JP2017019907A - 表面改質樹脂成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】シラン化合物を用いて表面が改質された合成樹脂、および、合成樹脂の表面改質方法を提供する。【解決手段】樹脂成形品12の表面の少なくとも一部が、その表面に水酸基(−OH)が生成されるとともに、液相のシラン化合物であるシランカップリング剤14aもしくはシラノール14bと反応させられることにより、それらシランカップリング剤14aもしくはシラノール14bが有する官能基Xであるアミノ基の性質に応じた親水性を有するように表面改質された表面改質樹脂成形品14が得られる。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂表面の改質に関するものである。
樹脂表面の有する性質を異ならせるために表面処理を行うことが行われている。たとえば特許文献1に記載の技術がそれである。特許文献1においては、疎水性合成樹脂塗膜を有する屋外物品に対し、その塗膜表面をシラン化合物が溶解ないし分散した溶媒により処理することで良好に長期間雨すじ汚れの発生を防止させる技術が開示されている。
ここで特許文献1の技術においては、塗膜表面にシラン化合物またはシラン化合物と溶媒に溶解された合成樹脂造膜成分とから形成される薄膜を形成しており、かかる薄膜により塗膜表面の性質を変化させている。
特開平8−012922号公報
ところで、上記特許文献1のような薄膜を形成する方法によって合成樹脂塗膜の表面の性質を変更(表面改質)しようとする場合には、経時にともなってその薄膜が剥離するおそれがある。薄膜が剥離するともとの合成樹脂塗膜が表面に現れることから、得られていた性質が得られないこととなるのに加え、合成樹脂の用途によっては剥離した薄膜が異物となって支障をきたすという問題があった。また、前述のように合成樹脂塗膜表面に溶媒を塗布し、その溶媒を乾燥させることにより薄膜を形成しようとする場合、合成樹脂塗膜全体に溶媒を行き渡らせるように塗布する必要があるが、表面改質を行なおうとする対象の樹脂の形状が複雑なものである場合には、前記溶媒を樹脂の表面に行き渡らせるように塗布することが困難な場合があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、シラン化合物を用いて所望の性質を有するように表面の性質が変更(表面改質)された合成樹脂を提供することにある。
かかる目的を達成するための請求項1にかかる発明は、(a)樹脂成形品の表面にシラン化合物を反応させることによって得られる表面改質処理がなされた表面改質樹脂成形品であって、(b)該樹脂成形品は、多面形状、曲面形状、凸形状、および、凹形状の少なくとも1つを有し、(c)前記シラン化合物は官能基を有する一方、該シラン化合物は前記官能基とは異なる基により前記樹脂成形品の表面と化学的に結合すること、を特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、多面形状、曲面形状、凸形状、および、凹形状の少なくとも1つを含む複雑な形状を有する樹脂成形品の表面に官能基を有するシラン化合物を反応させ、該シラン化合物は前記官能基とは異なる基により前記樹脂基材の表面と化学的に結合するので、シラン化合物の有する官能基に基づく性質を複雑な形状を有する樹脂成形品の表面にもたせることができる。
好適には、前記シラン化合物はシランカップリング剤、シラノール化合物の少なくとも一方を含むものである。このようにすれば、シランカップリング材の有するアルコキシ基、もしくはそれに対応するシラノール化合物のシラノール基を用いて樹脂成形品を構成する合成樹脂と結合させるとともに、該シランカップリング剤もしくはシラノール化合物の有する官能基に基づく性質を樹脂成形品の表面にもたせることができる。
また好適には、前記シラン化合物の有する官能基は、前記表面改質処理によって前記合成樹脂が有する性質に応じて選択されるものである。このようにすれば、樹脂表面が有すべき所望の性質に応じて、その性質に応じた官能基を有するシラン化合物を選択することにより、さまざまな表面改質を実行しうる。
また好適には、前記表面改質処理は前記シラン化合物の液相においてなされるものである。このようにすれば、シラン化合物が溶解もしくは混合された溶液が表面改質処理を行おうとする樹脂基材の表面に行き渡るので、樹脂成形品が多面形状、曲面形状、凸形状、および、凹形状の少なくとも1つを含むような複雑な形状を有する場合であっても容易な手順により均質にムラなく表面改質処理を行うことができる。
