本発明に係る遊技機の一例であるスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
[遊技用システムの構成]
図1は、本発明が適用された本実施の形態における遊技用システムの構成を示す図である。本実施の形態の遊技用システムは、図1に示すように、遊技場において複数配置された遊技島に並設された複数の機種のスロットマシン1と、該スロットマシン1に対して1対1に対応設置された呼び出しランプ装置200と、各スロットマシン1の遊技情報を収集する収集ユニット50、該収集ユニット50にて収集された各遊技情報に基づく遊技情報データをホールコンピュータ140に中継する中継ユニット60と、各中継ユニット60にて中継された当該遊技場に設置されている各スロットマシン1の遊技情報を含む遊技情報データを受信し、該受信した遊技情報データに含まれる各スロットマシン1の遊技情報などを管理するホールコンピュータ140とを含む。
本実施の形態における遊技島には、図1に示すように、その側面に複数のスロットマシン1が設置されているとともに、呼び出しランプ装置200が、対応するスロットマシン1の上方位置に設けられており、本実施の形態に用いた該呼び出しランプ装置200は、通常のランプの点灯機能に加えて、その前面に表示部を有することで、各種の遊技情報やメッセージなどの表示機能を有している。
また、本実施の形態のスロットマシン1と収集ユニット50とは、図1に示すように信号ケーブル59を介して接続されており、各収集ユニット50はさらに通信ケーブル61を介して中継ユニット60と接続されており、これら収集ユニット50と中継ユニット60とは簡易ローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされていて、収集ユニット50が各スロットマシン1から出力される後述する各種の信号の入力により収集した遊技情報含む遊技情報データや、遊技状態履歴(状態別データ)を含む遊技状態履歴データを送信するようになっている。
さらに、これら各中継ユニット60はハブ57を介して通信ケーブル58にてホールコンピュータ140に接続されていて、中継ユニット60とホールコンピュータ140とが、比較的高速のデータ通信可能なローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされており、前記中継ユニット60にて各収集ユニット50から送信された送信データが中継されてホールコンピュータ140に送信されることで、該ホールコンピュータ140が各スロットマシン1に関する情報を収集して集中管理できるようになっている。
また、本実施の形態の呼び出しランプ装置200も、収集ユニット50と同様に中継ユニット60を介してホールコンピュータ140に接続されており、これら中継ユニット60を介して呼び出しランプ装置200とホールコンピュータ140とが、双方向のデータ通信を実施できるようになっており、各呼び出しランプ装置200が対応するスロットマシン1の機種設定や、遊技情報に関する各種の条件設定などをホールコンピュータ140において実施できるようになっている。
[スロットマシンの構成]
次に、スロットマシン1について以下に説明する。本実施の形態のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図3に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図2に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。図3の例では、第1回胴が左リール2L、第2回胴が中リール2C、第3回胴が右リール2Rに対応する。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「赤7」、「青7」、「黒7」、「バー」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイ」、および「ブランク」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ20個ずつ描かれている。「ベル」の図柄は、全体的に黄色の絵柄となり、「スイカ」の図柄は、全体的に緑色の絵柄となり、「チェリーa」および「チェリーb」の図柄は、全体的に赤色の絵柄からなる。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネルの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図5参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。また、3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。
また、本実施の形態では、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作する手順(押し順ともいう)には、順押し、順挟み押し、中左押し、中右押し、逆挟み押し、および逆押しが含まれる。順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。
前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、役の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられたペイアウト表示器13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図5参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図5参照)がそれぞれ設けられている。また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図4参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図5参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図4に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図5参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
なお、図示するように、リセット/設定スイッチ38(解除操作手段)はスロットマシン1の筐体1aの内部に設けられている。不正な異常の解除を防ぐため、前面扉1bが閉鎖されている状態では、リセット/設定スイッチ38の操作を無効にするようにしてもよい。なお、前面扉1bが閉鎖されている状態としては、前面扉1b自体が閉じている状態としてもよく、前面扉1bの鍵が閉じている状態としてもよい。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1(図2参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として遊技状態にかかわらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1が有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが後述する小役や再遊技役などの図柄組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。なお、本実施の形態においては、これらの役を「入賞役」や「入賞」ともいい、いずれかの役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止することを、入賞する、入賞が発生するなどともいう。
本実施の形態では、図2に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1のみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
たとえば、入賞ラインは、左リール2Lの上段、中リール2Cの上段、右リール2Rの上段、すなわち上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2と、左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、右リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3と、左リール2Lの下段、中リール2Cの中段、右リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4と、左リール2Lの下段、中リール2Cの下段、右リール2Rの下段、すなわち下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5とを含んでいてもよい。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインL1上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役ともいう)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図2参照)から払い出されるようになっている。
なお、本実施の形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組み合わせに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。また、本実施の形態では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていてもよい。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×20(1リール当たりの図柄コマ数)=1600コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図5は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図5に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
また、電源基板101には、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(メイン)を実行し、一定時間間隔ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
電断処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。次に、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。このように電断処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、およびリールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ回路96、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路など、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させるようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
[設定値]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
[電断処理]
本実施の形態におけるスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断処理(サブ)を実行する。電断処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行うようになっている。
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、サブCPU91aと異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
[初期化]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データなど、初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かにかかわらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数など、初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
[入賞ライン]
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施の形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインL1が有効化される。
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ラインL1上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組み合わせであってもよいし、異なる図柄を含む組み合わせであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、メダルを用いることなく賭数が自動設定されて次のゲームを行うことが可能な再遊技役とがある。なお、本実施の形態では、小役と再遊技役のみを備える構成であるが、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役を備えていてもよい。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。なお、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。
[内部抽選]
以下、本実施の形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAM41cに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされるごとに、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。なお、内部当選フラグ格納ワークに設定された当選フラグは、1ゲームごとにクリアされる。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、セキュリティチェックプログラムに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスとからなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、320ステップ(0〜319)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを320ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周する。リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した20の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜19の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も20であり(図3参照)、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜19の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から19番図柄に対して、それぞれ0〜19の領域番号が順に割り当てられている。停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できる。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明する。まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。
具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。
すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
本実施の形態においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
[送信コマンド]
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。本実施の形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、フリーズ解除コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞番号コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、復帰コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンド、および判定用役当選コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を特定できるようになっている。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
フリーズコマンドは、フリーズ(ゲームの進行を所定時間遅延させる制御状態)の開始を特定可能なコマンドであり、フリーズの開始時に送信される。
フリーズ解除コマンドは、実行中のフリーズを解除したことを特定可能なコマンドであり、フリーズの解除時に送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞番号コマンドは、入賞ラインL1に揃った図柄の組み合わせ、入賞の有無、ならびに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、RT2終了後、打止状態が開始した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間ごとに送信される。
判定用役当選コマンドは、判定用役に当選したこと、および当選した判定用役の種類を示すコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されて判定用役に当選した場合にゲームが開始したときにコマンドバッファに格納された後送信される。
