JP2017017552A - デジタル放送受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な受信状態を低コストに実現可能なデジタル放送受信装置を提供する。【解決手段】第1の受信信号および第2の受信信号をダイバーシティ合成するダイバーシティ合成部(1B)と、第1の受信信号を受信するためのアンテナ(11)と、他のデジタル放送受信装置にて受信された第2の受信信号を取得する通信部(19)と、を備えているデジタル放送受信装置。【選択図】図2

Description

本発明は、空間ダイバーシティ方式のデジタル放送受信装置に関する。
アンテナケーブルレスの地上波デジタル放送受信機には、主として無指向性のアンテナが内蔵されている。そのため、放送波を送信する送信アンテナからの距離に応じて信号強度が変化したり、遮蔽物等を含む受信環境に応じて電波状態が劣化したりすることにより、受信機において放送波を良好に受信することができない場合がある。
そこで、複数のアンテナを異なる位置や向きに配置し、各アンテナにチューナを接続したデジタル放送受信機において、各チューナの出力信号を合成することで、受信状態を改善する空間ダイバーシティ方式(以下、「ダイバーシティ方式」と呼ぶ)が、車載受信機、携帯受信機等に広く利用されている。
例えば、特許文献1には、装置本体に内蔵された固定アンテナにより得られた受信信号と、装置本体に接続されたイヤホンに内蔵された小型アンテナにより得られた受信信号とを合成するダイバーシティ受信装置が開示されている。
特開2005−260701号公報(2005年9月22日公開)
しかしながら、特許文献1のダイバーシティ受信装置のように、複数のアンテナおよび複数のチューナを、装置本体または装置本体に接続された付属品(例えば、イヤホン)に内蔵するデジタル放送受信機では、ハードウェア部品点数の増大により、受信機としてのサイズ、消費電力、製品コスト等が増加するという課題がある。また、アンテナ同士が接近するので、空間ダイバーシティ方式による受信状態改善の効果が制限され、その結果、必ずしも十分に良好な受信状態が得られないという課題もある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な受信状態を低コストに実現可能なデジタル放送受信装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るデジタル放送受信装置は、第1の受信信号および第2の受信信号をダイバーシティ合成する合成部と、前記第1の受信信号を受信するためのアンテナと、他のデジタル放送受信装置にて受信された前記第2の受信信号を取得する取得部と、を備えている。
また、本発明の一態様に係るデジタル放送受信装置は、アンテナと、前記アンテナで受信した受信信号を他のデジタル放送受信装置に提供する提供部と、受信信号を他のデジタル放送受信装置に提供することを許可するか否かをユーザに設定させるための画面を生成する画面生成部と、を備えている。
また、本発明の一態様に係るデジタル放送受信装置は、アンテナと、第2の受信信号と、前記アンテナで受信した第1の受信信号とをダイバーシティ合成する合成部と、他のデジタル放送受信装置にて受信された前記第2の受信信号を取得する取得部と、前記アンテナで受信した第3の受信信号を他のデジタル放送受信装置に提供する提供部と、を備えている。
本発明の一態様によれば、デジタル放送受信装置において良好な受信状態を低コストに実現することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態1に係るデジタル放送受信機の屋内配置を示す配置図である。 本発明の実施形態1に係るデジタル放送受信機の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態1に係るマスタ受信機の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態1に係るスレーブ受信機の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態2に係るマスタ受信機の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態3に係るスレーブ受信機の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態3に係るスレーブ受信機の表示画面の例を示す画面構成図である。 本発明の実施形態4に係るマスタ受信機およびスレーブ受信機の配置を示す配置図である。 本発明の実施形態5に係る兼用受信機の構成を示す構成図である。 本発明の実施形態6に係る兼用受信機の構成を示す構成図である。 本発明の実施形態7に係る兼用受信機の構成を示す構成図である。 本発明の実施形態7に係る兼用受信機が記憶するCH管理テーブルの構成を示す構成図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成は、特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
