JP2017020879A - X線検査方法及びx線検査治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】非関心領域からの散乱X線をより低減し、コントラストの高い透過X線像が得られるX線検査方法を提供する。【解決手段】X線源1と、関心領域41と非関心領域42とを有する被検体3を透過したX線を検出するX線検出器9と、検出した透過X線像に基づき関心領域を検査するX線検査装置において、被検体のX線源側に、被検体の非関心領域に対応するX線遮蔽領域4を有するパターンマスク2を配置し、被検体の非関心領域に入射する放射X線12を遮蔽する。【選択図】図2

Description

本発明は、X線源とX線検出器とを備えたX線検査装置により、被検体を非破壊で検査するX線検査方法と、該X線検査方法に用いられるX線検査治具に関する。
X線源から放出されたX線を被検体に照射し、被検体を透過した透過X線をX線検出器により検出して被検体内部の検査を非破壊で行うX線検査方法が多種多様な分野で広く用いられている。
特許文献1には、マウス等の小動物から摘出した骨を複数個、同じトレイ上に並べて検査する際に、トレイの上にX線遮蔽材からなる仕切部材を配置することで、隣接する試料同士を識別する方法が開示されている。
特開2009−281764号公報
近年、電子部品実装基板(以下、「実装基板」と記す)の高密度実装化が進み、LSI等の集積回路にはBall Grid Array(以下、「BGA」と記す)接合部や多層配線を備えた構成が多く用いられている。実装基板におけるBGA接合部においては、接続位置のアライメント不良、はんだ未溶融、過加熱、濡れ不良、はんだボール内のボイド、クラック、剥離などの接続不良を生じる場合がある。よって、実装基板を製品へ搭載する前に上記接続不良を検出する必要があり、実装基板の非破壊検査方法として、透過X線を用いたX線検査が行われている。
従来のX線を用いた実装基板の検査方法について図10を用いて説明する。被検体3としての実装基板には、関心領域41と非関心領域42とが混在する。関心領域41とは、外部から目視検査が不可能な検査対象であるBGA接合部等のサブ検体要素51を有するデバイス5が配置されている領域であり、非関心領域42は、係る関心領域41以外の領域である。
X線源1からの放射X線12を被検体3に照射すると、放射X線12は関心領域41と非関心領域42の両方に照射される。特に、X線12が拡散X線光である場合には、放射X線12は進行するに従って広がり、広い領域に照射される。放射X線12は、被検体3内で各部分の素材に応じて透過・吸収されて、最終的に被検体3を透過した透過X線11がマルチ画素を有するX線検出器9に入射して、画素毎にX線強度が計測され、一次元又は二次元の透過X線像が得られる。そしてX線検出器9で得られた透過X線像に基づき、サブ検体要素51の欠陥・不良が検査部(不図示)で検出される。
X線が物質中を通過する過程においては、X線の透過と吸収以外に、物質によって散乱されて進行方向が変わる現象も生じる。この現象により生じたX線は散乱X線と呼ばれる。
近年は、実装基板において高密度化が進み、配線材料として10μm乃至100μm程度の厚さのCuやAl等の配線パターンが複数層積層されている多層基板が出現している。このような多層基板のX線検査には、観察に適した80kV乃至100kV程度のエネルギーのX線が多く用いられている。しかしながらCuやAlなどは、比較的原子番号が小さい元素であるため、80kV乃至100kV前後のエネルギーのX線に対しては吸収率が小さい反面、X線を散乱させる作用が比較的大きい。
被検体3である実装基板の非関心領域42には、関心領域41と同様に、CuやAlからなる電気配線(不図示)が検体の表面、裏面、内部に設けられている。非関心領域42内の部材構成は一様ではないため、領域内の位置によって生じる散乱X線14の強度が異なる。従って、非関心領域42で生じた散乱X線14は、X線検出器9で得られる関心領域41の透過X線像に対して不均一に影響を及ぼしてしまう。そのため、散乱X線14は、関心領域41の透過X線像において一定のノイズとして補償することができず、透過X線像のコントラストを低下させる悪影響をもたらしている。
そこで、特許文献1に開示されているX線遮蔽材からなる仕切部材を応用して、図10に示すように、パターンマスク2を配置し、非関心領域42からの散乱X線14を遮蔽することで、X線検出器9に入射する散乱X線14を低減することができる。しかしながら、この場合でも、非関心領域42には放射X線12が照射されるため、非関心領域42で生じた散乱X線14の一部はパターンマスク2の開口部7を通過してX線検出器9で検出されてしまう。
