JP2017020585A - 流体圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】流体圧制御装置において、弁棒等の耐摩耗性を向上させ、且つ異音の発生を抑制する。【解決手段】流体圧制御装置10は、スプール弁16と電磁三方弁18とがバルブボディ14に設けられてなる。電磁三方弁18は、弁部54とソレノイド部56とを有する。弁部54の弁体70は、パイロット室46に通じる弁室68を解放ポート28に通じさせる第1作動状態と、弁室68と解放ポート28とを遮断するとともに、弁室68を入力ポート24に通じさせる第2作動状態とを択一的に切り換える。弁部54の弁棒76は、一端が可動コア84に分離可能に当接し、他端が弁体70に連接することで可動コア84に弁体70を連動させ、且つソレノイド82の励磁により可動コア84に磁気吸引される磁性材料からなる。【選択図】図1
Description
本発明は、スプール弁及び電磁弁をバルブボディに設けた流体圧制御装置に関する。
例えば、特許文献1に示されるように、パイロット室の液圧に応じて出力ポートを入力ポート又は解放ポートに択一的に連通させるスプール弁と、パイロット室の液圧を制御する電磁三方弁とを同一のバルブボディに設けた液圧制御装置が知られている。このうち、電磁三方弁は、ソレノイド部と弁部とを有している。ソレノイド部は、ソレノイドと、固定コアと、可動コアとを主に有し、ソレノイドの励磁により可動コアを固定コアで磁気吸引する。
一方、弁部は、パイロット室に通じる弁室を入力ポート又は解放ポートに択一的に連通させる弁体と、該弁体を可動コアに連動させる弁棒とを主に有する。弁棒は、一端側がソレノイド部の可動コアに一体化され、且つ他端が弁体に連接する。
弁体は、弁棒(可動コア)から押圧力を受けているときには弁座に着座する。一方、可動コアが固定コアに磁気吸引されて変位し、その結果として弁体が弁棒の押圧力から解放されたときには、該弁体は、作動液(例えば、作動油)等から圧力を受けて弁棒を押しながら変位し、弁座から離間する。
弁棒が可動コアと一体化された上記の液圧制御装置の構造では、コスト削減を図る場合、弁棒と可動コアとを別体とすること、すなわち、弁棒の一端を可動コアに分離可能に当接させる構造とすることが想起される。
この場合、弁棒を、ソレノイドの励磁によっても磁化されない非磁性体から構成することが好ましいと考えられる。この構成では、入力ポートから導入される作動流体に鉄粉等の磁性体からなる異物が含まれていたとしても、弁棒が該異物を引き寄せることがないからである。
ところで、上記の構成では、ソレノイドを励磁して可動コアをソレノイド側に引き寄せる(変位させる)とき、弁棒と可動コアの変位開始にタイムラグが生じる。すなわち、可動コアは電磁吸引力によって引き寄せられるが、弁棒は、可動コアが離間した後、作動流体からの圧力を受けて変位する弁体に押圧されてはじめて変位を開始するからである。すなわち、弁棒は、可動コアから若干遅れて変位する。従って、弁棒の変位が終了するときには、変位が既に終了した可動コアに対して弁棒の一端が当接することになる。このような状況下では、弁棒と可動コアの各当接面が摩耗したり、異音が発生したりする懸念がある。
また、上記の構成では、弁室の入力ポート側の連通口に設けられた弁座、又は解放ポート側の連通口に設けられた弁座に択一的に弁体を着座させることで、これらの連通口を択一的に閉塞又は解放する。このためには、上記の弁座間を移動する弁体のストロークに比して、弁棒(可動コア)のストロークを僅かに大きくする必要がある。このため、弁棒と可動コアとを別体とする構造では、固定コアが可動コアを磁気吸引した際に、該可動コアと弁体との間に、弁棒の可動領域(遊び)が生じてしまう。その結果、振動が加えられた際等に、弁棒が可動コア等に衝突して、各々の衝突面が摩耗したり、異音が発生したりする懸念がある。
