカ4において、フェイズプラグ86の最外周のスリット91aおよび最外周から2番目のスリット91bは、中心軸axに対して軸対称な形状を有している。このため、先端a3に節を有する定在波の波長と、先端b3に節を有する定在波の波長とが一致する。従って、ホーンスピーカ4では、先端a3に節を有する定在波に起因するディップと先端b3に節を有する定在波に起因するディップとが同一周波数において重なり合う。以上、中心軸axを含む一平面により切断したホーンスピーカ4の縦断面形状を例に説明したが、中心軸axを含む他の平面により切断したホーンスピーカ4の縦断面形状においても同じ現象が発生する。このため、ホーンスピーカ4の周波数特性に顕著なディップが発生し、ホーンスピーカ4の音質を劣化させる。
このようなホーンスピーカ4の音質劣化の原因となる定在波を抑制する技術が種々提案されている。例えば、特許文献1に開示の技術では、バックキャビティに吸音材を設けることで、定在波を抑制している。特許文献2に開示の技術では、フェイズプラグの各スリットの断面積や位置を変更して、定在波を抑制している。
しかし、特許文献1に開示の技術のように吸音材を設けると、この吸音材が却ってホーンスピーカの音質の劣化を招く場合がある。なぜなら、吸音材は、抑制対象である定在波の周波数帯域のみならず、それ以外の周波数帯域の音波をも吸音するためである。また、特許文献2に開示の技術のようにフェイズプラグの各スリットの断面積や位置を変更すると、確かに定在波を抑制してホーンスピーカの音質劣化を防止することができる。しかし、フェイズプラグの各スリットの断面積や位置を少しでも変更すると、ホーンスピーカの周波数特性が大きく変化するので、抑制対象である定在波を抑制するために何回ものホーンピーカのシミュレーションや試作が必要となり、結果的にフェイズプラグの設計が困難になる。そのため、定在波の抑制を容易に行うのは困難となる。このように、特許文献1や特許文献2に開示の技術を用いても、定在波を完全に抑制するのは困難である。
本発明は以上に説明した課題に鑑みて為されたものであり、コンプレッションドライバ或いはホーンスピーカにおいて、フェイズプラグの設計が容易であり、特定の周波数以外の周波数帯域の音波を吸音することなく、定在波に起因するコンプレッションドライバ或いはホーンスピーカの周波数特性のディップを抑制することができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、スリットのダイアフラム側の開口端から、放音側先端を回り、前記スリットに隣り合うスリットを経由して前記開口端に至る経路の経路長が、前記スリットの周回方向の位置によって異なることを特徴とするフェイズプラグを提供する。このフェイズプラグでは、中心軸廻りに周回する複数のスリットが形成されており、上記スリットは、当該複数のスリットのうちの1つのスリットである。
従来のコンプレッションドライバ或いはホーンスピーカであれば、周波数特性にディップを発生させる定在波の波長が一定となり、この周波数特性に発生したディップが重なり合うことで、周波数特性に顕著なディップが発生していた。しかし、本発明によれば、上記経路の経路長はスリットの周回方向の位置によって異なるので、コンプレッションドライバ或いはホーンスピーカの周波数特性にディップを発生させる定在波の波長が特定の波長に集中しない。そのため、コンプレッションドライバ或いはホーンスピーカの周波数特性に顕著なディップが発生することを抑制することができ、定在波に起因するコンプレッションドライバ或いはホーンスピーカの音質劣化を防止することができる。
また別の態様としては、スリットのダイアフラム側の開口端から、放音側先端に装着される仕切り板の放音側先端を回り、前記スリットに隣り合うスリットを経由して前記開口端に至る経路の経路長が、前記スリットの周回方向の位置によって異なることを特徴とするフェイズプラグを提供する。このフェイズプラグでは、中心軸廻りに周回する複数のスリットが形成されており、上記スリットは、当該複数のスリットのうちの1つのスリットである。この態様によれば、上記経路の経路長はスリットの周回方向の位置によって異なるので、コンプレッションドライバ或いはホーンスピーカの周波数特性に顕著なディップが発生することを抑制することができ、定在波に起因するコンプレッションドライバ或いはホーンスピーカの音質劣化を防止することができる。