さらに好適には、前記樹脂成形品は、その表面に水酸基(−OH)が生成させられたものであることを特徴とする。このようにすれば、樹脂成形品の表面に生成させられた水酸基と、前記シラン化合物の官能基以外の基である例えば水酸基との間で水素結合を生じ、両者が接近して縮合反応がされやすくなる。
本発明に係る表面改質処理がなされた表面改質樹脂成形品の表面を説明する図である。 シランカップリング剤の一例を説明する図である。 本発明の表面改質樹脂成形品を生成するための表面改質方法における工程の一例を説明する図である。 図3の工程のうち溶液生成工程における反応を説明する図である。 図3の工程に応じた樹脂成形品の表面の変化を説明する図である。 本発明の実験例において用いられる樹脂成形品の有する形状を説明する図である。 本発明が適用されうる樹脂成形品の形状の有する別の例を説明する図である。 本発明が適用されうる樹脂成形品の外形の有するさらに別の例を説明する図である。 本発明が適用されうる樹脂成形品の外形の有するさらに別の例を説明する図である。
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る表面改質樹脂成形品10の表面を拡大して説明する概念図である。図1に示すように、表面改質樹脂成形品10は、樹脂材料を例えば切削加工、接着・溶接加工、曲げ加工、射出成型、ブロー成型、熱成型、プレス成型、注型などにより所望の形状に成形した樹脂成形品12と、その樹脂成形品12の表面に結合したシラン化合物からなるシラン化合物層14を含んで構成されている。樹脂成形品12は、その表面が少なくとも合成樹脂により構成されていればよく、内部は中空であってもよいし、合成樹脂以外により構成されていてもよい。樹脂成形品12を構成する合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリウレタン(PUR)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、AS樹脂、アクリル樹脂(PMMA)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアセタール(POM)、6ナイロン、フェノール樹脂(ベークライト)、ポリカーボネイト(PC)などの様々な合成樹脂材料が用いられる。なお、図面においては特徴を明確にするため、寸法は必ずしも正確に記載されていない。
図2は前記シラン化合物層14の元(原料)となるシランカップリング剤14aの一例を説明する化学式である。後述する工程に例示される方法によりシランカップリング剤14aをからシラン化合物層14が生成される。図2に示すようにシランカップリング剤14aはケイ素原子に3つのアルコキシ基であるOR、OR、ORが、また、C、H、O、Nなどを含んで構成される鎖Rを介して官能基Xが結合されている。このC、H、O、Nなどを含んで構成される鎖は様々な種類、長さのものが採用され得るのであって、特に限定されるものではない。例えばCとHのみを含む、−C2n−のような鎖であってもよいし、C、H、およびOを含む鎖であってもよい。また、C、H、O、N以外の原子を含む鎖であってもよい。上記3つのアルコキシ基であるOR、OR、ORは、いずれも同一であってもよいし、相互に異なるものであってもよい。言い換えれば前記アルコシキ基に含まれるアルキル基R、R、R(C2n+1 (n≧1))の少なくとも2個以上が同一であってもよいし、全て異なっていてもよい。また、3つのアルコキシ基であるOR、OR、ORの少なくとも1つはアルコキシ基に変えて水酸基OHであってもよい。すなわち、シランカップリング剤14aとしては、所望の官能基Xを端部に有するものであれば、様々な物質が用いられ得る。
図2のシランカップリング剤14aにおける官能基の種類は、表面改質樹脂成形品10に持たせようとする性質に応じて決定される。例えば、表面改質樹脂成形品10に親水性を有させようとする場合には、n-(6-aminohexyl) aminopropyltrimethoxysilane (N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン;AHAPS;C1230Si)のようなシランカップリング剤14aが選択される。すなわちこの場合の官能基Xは、アミノ基である。また、このように官能基Xとしてアミノ基を選択することは、表面改質樹脂成形品10の表面が親水性を有するように改質することを目的として行われる一例である。