本発明は、上記した問題を解決するためになされたもので、弁棒と可動コアを別体にしても、弁棒を可動コアと一体的に変位させることが可能であり、このため摩耗や異音が生じることを抑制できる流体圧制御装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、一端がパイロット室に臨み且つ他端側から前記パイロット室の容積を縮小させる方向に弾発付勢されるスプールを有するスプール弁と、前記スプール弁の作動を切り換える電磁弁とがバルブボディに設けられた流体圧制御装置であって、
前記スプールは、前記パイロット室の流体圧に応じて前記バルブボディに形成された有底の摺動孔内を摺動することで、出力ポートを入力ポート又は解放ポートに択一的に連通可能とし、
前記電磁弁は、前記バルブボディに形成された有底の収納孔に収納される弁部と、前記収納孔の開口側に取り付けられるソレノイド部とを有し、
前記ソレノイド部は、ボビンに電磁コイルを巻回してなるソレノイドと、磁性材料からなる可動コアと、前記ソレノイドの励磁により前記可動コアを磁気吸引する固定コアとを有し、
前記弁部は、前記パイロット室に通じる弁室を前記解放ポートに通じさせる第1作動状態と、前記弁室と前記解放ポートとを遮断するとともに、前記弁室を前記入力ポートに通じさせる第2作動状態とを択一的に切り換える弁体と、一端が前記可動コアに分離可能に当接し、他端が前記弁体に連接することで前記可動コアに前記弁体を連動させ、且つ前記ソレノイドの励磁により前記可動コアに磁気吸引される磁性材料からなる弁棒と、を有し、
前記弁部が前記第1作動状態にあるときに、前記パイロット室から前記弁室を介して前記解放ポートに作動流体を導いて前記パイロット室の流体圧を低下させ、前記弁部が前記第2作動状態にあるときに、前記入力ポートから前記弁室を介して前記作動流体を導いて前記パイロット室の流体圧を上昇させることを特徴とする。
前記スプールは、前記パイロット室の流体圧に応じて前記バルブボディに形成された有底の摺動孔内を摺動することで、出力ポートを入力ポート又は解放ポートに択一的に連通可能とし、
前記電磁弁は、前記バルブボディに形成された有底の収納孔に収納される弁部と、前記収納孔の開口側に取り付けられるソレノイド部とを有し、
前記ソレノイド部は、ボビンに電磁コイルを巻回してなるソレノイドと、磁性材料からなる可動コアと、前記ソレノイドの励磁により前記可動コアを磁気吸引する固定コアとを有し、
前記弁部は、前記パイロット室に通じる弁室を前記解放ポートに通じさせる第1作動状態と、前記弁室と前記解放ポートとを遮断するとともに、前記弁室を前記入力ポートに通じさせる第2作動状態とを択一的に切り換える弁体と、一端が前記可動コアに分離可能に当接し、他端が前記弁体に連接することで前記可動コアに前記弁体を連動させ、且つ前記ソレノイドの励磁により前記可動コアに磁気吸引される磁性材料からなる弁棒と、を有し、
前記弁部が前記第1作動状態にあるときに、前記パイロット室から前記弁室を介して前記解放ポートに作動流体を導いて前記パイロット室の流体圧を低下させ、前記弁部が前記第2作動状態にあるときに、前記入力ポートから前記弁室を介して前記作動流体を導いて前記パイロット室の流体圧を上昇させることを特徴とする。
本発明に係る流体圧制御装置では、弁棒と可動コアとが別体であっても、該弁棒が磁性材料からなるため、ソレノイドの励磁により、固定コアが可動コアを磁気吸引すると同時に弁棒が可動コアに磁気吸引される。従って、互いに別体からなる弁棒と可動コアとを同時に変位、換言すれば、連動させることができる。
以上から、この流体圧制御装置では、弁棒と他部材との衝突を回避して弁棒等の耐摩耗性を向上させること及び異音の発生を抑制することができる。
上記の流体圧制御装置において、前記可動コアに臨む前記弁棒の一端面は、少なくとも中央部が可動コア側に膨出する球面状に形成されることが好ましい。この場合、弁棒を可動コアと別体としたことで、可動コアに対する弁棒の傾きや芯ずれが生じた場合でも、弁棒の可動コアに対する面当たりが良好となって、可動コアの側圧が増加したり、弁棒の摺動抵抗が増えたりすることを抑制できる。このように、ソレノイド部の駆動負荷が増大することを未然に防止できるため、電磁コイルの容量増を行うことなく可動コア、ひいては弁体をスムーズに作動させることが可能になる。
