以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のネットスーパーシステムの全体構成を概略的に示したシステム構成図である。図1に示すように、ネットスーパーシステムは、ネットスーパーサービスを提供するネットスーパーサーバ6と、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの複数の実店舗のそれぞれに設けられた店舗システム7(7−1,7−2,…,7−n)と、店舗システム7を統括する本部サーバ9(ホストコンピュータ)とを含む。
ネットスーパーサーバ6は、所謂「ネットスーパー」と称される販売形態を実現するためのサーバ装置であって、商品販売のためのWebサイトをインターネット5上に公開する。ネットスーパーサーバ6は、インターネット5を通じてWebサイトにアクセスする電子機器10から商品購入の注文を受け付ける。電子機器10は、顧客により操作されるもので、例えばパーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、スマートフォンなどである。電子機器10は、インターネット5を通じてネットスーパーサーバ6が開設するWebサイトにアクセスする機能を有している。
店舗システム7(7−1,7−2,…,7−n)は、例えばPOS(Point of Sales)システムとして実現される。図1に示すように、店舗システム7−1は、複数のPOS端末2(2−1,2−2,…,2−m)と店舗サーバ4とを有している。なお、店舗システム7−2,…,7−nは、店舗システム7−1と同様の構成を有するものとして詳細な説明を省略する。以下、店舗システム7として説明する。
店舗サーバ4は、店舗システム7の全体を制御する。店舗サーバ4は、プロセッサ20、メモリ21、記録装置22、通信インタフェース(I/F)23、入力装置24、表示装置25、印刷装置26、及び通信インタフェース(I/F)27と、を有する。
プロセッサ20は、メモリ21に記録されたプログラムを実行することにより、店舗サーバ4としての各種処理を実現するために各部を制御する回路である。
メモリ21は、プロセッサ20により実行されるプログラムの他、プロセッサ20が各種の処理を実行する上で参照するデータを記録する。メモリ21に記録されるプログラムには、例えば、ネットスーパーサーバ6からネットスーパーにおいて注文された販売時機が設定された商品の商品データを含む注文明細データを受信する受信処理(受信部)、注文明細データに含まれる商品データについて、POS端末2において登録処理がされた場合に売上計上する計上処理(計上部)、注文明細データに含まれる商品データが少なくとも販売時機を過ぎても売上計上されていない商品データを含む場合、少なくとも売上未計上の注文明細データ(第1明細データ)を含み、第1明細データが売上計上されていない状態として識別可能にした売上未計上明細ファイル(明細ファイル)を作成する作成処理(作成部)、売上未計上明細ファイルをPOS端末2に送信して表示させる送信処理(送信部)などをプロセッサ20により実行させる制御プログラムを含む。
記録装置22は、ハードディスク(HDD(Hard disk drive))装置やSSD(solid state drive)装置等により実現され、プロセッサ20が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ20での処理によって生成されたデータを記録する。記録装置22には、例えば商品マスタファイル、店舗売上ファイル、電子ジャーナルファイル、返品ファイル、会員別注文販売ファイルの他、ネットスーパーサーバ6から受信された注文明細データを記録する注文明細データファイル、注文明細データをもとに生成された売上未計上明細ファイル(未計上明細データ)等が記録される。商品マスタファイルは、商品コードに対応付けて商品名や単価等の商品情報を記録するファイルである。店舗売上ファイルは、POS端末2から送信される、売上登録された商品の商品情報及び金額とを含む売上登録データを記録するファイルである。ジャーナルファイルは、POS端末2やネットスーパーサーバ6における電子ジャーナルを記録するファイルである。返品ファイルは、販売されなかった(登録処理がされなかった)商品の商品情報を記録するファイルである。会員別注文販売ファイルは、ネットスーパーを利用する会員別の商品の販売実績(売上登録データ)を記録するファイルである。注文明細データファイルは、ネットスーパーサーバ6から受信された注文明細データのそれぞれについて、POS端末2から受信されるデータをもとに、消し込み済み(売上登録済み)を示す消込み済みフラグ、配達完了が確認されたことを示す配達確認済みフラグが設定される(図7参照)。
通信I/F23は、プロセッサ20の制御のもとで、専用回線8を通じてネットスーパーサーバ6と本部サーバ9との通信を制御する。
