JP2017020084A - 焼結原料粒の装入方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】DL型焼結機のパレットに充填される焼結原料粒の粒度偏析を適切かつ正確に、繰り返して再現することができ、しかも生産性に優れて良質な焼結鉱を得ることができる焼結原料粒の装入方法を提供する。【解決手段】予め、焼結原料粒を篩い分けして2以上の粒度範囲に分類して、各粒度範囲に含まれる粒子の安息角を粒度範囲毎に複数の試料で測定する安息角測定試験を行い、細粒側の粒度範囲と粗粒側の粒度範囲とを区別可能にする安息角の境界角度θを求めた上で、助走板や分級装置等の傾斜面の傾斜角度を前記で求めた境界角度θにして、焼結原料粒をパレットに装入する焼結原料粒の装入方法である。【選択図】図1

Description

この発明は、焼結鉱を得るための原料を配合して造粒した焼結原料粒をDL型焼結機のパレットに装入する焼結原料粒の装入方法に関するものである。
高炉で用いられる鉄鉱石には、採掘された塊鉱のほか、粉鉱を焼成して得た焼結鉱がある。この焼結鉱を得るには、一般に、鉄鉱石の粉鉱を石灰石や粉コークス等と共にDL(ドワイトロイド)型焼結機のパレットに装入して焼成する。
その際、通常は、種々の銘柄の粉鉱と、石灰石等の副原料と、固体燃料となる粉コークス等の炭材とを所定の比率で配合した焼結原料に水を加えて造粒処理して、擬似的な粒子に造粒した焼結原料粒をパレットに装入する。そして、このパレットに充填された焼結原料粒の上層部をバーナー等で着火し、パレットの下方から吸引して強制的に通風しながら、焼結が行われる。そのため、焼成速度(反応速度)や焼結歩留まりの向上等には、この通気性を考慮して、パレットに充填された焼結原料粒の粒度が上層部に比べて下層部の方が粗くなるようにする必要がある。また、焼結反応を均一に進行させるために、燃料となる炭材が上層部により多く含まれるようにする。
このようにして焼結原料粒をパレットに装入するにあたり、一般には、焼結原料粒をホッパーからドラムフィーダを介して切り出し、落下した焼結原料粒を助走板で受けてその助走面を滑走させると共に、助走板の出口側に設けた分級装置上を滑走させて分級しながら、焼結原料粒をDL型焼結機のパレットに装入することが行われている。すなわち、例えば、互いに隙間が形成されるように複数の棒材を縦方向(焼結原料粒の滑走方向)に並べたり、横方向(焼結原料粒の滑走方向に直交する方向)に並べて、焼結原料粒の滑走方向下流側の隙間が上流側の隙間よりも広くなるようにして、横方向スリットや縦方向スリットを有する分級面を備えた分級装置を用いて、この分級装置上で焼結原料粒を滑走(滑落)させることで、水平方向に移動するパレットに対して装入される焼結原料粒は、比較的粗い粒子のものがパレットの下層部に充填され、比較的細かい粒子のものがパレットの上層部に充填されるようになる。
そして、例えば、上記のような縦方向スリットを有する分級装置について、助走板の出口よりも棒材の位置を低くし、かつ、焼結原料粒の滑走方向下流側の各棒材の端を段違いに並べる方法や(特許文献1参照)、助走板の傾斜角度を45〜55°とすると共に分級装置の傾斜角度を40〜50°として、分級装置の傾斜角度を助走板よりも5〜10°程度小さくする方法(特許文献2参照)等が検討されている。
また、縦方向スリットや横方向スリットを形成する各棒材を回転駆動式のローラーにして分級装置を構成し、その傾斜角度を45°以上にする方法(特許文献3参照)のほか、分級装置の分級面に対向させて通風ノズルを設けて、風を送りながら分級したり(先の特許文献1参照)、焼結原料粒とは別に固体燃料の炭材を供給しながら分級装置で分級することで、上層部の炭材の量が下層部より多くなるようにする方法(特許文献4参照)等も知られている。
特開昭61−223136号公報 特開平3−249137号公報 特開昭61−195931号公報 特開2000−328147号公報