ここで、判定用役とは、当選したときにメイン制御部41により所定の停止順種別が抽選によって決定される役であり、メイン制御部41は、停止順種別によって特定される押し順と実際に遊技者によって操作された押し順とが一致する場合に、判定用役に対する押し順が正解したことを特定する。なお、判定用役当選コマンドには停止順種別を示す情報も付加される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、シリアル通信回路の送信データレジスタに転送することで、サブ制御部91に送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理において生成され、ドアコマンド格納領域に格納される。ドアコマンド格納領域には、電源投入時または1ゲーム終了時にその時点のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドが格納され、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した時にその変化後の検出状態を示すドアコマンドが格納される。また、ドアコマンド格納領域に格納されたドアコマンドは、当該ドアコマンドが送信された後もクリアされることがなく、その後、新たに格納されるドアコマンドによって上書きされるようになっている。なお、電源投入時または1ゲーム終了時には、ドアコマンド格納領域に格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1が設定され、ドアコマンド送信要求1が設定されているか、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したときに、ドアコマンド送信要求2が設定されるようになっており、このドアコマンド送信要求2が設定されることによりドアコマンド格納領域に格納されているドアコマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、シリアル通信回路511に転送することで、サブ制御部91に送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行されるごとに、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、シリアル通信回路に転送することで、サブ制御部91に送信される。
[コマンド受信時のサブ制御部91による制御]
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41から特定のコマンドを受信した場合に、該特定のコマンドに対応する制御パターンによる演出を行う。たとえば、エラーコマンドを受信した場合に、エラー状態に対応する制御パターンにてエラー報知演出を行い、待機コマンドを受信した場合に、待機状態を示すデモ演出を行う。
また、サブ制御部91は、操作検出コマンドから特定されるMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態(on/off)を時系列にて複数個バッファしておくとともに、これらバッファされているMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態(on/off)に基づいて、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態が変化したか否かを特定可能とされており、これらの検出状態の変化を特定することで、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作状況を特定できるようになっている。
[入賞役]
本実施の形態のスロットマシン1においては、入賞ラインL1上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、再遊技役とがある。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
図6〜図11は、小役の種類、小役の図柄組み合わせ、払出枚数、および小役に関連する技術事項について説明するための図である。図12は、再遊技役の種類、再遊技役の図柄組み合わせ、作動、および再遊技役に関連する技術事項について説明するための図である。
図6〜図12の名称欄には、入賞役の名称を示し、図柄組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。また、払出し枚数及び作動欄には、入賞した時に払い出されるメダル枚数を示し、備考欄にはその他の項目を示している。
たとえば、ベル1は、「ベルーベルーベル」の組合せであり、入賞したときには、9枚のメダルが払出され、備考欄に示されるように、入賞ラインL1上に、「ベルーベルーベル」が揃う中段ベル揃いとなる。
[外部出力について]
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する。
これら外部出力信号は、図13(a)に示すように、CPU41aの制御により遊技制御基板40より出力され、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板1010を介してホールコンピュータなどのホール機器に出力されるようになっている。
遊技制御基板40から外部出力基板1000に対しては、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態が後述するレギュラーボーナス中の旨を示すRB中信号、遊技状態が後述するビッグボーナス中の旨を示すBB中信号、前面扉2bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号がそれぞれ出力される。
尚、本実施例では、チャレンジタイム(リールの滑りコマ数が制限されるものの、全ての小役について入賞が許容される遊技状態)や、チャレンジタイムが高確率となるチャレンジボーナスを搭載していないが、これらの遊技状態を搭載したスロットマシンとの共通化を図るため、遊技制御基板40と外部出力基板1000との間には、上記の信号を出力する信号線に加えて、遊技状態がチャレンジタイム中の旨を示すCT中信号、遊技状態がチャレンジボーナス中の旨を示すCB中信号を出力する信号線が接続されており、さらに将来拡張する可能性のあるエラー出力用の信号線が接続されている。
外部出力基板1000には、リレー回路1001、パラレル・シリアル変換回路1002、出力信号毎の端子が設けられ、情報提供端子板1010の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタ1003が設けられている。
遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、(CT中信号、CB中信号)は、リレー回路1001を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板1010に出力される。
これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、(予備信号)は、パラレル・シリアル変換回路1002にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して情報提供端子板1010に出力される。
これら外部出力基板1000から出力されたメダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、(CT中信号、CB中信号)は、情報提供端子板1010を介してホール機器へ出力される。一方、外部出力基板1000から出力されたセキュリティ信号は、情報提供端子板1010にて再度、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、予備信号に再変換されてホール機器へ出力されることとなる。
パラレル・シリアル変換回路1002は、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、(予備信号)を、図13(b)に示すデータフォーマットにてシリアル信号に変換し、セキュリティ信号として出力する。基本フォーマットは、パルス幅ms、フレーム長7ビットにて構成され、最初のビットがデータの開始を示すスタートビット、最後のビットがデータの終了を示すストップビット、その間のD1〜D5が送信データとなる。スタートビットは、1(on)、ストップビットは、0(off)となる。D1は、ドア開放信号の出力状態を示すビットであり、1(on)であればドア開放中信号on(前面扉2bの開放中)を示し、0(off)であればドア開放中信号offを示す。D2は、設定変更信号の出力状態を示すビットであり、1(on)であれば設定変更信号on(設定変更モードへ移行中)を示し、0(off)であれば設定変更信号offを示す。D3は、投入エラー信号の出力状態を示すビットであり、1(on)であれば投入エラー信号on(メダルセレクタに不正行為が行われた可能性が高い)を示し、0(off)であれば投入エラー信号offを示す。D4は、払出エラー信号の出力状態を示すビットであり、1(on)であれば払出エラー信号on(ホッパーユニット34に不正行為が行われた可能性が高い)を示し、0(off)であれば払出エラー信号offを示す。D5は、予備信号の出力状態を示すビットであり、本実施例では常に0となる。
[リールモータの構成]
図14は、リールモータ32L、32C、32Rの構成を示す図である。リールモータ32L、32C、32Rは、例えば、ハイブリッド型ステッピングモータであり、ステータ32bと、これに対向するロータ32aとで構成されている。尚、ロータ32aは、図示しない多数の歯車状突極を有し、これに回転軸と同方向に磁化された永久磁石が組み込まれている。これらリールモータ32L、32C、32Rは、CPU41aの制御に基づきモータ駆動回路45から出力されるパルス信号を受け、ステータ32bの各励磁相φ1〜φ4が所定の手順に従って励磁されることにより、1パルスを受信する度に所定の角度(1ステップ)ずつロータ32aを回転させる。
図15(a)は、リールモータ32L、32C、32Rの始動時の制御方法を示すタイミングチャートである。図において、φ1〜φ4は、各励磁相を示し、「ON」は励磁状態を、「OFF」は消磁状態を、各々示す。CPU41aは、リールモータ32L、32C、32Rの始動時において、停止相のみが励磁された状態から停止相を始点として後述する1−2相励磁方式にて回転方向に励磁を開始する。詳しくは、例えば停止相が(φ3、φ4)の場合には、(φ3、φ4)が励磁された状態から、(φ4)、(φ4、φ1)、(φ1)・・・の順で、φ1〜φ4を1相、2相、1相と交互に励磁する。
仮に停止相とは異なる相を始点として励磁を開始した場合には、急激にロータ32aの永久磁石が励磁相に吸引されることとなり、回転の開始時にリールが振動してしまうこととなるが、本実施例では、停止相を始点として励磁を開始するので、ロータ32aと一体的に結合されているリールが滑らかに始動するようになる。
図15(b)は、リールモータ32L、32C、32Rの回転中及び停止時の制御方法を示すタイミングチャートである。
まず、回転中、すなわちリールを停止させる条件が成立するまでの間は、1−2相励磁方式でリールモータを駆動して各リール2L、2C、2Rを回転させる。例えば、φ1〜φ4を励磁する旨を示すパルス信号を図15(b)に示すタイミングでON/OFFし、ロータ32aの回転方向に沿って、(φ4、φ1)、(φ1)、(φ1、φ2)、(φ2)、(φ2、φ3)、(φ3)、(φ3、φ4)、(φ4)、(φ4、φ1)・・・の順で、2相、1相、2相、1相、2相と1ステップごとに交互にφ1〜φ4を励磁して、ロータ32aを回転させることにより、リール2L、2C、2Rを回転させる。
次に、回転中のリールを停止させる条件が成立した場合、リールの停止制御に移行する。例えば、リールを停止させる条件が、停止条件成立ステップとして図15(b)に示す期間に成立した場合には、1−2相励磁方式での2相が励磁される状態に移行する時点Taまで待って、停止制御に移行する。
リールの停止制御は、図15(b)に示されるように、全相励磁停止制御で行われる。全相励磁停止制御は、1−2相励磁方式でリールモータが駆動されている場合において、1相を励磁した状態から2相を励磁する状態に移行する時点Taから開始され、全相を励磁する状態を所定のホールド時間(T1+T2)だけ保持する制御である。例えば、図15(b)に示すように、(φ1)を励磁した状態から(φ1、φ2)を励磁する状態に移行する時点から、(φ1、φ2、φ3、φ4)を励磁した状態をホールド時間T1+T2だけ保持する。これにより、高速回転していた各リールモータのロータ32aは急制動がかけられる。
全相励磁停止制御がT1+T2の間実行された後(Tc)、φ1、φ2を消磁し、停止相φ3、φ4の励磁状態を維持したまま、モータ電圧をHからLにする。ロータ32aの停止後も、停止相φ3、φ4の励磁状態を維持するのは、ホールディングトルクとディテントトルクとの位相差や摩擦の影響によるずれによって、ロータ32aが停止相φ3、φ4のホールディングトルク安定点から外れることを防止するためである。これにより、リールが一旦停止した後に微動すること、及び、次回リールモータを始動させる時のロータ32aの角度位置が、停止時の角度位置とずれてしまうことを防止できる。
ロータ32aの停止後も維持されている停止相φ3、φ4の励磁状態は、次ゲームの開始操作が行われることなく所定時間(本実施例では30秒であり、待機状態(デモ演出)へ移行するのと同じタイミング)が経過した場合(Td)に解除される。すなわち、ロータ32aの停止後、次ゲームの開始操作が行われることなく所定時間が経過した場合には、φ1〜φ4が全て消磁されることになる。このため、例えば、励磁相が長時間継続して励磁されることによる発熱に伴って、ステッピングモータを構成する部品等に負担がかかることがないので、これら部品の劣化を防止することができる。また、本実施例では、次ゲームの開始操作が行われない状態が所定時間継続して待機状態(デモ演出)へ移行するタイミングで励磁状態が解除されるので、遊技客が遊技している間は、リールに配置された図柄がずれにくい状態を保つことができる一方、遊技客が遊技している可能性の低い状態では、ステッピングモータの構成部品にかかる負荷を軽減できるようになる。
[メイン制御部41の処理]
次に、本実施例におけるメイン制御部41のCPU41aが実行する各種制御内容を、図16〜図37に基づいて以下に説明する。
CPU41aは、リセット回路49からリセット信号が入力されると、図16のフローチャートに示す起動処理を行う。尚、リセット信号は、電源投入時及びメイン制御部41の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴うCPU41aの起動時及びCPU41aの不具合に伴う再起動時に行われる処理である。
起動処理では、まず、内蔵デバイスや周辺IC(断線監視IC50を除く)、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sa1)、入力ポートから電圧低下信号の検出データを取得し、電圧低下信号が入力されているか否か、すなわち電圧が安定しているか否かを判定し(Sa2)、電圧低下信号が入力されている場合には、電圧低下信号が入力されているか否かの判定以外は、いずれの処理も行わないループ処理に移行する。
Sa2のステップにおいて電圧低下信号が入力されていないと判定した場合には、Iレジスタ及びIYレジスタの値を初期化する(Sa3)とともに、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29の状態を取得し、CPU41aの特定のレジスタに打止機能、自動精算機能の有効/無効を設定する(Sa4)。Iレジスタ及びIYレジスタの初期化により、Iレジスタには、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスが設定され、IYレジスタには、RAM41cの格納領域を参照する際の基準アドレスが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
次いで、RAM41cへのアクセスを許可し(Sa5)、設定キースイッチ37がONの状態か否かを判定する(Sa6)。Sa6のステップにおいて設定キースイッチ37がONの状態でなければ、断線監視IC50から断線フラグの記憶状態を取得し(Sa7)、断線フラグが記憶されているか否かを判定する(Sa8)。停電中に遊技制御基板と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態が解除されていなければ、断線フラグは記憶されていないはずであり、断線フラグが記憶されている場合には、停電中に遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態または遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態が解除されたこととなるため、断線異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa9)、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化0を実行した後(Sa10)、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を命令する際にRAM41cに設定されるドアコマンド送信要求2をクリアするとともに、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1をRAM41cに設定し(Sa11)、割込を許可して(Sa12)、図17に示すエラー処理に移行する。
Sa8のステップにおいて断線フラグが記憶されていない場合には、RAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算し(Sa13)、RAMパリティが0か否かを判定する(Sa14)。正常に電断割込処理(メイン)が行われていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa13のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではないので、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa15)、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化0を実行した後(Sa10)、ドアコマンド送信要求2をクリアするとともに、ドアコマンド送信要求1を設定し(Sa11)、割込を許可して(Sa12)、図17に示すエラー処理に移行する。