〔実施形態1〕
〈システムの構成と概要〉
まず、本発明の実施形態1に係るデジタル放送受信システムについて、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るデジタル放送受信システムの構成を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係るデジタル情報受信システムは、マスタ受信機1として機能するデジタル放送受信機(デジタル放送受信装置)、および、スレーブ受信機2a,2bとして機能するデジタル放送受信機により構成されている。マスタ受信機1およびスレーブ受信機2a,2bは、屋内に配置されており、通信路3を介して互いに通信可能に構成されている。各受信機1,2a,2bは、一般的な無指向性アンテナと、それに接続された復調部とを有する地上波デジタル放送受信機であり、例えば、テレビジョン受像機である。通信路3は、有線または無線のLAN(Local Area Network)でもよいし、有線または無線の機器間通信によるものでもよい。
マスタ受信機1は、内蔵アンテナにてデジタル放送の放送波を電気信号に変換すると共に、この電気信号から特定のチャンネル(例えば、ユーザにより選択されたチャンネル)に対応する第1の復調信号(請求項における「第1の受信信号」)を復調する。また、マスタ受信機1は、上記特定のチャンネルに対応する、スレーブ受信機2a,2bにて復調された第2の復調信号(請求項における「第2の受信信号」)をスレーブ受信機2a,2bから取得すると共に、自身が復調した第1の復調信号とスレーブ受信機2a,2bが復調した第2の復調信号とをダイバーシティ合成する。本実施形態に係るデジタル放送受信システムにおいて、通信路3は、マスタ受信機1がスレーブ受信機2a,2bから第2の復調信号を取得するために利用される。
なお、本実施形態においては、3台のデジタル放送受信機からなるデジタル放送受信システムを例示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明に係るデジタル放送受信システムを構成するデジタル放送受信機の台数は2台以上であればよい。N台(Nは2以上の任意の整数)のデジタル放送受信機からなるデジタル放送受信システムにおいては、各デジタル放送受信機がマスタ受信機として機能し、残りN−1台のデジタル放送受信機がスレーブ受信機として機能することになる。
各デジタル放送受信機にてダイバーシティ合成可能な復調信号の数Mがデジタル放送受信システムを構成するデジタル放送受信機の台数N以上である場合、マスタ受信機として機能するデジタル放送受信機は、スレーブ受信機として機能する残りN−1台のデジタル放送受信機から取得したN−1個の復調信号を、自身で復調した1個の復調信号とダイバーシティ合成することができる(このとき、最も効果的に受信状態の改善を図ることができる)。ただし、マスタ受信機にて復調した復調信号にダイバーシティ合成する復調信号の個数がN−2個以下であっても、受信状態の改善に関して一定の効果が得られる。このため、マスタ受信機として機能するデジタル放送受信機は、スレーブ受信機として機能する残りN−1台のデジタル放送受信機より選択されたN−2台以下のデジタル放送受信機から取得したN−2個以下の復調信号を、自身で復調した1個の復調信号とダイバーシティ合成するように構成されていてもよい。
