JP2017020013A - フルオロポリマーの製造方法 - Google Patents

フルオロポリマーの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017020013A
JP2017020013A JP2016136021A JP2016136021A JP2017020013A JP 2017020013 A JP2017020013 A JP 2017020013A JP 2016136021 A JP2016136021 A JP 2016136021A JP 2016136021 A JP2016136021 A JP 2016136021A JP 2017020013 A JP2017020013 A JP 2017020013A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
fluoropolymer
mol
ethylenically unsaturated
vinylidene fluoride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016136021A
Other languages
English (en)
Inventor
一暢 内田
Kazunobu Uchida
一暢 内田
市川 賢治
Kenji Ichikawa
賢治 市川
裕子 岩松
Yuko Iwamatsu
裕子 岩松
一輝 細田
Kazuki Hosoda
一輝 細田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Publication of JP2017020013A publication Critical patent/JP2017020013A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

【課題】溶融成形により得られた成形体に着色が観察されないフルオロポリマーを製造するための製造方法を提供する。【解決手段】重合開始剤の存在下にフルオロモノマーを重合してフルオロポリマーを得る工程を含むフルオロポリマーの製造方法であって、上記フルオロモノマーは、ビニリデンフルオライドであり、上記重合開始剤は、アルキルパーオキシエステル及びジ(フルオロアシル)パーオキサイドからなる群より選択される少なくとも1種であり、上記フルオロポリマーは、ビニリデンフルオライド単位を含み、ビニリデンフルオライド単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の10.0〜70.0モル%であることを特徴とする製造方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、ビニリデンフルオライド単位を含むフルオロポリマーの製造方法に関する。本発明は、また、上記製造方法により得られたフルオロポリマーに関する。
ビニリデンフルオライド単位を含むフルオロポリマーは、耐熱性、耐薬品性等に優れると同時に、融点と熱分解温度との差が大きく、加工が容易であることから、幅広い用途に使用されている。
特許文献1には、重合助剤に起因する低分子有機物質あるいは上記助剤とフッ化ビニリデンモノマーとの反応によるオリゴマー等が原因で、製造したフッ化ビニリデン系重合体が黄色〜茶褐色に着色する現象が起こることが記載されている。そして、この問題を解決するために、フッ化ビニリデンを主成分とするモノマーを重合してフッ化ビニリデン系重合体を得るフッ化ビニリデン系重合体の製造方法であって、重合反応後の重合体スラリーに酸性物質を添加する酸添加工程と、重合反応後の上記重合体スラリーを脱水する脱水工程とを含み、上記酸添加工程では、上記脱水工程後の上記重合体スラリーにおける上記酸性物質の濃度が、上記脱水工程後の上記重合体スラリーに含まれるフッ化ビニリデン系重合体の重量に対して1ppm以上となるように、上記酸性物質を添加することを特徴とするフッ化ビニリデン系重合体の製造方法が提案されている。
特開2013−253141号公報
しかしながら、成形しても着色しないフルオロポリマーを、更に容易に製造できる別の方法が求められる。
本発明は、上記現状を鑑み、溶融成形により得られた成形体に着色が観察されないフルオロポリマーを製造するための製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、重合開始剤の存在下にフルオロモノマーを重合してフルオロポリマーを得る工程を含むフルオロポリマーの製造方法であって、上記フルオロモノマーは、ビニリデンフルオライドであり、上記重合開始剤は、アルキルパーオキシエステル及びジ(フルオロアシル)パーオキサイドからなる群より選択される少なくとも1種であり、上記フルオロポリマーは、ビニリデンフルオライド単位を含み、ビニリデンフルオライド単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の10.0〜70.0モル%であることを特徴とする製造方法である。
上記フルオロモノマーは、ビニリデンフルオライド、式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー、及び、式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマーであり、上記フルオロポリマーは、ビニリデンフルオライド単位、式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位、及び、式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位を含み、ビニリデンフルオライド単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の10.0〜70.0モル%であり、式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の0.1〜10.0モル%であり、式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の0.1〜0.8モル%であることが好ましい。
式(1): CX1112=CX13(CX1415n1116
(式中、X11〜X16は同一または異なってH、F又はClを表し、n11は0〜8の整数を表す。但し、テトラフルオロエチレン及びビニリデンフルオライドを除く。)
式(2): CX2122=CX23−O(CX2425n2126
(式中、X21〜X26は同一または異なってH、F又はClを表し、n21は0〜8の整数を表す。)
上記フルオロモノマーは、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、並びに、式(1)及び式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーであり、上記フルオロポリマーは、ビニリデンフルオライド単位、テトラフルオロエチレン単位、並びに、式(1)及び式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーの単位を含み、ビニリデンフルオライド単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の10.0〜69.9モル%であり、テトラフルオロエチレン単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の30.0〜85.0モル%であり、上記エチレン性不飽和モノマー単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の0.1〜10.0モル%であることが好ましい。
式(1): CX1112=CX13(CX1415n1116
(式中、X11〜X16は同一または異なってH、F又はClを表し、n11は0〜8の整数を表す。但し、テトラフルオロエチレン及びビニリデンフルオライドを除く。)