他の態様においては、前記開口端から、前記放音側先端までの経路の少なくとも一部が、曲線形状である。また別の態様においては、前記開口端から、前記仕切り板の放音側先端までの経路の少なくとも一部が、曲線形状である。これらの態様によれば、スリットの周回方向の中心軸に平行なコンプレッションドライバ或いはホーンスピーカの長さを短くすることができる。
本発明の別の態様としては、音波を空間に放射するホーンと、上記各態様のいずれかのフェイズプラグと、を有するホーンスピーカを提供する。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、この発明の第1実施形態であるホーンスピーカ1のフェイズプラグ96をバックカバー95からホーン84に向かう方向から見た背面図である。図2は、ホーンスピーカ1を図1のY−Y’線および中心軸axを含む平面で切断した縦断面図である。図3は、ホーンスピーカ1を図1のX−X’線および中心軸axを含む平面で切断した縦断面図である。
<第1実施形態>
図1は、この発明の第1実施形態であるホーンスピーカ1のフェイズプラグ96をバックカバー95からホーン84に向かう方向から見た背面図である。図2は、ホーンスピーカ1を図1のY−Y’線および中心軸axを含む平面で切断した縦断面図である。図3は、ホーンスピーカ1を図1のX−X’線および中心軸axを含む平面で切断した縦断面図である。
本実施形態によるホーンスピーカ1が従来のホーンスピーカ4(図9および図10参照)と異なる点は、中心軸axに軸対称なフェイズプラグ86の代わりに、中心軸axに非軸対称な形状であるフェイズプラグ96を有する点である。この点以外はホーンスピーカ1とホーンスピーカ4は同一である。従って、図1〜図3において、図9および図10に示されたものと同一の構成要素には同一の符号を付けて、その説明を省略する。以下ではフェイズプラグ96を中心に説明する。なお、フェイズプラグ86の先端a3とb3とスリット91aと91bとは、フェイズプラグ96の先端a3’とb3’とスリット92aと92bとに各々対応する。
本実施形態におけるフェイズプラグ96は、中心軸axに対して非軸対称な形状であるため、中心軸axを含む平面により切断した断面形状が当該平面の中心軸ax廻りの角度θにより変化する。図1のY−Y’線および中心軸axを含む平面を基準平面とした場合、図2はフェイズプラグ96を基準平面に対してθ=0°の平面により切断したホーンスピーカ1の縦断面形状を示しており、図3はフェイズプラグ96を基準平面に対してθ=90°の平面により切断したホーンスピーカ1の縦断面形状を示している。
図1に示すように、中心軸axを含む角度θの平面によりホーンスピーカ1を切断した切断面におけるフェイズプラグ96のスリット92において、空間OS側開口端(すなわち、ダイアフラム87側開口端)におけるフェイズプラグ96の径方向の間隙の中心点から当該スリット92のフェイズプラグ96のホーン84側先端(すなわち、放音側先端)までの長さを、以下、便宜上、スリット長と呼ぶ。本実施形態において、スリット92aのスリット長とスリット92aに隣り合うスリット92bのスリット長とは必ず等しい。ただし、スリット92aのスリット長とスリット92bのスリット長において、フェイズプラグ96のホーン84側先端は共通である。さらに、中心軸axを含む角度θの平面により切断したホーンスピーカ1の切断面における互いに隣り合ったスリット92aおよび92b(例えば図2において中心軸axの上側に示されたスリット92aおよび92bとする)において、スリット92aの空間OS側開口端(この例では開口端a1)におけるフェイズプラグ96の径方向の間隙の中心点から、当該スリット92aを経由してフェイズプラグ96のホーン84側先端(この例では先端a3’)を回り、スリット92bを経由して当該スリット92bの空間OS側開口端(この例では開口端a2)におけるフェイズプラグ96の径方向の間隙の中心点を回り、当該スリット92aの空間OS側開口端(この例では開口端a1)のフェイズプラグ96の径方向の間隙の中心点に至る経路の経路長を、以下、便宜上、最外周の1周分の経路長と呼ぶ。なお、この例で示したように、フェイズプラグ96のホーン84側先端とは、ポールピース85と隣接する箇所のフェイズプラグ96のホーン84側先端ではなく、スリット92aとスリット92bとに囲まれたフェイズプラグ96のホーン84側先端a3’とb3’のことである。これは以下においても、ホーンスピーカ4についての場合も含めて同様である。