また、Sa14のステップにおいてRAMパリティが0であれば、更に破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa16)。正常に電断割込処理(メイン)が行われていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa16のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、RAM41cのデータが正常ではないので、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa15)、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化0を実行した後(Sa10)、RAM41cに設定されているドアコマンド送信要求2をクリアするとともに、ドアコマンド送信要求1をRAM41cに設定し(Sa11)、割込を許可して(Sa12)、図17に示すエラー処理に移行する。また、Sa12のステップにおいて割込が許可されると、タイマ割込処理が定期的に実行されることとなり、これに伴いSa11のステップで設定されたドアコマンド送信要求1に基づきドアコマンドがサブ制御部91に対して送信される。
エラー処理では、図17に示すように、現在の遊技補助表示器12の表示状態をスタックに退避し(Sb1)、レジスタに格納されているエラーコードを遊技補助表示器12に表示する(Sb2)。
次いで、レジスタに格納されているエラーコードを確認し、当該エラーコードが断線異常エラー、RAM異常エラーまたは異常入賞エラーを示すエラーコードであるか否かを判定し(Sb3)、断線異常エラー、RAM異常エラーまたは異常入賞エラーを示すエラーコードである場合には、いずれの処理も行わないループ処理に移行する。
また、Sb3のステップにおいて、断線異常エラー、RAM異常エラー及び異常入賞エラー以外を示すエラーコードではないと判定された場合には、リセット/設定スイッチ38の操作が検出されているか否かを判定し(Sb4)、リセット/設定スイッチ38の操作が検出されていなければ、更にリセットスイッチ23の操作が検出されているか否かを判定し(Sb5)、リセットスイッチ23の操作も検出されていなければ、Sb4のステップに戻る。すなわちリセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23の操作が検出されるまで、遊技の進行が不能な状態で待機する。
そして、Sb4のステップにおいてリセット/設定スイッチ38の操作が検出された場合、またはSb5のステップにおいてリセットスイッチ23の操作が検出された場合には、レジスタに格納されているエラーコードをクリアし(Sb6)、遊技補助表示器12の表示状態をSb1のステップにおいてスタックに退避した表示状態に復帰させて(Sb7)、もとの処理に戻る。
このようにエラー処理においては、断線異常エラー、RAM異常エラー及び異常入賞エラー以外によるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されることで、エラー状態を解除してもとの処理に復帰するが、断線異常エラー、RAM異常エラーまたは異常入賞エラーによるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されてもエラー状態が解除され、元の状態に復帰することはない。
図16に戻り、Sa16のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM41cのデータは正常であるので、RAM41cの非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域を初期化する初期化3を行った後(Sa17)、破壊診断用データをクリアし(Sa18)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態の監視間隔を計時するドア監視タイマの値、コマンドの送信遅延時間を計時する遅延カウンタの値、ドア開放検出スイッチ25からの検出信号の入力状態の履歴をクリアし(Sa19)、ドアコマンド送信要求2をクリアするとともに、ドアコマンド送信要求1を設定する(Sa)。次いで、電断前の状態でいずれかの特別役が当選しているか否かを判定し(Sa21)、電断前の状態でいずれかの特別役が当選している場合には、特別役の当選を示す電源投入コマンドを設定し(Sa22、Sa19のステップに進み、電断前の状態でいずれの特別役も当選していない場合には、特別役の非当選を示す電源投入コマンドを設定し(Sa23)、Sa24のステップに進む。
Sa24のステップでは、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰し、割込を許可して(Sa25)、電断前の最後に実行していた処理に戻る。また、Sa25のステップにおいて割込が許可されると、タイマ割込処理が定期的に実行されることとなり、これに伴いSa17またはSa18のステップにおいて設定された電源投入コマンドがサブ制御部91に対して送信され、その後、Sa20のステップで設定されたドアコマンド送信要求1に基づきドアコマンドがサブ制御部91に対して送信される。
また、Sa6のステップにおいて設定キースイッチ37がONの状態であれば、リセット/設定スイッチ38がONの状態か否かを判定する(Sa26)。Sa26のステップにおいてリセット/設定スイッチ38がONの状態であれば、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化0を実行した後(Sa27)、Sa29のステップに進む。一方Sa26のステップにおいてリセット/設定スイッチ38がOFFの状態であれば、RAM41cの格納領域のうち、停止相ワーク及び使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を実行した後(Sa28)、Sa29のステップに進む。
Sa29のステップでは、ドアコマンド送信要求2をクリアするとともに、ドアコマンド送信要求1を設定した後、Sa30のステップに進み、設定値ワークに格納されている値(この時点では0)を1に補正する。次いで、初期化コマンドをセットした後(Sa31)、割込を許可して(Sa32)、図18に示す設定変更処理、すなわち設定変更モードに移行する(Sa33)。Sa32のステップにおいて割込が許可されると、タイマ割込処理が定期的に実行されることとなり、これに伴いSa31のステップにおいて設定された初期化コマンドがサブ制御部91に対して送信され、その後、Sa29のステップで設定されたドアコマンド送信要求1に基づきドアコマンドがサブ制御部91に対して送信される。Sa33のステップにおける設定変更処理の終了後、設定終了コマンドを設定し(Sa34)、ゲーム処理に移行する。Sa34のステップにおいて設定された設定終了コマンドは、その後のタイマ割込処理においてサブ制御部91に対して送信される。
設定変更処理では、図18に示すように、RAM41cの設定値ワークに格納されている設定値(設定変更処理に移行する前に設定値ワークの値は1に補正されているので、ここでは1である)を読み出す(Sc1)。
その後、リセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態となり(Sc2、Sc3)、Sc2のステップにおいてリセット/設定スイッチ38の操作が検出されると、Sc1のステップにおいて読み出した設定値に1を加算し(Sc4)、加算後の設定値が7であるか否か、すなわち設定可能な範囲を超えたか否かを判定し(Sc5)、加算後の設定値が7でなければ、再びSc2、Sc3のステップにおけるリセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻り、Sc5のステップにおいて加算後の設定値が7であれば設定値を1に補正した後(Sc6)、再びSc2、Sc3のステップにおけるリセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻る。
また、Sc3のステップにおいてスタートスイッチ7の操作が検出されると、その時点で選択されている変更後の設定値をRAM41cの設定値ワークに格納して、設定値を確定した後(Sc7)、設定キースイッチ37がOFFの状態となるまで待機する(Sc8)。そして、Sc8のステップにおいて設定キースイッチ37のOFFが判定されると、図16のフローチャートに復帰し、ゲーム処理に移行することとなる。
このように起動処理においては、設定キースイッチ37がONの状態ではない場合に、断線フラグが記憶されているか否かを判定し、断線フラグが記憶されていればエラー処理に移行する。また、RAMパリティが0であるか否か、破壊診断用データが正常であるか否かを判定することでRAM41cに記憶されているデータが正常か否かを判定し、RAM41cのデータが正常でなければ、エラー処理に移行する。断線異常エラー、RAM異常エラーによるエラー処理では、断線異常エラー、RAM異常エラーを示すエラーコードを遊技補助表示器12に表示させた後、電断前の状態に復帰不能となるように初期化1を行ってRAM41cを初期化し、いずれの処理も行わないループ処理に移行するので、ゲームの進行が不能化される。そして、RAM41cのデータが正常でなければ、割込が許可されることがないので、一度断線異常エラーまたはRAM異常エラーによるエラー処理に移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、割込が許可されるまでは、電断しても電断割込処理(メイン)は行われない。すなわち電断割込処理(メイン)において新たにRAMパリティが0となるようにRAM調整用データが計算されて格納されることはなく、破壊診断用データが新たに設定されることもないので、CPU41aが再起動しても設定キースイッチ37がONの状態で起動した場合を除き、CPU41aを再起動させてもゲームを再開させることができないようになっている。
そして、断線異常エラーまたはRAM異常エラーによるエラー処理に一度移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、RAM41cの使用中スタック領域を除く全ての領域が初期化された後、設定変更処理が行われ、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。すなわちRAM異常エラーによるエラー処理に移行した状態では、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されたことを条件に、ゲームの進行が不能な状態が解除され、ゲームを再開させることが可能となる。
また、設定キースイッチ37のみがONの状態で起動した場合には、RAM41cの格納領域のうち、停止相ワーク及び使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1が実行された後、設定変更モードへ移行するのに対して、設定キースイッチ37及びリセット/設定スイッチ38の双方がONの状態で起動した場合には、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化0が実行された後、設定変更モードへ移行するようになっており、設定キースイッチ37のみがONの状態で起動するか、設定キースイッチ37及びリセット/設定スイッチ38の双方がONの状態で起動するか、によってリールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータを残して初期化するか、含めて初期化するか、を選択できるようになっている。
また、起動後、電断前の状態に復帰するか否かに関わらず、ドアコマンド送信要求1を設定することで、電源投入コマンドまたは初期化コマンドを送信した後、直ちにドアコマンドがサブ制御部91に対して送信されるようになっている。
図19は、CPU41aが実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点で賭数を確定する処理を実行する。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲームスタートと同時に内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。
Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、ゲーム終了時処理では、RTに関連する制御を行うRT処理についても行われる。また、ゲーム終了時処理の最後に、RAM41cにドアコマンド送信要求1を設定し、ドアコマンドの送信を要求する。
図20及び図21は、CPU41aがSd1のステップにおいて実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。
BET処理では、満タンフラグがRAM41cに設定されているか否か、すなわち前のゲーム以前にオーバーフロータンク35の満タン状態が判定されているか否かを判定し(Se7)、満タンフラグが設定されていれば、満タン異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Se8)、図17に示すエラー処理に移行する。
Se7のステップにおいて満タンフラグが設定されていなければ、投入待ち前の設定を行い(Se9)、Se10のステップに進む。投入待ち前の設定では、RAM41cに設定されている投入不可フラグをクリアし、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、精算スイッチ10の検出を有効化するとともに、メダルの投入が検出された際に、そのメダルが前のゲーム制御終了後、最初に投入されたメダルである旨を示す第1投入フラグをRAM41cに設定する。
Se10のステップにおいては、RAM41cに投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定する。Se10のステップにおいてメダルの投入が可能な状態であると判定された場合には、流路切替ソレノイド30をonの状態とし、メダルの流路をホッパータンク側の経路としてメダルの投入が可能な状態とし(Se11)、Se13のステップに進み、メダルの投入が可能な状態でないと判定された場合には、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し(Se12)、Se13のステップに進む。
Se13のステップにおいては、投入メダルセンサ31により投入メダルの通過が検出されたか否かを判定する。Se13のステップにおいて投入メダルの通過が検出されていなければ、Se24のステップに進み、投入メダルの通過が検出されていれば、RAM41cに投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定し(Se14)、メダルの投入が可能な状態でなければSe24のステップに進む。
Se14のステップにおいてメダルの投入が可能な状態であれば、第1投入フラグがRAM41cに設定されているか否かに基づいてゲーム制御終了後最初の投入であるか否かを判定し(Se15)、ゲーム制御終了後最初の投入でなければSe19のステップに進み、ゲーム制御終了後、最初の投入であれば、第1投入フラグをクリアし(Se16)、満タンセンサ35aが検出されているか否かを判定する(Se17)。Se17のステップにおいて満タンセンサ35aが検出されていなければSe19のステップに進み、満タンセンサ35aが検出されている場合には、オーバーフロータンク35の満タン状態を示す満タンフラグをRAM41cに設定し(Se18)、Se19のステップに進む。
Se19のステップでは、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否を判定し、BETカウンタの値が規定数でなければ、BETカウンタの値を1加算し(Se20)、Se10のステップに戻る。
Se19のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であれば、RAM41cにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値を1加算し(Se21)、クレジットカウンタの値が上限値である50であるか否かを判定し(Se22)、クレジットカウンタの値が50でなければ、Se10のステップに戻り、クレジットカウンタの値が50であれば投入不可フラグをRAM41cに設定し(Se23)、Se10のステップに戻る。
Se24のステップでは、スタートスイッチ7の操作が検出されているか否かを判定する。Se24のステップにおいてスタートスイッチ7の操作が検出されていなければSe29のステップに進み、スタートスイッチ7の操作が検出されていれば、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する(Se25)。
Se25のステップにおいてBETカウンタの値が規定数でなければ、Se10のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数であれば、ゲーム中であることを示すゲーム中フラグをRAM41cに設定する(Se251)。そして、Se251のステップの後、投入不可フラグをRAM41cに設定するとともに、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し(Se26)、ゲーム開始時の設定を行う(Se27)。ゲーム開始時の設定では、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、精算スイッチ10の操作の検出を無効化する。そして、Se27のステップの後、賭数、すなわちBETカウンタの値をメダルIN信号の残り出力回数を示すメダルIN信号出力カウンタの値に加算し(Se28)、BET処理を終了して図19のフローチャートに復帰する。これに伴い、メダルの投入、1枚BETスイッチ5及びMAXBETスイッチ6の操作の検出に基づく賭数の設定が禁止されるとともに、精算スイッチ10の操作の検出に基づくクレジットの精算が禁止されることとなる。
Se29のステップにおいては、1枚BETスイッチ5の操作が検出されているか否かを判定する。Se29のステップにおいて1枚BETスイッチ5の操作が検出されていなければ、Se34のステップに進み、1枚BETスイッチ5の操作が検出されていれば、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する(Se30)。Se30のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であればSe10のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数でなければ、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定し(Se31)、クレジットカウンタの値が0であればSe10のステップに戻る。Se31のステップにおいてクレジットカウンタの値が0でなければ、クレジットカウンタの値を1減算し(Se32)、BETカウンタの値を1加算して(Se33)、Se10のステップに戻る。