式(2): CX2122=CX23−O(CX2425n2126
(式中、X21〜X26は同一または異なってH、F又はClを表し、n21は0〜8の整数を表す。)
上記フルオロモノマーは、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー、及び、式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマーであり、上記フルオロポリマーは、ビニリデンフルオライド単位、テトラフルオロエチレン単位、式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位、及び、式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位を含み、ビニリデンフルオライド単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の10.0〜49.8モル%であり、テトラフルオロエチレン単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の50.0〜85.0モル%であり、式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の0.1〜5.0モル%であり、式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の0.1〜5.0モル%であることが好ましい。
式(1): CX1112=CX13(CX1415n1116
(式中、X11〜X16は同一または異なってH、F又はClを表し、n11は0〜8の整数を表す。但し、テトラフルオロエチレン及びビニリデンフルオライドを除く。)
式(2): CX2122=CX23−O(CX2425n2126
(式中、X21〜X26は同一または異なってH、F又はClを表し、n21は0〜8の整数を表す。)
上記アルキルパーオキシエステルは、式(3):R−O−O−C(=O)−R(式中、R及びRは同一または異なってアルキル基である。)で表されることが好ましい。
上記アルキルパーオキシエステルは、t−ブチルパーオキシピバレートであることが好ましい。
上記ジ(フルオロアシル)パーオキサイドは、式(4):[H−R−COO](式中、Rはフルオロアルキレン基を表す。)で表されることが好ましい。
上記ジ(フルオロアシル)パーオキサイドは、ジ(7H−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイドであることが好ましい。
本発明は、上述の製造方法により得られたことを特徴とするフルオロポリマーでもある。
本発明の製造方法は、上記構成を有することから、溶融成形により得られた成形体に着色が観察されないフルオロポリマーを製造することができる。
本発明のフルオロポリマーを溶融成形することにより、着色が観察されない成形体を得ることができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の製造方法は、重合開始剤の存在下にフルオロモノマーを重合してフルオロポリマーを得る工程を含み、上記重合開始剤がアルキルパーオキシエステル及びジ(フルオロアシル)パーオキサイドからなる群より選択される少なくとも1種であることが特徴の一つである。
上記アルキルパーオキシエステルは、
式(3):R−O−O−C(=O)−R
(式中、R及びRは同一または異なってアルキル基である。)
で表されるものであることが好ましい。
及びRとしては、炭素数1〜15のアルキル基が好ましい。
上記アルキルパーオキシエステルとしては、t−ブチルパーオキシイソブチレート又はt−ブチルパーオキシピバレートが好ましく、t−ブチルパーオキシピバレートがより好ましい。
上記ジ(フルオロアシル)パーオキサイドは、
式(4):[H−R−COO]
(式中、Rはフルオロアルキレン基を表す。)
で表されるものであることが好ましい。
としては、炭素数1〜15のフルオロアルキレン基が好ましい。
上記ジ(フルオロアシル)パーオキサイドとしては、ジ(ω−ハイドロ−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(ω−ハイドロ−テトラデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(ω−ハイドロ−ヘキサデカフルオロノナノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロブチリル)パーオキサイド、ジ(パーフルバレリル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロノナノイル)パーオキサイド、ジ(ω−クロロ−ヘキサフルオロブチリル)パーオキサイド、ジ(ω−クロロ−デカフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(ω−クロロ−テトラデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ω−ハイドロ−ドデカフルオロヘプタノイル−ω−ハイドロヘキサデカフルオロノナノイル−パーオキサイド、ω−クロロ−ヘキサフルオロブチリル−ω−クロ−デカフルオロヘキサノイル−パーオキサイド、ω−ハイドロドデカフルオロヘプタノイル−パーフルオロブチリル−パーオキサイド、ジ(ジクロロペンタフルオロブタノイル)パーオキサイド、ジ(トリクロロオクタフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(テトラクロロウンデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(ペンタクロロテトラデカフルオロデカノイル)パーオキサイド、ジ(ウンデカクロロドトリアコンタフルオロドコサノイル)パーオキサイド等が挙げられる。
上記ジ(フルオロアシル)パーオキサイドとしては、ジ(ω−ハイドロ−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド(別名:ジ(7H−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド)が好ましい。
上記重合は、懸濁重合であることが好ましい。
上記の重合においては、連鎖移動剤、及び、溶媒を使用することができ、それぞれ従来公知のものを使用することができる。
上記連鎖移動剤としては、例えば、エタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族類;アセトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類;メタノール、エタノールなどのアルコール類;メチルメルカプタンなどのメルカプタン類;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチル等のハロゲン化炭化水素などがあげられる。添加量は用いる化合物の連鎖移動定数の大きさにより変わりうるが、通常重合溶媒に対して0.01〜20質量%の範囲で使用される。
上記溶媒としては、水、水とアルコールとの混合溶媒等が挙げられる。
上記懸濁重合では、水に加えて、フッ素系溶媒を使用してもよい。フッ素系溶媒としては、CHCClF、CHCClF、CFCFCClH、CFClCFCFHCl等のハイドロクロロフルオロアルカン類;CFClCFClCFCF、CFCFClCFClCF等のクロロフルオロアルカン類;パーフルオロシクロブタン、CFCFCFCF、CFCFCFCFCF、CFCFCFCFCFCF等のパーフルオロアルカン類等が挙げられ、なかでも、パーフルオロアルカン類が好ましい。フッ素系溶媒の使用量は、懸濁性及び経済性の面から、水性媒体に対して10〜100質量%が好ましい。
重合温度としては特に限定されず、0〜100℃であってよい。重合圧力は、用いる溶媒の種類、量及び蒸気圧、重合温度等の他の重合条件に応じて適宜定められるが、通常、0〜9.8MPaGであってよい。