入力装置24は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等により実現され、店員の操作に応じて各種データを入力する。
表示装置25は、例えば、カラーLCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスにより実現され、プロセッサ20の制御により、店舗サーバ4に設けられた各種機能を制御するための操作画面、記録装置22に記録された各種ファイルの内容、ネットスーパーサーバ6と本部サーバ9から受信される各種データなどを表示する。
印刷装置26は、プロセッサ20の制御により各種伝票、ジャーナル、点検レシート等を印刷する。
通信I/F27は、プロセッサ20の制御のもとで、LAN(Local Area Network)3を介したPOS端末2との通信を制御する。通信I/F27は、有線LANと無線LANに接続されたPOS端末2との通信を制御する。
POS端末2−1は、プロセッサ30、メモリ31、記録装置32、カードリード/ライタ33、入力装置34、表示装置35、印刷装置36、スキャナ37、及び通信インタフェース(I/F)38とを有する。なお、POS端末2−2,…,2−mは、POS端末2−1と同様の構成を有するものとして詳細な説明を省略する。以下、POS端末2として説明する。
POS端末2は、店舗のカウンターに設置される据え置き型、あるいは持ち運び可能な携帯型に構成される。携帯型のPOS端末2は、無線LANを通じて店舗サーバ4と通信することができる。据え置き型のPOS端末2は、店員(キャッシャー)の操作に応じて、販売する商品を登録する売上登録処理を行うための端末である。また、POS端末2は、店舗サーバ4から受信されたデータをもとに表示をする表示装置として使用される。
プロセッサ30は、メモリ31に記録されたプログラムを実行することにより、POS端末2としての各種処理を実現するために各部を制御する回路である。
メモリ31は、プロセッサ30により実行されるプログラムの他、プロセッサ30が各種の処理を実行する上で参照するデータを記録する。メモリ31に記録されるプログラムには、商品の情報(商品コード等)を入力して商品の情報(商品名、単価など)に応じた会計処理に用いられる登録情報(売上登録データ)を生成する登録処理、売上登録データをもとにした会計処理、売上登録データを店舗サーバ4に送信して売上計上させる処理などをプロセッサ30により実行させる制御プログラムを含む。
また、メモリ31に記録されるプログラムには、例えばネットスーパーにおいて注文された販売時機が商品の商品データを含む注文明細データを店舗サーバ4から受信する受信処理(受信部)、注文明細データに含まれる商品データについて、POS端末2において登録処理がされた場合に売上登録する登録処理(登録部)、店舗サーバ4から受信される売上未計上明細ファイルをもとに、注文明細データが販売時機を過ぎても売上登録されていない商品データを含む場合、少なくとも当該注文明細データを未計上データとして売上登録されていない状態が識別可能となるように表示装置25に表示させる制御処理(制御部)、表示装置25に表示された未計上データを売上登録する指示を入力する第1入力処理(第1入力部)、注文明細データが含む商品データに対応づけて販売完了を示す完了データを入力する第2入力処理(第2入力部)などをプロセッサ30により実行させる制御プログラムを含む。登録処理では、制御処理により表示された注文明細データについて、入力処理により売上登録する指示が入力された場合に、この指示に応じて注文明細データ(未計上データ)に含まれる商品データについて売上登録することができる。複数の注文明細データが表示されている場合、登録処理では、複数の注文明細データについて一括して売上登録する。また、制御処理では、注文明細データに含まれる商品データに対応する完了データが第2入力処理により入力されていない商品データを含む場合、少なくとも注文明細データを販売未完了データとして販売完了されていない状態が識別可能となるように表示装置25に表示させる。
記録装置32は、ハードディスク装置(HDD(Hard disk drive))やSSD(solid state drive)装置等により実現され、プロセッサ30が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ30での処理によって生成されたデータを記録する。記録装置32には、例えば店舗サーバ4から受信される注文明細データを記録する注文明細データファイル、注文明細データをもとに生成された売上未計上明細ファイル(未計上明細データ)等が記録される。注文明細データファイルは、店舗サーバ4から受信された注文明細データのそれぞれについて、消し込み済み(売上登録済み)を示す消込み済みフラグ、配達完了が確認されたことを示す配達確認済みフラグが設定される(図7参照)。なお、注文明細データファイルは、店舗サーバ4と他のPOS端末2とにおいて同期され、同じデータが記録されているものとする。