Se34のステップにおいては、MAXBETスイッチ6の操作が検出されているか否かを判定する。Se34のステップにおいてMAXBETスイッチ6の操作が検出されていなければ、Se39のステップに進み、MAXBETスイッチ6の操作が検出されていれば、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する(Se35)。Se35のステップにおいてBETカウンタの値が規定数であればSe10のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数でなければ、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定し(Se36)、クレジットカウンタの値が0であればSe10のステップに戻る。Se36のステップにおいてクレジットカウンタの値が0でなければ、クレジットカウンタの値を1減算し(Se37)、BETカウンタの値を1加算して(Se38)、Se35のステップに戻る。
Se39のステップにおいては、精算スイッチ10の操作が検出されているか否かを判定する。Se39のステップにおいて精算スイッチ10の操作が検出されていなければ、Se10のステップに戻り、精算スイッチ10の操作が検出されていれば、RAM41cにリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定し(Se40)、当該ゲームがリプレイゲームであればSe10のステップに戻る。Se40のステップにおいて当該ゲームがリプレイゲームでなければ、BETカウンタの値が0か否かを判定し(Se41)、BETカウンタの値が0であればSe37のステップに進み、BETカウンタの値が0でなければ、既に設定済み賭数の精算を行う旨を示す賭数精算フラグをRAM41cに設定し(Se42)、Se43のステップに進む。Se43のステップにおいては、ホッパーモータ34bを駆動してクレジットカウンタまたはBETカウンタに格納された値分のメダルを払い出す制御、すなわちクレジットとして記憶されているメダルまたは賭数の設定に用いられたメダルを返却する制御が行われる精算処理を行う。そして、Se43のステップにおける精算処理の後、RAM41cに設定されている投入不可フラグをクリアして(Se44)、Se10のステップに戻る。
図22は、CPU41aがSd2のステップにおいて実行する内部抽選処理の制御内容を示すフローチャートである。
本実施例の内部抽選処理では、まず、当該ゲームの遊技状態に応じて予め定められたメダルの投入枚数である規定数を読み出し(Sg1)、Sg2のステップに進む。規定数は、いずれの遊技状態においても3枚とされている。
Sg2のステップでは、メダルの投入枚数、すなわちBETカウンタの値が、Sg1のステップにて読み出した規定数と一致するか否かを判定し、メダルの投入枚数が規定数と一致すればSg3のステップに進み、メダルの投入枚数が規定数と一致しなければSg4のステップに進む。
Sg3のステップでは、RAM41cの設定値ワークに格納されている設定値が1〜6の範囲であるか否か、すなわち設定値ワークに格納されている設定値が適正な値か否かを判定し、設定値が1〜6の範囲であればSg5のステップに進み、1〜6の範囲でなければSg4のステップに進む。
Sg4のステップでは、RAM41cに格納されているデータが正常ではないと判定されたため、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに格納し、図17に示すエラー処理に移行する。
Sg5のステップでは、当該ゲームに用いる乱数を取得する乱数取得処理を行い、Sg6のステップに進む。乱数取得処理では、パルス発振器43にサンプリング指令を出力し、乱数回路42が発生している乱数をラッチさせ、ラッチさせた乱数の値をI/Oポート41dから入力して、これを抽出し、抽出した乱数に対して所定の論理演算を行い、その結果を乱数として取得する。
Sg6のステップでは、当該ゲームの遊技状態に応じて状態番号(0〜6のいずれか)をRAM41cに格納し、Sg7のステップに進む。Sg7のステップでは、状態番号が示す遊技状態に応じて最初に抽選対象とする役番号をRAM41cに格納し、Sg8のステップに進む。Sg7のステップでは、状態番号が0〜3の場合、すなわち通常遊技状態、RT(1)、RT(2)、RT(3)においていずれの特別役も持ち越されていない場合には、最初に抽選対象とする役番号として0(ビッグボーナス(1))を設定し、状態番号が4、5のいずれかの場合、すなわちRT(2)、RT(4)においていずれかの特別役が持ち越されている場合には、最初に抽選対象とする役番号として8(リプレイ(1))を設定し、状態番号が6の場合、すなわちレギュラーボーナスの場合には、最初に抽選対象とする役番号として10(赤チェリー)を設定する。
Sg8のステップでは、状態番号が6であるか否か、すなわちレギュラーボーナス中であるか否かを確認し、状態番号が6である場合、すなわちレギュラーボーナス中である場合にはSg10のステップに進む。状態番号が6でない場合にはSg9のステップに進む。
Sg9のステップでは、抽選対象とする役番号が14であるか否か、すなわちレギュラーボーナス以外の遊技状態において抽選対象となる全ての役の抽選が終了したか否かを確認し、役番号が14である場合にはSg11のステップに進む。14でない場合にはSg10のステップに進む。
Sg10のステップでは、抽選対象とする役番号が17であるか否か、すなわちレギュラーボーナスにおいて抽選対象となる全ての役の抽選が終了したか否かを確認し、役番号が17である場合にはSg11のステップに進む。17でない場合にはSg12のステップに進む。
Sg11のステップでは、RAM41cにおいて一般役の当選フラグが格納される一般役格納ワークをクリアして、内部抽選処理を終了し、図19に示すフローチャートに復帰する。
Sg12のステップでは、処理対象の役番号に対応付けて、役別テーブルに登録されている共通フラグが1か否かを確認し、1である場合にはSg13のステップに進み、1でない場合にはSg14のステップに進む。
Sg13のステップでは、処理対象の役番号に対応付けて役別テーブルに登録されているROM41bの判定値数の格納領域のアドレスを読み出す。そして、このアドレスに格納されている判定値数を取得して、Sg15のステップに進む。
Sg14のステップでは、まず、RAM41cに格納されている設定値を読み出し、さらに、処理対象の役番号及び読み出した設定値に対応付けて、役別テーブルに登録されているROM41bの判定値数の格納領域のアドレスを読み出す。そして、このアドレスに格納されている判定値数を取得して、Sg15のステップに進む。
Sg15のステップでは、内部抽選用の乱数値に、Sg13またはSg14のステップにおいて取得した判定値数を加算し、加算の結果を新たな乱数値とし、Sg16のステップに進み、判定値数を内部抽選用の乱数値に加算したときにオーバーフローが生じたかを判定する。尚、オーバーフローの発生は、処理対象の役番号に該当する役が当選した旨を示している。そしてオーバーフローが生じた場合にはSg18のステップに進み、オーバーフローが生じなかった場合にはSg17のステップに進む。
Sg17のステップでは、処理対象の役番号に1を加算し、Sg8のステップに戻る。
Sg18のステップでは、役番号が0〜7であるか、すなわち特別役または特別役を含む役の組み合わせを示す役番号か否かを確認し、役番号が0〜7の場合にはSg19のステップに進み、役番号が0〜7でない場合にはSg20のステップに進む。
Sg19のステップでは、RAM41cにおいて特別役の当選フラグが格納される特別役格納ワークに、処理対象の役番号に対応する特別役の当選フラグを設定し、Sg20のステップでは、RAM41cの一般役格納ワークに、処理対象の役番号に対応する一般役の当選フラグを設定して、内部抽選処理を終了し、図19に示すフローチャートに復帰する。尚、Sg20のステップでは、役番号が0〜4の場合、一般役は当選していないため、この場合には、RAM41cの一般役格納ワークをクリアする。
図23は、CPU41aがSd3のステップにおいて実行するリール回転処理の制御内容を示すフローチャートである。
リール回転処理では、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(本実施例では、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(Sh1)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。
そして、Sh1のステップにおいてウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムを新たに設定する(Sh2)。
次いで、リールモータの回転開始時の設定を行い、リールの回転を開始させる(Sh3)。そして、回転中のリール別に仮想滑りコマテーブルの滑りコマ数を設定する滑りコマ数設定処理を行い(Sh4)、停止準備完了時の設定を行う(Sh5)。これにより、停止操作を有効化させることが可能な状態となり、その後、後述するタイマ割込処理の原点通過時処理において、リールの定速回転が検出された時点で、停止操作が有効となる。
次いで、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかのストップスイッチの操作が検出されたか否かを判定し(Sh6)、いずれのストップスイッチの操作も検出されていなければ、リール回転エラー(一定期間以上、リールセンサ33によりリール基準位置が検出されない場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Sh7)、リール回転エラーが発生していなければ、更に、投入エラー(メダルの投入が許可されている期間以外で、メダルの投入を検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否か、及び払出エラー(メダルの払出が許可されている期間以外で、メダルの払出を検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Sh8、Sh9)、Sh7〜Sh9のステップにおいていずれのエラーの発生も判定されなければ、Sh6のステップに戻る。
また、Sh8のステップにおいて投入エラーの発生が判定された場合、またはSh9のステップにおいて払出エラーが判定された場合には、リール回転中の投入・払出エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Sh10)、Sh6のステップに戻る。
また、Sh7のステップにおいてリール回転エラーの発生が判定された場合には、リール回転エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Sh12)、図17に示すエラー処理に移行する(Sh13)。これに伴い、リールの回転も一時的に停止する。そして、エラーが解除された場合には、再びSh3のステップに戻り、リールの回転が再開する。
また、Sh6のステップにおいていずれかのストップスイッチの操作が検出された場合には、ストップスイッチに対応するリールモータにおける、その時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置となるステップ数)を取得し、停止リールに対応するワークに設定した後(Sh14)、停止操作に対応するリールの回転が停止するまで待機する(Sh15)。
そして、停止操作に対応するリールの回転が停止すると、全てのリールが停止したか否かを判定し(Sh16)、全てのリールが停止していなければ、Sh4のステップに戻り、全てのリールが停止していれば、リール回転処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。
以上のようにリール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
図24は、CPU41aがSd5のステップにおいて実行する払出処理の制御内容を示すフローチャートである。
払出処理では、Sd4のステップにおける入賞判定処理の結果、入賞の発生が判定された際に設定されたメダルの付与枚数と既に払い出されたメダル枚数を示す払出枚数を比較し、払出が終わったか否かを確認する(Si1)。
そして払出が終わっていなければ、投入エラー(メダルの投入が許可されている期間以外で、メダルの投入を検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Si11)、Si11のステップにおいてエラーの発生が判定されなければ、Si2のステップに進む。Si11のステップにおいて投入エラーの発生が判定された場合には、払出処理中の投入エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Si12)、Si2のステップに進む。
Si2のステップでは、クレジットが上限に到達しているか否かに基づいてクレジットに加算できるか否かを確認し(Si2)、クレジットに加算できる場合には、クレジット払出間隔の時間待ちを行った(Si3)後、クレジットを1加算する(Si4)。Si3の処理の後、メダルOUT信号の残り出力回数を示すメダルOUT信号出力カウンタの値を1加算し(Si5)、払出枚数を加算した(Si6)後、再びSi1のステップに戻る。
Si2のステップにおいてクレジットに加算できない場合には、1枚払出処理を行った(Si7)後、メダルOUT信号出力カウンタの値を1加算し(Si8)、Si9のステップに進み、払出枚数を加算し、再びSi1のステップに戻る。
Si7のステップにおける1枚払出処理では、ホッパーモータ34bを駆動してメダルを1枚払い出す制御を行っており、払出センサ34cにより1枚のメダルの払出が正常に検出された場合のみSi8のステップに進む。また、メダル詰まりが発生してないか、またはメダル切れになっていないか否かを監視し、メダル詰まり、またはメダル切れになっていると判定したとき、ホッパーモータ34bを停止し、払出エラーをレジスタに設定し、図17に示すエラー処理に移行する。そして払出エラーが解除された後、Sg1のステップに戻る。
Si1のステップにおいて払出が終わっていれば、ホッパーモータ34bの駆動を停止し(Si10)、終了時処理へ移行する。
このように、払出処理においては、1枚払出処理によってメダルの払出が払出センサ34cに1枚検出される毎、またはクレジットを1加算する毎にメダルOUT出力カウンタの値を1加算する制御が行われるようになっている。
図25は、CPU41aがSd6のステップにおいて実行する終了処理の制御内容を示すフローチャートである。
終了処理では、まず、RAM41cにおいて賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアし(Sj1)、遊技状態に応じた規定数(本実施例では遊技状態に関わらず3)をRAM41cに設定し(Sj2)、RAM41cにリプレイゲームである旨を示すリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて次ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(Sj3)。
Sj3のステップにおいて次ゲームがリプレイゲームであると判定された場合には、BETカウンタの値を1加算し(Sj4)、メダルOUT信号の残り出力回数を示すメダルOUT信号出力カウンタの値を1加算し(Sj5)、Sj6のステップに進む。Sj6のステップでは、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否を判定し(Sj6)、BETカウンタの値が規定数でなければSj4のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数であれば、メダルの投入不可を示す投入不可フラグをRAM41cに設定し(Sj7)、Sj8のステップに進む。Sj3のステップにおいて次ゲームがリプレイゲームでないと判定されれば、Sj8のステップに進む。
Sj8のステップでは、RAM41cに設定されているゲーム中フラグをクリアし(Sj8)、エラーコードがレジスタに設定されているか否かを判定する(Sj9)。Sj9のステップにおいてエラーコードがレジスタに設定されていないと判定された場合には、終了処理を終了し、図19に示すフローチャートに復帰する。Sj9のステップにおいてエラーコードがレジスタに設定されていると判定された場合には、図17に示すエラー処理に移行する(Sj10)。そして、エラーが解除された場合には、終了処理を終了し、図19に示すフローチャートに復帰する。
このように、本実施の形態では、ゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合(例えば、図23のSh8,Sh9、図24のSi11)、リール回転処理を終了した後に、エラー処理(遊技の進行停止)を行う(ステップSj10)。これにより、制御が複雑になることがない。なお、ゲームの進行を妨げる可能性のある異常を検出した場合には、異常の検出時点にエラー処理(異常報知、遊技の進行停止)を行う(例えば、図20のSe8、図22のSg4、図23のSh13)。これにより、好適に異常報知を行うことができる。また、ゲーム終了後にフリーズが発生する場合、該ゲームで異常が発生した場合には、エラー処理を行った後にフリーズを発生させるようにしてもよい。
図26及び図28は、CPU41aが割込3の発生に応じて、すなわち0.56msの間隔で起動処理やゲーム処理に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
タイマ割込処理(メイン)においては、まず、割込を禁止する(Sk1)。すなわち、タイマ割込処理の実行中に他の割込処理が実行されることを禁止する。そして、使用中のレジスタをスタック領域に退避した後(Sk2)、入力ポートから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理を行う(Sk3)。
次いで、4種類のタイマ割込1〜4から当該タイマ割込処理(メイン)において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める(Sk4)。Sk4のステップでは、分岐用カウンタ値が0〜2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して2または3か、すなわちタイマ割込3またはタイマ割込4かを判定し(Sk5)、タイマ割込3またはタイマ割込4ではない場合、すなわちタイマ割込1またはタイマ割込2の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中か否かを確認し、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中であれば、後述するSk9のモータステップ処理において変更した位相信号データや後述するSk25の最終停止処理において変更した位相信号データを出力するモータ位相信号出力処理を実行する(Sk6)。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して1か否か、すなわちタイマ割込2か否かを判定し(Sk7)、タイマ割込2ではない場合、すなわちタイマ割込1の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行うリール始動処理(Sk8)、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号データの変更を行うモータステップ処理(Sk9)、リールモータ32L、32C、32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理(Sk10)を順次実行した後、Sk2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sk21)、Sk1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sk22)、割込前の処理に戻る。