上記フルオロモノマーは、ビニリデンフルオライドであり、ビニリデンフルオライド及びビニリデンフルオライド以外の他のフルオロモノマーであってもよい。
他のフルオロモノマーとしては、テトラフルオロエチレン、並びに、式(1)及び式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
式(1): CX1112=CX13(CX1415n1116
(式中、X11〜X16は同一または異なってH、F又はClを表し、n11は0〜8の整数を表す。但し、テトラフルオロエチレン及びビニリデンフルオライドを除く。)
式(2): CX2122=CX23−O(CX2425n2126
(式中、X21〜X26は同一または異なってH、F又はClを表し、n21は0〜8の整数を表す。)
式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマーとしては、CF=CFCl、CF=CFCF、下記式(5):
CH=CF−(CFn1116
(式中、X16及びn11は上記と同じ。)、及び、下記式(6):
CH=CH−(CFn1116
(式中、X16及びn11は上記と同じ。)
からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、CF=CFCl、CH=CFCF、CH=CH−C、CH=CH−C13、CH=CF−CH及びCF=CFCFからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、CF=CFCl、CH=CH−C、CH=CH−C13、CH=CF−CH及びCH=CFCFから選択される少なくとも1種であることが更に好ましい。
式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマーとしては、CF=CF−OCF、CF=CF−OCFCF及びCF=CF−OCFCFCFからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
好ましいフルオロモノマーとしては、
ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとの組み合わせ、
ビニリデンフルオライドと式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマーと式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマーとの組み合わせ、
ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンと式(1)及び式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーとの組み合わせ
等が挙げられる。
上記フルオロポリマーは、ビニリデンフルオライド単位を含み、ビニリデンフルオライド単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の10.0〜70.0モル%であるものが好ましい。
上記フルオロポリマーは、ビニリデンフルオライド単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の10.0〜70.0モル%であり、テトラフルオロエチレン単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の30.0〜85.0モル%であることが好ましい。
上記フルオロポリマーは、ビニリデンフルオライド単位、式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位、及び、式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位を含み、ビニリデンフルオライド単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の10.0〜70.0モル%であり、式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の0.1〜10.0モル%であり、式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の0.1〜0.8モル%であるものも好ましい。
上記フルオロポリマーは、ビニリデンフルオライド単位、テトラフルオロエチレン単位、並びに、式(1)及び式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーの単位を含み、ビニリデンフルオライド単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の10.0〜69.9モル%であり、テトラフルオロエチレン単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の30.0〜85.0モル%であり、上記エチレン性不飽和モノマー単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の0.1〜10.0モル%であるものも好ましい。
上記フルオロポリマーは、ビニリデンフルオライド単位、テトラフルオロエチレン単位、式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位、及び、式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位を含み、ビニリデンフルオライド単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の10.0〜49.8モル%であり、テトラフルオロエチレン単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の50.0〜85.0モル%であり、
式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の0.1〜5.0モル%であり、式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位が上記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の0.1〜5.0モル%であるものも好ましい。
上記フルオロポリマーは、
55.0〜90.0モル%のテトラフルオロエチレン、
5.0〜44.9モル%のビニリデンフルオライド、及び、
0.1〜10.0モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー、
の共重合単位を含む共重合体であることが好ましい。
より好ましくは、
55.0〜85.0モル%のテトラフルオロエチレン、
10.0〜44.9モル%のビニリデンフルオライド、及び、
0.1〜5.0モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー、
の共重合単位を含む共重合体である。
さらに好ましくは、
55.0〜85.0モル%のテトラフルオロエチレン、
13.0〜44.9モル%のビニリデンフルオライド、及び、
0.1〜2.0モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー、
の共重合単位を含む共重合体である。
上記フルオロポリマーの高温での機械的強度を向上させる観点に加えて、上記フルオロポリマーの低透過性が特に優れることから、式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマーがCH=CH−C、CH=CH−C13及びCH=CF−CHからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーであることが特に好ましい。好ましくは、式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマーがCH=CH−C、CH=CH−C13及びCH=CF−CHからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーであり、かつ、上記フルオロポリマーが