カードリード/ライタ33は、カードに記録されたデータを読み取るとともに、カードへデータを書き込む装置である。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードの他に、メンバーズカード、ポイントカードなどの会計処理に関わる情報を記録する各種のカードを含み得る。カードリード/ライタ33は、磁気式、接触式、あるいは非接触式の何れのデバイスであっても良いし、また複数種のデバイスを含んでいても良い。
入力装置34は、金額を入力するための数字キー、小計及び合計等の演算を実行させるための演算キー、各種コマンド入力用のキー、複数の商品を割り当てることができる商品キーなどを含むキーボード、タッチパネル等により実現される。タッチパネルは、表示装置35と一体に構成される。
表示装置35は、例えばカラーLCD等の表示デバイスにより実現され、プロセッサ30の制御により、購入対象として登録された商品に関する売上登録データ(商品名、金額など)の一覧リスト、小計金額、各種のメニュー、及びコマンドを入力するためのボタンなどを表示する。
印刷装置36は、例えばサーマルプリンタまたはドットインパクトプリンタなどにより実現され、例えばレシート用紙に対して各種の文字列、画像、コードパターン(バーコードなど)などを印刷することによりレシート、ジャーナル等を発行する。
スキャナ37は、光学的スキャンにより商品に印刷されたコード(バーコードなど)を読み取って、コードが示す商品に固有の商品コードを入力する。スキャナ25は、固定式またはハンディ式のコードスキャナとすることができる。
通信I/F38は、プロセッサ30の制御のもとで、LAN3を介した店舗サーバ4との通信を制御する。
なお、図示していないが、据え置き型のPOS端末2には、投入される硬貨及び紙幣を収受/排出する釣り銭機(ドロワ)が設けられる。
本部サーバ9は、専用回線8を介して接続された複数の店舗システム7を統括するための機能が設けられている。本部サーバ9は、例えばチェーン売上ファイル、会員マスタファイル、会員別実績ファイル等を記録している。チェーン売上ファイルは、各店舗の店舗サーバ4から送信される店舗売上ファイル(売上登録データが計上されたファイル)を記録するためのファイルである。会員マスタファイルは、会員登録された顧客についての会員情報(会員番号、顧客名称、性別、誕生日、住所、電話番号、購入店舗等)を会員顧客毎に記録するファイルである。会員別実績ファイルは、店舗システム7から送信される会員別注文販売ファイルをもとに、注文販売の実績情報を会員顧客毎に記録するファイルである。チェーン売上ファイル及び会員別実績ファイルは、店舗システム7から受信される店舗売上ファイルと会員別注文販売ファイルをもとに所定のタイミングで累積更新される。
次に、本実施形態におけるネットスーパーシステムの動作について説明する。
まず、店舗内で商品が購入される場合の店舗システム7における売上登録処理の動作について説明する。
例えば、POS端末2のプロセッサ30は、商品に付されたコード(バーコードなど)がスキャナ37によって読み取られると、読み取ったバーコードをもとに商品コードを判別して店舗サーバ4に問い合わせる。店舗サーバ4は、POS端末2からの問い合わせに応じて、商品コードをもとに商品マスタファイルを検索し、商品コードに対応した商品情報を読み出してPOS端末2へ送信する。商品情報には、商品名や単価等のデータを含む。
POS端末2は、店舗サーバ4から商品情報を受信し、商品情報に含まれる商品名や単価等に基づいて売上登録データを生成する。POS端末2は、顧客から商品の代金を収受して会計処理を実行する。POS端末2は、会計処理が完了すると印刷装置36によりレシートを印字し、ジャーナルデータを記録する。また、POS端末2は、売上登録データを店舗サーバ4へ送信する。
店舗サーバ4は、POS端末2から売上登録データを受信すると、この売上登録データを店舗売上ファイルに累計(売上計上)する。店舗サーバ4は、売上登録データが累計された店舗売上ファイルを、所定のタイミングで本部サーバ9に送信する。
次に、ネットスーパーサーバ6が提供するネットスーパーを通じて商品が注文される場合の動作について説明する。
まず、本実施形態におけるネットスーパーサーバ6の動作について説明する。図2は、本実施形態におけるネットスーパーサーバ6の動作を示すフローチャートである。
ネットスーパーサーバ6は、店舗において販売が可能な商品のうち、ネットスーパーで販売の対象となる商品の商品名や単価等の商品情報を掲載したネットスーパー用のWebサイトをインターネット5上に公開する。Webサイトでは、電子機器10からアクセスして、購入対象とする商品や数量、配達日(購入日)、購入店舗等を指定して商品を注文することができる。ネットスーパーサーバ6は、Webサイトを通じて、商品購入の注文内容を示す注文データを受け付ける。
なお、顧客が予め会員登録している場合には、Webサイトに会員番号が入力されることにより顧客認証することができる。一方、会員登録していない顧客の場合、商品の配達に必要な情報として、会員情報と同様の情報(顧客名称、住所、電話番号、購入店舗等)がWebサイトから入力されるものとする。