また、Sk7のステップにおいてタイマ割込2の場合には、各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理(Sk11)、各種LED等の点灯信号等のデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理(Sk12)、各種ソフトウェア乱数を更新する乱数更新処理(Sk13)、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理(Sk14)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態の監視、ドアコマンドの送信要求、送信命令などを行うドア監視処理(Sk15)、通常コマンド送信用バッファまたはドアコマンド送信用バッファに格納されているコマンドをサブ制御部91に対して送信するコマンド送信処理(Sk16)、外部出力信号を更新する外部出力信号更新処理(Sk17)を順次実行した後、Sk2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sk21)、Sk1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sk22)、割込前の処理に戻る。
また、Sk5のステップにおいてタイマ割込3またはタイマ割込4であれば、更に、分岐用カウンタ値を参照して3か否か、すなわちタイマ割込4か否かを判定し(Sk18)、タイマ割込4でなければ、すなわちタイマ割込3であれば、回転中のリール2L、2C、2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックし、リール回転エラーの発生を検知するとともに、停止準備が完了しているか(停止準備完了コードが設定されているか)を確認し、停止準備が完了しており、かつ定速回転中であれば、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作を有効化する原点通過時処理(Sk19)、各種スイッチ類の検出信号に基づいてこれら各種スイッチが検出条件を満たしているか否かを判定するスイッチ入力判定処理(Sk20)を順次実行した後、Sk2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sk21)、Sk1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sk22)、割込前の処理に戻る。
また、Sk18のステップにおいてタイマ割込4であれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出、または自動停止制御に伴って停止リールのワークに停止操作位置が格納されたときに、停止リールのワークに格納された停止操作位置から停止位置を決定し、何ステップ後に停止すれば良いかを算出する停止スイッチ処理(Sk23)、停止スイッチ処理で算出された停止までのステップ数をカウントして、停止する時期になったら2相励磁によるブレーキを開始する停止処理(Sk24)、停止処理においてブレーキを開始してから一定時間後に3相励磁とする最終停止処理(Sk25)を順次実行した後、Sk2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sk21)、Sk1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sk22)、割込前の処理に戻る。
図27は、図26のSk6のモータ位相信号処理の処理内容を示すフローチャートである。まず、S160において、位相信号データを出力するタイミング(データ出力タイミング)であるか否かが判断される。ここで、データ出力タイミングとは、位相信号データを出力するのに適したタイミングである。たとえば、位相信号出力データが送信されることにより、リールの回転速度が過度に速くなる場合などは、S160では、Noと判断され、モータ位相信号出力処理は終了する。また、S160でYesと判断されると、S170に進む。
S170において、メイン制御部41は、位相信号データをモータ駆動回路45に対して出力する。位相信号データとは、モータ駆動回路45にリールモータ32L、32C、32Rそれぞれに対してパルス信号を送信させるためのデータである。メイン制御部41が位相信号データをモータ駆動回路45に対して1回出力すると、モータ駆動回路45は、リールモータ32L、32C、32Rに対して1回、パルス信号を出力し、1ステップ分、ロータ32aを回転させる(リールモータ32L、32C、32Rを駆動する)。
S171において、位相信号カウンタが15であるか否か判断される。ここで、位相信号カウンタについて説明する。位相信号カウンタとは、1図柄(1コマ)分の駆動において、リールモータ32L、32C、32Rのステップ数を計数するカウンタである。位相信号カウンタは、位相信号データが出力される度に1加算される。位相信号カウンタは、RAM41cの所定領域が用いられる。本実施形態では、位相信号カウンタは4ビットのカウンタである。たとえば、位相信号カウンタが、10を示している場合には、10ステップ駆動されたことを示している。本実施形態では、位相信号カウンタの最小値(初期値)は「0」であり、最大値は「15」である。つまりS171では、位相信号カウンタは、最大値であるか否かが判断される。
S171において、位相信号カウンタが15ではないと判断されたときには(つまり、位相信号カウンタが0〜14の値であると判断されたときには)、S172に進む。S172では、位相信号カウンタの値が1加算される。
一方、S171において、位相信号カウンタが15であると判断されたときには、S174に進む。S174では、位相信号カウンタを0に初期化する。S174の処理終了後、S176において図柄カウンタを1加算する。ここで、図柄カウンタとは、リールが1回転する間にリールモータ32L、32C、32Rが、駆動させたコマ数(図柄数)を計数するカウンタである。換言すれば、図柄カウンタは、リールモータが16ステップ駆動させた回数を計数するカウンタである。また、図柄カウンタは、5ビットのカウンタである。S176の処理が終了すると、モータ位相信号処理は終了する。
図29は、原点通過時処理の処理内容を示すフローチャートである。S70において、位相信号カウンタおよび図柄カウンタの値を取得する。S70の処理終了後、S72に進む。S72において、取得された図柄カウンタの値が、異常値(本実施形態では、25)であるか否かを判断する。S72において、図柄カウンタが25未満であると判断されたときには(S72のN)、S78に進む。S78において、位相信号カウンタが0であるか否かを判断する。S78において、位相信号カウンタの値が0であると判断されたときには(S78のY)、目印検知処理を行なう。目印検知処理は、各リール2L、2C、2Rに設けられた目印を検知する処理である。
ここで、リール2に設けられた目印について説明する。図30、図31は、リール2Rの具体的な構造、および目印などを説明するための図である。図30に示すように、支持板309にリールモータ33Rおよびリールセンサ33Rが支持されている。リールモータ33Rの回転駆動軸には、リール2Rの回転中心軸が固定されている。リール2Rの回転中心軸はリール2Rの中心部320に設けられる。
リールセンサ33Rは、合成樹脂からなる回転ドラム302と、この回転ドラム302の周囲に貼付されるテープ状のリールシート306とを備えている。リールシート306の外周面には、20個の図柄(図3参照)が配列されている。
また、目印304は、リールの基準位置に形成されている。図30の例では、回転ドラム302の延伸部322に、突出している突出片状の目印304が形成してある。延伸部322は、回転中心軸320から外方向に向かって延伸しているアーム部である。
目印304は、リール2Rの回転開始位置を検出するためにリール2Rの周囲に突出して形成されているものである。リール2Rの周囲には、目印304の通過を光センサーの遮断によって検知するためのリールセンサ33Rが形成されている。本実施形態のリールセンサ33Rは、内部に光センサーを有するとともに、全体形状が、略コ字状であって、一端に発光素子(LED)が配置され、他端に受光素子(フォトトランジスタ)が配置され、そのコ字状の内部を、突出片状の目印304が移動することにより、発光素子からの光が遮断され、目印304を検出可能なものである。コ字状の内部の位置であって、目印304を検出可能な位置を検出位置Aという。なお、図31は、リールセンサ33Rが、目印304を検出したときを示した図である。本実施形態では、位相信号カウンタおよび図柄カウンタの双方の値が0になったときに、図31に示すように、リールセンサ33Rが目印304を検出する(図32も参照)。
図29のS80の目印検知処理は、目印304が検出位置Aを通過したか否かを判断する処理である。S82において、S80の目印検知処理により目印304が検知されたと判断されたときにはS84に進む。S84において図柄カウンタを0に初期化する。S84の処理終了後、S86の処理において位相信号カウンタを0に初期化し、原点通過時処理を終了させる。
一方、S82において目印が検知されなかったと判定されたときには、原点通過時処理を終了する。また、S72において、図柄カウンタが25であると判断されたときにはS74に進む。
S74においてリール回転エラーフラグをRAM41cに格納する。ここでリール回転エラーフラグとは、リール回転エラーが発生したことを特定するためのフラグである。リール回転エラーとは、たとえば、所定の役を不正入賞させようとする悪意のある遊技者が、スロットマシン1の内部に異物を混入したり、不正にスロットマシンの前面扉1bを開けてリールに接触することにより、回転しているリールを停止させたりリールの回転を遅くしたりすることなどにより発生するエラーである。また、リール回転エラーは、遊技者の不正などが原因ではなく、ステッピングモータの故障が原因となり、ステッピングモータの実際のステップ数と、図柄カウンタの値が大幅に相違することにより発生するエラーでもある。
また、たとえば、図23のSh7の「リール回転エラーが発生したか否か」の判断処理においては、リール回転エラーフラグがRAM41cに格納されているか否かを判断すればよい。たとえば、Sh7において、リール回転エラーフラグがRAM41cに格納されていると判断されれば、リール回転エラーが発生したと判断し、リール回転エラーフラグがRAM41cに格納されていないと判断されれば、リール回転エラーが発生していないと判断すればよい。
S74の処理終了後、S76に進む。S76において図柄カウンタを0に初期化する。S76の処理終了後、原点通過時処理を終了する。
図32は、リール回転エラーなど何らエラーが生じることなく、図27、図29の処理が実行されたときの図柄カウンタの値、位相信号カウンタの値、目印検知処理、および基準位置それぞれの関係を示した図である。図32では、図柄番号19、0、1について示し、図柄番号2〜18について省略している。たとえば、左リールでは、図柄番号19、0、1の図柄は、それぞれ、ベル、スイカ、チェリーである(図3参照)。また、図32の「リール回転方向」に示すように、リールは、上から下への方向に回転される。
作業員またはシート巻付装置などにより、リールシート306が回転ドラム302に巻き付けられる際には、中心部320から目印304へ延伸した直線上に図柄番号0の図柄の中央部が位置するように、リールシート306は回転ドラム302に巻き付けられる。ここで、図柄の中央部とは、図32の基準位置に示すように、リールの回転方向において、図柄番号0の図柄の完全な中央位置から1ステップ分だけ図柄番号1の図柄側に寄った位置である。また、図29のS84およびS86で示したように、基準位置を検出する毎に、図柄カウンタと位相信号カウンタの値が0となる。このため、図柄番号0の図柄の中央部に対応する図柄カウンタと位相信号カウンタの値は、図32に示すように、0となる。図柄カウンタと位相信号カウンタの値が共に0の状態から、リールを回転させると、リール回転エラーなどのエラーが生じることがない場合には、図柄カウンタの値および位相信号カウンタの値はそれぞれ図32に示すような値となる。
また、図32の目印検知処理の箇所、および図29のS78、S80に示すように、位相信号カウンタが0であるときに目印検知処理は実行される。
図32に示すように、リール回転エラーなどのエラーが生じることなく、リールセンサにより目印304が検知されると、図柄カウンタの値は0〜19の間になる筈である。ところが、図29のS72に示すように、図柄カウンタが25以上になっているということは、リール回転エラーが発生している可能性が高い。そこで、図柄カウンタが25以上であるときには、リール回転エラーが発生したと判断する(S74)。
メイン制御部41が、図柄(たとえば、入賞ラインL1上に停止している図柄)を特定する手法としては、図柄カウンタの値と位相信号カウンタの値との双方を用いる。たとえば、図32に示すように、「図柄カウンタの値が19であり、かつ位相信号カウンタの値が8〜15であるとき」、または「図柄カウンタの値が0であり、かつ位相信号カウンタの値が0〜7であるとき」には、入賞ラインL1上に停止している図柄は、図柄番号0の図柄であるとメイン制御部41は特定する。また、たとえば、「図柄カウンタの値が0であり、かつ位相信号カウンタの値が8〜15であるとき」、または「図柄カウンタの値が1であり、かつ位相信号カウンタの値が0〜7であるとき」には、入賞ラインL1上に停止している図柄は、図柄番号1の図柄であるとメイン制御部41は特定する。また、他の図柄番号の図柄についても、図柄カウンタの値と位相信号カウンタの値は同様である。
また、メイン制御部41が、図柄(たとえば、入賞ラインL1上に停止している図柄)をサブ制御部91に特定させる手法について説明する。ROM91cには、「入賞ラインL1上に停止している図柄」と、「図柄カウンタの値と位相信号カウンタの値との双方」とが、対応付けられた対応テーブルが予め格納されている。
この対応テーブルでは、たとえば、「「図柄カウンタの値が19であり、かつ位相信号カウンタの値が8〜15であること」、および「図柄カウンタの値が0であり、かつ位相信号カウンタの値が0〜7であること」」に対して、「入賞ラインL1上に停止している図柄は、図柄番号0の図柄であること」が対応付けられている。また、「「図柄カウンタの値が0であり、かつ位相信号カウンタの値が8〜15であること」、および「図柄カウンタの値が1であり、かつ位相信号カウンタの値が0〜7であること」」に対して、「入賞ラインL1上に停止している図柄は、図柄番号1の図柄であること」が対応付けられている。また、他の図柄番号の図柄についても、図柄カウンタの値と位相信号カウンタの値は同様である。また、対応テーブルでは、各リールそれぞれについて、図柄カウンタの値と位相信号カウンタの値と、図柄とが対応付けられている。
また、図柄(たとえば、入賞ラインL1上に停止している図柄)をサブ制御部91に認識させるためには、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して図柄コマンドを送信すればよい。ここで図柄コマンドは、図柄カウンタの値と位相信号カウンタの値との双方を特定できるコマンドである。サブ制御部91は、該図柄コマンドを解析することにより、図柄カウンタの値と位相信号カウンタの値との双方を特定できる。サブ制御部91は、対応テーブルを参照して、該特定された図柄カウンタの値と位相信号カウンタの値とに基づいて、入賞ラインL1上に停止している図柄を特定可能である。たとえば、サブ制御部91による該図柄コマンドを解析結果が、図柄カウンタの値が1であり、位相信号カウンタの値が4である場合には、サブ制御部91は、入賞ラインL1上に停止している図柄は、図柄番号1の図柄である旨を特定する。
このように、メイン制御部41およびサブ制御部91は、図柄カウンタの値と位相信号カウンタの値とに基づいて、入賞ラインL1上に停止している図柄を特定可能とする。
なお、変形例として、ROM91bに格納されている対応テーブルと同一の対応テーブルを、ROM41bにも予め格納させ、メイン制御部41は、該ROM41bに格納されている対応テーブルを用いて、入賞ラインL1上に停止されている図柄を特定するようにしてもよい。
また、変形例として、メイン制御部41が、入賞ラインL1上に停止している図柄を特定したときには、該特定された図柄を特定可能なコマンドを図柄コマンドとしてサブ制御部91に対して送信するようにしてもよい。該図柄コマンドは、たとえば、特定された図柄の図柄番号を特定可能なコマンドとすればよい。このような特定された図柄の図柄番号を特定可能な図柄コマンドは、図柄カウンタの値と位相信号カウンタの値との双方を特定できる図柄コマンドよりも容量を削減できることから、メイン制御部41からサブ制御部91への通信負荷を削減できる。
図33は、CPU41aが前述したタイマ割込処理(メイン)のタイマ割込4内において実行する停止スイッチ処理の制御内容を示すフローチャートである。
停止スイッチ処理では、まず、左、中、右の順番で全てのリールについて、該当するリールのワークに停止操作位置が設定されているか否か、すなわち停止操作が検出されたか、或いは自動停止により停止が指示されたかを判定し(Sk101、Sk102)、全てのリールについて停止操作が検出されていないか、停止が指示されていなければ、停止スイッチ処理を終了し、図28のフローチャートに復帰する。
また、Sk101のステップにおいて、いずれかのリールの停止操作が検出されている場合もしくはリールの停止が指示されている場合には、Sk103のステップに進む。
Sk103のステップでは、当該リールに対応する仮想滑りコマテーブルを参照し、停止リールに対応するワークに設定されている停止操作位置のステップ数を含む領域番号から、停止位置となる領域番号を特定し、Sk104のステップに進み、現在のリール基準位置からのステップ数から、Sk103のステップにおいて特定した停止位置までに要するステップ数を算出し、算出したステップ数を設定した後、停止スイッチ処理を終了し、図28のフローチャートに復帰する。
図34は、CPU41aが前述したタイマ割込処理(メイン)のタイマ割込2内において実行するドア監視処理の制御内容を示すフローチャートである。
ドア監視処理では、まず、ドア開放検出スイッチ25の入力状態の履歴(ポート入力処理において取得したドア開放検出スイッチ25の正論理化した検出信号の確定状態を約100ms論理和し続けた値)であるドアセンサ履歴を更新する(Sk201)。すなわちドア開放検出スイッチ25の正論理化した検出信号の確定状態とドアセンサ履歴との論理和をとって新たなドアセンサ履歴とする。