本発明の流体圧制御装置によれば、可動コアと別体の弁棒が磁性材料からなるため、弁棒と他部材との衝突を回避して弁棒等の耐摩耗性を向上させることや異音の発生を抑制することができる。
以下、本発明に係る流体圧制御装置について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る流体圧制御装置は、例えば、車両等に搭載されるエンジンにおいて、吸排気弁の開閉動作等を行う動弁機構に作用させる作動液(作動流体)の液圧(流体圧)を制御するものとして好適に用いることができる。そこで、以下では、流体圧制御装置が、エンジン本体内のポンプ等の液圧源から入力される作動液の液圧を制御して動弁機構に出力する場合を例に挙げて説明するが、特にこれに限定されるものではない。
図1に示すように、本実施形態に係る流体圧制御装置10は、エンジン本体12に連結されるバルブボディ14を備え、該バルブボディ14にスプール弁16及び電磁三方弁18が設けられる。なお、以降の説明におけるX1、X2、Y1及びY2は、図中に示すX1、X2、Y1及びY2に対応する。また、X1−X2方向を幅、Y1−Y2方向を高さと表すこともある。
バルブボディ14には、そのY2側端面に形成された開口から高さ方向に沿って延在する有底の摺動孔20及び収納孔22が幅方向に間隔をおいてそれぞれ形成される。また、バルブボディ14には、そのX1側端面に形成された開口から幅方向に沿って延在して摺動孔20に連通する入力ポート24、出力ポート26、解放ポート28が形成される。さらに、バルブボディ14の摺動孔20と収納孔22との間には、互いを連通する第1連通路30、第2連通路32及び第3連通路34がそれぞれ形成される。
入力ポート24には、エンジン本体12内の液圧源(不図示)からの作動液が供給される。この作動液中に含まれる異物が流体圧制御装置10内に侵入することを回避するべく、入力ポート24には異物を捕捉するためのフィルタ25が装着される。
出力ポート26からは、流体圧制御装置10により液圧を制御した作動液が排出されて動弁機構に戻される。また、解放ポート28からは、余剰の作動液が排出されてエンジン本体12に戻される。
摺動孔20には、第1戻しバネ36と、スプール38と、シールプラグ40とが収納され、これによりスプール弁16が構成される。スプール38は、バネ収納部42及び解放路44が形成された有底筒形状の中空体である。第1戻しバネ36は、その一端が摺動孔20の底面に着座し、他端がバネ収納部42と解放路44の間の段部に当接する。従って、第1戻しバネ36は、スプール38をY2方向、換言すれば、後述するパイロット室46に向かって弾発付勢する。なお、スプール38には、バネ収納部42及び解放路44を、入力ポート24に連通するための連通孔47が形成されている。
スプール38の高さ方向略中腹部の外周面には、出力ポート26の連通先を切り換えるための第1環状凹部48が形成される。また、スプール38の外周面において、第1環状凹部48よりもY2側には、解放ポート28に常時連通する第2環状凹部50が形成される。つまり、第2環状凹部50は、摺動孔20内のスプール38の位置に関わらず解放ポート28と連通するように、その配置及び大きさが設定される。この第2環状凹部50は、第2連通孔52を介して解放路44と連通する。
シールプラグ40のY1側端面とスプール38のY2側端面との間に、パイロット室46が液密に形成される。後述するように、電磁三方弁18の作用下に、パイロット室46に対して作動液を供給すること、及びパイロット室46から作動液を排出することが可能となっている。
スプール38は、パイロット室46の液圧と第1戻しバネ36の付勢力との差分に応じて、摺動孔20内を摺動可能となる。具体的には、パイロット室46の液圧が大きくなると、第1戻しバネ36の付勢力に抗してスプール38が摺動孔20のY1側に移動する。一方、パイロット室46の液圧が小さくなると、第1戻しバネ36の付勢力によってスプール38が摺動孔20のY2側に移動する。