なお、ネットスーパーによる商品の注文は、Webサイトを通じてするだけでなく、例えば電話注文やFAX注文をすることが可能である。顧客からの電話注文やFAX注文による注文内容は、例えばネットスーパーの顧客担当の操作により、ネットスーパーサーバ6に登録する。さらに、店舗内において顧客からの注文を受け付け、POS端末2の操作によりネットスーパーサーバ6に登録することも可能である。
ネットスーパーサーバ6は、顧客からの商品購入の注文内容を示す注文データを受け付けると(Act11、Yes)、商品を販売(配達)する店舗に注文内容を通知するための注文明細データを生成する(Act12)。注文明細データには、商品の配達に必要となる顧客指名や住所などの会員情報に含まれる情報、販売時機を表す配達日(購入日)や配達時間帯(例えば、朝便、昼便、夕便など)、商品情報(商品名、数量、金額等)、注文明細データを識別するための固有の注文識別情報が含まれる。
ネットスーパーサーバ6は、注文明細データに設定された販売時機(配達日)をもとに決められる送信時刻になると(Act13、Yes)、注文明細データを指定された店舗の店舗サーバ4に送信する(Act14)。例えば、ネットスーパーサーバ6は、配達日前日の予め決められた時刻に注文明細データを送信する。
次に、ネットスーパーサーバ6から注文明細データを受信した店舗システム7の動作について説明する。
図3は、本実施形態における店舗サーバ4の動作を示すフローチャートである。
店舗サーバ4のプロセッサ20は、ネットスーパーサーバ6から注文明細データを受信すると(Act21)、記録装置22に記録する。プロセッサ20は、例えば入力装置24の操作による店員から指示に応じて、注文明細データが示す注文内容を表示装置25において表示させ、また注文明細データをもとに注文明細伝票を生成して印刷装置26により印刷出力させる(Act22)。店員は、表示装置25に表示される注文内容、あるいは注文明細伝票を参照することで、配送(納品)予定を確認することができる。
図6は、本実施形態における店舗サーバ4により印刷出力される注文明細伝票(お届け伝票)の一例を示す図である。
図6に示す注文明細伝票には、例えば、配達先に関する情報が記載される配達先情報領域A1、注文明細データに固有の注文識別情報に応じて生成される帳票番号バーコードA2、販売時機を表す配達情報が記載される配達時機情報領域A31、支払い方法を記載する支払い方法領域A32、代金(領収金額)を記載する金額領域A33、商品を配達する店舗名が記載される店舗名領域A34、配達業務を担当する店員の印が捺印される担当印領域A35、商品の配達完了時に顧客に受領サインあるいは捺印をしてもらうための受領印領域A36、配達される商品情報が一覧形式により記載される商品情報領域A4が設けられている。
配達先情報領域A1には、例えば、顧客の名前、電話番号、住所、会員番号が記載される。配達時機情報領域A31には、例えば、配達日(購入日)、及び配達時間帯(例えば、朝便、昼便、夕便の何れか)が記載される。商品情報領域A4には、商品名、単価、数量、小計、合計金額が記載される。
次に、注文明細伝票(お届け伝票)に記載された商品について正しく売上登録する場合について説明する。図4は、本実施形態におけるPOS端末2の動作を示すフローチャートである。
店員は、注文明細伝票の配達時機情報領域A31に記載された配達時機に合わせて、顧客に商品を配達するための準備(袋詰めなど)をする。まず、店員は、POS端末2のスキャナ37により帳票番号バーコードA2を読み取らせる。プロセッサ30は、スキャナ37により帳票番号バーコードが入力されると(Act41、Yes)、帳票番号バーコードが示す注文識別情報に対応する注文明細データを店舗サーバ4に要求する。店舗サーバ4のプロセッサ20は、POS端末2からの要求に応じて、商品情報(商品情報領域A4に記載された商品についての情報)を含む注文明細データをPOS端末2に送信する。プロセッサ30は、店舗サーバ4から注文明細データを受信すると(図4、Act42)、注文明細データに含まれる商品情報を表示装置35に表示し、店員に対して商品登録処理の実行を要求する。
POS端末2は、スキャナ37により商品に付されたバーコードが読み取られ、バーコードが示す商品コードが入力されると(Act43、Yes)、この商品コードについて注文内容消し込み処理を実行する(Act44)。すなわち、プロセッサ30は、入力された商品コードが商品情報に含まれる配達対象とする商品の商品コードと一致するか判別する。商品コードが一致する場合、プロセッサ30は、商品情報に含まれる該当する商品を削除(消し込み)し、この商品について売上登録データを作成する(商品登録する)。なお、商品コードが一致しない場合には、プロセッサ30は、配送対象の商品でないことを店員に通知するため警告を出力する。