本発明の課題は、上記問題に鑑み、非関心領域からの散乱X線をより低減し、コントラストの高い透過X線像が得られるX線検査方法を提供することにある。
本発明の第一は、X線を放出するX線源と、
前記X線源から放出され、関心領域と非関心領域とを有する被検体を透過した透過X線を検出するX線検出器と、
前記X線検出器が取得した透過X線像に基づき前記関心領域を検査する検査部と、
を備えたX線検査装置を用いたX線検査方法であって、
前記非関心領域に対応するX線遮蔽領域と前記関心領域に対応するX線透過領域とを備えたパターンマスクを、前記X線源と前記被検体との間に配置して、前記被検体にX線を照射して検査することを特徴とする。
本発明の第二は、X線を放出するX線源と、
前記X線源から放出され、関心領域と非関心領域とを有する被検体を透過した透過X線を検出するX線検出器と、
前記X線検出器が取得した透過X線像に基づき前記関心領域を検査する検査部と、
を備えたX線検査装置を用いたX線検査方法において用いられる、前記被検体を載置する支持板を備えたX線検査治具であって、
前記非関心領域に対応するX線遮蔽領域と前記関心領域に対応するX線透過領域とを備えたパターンマスクを有し、
前記支持板が、前記被検体を載置する側に、前記パターンマスクのX線透過領域が前記被検体の関心領域に対応するように、前記被検体の位置を規定するための案内部を有し、 前記パターンマスクが、前記支持板のX線源側に配置されていることを特徴とする。
本発明においては、X線源から放射されたX線を関心領域に限定して照射することにより、非関心領域で発生する散乱X線を最大限に低減し、関心領域の透過X線像を高いコントラストで得ることが可能となる。よって、本発明によれば、電子部品実装基板において、接続不良個所の検出感度を向上させることができる。
本発明のX線検査方法の検査工程の様子を模式的に示す斜視図である。 図1中のA−A’断面模式図である。 本発明の検査方法で用いられるパターンマスクの他の形態を示す断面模式図である。 本発明の検査方法においてパターンマスクを被検体に取り付けた状態の他の形態を示す断面模式図である。 本発明の検査方法に用いられるパターンマスクの他の形態を示す断面模式図である。 本発明の検査方法に用いられるパターンマスクの他の形態を示す断面模式図である。 本発明のX線検査治具の一実施形態の構成を模式的に示す図であって、(a)は斜視図、(b)はX線検査治具に被検体を搭載する様子を示す断面図であり、(a)中のA−A’に相当する断面図、(c)はX線検査治具に被検体を搭載した状態の断面図である。 本発明のX線検査治具の他の実施形態の断面模式図である。 本発明のX線検査治具の他の実施形態の上面模式図である。 従来の仕切部材を応用した電子部品実装基板のX線検査工程の一例を示す断面模式図である。
以下、本発明のX線検査方法及びX線検査治具について好適な実施形態を挙げて説明する。但し、本発明は係る実施形態に限定されるものではない。また、係る実施形態に記載されていない事項については、従来の技術が好ましく適用される。
図1乃至図6を用いて本発明のX線検査方法を説明する。図1は、本発明のX線検査方法の検査工程を模式的に示す斜視図であり、図中のA−A’断面図を図2に示す。
本発明の検査方法は、X線を放出するX線源1と、X線を検出するX線検出器9と、検査部30とを有するX線検査装置を用いて行う。被検体3は、X線源1とX線検出器9との間に配置され、X線源1から放出され被検体3を透過した透過X線11をX線検出器9で検出し、X線検出器9が取得した透過X線像に基づき検査部30が被検体3を検査する。
本実施形態において被検体3は電子部品実装基板であり、複数の関心領域41と非関心領域42とを含んでいる。関心領域41内に含まれるデバイス5はサブ検体要素51として、BGA接合部等の外部から目視検査が不可能な部分を備えている。被検体3上にはデバイス5が複数個、一次元状又は二次元状に配置されたパターンで実装されている。被検体3上には更に、非関心領域42内に検査対象ではない電子部品6が多数実装されており、被検体3の全域において、銅やアルミニウムからなる電気配線(不図示)が表面、裏面、内部に設けられている。従って、非関心領域42にX線が照射されると、該非関心領域内において不均一なX線散乱を生じる。本例では、検査部30において、X線検出器9で取得された透過X線像に基づいてサブ検体要素51の欠陥・不良を検査する。