図2に示す縦断面図(θ=0°)では、図2において上側に示されたスリット92aのスリット長(すなわち、開口端a1と先端a3’との間の経路の長さ)は、下側に示されたスリット92aのスリット長(すなわち、開口端b1と先端b3’との間の経路の長さ)よりも短い。このため、図2において上側に示された最外周の1周分の経路長(すなわち、開口端a1から先端a3’を回って開口端a2を経由して開口端a1に至る経路の長さ)は、下側に示された最外周の1周分の経路長(すなわち、開口端b1から先端b3’を回って開口端b2を経由して開口端b1に至る経路の長さ)よりも短い。
図3に示す縦断面図(θ=90°)では、図3において上側に示されたスリット92aのスリット長(すなわち、開口端a1と先端a3’との間の経路の長さ)は、下側に示されたスリット92aのスリット長(すなわち、開口端b1と先端b3’との間の経路の長さ)と等しい。そして、上述したように、スリット92aのスリット長とスリット92aに隣り合うスリット92bのスリット長とは必ず等しい。このため、図3において上側に示された最外周の1周分の経路長(すなわち、開口端a1から先端a3’を回って開口端a2を経由して開口端a1に至る経路の長さ)は、下側に示された最外周の1周分の経路長(すなわち、開口端b1から先端b3’を回って開口端b2を経由して開口端b1に至る経路の長さ)と等しい。
図4は、最外周の1周分の経路長dのフェイズプラグ96の中心軸ax廻りの角度θに対する依存性を示す図である。図4の縦軸dは最外周の1周分の経路長dを示し、横軸θは図1のY−Y’線および中心軸axを含む平面を基準平面としたフェイズプラグ96の中心軸axを含む平面の中心軸ax廻りの角度θを示す。図4に示すように、θ=0°であると最外周の1周分の経路長dは最小値dminとなり、θ=180°になるまで最外周の1周分の経路長dは徐々に大きくなり、θ=180°になると最外周の1周分の経路長dは最大値dmaxとなる。その後、θ=360°になるまで最外周の1周分の経路長dは徐々に小さくなり、θ=360°になると最外周の1周分の経路長dは最小値dminに戻る。このように、最外周の1周分の経路長dはスリット92の周回方向の位置によって異なる。すなわち、フェイズプラグ96のスリット92aのスリット長はスリット92の周回方向の位置によって異なる。周回方向とは、図1で示すように、フェイズプラグ96の中心軸ax廻りの方向のことである。なお、本願発明者らがシミュレーションにより確認したところによれば、最外周の1周分の経路長dが10%程度短く或いは長くなっても、ホーンスピーカ1の周波数特性に発生するディップの周波数に変化が現れない。そのため、ホーンスピーカ1の周波数特性に発生するディップを抑制するために、図4に示す最外周の1周分の経路長については、最大値dmaxが最小値dminよりも少なくとも10%以上長いことが望ましい。これは他の実施形態においても同様である。
本実施形態において、フェイズプラグ96に複数設けられたスリット92のスリット長は各々異なり、かつ、スリット92の周回方向の位置によって異なるが、各スリット92の空間OS側開口端から各スリット92を経由して導音孔83とホーン84との境界に至るまでの長さは、どのスリット92であっても、また、各スリット92の周回方向のどの位置においても等しい。そのため、スリット92の空間OS側開口端から導音孔83とホーン84との境界に至るまでに、空間OSで発生した音波の位相がずれることがなく、異なる位相の音波が重なり合うことで生じるホーンスピーカ1の音質劣化を防止することができる。