以下、同様にして、プロセッサ30は、配達対象とする各商品の商品コードを入力し、商品情報から該当する商品を削除する(消し込みする)。配達対象とする商品情報に含まれる全ての商品コードが入力された後、入力装置34の例えば締めキーの操作により取引締めが指示されると(Act45、Yes)、プロセッサ30は、商品コードが入力された商品について締め処理をする(Act46)。
すなわち、プロセッサ30は、売上登録された全ての商品の商品情報及び金額とを含む売上登録データを作成する。また、プロセッサ30は、店舗用の控えレシートと商品の配達時に顧客に渡す顧客控えレシートとを印刷装置36により印刷させると共に、レシートに印刷した内容を含むジャーナルデータを作成する。プロセッサ30は、売上登録データに注文識別情報を付加して、ジャーナルデータと共に店舗サーバ4に送信する。また、プロセッサ30は、注文明細データファイルの売上登録が完了した注文明細データについて、消し込み済み(売上登録済み)を示す消込み済みフラグを設定する。
図7は、本実施形態における注文明細データファイルのデータ構成の概略を示す図である。
図3に戻り、店舗サーバ4のプロセッサ20は、POS端末2から売上登録データとジャーナルデータを受信すると(図3、Act23、Yes)、売上計上処理を実行する(Act24)。すなわち、プロセッサ20は、店舗売上ファイルにPOS端末2から受信した売上登録データを記録すると共に、電子ジャーナルファイルにジャーナルデータを記録する。また、プロセッサ20は、売上登録データに付加された注文識別情報をもとに何れの顧客から注文された商品について売上登録されたかを判別し、会員別の商品の販売実績(売上登録データ)を会員別注文販売ファイルに記録する。
店員は、スキャナ37により商品コードを読み取った商品、すなわち商品登録のための作業が完了した商品を袋詰めして、顧客に配送する。商品の配達時には、図6に示す注文明細伝票(お届け伝票)の受領印領域A36に、顧客により受領サインあるいは捺印をしてもらう。こうして、商品が顧客に配達されることにより商品の販売が完了する。配達が完了した後、店員(例えば店長などの責任者)は、注文明細伝票に受領サインあるいは捺印がされたことを確認した上、POS端末2を配達完了入力状態にして帳票番号バーコードA2をスキャナ37により読み取らせる。
プロセッサ30は、帳票番号バーコードが読み取られると、帳票番号バーコードが示す注文識別情報に対応する注文明細データ、すなわち配達完了が確認された注文明細データファイルの注文明細データについて配達確認済みフラグを設定する(図7参照)。ここで、帳票番号バーコードが示す注文識別情報は、商品の販売完了を示す完了データを示す。また、プロセッサ30は、帳票番号バーコードが示す注文識別情報を店舗サーバ4に送信する。店舗サーバ4のプロセッサ20は、注文識別情報を受信すると(Act25、Yes)、同様にして配達完了が確認された注文明細データファイルの注文明細データについて配達確認済みフラグを設定する(Act26)。
こうして、商品配達前に商品の商品コードを読み取ることにより、正しく商品登録処理が実行され、配達される商品について売上が計上される。また、配達完了した商品について、注文明細伝票の帳票番号バーコードA2を読み取ることで、配達完了を記録することができる。
これに対して、店員が店舗サーバ4により印刷された注文明細伝票(お届け伝票)の商品情報を見ながら商品の袋詰めをする場合に、POS端末2を介して商品コードを入力(売上登録)しない場合がある。すなわち、売上登録が実行されないまま、商品が配達されてしまう場合がある。このように、注文明細伝票(お届け伝票)に記載された商品について正しく売上登録されない場合について説明する。
本実施形態の店舗システム7は、POS端末2の操作により実行される点検業務処理において、販売時機が設定された注文明細データのうち、少なくとも過日(前日)までに全ての商品について売上登録(売上計上)されていない注文明細データを判定して、該当する注文明細データを店員が容易に識別可能な形態で一覧表示(売上未計上確認画面(図9参照))させることができる。
図5は、本実施形態におけるPOS端末2による点検業務処理時の動作を示すフローチャートである。
POS端末2は、店員の操作により点検業務処理の実行が指示されると、表示装置35において点検業務選択メニュー画面を表示させる。図8は、本実施形態における点検業務選択メニュー画面50の一例を示す図である。
点検業務選択メニュー画面50には、複数の点検業務をそれぞれ実行させるためのボタン、例えば入金登録ボタン51、売掛・レジ支出登録ボタン52、仮点検ボタン53、本点検ボタン54、全レジ本点検合計ボタン55、障害レジ本点検ボタン56が設けられている。
本実施形態では、例えば本点検ボタン54の操作に応じて実行される本点検業務処理において、通常の点検業務と共に、売上登録(売上計上)されていない注文明細データを判定し、該当する注文明細データがある場合に売上未計上確認画面を表示するものとする。なお、本点検ボタン54の操作に応じて実行される本点検業務処理は、例えば店舗の1日分の業務を終了する際に1日に1回実行される処理であり、店舗における一日の売上を確定する処理を開始させる。