上述したように、生産性を向上させると共に良質な焼結鉱を得るためには、比較的粗い粒子の焼結原料粒がパレットの下層部に充填され、比較的細かい粒子の焼結原料粒がパレットの上層部に充填されるようにすることが重要であり、従来、例えば特許文献1〜3等ように、パレットに装入される焼結原料粒の粒度の偏析を理想的な状態にするための方法が各種検討されてきた。
ところが、実際にパレットに装入された焼結原料粒の状態を見ると、助走板や分級装置が同じ設定条件であっても、細かな粒子が下層部に混ざり込むなど、操業の途中で粒度偏析の様子が変わってしまうことがある。また、例えば特許文献4のように、炭材のみを別途装入するとパレットの上層部の固体燃料濃度が過剰となり、焼成の際の熱伝導により中層部や下層部へ伝達する熱量が多くなり過ぎて必要以上に融液を生じ、通気性を損ねてしまうことがある。そのため、生産性を向上させ、かつ良質な焼結鉱が得られるようにするには、焼結原料粒の粒度偏析を正しく形成しながら、固体燃料が適切に配置されるようにすることが必要となる。
本発明は、このような従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、DL型焼結機のパレットに充填される焼結原料粒の粒度偏析を適切かつ正確に、繰り返して再現することができ、しかも生産性に優れて良質な焼結鉱を得ることができる焼結原料粒の装入方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、焼結原料粒を構成する粒子の状態に着目した。すなわち、焼結原料粒の原料配合や水分量等によって得られる擬似粒子の状態が異なり、助走板や分級装置での滑走の仕方に影響することが考えられる。ところが、これまで、助走板や分級装置等の傾斜角度は経験的に決められた値で設定するのが通常であり、焼結原料粒に応じて制御することはなされてこなかった。
そこで、予め、焼結原料粒を篩い分けして2以上の粒度範囲に分類して、各粒度範囲に含まれる粒子の安息角を粒度範囲毎に複数の試料で測定する安息角測定試験を行い、細粒側の粒度範囲と粗粒側の粒度範囲とを区別可能にする安息角の境界角度θを求めた上で、傾斜面の傾斜角度を境界角度θにして焼結原料粒を装入することで、DL型焼結機のパレットに充填される焼結原料粒の粒子の偏析状態をより適切に、かつ繰り返して再現できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)焼結鉱を得るための原料を配合して造粒した焼結原料粒をホッパーからドラムフィーダを介して切り出し、水平方向に対して傾斜した傾斜面を滑走させて、分級しながらDL型焼結機のパレットに装入する焼結原料粒の装入方法であって、
予め、焼結原料粒を篩い分けして2以上の粒度範囲に分類して、各粒度範囲に含まれる粒子の安息角を粒度範囲毎に複数の試料で測定する安息角測定試験を行い、細粒側の粒度範囲と粗粒側の粒度範囲とを区別可能にする安息角の境界角度θを求めた上で、傾斜面の傾斜角度を前記で求めた境界角度θにして焼結原料粒を前記パレットに装入することを特徴とする焼結原料粒の装入方法。
(2)前記境界角度θを境にした細粒側が、目開き2mm以下のいずれかの篩で篩い分けして得られた篩下の粒度範囲を有する(1)に記載の焼結原料粒の装入方法。
(3)傾斜面が、ホッパーからドラムフィーダを介して切り出された焼結原料粒を受ける助走板のと、該助走板の焼結原料粒出口側に設けられて、複数の棒材を並べて互いに形成される棒材間の隙間で焼結原料粒を分級する分級装置とにより構成される(1)又は(2)に記載の焼結原料粒の装入方法。
(4)分級装置から落下した焼結原料粒の少なくとも一部を受けるデフレクター板を配設して、該デフレクター板を含めて傾斜面を構成する(3)に記載の焼結原料粒の装入方法。
(5)焼結原料粒の原料配合が変化したときに安息角測定試験を行って境界角度θを求めるか、或いは、焼結鉱の製造において一定期間ごとに安息角測定試験を行って境界角度θを求めて、傾斜面の傾斜角度を境界角度θに調整する(1)〜(4)のいずれかに記載の焼結原料粒の装入方法。