本発明の特徴は、被検体3のX線源1側にパターンマスク2を配置したことにある。図2のパターンマスク2は、被検体3の関心領域41に対応するX線透過領域7として開口部を有しており、開口部7以外は、被検体3の非関心領域42に対応するX線遮蔽領域4である。尚、X線透過領域7の端部は、関心領域41の端部よりも0.2mm乃至0.5mm程度内側に位置し、X線透過領域7が関心領域41よりも若干狭くなっていることが好ましい。
図2のパターンマスク2は、X線遮蔽材料からなる遮蔽シートに、X線透過領域7として開口部を設け、開口部以外をX線遮蔽領域4とした構成である。本発明では、パターンマスク2として、図3に示すように、X線を透過する樹脂材料からなるキャリアフィルム8を用い、該キャリアフィルム上に、X線遮蔽材料からなるX線遮蔽領域4を設けても良い。特に、図3の構成では、キャリアフィルム8上に周囲が他のX線遮蔽領域4と繋がっていないアイランド状のX線遮蔽領域4を形成することができる。また、キャリアフィルム8を用いることで、パターンマスク2の強度が向上し、ハンドリング性が向上する。
本発明において、パターンマスク2は、検査工程に先だって被検体3のX線源側に近接して配置され、デバイス5とX線透過領域7とが互いに重なるようにアライメントされる。パターンマスク2と被検体3との相対位置関係は、検査工程が終了するまで固定される。
被検体3とパターンマスク2を直接固定する手段としては、両者を剥離可能な粘着材等で一時的に固定する方法、両者をクランプ等によって挟んで固定する方法、位置決めピンによる固定方法、磁石による吸着方法などを適宜用いることができる。或いは、図4に示すように、被検体3の周縁部を支持部材10で支持し、該支持部材10にパターンマスク2を固定することで、パターンマスク2を間接的に被検体3にアライメント固定することも可能である。図4の固定方法では、被検体3とパターンマスク2とが直接接触しないため、両面に電子部品が実装されている実装基板が被検体3である場合に有効な手法である。
図2に示すように、本例のX線源1から出射される放射X線12は、拡散X線光であるが、非関心領域42に対してはパターンマスク2のX線遮蔽領域4により大部分が遮蔽され、X線透過領域7を透過したX線のみが被検体3の関心領域41へ入射する。そして関心領域41のデバイス5を通過した後、透過X線11となってX線検出器9へ入射し、透過X線像が得られる。この透過X線像を検査部30により解析して、サブ検体要素51の欠陥の有無と種類、不良箇所の特定を行う。
このX線照射と観察は、一箇所の関心領域41において必要に応じて複数回行う。X線源1とX線検出器9とデバイス5の相対位置をずらしながら複数回観察することで、関心領域41を複数の異なる視野方向から観察した透過X線像を取得することができる。これら視野の異なる複数の透過X線像から関心領域41を立体的に解析することが可能である。
本例において、被検体3とパターンマスク2は一体化されたままXY方向で移動可能である。またX線源1とX線検出器9をZ方向で移動させることにより、X線源1のX線焦点、被検体3、X線検出器9の間の距離の比を変えることができ、関心領域41を様々な倍率で観察することができる。一般的な設定として、X線源1のX線焦点と被検体3の下面までの距離は2mm、X線検出器9までの距離は200mmである。
被検体3とパターンマスク2とを一体で所定位置に搬送し、デバイス5の検査を終了した後、他のデバイス5の位置へ移動して同様の検査を実行する。この操作を被検体3上の関心領域41の数に応じて複数回行ってX線検査工程は完了する。上記一連の工程における被検体3の搬送方法としては、搬送マガジン、搬送ジャケット、搬送グレーチング、コンベアベルトなどの一般的な搬送手段を用いることが可能である。
本発明では、パターンマスク2を被検体3よりもX線源1側に設けることにより、関心領域41以外へ入射する放射X線量を低減させることができる。従って非関心領域42から発生する散乱X線14が大幅に低減され、X線検出器9へ入射する散乱X線の総量が低減し、透過X線像のコントラストを向上させることができる。この透過X線像のコントラスト改善の効果により、検査部30における欠陥検出の精度をより高めることができる。
本発明では、パターンマスク2が被検体3よりもX線源1側に位置することで、X線検出器9側に設けた場合よりも、非関心領域42に入射する放射X線量を低減することができる。特に放射X線12の拡散角が大きい場合に、その効果が大きい。