次いで、ドア監視タイマの値が0か否か、すなわち前回の監視から約100msが経過したか否かを判定し(Sk202)、ドア監視タイマの値が0でなければ、ドア監視タイマの値を1減算し(Sk203)、ドア監視処理を終了し、図26のフローチャートに復帰する。
Sk202のステップにおいてドア監視タイマの値が0であれば、ドアコマンド送信要求2が設定されているか否か、すなわち起動時において電源投入コマンドまたは初期化コマンドの送信を優先するために、ドアコマンドが送信待ちの状態か否かを判定し(Sk204)、ドアコマンド送信要求2が設定されていれば、ドア監視処理を終了し、図26のフローチャートに復帰する。Sk204のステップにおいてドアコマンド送信要求2が設定されているか否かを判定し、ドアコマンド送信要求2が設定されている場合に、ドア監視処理を終了することで、ドアコマンド送信用バッファの値が更新されないようになっており、電源投入コマンドまたは初期化コマンドによる送信待ちの間に、ドアコマンド送信用バッファの値、すなわち起動後、最初のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドが上書きされないようになっている。
Sk204のステップにおいてドアコマンド送信要求2が設定されていなければ、ドア監視タイマの値として44を設定し(Sk205)、新たに100msの計時を開始する。そしてドアセンサ履歴をレジスタに取得し、RAM41cのドアセンサ履歴をクリアした後(Sk206)、レジスタに取得したドアセンサ履歴が示すドア開放検出スイッチ25の検出状態と、ドアコマンド送信用バッファに格納されているドアコマンドが示すドア開放検出スイッチ25の検出状態と、を比較し、ドア開放検出スイッチ25の検出状態に変化があるか否かを判定する(Sk207)。
Sk207のステップにおいてドア開放検出スイッチ25の検出状態に変化がなければ、ドアコマンド送信要求1が設定されているか否か、すなわちCPU41aの起動またはゲームの終了に伴いドアコマンドの送信が要求されているか否かを判定し(Sk208)、ドアコマンド送信要求1が設定されていなければ、ドア監視処理を終了し、図26のフローチャートに復帰する。
Sk207のステップにおいてドア開放検出スイッチ25の検出状態に変化がある場合、またはSk208のステップにおいてドアコマンド送信要求1が設定されている場合には、ドアコマンド送信要求をクリアするとともに、ドアコマンド送信要求2を設定し(Sk209)、レジスタに取得したドアセンサ履歴(変化後のドア開放検出スイッチ25の検出状態)に基づくドアコマンドをドアコマンド送信用バッファに格納する(Sk2)ことで、変化後のドアコマンドの送信を命令し、ドア開放信号更新要求を設定する(Sk211)ことで、ドア開放信号の出力状態を変化後の出力状態に更新することを要求した後、ドア監視処理を終了し、図26のフローチャートに復帰する。
図35は、CPU41aが前述したタイマ割込処理(メイン)のタイマ割込2内において実行するコマンド送信処理の制御内容を示すフローチャートである。
コマンド送信処理では、まず、電源投入コマンドまたは初期化コマンドの送信遅延中か否かを判定し(Sk301)、電源投入コマンドまたは初期化コマンドの送信遅延中であれば、Sk308のステップに進み、電源投入コマンドまたは初期化コマンドの送信遅延中でなければ、未送信の電源投入コマンドまたは初期化コマンドが通常コマンド送信用バッファに格納されているか否かを判定する(Sk302)。
Sk302のステップにおいて未送信の電源投入コマンドまたは初期化コマンドが通常コマンド送信用バッファに格納されている場合には、Sk307のステップに進み、未送信の電源投入コマンドまたは初期化コマンドが通常コマンド送信用バッファに格納されていない場合には、通常コマンドの送信遅延中か否かを判定する(Sk303)。
Sk303のステップにおいて通常コマンドの送信遅延中であれば、Sk308のステップに進み、通常コマンドの送信遅延中でなければ、ドアコマンドの送信遅延中か否かを判定し(Sk304)、ドアコマンドの送信遅延中であれば、Sk308のステップに進み、ドアコマンドの送信遅延中でなければドアコマンド送信要求2が設定されているか、すなわちドアコマンドの送信が命令されているか否かを判定する(Sk305)。
Sk305のステップにおいてドアコマンドの送信要求2が設定されていなければ、未送信の通常コマンドが通常コマンド送信用バッファに格納されているか否かを判定し(Sk306)、未送信の通常コマンドが通常コマンド送信用バッファに格納されている場合には、Sk307のステップに進み、未送信の通常コマンドが通常コマンド送信用バッファに格納されていない場合には、コマンド送信処理を終了し、図26に示すフローチャートに復帰する。
Sk307のステップでは、コマンド遅延用の乱数値(0〜17)を取得し、遅延カウンタに格納し、Sk308のステップに進む。
Sk308のステップでは、遅延カウンタ値を1減算した後、Sk309のステップに進み、遅延カウンタ値が0か否かを判定し、遅延カウンタ値が0でない場合には、コマンド送信処理を終了し、図26に示すフローチャートに復帰する。
Sk309のステップにおいて遅延カウンタ値が0の場合には、ドアコマンドの送信時か否かを判定し(Sk310)、ドアコマンドの送信時であれば、ドアコマンド送信要求2をクリアし、ドアコマンド送信用バッファのアドレスを設定し(Sk311)、Sk315のステップに進む。尚、ドアコマンド送信要求2は、ドア監視処理で設定された後、当該ドアコマンド送信要求2の設定に伴うドアコマンドが送信される直前までクリアされないため、ドアコマンド送信要求2が設定された後、電源投入コマンドまたは初期化コマンドによるドアコマンドの送信待ちの間に、ドアコマンド送信用バッファの値、すなわち起動後、最初のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドが上書きされることがない。
Sk310のステップにおいてドアコマンドの送信時でなければ、電源投入コマンドまたは初期化コマンドの送信時か否かを判定し(Sk312)、電源投入コマンドまたは初期化コマンドの送信時であれば、通常コマンド送信用バッファの電源投入コマンドまたは初期化コマンドが格納されているアドレスを設定し(Sk313)、Sk315のステップに進む。
Sk312のステップにおいて電源投入コマンドまたは初期化コマンドの送信時ではない場合、すなわち通常コマンドの送信時であれば、通常コマンド送信用バッファの送信ポインタが示すアドレスを設定し(Sk314)、Sk315のステップに進む。
Sk315のステップでは、Sk311、Sk313、Sk314のステップにおいて設定されたアドレスに格納されているコマンドを読み出し、サブ制御部91に対して送信し、コマンド送信処理を終了して、図26に示すフローチャートに復帰する。
図36は、CPU41aが前述したタイマ割込処理(メイン)のタイマ割込2内において実行する外部出力信号更新処理の制御内容を示すフローチャートである。
外部出力信号更新処理では、まず、BB中信号の設定に変更があるか否かを判定し(Sk401)、BB中信号の設定に変更がなければ、Sk403のステップに進み、BB中信号の設定に変更があれば、BB中の信号を変更後の出力状態に更新し(Sk402)、Sk403のステップに進む。
Sk403のステップにおいて、RB中信号の設定に変更があるか否かを判定し、RB中信号の設定に変更がなければ、Sk405のステップに進み、RB中信号の設定に変更があれば、RB中の信号を変更後の出力状態に更新し(Sk404)、Sk405のステップに進む。
Sk405のステップにおいて、ドア開放信号の更新要求があるか否かを判定し、ドア開放信号の更新要求がなければ、Sk407のステップに進み、ドア開放信号の更新要求があれば、ドア開放信号を変更後の出力状態に更新し(Sk406)、Sk407のステップに進む。
Sk407のステップにおいて、エラー状態、または設定変更中であるか否かを判定し、エラー状態、または設定変更中でなければ、Sk409のステップに進み、エラー状態、または設定変更中であれば、対応する信号をONに更新し(Sk408)、Sk409のステップに進む。
Sk409のステップにおいて、エラー状態が解除しているか、または設定変更が終了しているか否かを判定し、エラー状態が解除していないか、または設定変更が終了していなければ、Sk411のステップに進み、エラー状態が解除しているか、または設定変更が終了していれば、対応する信号をOFFに更新し(Sk410)、Sk411のステップに進む。
Sk411のステップにおいて、メダルIN信号及びメダルOUT信号の更新間隔を計時するための更新待ちカウンタの値が0か否かを判定し、更新待ちカウンタ値が0でなければ、外部出力信号送信処理を終了し(Sk412)、図26に示すフローチャートに復帰する。
Sk411のステップにおいて、更新待ちカウンタの値が0であれば、メダルIN信号がONであるか否かを判定し(Sk413)、メダルIN信号がONであれば、メダルIN信号をOFFに更新し(Sk414)、更新待ちカウンタに初期値(予め定められた更新待ち時間に応じた値)を設定し(Sk423)、図26に示すフローチャートに復帰する。
Sk413のステップにおいて、メダルIN信号がONでなければ、Sk415のステップに進む。
Sk415のステップにおいて、メダルOUT信号がONであるか否かを判定し、メダルOUT信号がONであれば、メダルOUT信号をOFFに更新し(Sk416)、更新待ちカウンタに初期値を設定し(Sk423)、図26に示すフローチャートに復帰する。
Sk415のステップにおいて、メダルOUT信号がONでなければ、Sk417のステップに進む。
Sk417のステップにおいて、メダルIN信号出力カウンタの値が0か否かを判定し、メダルIN信号出力カウンタの値が0であれば、Sk420のステップに進み、メダルIN信号出力カウンタの値が0でなければ、メダルIN信号をONに更新し(Sk418)、メダルIN信号出力カウンタの値を1減算し(Sk419)、更新待ちカウンタに初期値を設定し(Sk423)、図26に示すフローチャートに復帰する。
Sk420のステップにおいて、メダルOUT信号出力カウンタの値が0か否かを判定し、メダルOUT信号出力カウンタの値が0であれば、図26に示すフローチャートに復帰し、メダルOUT信号出力カウンタの値が0でなければ、ゲーム中フラグがRAM41cに設定されているか否かを判定する(Sk4201)。Sk4201のステップにおいてゲーム中フラグがRAM41cに設定されていると判定された場合には、図26に示すフローチャートに復帰する。また、Sk4201のステップにおいてゲーム中フラグがRAM41cに設定されていないと判定された場合には、メダルOUT信号をONに更新し(Sk421)、メダルOUT信号出力カウンタの値を1減算し(Sk422)、更新待ちカウンタに初期値を設定し(Sk423)、図26に示すフローチャートに復帰する。
このように、外部出力信号更新処理においてCPU41aがメダルIN信号出力カウンタをタイマ割込処理(メイン)により監視し、メダルの投入またはクレジットにより賭数が設定された後、スタートスイッチ7が検出され、メダルIN信号出力カウンタが加算された場合に、メダルIN信号が出力されるようになっている。
また、外部出力信号更新処理においてCPU41aがメダルOUT信号出力カウンタをタイマ割込処理(メイン)により監視し、メダルの払出が検出されてメダルOUT信号出力カウンタが加算された場合、かつ、ゲーム中フラグがRAM41cに設定されていない場合に、メダルOUT信号が出力されるようになっている。これにより、ゲーム中ではなくゲームが終了した後に、メダルOUT信号が出力される。
図37は、CPU41aが割込2の発生に応じて、すなわち電断検出回路48からの電圧低下信号が入力されたときに起動処理やゲーム処理に割り込んで実行する電断割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
電断割込処理(メイン)においては、まず、割込を禁止する(Sm1)。すなわち電断割込処理(メイン)の開始にともなってその他の割込処理が実行されることを禁止する。次いで、使用している可能性がある全てのレジスタをスタック領域に退避する(Sm2)。尚、前述したIレジスタ及びIYレジスタの値は使用されているが、起動時の初期化に伴って常に同一の固定値が設定されるため、ここでは保存されない。
次いで、入力ポートから電圧低下信号の検出データを取得し、電圧低下信号が入力されているか否かを判定する(Sm3)。この際、電圧低下信号が入力されていなければ、Sm2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sm4)、Sm1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sm5)、割込前の処理に戻る。
また、Sm3のステップにおいて電圧低下信号が入力されていれば、破壊診断用データ(本実施例では、5A(H))をセットして(Sm6)、全ての出力ポートを初期化する(Sm7)。次いでRAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データを計算してセットし(Sm8)、RAM41cへのアクセスを禁止する(Sm9)。
そして、電圧低下信号が入力されているか否かの判定(Sm10、尚、Sm10は、Sm3と同様の処理である)を除いて、何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にCPU41aは動作停止する。また、このループ処理において、電圧が回復し、電圧低下信号が入力されない状態となると、前述した起動処理が実行され、RAMパリティが0となり、かつ破壊診断用データが正常であれば、元の処理に復帰することとなる。
尚、本実施例では、RAM41cへのアクセスを禁止した後、電圧低下信号の出力状況を監視して、電圧低下信号が入力されなくなった場合に電圧の回復を判定し、起動処理へ移行するようになっているが、ループ処理において何らの処理も行わず、ループ処理が行われている間に、電圧が回復し、リセット回路49からリセット信号が入力されたことに基づいて、起動処理へ移行するようにしても良い。
[サブ制御部91の処理]
次に、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91のCPU91aが実行する起動処理(サブ)を、図38のフローチャートに基づいて以下に説明する。
CPU91aは、サブ制御部91にリセット回路95からリセット信号が入力されると、図38に示す起動処理(サブ)を行う。尚、リセット信号は、電源投入時及びサブ制御部91の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理(サブ)は、電源投入に伴うCPU91aの起動時及びCPU91aの不具合または表示制御回路92の不具合に伴う再起動時に行われる処理である。
起動処理(サブ)では、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化し(Sr1)、表示制御回路92を初期化した後(Sr2)、RAM91cへのアクセスを許可する(Sr3)。そして、RAM91cの全ての格納領域のRAMパリティを計算し(Sr4)、RAMパリティが0か否かを判定する(Sr5)。
RAM91cのデータが正常であれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sr5のステップにおいてRAMパリティが0であれば、RAM91cに格納されているデータが正常であるので、Sr6のステップに進み、電断前の演出状態を復帰させる。Sr6のステップでは、電断前に最後に実行していた制御パターンを設定した後、Sr7のステップに進む。
また、Sr5のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM91cに格納されているデータが正常ではないので、RAM91cを初期化し(Sr15)、待機パターンを制御パターンとして設定した後(Sr16)、Sr7のステップに進む。
Sr7のステップでは、RAM91cに再起動フラグが設定されているか否か、すなわち表示制御回路92の不具合に伴う再起動であるか否かを判定し、再起動フラグが設定されていればSrのステップに進み、再起動フラグが設定されていない場合、すなわち電源投入に伴う起動であればSr8のステップに進み、コマンド受信割込処理のみを許可し、Sr9のステップに進む。
Sr9のステップでは、初期化コマンドを受信したか否かを判定し、初期化コマンドを受信していない場合には、Sr10のステップに進み、電源投入コマンドを受信した否かを判定する。また、初期化コマンドを受信した場合には、RAM91cを初期化した後(Sr17)、設定中報知パターンを制御パターンとして設定し(Sr18)、Sr13のステップに進む。
Sr10のステップにおいて、電源投入コマンドを受信しなかった場合には、再びSr9のステップに戻り、電源投入コマンドを受信した場合には、Sr11のステップに進む。
Sr11のステップでは、Sr10のステップにおいて受信した電源投入コマンドに基づいて電断前の状態で特別役が当選しているか否かを判定し(Sr15)、電断前の状態で特別役が当選している場合には、特別役の当選を報知する特別役告知パターンを制御パターンとして設定した後(Sr12)、設定された制御パターンに従って、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の制御を行う演出制御処理を実行し(Sr13)、全ての割込を許可して(Sr14)、ループ処理に移行する。
また、Sr11のステップにおいて、電断前の状態で特別役が当選していない場合には、Sr6のステップにおいて設定された制御パターン、すなわち電断前に設定されていた制御パターンに従って、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の制御を行う演出制御処理を実行し(Sr13)、全ての割込を許可して(Sr14)、ループ処理に移行する。すなわちこの時点でタイマ割込処理が許可されることに伴い、コマンドの受信に基づく各種の演出が実行可能な状態となる。
図39は、CPU91aが内部クロックのカウントに基づいて1.12msの間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)の制御内容を示すフローチャートである。
タイマ割込処理(サブ)においては、まず、タッチパネルの動作チェック中を示す検出待ちフラグがRAM91cに設定されているか否かに基づいて、タッチパネルの動作チェック中か否かを判定し(Ss1)、タッチパネルの動作チェック中でなければSs6のステップに進む。
Ss1のステップでタッチパネルの動作チェック中であれば、タッチ操作が検出されたか否かを判定し(Ss2)、タッチ操作が検出されていなければSs16のステップに進み、タッチ操作が検出されていれば、タッチパネルの動作チェックの結果を液晶表示器51に表示させた後(Ss3)、検出待ちフラグをクリアし、タッチパネルの動作チェック中において禁止されていたコマンド受信割込処理を許可し、Ss6のステップに進む。