一方、各デジタル放送受信機にてダイバーシティ合成可能な復調信号の数Mがデジタル放送受信システムを構成するデジタル放送受信機の台数Nよりも少ない場合、マスタ受信機として機能するデジタル放送受信機は、スレーブ受信機として機能する残りN−1台のデジタル放送受信機より選択されたM−1台デジタル放送受信機から取得したM−1個の復調信号を、自身で復調した1個の復調信号とダイバーシティ合成することができる(このとき、最も効果的に受信状態の改善を図ることができる)。ただし、マスタ受信機にて復調した復調信号にダイバーシティ合成する復調信号の個数がM−2個以下であっても、受信状態の改善に関して一定の効果が得られる。このため、マスタ受信機として機能するデジタル放送受信機は、スレーブ受信機として機能する残りN−1台のデジタル放送受信機より選択されたM−2台以下のデジタル放送受信機から取得したM−2個以下の復調信号を自身で復調した1個の復調信号とダイバーシティ合成する構成であってもよい。
また、本実施形態においては、マスタ受信機およびスレーブ受信機として、テレビジョン受像機等のフルセグ受信機を想定しているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、スマートフォン等のワンセグ受信機にも適用することが可能であり、フルセグ受信機に適用した場合と同様、受信状態を改善する効果が得られる。
〈受信機の構成〉
次に、本実施形態に係るマスタ受信機1およびスレーブ受信機2a,2bの構成について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係るマスタ受信機1およびスレーブ受信機2a,2bの構成を示すブロック図である。図2には、1台のマスタ受信機1および2台のスレーブ受信機2a,2bが示されている。マスタ受信機1およびスレーブ受信機2a,2bは、同じデジタル放送受信機なので、同じ構成を備えている。ただし、図2では、スレーブ受信機2a,2bを構成するブロックとして、マスタ受信機1に復調信号を提供する機能を実現するためのブロックのみを示し、その他の機能を実現するためのブロックについての図示を省略している。
図2に示すように、マスタ受信機1は、アンテナ11、復調部101、バッファ17、制御部(判定部、比較特定部)18、通信部(取得部)19、位相調整バッファ1A、ダイバーシティ合成部(合成部)1B、誤り訂正復号部102を備えている。
アンテナ11は、一般的な無指向性アンテナであり、デジタル放送の放送波を電気信号に変換する。
復調部101は、アンテナ11にて得られた電気信号から、特定のチャンネルに対応する復調信号を復調する(生成する)ものであり、チューナ12、A/D変換部13、直交復調部14、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)部15、およびキャリア復調部16を備えている。
チューナ12は、アンテナ11にて得られた電気信号を検波することによって、特定のチャンネルに対応するIF信号を抽出する。A/D変換部13は、チューナ12にて抽出されたIF信号をA/D変換する。直交復調部14は、A/D変換部13にてデジタル化されたIF信号を直交復調することによって、ベースバンドOFDM信号を生成する。FFT部15は、直交復調部14にて得られたベースバンド信号を高速フーリエ変換することによって、I/Q信号を生成する。IQ信号には、データ信号、SP(Scattered Pilot)信号、CP(Continual Pilot)信号等が含まれる。キャリア復調部16は、FFT部15にて得られたSP信号から通信路の伝達関数を推定すると共に、FFT部15にて得られたデータ信号を推定した伝達関数で複素除算することによって、復調信号(キャリア復調されたデータ信号)を得る。復調部101にて復調された復調信号のことを、以下、「第1の復調信号」とも記載する。
バッファ17は、復調部101にて復調された第1の復調信号を蓄積するためのものである。バッファ17に蓄積された第1の復調信号は、後述する位相調整バッファ1Aに定期的に転送される。
制御部18は、復調部101にて復調された第1の復調信号の良否判定(受信信号の信号品質の良否判定)を行う。第1の復調信号の良否判定の方法は特に限定されないが、本実施形態においては、後述する誤り訂正復号部102から出力されるMPEG−TSのエラー率に基づいて第1の復調信号の良否を判定する方法を採用している。すなわち、制御部18は、(1)MPEG−TSのエラー率を算出し、(2)算出したエラー率が予め定められた閾値を上回った場合、第1の復調信号は「良好でない」と判定し、(3)算出したエラー率が予め定められた閾値を下回った場合、第1の復調信号は「良好である」と判定する。なお、マスタ受信機1がCNR(搬送波対雑音比)を測定する機能を有している場合には、CNRに基づいて第1の復調信号の良否を判定する方法を採用してもよいし、MPEG−TSのエラー率およびCNRの両方に基づいて第1の復調信号の良否を判定する方法を採用してもよい。MPEG−TSのエラー率およびCNRの両方に基づいて第1の復調信号の良否を判定する場合には、例えば、エラー率が予め定められた第1の閾値を下回り、かつ、CNRが予め定められた第2の閾値を上回ることを、「良好ある」とあると判定する判定基準とすればよい。