本実施形態によれば、フェイズプラグ96における最外周のスリット92aの経路長dはスリット92aの周回方向の位置によって異なるので、ホーンスピーカ1の周波数特性に発生するディップを抑制し、定在波に起因するホーンスピーカ1の音質劣化を防止することができる。その理由は、以下の通りである。
図5は、ホーンスピーカ1の定在波の節が生じる位置を例示する図である。図5も、図2と同様、ホーンスピーカ1を図1のY−Y’線および中心軸axを含む平面で切断した縦断面図(θ=0°)である。ホーンスピーカ1でも、ホーンスピーカ4と同様の位置A〜Cに節を有する定在波が発生する。
ホーンスピーカ1において、開口端a1とa2の中間の位置Aと先端a3’との間の経路の長さを半波長とする定在波が発生すると、先端a3’において定在波の節が生じるので、ホーンスピーカ1の周波数特性にディップが発生する。以下では、このディップを先端a3’に節を有する定在波に起因するディップと呼ぶ。開口端b1とb2の中間の位置Aと先端b3’との間の経路の長さを半波長とする定在波が発生すると、先端b3’において定在波の節が生じるので、ホーンスピーカ1の周波数特性にディップが発生する。以下では、このディップを先端b3’に節を有する定在波に起因するディップと呼ぶ。ここで、ホーンスピーカ1において、スリット91aおよびスリット91bは、中心軸axに対して非軸対称な形状を有している。このため、先端a3’に節を有する定在波の波長と、先端b3’に節を有する定在波の波長とが一致しない。従って、ホーンスピーカ1では、先端a3’に節を有する定在波に起因するディップと先端b3’に節を有する定在波に起因するディップとが同一周波数において重なり合うことを防止できる。このため、ホーンスピーカ1の周波数特性に顕著なディップが発生することを抑制できる。
従って、本実施形態によれば、ホーンスピーカ1の音質劣化を防止できる。
従って、本実施形態によれば、ホーンスピーカ1の音質劣化を防止できる。
なお、ホーンスピーカ1は、図2に示す縦断面図(θ=0°)において上側に示されたスリット92aのスリット長は、下側に示されたスリット92aのスリット長よりも短いが、このような態様に限られず、例えば、上側に示されたスリット92aのスリット長が、下側に示されたスリット92aのスリット長よりも長くなっていてもよい。要は、フェイズプラグ96の形状が中心軸axに対して非軸対称となり、スリット92aのスリット長はスリット92の周回方向の位置によって異なっていればよい。すなわち、最外周の1周分の経路長は、スリット92の周回方向の位置によって異なればよい。
<第2実施形態>
図6は、この発明の第2実施形態であるホーンスピーカ2を図1のY−Y’線および中心軸axを含む平面で切断した縦断面図である。本実施形態によるホーンスピーカ2が従来のホーンスピーカ4(図9および図10参照)と異なる点は、中心軸axに軸対称なフェイズプラグ86の代わりに、中心軸axに非軸対称な形状であるフェイズプラグ98を有する点である。この点以外はホーンスピーカ2とホーンスピーカ4は同一である。従って、図6において、図9および図10に示されたものと同一の構成要素には同一の符号を付けて、その説明を省略する。以下ではフェイズプラグ98を中心に説明する。なお、フェイズプラグ86の先端a3とb3とスリット91aと91bは、フェイズプラグ98の先端a3’’とb3’’とスリット93aと93bに各々対応する。
図6は、この発明の第2実施形態であるホーンスピーカ2を図1のY−Y’線および中心軸axを含む平面で切断した縦断面図である。本実施形態によるホーンスピーカ2が従来のホーンスピーカ4(図9および図10参照)と異なる点は、中心軸axに軸対称なフェイズプラグ86の代わりに、中心軸axに非軸対称な形状であるフェイズプラグ98を有する点である。この点以外はホーンスピーカ2とホーンスピーカ4は同一である。従って、図6において、図9および図10に示されたものと同一の構成要素には同一の符号を付けて、その説明を省略する。以下ではフェイズプラグ98を中心に説明する。なお、フェイズプラグ86の先端a3とb3とスリット91aと91bは、フェイズプラグ98の先端a3’’とb3’’とスリット93aと93bに各々対応する。