本発明によれば、DL型焼結機のパレットに充填される焼結原料粒が、比較的粗い粒子のものはパレットの下層部に充填され、比較的細かい粒子のものはパレットの上層部に充填されて、理想的な粒度偏析を正確に繰り返して再現することができる。しかも、固体燃料濃度を適切に配置することができることから、生産性を向上させながら、良質な焼結鉱を得ることができるようになる。
図1は、粒度ごとの粒子の安息角と水分量との関係を示すグラフであり、(a)は生石灰の含有量が0質量%の場合、同じく(b)は0.5質量%の場合、(c)は1質量%の場合である。 図2は、焼結原料粒を構成する粒子の大きさ(粒径)とそれに含まれるカーボン量との関係を示すグラフである。 図3は、焼結原料粒を構成する粒子の安息角を測定するのに用いた装置の写真である。 図4は、図3に示した装置で安息角を測定する様子を示した模式説明図である。 図5は、実験例で使用した試験装入装置を示す模式説明図である。 図6は、実験例1で使用した焼結原料粒Aの粒度分布である。 図7は、実験例1で試験装入した焼結原料粒Aの充填層について、充填層の高さ(層厚(mm))と粒子の大きさ(粒径/平均粒径(-))との関係を示すグラフである。 図8は、実験例1で試験装入した焼結原料粒Aのパレット内での粒度偏析度を傾斜角度毎に調べた結果を表すグラフである。 図9は、実験例2で使用した焼結原料粒Cの粒度分布である。 図10は、実験例2で試験装入した焼結原料粒C充填層について、充填層の高さ(層厚(mm))と粒子の大きさ(粒径/平均粒径(-))との関係を示すグラフである。 図11は、実験例2で試験装入した焼結原料粒Cのパレット内での粒度偏析度を傾斜角度毎に調べた結果を表すグラフである。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明では、予め、焼結原料粒を篩い分けして2以上の粒度範囲に分類して、各粒度範囲に含まれる粒子の安息角を粒度範囲毎に複数の試料で測定する安息角測定試験を行い、細粒側の粒度範囲と粗粒側の粒度範囲とを区別可能にする安息角の境界角度θを求めた上で、傾斜面の傾斜角度を境界角度θにして焼結原料粒をDL型焼結機のパレットに装入するようにする。
安息角は粒子の摩擦係数と関係し、焼結原料粒を構成する粒子の安息角より傾斜面が傾斜していればその粒子は傾斜面を転がり、傾斜面の傾斜角度が安息角以下であればその粒子は傾斜面上で静止することになる。すなわち、本発明においては、助走板や分級装置等の傾斜面の傾斜角度を安息角測定試験から求めた境界角度θにして装入することで、境界角度θより安息角が小さい粒子は傾斜面を転がり易くなり(滑走し易くなり)、境界角度θより安息角が大きい粒子は傾斜面を転がり難くなり(滑走し難くなり)、粒子の分級が促進されてパレット中により適切な粒度偏析が形成されるようになる。
ここで、図1(a)〜(c)には、生石灰の配合量を変えて造粒処理した3種類の焼結原料粒A〜Cについて、それぞれ目開き2mm、4mm、及び8mmの篩を用いて0−2mm、2−4mm、及び4−8mmの3つの粒度範囲に分類し、各粒度範囲に含まれる粒子の安息角を複数の試料で測定すると共に、各粒子の水分量を測定してグラフにしたものが示されている。3種類の焼結原料粒の生石灰量を変えたのは、生石灰は水分と共に焼結原料粒の擬似粒子の形成に直接影響するためである。焼結原料粒の水分量は6〜8質量%程度であるのが一般的であり、また、生石灰は0〜1質量%程度添加して造粒される(生石灰を添加しない場合もある)。これらの篩い分けでは焼結原料粒の擬似粒子が崩壊しないように注意して、全て手ぶるいで行った。その際、例えば、目開き1mmの篩で造粒処理後の焼結原料粒を篩い分けしたときに、篩下から回収される1mmアンダーの粒子が5質量%以下となるような程度の強度で行うのが望ましい。また、水分量は焼結原料粒の粒子の絶乾前後の質量差から算出し、安息角の測定は後述する方法で行った。