通信部19は、復調部101にて復調された第1の復調信号が「良好でない」と判定された場合に、スレーブ受信機2a・2bから、その復調部201a・201bにて復調された、上記特定のチャンネル(マスタ受信機1の復調部101における復調対象チャンネル)に対応する第2の復調信号を取得する。具体的には、以下の手順で第2の復調信号を取得する。
手順1:予め定められた複数のスレーブ受信機2a,2bに対して復調部201a,202bの利用可否確認を指示する。
手順2:復調部201a,201bの利用可否確認を指示したスレーブ受信機2a,2bのうち、「利用可能」である旨の通知を返したスレーブ受信機(以下、スレーブ受信機2aとする)に対して、復調対象チャンネルを上記特定のチャンネル(マスタ受信機1の復調部101における復調対象チャンネル)に設定するように指示する。
手順3:復調対象チャンネルの設定を指示したスレーブ受信機2aから、その復調部201aにて復調された第2の復調信号を取得する。
通信部19にて取得された第2の復調信号は、復調部101にて復調された第1の復調信号と共に位相調整バッファ1Aに格納される。これにより、例えば通信路3のスループット低下により第2の復調信号が第1の復調信号に対して遅延したとしても、第2の復調信号の遅延量が十分に小さければ(あるいは、位相調整バッファ1Aの容量が十分に大きければ)、互いに同期した第1の復調信号と第2の復調信号とを位相調整バッファ1A内に共存させることができる。
ダイバーシティ合成部1Bは、互いに同期した第1の復調信号と第2の復調信号とを位相調整バッファ1Aから読み出し、読み出した第1の復調信号と第2の復調信号とをダイバーシティ合成する。ダイバーシティ合成の方法には、選択合成法、等利得合成法、最大比合成法などがある。選択合成法は、複数の受信波のうち、最大の信号対雑音比(SNR: Signal to Noise Ratio)を有する受信波を選択する方法である。等利得合成法は、すべての受信波の位相が同位相になるよう位相調整して合成する方法である。最大比合成法は、すべての受信波の位相が同位相になるよう位相調整した後、合成波のSNRが最大となるように、各受信波にその包絡線を乗算して合成する方法である。
なお、ダイバーシティ合成部1Bは、第1の復調信号と同期した第2の復調信号の何れかを位相調整バッファ1Aから読み出すことができなかった場合、読み出すことができなかった第2の復調信号は用いずにダイバーシティ合成を行い、得られた復調信号を誤り訂正復号部102に供給する。また、第1の復調信号と同期した第2の復調信号の何れをも位相調整バッファ1Aから読み出すことができなかった場合、ダイバーシティ合成を行うことなく第1の復調信号を誤り訂正復号部102に供給する。これにより、誤り訂正復号部102から出力されるMPEG−TSが途絶すること(すなわち、映像/音声の再生が途絶すること)を防止することができる。
誤り訂正復号部102は、ダイバーシティ合成部1Bにてダイバーシティ合成された復調信号に対する誤り訂正復号を行うものであり、周波数・時間デインタリーブ部1C、デマッピング部1D、ビットデインタリーブデパンクチャビダビ復号部1E、バイトインタリーブ部1F、および、TS再生RS復号部1Gを備えている。
周波数・時間デインタリーブ部1Cは、セグメント内デインタリーブ処理を施し、時間的誤り分散を目的とした時間デインタリーブ処理を施す。デマッピング部1Dは、QPSK、16QAM、64QAM復調信号の再割付処理を行う。ビットデインタリーブデパンクチャビダビ復号部1Eは、多値シンボルの誤り分散を目的としたビットデインタリーブ処理を行い、畳み込み符号のビット補間を行い、誤り訂正内符号の処理を行う。バイトインタリーブ部1Fは、誤りが集中しないように、バースト状の残留誤りの分散を目的とした深さ12バイトのデインタリーブ処理を施す。TS再生RS復号部1Gは、トランスポートストリーム再生のためのストリーム処理を行い、短縮化リードソロモン符号RS(204,188)の復号を行う。