従来のホーンスピーカ4や第1実施形態のホーンスピーカ1は、スリット91に面するフェイズプラグ86の壁面や、スリット92に面するフェイズプラグ96の壁面が、空間OS側開口端からホーン84側先端に向かって直線形状をしていた。例えば、図2に示す縦断面図では、開口端a1から先端a3’に至る経路が直線形状であった。しかし、本実施形態のホーンスピーカ2では、スリット93に面するフェイズプラグ98の壁面が空間OS側開口端からホーン84側先端に向かって曲線形状をしている。例えば、図6に示す縦断面図では、開口端a1から先端a3’’に至る経路が曲線形状である。上記第1実施形態と同様、本実施形態においても、図6において上側に示されたスリット93aのスリット長(すなわち、開口端a1と先端a3’’との間の経路の長さ)は、下側に示されたスリット93aのスリット長(すなわち、開口端b1と先端b3’’との間の経路の長さ)よりも短い。そして、上記第1実施形態と同様、スリット93aのスリット長はスリット93の周回方向の位置によって異なる。また、最外周の1周分の経路長も、スリット93の周回方向の位置によって異なる。また、例えば、図6に示す縦断面図において、開口端a1から先端a3’’に至る経路を直線形状とする一方、開口端b1から先端b3’’に至る経路を曲線形状としてもよい。要は、最外周の1周分の経路長は、スリット93の周回方向の位置によって異なっていればよい。すなわち、スリット93aのスリット長は、スリット93の周回方向の位置によって異なっていればよい。従って、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の理由により、ホーンスピーカ2の周波数特性に発生するディップを抑制し、定在波に起因するホーンスピーカ2の音質劣化を防止することができる。
本実施形態のホーンスピーカ2は、例えば設計上フェイズプラグ98の中心軸axに沿った長さを短くせざるを得ない場合に有効である。このような場合、ホーンスピーカ1のように、スリット92に面するフェイズプラグ98の壁面が空間OS側開口端からホーン84側先端に向かって直線形状であると、最外周のスリット92aの経路長をスリット92の周回方向の位置によって異なるようにすることが困難になる。そのため、ホーンスピーカ1の周波数特性に発生するディップを抑制することができない。しかし、ホーンスピーカ2であれば、スリット93に面するフェイズプラグ98の壁面が空間OS側開口端からホーン84側先端に向かって曲線形状であるため、フェイズプラグ98の中心軸axに沿った長さが短くても、最外周のスリット93aの経路長をスリット93の周回方向の位置によって異なるようにすることができる。そのため、ホーンスピーカ2の周波数特性に発生するディップを抑制し、定在波に起因するホーンスピーカ2の音質劣化を防止することができる。
本実施形態では、スリット93に面するフェイズプラグ98の壁面の全てが空間OS側開口端からホーン84側先端に向かって曲線形状をしていたが、少なくとも最外周のスリット93aに面する中心軸ax方向のフェイズプラグ98の壁面が、空間OS側開口端からホーン84側先端に向かって曲線形状をした態様をしていればよい。このような態様であれば、最外周のスリット93aの経路長をスリット93の周回方向の位置によって異なるようにすることができる。そのため、ホーンスピーカ2の周波数特性に発生するディップを抑制し、定在波に起因するホーンスピーカ2の音質劣化を防止することができる。
<第3実施形態>
図7は、この発明の第3実施形態であるホーンスピーカ3を図1のY−Y’線および中心軸axを含む平面で切断した縦断面図である。本実施形態によるホーンスピーカ3が従来のホーンスピーカ4(図9および図10参照)と異なる点は、中心軸axに軸対称なフェイズプラグ86のホーン84側先端に仕切り板97を装着する点である。この点以外はホーンスピーカ3とホーンスピーカ4は同一である。従って、図7において、図9および図10に示されたものと同一の構成要素には同一の符号を付けて、その説明を省略する。