55.0〜80.0モル%のテトラフルオロエチレン、
19.5〜44.9モル%のビニリデンフルオライド、及び、
0.1〜0.6モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー、
の共重合単位を含む共重合体であることである。
上記フルオロポリマーは、58.0〜85.0モル%のテトラフルオロエチレン、
10.0〜41.9モル%のビニリデンフルオライド、及び、
0.1〜5.0モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー、
の共重合単位を含む共重合体であってもよい。
上記フルオロポリマーは、
55.0〜90.0モル%のテトラフルオロエチレン、
9.2〜44.2モル%のビニリデンフルオライド、及び、
0.1〜0.8モル%の式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマー、の共重合単位を含む共重合体であることも好ましい。
より好ましくは、
58.0〜85.0モル%のテトラフルオロエチレン、
14.5〜39.9モル%のビニリデンフルオライド、及び、
0.1〜0.5モル%の式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマー、
の共重合単位を含む共重合体である。
上記フルオロポリマーは、
55.0〜90.0モル%のテトラフルオロエチレン、
5.0〜44.8モル%のビニリデンフルオライド、
0.1〜10.0モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー、及び、
0.1〜0.8モル%の式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマー、
の共重合単位を含む共重合体であることも好ましい。
より好ましくは、
55.0〜85.0モル%のテトラフルオロエチレン、
9.5〜44.8モル%のビニリデンフルオライド、
0.1〜5.0モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー、及び、
0.1〜0.5モル%の式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマー、
の共重合単位を含む共重合体である。
さらに好ましくは
55.0〜80.0モル%のテトラフルオロエチレン、
19.8〜44.8モル%のビニリデンフルオライド、
0.1〜2.0モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー、及び、
0.1〜0.3モル%の式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマー、
の共重合単位を含む共重合体である。上記フルオロポリマーがこの組成を有する場合、低透過性に特に優れる。
上記フルオロポリマーは、
58.0〜85.0モル%のテトラフルオロエチレン、
9.5〜39.8モル%のビニリデンフルオライド、
0.1〜5.0モル%の式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー、及び、
0.1〜0.5モル%の式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマー、
の共重合単位を含む共重合体であってもよい。
上記フルオロポリマーは、各モノマーの含有量が上述の範囲内にあると、テトラフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド及び第3成分からなる従来公知の共重合体と比べて結晶性が高くかつ170℃でも貯蔵弾性率が高いので、高温での機械的強度、耐薬品性及び低透過性に優れる。高温での低透過性とは、例えばメタン、硫化水素、CO、メタノール、塩酸等に対する低透過性である。
共重合体の各モノマーの含有量は、NMR、元素分析をモノマーの種類によって適宜組み合わせることでモノマー単位の含有量を算出できる。
上記フルオロポリマーは、メルトフローレート(MFR)が0.1〜50g/10minであることが好ましい。
上記MFRは、ASTM D3307−01に準拠し、メルトインデクサー(東洋精機社製)を用いて、297℃、5kg荷重下で内径2mm、長さ8mmのノズルから10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)である。
上記フルオロポリマーは、融点が180℃以上であることが好ましく、上限は290℃であってよい。より好ましい下限は200℃であり、上限は270℃である。
上記融点は、示差走査熱量計RDC220(Seiko Instruments社製)を用い、ASTM D−4591に準拠して、昇温速度10℃/分にて熱測定を行い、得られる吸熱曲線のピークにあたる温度を融点とする。
上記フルオロポリマーは、熱分解開始温度(1%質量減温度)が360℃以上であるものが好ましい。より好ましい下限は370℃であり、更に好ましい下限は380℃である。上記熱分解開始温度は、上記範囲内であれば、上限を例えば410℃とすることができる。
上記熱分解開始温度は、加熱試験に供した上記フルオロポリマーの1質量%が分解する温度であり、示差熱・熱重量測定装置〔TG−DTA〕を用いて加熱試験に供した上記フルオロポリマーの質量が1質量%減少する時の温度を測定することにより得られる値である。
上記フルオロポリマーは、動的粘弾性測定による170℃における貯蔵弾性率(E’)が60〜400MPaであることが好ましい。高温での貯蔵弾性率が低すぎると機械的強度が急激に小さくなり変形しやすくなる。高すぎると樹脂が硬すぎて成形が困難になるおそれがある。
上記貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定により170℃で測定する値であり、より具体的には、アイティ−計測制御社製動的粘弾性装置DVA220で長さ30mm、巾5mm、厚み0.25mmのサンプルを引張モード、つかみ巾20mm、測定温度25℃から250℃、昇温速度2℃/min、周波数1Hzの条件で測定する値である。170℃における好ましい貯蔵弾性率(E’)は80〜350MPaであり、より好ましい貯蔵弾性率(E’)は100〜350MPaである。
測定サンプルは、例えば、成形温度を上記フルオロポリマーの融点より50〜100℃高い温度に設定し、3MPaの圧力で厚さ0.25mmに成形したフィルムを、長さ30mm、巾5mmにカットすることで作製することができる。
上述の製造方法により得られたことを特徴とするフルオロポリマーも本発明の1つである。本発明のフルオロポリマーは、ポリマー主鎖末端に上記重合開始剤に由来する構造を有する。従って、本発明のフルオロポリマーを溶融成形することにより得られる成形品には着色が観察されない。
本発明のフルオロポリマーは、いかなる形態であってもよく、水性分散液、粉末、ペレット等であってよい。
本発明のフルオロポリマーは、様々な成形体に成形することができ、得られる成形体は、高温下での機械的強度および耐薬品性、高温下での低透過性等に優れる。上記成形体は、着色がなく、外観が良好である。
上記成形体の形状としては特に限定されず、例えば、ホース、パイプ、チューブ、シート、シール、ガスケット、パッキン、フィルム、タンク、ローラー、ボトル、容器等であってもよい。
本発明のフルオロポリマーの成形方法は、特に限定されず、例えば、圧縮成形、押出し成形、トランスファー成形、射出成形、ロト成形、ロトライニング成形、静電塗装等が挙げられる。