このようにスプール38を摺動させてその摺動孔20内における配置を変化させることにより、出力ポート26を、入力ポート24又は解放ポート28に択一的に連通することができる。
収納孔22には、弁部54が収納されるとともに、開口側にソレノイド部56が取り付けられる。これにより、電磁三方弁18が構成される。具体的には、図2及び図3にも示すように、収納孔22は、その底部からY2側に延在する小径孔部58と、該小径孔部58からテーパ部59を介して拡径する中径孔部60と、該中径孔部60から拡径して段部60aを形成する大径孔部62と、大径孔部62から一層拡径して該大径孔部62との間に段部62aを形成する嵌合孔部63とから構成される。
収納孔22の底部には、第1連通路30との連通口30aが設けられ、該連通口30aに弁孔64aが臨むように第1弁座64が設けられる。また、第1連通路30と摺動孔20との連通口30bは、該摺動孔20のX2側の側壁のうち、入力ポート24と対向する部位に形成される。これによって、第1連通路30及び摺動孔20を介して、小径孔部58の底部と入力ポート24とが連通する。
小径孔部58のX1側の側壁には、第2連通路32との連通口32aが設けられる。また、小径孔部58内における第2連通路32の連通口32aよりもY2側に偏倚し、且つ第1弁座64と対向するように第2弁座66が設けられる。これによって、小径孔部58内のうち、第1弁座64と第2弁座66との間に弁室68が形成される。
第2連通路32と摺動孔20との連通口32bは、摺動孔20のX2側の側壁のうち、パイロット室46に臨む部位に形成されるため、該第2連通路32を介して、弁室68とパイロット室46とが連通する。
つまり、第1連通路30は第1弁座64の弁孔64aを介して弁室68に通じ、第2連通路32は弁室68に常時通じる。この弁室68内には、第1弁座64及び第2弁座66の各々に着座可能にボール状の弁体70が設けられる。
中径孔部60には、中空の軸受部材72が圧入される。収納孔22において、第2弁座66と軸受部材72との間には解放室74が形成される。この解放室74のX1側の側壁に、第3連通路34との連通口34aが設けられる。また、第3連通路34と摺動孔20との連通口34bは、摺動孔20のX2側の側壁のうち、第2環状凹部50に臨む部位に形成される。これによって、摺動孔20内のスプール38の位置に関わらず、第3連通路34を介して解放室74と第2環状凹部50内の空間とが常時連通する。すなわち、解放室74と解放ポート28とは常時連通する。
軸受部材72の中空部には、弁棒76が摺動可能に支持される。これにより、収納孔22内に、弁棒76が高さ方向に沿って摺動可能に収納される。弁棒76は、例えば、JIS規格で規定されるマルテンサイト系ステンレス鋼(SUS440)等の磁性材料からなり、Y1側に設けられる小径軸部78と、該小径軸部78からテーパ部79を介して拡径する大径軸部80とから構成される。小径軸部78は、第2弁座66の弁孔66aの直径よりも小径であり、該弁孔66aを介して弁室68に進入することで、Y1側の端面が弁体70に当接可能となっている。大径軸部80のY2側の端面は、少なくとも中央部がY2側に膨出する球面状に形成されている。
図1に示すように、ソレノイド部56は、ソレノイド82と、可動コア84と、固定コア86とがヨーク88に収容されて構成されている。ヨーク88は、有底筒状の主ヨーク90と、該主ヨーク90の開口に圧入される補助ヨーク92とから構成される。主ヨーク90は、例えば、鋼板をプレス成形して製造することができ、取付けステー94及びボルト96によって、バルブボディ14に取り付けられる。
補助ヨーク92は、主ヨーク90の開口から露出するY1側の部位が、収納孔22の嵌合孔部63に嵌合される。この際、補助ヨーク92のY1側端面は、Oリング98を介して段部62aに当接する。また、補助ヨーク92の幅方向略中央には貫通孔100が形成されるとともに、該貫通孔100内に挿入されたカラー101に可動コア84が摺動可能に支持されている。