図7は、この発明の第3実施形態であるホーンスピーカ3を図1のY−Y’線および中心軸axを含む平面で切断した縦断面図である。本実施形態によるホーンスピーカ3が従来のホーンスピーカ4(図9および図10参照)と異なる点は、中心軸axに軸対称なフェイズプラグ86のホーン84側先端に仕切り板97を装着する点である。この点以外はホーンスピーカ3とホーンスピーカ4は同一である。従って、図7において、図9および図10に示されたものと同一の構成要素には同一の符号を付けて、その説明を省略する。
ホーンスピーカ3のフェイズプラグ86では、仕切り板97は、円環状をなしており、フェイズプラグ86のホーン84側先端の最外周部分(すなわち、フェイズプラグ86の放音側先端の最外周部部分)に一端を例えば接着剤で固定され、ホーン84方向に延在するように装着されている。また、円環状をなす仕切り板97のフェイズプラグ86側先端からホーン84側先端までの長さ(以下、「仕切り板97の長さ」と呼ぶ)は、その円環の周回方向の位置によって異なる。図7に示す縦断面図では、図7において上側に示された仕切り板97の長さ(すなわち、先端a3と先端a4の間の経路の長さ)は、下側に示された仕切り板97の長さ(すなわち、先端b3と先端b4の間の経路の長さ)よりも短い。ここで、図7に示す例では、仕切り板97の壁面は、フェイズプラグ86側先端からホーン84側先端に向かって直線形状をなしている。しかし、この仕切り板97の壁面を、曲線形状としてもよい。また、例えば、図7に示す縦断面図において、先端a3から先端a4に至る経路を直線形状とする一方、先端b3から先端b4に至る経路を曲線形状としてもよい。要は、仕切り板97の長さが、仕切り板97の円環の周回方向の位置によって異なっていればよい。
フェイズプラグ86のホーン84側先端に仕切り板97を装着しているため、ホーンスピーカ3では、フェイズプラグ86の最外周のスリット91のスリット長と、仕切り板97の長さとの合計の長さは、スリット91の周回方向の位置によって異なる。すなわち、最外周の1周分の経路長と仕切り板97の長さの2倍の長さとの合計した長さは、スリット91の周回方向の位置によって異なる。そのため、第1実施形態と同様の理由により、ホーンスピーカ3の周波数特性に発生するディップを抑制し、定在波に起因するホーンスピーカ3の音質劣化を防止することができる。
仕切り板97の素材は、木板や樹脂などの剛性が高い素材であれば何でも良い。フェイズプラグ86と同じ素材であってもよい。放音される音により仕切り板97に分割振動が発生すると、放音される音の音質等に悪影響が生じる虞がある。仕切り板97の素材は、この分割振動の発生を回避可能な剛性を確保できる素材であれば良い。さらに、仕切り板97の素材は、空間OSで発生した音波に対して透過性を有さない素材であることが好ましい。ダイアフラム87の振動により空間OSで発生した音波のうち、フェイズプラグ86のスリット93aを経由する音波と、スリット93bを経由する音波とが、仕切り板97のホーン84側先端で初めて合流する態様を実現するためである。
本実施形態のホーンスピーカ3であれば、例えば、従来のホーンスピーカ4のように、フェイズプラグ86の形状が中心軸axに対して軸対称になっていても、そのフェイズプラグ86のホーン84側先端に仕切り板97を装着するだけで、ホーンスピーカ4の周波数特性に発生するディップを抑制し、定在波に起因するホーンスピーカ4の音質劣化を防止することができる。すなわち、本実施形態のホーンスピーカ3であれば、既存のホーンスピーカのフェイズプラグに対して仕切り板を装着するだけで、安価に既存のホーンスピーカの周波数特性に発生するディップを抑制し、定在波に起因するホーンスピーカの音質劣化を防止することができる。
ただし、第1実施形態と同様に、ホーンスピーカ3においても、各スリット91のダイアフラム87側開口端からスリット91を経由して導音孔83とホーン84の境界に至るまでの距離は全て等しい。そのため、スリット91の空間OS側開口端から導音孔83とホーン84との境界に至るまでに、空間OSで発生した音波の位相がずれることがなく、異なる位相の音波が重なり合うことで生じる音質劣化を防ぐことができる。