本発明のフルオロポリマーに、充填剤、可塑剤、加工助剤、離型剤、顔料、難燃剤、滑剤、光安定剤、耐候安定剤、導電剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、発泡剤、香料、オイル、柔軟化剤、脱フッ化水素剤などを混合した後、成形してもよい。充填剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、マイカ、シリカ、タルク、セライト、クレー、酸化チタン、硫酸バリウム等があげられる。導電剤としてはカーボンブラック等があげられる。可塑剤としては、ジオクチルフタル酸、ペンタエリスリトール等があげられる。加工助剤としては、カルナバワックス、スルホン化合物、低分子量ポリエチレン、フッ素系助剤等があげられる。脱フッ化水素剤としては有機オニウム、アミジン類等があげられる。
本発明のフルオロポリマーは、海底油田又はガス田において海底から海面上に物資を輸送するライザー管に好適に使用できる。また、地中、地上、海底を問わず、原油や天然ガスの流体移送金属配管の最内面および最外面のコーティング材料、ライニング材料としても好適に使用できる。最内面にコーティング、ライニングする目的は原油や天然ガス中には金属配管の腐食の原因となる二酸化炭素や硫化水素が含まれており、これをバリアーし、金属配管の腐食を抑制したり、高粘度の原油の流体摩擦を低減したりするためである。最外面も同じく海水や酸性水等による腐食を抑制するためである。最内面、最外面にライニング、コーティングする際には本発明のフルオロポリマーの剛性や強度をさらに向上させるために、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド樹脂、マイカ、シリカ、タルク、セライト、クレー、酸化チタン等を充填してもよい。また、金属と接着させるため接着剤を使用したり金属表面を荒らしたりする処理を施してもよい。
更に、以下の成形体の成形材料としても好適に利用できる。
上記成形体としては、例えば、
食品包装用フィルム、食品製造工程で使用する流体移送ラインのライニング材、パッキン、シール材、シート等の食品製造装置用流体移送部材;
薬品用の薬栓、包装フィルム、薬品製造工程で使用される流体移送ラインのライニング材、パッキン、シール材、シート等の薬液移送部材;
化学プラントや半導体工場の薬液タンクや配管の内面ライニング部材;
自動車の燃料系統並びに周辺装置に用いられるO(角)リング・チューブ・パッキン、バルブ芯材、ホース、シール材等、自動車のAT装置に用いられるホース、シール材等の燃料移送部材;
自動車のエンジン並びに周辺装置に用いられるキャブレターのフランジガスケット、シャフトシール、バルブステムシール、シール材、ホース等、自動車のブレーキホース、エアコンホース、ラジエーターホース、電線被覆材等のその他の自動車部材;
半導体製造装置のO(角)リング、チューブ、パッキン、バルブ芯材、ホース、シール材、ロール、ガスケット、ダイヤフラム、継手等の半導体装置用薬液移送部材;
塗装設備用の塗装ロール、ホース、チューブ、インク用容器等の塗装・インク用部材;
飲食物用のチューブ又は飲食物用ホース等のチューブ、ホース、ベルト、パッキン、継手等の飲食物移送部材、食品包装材、ガラス調理機器;
廃液輸送用のチューブ、ホース等の廃液輸送用部材;
高温液体輸送用のチューブ、ホース等の高温液体輸送用部材;
スチーム配管用のチューブ、ホース等のスチーム配管用部材;
船舶のデッキ等の配管に巻き付けるテープ等の配管用防食テープ;
電線被覆材、光ファイバー被覆材、太陽電池の光起電素子の光入射側表面に設ける透明な表面被覆材および裏面剤等の各種被覆材;
ダイヤフラムポンプのダイヤフラムや各種パッキン類等の摺動部材;
農業用フィルム、各種屋根材・側壁等の耐侯性カバー;
建築分野で使用される内装材、不燃性防火安全ガラス等のガラス類の被覆材;
家電分野等で使用されるラミネート鋼板等のライニング材;
等が挙げられる。
上記自動車の燃料系統に用いられる燃料移送部材としては、更に、燃料ホース、フィラーホース、エバポホース等が挙げられる。上記燃料移送部材は、耐サワーガソリン用、耐アルコール燃料用、耐メチルターシャルブチルエーテル・耐アミン等ガソリン添加剤入燃料用の燃料移送部材として使用することもできる。
上記薬品用の薬栓・包装フィルムは、酸等に対し優れた耐薬品性を有する。また、上記薬液移送部材として、化学プラント配管に巻き付ける防食テープも挙げることができる。
上記成形体としては、また、自動車のラジエータタンク、薬液タンク、ベロース、スペーサー、ローラー、ガソリンタンク、廃液輸送用容器、高温液体輸送用容器、漁業・養魚タンク等が挙げられる。
上記成形体としては、更に、自動車のバンパー、ドアトリム、計器板、食品加工装置、調理機器、撥水撥油性ガラス、照明関連機器、OA機器の表示盤・ハウジング、電照式看板、ディスプレイ、液晶ディスプレイ、携帯電話、プリント基盤、電気電子部品、雑貨、ごみ箱、浴槽、ユニットバス、換気扇、照明枠等に用いられる部材も挙げられる。
上記フルオロポリマーからなることを特徴とする粉体塗料も本発明の一つである。上記粉体塗料は、平均粒子径が10〜1000μmであってよい。平均粒子径はレーザー回析式粒度分布測定機を用いて測定できる。上記粉体塗料を静電塗装により基材の上に吹きつけた後、焼成することにより、着色の無い塗膜を得ることができる。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例の各数値は以下の方法により測定した。
フルオロポリマーのモノマー組成
核磁気共鳴装置AC300(Bruker−Biospin社製)を用い、測定温度を(ポリマーの融点+20)℃として19F−NMR測定を行い、各ピークの積分値およびモノマーの種類によっては元素分析を適宜組み合わせて求めた。
融点
示差走査熱量計RDC220(Seiko Instruments社製)を用い、ASTM D−4591に準拠して、昇温速度10℃/分にて熱測定を行い、得られた吸熱曲線のピークから融点を求めた。
メルトフローレート〔MFR〕
MFRは、ASTM D3307−01に準拠し、メルトインデクサー(東洋精機社製)を用いて、297℃、5kg荷重下で内径2mm、長さ8mmのノズルから10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)をMFRとした。
熱分解開始温度(1%質量減温度)
熱分解開始温度は、示差熱・熱重量測定装置〔TG−DTA〕を用いて加熱試験に供したフルオロポリマーの質量が1質量%減少する時の温度を熱分解開始温度とした。
実施例1
174L容積のオートクレーブに蒸留水52.2Lを投入し、充分に窒素置換を行った後、パーフルオロシクロブタン50.1kgを仕込み、系内の温度を28℃、攪拌速度200rpmに保った。次いで、CH=CFCFCFCFH 22.0g、テトラフルオロエチレン(TFE)4.33kgおよびビニリデンフルオライド(VDF)1.49kgを順次仕込んだ後、重合開始剤ジ(7H−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド(DHP)の8質量%パーフルオロヘキサン溶液を560g添加して重合を開始した。重合開始と同時に酢酸エチル355.5gを仕込んだ。重合の進行と共に系内圧力が低下するので、TFE/VDF混合ガスモノマー(TFE/VDF:55.0/45.0(モル%))を仕込み、また追加する混合ガス100部に対してCH=CFCFCFCFHを1.0部になるように同時に仕込み、また、2時間おきにジ(7H−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイドの8質量%パーフルオロヘキサン溶液を100g追加し、系内圧力を0.8MPaに保った。最終的に混合ガスモノマーの追加仕込み量が26.0kgになった時点で重合を停止し、放圧して大気圧に戻した後、得られたTFE/VDF/CH=CFCFCFCFH共重合体を水洗、乾燥して25.5kgの粉末を得た。
得られた粉末は以下の組成及び物性を有していた。
TFE/VDF/CH=CFCFCFCFH:55.3/44.2/0.5(モル%)
融点:206℃
MFR:13.4g/10min(297℃‐5kg)
次いでΦ20mm単軸押出し機を用いてシリンダー温度300℃で溶融押出しを行い、ペレットを得た。得られたペレットを170℃×10時間で加熱した。