被検体3が実装基板の場合、配線材料のCuやAlは、軽元素であるため80kV乃至100kVのエネルギーのX線に対して遮蔽能力が低いため、パターンマスク2として用いるためには数mm程度の厚さが必要となる。パターンマスク2のX線遮蔽領域4を構成するX線遮蔽材料としては、原子番号39以上の元素を主原料とすることが望ましい。具体的には、タングステンや鉛、ビスマスなどの重金属や、これらの金属をポリカーボネートなどの樹脂に含有させたものが好ましい。具体的には、厚さ0.1mm乃至1mm程度の上記金属からなるシートや、上記金属を含有する樹脂シートが好ましい。
また、本発明に用いられるパターンマスク2としては、図5に示すように、X線透過領域7の開口面積が、X線源1側において被検体側よりも狭くなるように形成することが好ましい。X線透過領域7の開口面積を、X線源1側と被検体3側とで同じにすると、放射X線12の拡散角が広く、斜め方向からX線遮蔽領域4の側面に放射X線12が入射した場合に、X線を十分に遮蔽するための厚さが足りずに、被検体3側に透過してしまう。特に、X線遮蔽性の低いX線遮蔽材でX線遮蔽領域4を形成した場合にその影響が大きい。図5のように、拡散する放射X線12に対応してX線透過領域7の開口面積を被検体3側で広げておくことで、X線遮蔽領域4の側面から入射する放射X線12を低減することができ、同時に、必要な透過X線11の透過を妨げるおそれがない。
係る作用は、X線透過領域7の開口面積が異なる複数のパターンマスク2を積層して用いても同様に得られる。図6は、それぞれX線透過領域7a,7bとX線遮蔽領域4a,4bとを有する2枚のパターンマスク2a,2bを重ねて用いた構成であるが、積層するパターンマスクは3枚以上としてもかまない。
次に、図7乃至図9を用いて本発明のX線検査治具について説明する。図7は、本発明のX線検査治具20の一実施形態の断面模式図であり、図7(a)は斜視図、図7(b)は図7(a)中のA−A’に相当する位置の断面模式図であり、被検体3を載置する様子を示す断面図である。また、図7(c)は本例のX線検査治具20に被検体3を搭載した状態を示す断面図である。
本発明のX線検査治具は、図7(a),(b)に示すように、被検体3を載置する支持板22と、支持板22のX線源側に配置されたパターンマスク2と、後述する案内部を備えていることを特徴とする。パターンマスク2としては、前記図2乃至図4に例示したパターンマスク2のいずれもが好ましく用いられる。また、本例では、X線検査治具20が支持枠21を備えており、支持板22は周縁部において係る支持枠21に固定されている。
本発明のX線検査治具20に用いられる支持板22としては、X線を透過し、被検体3を載置できるものであれば、材料は限定されない。よって、厚さ0.05mm乃至0.5mm程度のPETなどの樹脂からなるシートやフィルムが用いられる。
さらに、本発明では、支持板22の、被検体3を載置する側に、被検体3の位置を規定する案内部を備えている。係る案内部に従って、被検体3を支持板22上に載置することで、被検体3の非関心領域42が、X線検査治具20に取り付けられたパターンマスク2のX線遮蔽領域4によって遮蔽される。同時に、パターンマスク2のX線透過領域7が、被検体3の関心領域41に対応し、X線源1からの放出X線12が関心領域41に照射されるようになる。
図7の例では、支持板22上に案内部として凸部23を複数有している。よって、図7(b)に示すように、被検体3の裏面に係る凸部23に対応する凹部24を設けておくことにより、支持板2と被検体3とのアライメントを容易に行い、図7(c)に示すように被検体3を所定の位置でX線検査治具20に搭載することができる。案内部の構成としては、図8に示すように支持板2上に複数のピン25を設けてもよい。この場合、被検体3の対応する位置に貫通する貫通孔26を設ける。また、図9に示すように、支持板2上に複数の基準線27を設け、被検体3の該基準線27に対応する位置にマーク28を設けた構成としても良い。図9の案内部は、構造が単純であり安価に作製することが可能であり、好ましい。尚、図9において、被検体3の上面に実装された電子部品やデバイス、配線などの構成部材は図示を省略する。
また、案内部としては、被検体3の複数の角部の位置を示すマークを支持板22上に記載したものや、被検体3の外周のうち異なる2方向の辺の位置を示すマークを支持板22に記載したものでも良い。