本点検ボタン54の操作により点検業務処理の実行が指示されると(図5、Act51、Yes)、プロセッサ30は、この指示に応じて本点検業務の処理を開始する場合に、店舗サーバ4に販売情報を問い合わせる(Act52)。
店舗サーバ4のプロセッサ20は、店舗サーバ4から販売情報の問い合わせが受信されると(Act27、Yes)、店舗売上ファイルに売上登録データが記録されていない未計上の注文明細データがあるか判定する(Act28)。すなわち、プロセッサ20は、注文明細データファイルに消込み済みフラグが設定されていない注文明細データを検索する。
ここでは、プロセッサ20は、販売時機(配達日)が過日分、つまり前日以前の注文明細データを対象とする。本実施形態では、販売時機(配達日)から2日以内であれば、POS端末2の操作により注文明細データについての売上登録処理を可能とする。2日が経過した以降は、POS端末2において注文明細データの売上登録処理(売上計上処理)をすることができず、本部サーバ9において処理される。従って、点検業務処理において過日分の未計上の注文明細データを判定する際、プロセッサ20は、販売時機(配達日)が前日分と前々日分の注文明細データを対象とする。
なお、点検業務処理を毎日実行することにより、以下に説明するように、前日分の未計上の注文明細データを一括して売上登録(売上計上)することができる。しかし、前日に点検業務処理が実行されなかった場合、あるいはシステムの何らかの理由により売上登録(売上計上)されなかった注文明細データが存在する場合があるため、前々日分の注文明細データについても対象としている。
ここで、未計上の注文明細データが存在する場合(Act29、Yes)、プロセッサ20は、販売情報取込の問い合わせに対する応答として、未計上の注文明細データがあることを通知する(Act30)。
POS端末2のプロセッサ30は、販売情報取込応答を受信し(Act53)、未計上の注文明細データがあることが判別されると(Act54、Yes)、所定のコマンドを店舗サーバ4に送信することにより未計上の注文明細データを要求する(Act55)。
店舗サーバ4のプロセッサ20は、所定のコマンドにより未計上の注文明細データが問い合わされると(Act31、Yes)、注文明細データに含まれる商品データが少なくとも過日(前日)までに売上計上されていない注文明細データ(未計上データ)を識別可能にした売上未計上明細ファイルを作成する。そして、プロセッサ20は、売上未計上明細ファイルをPOS端末2に送信して、売上未計上確認画面において表示させる(Act32)。
プロセッサ30は、少なくとも未計上データを含む売上未計上明細ファイルを受信すると、表示装置35において売上未計上確認画面を表示して、売上登録されていない注文明細データ(未計上データ、第1明細データ)を識別可能な形態により一覧表示する。
図9は、本実施形態における売上未計上確認画面60の一例を示す図である。図9に示す売上未計上確認画面60には、例えば、注文明細データをリスト形式により一覧表示する表示領域61、表示領域61に全ての注文明細データを表示できない場合に、表示対象とする注文明細データをスクロールして表示させるための上スクロールボタン62及び下スクロールボタン63、表示領域61に表示された注文明細データについて売上登録(売上計上)をしない指示を入力するための「いいえ」ボタン64、及び表示領域61に表示された複数の注文明細データについて一括して売上登録(売上計上)をする指示を入力するための「はい」ボタン65が設けられている。表示領域61では、1つの注文明細データについて、例えば納品日、配達時機(朝便、昼便、夕便)、会員番号、数量、注文金額(代金)の各情報が表示される。なお、その他の情報が表示されるようにしても良い。
図9に示す例では、売上登録されていない注文明細データのみを表示領域61に一覧表示する形態であるため、売上登録されていない注文明細データを容易に識別可能である。
店員は、売上未計上確認画面60の表示領域61において表示される注文明細データについて、例えば店舗用の控えレシートや注文明細伝票(お届け伝票)を参照するなどして売上登録(売上計上)されていないことを確認した場合、「はい」ボタン65を選択する操作により売上計上(一括計上)を要求することができる。
なお、「いいえ」ボタン64を選択する操作がされた場合(Act58、No)、プロセッサ30は、売上未計上確認画面60を利用した一括計上をしないものと判別し、売上未計上確認画面60を消去する。
プロセッサ30は、店員により「はい」ボタン65を選択する操作がされた場合、すなわち表示領域61に表示された注文明細データについて売上計上が要求された場合(Act58、Yes)、店舗サーバ4に対して売上計上要求を送信する(Act59)。