実施例2
174L容積のオートクレーブに蒸留水52.2Lを投入し、充分に窒素置換を行った後、パーフルオロシクロブタン50.1kgを仕込み、系内の温度を55℃、攪拌速度200rpmに保った。次いで、CH=CFCFCFCFH 22.0g、TFE2.89kgおよびVDF1.00kgを順次仕込んだ後、重合開始剤t−ブチルパーオキシピバレート(PBPV)の50質量%メタノール希釈溶液を200.6g添加して重合を開始した。重合開始と同時に酢酸エチル342.3gを仕込んだ。重合の進行と共に系内圧力が低下するので、TFE/VDF混合ガスモノマー(TFE/VDF:55.0/45.0(モル%))を仕込み、また、追加する混合ガス100部に対してCH=CFCFCFCFHを1.0部になるように同時に仕込み、系内圧力を0.8MPaに保った。最終的に混合ガスモノマーの追加仕込み量が26.0kgになった時点で重合を停止し、放圧して大気圧に戻した後、得られたTFE/VDF/CH=CFCFCFCFH共重合体を水洗、乾燥して25.2kgの粉末を得た。
得られた粉末は以下の組成及び物性を有していた。
TFE/VDF/CH=CFCFCFCFH:54.9/44.6/0.5(モル%)
融点:205℃
MFR:12.8g/10min(297℃‐5kg)
次いでΦ20mm単軸押出し機を用いてシリンダー温度300℃で溶融押出しを行い、ペレットを得た。得られたペレットを170℃×10時間で加熱した。
実施例3
174L容積のオートクレーブに蒸留水52.2Lを投入し、充分に窒素置換を行った後、パーフルオロシクロブタン50.1kgを仕込み、系内の温度を28℃、攪拌速度200rpmに保った。次いで、CH=CFCFCFCFH 22.0g、TFE5.60kgおよびVDF0.68kgを順次仕込んだ後、重合開始剤ジ(7H−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド(DHP)の8質量%パーフルオロヘキサン溶液を560g添加して重合を開始した。重合開始と同時に酢酸エチル350.0gを仕込んだ。重合の進行と共に系内圧力が低下するので、TFE/VDF混合ガスモノマー(TFE/VDF:70.0/30.0(モル%))を仕込み、また追加する混合ガス100部に対してCH=CFCFCFCFHを1.0部になるように同時に仕込み、また、2時間おきにジ(7H−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイドの8質量%パーフルオロヘキサン溶液を100g追加し、系内圧力を0.8MPaに保った。最終的に混合ガスモノマーの追加仕込み量が25.0kgになった時点で重合を停止し、放圧して大気圧に戻した後、得られたTFE/VDF/CH=CFCFCFCFH共重合体を水洗、乾燥して24.6kgの粉末を得た。
得られた粉末は以下の組成及び物性を有していた。
TFE/VDF/CH=CFCFCFCFH:70.3/29.2/0.5(モル%)
融点:240℃
MFR:12.4g/10min(297℃‐5kg)
次いでΦ20mm単軸押出し機を用いてシリンダー温度300℃で溶融押出しを行い、ペレットを得た。得られたペレットを170℃×10時間で加熱した。
実施例4
174L容積のオートクレーブに蒸留水52.2Lを投入し、充分に窒素置換を行った後、パーフルオロシクロブタン50.1kgを仕込み、系内の温度を55℃、攪拌速度200rpmに保った。次いで、CH=CFCFCFCFH 22.0g、TFE3.74kgおよびVDF0.46kgを順次仕込んだ後、重合開始剤t−ブチルパーオキシピバレート(PBPV)の50質量%メタノール希釈溶液を200.6g添加して重合を開始した。重合開始と同時に酢酸エチル340.0gを仕込んだ。重合の進行と共に系内圧力が低下するので、TFE/VDF混合ガスモノマー(TFE/VDF:70.0/30.0(モル%))を仕込み、また、追加する混合ガス100部に対してCH=CFCFCFCFHを1.0部になるように同時に仕込み、系内圧力を0.8MPaに保った。最終的に混合ガスモノマーの追加仕込み量が24.5kgになった時点で重合を停止し、放圧して大気圧に戻した後、得られたTFE/VDF/CH=CFCFCFCFH共重合体を水洗、乾燥して24.1kgの粉末を得た。
得られた粉末は以下の組成及び物性を有していた。
TFE/VDF/CH=CFCFCFCFH:70.1/29.4/0.5(モル%)
融点:239℃
MFR:13.9g/10min(297℃‐5kg)
次いでΦ20mm単軸押出し機を用いてシリンダー温度300℃で溶融押出しを行い、ペレットを得た。得られたペレットを170℃×10時間で加熱した。
比較例1
174L容積のオートクレーブに蒸留水52.2Lを投入し、充分に窒素置換を行った後、パーフルオロシクロブタン50.1kgを仕込み、系内の温度を35℃、攪拌速度200rpmに保った。次いで、CH=CFCFCFCFH22.0g、TFE3.6kgおよびVDF1.26kgを順次仕込んだ後、重合開始剤ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート(NPP)の50質量%メタノール希釈溶液を160.4g添加して重合を開始した。重合開始と同時に酢酸エチル400.5gを仕込んだ。重合の進行と共に系内圧力が低下するので、TFE/VDF混合ガスモノマー(TFE/VDF:55.0/45.0(モル%))を仕込み、また追加する混合ガス100部に対してCH=CFCFCFCFHを1.5部になるように同時に仕込み、系内圧力を0.8MPaに保った。最終的に混合ガスモノマーの追加仕込み量が26.0kgになった時点で重合を停止し、得られたTFE/VDF/CH=CFCFCFCFH共重合体を乾燥して25.6kgの粉末を得た。
得られた粉末は以下の組成及び物性を有していた。
TFE/VDF/CH=CFCFCFCFH:55.5/44.0/0.5(モル%)
融点:208℃
MFR:13.5g/10min(297℃‐5kg)
次いでΦ20mm単軸押出し機を用いてシリンダー温度300℃で溶融押出しを行い、ペレットを得た。得られたペレットを170℃×10時間で加熱した。
実施例5
174L容積のオートクレーブに蒸留水52.2Lを投入し、充分に窒素置換を行った後、パーフルオロシクロブタン50.1kgを仕込み、系内の温度を28℃、攪拌速度200rpmに保った。次いで、CF=CFOCFCFCF 35.4g、TFE6.32kgおよびVDF0.22kgを順次仕込んだ後、重合開始剤ジ(7H−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド(DHP)の8質量%パーフルオロヘキサン溶液を560g添加して重合を開始した。重合開始と同時に酢酸エチル392.2gを仕込んだ。重合の進行と共に系内圧力が低下するので、TFE/VDF混合ガスモノマー(TFE/VDF:80.0/20.0(モル%))を仕込み、また追加する混合ガス100部に対してCF=CFOCFCFCF を2.0部になるように同時に仕込み、また、2時間おきにジ(7H−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイドの8質量%パーフルオロヘキサン溶液を100g追加し、系内圧力を0.8MPaに保った。最終的に混合ガスモノマーの追加仕込み量が25.0kgになった時点で重合を停止し、放圧して大気圧に戻した後、得られたTFE/VDF/CF=CFOCFCFCF共重合体を水洗、乾燥して24.2kgの粉末を得た。
得られた粉末は以下の組成及び物性を有していた。
TFE/VDF/CF=CFOCFCFCF:79.8/19.5/0.7(モル%)
融点:251℃
MFR:9.8g/10min(297℃‐5kg)
次いでΦ20mm単軸押出し機を用いてシリンダー温度300℃で溶融押出しを行い、ペレットを得た。得られたペレットを170℃×10時間で加熱した。
実施例6