図2に示すように、スレーブ受信機2aは、アンテナ21a、復調部201a、バッファ27a、および通信部(提供部)28aを備えている。スレーブ受信機2aが備えるアンテナ21a、復調部201a、およびバッファ27aの機能は、マスタ受信機1が備えるアンテナ11、復調部101、およびバッファ17の機能と同様であるため、ここではその説明を省略する。通信部28aは、復調部201aにて復調された、上記特定のチャンネル(マスタ受信機1の復調部101における復調対象チャンネル)に対応する復調信号をマスタ受信機1に提供する。
また、図2に示すように、スレーブ受信機2bは、アンテナ21b、復調部201b、バッファ27b、および通信部(提供部)28bを備えている。スレーブ受信機2bが備えるアンテナ21b、復調部201b、およびバッファ27bの機能は、マスタ受信機1が備えるアンテナ11、復調部101、およびバッファ17の機能と同様であるため、ここではその説明を省略する。通信部28bは、復調部201bにて復調された、上記特定のチャンネル(マスタ受信機1の復調部101における復調対象チャンネル)に対応する復調信号をマスタ受信機1に提供する。
なお、本実施形態においては、マスタ受信機1のキャリア復調部16にてキャリア復調された第1の復調信号(請求項における「第1の受信信号」)と、スレーブ受信機2aのキャリア復調部26aにてキャリア復調された第2の復調信号(請求項における「第2の受信信号」)とをダイバーシティ合成する構成を採用しているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、以下のような構成を採用することも可能である。
(1a)スレーブ受信機2aは、そのFFT部25aにて得られた第2のIQ信号をマスタ受信機1に提供する。マスタ受信機1は、そのFFT部15にて得られた第1のIQ信号(請求項における「第1の受信信号」)とスレーブ受信機2aから取得した第2のIQ信号(請求項における「第2の受信信号」)とのそれぞれに対してキャリア復調を施し、得られた第1の復調信号と第2の復調信号とをダイバーシティ合成する。
(1b)スレーブ受信機2aは、そのFFT部25aにて得られた第2のIQ信号をマスタ受信機1に提供する。マスタ受信機1は、マスタ受信機1のFFT部15にて得られた第1のIQ信号(請求項における「第1の受信信号」)とスレーブ受信機2aから取得した第2のIQ信号(請求項における「第2の受信信号」)とをダイバーシティ合成し、得られたIQ信号に対してキャリア復調を施す。
(2a)スレーブ受信機2aは、その直交復調部24aにて得られた第2のベースバンドOFDM信号をマスタ受信機1に提供する。マスタ受信機1は、その直交復調部14にて得られた第1のベースバンドOFDM信号(請求項における「第1の受信信号」)とスレーブ受信機2aから取得した第2のベースバンドOFDM信号(請求項における「第2の受信信号」)とのそれぞれに対してFFTとキャリア復調とを順に施し、得られた第1の復調信号と第2の復調信号とをダイバーシティ合成する。
(2b)スレーブ受信機2aは、その直交復調部24aにて得られた第2のベースバンドOFDM信号をマスタ受信機1に提供する。マスタ受信機1は、その直交復調部14にて得られた第1のベースバンドOFDM信号(請求項における「第1の受信信号」)とスレーブ受信機2aから取得した第2のベースバンドOFDM信号(請求項における「第2の受信信号」)とをダイバーシティ合成し、得られたベースバンドOFDM信号に対してFFTとキャリア復調とを順に施す。
(3a)スレーブ受信機2aは、そのA/D変換部23aにてデジタル化された第2のIF信号をマスタ受信機1に提供する。マスタ受信機1は、そのA/D変換部13にてデジタル化された第1のIF信号(請求項における「第1の受信信号」)とスレーブ受信機2aから取得した第2のIF信号(請求項における「第2の受信信号」)とのそれぞれに対して直交復調とFFTとキャリア復調とを順に施し、得られた第1の復調信号と第2の復調信号とをダイバーシティ合成する。
(3b)スレーブ受信機2aは、そのA/D変換部23aにてデジタル化された第2のIF信号をマスタ受信機1に提供する。マスタ受信機1は、そのA/D変換部13にてデジタル化された第1のIF信号(請求項における「第1の受信信号」)とスレーブ受信機2aから取得した第2のIF信号(請求項における「第2の受信信号」)とをダイバーシティ合成し、得られたIF信号に対して直交復調とFFTとキャリア復調とを順に施す。
〈通信路について〉
図2に示すように、マスタ受信機1は、スレーブ受信機2a,2bから送信された第2の復調信号を、通信路3を介して受信する。以下、この通信路3について検討する。
(1)要求されるデータ速度