Ss6のステップでは、受信用バッファにコマンドが格納されているか否か、すなわちメイン制御部41からコマンドを受信しているか否かを判定する。受信用バッファにコマンドが格納されていなければ、Ss16のステップに進み、受信用バッファにコマンドが格納されていれば、受信用バッファからコマンドを取得し(Ss7)、Ss8のステップに進む。
Ss8のステップでは、取得したコマンドが検査コマンドか否かを判定し、検査コマンドでなければSs13のステップに進み、検査コマンドであれば、さらにタッチパネルの動作チェックを指定する検査コマンドであるか否かを判定する(Ss9)。
Ss9のステップにおいてタッチパネルの動作チェックを指定する検査コマンドでなければ、Ss12のステップに進み、タッチパネルの動作チェックを指定する検査コマンドであれば、コマンド受信割込処理の禁止を設定するとともに(Ss10)、タッチパネルの動作チェック中を示す検出待ちフラグをRAM91cに設定し(Ss11)、Ss12のステップに進む。
Ss12のステップでは、取得した検査コマンドが指定する部品及び指定する動作態様を特定し、該当する部品を特定した動作態様にて動作させる動作試験処理を行い、Ss16のステップに進む。
Ss13のステップでは、取得したコマンドが内部当選コマンドの場合に、ROM91bに格納されている演出テーブルを参照し、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定する演出パターン選択処理を実行し、Ss14のステップに進む。
Ss14のステップでは、ROM91bに格納されている制御パターンテーブルを参照し、RAM91cに設定されている演出パターン及び取得したコマンドに対応して登録されている制御パターンを読み出してRAM91cに設定する制御パターン設定処理を実行し、Ss15のステップに進む。
Ss15のステップでは、Ss14のステップにおいて設定された制御パターンに従って、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED等の各種演出装置の制御を行う演出制御処理を実行し、Ss16のステップに進む。
Ss16のステップでは、タッチパネルコントローラ99から取得したデータに基づいてタッチパネルの検出状況を解析するタッチパネル処理を行った後、Ss17のステップに進み、各種カウンタの値を更新する処理を行った後、タイマ割込処理(サブ)を終了する。
以上のようにタイマ割込処理(サブ)では、タッチパネルの動作チェックを指定する検査コマンドを受信して、タッチパネルの動作チェックを行う場合には、コマンド受信割込処理を、タッチ操作が検出されるまでの間禁止するようになっており、この間は、新たなコマンドを受信しないようになっており、この間に新たなコマンドが送信された場合でも、タッチ操作が検出され、動作チェックが完了するまでは、新たなコマンドは受信されず、当該コマンドに基づく処理が行われないようになっている。また、タッチパネルの動作チェックを指定する検査コマンドを受信した後、タッチ操作が検出されるまでの間は、コマンド受信割り込み処理が禁止されるのみならず、受信用バッファに格納されているコマンドの読み出しも行わないようになっており、既にコマンドを受信し、受信したコマンドが受信用バッファに格納されている場合であっても、タッチ操作が検出され、動作チェックが完了するまでは、受信用バッファに格納されているコマンドに基づく処理も行われないようになっている。
[メダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミング]
次に、ゲームの進行を妨げることのない異常(エラー)を検出した場合において、CPU41aが外部出力信号として外部出力基板1000に対して出力するメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力制御について図40〜図42に基づき説明する。ゲームの進行を妨げることのない異常としては、エラー処理を行わなくてもゲームを進行できる異常である。ゲームの進行を妨げることのない異常の具体例としては、リール回転処理中の投入エラーおよび払出エラーや、払出処理中の投入エラーである。
リール回転処理中及び払出処理中の投入エラーは、例えば、メダル投入部4から異物を挿入された場合や、メダルの流路に異物が存在した場合や、リール回転中又は払出処理中にも関わらず、メダル投入部4から投入されたメダルがホッパータンク34a側に流下した場合などに検出される。また、リール回転処理中の払出エラーは、払出タイミングではない場合にメダルが払い出された場合などに検出される。
図40〜図42において、スタートスイッチ、リール回転開始、第1停止、第2停止、第3停止、払出、賭数設定は、ゲーム進行中の各タイミングを示す。具体的には、スタートスイッチは、スタートスイッチ7の操作を検出したタイミングを示す。リール回転開始は、リール2L、2C、2Rが回転を開始したタイミングを示す。第1停止は、全てのリールが未だ回転中の状態で最初に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。第2停止は、いずれか1つのリールが既に停止し、2つのリールが回転中の状態、すなわち2番目に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。第3停止は、いずれか2つのリールが停止し、1つのリールが回転中の状態、すなわち3番目に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。払出は、メダルの払出処理を行っているタイミングを示す。賭数設定は、リプレイ当選後に賭数の設定処理を行っているタイミングを示す。
異常検出は、ゲームの進行を妨げることのない異常を検出したタイミングを示す。メダルOUT信号は、メダルOUT信号の出力状況を示す。具体的には、メダルOUT信号は、1パルス出力することにより1枚のメダルが払い出された旨を示す信号である。セキュリティ信号は、ゲームの進行を妨げることのない異常が発生したことを示す信号(例えば、投入エラー信号や払出エラー信号)の出力状況を示す。
図40は、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出し、かつメダルの払出のある入賞が発生した場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。本実施の形態では、図示するとおり、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、リール回転処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
また、従来知られているように、ゲーム中に異常検出したときに、ゲーム終了後に異常報知する場合、ゲームに関する処理を終了した後に異常信号の出力を行うと、「ゲーム中の異常」と「ゲーム終了直後の異常」の区別がつかない。しかしながら、本実施の形態では、ゲームを開始してから遊技媒体の付与を終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、遊技媒体の付与が終了した後、メダルOUT信号の出力を完了する前にセキュリティ信号の出力を開始する。これにより、例えば、ホールコンピュータ140が、収集ユニット50によって収集されたメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを解析し、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号が出力されていたことを検出することで、「ゲーム直後の異常」ではなく、「ゲーム中の異常」であることを区別することができる。
図41は、メダルの払出のある入賞が発生し、かつ払出処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。本実施の形態では、図示するとおり、払出処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、払出処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
また、従来知られているように、払出中に異常検出したときに、払出終了後に異常報知する場合、ゲームに関する処理を終了した後に異常信号の出力を行うと、「払出中の異常」と「払出終了直後の異常」の区別がつかない。しかしながら、本実施の形態では、遊技媒体の付与を開始してから遊技媒体の付与を終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、遊技媒体の付与が終了した後、メダルOUT信号の出力を完了する前にセキュリティ信号の出力を開始する。これにより、例えば、ホールコンピュータ140が、収集ユニット50によって収集されたメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを解析し、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号が出力されていたことを検出することで、「払出終了直後の異常」ではなく、「払出中の異常」であることを区別することができる。
図42は、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出し、かつリプレイの入賞が発生した場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。本実施の形態では、図示するとおり、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、リプレイの入賞による賭数処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、リール回転処理中に異常が発生した状況で賭数が設定されたことを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。なお、図示する例では、賭数設定の横軸が長いが、実際は一瞬である。
また、従来知られているように、ゲーム中に異常検出したときに、ゲーム終了後に異常報知する場合、ゲームに関する処理を終了した後に異常信号の出力を行うと、「ゲーム中の異常」と「ゲーム終了直後の異常」の区別がつかない。しかしながら、本実施の形態では、ゲームを開始してから遊技媒体の付与を終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、リプレイの入賞による賭数処理を終了した後、メダルOUT信号の出力を完了する前にセキュリティ信号の出力を開始する。これにより、例えば、ホールコンピュータ140が、収集ユニット50によって収集されたメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを解析し、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号が出力されていたことを検出することで、「ゲーム直後の異常」ではなく、「ゲーム中の異常」であることを区別することができる。
なお、ゲームの進行を妨げることのない異常を検出するタイミングは、図40,図42に示す例ではリールの回転中であり、図41に示す例では払出処理中であるが、これに限らない。例えば、ウェイト中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合や、フリーズ中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合や、精算中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合などにおいても、図40〜図42に記載の例と同様に、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、各処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 従来では、リールを1回転させるためにカウントされたステップ数と、閾値とを用いてリール回転エラーの発生の有無が判断されていた。ここで、たとえば、図柄の数20個であり、1図柄分を駆動させるためのステップ数が16である場合には、リールを1回転させるためにカウントされたステップ数は、320前後となる。したがって、閾値、および閾値と比較される値の双方ともに9ビットの情報が用いられていたことから、該判断処理に必要な記憶容量の増加を招いていた。
これに対し、本実施形態では、図29のS72に示すように、位相信号カウンタを用いずに、5ビットのカウンタである図柄カウンタの値と、5ビットの異常値(閾値)とを用いて、リール回転エラーの発生の有無が判断される。したがって、従来と比較して、判断処理に必要な記憶容量が増加することを防止できる。
(2) 図29に示すように、目印304が検知されたときに(S82のYes)、S86において、位相信号カウンタは0に初期化される。したがって、位相信号カウンタについてズレを生じさせることなく、次回以降の目印検知処理(図29のS80)を実行することができる。たとえば、稀に、S78において位相信号カウンタが0であると判断されたときから、S82でYesと判断されるまでの間に、位相信号カウンタの値が変動してしまう場合がある。この場合であっても、S86において位相信号カウンタの値を0に初期化させることから、次回以降の目印検知処理を実行することができる。
(3) 図柄カウンタの値が、異常値である25であると判断されることにより(S72のYes)、リール回転エラーが発生したと判断されたときには(S74)、図柄カウンタの値が0に初期化された後に、原点通過時処理は終了する。仮に、リール回転エラーが発生した後に、図柄カウンタの値を0に初期化せずに図柄カウンタの値が異常値のまま原点通過時処理が終了した場合には、リール回転エラーが発生したと判定された契機となった図柄カウンタの値により、リール回転エラーが発生したと再び判定される、つまり、図柄カウンタの値が異常値のまま原点通過時処理が終了した場合には、次のS72の処理の度に、リール回転エラーが発生したと判断されるという不合理が生じる。本実施形態では、リール回転エラーが発生したと判断されたときには(S74)、図柄カウンタの値を0に初期化することにより、このような不合理が生じることを防止できる。
(4) 図29のS78、S80に示すように、位相信号カウンタが0になったと判断されたときのみ(S78のYes)、S80の目印検知処理を実行する。したがって位相信号カウンタの値に関わらず(位相信号カウンタの値が0〜15のいずれであっても)、S80の目印検知処理を実行するスロットマシンと比較して、目印検知処理の実行頻度を低減させることができ、目印検知処理の処理負担を軽減できる。
(5) また、中心部320と目印304とが結ぶ線上に図柄番号0の図柄の中央部が位置する。ここで、中心部320と目印304とが結ぶ線上に、図柄番号0の図柄の中央部ではなく、図柄番号0の図柄の端部(ここでは、「図柄番号0の図柄」と「図柄番号1の図柄」との境界近傍の部分)に存在する場合に、リール停止制御についてズレが生じ得ることについて説明する。たとえば、図柄番号10の図柄を停止させるリール停止制御を実行する場合には、基準位置から160(=10×16)ステップ駆動させた図柄を停止させることになる。ここで、中心部320と目印304とが結ぶ線上に図柄番号0の図柄の端部が存在することから、実際は、基準位置から160ステップ駆動させた図柄(図柄番号10の図柄)を停止させるべきであるところ、図柄番号が11である図柄を停止させるというズレが生じる虞がある。
本実施形態のように、中心部320と目印304とが結ぶ線上に図柄番号0の図柄の中央部が位置することから、このようなズレが生じることを防止できる。したがって、本実施形態のスロットマシンであれば安定したリール停止制御を実行することができる。
(6) 図29のS72に示すように、図柄カウンタの異常値は、図柄数(20)よりも多い「25」に設定されている。仮に、図柄カウンタの異常値を、図柄数と同一の値とした場合には、以下に示すように、図29のS74の処理が頻発して行われるようになる。ゲーム進行操作において重要ではないエラー(たとえば、リールモータの脱調など)の発生により、リールモータ33の実際の駆動量と、図柄カウンタとの間で微小な差異が生じることにより、図柄カウンタの値が図柄数(20)よりも多い値、たとえば、「21」になる場合がある。このように、ゲーム進行操作において重要ではないエラーが生じたときまでも、リール回転エラーが発生したとしてS74の処理を実行すると、発生したと判断されたエラーのうち、重大なリール回転エラーがどれなのかをたとえばホール側の責任者などは判断し難くなってしまう。
これに対し、本実施形態では、図柄カウンタの異常値を図柄数よりも多い値としていることで、図柄カウンタとの間で微小な差異が生じた場合であっても、S74の処理を実行しないことから、S74の処理が頻発することを防止できる。
(7) 本実施の形態では、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、リール回転処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
(8) 本実施の形態では、ゲームを開始してから遊技媒体の付与を終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、遊技媒体の付与が終了した後、メダルOUT信号の出力を完了する前にセキュリティ信号の出力を開始する。これにより、「ゲーム直後の異常」ではなく、「ゲーム中の異常」であることを区別することができる。
(9) 本実施の形態では、払出処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、払出処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
(10) 本実施の形態では、遊技媒体の付与を開始してから遊技媒体の付与を終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、遊技媒体の付与が終了した後、メダルOUT信号の出力を完了する前にセキュリティ信号の出力を開始する。これにより、「払出終了直後の異常」ではなく、「払出中の異常」であることを区別することができる。
(11) 本実施の形態では、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、リプレイの入賞による賭数処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、リール回転処理中に異常が発生した状況で賭数が設定されたことを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
(12) 本実施の形態では、ゲームを開始してから遊技媒体の付与を終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、リプレイの入賞による賭数処理を終了した後、メダルOUT信号の出力を完了する前にセキュリティ信号の出力を開始する。これにより、「ゲーム直後の異常」ではなく、「ゲーム中の異常」であることを区別することができる。