すなわち、プロセッサ30は、表示領域61に表示された複数の注文明細データのそれぞれについて、注文明細データに含まれる全ての商品データについての売上登録データを商品コードのスキャンなしで自動作成する。また、プロセッサ30は、売上登録データに応じて、ジャーナルデータを作成する。プロセッサ30は、売上登録データに注文識別情報を付加して、ジャーナルデータと共に店舗サーバ4に送信する。
店舗サーバ4のプロセッサ20は、POS端末2から売上計上が要求されると(Act33、Yes)、複数の注文明細データのそれぞれに対応して、POS端末2から受信した売上登録データを店舗売上ファイルに記録すると共に、ジャーナルデータを電子ジャーナルファイルに記録する。また、プロセッサ20は、会員別の商品の販売実績(売上登録データ)を会員別注文販売ファイルに記録する(Act34)。
このようにして、本実施形態における店舗システム7では、注文明細伝票に記載された商品について正しく売上登録されない場合であっても、点検業務処理において、売上登録(売上計上)されていない注文明細データを売上未計上確認画面60の表示領域61において一覧表示させるので、売上登録処理の作業の抜けを簡単に確認することができる。また、表示領域61に表示された複数の注文明細データについて、「はい」ボタン65を選択する操作のみで簡単に一括して売上計上することができる。このため、店員の作業負担を大幅に軽減すると共に、複数の注文明細データに含まれる全ての商品データについて確実に売上計上して店舗の売上に反映することができる。
なお、本実施形態における店舗システム7では、次のような変形が可能である。
(1)前述した説明では、過日分(前日分、前々日分)の注文明細データのみを売上未計上確認画面60において一覧表示するとしているが次のようにしても良い。
(1A)過日分だけでなく当日の注文明細データを含めて表示する。この場合、店舗サーバ4は、当日分の注文明細データのうち、例えば配達時機を経過して消し込み済み(売上登録済み)となっていない注文明細データを識別可能な売上未計上明細ファイルを生成してPOS端末2に送信する。これにより、当時分の未計上の注文明細データについても、売上未計上確認画面60を通じて一括して売上計上することができる。
(1B)さらに、配達時機を経過していない注文明細データを対象とする。すなわち、ネットスーパーサーバ6から受信した注文明細データのうち配達時機になっていない注文明細データを含めて表示する。この場合、店舗サーバ4は、配達時機を経過していない注文明細データ(配達予定が明日以降)と、配達時機を経過して消し込み済み(売上登録済み)となっていない注文明細データとを識別可能とする売上未計上明細ファイルを作成してPOS端末2に送信する。なお、配達時機を経過して消し込み済みとなっていない注文明細データは、配達確認済みフラグが未設定となっている配達完了が確認されていない注文明細データ(販売未完了データ、第2明細データ)を対象としても良い。POS端末2は、それぞれを店員が識別可能に区分した形態によって表示する。この場合、売上未計上確認画面60において「はい」ボタン65により一括計上が指示された場合、表示領域61により表示された一部(配達時機を経過した注文明細データ)のみを一括計上の対象とする。
(1C)さらに、売上未計上確認画面60において表示対象とする注文明細データの範囲を店員の操作によって指定できるようにしても良い。例えば、「前日分、前々日分」(過日分)、「本日分、前日分、前々日分」、さらには「本日分」「前日分」「前々日分」を個々に指定できるようにする。
例えば、POS端末2の操作により予め表示対象とする注文明細データの範囲を店舗サーバ4に対して設定しておく。店舗サーバ4は、この設定内容に応じて、該当する範囲の未計上の注文明細データを識別可能にした売上未計上明細ファイルを生成してPOS端末2に送信する。
これにより、一括計上の対象とする範囲を特定して、売上未計上確認画面60の表示領域61に該当する注文明細データを一覧表示することができる。よって、確認が必要な未計上の注文明細データ数を制限して、確認作業の負担を軽減することが可能となる。
(2)前述した説明では、売上未計上確認画面60の表示領域61において、売上未計上の注文明細データのみを表示するとしているが、売上計上済みの注文明細データを含めて一覧表示するようにしても良い。
この場合、POS端末2は、売上計上済み/未計上の注文明細データを含み、未計上の注文明細データを識別可能にした売上未計上明細ファイルを作成してPOS端末2に送信する。POS端末2は、未計上の注文明細データを店員が識別可能に形態により、売上計上済みの注文明細データと共に売上未計上確認画面60において表示させる。
これにより、全ての注文明細データのうち、未計上の注文明細データの数を視覚的に容易に把握することができる。
(3)前述した説明では、売上未計上確認画面60の表示領域61に表示された未計上の注文明細データについて、「はい」ボタン65の操作に応じて全てを一括計上しているが、選択的に注文明細データについて売上計上するようにしても良い。