図3は、本発明に係る合成樹脂表面改質方法の手順を表す工程図である。図3における工程P1は溶液生成工程である。この溶液生成工程においては、シランカップリング剤14aが溶媒15に溶解もしくは混入され、後述する処理工程P3で用いられる溶液16が生成される。溶媒15は、例えば水(HO)、溶剤、水と溶剤とを混合したものである。溶媒15は、その溶媒15中に溶解もしくは混入されたシランカップリング剤14aに加水分解反応を生じさせることができるものであればよく、前述の溶剤は、例えば、エタノール、メタノール、1-プロパノール、2−プロパノール(イソプロパノール)、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、トルエン、ヘキサンなどが用いられてもよく、あるいは、これらの2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
図4はこの加水分解反応を説明する図である。具体的にはシランカップリング剤14aにおけるアルコシキ基が溶媒15の水と反応し、シラノール14bとアルコールを生ずる。なお、前記加水分解反応の速度は溶媒のpHに影響を受けるため、そのpHを調整するために予め溶媒に酸またはアルカリが加えられてもよい。また、シランカップリング剤14aに代えて、予め、前記シランカップリング剤14aと同じ官能基Xを有するシラノールが用いられる場合、本工程は省略することも可能である。
図3に戻って、工程P2は、樹脂成形品12の前処理を行なう前処理工程である。この前処理工程P2においては、合成樹脂材料により構成された樹脂成形品12の表面において、少なくともその一部に水酸基を生成させる処理が行なわれる。具体的には酸素プラズマ処理、アルゴンプラズマ処理、紫外線(UV)照射処理、コロナ放電処理などが行なわれ、樹脂成形品12を構成する合成材料樹脂の表面の一部に水酸基(−OH)が生成する。前記樹脂成形品12の表面の少なくとも一部とは、少なくとも表面改質を行なおうとする部分を含む意である。
図5は、図3における工程P2および工程P3のそれぞれを経た際の樹脂成形品12の表面の変化を模式的に説明する図である。図5における(a)および(b)はそれぞれ、前記前処理工程P2の実施前および後の樹脂成形品12を示している。これら図5(a)および(b)に示すように、前処理工程P2によって、樹脂成形品12の表面において、水酸基(−OH)が生成されている。
なお、好適には、前記前処理工程P2を実施するに先立って、前処理の対象となる樹脂成形品12の表面をアルコールあるいは水、あるいはその両方により洗浄することが望ましい。これは、表面に付着している油脂、汚れ、異物等を取り除くことを目的とするものである。
工程P3は、樹脂成形品12の表面にシラン化合物14を結合させるための処理工程である。この処理工程P3においては、前記前処理工程P2が実行された樹脂成形品12の表面に、前記溶液生成工程P1において生成された溶液16が塗布される。このとき、溶液16は、例えばスプレーや霧吹きなどにより樹脂成形品12の表面に吹きつけられることにより塗布されてもよいし、あるいは刷毛のようなもので樹脂成形品12の表面に塗布されてもよい。また、溶液16が入れられた容器に樹脂成形品12が浸漬されて引き上げられることで樹脂成形品12の表面に溶液16が塗布されてもよい。これらの方法は、樹脂成形品12の大きさや形状に応じて適宜選択されうる。このように溶液16が吹きつけや浸漬などによって樹脂成形品12の表面に塗布されるので、樹脂成形品12が凹凸形状や曲面形状などの複雑な形状を有する場合であっても、その表面にもれなく塗布することができる。このとき、樹脂成形品12の表面のうち、少なくとも表面改質を行なおうとする部分に溶液16の塗布が行なわれればよい。
このように樹脂成形品12の表面に溶液16が塗布されると、溶液16中のシラノール14bにおける水酸基(−OH)と樹脂成形品12の表面にある水酸基(−OH)とが水素結合により近接し、さらに、それらが脱水縮合反応を生じることで、樹脂成形品12の表面とシラノール14bとが共有結合をする。その結果、前記シラン化合物層14を有する表面改質樹脂成形品10が生成される。シラノール14bと樹脂成形品12との反応は、樹脂成形品12に塗布された溶液16内において、言い換えれば液相で行なわれるので、気相において薄膜を形成することで表面改質を行なおうとする場合にくらべて一様にかつ均質に表面改質を行なうことができる。
なお、前記シラン化合物層14は、少なくとも一部のシラノール分子どうしが、図1に示すように縮合し、シロキサンオリゴマーとなっていてもよい。