(13) 本実施の形態では、リセット/設定スイッチ38(解除操作手段)はスロットマシン1の筐体1aの内部に設けられている。不正な異常の解除を防ぐため、前面扉1bが閉鎖されている状態では、リセット/設定スイッチ38の操作を無効にするようにしてもよい。なお、前面扉1bが閉鎖されている状態としては、前面扉1b自体が閉じている状態としてもよく、前面扉1bの鍵が閉じている状態としてもよい。
(14) 本実施の形態では、ゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合(例えば、図23のSh8,Sh9、図24のSi11)、リール回転処理を終了した後に、エラー処理(遊技の進行停止)を行う(ステップSj10)。これにより、制御が複雑になることがない。
(15) 本実施の形態では、ゲームの進行を妨げる可能性のある異常を検出した場合には、異常の検出時点にエラー処理(異常報知、遊技の進行停止)を行う(例えば、図20のSe8、図22のSg4、図23のSh13)。これにより、好適に異常報知を行うことができる。
[変形例]
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。本発明は、上記の実施例に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例などについて説明する。また、前述した本実施形態で説明した技術事項、および、以下の変形例で説明する技術事項のうち少なくとも2つを組み合わせて実施するようにしてもよく、前述した本実施形態で説明した技術事項を以下の変形例で説明する技術事項に置換して実施するようにしてもよく、当該置換したものに対して、以下の変形例で説明する技術事項をさらに組み合わせて実施するようにしてもよい。
[図柄の数について]
上述した例では、図柄の数は20であるとして説明した。しかしながら、図柄の数は他の数としてもよい。たとえば、図柄の数は21としてもよい。この場合において、リールを1回転させるために必要な、リールモータのステップ数は、336(=21×16)などとするようにしてもよい。また、図柄カウンタの異常値を「26」などとしてもよい。
[現通過時処理について]
(1) 上述した例では、図柄カウンタの異常値は、25であるとして説明した。しかしながら、図柄カウンタの異常値は、25以上としてもよい。このような構成の場合には、メイン制御部41の暴走などにより、図柄カウンタの値がたとえば、26などになったときでも、リール回転エラーが発生したと判断できることから、メイン制御部41の暴走などが生じたか否かも判断できる。
(2) 上述した例では、図柄カウンタの値が異常値になったとしても、リールの回転を停止させないとして説明した。しかしながら、図柄カウンタの値が異常値になったときには、3つのリールのうちの少なくとも1つのリールの回転を停止させるようにしてもよい。このような構成によれば、たとえば、遊技者の不正により図柄カウンタの値が異常値になったときでも、3つのリールのうちの少なくとも1つのリールの回転を停止することから、「遊技者自身の不正により、リールが停止したこと」を、不正を行った遊技者、および遊技店の店員に対して報知することができ、不正を行わせないように遊技者に促すことができる。
[基準位置について]
(1) 上述した例では、1図柄分の量を駆動させるステップ数は「16」というように偶数である。したがって、図32に示すように、基準位置は、リールの回転方向において図柄の完全に中央に対応する位置に設けることはできず、隣接する図柄のうちのいずれかの図柄に寄った位置(図32の例では、図柄番号1の図柄側に寄った位置)に対応する位置に設けられている。
たとえば、1図柄分の量を駆動させるステップ数を奇数(たとえば、「17」)としてもよい。このような構成の場合には、目印304は、リールの回転方向において図柄の完全に中央に対応する位置に設けることができる。たとえば、1図柄分の量を駆動させるステップ数が「17」であるときには、図32では、図柄番号0の図柄の位相信号カウンタの値において、下から8、9、10、11、12、13、14、15、0(目印304)、1、2、3、4、5、6、7、8とすることができる。
このように、リールの回転方向において図柄の完全に中央に対応する位置に目印304を設けることにより、さらにズレのないリール停止制御を実行することができる。
(2) 上述した例では、図32に示すように、目印304は、隣接する図柄のうちの図柄番号「1」の図柄側に寄った位置に対応する位置に設けられるとして説明した。しかしながら、目印304は、隣接する図柄のうちの図柄番号「19」の図柄側に寄った位置に対応する位置に設けられるようにしてもよい。このような構成であっても、本実施形態と同様の効果を奏することができる。
(3) 上述した例では、基準位置を示す目印304は、突出片状であるとして説明した。しかしながら、目印304は、基準位置を検出できるものであれば、他のものであってもよい。たとえば、目印304は、回転ドラム302に設けられた切欠部としてもよい。また、目印304は、回転ドラムに設けられるものでなくても、リールシート306に設けられるものであってもよい。この場合には、美観の観点からリールシート306に設けられた目印304は、遊技者から見えない位置に設けられることが好ましい。
(4) 上述した例では、図32に示すように、基準位置は、図柄番号0の図柄の完全な中央位置から1ステップ分だけ図柄番号1の図柄側に寄った位置であるとして説明した。その結果、図32に示すように、図柄カウンタの値と、図柄番号との間にズレが生じてしまう。そこで、図44に示すように、図柄カウンタの値と、図柄番号とが一致するような構成にしてもよい。このような構成によれば、メイン制御部41は、位相信号カウンタの値を参照する必要はなく、図柄カウンタの値のみを参照することで、入賞ラインL1上に停止している図柄の図柄番号を特定できる。したがって、メイン制御部41が入賞ラインL1上に停止している図柄の図柄番号を特定する処理の処理負担を軽減できる。また、メイン制御部41からサブ制御部91に対して送信される図柄コマンドについても、図柄カウンタの値を特定できるコマンドにすればよいことから、図柄コマンドの生成処理、および図柄コマンドの容量を低減できる。なお、この変形例の場合には、図44に示すように、基準位置は、図柄番号の図柄の端部(図44の例では、「図柄番号0の図柄」と「図柄番号19の図柄」との境界近傍の部分)となる。
(5) 上述した例では、基準位置は、図柄カウンタの値および位相信号カウンタの値の双方が「0」となる位置であるとして説明した。しかしながら、基準位置は、図柄カウンタの値および位相信号カウンタの値のうちの少なくとも一方が、「0」とは異なる位置であるとしてもよい。
[カウンタについて]
上述した例では、図27のS172、S176に示すように、位相信号カウンタおよび図柄カウンタの双方は1ずつ加算されるものであるとして説明した。しかしながら、位相信号カウンタおよび図柄カウンタのうちの少なくとも1つは、1ずつ減少されるものであってもよい。たとえば、位相信号カウンタが1ずつ減少するものであれば、位相信号カウンタの初期値は15となり、S78の処理は、「位相信号カウンタ=15?」などとなる。また、図柄カウンタが1ずつ減少するものであれば、図柄カウンタの初期値は25となり、図柄カウンタの異常値は、5となる(S72)。
[終了処理について]
上述した例では、図25の終了処理では、Sj7の投入不可フラグを設定するとして説明した。しかしながら、変形例として、Sj7の処理を削除するようにしてもよい。つまり、リプレイゲームであるときであっても、投入不可フラグはRAM41cに設定されないことから、メダルの投入が可能な状態となる。つまり、この変形例では、リプレイゲームであるときには、Sj4〜Sj6の処理が実行されること以外では、リプレイゲームではないゲーム(Sj3でNO)と同一の処理(Sj8〜Sj10の処理)が実行されることになる。なお、リプレイゲームであるときには、BETカウンタの値が規定数になることから(Sj6)、次のゲームのBET処理(図20参照)では、メダル投入されなくてもBETカウンタは規定数であると判定されるようになる(Se25でYes)。
また、この変形例の場合には、投入不可フラグは、クレジットカウンタの値が上限値である50であるときにのみ(図20のSe22でYES)、設定されているものとなる(Se23)。
このような構成によれば、Sj7の処理を実行しなくてもよいことから、終了処理の処理負担を軽減できる。また、遊技者は、リプレイゲームであっても、メダル投入してクレジットの増加更新を実行することが出来ることから、遊技者の利便性を向上させることができる。
[メダルOUT信号などについて]
例えば、上述した例では、メダルの払出のある入賞が発生した場合には、払出処理の終了後にメダルOUT信号を出力しているが、これに限らない。例えば、メダルが1枚払出される毎に、メダルOUT信号を出力するようにしてもよい。図43は、メダルの払出直後にメダルOUT信号を出力する場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。
図示する例では、払出処理(メダル払出)を終了した後、最後のメダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。すなわち、この場合においても、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理(メダル払出)を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、メダルが1枚払出される毎に、メダルOUT信号を出力する場合においても、リール回転処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、メダルが1枚払出される毎に、メダルOUT信号を出力する場合においても、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。なお、この場合、メダルOUT信号のパルス幅よりも、収集ユニット50がメダルOUT信号およびセキュリティ信号を収集する間隔を短くすることで、ホールコンピュータ104は、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号が出力されていたことを検出することができる。これにより、「ゲーム直後の異常」ではなく、「ゲーム中の異常」であることを区別することができる。
また、上述した例では、異常(エラー)の例として「投入エラー(セレクターエラー)」や「払出エラー(ホッパーエラー)」を用いて説明したが、電波による異常や、振動によるエラーなど、どのような異常であっても本実施形態を適用可能である。
また、上述した例では、パラレル・シリアル変換回路1002は、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、(予備信号)を、図13(b)に示すように、データフォーマットにてシリアル信号に変換してセキュリティ信号として出力しているが、これに限らない。例えば、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、(予備信号)をシリアル信号に変換せず、1種類のセキュリティ信号として出力するようにしてもよい。すなわち、どの異常が発生したとしても、1種類のセキュリティ信号を出力するようにしてもよい。なお、この場合、ホールコンピュータ140は異常が発生したことを検出することはできるが、異常の内容を特定することができない。
また、例えば、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、(予備信号)をシリアル信号に変換せず、信号毎に出力端子を設け、そのままパラレルで個別に信号を出力するようにしてもよい。この場合、ホールコンピュータ140は各信号を収集することができるため、異常の内容を特定することができる。また、上述した例では、ビットのon/offで各信号の内容を出力しているが、これに限らない。例えば、コマンドを用いて、各信号の内容を出力するようにしてもよい。
また、上述した例では、メダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、(CT中信号、CB中信号)と、セキュリティ信号とを異なる端子で出力しているが、これに限らず、パラレル・シリアル変換回路1002は、全ての信号または一部の信号をシリアル信号に変換して同一端子から出力するようにしてもよい。
また、上述した例では、ステッピングモータ(リールモータ32)はリール2の駆動に用いているが、これに限らない。例えば、ステッピングモータ(リールモータ32)を、パチンコのドラムや演出用の可動部材、払出装置のスプロケットなどに用いてもよい。
例えば、ステッピングモータを演出用の可動部材に用いる場合には、可動部材の停止位置に合わせてステッピングモータの停止ステップが複数設定される。この場合においても、ステッピングモータの各停止ステップを同一の励磁相にする。これにより、停止ステップより所定ステップ前の全相励磁停止制御の開始タイミングも同一の励磁相となり、実際に可動部材が停止するまでの動きのばらつきを低減させることができる。
また、例えば、払出装置は、スプロケットが所定角度回転する毎にメダル(遊技球)が1枚(球)払い出される。メダル(遊技球)の払出を1枚(球)単位で制御するために、スプロケットには複数の停止位置が設定されている。よって、ステッピングモータを払出装置のスプロケットに用いる場合には、スプロケットの複数の停止位置に合わせてステッピングモータの停止ステップが複数設定される。この場合においても、ステッピングモータの各停止ステップを同一の励磁相にする。これにより、停止ステップより所定ステップ前の全相励磁停止制御の開始タイミングも同一の励磁相となり、実際にスプロケットが停止するまでの動きのばらつきを低減させることができる。
また、上述した例では、ゲームの進行を妨げることのない異常(エラー)を検出した場合には、終了処理でエラー処理を行い、レジスタに格納されているエラーコードを遊技補助表示器12に表示して異常を報知しているが、これに限らない。例えば、異常を検出した時点から、レジスタに格納されているエラーコードを遊技補助表示器12に表示して異常を報知するようにしてもよい。また、異常の報知方法は、遊技補助表示器12にエラーコードを表示するだけではなく、液晶表示器51にエラー内容など表示するようにしてもよい。
また、上述した例では、ゲームの進行を妨げることのない異常(エラー)を検出した場合には、終了処理でエラー処理を行っているが、これに限らない。例えば、リール2L、2C、2Rのいずれも回転していないときにゲームの進行を妨げることのない異常(エラー)を検出した場合には、即エラー処理を行うようにしてもよい。すなわち、リール2L、2C、2Rのいずれも回転していないときにゲームの進行を妨げることのない異常(エラー)を検出した場合には、セキュリティ信号を即出力するとともに、即遊技の進行を停止するようにしてもよい。
[パチンコ遊技機について]
本実施の形態では、モータ位相信号処理(図27)、原点通過時処理(図29)、およびリール2などは、スロットマシン1に適用されるものとして説明した。しかしながら、モータ位相信号処理(図27)、原点通過時処理(図29)、およびリール2などは、パチンコ遊技機に適用してもよい。該パチンコ遊技機とは、たとえば、リールを備えているものである。このようなパチンコ遊技機においては、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当たり状態)に制御されることが決定されたときには、該リールを回転させて、特定表示結果を導出させる。たとえば、導出されることで、遊技者にとって有利な状態(確変状態や大当たり状態)となる図柄に対して、透過部を設けたり、透過度合いを高めたりするようにしてもよい。
[設定変更状態および設定確認状態について]
設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行するようにしてもよい。また、設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
[その他]
(1) 本実施形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、本実施形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、これに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、本実施形態においては、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちのいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえばメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
(2) 本実施形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、すべてのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。また、本実施形態では、リール2L、2C、2Rは縦方向に回転するリールであるが、リール2L、2C、2Rは横方向や斜め方向など、どの方向に回転するリールであってもよい。
(3) 本実施形態に係るスロットマシン1は、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な複数の可変表示領域(透視窓3)のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、複数の可変表示領域のすべてに表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として複数の可変表示領域のそれぞれに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであってもよい。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
また、パチンコ遊技機においては、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すパチンコ遊技機を採用してもよく、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のパチンコ遊技機を採用してもよい。封入式のパチンコ遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉をパチンコ遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、パチンコ遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取り付けた構成であるが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。