可動コア84のY1側端面には、弁棒76の球面状のY2側端面が当接する。可動コア84と弁棒76は、上記したように別体(別部材)であり、可動コア84のY1側端面と、弁棒76の球面状のY2側端面とは当接するのみで接合されてはいない。すなわち、可動コア84のY1側端面と、弁棒76の球面状のY2側端面は分離可能である。
可動コア84は、例えば、快削鋼(SUM)等の磁性材料から形成される円柱形状であり、Y2側端部にバネ受け凸部102が形成されている。該バネ受け凸部102は、第2戻しバネ106のY1側端部内に通される。すなわち、第2戻しバネ106は、バネ受け凸部102に位置決めされるとともに、そのY1側端部が可動コア84のY2側端面に着座する。
固定コア86は、例えば、磁性ステンレス鋼等の磁性材料から形成され、そのY1側端面が、可動コア84のY2側端面に当接及び離間可能に配設されている。また、固定コア86において、可動コア84のバネ受け凸部102に対向する部位には、有底のバネ受け孔104が形成されている。前記第2戻しバネ106は、このバネ受け孔104に挿入され、Y2側端部がバネ受け孔104の天井面に当接している。従って、第2戻しバネ106は、固定コア86及び可動コア84を互いに離間させる方向に付勢する。
ソレノイド82は、円筒形状のボビン108に電磁コイル110を巻回して構成され、該ソレノイド82の外周には、合成樹脂製の被覆層112が射出成形により形成される。その際、カプラ114が、ソレノイド82のX2側に張り出すように被覆層112と一体に成形され、このカプラ114により、電磁コイル110に連なる給電端子116が保持される。カプラ114の頸部は、主ヨーク90に設けられた切欠を介して、該主ヨーク90の外部に露出する。
ボビン108は、主ヨーク90と補助ヨーク92との間に支持される。また、ボビン108の中空部のY1側には可動コア84の一部が摺動可能に挿入され、Y2側には固定コア86が嵌合される。つまり、可動コア84の一部の周面と固定コア86の周面がソレノイド82に囲繞されるとともに、可動コア84の残部の周面が補助ヨーク92に囲繞される。
可動コア84は、第2戻しバネ106に弾発付勢されること、又はソレノイド82の励磁により固定コア86に磁気吸引されることにより、ボビン108及び補助ヨーク92の中空部を高さ方向に沿って変位可能となっている。
具体的には、ソレノイド82が非通電状態にあるときは、第2戻しバネ106の弾発力により、可動コア84が固定コア86から離間する方向に変位する。この場合、弁部54は、弁棒76を介して弁体70を第1弁座64に着座させる一方で、パイロット室46を解放ポート28に通じさせる第1作動状態となる。
一方、ソレノイド82が通電状態にあるときは、第2戻しバネ106の弾発力に抗して可動コア84が固定コア86側に磁気吸引されるとともに、弁棒76が可動コア84に磁気吸引される。これによって、図3に示すように、可動コア84と弁棒76とが連動してY2側に移動するとともに、弁体70が第1弁座64から離間しY2側に移動して第2弁座66に着座する。その結果、弁部54は、弁室68を介してパイロット室46を入力ポート24に通じさせる第2作動状態となる。
なお、第1作動状態では、弁棒76を介して弁体70を第1弁座64に押圧して弁孔64aを確実に閉塞し、且つ第2作動状態では、弁体70と弁棒76とを非接触状態とし、作動液の液圧により弁体70を第2弁座66に押圧して弁孔66aを確実に閉塞することが好ましい。このため、第1弁座64及び第2弁座66間を移動する弁体70のストロークに比して、弁棒76のストロークを僅かに大きく設定する。つまり、弁棒76の長さは、上限まで固定コア86に近接した可動コア84のY2側端面から弁孔66aまでの距離よりも僅かに小さい。
本実施形態に係る流体圧制御装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき動作との関係で説明する。
先ず、図1及び図2に示すように、第1作動状態では、電磁コイル110に対して電流を供給せずにソレノイド82を非励磁とする。このとき、可動コア84に作用する第2戻しバネ106の弾発力により、弁棒76が弁体70を押圧する。従って、弁体70が第1弁座64に着座し、第1連通路30(入力ポート24)と弁室68とを遮断する。このため、入力ポート24から供給され第1連通路30に導入された作動液が、弁室68に進入することが阻止される。