<変形例>
(1)上記各実施形態において、各ホーンスピーカは、2層分のスリットを有していた。例えば、第1実施形態のホーンスピーカ1では、スリット92aとスリット92bの2層分のスリット92を有している。しかし、スリットの層数は2層に限られない。
(1)上記各実施形態において、各ホーンスピーカは、2層分のスリットを有していた。例えば、第1実施形態のホーンスピーカ1では、スリット92aとスリット92bの2層分のスリット92を有している。しかし、スリットの層数は2層に限られない。
(2)上記各実施形態を組み合わせてもよい。例えば、第2実施形態と、第3実施形態を組み合わせて、スリット93に面するフェイズプラグ98の壁面が空間OS側開口端からホーン84側先端に向かって曲線形状をしているフェイズプラグ98のホーン84側先端の最外周部分に仕切り板97を装着してもよい。この態様では、フェイズプラグ98と仕切り板97の形状が中心軸axに対して非軸対称となる。この態様によっても、スリット93aのスリット長と仕切り板97の長さとの合計した長さは、スリット93の周回方向の位置によって異なる。すなわち、この態様では、最外周の1周分の経路長と仕切り板97の長さの2倍の長さとの合計した長さは、スリット93の周回方向の位置によって異なる。
(3)第2実施形態のフェイズプラグ98は、例えば、鋳造や射出成型により成形してもよいし、ブロックの削り出しにより成形してもよい。また、スリット93と当該スリット93と隣り合うスリット93とで囲まれたフェイズプラグ98の構成部品を成形し、当該構成部品を組み合わせてフェイズプラグ98としてもよい。これは、第1実施形態のフェイズプラグ96にも当てはまる。
(4)第2実施形態では、スリット93に面するフェイズプラグ98の壁面の全体を曲線形状としたが、この壁面の一部の箇所を曲線形状とし、残りの箇所を直線形状としてもよい。例えば、図6に示す縦断面図において、開口端a1から先端a3’’に至る経路のうち、開口端a1付近の区間を直線形状とし、開口端a1付近以外の区間を曲線形状としてもよい。これは第3実施形態にも当てはまり、例えば、図7に示す縦断面図において、先端a3から先端a4に至る経路のうち、先端a3付近の区間を直線形状とし、先端a3付近以外の区間を曲線形状としてもよい。もちろん、これらの第2実施形態と第3実施形態を組み合わせた態様をとってもよい。つまり、この組み合わせた態様では、例えば、図7に示す縦断面図では、開口端a1から先端a4に至る経路の少なくとも一部が曲線形状である。
(5)第3実施形態では、仕切り板97の一端が接着剤でフェイズプラグ86のホーン84側先端に固定されていたが、固定方法はこれに限られない。仕切り板97の一端をフェイズプラグ86のホーン84側先端に固定できればどのような態様であってもよい。例えば、フェイズプラグ86のホーン84側先端に凹形状を設け、仕切り板97のフェイズプラグ86側先端に当該凹形状に対応する凸形状を設けた態様を取ってもよい。図8は、このような態様のフェイズプラグ86のホーン84側先端と仕切り板97の空間OS側先端とを拡大した図である。図8(a)に示すように、フェイズプラグ86のホーン84側先端を凹形状に加工するとともに、仕切り板97の空間OS側先端を凸形状に加工して、図8(b)に示すように前者に後者を嵌め込むことでフェイズプラグ86と仕切り板97を固定してもよい。図8に示すように固定する方が、接着剤などで固定するよりも強固に固定される。なお、フェイズプラグ86および仕切り板97の各々の先端形状を逆にしてもよい。
(6)上記各実施形態では、ダイアフラム87はドーム状であったが、ダイアフラム87の形状はドーム状に限られない。例えば、本発明を平面スピーカに適用した場合は、ダイアフラム87は平面となる。
(7)ホーンスピーカには、ダイアフラム87の音放射面が放音方向に対して凸状に湾曲しているフロントタイプと、ダイアフラム87の音放射面が放音方向に対して凹状に湾曲しているリアタイプとがある。上記各実施形態のホーンスピーカは全てリアタイプであったが、本発明をフロントタイプのホーンスピーカに適用してもよい。