174L容積のオートクレーブに蒸留水52.2Lを投入し、充分に窒素置換を行った後、パーフルオロシクロブタン50.1kgを仕込み、系内の温度を55℃、攪拌速度200rpmに保った。次いで、CF=CFOCFCFCF 22.5g、TFE4.23kgおよびVDF0.14kgを順次仕込んだ後、重合開始剤t−ブチルパーオキシピバレート(PBPV)の50質量%メタノール希釈溶液を200.6g添加して重合を開始した。重合開始と同時に酢酸エチル387.8gを仕込んだ。重合の進行と共に系内圧力が低下するので、TFE/VDF混合ガスモノマー(TFE/VDF:80.0/20.0(モル%))を仕込み、また、追加する混合ガス100部に対してCF=CFOCFCFCFを2.0部になるように同時に仕込み、系内圧力を0.8MPaに保った。最終的に混合ガスモノマーの追加仕込み量が25.5kgになった時点で重合を停止し、放圧して大気圧に戻した後、得られたTFE/VDF/CF=CFOCFCFCF共重合体を水洗、乾燥して24.7kgの粉末を得た。
得られた粉末は以下の組成及び物性を有していた。
TFE/VDF/CF=CFOCFCFCF:79.5/19.7/0.8(モル%)
融点:246℃
MFR:11.2g/10min(297℃‐5kg)
次いでΦ20mm単軸押出し機を用いてシリンダー温度300℃で溶融押出しを行い、ペレットを得た。得られたペレットを170℃×10時間で加熱した。
比較例2
174L容積のオートクレーブに蒸留水52.2Lを投入し、充分に窒素置換を行った後、パーフルオロシクロブタン50.1kgを仕込み、系内の温度を35℃、攪拌速度200rpmに保った。次いで、CF=CFOCFCFCF 29.8g、TFE5.32kgおよびVDF0.18kgを順次仕込んだ後、重合開始剤ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート(NPP)の50質量%メタノール希釈溶液を160.4g添加して重合を開始した。重合開始と同時に酢酸エチル418.9gを仕込んだ。重合の進行と共に系内圧力が低下するので、TFE/VDF混合ガスモノマー(TFE/VDF:80.0/20.0(モル%))を仕込み、また追加する混合ガス100部に対してCF=CFOCFCFCFを2.0部になるように同時に仕込み、系内圧力を0.8MPaに保った。最終的に混合ガスモノマーの追加仕込み量が26.0kgになった時点で重合を停止し、得られたTFE/VDF/CF=CFOCFCFCF共重合体を乾燥して25.6kgの粉末を得た。
得られた粉末は以下の組成及び物性を有していた。
TFE/VDF/CF=CFOCFCFCF:79.6/19.6/0.8(モル%)
融点:247℃
MFR:10.5g/10min(297℃‐5kg)
次いでΦ20mm単軸押出し機を用いてシリンダー温度300℃で溶融押出しを行い、ペレットを得た。得られたペレットを170℃×10時間で加熱した。
実施例1〜6、比較例1、2で得られた粉体5gをアルミカップに入れ、300℃×1.0h、300℃×3.0h、300℃×5.0hの条件で焼成して着色を目視で確認した。
Figure 2017020013
比較例1、2、実施例1〜6で得られたフッ素樹脂紛体の熱分解開始温度を測定した。
Figure 2017020013
比較例1、2、実施例1〜6で得られたペレット5.0gを、それぞれΦ120mmのステンレス製金型に入れて、300℃×30分間予熱した後、300℃に設定されたプレス機を用いて、3MPaの圧力でプレスを行い、すぐに水冷して厚み0.200mmのフィルムを得た。得られたフィルムの色相を測定した。
色相の測定方法
KONICA MINOLTA社製分光測色計 CM−5型を用い、C光源にてJIS Z8722に準じて測定を行った。
Figure 2017020013

Claims (9)

  1. 重合開始剤の存在下にフルオロモノマーを重合してフルオロポリマーを得る工程を含むフルオロポリマーの製造方法であって、
    前記フルオロモノマーは、ビニリデンフルオライドであり、
    前記重合開始剤は、アルキルパーオキシエステル及びジ(フルオロアシル)パーオキサイドからなる群より選択される少なくとも1種であり、
    前記フルオロポリマーは、ビニリデンフルオライド単位を含み、
    ビニリデンフルオライド単位が前記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の10.0〜70.0モル%である
    ことを特徴とする製造方法。
  2. フルオロモノマーは、ビニリデンフルオライド、式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー、及び、式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマーであり、
    フルオロポリマーは、ビニリデンフルオライド単位、式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位、及び、式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位を含み、
    ビニリデンフルオライド単位が前記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の10.0〜70.0モル%であり、
    式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位が前記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の0.1〜10.0モル%であり、
    式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位が前記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の0.1〜0.8モル%である
    請求項1記載の製造方法。
    式(1): CX1112=CX13(CX1415n1116
    (式中、X11〜X16は同一または異なってH、F又はClを表し、n11は0〜8の整数を表す。但し、テトラフルオロエチレン及びビニリデンフルオライドを除く。)
    式(2): CX2122=CX23−O(CX2425n2126
    (式中、X21〜X26は同一または異なってH、F又はClを表し、n21は0〜8の整数を表す。)
  3. フルオロモノマーは、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、並びに、式(1)及び式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーであり、
    フルオロポリマーは、ビニリデンフルオライド単位、テトラフルオロエチレン単位、並びに、式(1)及び式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーの単位を含み、
    ビニリデンフルオライド単位が前記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の10.0〜69.9モル%であり、
    テトラフルオロエチレン単位が前記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の30.0〜85.0モル%であり、
    前記エチレン性不飽和モノマー単位が前記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の0.1〜10.0モル%である
    請求項1記載の製造方法。
    式(1): CX1112=CX13(CX1415n1116
    (式中、X11〜X16は同一または異なってH、F又はClを表し、n11は0〜8の整数を表す。但し、テトラフルオロエチレン及びビニリデンフルオライドを除く。)
    式(2): CX2122=CX23−O(CX2425n2126
    (式中、X21〜X26は同一または異なってH、F又はClを表し、n21は0〜8の整数を表す。)