弁室68に作動液が導入されないので、第2連通路32を介してパイロット室46内に作動液が供給されることもない。従って、スプール38に対する第1戻しバネ36の弾発力がパイロット室46の液圧を上回る。このため、スプール38が摺動孔20のY2側(上死点)に位置する。
このとき、スプール38では、図1に示すように、第1環状凹部48が出力ポート26と解放ポート28に跨る。これによって、出力ポート26と解放ポート28が第1環状凹部48を介して連通するとともに、出力ポート26と入力ポート24とが遮断される。
また、第2環状凹部50と解放ポート28とは常時連通する。このため、入力ポート24は、連通孔47、バネ収納部42、解放路44、第2連通孔52、第2環状凹部50を介して解放ポート28に連通する。従って、入力ポート24から供給され且つ第1連通路30に導入されない余剰の作動液は、スプール38の内部を経由した後、解放ポート28からエンジン本体12内に戻される。
すなわち、第1作動状態にあるとき、入力ポート24と出力ポート26が遮断された状態にあるため、流体圧制御装置10は、出力ポート26から作動液を排出しない。
この第1作動状態から図3に示す第2作動状態に切り換える場合、図示しない電源から、カプラ114内の給電端子116を介して電磁コイル110に電流を供給する。すなわち、通電を行い、ソレノイド82を励磁する。これにより可動コア84が固定コア86に磁気吸引され、第2戻しバネ106の弾発力に抗してY2側に変位する。勿論、この際、第2戻しバネ106は収縮される。
ここで、可動コア84と弁棒76は別部材であるものの、本実施形態では、可動コア84及び弁棒76の双方を磁性材料で構成するようにしている。従って、ソレノイド82が励磁されて可動コア84が磁気を帯びると、可動コア84と弁棒76の間にも磁力が生じる。このため、弁棒76が可動コア84に磁着される。
換言すれば、弁棒76と可動コア84は、互いに当接した状態を維持する。このため、可動コア84が上記のように変位すると、弁棒76も同時に変位する。すなわち、この場合、可動コア84と弁棒76が連動する。従って、可動コア84と弁棒76の変位開始にタイムラグが生じることや、弁棒76が可動コア84から一旦離間して再当接することが回避される。その結果として、弁棒76と可動コア84の当接箇所が摩耗したり、異音が発生したりすることが防止される。
さらに、弁棒76の可動コア84に臨む端面は、少なくとも中央部が可動コア84側に膨出する球面状であるため、弁棒76を可動コア84と別体としたことで、可動コア84に対する弁棒76の傾きや芯ずれが生じた場合でも、弁棒76の可動コア84に対する面当たりが良好となる。つまり、可動コア84の側圧が増加したり、弁棒76の摺動抵抗が増えたりすることを抑制できる。このように、ソレノイド部56の駆動負荷が増大することを未然に防止できるため、電磁コイル110の容量増を行うことなく可動コア84、ひいては弁体70をスムーズに作動させることが可能になる。
以上のようにして可動コア84及び弁棒76がY2側に変位すると、弁体70が弁棒76の押圧力から解放される。すなわち、弁体70に作用する力が、入力ポート24から第1連通路30に導入された作動液の圧力のみとなる。従って、弁体70が、作動液に押圧されY2側に変位することで、第2弁座66に着座する。
このとき、弁棒76のストロークを弁体70のストロークよりも大きくすることにより、弁棒76が、第2弁座66に着座した弁体70から離間するため、弁体70に対して弁棒76の押圧力が作用することはない。従って、弁体70が弁孔66aを確実に閉塞する。このように、弁体70に比して弁棒76のストロークが大きくなるように弁棒76の長さを設定すると、第2作動状態において、可動コア84と弁体70との間に弁棒76の可動領域が生じる。この場合であっても、磁性材料からなる弁棒76は可動コア84と連動することが可能となる。その結果、流体圧制御装置10に振動等が生じた場合であっても、弁棒76が可動コア84等と衝突することを回避できる。つまり、各々の衝突面が摩耗したり、異音が発生したりすることを回避できる。