図1(a)は、生石灰の添加量を0質量%にして得られた焼結原料粒Aの場合であり、いずれの粒度範囲においても取り出した試料の粒子は水分量がばらつくものの、0−2mmの粒度範囲の粒子群の安息角(図中点線で囲ったもの)は、それ以外の粒度範囲に含まれる粒子のいずれの安息角よりも大きくなることが分かる。すなわち、細粒側である0−2mmの粒度範囲と、それより粗粒側である2−4mm及び4−8mmの粒度範囲とは、安息角が45°前後の境界角度θ(より詳しくは42°<θ<47°)で区分けできることが分かる(ここでは、2−4mmの粒度範囲の粒子群と4−8mmの粒度範囲の粒子群とは安息角によって互いに区別することはできない)。図1(b)の焼結原料粒Bの場合についても同様に、細粒側である0−2mmの粒度範囲と、それより粗粒側である2−4mm及び4−8mmの粒度範囲とは、安息角が42°前後の境界角度θ(より詳しくは39°<θ<43°)で区分けでき、図1(c)の焼結原料粒Cでは、細粒側である0−2mmの粒度範囲と、それより粗粒側である2−4mm及び4−8mmの粒度範囲とは、安息角が42°前後の境界角度θ(より詳しくは40°<θ<45°)で区分けすることができる。
また、図2には、焼結原料粒を構成する粒子の大きさとそれに含まれるカーボン量との関係を調べたグラフが示されている。上述したように、焼結原料粒は、通常、粉鉱のほか、石灰石等の副原料や粉コークス等の炭材等を所定の比率で配合した焼結原料に水を加えて造粒処理して、擬似的な粒子に造粒したものであるが、このグラフより、擬似粒子の粒径に反比例して、固体燃料となる炭材の量が増加することが分かる。このようになるのは、一般に、粉鉱が0−10mm程度の粒度範囲を有するのに対して、例えば粉コークスでは0−1mm程度であって、粉コークスは比較的に細かい粒子であることがひとつの理由として考えられる。すなわち、粉コークスは造粒時の核粒子ではなく周りに付着する粒子となる傾向が強く、核粒子が細かいほど比表面積が増加してより多くの粉コークスが付着するためと考えられる。
なお、ここでは水分量が7質量%であって、生石灰(CaO)が0質量%の場合と1質量%の場合との2種類の焼結原料粒について示しているが、他の焼結原料粒においても同様の傾向を示した。また、グラフ中の粒径は、目開き2mm、4mm、及び8mmの篩を用いて篩い分けしたものであり、目開き2mmの篩下の粒子を便宜上粒径1mmとし、以下同様に、目開き4mmの篩下を粒径3mm、目開き8mmの篩下を粒径6mm、目開き8mmの篩上を粒径10mmとしている。そして、各粒径に相当する粒子について、石灰石(CaCO3)として存在するカーボン分を除くため酸処理した後、JIS G 1211−2 鉄及び鋼−炭素定量方法に従ってそれぞれに含まれる炭素量を測定した。
そこで、本発明では、予め、焼結原料粒を篩い分けして2以上の粒度範囲に分類して、各粒度範囲に含まれる粒子の安息角を粒度範囲毎に複数の試料、好ましくは4以上の試料で測定する安息角測定試験を行い、細粒側の粒度範囲と粗粒側の粒度範囲とを区別可能にする安息角の境界角度θを求めた上で、傾斜面の傾斜角度を境界角度θ(境界角度θが幅を有する場合はその範囲内のいずれかの角度)にして、焼結原料粒を装入するようにする。その際、好ましくは、先の図1の例のように、境界角度θを境にした細粒側が目開き2mm以下のいずれかの篩で篩い分けして得られた篩下の粒度範囲を有するような場合である。そして、本発明によれば、焼結原料粒の分級を促進してパレット内の粒度偏析をより正しく形成することができ、しかも、細かな粒子がパレットの下層部に混ざり込むようなことを防いで上層部に偏析させることができることから、固体燃料が適切に配置されることにもなる。
本発明において、安息角を測定する方法については、それぞれの粒子を積み上げたときに崩れることなく安定を保つ斜面の最大角度を測定することができればよく、特に制限はないが、本発明では図3に示した測定装置を準備して、図4に示すようにして以下の手順で行った。