(8)上記各実施形態のホーンスピーカからホーン84を除いて、コンプレッションドライバ単体の生産、使用、譲渡、貸渡し、輸出、輸入、譲渡または貸渡しの申出(以下、「生産等」と呼ぶ)をしてもよい。また、上記各実施形態のフェイズプラグ単体の生産等をしてもよい。
(9)上記各実施形態では、スリット長や最外周の1周分の経路長は、中心軸axを含む角度θの平面によりホーンスピーカを切断した切断面におけるフェイズプラグのスリットにおいて、空間OS側開口端におけるフェイズプラグの径方向の間隙の中心点と、当該スリットのフェイズプラグのホーン84側先端とを通るとしていたが、当該間隙のいずれかの点と、当該スリットのフェイズプラグのホーン84側先端とを通るとしてもよい。例えば、第1実施形態では、中心軸axを含む角度θの平面によりホーンスピーカ1を切断した切断面におけるフェイズプラグ96のスリット92において、空間OS側開口端におけるスリット92とフェイズプラグ96の接点から当該スリット92のフェイズプラグ96のホーン84側先端までの長さをスリット長としてもよい。さらに、中心軸axを含む角度θの平面により切断したホーンスピーカ1の切断面における互いに隣り合ったスリット92aおよび92bにおいて、スリット92aの空間OS側開口端におけるスリット92aとフェイズプラグ96の接点から、当該スリット92aを経由してフェイズプラグ96のホーン84側先端を回り、スリット92bを経由して当該スリット92bの空間OS側開口端におけるスリット92bとフェイズプラグ96の接点を回り、当該スリット92aの空間OS側開口端におけるスリット92bとフェイズプラグ96の接点に至る経路の経路長を最外周の1周分の経路長としてもよい。
1,2,3,4……ホーンスピーカ、80……バックプレート、81……トッププレート、82……環状マグネット、83……導音孔、84……ホーン、85……ポールピース、86,96,98……フェイズプラグ、87……ダイアフラム、88……ボイスコイルボビン、89……エッジ、90……スペーサリング、91,92,93……スリット、91a,92a,93a……最外周のスリット、91b,92b……最外周から2番目のスリット、94……スロート部、95……バックカバー、97……仕切り板、ax……中心軸、OS……空間、AG……磁気ギャップ、BC……バックキャビティ、a1,a2,b1,b2……開口端、a3,b3,a3’,b3’,a3’’,b3’’,a4,b4……先端。
Claims (5)
- スリットのダイアフラム側の開口端から、放音側先端を回り、前記スリットに隣り合うスリットを経由して前記開口端に至る経路の経路長が、前記スリットの周回方向の位置によって異なる
ことを特徴とするフェイズプラグ。 - スリットのダイアフラム側の開口端から、放音側先端に装着される仕切り板の放音側先端を回り、前記スリットに隣り合うスリットを経由して前記開口端に至る経路の経路長が、前記スリットの周回方向の位置によって異なる
ことを特徴とするフェイズプラグ。 - 前記開口端から、前記放音側先端までの経路の少なくとも一部が、曲線形状である
ことを特徴とする請求項1に記載のフェイズプラグ。 - 前記開口端から、前記仕切り板の放音側先端までの経路の少なくとも一部が、曲線形状である
ことを特徴とする請求項2に記載のフェイズプラグ。 - 音波を空間に放射するホーンと、
請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載のフェイズプラグと、
を有することを特徴とするホーンスピーカ。
Priority Applications (1)
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JP2015139786A JP2017022603A (ja) | 2015-07-13 | 2015-07-13 | ホーンスピーカおよびフェイズプラグ |
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Publications (1)
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