弁体70が第2弁座66に着座することに伴い、弁室68と解放室74とが遮断される。その一方で、弁孔64aが開状態となるので、第1連通路30から連通口30a、弁孔64aを介して作動液が弁室68に導入される。弁室68は、上記したように第2連通路32に常時連通している。このため、弁室68に導入された作動液は、第2連通路32にのみ流通する。
第2連通路32を流通した作動液は、スプール弁16のパイロット室46内に供給される。これによって、パイロット室46内の液圧が上昇してスプール38に対する第1戻しバネ36の弾発力を上回ると、スプール38が摺動孔20のY1側に移動する。従って、第1戻しバネ36が圧縮される。
スプール38が下死点となると、第1環状凹部48が入力ポート24と出力ポート26に跨る位置となる。これによって、出力ポート26と解放ポート28が遮断されるとともに、第1環状凹部48を介して該出力ポート26と入力ポート24が連通する。つまり、第2作動状態にあるとき、流体圧制御装置10は、入力ポート24から供給された作動液を出力ポート26から排出する。
このような第2作動状態において、電磁コイル110への通電を停止してソレノイド82を非励磁状態とすることで再び第1作動状態に切り換えると、可動コア84及び弁棒76に対する磁気吸引力が消失する。従って、可動コア84が第2戻しバネ106の弾発力を受け、Y1側に変位する(図1及び図2参照)。これと同時に、弁棒76が可動コア84から押圧されてY1側に変位する。従って、弁棒76によって弁体70が押圧され、第2弁座66から離間して第1弁座64に着座する。
その結果、第1連通路30を介した弁室68への作動液の進入が阻止される。従って、パイロット室46への作動液の供給も停止される。また、パイロット室46が、第2連通路32、弁室68、第2弁座66の弁孔66a、解放室74、第3連通路34、第2環状凹部50を介して解放ポート28に連通する。これによって、パイロット室46内に残留した作動油が、解放ポート28からエンジン本体12内に戻されると、該パイロット室46の液圧が再び低下する。その結果、スプール38が第1戻しバネ36の弾発力により摺動孔20内のY2側に移動する。これに伴って、出力ポート26が、入力ポート24と遮断されるとともに解放ポート28と連通し、該出力ポート26からの作動液の排出が停止する。
この流体圧制御装置10では、上記したように可動コア84と弁棒76が別部材であり、これらを分離することが可能であるので、弁部54とソレノイド部56とを互いに独立した構成とすることができる。これによって、ソレノイド部56の構成要素を、例えば、弁部54の構造が異なる電磁二方弁等の電磁弁と共用化することができる。
この流体圧制御装置10では、弁棒76が可動コア84等に衝突することを回避できるため、弁棒76や可動コア84等が摩耗したり、異音(衝突音)が発生したりすることを効果的に抑制できる。
なお、本発明は、上記した実施形態に特に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは勿論である。
10…流体圧制御装置 14…バルブボディ
16…スプール弁 18…電磁三方弁
20…摺動孔 22…収納孔
24…入力ポート 26…出力ポート
28…解放ポート 30…第1連通路
32…第2連通路 34…第3連通路
38…スプール 46…パイロット室
54…弁部 56…ソレノイド部
64…第1弁座 64a、66a…弁孔
66…第2弁座 68…弁室
70…弁体 76…弁棒
82…ソレノイド 84…可動コア
86…固定コア 108…ボビン
110…電磁コイル
16…スプール弁 18…電磁三方弁
20…摺動孔 22…収納孔
24…入力ポート 26…出力ポート
28…解放ポート 30…第1連通路
32…第2連通路 34…第3連通路
38…スプール 46…パイロット室