先ず、上面側が直径300mmの開口部を有し、底面側が直径100mmの開口部を有する逆円錐形状をした高さ250mmの投入容器1を用意し、試験台から底面までの距離が250mmとなるように固定して、底面側を底板2で塞いだ。また、この投入容器1の真下には、高さ100mm、直径100mmの円筒形の装入カップ3を配置した。次いで、この投入容器1の上面側開口部から、安息角を測定する試料の粒子4kgを入れ、底板2を一度に引き抜き投入容器内の試料を全て装入カップに落下させるようにした。そして、カップ上に形成された試料の山4の斜面の角度を前後左右の四方向で計測して、平均値から安息角を求めた。
また、本発明では、境界角度θに設定する傾斜面として、具体的には、ホッパーからドラムフィーダを介して切り出された焼結原料粒を受ける助走板により形成することができるほか、例えば、この助走板と共に、助走板の焼結原料粒出口側に設けられて、複数の棒材を並べて互いに形成される棒材間の隙間で焼結原料粒を分級する分級装置により傾斜面を形成するようにしてもよい。
すなわち、助走板については、焼結原料粒を滑走させる助走面を水平方向に対して境界角度θで傾斜させるようにし、また、分級装置については、焼結原料粒を滑走させて分級する分級面を水平方向に対して境界角度θで傾斜させるようにする。このような助走板や分級装置は公知のものを用いることができ、このうち、分級装置については、例えば、焼結原料粒の滑走方向に互いに隙間が形成されるように複数の棒材を並べたり、これに加えて滑走方向下流側の棒材間の隙間を上流側の隙間よりも広くしたりして、横方向スリットを有する分級面を備えたスリットバー式のものや、焼結原料粒の滑走方向と垂直な方向に互いに隙間が形成されるように複数の棒材を並べたり、これに加えて滑走方向下流側の棒材間の隙間を上流側の隙間よりも広くしたりして、縦方向スリットを有する分級面を備えたものなどを用いることができる。加えて、これらのほかにも、例えば、分級装置から落下した焼結原料粒の少なくとも一部を受けるデフレクター板を配設して、このデフレクター板を含めて傾斜面を形成するようにしてもよい。
また、本発明においては、焼結原料粒の原料配合が変化したときに安息角測定試験を行うか、又は、焼結鉱の製造において一定期間ごとに安息角測定試験を行うなどして、時期や状況を定めながら傾斜面の境界角度θを調整するのが望ましい。
本発明において、焼結鉱を得るための原料やその配合割合等については、一般的に採用されるものと同様にすることができる。例えば、種々の銘柄の粉鉱や返鉱のほか、石灰石、生石灰、鉄鋼スラグ、ドロマイト、スケール等の副原料、粉コークスや石炭等の炭材(固体燃料)と共に水を加えて配合する。また、これらを焼結原料粒とする際には、ドラムミキサーやパンペレタイザーなどを用いて、従来と同様の処理条件で造粒処理することができる。更には、パレットに焼結原料粒を装入する際に用いるホッパーやドラムフィーダについても、公知のDL型焼結機として使用されているものをそのまま用いることができる。そして、パレットに装入された焼結原料粒は、DL型焼結機を用いた公知の方法で焼結して、焼結鉱を得ることができる。
一方で、先の図1に示したように、焼結原料粒を構成する各粒子の安息角は、その粒子に含まれる水分量や生石灰量によって変化することが分かる。そこで、これらの関係を利用しながら助走板や分級装置等の傾斜面の傾斜角度が境界角度θになるように、焼結原料粒を得る際の水分量や生石灰量を調整することも考えられる。また、このような焼結原料粒の調整と傾斜面の傾斜角度の調整を併用して行うこともできる。
以下、実験例に基づきながら本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの内容に制限されるものではない。
(実験例1)