(3A)POS端末2は、入力装置34に対する店員の操作により、表示領域61に表示された複数の注文明細データの一覧から個別に注文明細データを選択できるようにする。POS端末2は、「はい」ボタン65により一括計上が指示された場合、店員の操作によって個別に選択された注文明細データのみを一括計上の対象とする。あるいはPOS端末2は、個別に選択された注文明細データ以外の他の注文明細データを一括計上の対象としても良い。
これにより、詳細な確認が必要な注文明細データを個別に一括計上の対象から削除したり、配達されたことが確実な注文明細データを個別に選択して一括計上したりすることができる。
(3B)POS端末2は、注文明細データファイルに記録された注文明細データのうち、売上登録されておらず(消込み済みフラグ未設定)、かつ配達確認済みフラグが設定された配達完了が確認された注文明細データを一括計上の対象とする。これにより、配達されたことが確実な注文明細データのみを簡単に一括計上の対象とすることができる。
(4)前述した説明では、本点検ボタン54を選択する操作があった場合に、点検業務処理において売上未計上確認画面60を表示しているが、その他の条件に応じて売上未計上確認画面60を表示することもできる。
(4A)前述した説明では、本点検ボタン54の操作により1日に1回実行される本点検処理において売上未計上確認画面60を表示させているが、例えば仮点検ボタン53の操作により1日に何度でも実行可能な仮点検処理において、前述と同様にして売上未計上確認画面60を表示させるようにしても良い。仮点検処理において売上未計上確認画面60を表示可能とする場合、POS端末2は、例えば本日配達予定分の注文明細データを対象として、未計上の注文明細データを表示領域61に表示する。すなわち、仮点検処理において配達予定の注文明細データを確認することができる。
(4B)また、店員からの指示に応じて点検を実行するのではなく、POS端末2は、予め決められた時刻に自動的に実行することもできる。例えば、POS端末2は、店員によって予め設定された時刻、あるいは予め設定された時間毎に、図5に示す処理を実行する。
これにより、店員が点検業務の実行を忘れていたとしても、POS端末2は、予め決められた時刻に自動的に売上未計上確認画面60を表示して、未計上の注文明細データの一覧を表示し、店員に確認を促すことができる。
(4C)また、POS端末2は、注文明細データに設定された販売時機を表す配達情報をもとに、売上未計上確認画面60を表示するようにしても良い。例えば、POS端末2は、配達予定時刻(朝便、昼便、夕便)から予め決められた時間前(例えば、1時間前)に売上未計上確認画面60を表示する。これにより、配達予定の注文明細データを表示領域61の一覧において確認することができる。また、POS端末2は、配達予定時刻を予め決められた時間経過した後(例えば、1時間後)に売上未計上確認画面60を表示する。これにより、店員は、売上未計上確認画面60において、直近の売上登録(売上計上)及び配達完了を記録する必要がある注文明細データについて確認することができる。
(5)店舗サーバ4では、図3(Act23)において、POS端末2から売上登録データが受信されることで売上計上しているが、POS端末2から帳票番号バーコードが示す注文識別情報を受信した場合に、対応する注文明細データについて売上計上するようにしても良い。すなわち、顧客に商品が配達されたことが確認された時点で売上計上することで、例えば配達時のトラブルにより顧客に配達されなかった商品を売上計上しないようにすることもできる。
なお、本実施形態における店舗システム7では、前述した(1)〜(5)を任意に組み合わせて実施することが可能である。
さらに、本実施形態の店舗システム7は、次のようにしても良い。
前述した説明では、POS端末2を店舗サーバ4から受信したデータ(売上未計上明細ファイル)をもとに売上未計上確認画面を表示する表示装置として使用しているが、店舗サーバ4を表示装置として用いても良い。すなわち、店舗サーバ4は、前述したPOS端末2と同様の売上未計上確認画面60の表示、及び売上未計上確認画面60を通じて入力される指示に応じた一括計上を実行することも可能である。また、その他の装置を表示装置として使用しても良い。例えば、店舗サーバ4と通信が可能な他の装置(PC等)を表示装置として使用しても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
また、前述した実施の形態において記載した処理は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に提供することができる。また、通信媒体により伝送して各種装置に提供することも可能である。コンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、または通信媒体を介してプログラムを受信し、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。