さらには、案内部として支持板22上に縦横に基準線を記載したものでもよい。この場合、被検体3の複数の角部の位置が基準線のどの交点に対応するかを予め取得しておき、該交点を基準として被検体3を載置すればよい。或いは、被検体3の外周のうち異なる2方向の辺がどの基準線に対応するかを予め取得しておき、該基準線を基準として被検体3を載置すればよい。この場合、被検体3の種類が変わってパターンマスク2を取り替えた場合でも、新たに支持板22に案内部を設ける必要がない。
本発明のX線検査治具は、同じ構成の被検体3を多数枚検査する際に有効である。即ち、本発明のX線検査治具20を複数用意し、任意の被検体のX線検査を行っている間に次の被検体3をX線検査治具に搭載しておけば、X線検査工程を間隔を開けることなく連続して行うことができる。
上記実施形態においては、被検体3が実装基板である場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されない。実装基板と同様に、非関心領域42内の構造が不均一でX線が照射された際に生じる散乱X線が均一ではなく、関心領域41の透過X線像に対して不均一な影響を及ぼす被検体であれば、実装基板と同様に透過X線像のコントラスト向上を図ることができる。
(実施例1)
図2に示すパターンマスク2を用いて、図1に示したX線検査を行った。各種条件は以下の通りである。
X線源1は、加速電圧100kVの透過型X線発生装置であり、駆動機構(不図示)によりXYZ方向へ移動可能な構成となっている。X線検出器9は、複数のX線検出素子が2次元に配列されたX線エリアセンサーである。ここで得られた透過X線像が、コンピュータシステムからなる検査部30により解析され、立体像の再構成と欠陥検出が行われる。
パターンマスク2は、被検体3と接する側に弱い粘着材が形成された厚さ0.3mmの鉛シートであり、被検体3である実装基板のX線源1側の面にアライメント後、前記粘着材を介して被検体3へ押し付けることによって固定される。この粘着材は、パターンマスク2と被検体3の両者のせん断方向のズレに対して十分な保持力を有しているため、検査工程終了まで両者の位置関係を保持することができる。そして、検査工程後に容易に剥離される。
被検体3は厚さ0.8mmのガラスエポキシ製の実装基板であり、デバイス5は、サブ検体要素51であるBGAにより基板上の銅箔配線(不図示)に接続された3個のLSIである。デバイス5は、それぞれXY方向のサイズが7mm×7mm、9mm×9mm、8mm×8mmである。パターンマスク2には、上記デバイス5の直下にX線透過領域7として、それぞれ6.5mm×6.5mm、8.5mm×8.5mm、7.5mm×7.5mmの開口が設けられている。また、一つのX線透過領域7は、パターンマスク2の端部に接して形成されており、閉じた開口となってはいない。
また、被検体3の実装基板上には、非関心領域42に主にチップコンデンサや抵抗素子、ダイオード等の電子部品6が多数実装されている。被検体3とパターンマスク2は、搬送マガジン(不図示)に固定して所定位置に搬送した。また、X線源1のX線焦点と被検体3の下面までの距離は2mm、X線検出器9までの距離は200mmである。
同一の検査条件において、本実施例と、比較例1としてパターンマスク2を用いなかった場合でX線検査を行い、透過X線像を比較した。その結果、本実施例では、比較例1に比べて散乱X線の低減効果により透過X線像のコントラストを高めることができた。これにより検査部30におけるBGAの欠陥検出精度が向上した。
(実施例2)
図3に例示したキャリアフィルム8上にX線透過領域7としての開口部とX線遮蔽領域4とを有するパターンマスク2を用いた以外は、実施例1と同様にして実装基板のX線検査を行った。キャリアフィルム8は0.1mmのPET樹脂フィルムであり、実装基板の1.5m×1.5mmの非関心領域42に対応する2mm×2mmのアイランド状の遮蔽領域4を含むパターンマスク2とした。
本例でも、実施例1と同様のコントラストの高い透過X線像を得ることができ、また、キャリアフィルム8を導入することによりパターンマスク2を正確に短時間でアライメント配置することができた。
(実施例3)
図4に示すように、被検体3である実装基板とパターンマスク2を直接接触させずに、ポリカーボネート樹脂からなる支持部材10により被検体3の周辺部を支持し、該支持部材10にパターンマスク2を固定した以外は実施例1と同様にしてX線検査を行った。