先の図1(a)に示した安息角を有する各粒度範囲の粒子を備えた焼結原料粒Aについて、図5に示した試験装入装置を用いて装入実験を行った。この試験装入装置は、約1.4ton(トン)の焼結原料粒を投入することができる試験ホッパー5と、ドラムフィーダ6とを備えており、試験ホッパー5からドラムフィーダ6を介して切り出された焼結原料粒を助走板7で受け、助走板7の助走面で焼結原料粒を約0.5m滑走させて、その下流側に設けた分級装置8の分級面で分級しながら焼結原料粒をパレット10に装入することができる。
ここで、分級装置8は、スリットバー式の分級装置であって、複数の棒材を並べた横方向スリットの分級面(スリット間隔20mm)を備えている。また、分級装置8の下にはデフレクター板9を設けて、分級装置8から落下した焼結原料粒の一部はデフレクター面を約1.5m滑走して、パレット10に装入されるようにした。更に、このパレット10は、3.2m/minの速度で水平方向に移動しており、進行方向に沿って両側に取り付けられた仕切り壁により幅0.4mの焼結原料粒装入スペースが形成されている。
また、この実験例1で使用した焼結原料粒Aは、下記の表1に示した原料を水と共に配合し、ドラムミキサーを用いて造粒処理したものであり、図6に示した粒度分布を有している(平均粒径:4.8mm)。そして、目開き2mm、4mm、及び8mmの篩を用いて0−2mmの粒度範囲、2−4mmの粒度範囲、及び4−8mmの粒度範囲に篩い分けして、各粒度範囲に含まれる粒子の安息角を粒度範囲毎に複数の試料で測定する安息角測定試験を行った結果は、図1(a)に示したとおりである。
この測定にあたっては、先ず、約26kgの焼結原料粒Aを目開き2mmの篩で篩い分けして、篩下より粒度範囲0−2mmの粒子を回収した。次いで、その篩上を目開き4mmの篩で篩い分けして篩下より粒度範囲2−4mmの粒子を回収し、更に同様にして、目開き8mmの篩で篩い分けして粒度範囲4−8mmの粒子を回収した。そして、回収した各粒度範囲の焼結原料粒から約4kgの粒子(試料)を採取して、それぞれ図3に示した装置を用いて安息角を測定すると共に、回収した各粒度範囲の焼結原料粒から約200gの粒子(試料)を採取してその水分量を測定した。
そこで、図5に示した試験装入装置における助走板7の助走面、分級装置8の分級面、及びデフレクター板9のデフレクター面の水平方向に対する傾斜角度をいずれも35°にした場合、いずれも40°にした場合、いずれも45°にした場合、いずれも50°にした場合について、それぞれ1.4tonの焼結原料粒Aを試験ホッパー5に投入して、全量をパレット10に装入する装入実験を行った。装入後には、パレット10の装入スペースに、幅0.4m×高さ約0.6mで焼結原料粒Aが充填された充填層が形成された。
上記パレット10に形成された焼結原料粒Aの充填層について、充填層の上部より深さ方向に厚み約10cmの間隔で粒子を約2000gずつ採取し、各充填層高さに対する充填層を形成する粒子の粒径を測定して、充填層の高さ(層厚(mm))と粒子の大きさ(粒径/平均粒径(-))との関係を求めた。ここで、平均粒径は、焼結原料粒A全体での平均粒径(4.8mm)である。
結果は図7に示したとおりであり、傾斜角度がいずれの場合であっても、層厚300mm以上の上層部には粒子の大きさ(粒径/平均粒径(-))が0.5〜1程度の細粒子が存在し、層厚300mm以下の下層部には粒子の大きさ(粒径/平均粒径(-))が1〜1.4程度の粗粒子が存在して、粒度偏析が形成されていることが分かる。
また、図8は、図7に示した「粒径/平均粒径(-)」の最大値と最小値との差(最大値−最小値)で表される粒度偏析度(−)を傾斜角度(°)ごとに求めたものである。これから分かるように、傾斜角度を45°にしたときが、最も大きな粒度偏析を形成している。すなわち、この傾斜角度45°は、焼結原料粒Aにおいて細粒側である0−2mmの粒度範囲と、それより粗粒側である2−4mm及び4−8mmの粒度範囲とを互いに区別可能にする境界角度θに相当し、境界角度θに相当しない傾斜角度(35°、40°、50°)の場合に比べて、粒度偏析度をより高めながら焼結原料粒をパレットに装入できることが分かる。