図5における(b)および(c)はそれぞれ、前記処理工程P3の実施前および後の樹脂成形品12を示している。すなわち、図5(c)は、本発明の表面改質方法によって改質された表面を有する表面改質樹脂成形品10を示す図であって、前述の図1に対応する図である。これら図5(b)および(c)に示すように、処理工程P3によって、導入された溶媒16におけるシラノール14bと樹脂成形品12の表面に結合された水酸基(−OH)との間で脱水縮合反応が行われて水(HO)が生成される。また、複数のシラノール分子14bのそれぞれにおいて、シラノール基のうち樹脂成形品12の表面の水酸基(−OH)との脱水縮合反応に用いられなかったものどうしが縮合されている。
また、処理工程P3においては、その脱水縮合反応を促進するため、熱を加えたりあるいは触媒を適用することができる。なお、処理工程P3においては、溶液16の塗布以外に特段の処置を要しないことから、溶液16の塗布完了から後述する洗浄・乾燥工程P4を開始するまでの時間が脱水縮合反応のための時間となる。従って、この脱水縮合反応のための時間が十分確保された後に、続く洗浄・乾燥工程P4が実行される。
なお、前述の溶液生成工程P1と前処理工程P2とは並行して行なわれてもよいし、いずれか一方が先行して行なわれてもよい。要は処理工程P3の開始前に溶液が生成されており、樹脂成形品12の表面に水酸基が生成されていればよい。
工程P4は、前記処理工程P3が行なわれた表面改質樹脂成形品10に対し洗浄および乾燥を行なう洗浄・乾燥工程である。具体的には例えば、洗浄・乾燥工程P4においては、まずエタノール中に前記処理工程P3が行なわれた表面改質樹脂成形品10が浸漬され超音波振動が印加される、いわゆる超音波洗浄が行なわれる。さらに水中に浸漬されて同様に超音波洗浄が行なわれる。これらは、溶液16中における未反応のシランカップリング剤14aやシラノール14b、および、前記溶媒15中に含まれる溶剤などを洗い流すためのものである。これらエタノールおよび水による洗浄の時間は、これらの目的のために十分な時間が設けられればよい。
前述のエタノールおよび水による洗浄が終了した後、乾燥が実行される。この乾燥は、表面改質樹脂成形品10を熱風炉において所定時間だけ所定温度の熱風にさらしたり、あるいは常温において風にさらして乾燥させることにより、前記洗浄に用いたエタノールや水を乾燥させるものである。前記乾燥のための所要時間は、この乾燥に十分な時間として設定されるものであり、また、前記所定温度は、乾燥を効率よく行うことができ、かつ、表面改質樹脂成形品10を変形・変質などさせない程度の温度が選択される。
このようにして形成された表面改質樹脂成形品10の表面においては、シラノール14b分子そのものが直接樹脂成形品12の表面に結合しているので、均等かつ厚さの薄い被覆により表面改質を実現しうる。特に、樹脂表面に所望の特性を有する薄膜で被覆する場合に比べてその薄さが顕著であり、また、被覆が剥離したとしても剥離した被膜が異物となる可能性が低くなる。
以下、前述の合成樹脂の表面改質方法および表面改質された合成樹脂について発明者らが行った実験例を説明する。
(実験例1)
本実験例1においては、樹脂成形品12を構成する合成樹脂としてポリ塩化ビニル(PVC)を選択した。また、溶液16は、エタノール(COH)および水(HO)を1:1で混合した200mlの溶媒14に対し、シラン化合物としてのシランカップリング材14aとして前述の実施例において例示した、n-(6-aminohexyl) aminopropyltrimethoxysilane (N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン;AHAPS)を10μl混合したものを用いた。これは、樹脂成形品12の表面に親水性をもたせることを目的とした選択である。また、樹脂成形品12は、20×20×10(mm)の直方体形状とした。
処理の手順としては、前述の図3において説明した手順に準じており、溶液生成工程P1として前述の溶液16を生成するとともに、前処理工程P2として樹脂成形品12における処理対象となる表面にコロナ放電処理を行った。なお、前処理工程P2に先立って、樹脂成形品12の処理対象となる表面をエタノールおよび水などによりあらかじめ洗浄している。
処理工程P3として、前処理工程P2を終えた樹脂成形品12を溶液生成工程P1で生成した溶液16中に30分浸漬した。その後、洗浄・乾燥工程P4として、エタノール中で超音波洗浄を10分間行い、さらに水中で超音波洗浄を10分間行なった。洗浄後に、樹脂成形品12の表面が乾燥するまで常温で乾燥させた。