本例においても、実施例1と同様のコントラストの高い透過X線像を得ることができた。
(実施例4)
図5に示すように、X線透過領域41であるパターンマスク2の開口部の断面を階段状に形成した。本例では、厚さ0.3mmの鉛含有樹脂シート2a,2bを用い、一方2aはX線透過領域7aが7.0mm×7.0mm、他方2bはX線透過領域7bが6.8mm×6.8mmとなるようにそれぞれ開口部を形成した。そして、互いに開口部が重なるように、一方2aを他方2bの上に積層し、パターンマスク2とした。被検体3は7.5mm×7.5mmのデバイス5が実装された実装基板である。
上記の変更点以外は実施例1と同様にしてX線検査を行った。その結果、実施例1と同様のコントラストの高い透過X線像が得られた。また、開口部が7.0mm×7.0mmの2枚の厚さ0.3mmの鉛含有樹脂シートを重ねてパターンマスク2としてX線検査を行ったところ、開口部の断面を階段状とした方が散乱X線が低減されていることがわかった。
(実施例5)
図7に示すX線検査治具20を作製し、X線検査を行った。被検体3は、厚さ0.8mmのガラスエポキシ製の実装基板であり、上面が9mm×9mm、8mm×8mmの2個のLSIがデバイス5としてBGAにより基板上の銅箔配線(不図示)に接続されている。また、被検体3の非関心領域42には、チップコンデンサや抵抗素子、ダイオード等の電子部品6が多数実装され、基板の裏面には、開口部が直径2mmの円形で、深さが0.5mmの円錐状の凹部24が二箇所に形成されている。
本例のX線検査治具20は、支持枠21の外周が150mm×150mm、内周が130mm×130mm、厚さが5mmのポリカーボネート製であり、厚さ0.1mmのPETフィルムが支持板22として上記支持枠21の下面に取り付けられている。そして、支持板22の上面には、底面の直径が2mm、高さが0.4mmの円錐状のステンレス製凸部23が案内部として設けられている。係る凸部23が被検体3の基板の裏面の凹部24に嵌合した場合に、被検体3の非関心領域42がパターンマスク2のX線遮蔽領域4によって遮蔽される。
パターンマスク2は、厚さ0.3mmの鉛シートであり、支持板22のX線源1側に接着されている。また、パターンマスク2には、被検体3のデバイス5に対応する位置に、8.5mm×8.5mm、7.5mm×7.5mmの開口部がX線透過領域7として形成されている。
支持板22の上面には弱い粘着材が配置されており、支持板22に被検体3を載せて押しつけることにより、一時的に固定することができる。この粘着材は、せん断方向のズレに対して十分な保持力を有するが、検査終了後に垂直方向に引き剥がすことにより、容易に被検体3を剥離可能である。
本例においては、X線検査治具20の支持板22に設けた凸部23と被検体3の凹部24とで容易にアライメントすることができ、実施例1と同様に、コントラストの高い透過X線像が得られた。
(実施例6)
支持板22の上面に直径2mmで高さ3mmのポリカーボネート製ピン25を2本備えた、図8に示すX線検査治具20を作製した。また被検体3については、実装基板の上記ピン25に対応する位置に直径2.2mmの貫通孔26を2箇所設けた。
上記の変更点以外は実施例5と同様にしてX線検査を行った。その結果、X線検査治具20の支持板22に設けたピン25と被検体3の貫通孔26とで容易にアライメントすることができ、実施例5と同様に、コントラストの高い透過X線像が得られた。
(実施例7)
支持板22の上面に、外周の各辺の中央部を対向する辺同士で結ぶ幅0.2mmの基準線27を配置し、被検体3の実装基板上面の外周の各辺に、上記基準線27に対応する位置にマーク28を配置した。その他の条件は、実施例5と同様にして図9に示すX線検査治具20を形成した。
その結果、X線検査治具20の支持板22に設けた基準線27と被検体3のマーク28とで容易にアライメントすることができ、実施例5、6と同様に、コントラストの高い透過X線像が得られた。
1:X線源、2,2a,2b:パターンマスク、3:被検体、4,4a,4b:X線遮蔽領域、7,7a,7b:X線透過領域、8:キャリアフィルム、9:X線検出器、10:支持部材、11:X線、20:X線検査治具、22:支持板、30:検査部、41:関心領域、42:非関心領域

Claims (18)

  1. X線を放出するX線源と、
    前記X線源から放出され、関心領域と非関心領域とを有する被検体を透過した透過X線を検出するX線検出器と、
    前記X線検出器が取得した透過X線像に基づき前記関心領域を検査する検査部と、