(実験例2)
先の図1(c)に示した安息角を有する各粒度範囲の粒子を備えた焼結原料粒Cについて、実験例1と同様にして試験装入装置を用いた装入実験を行った。この実験例2で使用した焼結原料粒Cは、表1に示した原料を水と共に配合し、ドラムミキサーを用いて造粒処理したものであり、図9に示した粒度分布を有している(平均粒径:4.3mm)。
この実験例2でパレット10に形成された充填層は、図10に示した粒度偏析を形成していた。そして、その詳細を把握するために、実験例1と同様にして粒度偏析度(−)と傾斜角度(°)との関係を調べたところ、図11に示したように、傾斜角度を40°にしたときが、最も大きな粒度偏析を形成していることが分かる。この傾斜角度40°は、図1(c)に示されるように、焼結原料粒Cにおいて細粒側である0−2mmの粒度範囲と、それより粗粒側である2−4mm及び4−8mmの粒度範囲とを互いに区別可能にする境界角度θに相当し、境界角度θに相当しない傾斜角度(35°、45°、50°)の場合に比べて、粒度偏析度をより高めてパレットに焼結原料粒を装入することができる。
以上、本発明のように、予め、焼結原料粒を篩い分けして2以上の粒度範囲に分類して、各粒度範囲に含まれる粒子の安息角を粒度範囲毎に複数の試料で測定する安息角測定試験を行って、細粒側の粒度範囲と粗粒側の粒度範囲とを区別可能にする安息角の境界角度θを求めた上で、助走板等の傾斜面の傾斜角度が境界角度θに相当するようにして焼結原料粒をDL型焼結機のパレットに装入することで、パレットに充填される焼結原料粒の粒子の偏析状態をより適切に、かつ繰り返して再現できるようになることが分かる。しかも、固体燃料濃度を相応しい配置にできることから、生産性を向上させながら、良質な焼結鉱を得ることができるようになる。
1:投入容器、2:底板、3:装入カップ、4:試料(粒子)の山、5:試験ホッパー、6:ドラムフィーダ、7:助走板、8:分級装置、9:デフレクター板、10:パレット。

Claims (5)

  1. 焼結鉱を得るための原料を配合して造粒した焼結原料粒をホッパーからドラムフィーダを介して切り出し、水平方向に対して傾斜した傾斜面を滑走させて、分級しながらDL型焼結機のパレットに装入する焼結原料粒の装入方法であって、予め、焼結原料粒を篩い分けして2以上の粒度範囲に分類して、各粒度範囲に含まれる粒子の安息角を粒度範囲毎に複数の試料で測定する安息角測定試験を行い、細粒側の粒度範囲と粗粒側の粒度範囲とを区別可能にする安息角の境界角度θを求めた上で、傾斜面の傾斜角度を前記で求めた境界角度θにして焼結原料粒を前記パレットに装入することを特徴とする焼結原料粒の装入方法。
  2. 前記境界角度θを境にした細粒側が、目開き2mm以下のいずれかの篩で篩い分けして得られた篩下の粒度範囲を有する請求項1に記載の焼結原料粒の装入方法。
  3. 傾斜面が、ホッパーからドラムフィーダを介して切り出された焼結原料粒を受ける助走板と、該助走板の焼結原料粒出口側に設けられて、複数の棒材を並べて互いに形成される棒材間の隙間で焼結原料粒を分級する分級装置とにより構成される請求項1又は2に記載の焼結原料粒の装入方法。
  4. 分級装置から落下した焼結原料粒の少なくとも一部を受けるデフレクター板を配設して、該デフレクター板を含めて傾斜面を構成する請求項3に記載の焼結原料粒の装入方法。
  5. 焼結原料粒の原料配合が変化したときに安息角測定試験を行って境界角度θを求めるか、或いは、焼結鉱の製造において一定期間ごとに安息角測定試験を行って境界角度θを求めて、傾斜面の傾斜角度を境界角度θに調整する請求項1〜4のいずれかに記載の焼結原料粒の装入方法。
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