このようにして得られた表面改質樹脂成形品10の表面において、親水性が得られたか否かを評価した結果を表1に示す。この評価はJIS R3257:1999に記載の方法によるものであって、樹脂表面における水の接触角を計測して表示したものである。この接触角が低いほど親水性が得られていることになる。この評価を、本実験例1により得られた表面改質樹脂成形品10の表面、すなわち、表面改質を行った表面、処理を行っていない樹脂成形品12の表面、さらに、前述の本実験例1における工程のうち前処理工程P2を実施せずに得られた表面改質樹脂成形品10の表面のそれぞれについて行った。
Figure 2017019907
表1に示すように、本実験例1により得られた表面改質樹脂成形品10の表面(表1の処理(前処理あり))においては、接触角が49.7°となり、処理を行っていない樹脂成形品12の表面(表1の材料面)の77.1°と比べて大きく親水性が改善されていることがわかる。一方、前処理工程P2を実施せずに得られた表面改質樹脂成形品10の表面(表1の処理(前処理無し))は接触角が74.2°となり、処理を行っていない樹脂成形品12の表面と比べて親水性があまり変化しなかった。このように、前処理工程P2を行うことで、処理工程P3におけるシラン化合物層14の形成、すなわち、シラノール14bの樹脂成形品12表面への結合が促進されることがわかる。
(実験例2)
本実験例2においては、前述の実験例1に示した工程による本発明の表面改質方法を、複数種類の合成樹脂を材料とする樹脂成形品12に対して実施した。具体的には、実験例1で用いたポリ塩化ビニル(PVC)に加え、ポリプロピレン(PP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアセタール(POM)、6ナイロン、ベークライト(フェノール樹脂)、ポリカーボネイト(PC)のそれぞれに対して、前述の実験例1と同様の工程を実施した。表2は、本実験例2の表面改質方法をおこなった場合の表面改質樹脂成形品10の表面における水の接触角度(表2の処理面)と、行っていない樹脂成形品12の表面における水の接触角度(表2の未処理面)とを、各合成樹脂からなる樹脂成形品12のそれぞれについて示した表である。なお、本実験例2における評価も、前述の実施例1と同様、JIS R3257:1999に準じたものである。
Figure 2017019907
表2によれば、樹脂成形品12を構成する合成樹脂の種類によって程度の差はあるものの、いずれの合成樹脂からなる樹脂成形品12においても本発明の表面改質方法によって表面に親水性をもたせることができたことがわかる。
(実験例3)
本実験例3は、前述の図3の工程のうち、処理工程P3における溶液16の塗布方法の違いによって、得られる表面改質樹脂成形品10の表面における親水性の違いを確認するためのものである。すなわち、前述の実験例1においては、処理工程P3として、樹脂成形品12は溶液16中に浸漬されたが、実験例3においては、これに加えて、溶液16を刷毛により塗布する場合と、溶液16をスプレーにより噴霧して塗布する場合とを行った。実験における樹脂成形品12、溶液16の内容や、その他の工程における手順、条件などは実験例1におけるものと同一であるので、説明を省略する。
溶液16を刷毛により樹脂成形品12の表面に塗布する際には、樹脂成形品12の処理しようとする面の全体に溶液16が行き渡るように複数回塗り重ねるように塗布を行った。また、スプレーにより噴霧して塗布する際には、樹脂成形品12の処理しようとする面の全体を覆うのに十分な量の溶液16が樹脂成形品12の表面に付着する程度の時間だけ噴霧を行った。
Figure 2017019907
表3は本実験例3の結果を説明する表である。表3においては、処理工程P3として溶液16に樹脂成形品12を浸漬した場合の表面改質樹脂成形品10の表面における水の接触角度(表3の浸漬)、溶液16を樹脂成形品12の表面に刷毛で塗布した場合の接触角度(表3の刷毛)、溶液16を樹脂成形品12の表面にスプレーにより塗布した場合の接触角度(表3のスプレー)、および、本実施例の表面改質処理を行っていない樹脂成形品12の表面における水の接触角度(表3の処理なし)とを対比して示している。なお、本実験例3における評価も、前述の実施例1と同様、JIS R3257:1999に準じたものである。