    を備えたX線検査装置を用いたX線検査方法であって、
    前記非関心領域に対応するX線遮蔽領域と前記関心領域に対応するX線透過領域とを備えたパターンマスクを、前記X線源と前記被検体との間に配置して、前記被検体にX線を照射して検査することを特徴とするX線検査方法。
  2. 前記パターンマスクは、X線遮蔽材料からなる遮蔽シートであって、前記X線透過領域に対応する開口部を有することを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
  3. 前記パターンマスクは、樹脂材料からなるキャリアフィルム上に、X線遮蔽材料からなるX線遮蔽領域を有することを特徴とする請求項1に記載のX線検査方法。
  4. 前記X線遮蔽材料は、原子番号が39以上の元素或いは、前記元素を主原料とする材料であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のX線検査方法。
  5. 前記パターンマスクは、前記被検体に直接固定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のX線検査方法。
  6. 前記パターンマスクは、前記被検体を周縁部にて支持する支持部材に固定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のX線検査方法。
  7. 前記パターンマスクの前記X線透過領域の開口面積が、前記X線源側において前記被検体側よりも狭いことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のX線検査方法。
  8. 前記X線は、拡散X線光であること特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のX線検査方法。
  9. 前記非関心領域が、前記X線が照射された際に前記非関心領域内において不均一なX線散乱を生じることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のX線検査方法。
  10. 前記被検体が、電子部品実装基板であることを特徴とする請求項9に記載のX線検査方法。
  11. X線を放出するX線源と、
    前記X線源から放出され、関心領域と非関心領域とを有する被検体を透過した透過X線を検出するX線検出器と、
    前記X線検出器が取得した透過X線像に基づき前記関心領域を検査する検査部と、
    を備えたX線検査装置を用いたX線検査方法において用いられる、前記被検体を載置する支持板を備えたX線検査治具であって、
    前記非関心領域に対応するX線遮蔽領域と前記関心領域に対応するX線透過領域とを備えたパターンマスクを有し、
    前記支持板が、前記被検体を載置する側に、前記パターンマスクのX線透過領域が前記被検体の関心領域に対応するように、前記被検体の位置を規定するための案内部を有し、
    前記パターンマスクが、前記支持板のX線源側に配置されていることを特徴とするX線検査治具。
  12. 前記パターンマスクは、X線遮蔽材料からなる遮蔽シートであって、前記X線透過領域に対応する開口部を有することを特徴とする請求項11に記載の検査治具。
  13. 前記パターンマスクは、樹脂材料からなるキャリアフィルム上に、X線遮蔽材料からなるX線遮蔽領域を有することを特徴とする請求項11に記載のX線検査治具。
  14. 前記X線遮蔽材料は、原子番号が39以上の元素或いは、前記元素を主原料とする材料であることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか一項に記載のX線検査治具。
  15. 前記パターンマスクの前記X線透過領域の開口面積が、前記X線源側において前記被検体側よりも狭いことを特徴とする請求項11乃至14のいずれか一項に記載のX線検査治具。
  16. 前記X線は、拡散X線光であること特徴とする請求項11乃至15のいずれか一項に記載のX線検査治具。
  17. 前記非関心領域が、前記X線が照射された際に前記非関心領域内において不均一なX線散乱を生じることを特徴とする請求項11乃至16のいずれか一項に記載のX線検査治具。
  18. 前記被検体が、電子部品実装基板であることを特徴とする請求項17に記載のX線検査治具。
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