54…弁部 56…ソレノイド部
64…第1弁座 64a、66a…弁孔
66…第2弁座 68…弁室
70…弁体 76…弁棒
82…ソレノイド 84…可動コア
86…固定コア 108…ボビン
110…電磁コイル
Claims (2)
- 一端がパイロット室に臨み且つ他端側から前記パイロット室の容積を縮小させる方向に弾発付勢されるスプールを有するスプール弁と、前記スプール弁の作動を切り換える電磁弁とがバルブボディに設けられた流体圧制御装置であって、
前記スプールは、前記パイロット室の流体圧に応じて前記バルブボディに形成された有底の摺動孔内を摺動することで、出力ポートを入力ポート又は解放ポートに択一的に連通可能とし、
前記電磁弁は、前記バルブボディに形成された有底の収納孔に収納される弁部と、前記収納孔の開口側に取り付けられるソレノイド部とを有し、
前記ソレノイド部は、ボビンに電磁コイルを巻回してなるソレノイドと、磁性材料からなる可動コアと、前記ソレノイドの励磁により前記可動コアを磁気吸引する固定コアとを有し、
前記弁部は、前記パイロット室に通じる弁室を前記解放ポートに通じさせる第1作動状態と、前記弁室と前記解放ポートとを遮断するとともに、前記弁室を前記入力ポートに通じさせる第2作動状態とを択一的に切り換える弁体と、一端が前記可動コアに分離可能に当接し、他端が前記弁体に連接することで前記可動コアに前記弁体を連動させ、且つ前記ソレノイドの励磁により前記可動コアに磁気吸引される磁性材料からなる弁棒と、を有し、
前記弁部が前記第1作動状態にあるときに、前記パイロット室から前記弁室を介して前記解放ポートに作動流体を導いて前記パイロット室の流体圧を低下させ、前記弁部が前記第2作動状態にあるときに、前記入力ポートから前記弁室を介して前記作動流体を導いて前記パイロット室の流体圧を上昇させることを特徴とする流体圧制御装置。 - 請求項1記載の流体圧制御装置において、
前記可動コアに臨む前記弁棒の一端面は、少なくとも中央部が前記可動コア側に膨出する球面状に形成されることを特徴とする流体圧制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015139094A JP2017020585A (ja) | 2015-07-10 | 2015-07-10 | 流体圧制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015139094A JP2017020585A (ja) | 2015-07-10 | 2015-07-10 | 流体圧制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017020585A true JP2017020585A (ja) | 2017-01-26 |
Family
ID=57889406
Family Applications (1)
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JP2015139094A Pending JP2017020585A (ja) | 2015-07-10 | 2015-07-10 | 流体圧制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017020585A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107013708A (zh) * | 2017-06-06 | 2017-08-04 | 宁波纽帕得机械有限公司 | 一种高压电磁阀换向阀 |
CN111322428A (zh) * | 2018-12-14 | 2020-06-23 | 纳博特斯克有限公司 | 电磁阀、换向阀和施工机械 |
-
2015
- 2015-07-10 JP JP2015139094A patent/JP2017020585A/ja active Pending
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