表3に示すように、処理工程P3における溶液16の塗布の方法によらず、得られた表面改質樹脂成形品10表面の親水性を得られることが確認できる。
(実験例4)
本実験例4においては、複雑な表面形状、特に凹形状を有する樹脂成形品12に対して本発明の表面改質方法が適用しうることを確認するためのものである。
図6は、本実験例4において樹脂成形品12として用いられる樹脂成形品の形状を説明する図である。本実験例4における樹脂成形品12は前述の実験例1と同様にポリ塩化ビニル(PVC)製であり、その形状は、図6に示すように直方体形状であり、さらに切り欠けを有している。かかる樹脂成形品12に対し実験例1と同様に表面改質処理を行い、凹形状を構成する面について、親水性が得られたか否かを評価した。
Figure 2017019907
表4は、実験例4において表面改質処理を行って得られた表面改質樹脂成形品10の凹形状を構成する面1乃至面4(図6参照)のそれぞれについて、表面における水の接触角度と、同形状の本発明の表面改質処理を行っていない樹脂成形品12の対応する面1乃至面4のそれぞれにおける水の接触角度とを対比して示す表である。
表4に示すように、本実験例4によって得られる表面改質樹脂成形品10においては、その凹形状を構成する面1乃至4のいずれにおいても、親水性をもたせることができたことがわかる。特に、本実験例4における樹脂成形品12の凹形状を構成する面においても、溶液16の塗布およびその溶液16に含まれるシラノール14bと樹脂成形品12の表面との結合が良好に行われたと考えられ、凹形状のような表面が複雑な形状であっても表面改質処理を均質に行なうことができると評価しうる。
前述の実施例によれば、多面形状、曲面形状、凸形状、および、凹形状の少なくとも1つを含む複雑な形状を有し、合成樹脂を材料とする樹脂成形品12の表面に、官能基Xとしてアミノ基を有するシラン化合物14a,14bであるN−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシランもしくはN−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラノールを反応させ、そのシラン化合物14aは官能基Xとは異なる基であるアルコキシ基(−OR、−OR、−ORのいずれか)あるいはシラノール基により基材12の表面と化学的に結合するので、シラン化合物14aの有する官能基Xに基づく性質を樹脂基材の表面にもたせることができる。
また、前述の実施例によれば、シラン化合物はシランカップリング剤14a、シラノール化合物14bの少なくとも一方を含むものであるので、シランカップリング材の有するアルコキシ基(−OR、−ORまたは−OR)、もしくはそれに対応するシラノール化合物のシラノール基(−SiOH)を用いて樹脂成形品12の表面と結合させるとともに、該シランカップリング剤14aもしくはシラノール化合物14bの有する官能基Xであるアミノ基に基づく性質である親水性を樹脂成形品の表面にもたせることができる。
また、前述の実施例においては、シラン化合物14a,14bの有する官能基Xは、表面改質処理によって表面改質樹脂成形品10が有する性質に応じて選択されるので、表面改質樹脂成形品10の表面が有すべき所望の性質に応じて、その性質に応じた官能基Xを有するシラン化合物14a,14bを選択することにより、さまざまな表面改質を実行しうる。
また、前述の実施例においては、表面改質処理はシラン化合物14a,14bの液相、すなわち、シラン化合物14a,14bが溶解もしくは混合された溶液16においてなされるので、樹脂成形品12が多面形状、曲面形状、凸形状、および、凹形状の少なくとも1つを含むような複雑な形状を有する場合であっても溶液16が表面改質処理を行おうとする樹脂成形品12の表面に行き渡り、均質にムラなく表面改質処理を行うことができる。
前述の実施例においては、洗浄・乾燥工程P4における洗浄には、エタノールによる超音波洗浄と水による超音波洗浄とが用いられたが、これに限られるものではない。前述のように、溶液16中の溶媒15を排除したり、また、溶液16中の未反応のシラン化合物14a,14bを排除することができれば、他の手段でもよく、例えば、エタノールもしくは水のいずれかであってもよく、他の溶剤によってもよい。また、洗浄の方法も超音波洗浄に限定されるものではない。