  4. フルオロモノマーは、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー、及び、式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマーであり、
    フルオロポリマーは、ビニリデンフルオライド単位、テトラフルオロエチレン単位、式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位、及び、式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位を含み、
    ビニリデンフルオライド単位が前記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の10.0〜49.8モル%であり、
    テトラフルオロエチレン単位が前記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の50.0〜85.0モル%であり、
    式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位が前記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の0.1〜5.0モル%であり、
    式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマー単位が前記フルオロポリマーを構成する全モノマー単位の0.1〜5.0モル%である
    請求項1記載の製造方法。
    式(1): CX1112=CX13(CX1415n1116
    (式中、X11〜X16は同一または異なってH、F又はClを表し、n11は0〜8の整数を表す。但し、テトラフルオロエチレン及びビニリデンフルオライドを除く。)
    式(2): CX2122=CX23−O(CX2425n2126
    (式中、X21〜X26は同一または異なってH、F又はClを表し、n21は0〜8の整数を表す。)
  5. アルキルパーオキシエステルは、
    式(3):R−O−O−C(=O)−R
    (式中、R及びRは同一または異なってアルキル基である。)
    で表される請求項1、2、3又は4記載の製造方法。
  6. アルキルパーオキシエステルは、t−ブチルパーオキシピバレートである請求項1、2、3、4又は5記載の製造方法。
  7. ジ(フルオロアシル)パーオキサイドは、
    式(4):[H−R−COO]
    (式中、Rはフルオロアルキレン基を表す。)
    で表される請求項1、2、3、4、5又は6記載の製造方法。
  8. ジ(フルオロアシル)パーオキサイドは、ジ(7H−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイドである請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の製造方法。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の製造方法により得られたことを特徴とするフルオロポリマー。
JP2016136021A 2015-07-14 2016-07-08 フルオロポリマーの製造方法 Pending JP2017020013A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015140629 2015-07-14
JP2015140629 2015-07-14

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017020013A true JP2017020013A (ja) 2017-01-26

Family

ID=57887586

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016136021A Pending JP2017020013A (ja) 2015-07-14 2016-07-08 フルオロポリマーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017020013A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018189092A1 (en) * 2017-04-11 2018-10-18 Solvay Specialty Polymers Italy S.P.A. Method for manufacturing an aqueous latex comprising particles of a fluoropolymer
JPWO2019159652A1 (ja) * 2018-02-16 2020-12-17 ダイキン工業株式会社 パーフルオロジアシルパーオキサイド、溶液、重合開始剤、重合体の製造方法、及び、パーフルオロアシルクロリド

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018189092A1 (en) * 2017-04-11 2018-10-18 Solvay Specialty Polymers Italy S.P.A. Method for manufacturing an aqueous latex comprising particles of a fluoropolymer
JP2020516718A (ja) * 2017-04-11 2020-06-11 ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ イタリー エス.ピー.エー. 溶融加工性フルオロポリマー
US11066501B2 (en) 2017-04-11 2021-07-20 Solvay Specialty Polymers Italy S.P.A. Method for manufacturing an aqueous latex comprising particles of a fluoropolymer
JP7403317B2 (ja) 2017-04-11 2023-12-22 ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ イタリー エス.ピー.エー. 溶融加工性フルオロポリマー
JPWO2019159652A1 (ja) * 2018-02-16 2020-12-17 ダイキン工業株式会社 パーフルオロジアシルパーオキサイド、溶液、重合開始剤、重合体の製造方法、及び、パーフルオロアシルクロリド

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5413454B2 (ja) フッ素樹脂及びライザー管
US10150820B2 (en) Production method for polyvinylidene fluoride aqueous dispersion liquid, and polyvinylidene fluoride aqueous dispersion liquid
JP2017057379A (ja) フルオロポリマーの製造方法
US20220195087A1 (en) Fluorine-containing copolymer
JP2017020013A (ja) フルオロポリマーの製造方法
JP6705512B2 (ja) フッ素樹脂及び成形体
JP6717303B2 (ja) フッ素樹脂及び成形体
JP2017020014A (ja) フッ素樹脂
JP6870794B1 (ja) 共重合体
JP7397387B2 (ja) 含フッ素共重合体
RU2789215C1 (ru) Фторсодержащий сополимер
JP7364978B1 (ja) 含フッ素共重合体
JP7401837B2 (ja) 含フッ素共重合体
JP7364977B1 (ja) 含フッ素共重合体
JP2023153012A (ja) 含フッ素共重合体
JP2023153014A (ja) 含フッ素共重合体