前述の実施例においては、表面改質樹脂成形品10の表面に親水性を備えようとする例として、官能基Xとしてアミノ基が用いられたが、これに限られず、表面に備えようとする性質に応じてさまざまな官能基Xが用いられうる。例えば表面改質樹脂成形品10の表面に親水性を備えようとする場合には、前述のアミノ基の他に、水酸基(−OH)、カルボン酸基(−COOH)、スルホン酸基(−SOH),チオール基(−SH)、シアノ基(−CN)、イソシアネート基(−NCO)などが用いられる。撥水性や耐酸性を備えようとする場合は例えばアルキル基(−CnH2N+1)、アリル基(−CHCH=CH)、アリール基、アリールアルキル基、フルオロ(−F)基が用いられ、耐溶剤性を備えようとする場合は例えばフルオロ基が用いられる。また、帯電防止効果や反射防止効果を備えようとする場合においても、その効果に対応する官能基Xを有するシランカップリング剤14aやシラノール14bが、それぞれ選択されうる。
前述の実施例においては、樹脂成形品12に凹形状を含む場合の例が示されたが、これに限られず、例えば曲面形状や、多面体、あるいは凸形状を有する場合など、面が複雑に入り組むような場合であっても、一様に表面均質処理が可能である。
図7乃至図9は、前述の実験例で示された樹脂成形品12に代えて用いられ得る、樹脂成形品12の形状の一例を説明する図である。図7(a)は、直方体状、すなわち多面体とされた樹脂の一面に半球状、すなわち曲面状の凸部22が設けられた例であり、図7(b)は、直方体状とされた樹脂の一面に半球状、すなわち曲面状の凹部24が設けられた例である。図8(a)は、図7(a)で示した曲面状の凸部22に加え、さらに断面が長方形の柱状の突起部(凸部)28aおよび28bが設けられると共に、断面が円状の有底穴部(凹部)26aおよび26bが設けられた例であり、図8(b)は、図7(b)で示した曲面状の凹部24に加え、さらに断面が長方形の有底穴部(凹部)32aおよび32bが設けられると共に、断面が円状の柱状の突起部(凸部)30aおよび30bが設けられた例である。また、図9(a)は、図7(a)で示した曲面状の凸部22に加え、さらに凸条36が凸部22が設けられた面とは別の面に設けられるとともに、凹溝34がさらに別の面に設けられた例であり、図9(b)は、図7(b)で示した曲面状の凹部24に加え、さらに凸部としての凸条38が凹部24が設けられた面とは別の面に設けられるとともに、凹部としての凹溝40がさらに別の面に設けられた例である。これらの図7乃至図9に示すように成形された樹脂成形品12に対しても、すなわち、複数の面、曲面、凹部、凸部などを含む形状に対しても本実施例に示す方法により好適に表面改質を行ない、表面改質樹脂成形品10を生成することができる。なお、図6乃至図9に示す樹脂成形品12の形状は一例に過ぎず、その他の形状であってもよく、あるいは、例えば図8乃至9に示された複数の曲面状の凸部、曲面状の凹部、柱状の凸部、有底穴状の凹部、凸条、凹溝などの形状の1つ以上を含むものであってもよく、凸部、凹部の形状や、凸条、凹溝の断面などは前述のものに限定されない。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
10:表面改質樹脂成形品
12:樹脂成形品
14:シラン化合物層
14a:シランカップリング剤
14b:シラノール
15:溶媒
16:溶液
22:曲面、凸部
24:曲面、凹部
26、32:凹部(有底穴部)
28、30:凸部(突起部)
34、40:凹部(凹溝)
36、38:凸部(凸条)

Claims (4)

  1. 樹脂成形品の表面にシラン化合物を反応させることによって得られる表面改質処理がなされた表面改質樹脂成形品であって、
    該樹脂成形品は、多面形状、曲面形状、凸形状、および、凹形状の少なくとも1つを有し、
    前記シラン化合物は官能基を有する一方、該シラン化合物は前記官能基とは異なる基により前記樹脂成形品の表面と化学的に結合すること、を特徴とする表面改質樹脂成形品。
  2. 前記シラン化合物はシランカップリング剤、シラノール化合物の少なくとも一方を含むこと、
    を特徴とする請求項1に記載の表面改質樹脂成形品。
  3. 前記シラン化合物の有する官能基は、前記表面改質処理によって前記合成樹脂が有する性質に応じて選択されること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の表面改質樹脂成形品。
  4. 前記シラン化合物は液相において前記樹脂成形品の表面と反応させられること、
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の表面改質樹脂成形品。
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