地上波デジタル放送において、FFTサンプリング周波数は、約8.1MHzである。したがって、キャリア復調後の復調信号のI成分およびQ成分がそれぞれ8bitで量子化されている場合(10bitの場合、約2割増の想定が必要)、復調信号のI成分およびQ成分のデータ速度は、それぞれ、
8 × 8.1 = 64.8 Mbps
となる。
よって、復調信号全体のデータ速度は、
64.8 × 2 = 129.6Mbps
となる。
デジタル放送受信システムが2台のデジタル放送受信機により構成されている場合、すなわち、マスタ受信機が1台のスレーブ受信機から復調信号を取得する場合、マスタ受信機が受信する復調信号のデータ速度は、
129.6 × 1 = 129.6Mbps
となる。
デジタル放送受信システムが3台のデジタル放送受信機により構成されている場合、すなわち、マスタ受信機が2台のスレーブ受信機から復調信号を取得する場合、マスタ受信機が受信する復調信号のデータ速度は、
129.6 × 2 = 259.2Mbps
となる。
また、デジタル放送受信システムが4台のデジタル放送受信機により構成されている場合、すなわち、マスタ受信機が3台のスレーブ受信機から復調信号を取得する場合、マスタ受信機が受信する復調信号のデータ速度は、
129.6 × 3 = 388.8Mbps
となる。
(2)LANの利用
多くのデジタル放送受信機には、LANケーブルコネクタやWiFi(登録商標)無線ルータなどが標準装備されており、追加コストなくLANへの有線接続または無線接続が可能である。
各デジタル放送受信機がLANに有線接続されている場合、通信路として1000BASE−TXなど通信速度が最大1GbpsのFast Ethernet(登録商標)を用いれば、最大8台のデジタル放送受信機からなるデジタル放送受信システムを構築することができる。
また、各デジタル放送受信機がLANに無線接続されている場合、通信路として通信速度が最大300MHzのIEEE802.11n規格を用いれば、最大3台のデジタル放送受信機からなるデジタル放送受信システムを構築することができる。
(2)機器間通信の利用
また、多くのデジタル放送受信機では、機器間通信(デバイス同士が所定の通信プロトコルに従ってネットワークを介さずに行う通信)用のインターフェースが標準装備されており、追加コストなく他のデジタル放送受信機との通信を行うことが可能である。
機器間通信用のプロトコルとしては、例えば、Bluetooth(登録商標)が挙げられる。Bluetoothは、ノート型PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話端末、その他周辺機器などで利用されており、デジタル放送受信機への適用も可能である。ただし、Bluetoothの通信速度は最大24Mbpsであるため、現時点ではBluetoothを本発明に係るデジタル放送受信システムの通信路として利用することはできない。ただし、将来的な規格拡張によって通信速度が129.6Mbpsを超えれば、Bluetoothを本発明に係るデジタル放送受信システムの通信路として利用することが可能になる。
〈位相調整バッファの容量〉
図2に示すように、マスタ受信機1は、その復調部101にて復調した第1の復調信号に対する、スレーブ受信機2aから取得した第2の復調信号の遅延を補償するために位相調整バッファ1Aを備えている。以下、この位相調整バッファ1Aの容量について検討する。
上述したように、復調信号のデータ速度は、129.6Mbpsである。したがって、例えば、デジタル放送受信システムが4台のデジタル放送受信機により構成されている場合、すなわち、マスタ受信機1が3台のスレーブ受信機から復調信号を取得する場合、ダイバーシティ合成部1Bに入力される4つの復調信号の合計データ速度は、129.6 × 4 = 518.4Mbpsとなる。
通信路3が無線LANである場合、想定される遅延時間は500ms程度である。したがって、この遅延を補償するために、位相調整バッファ1Aの容量は、518.4×0.5=259.2Mb以上であればよい。位相調整バッファ1Aの容量を、この最小容量の4倍、すなわち、259.2×4=1036.8Mb程度に設定すれば、バッファオーバーフローが生じる可能性を十分に小さく抑えることができる。
通信路3が有線LANである場合、想定される遅延時間は通信路3が無線LANである場合よりも小さくなるので、位相調整バッファ1Aの容量も通信路3が無線LANである場合よりも小さくすることができる(例えば、通信路3が無線LANである場合の1/2にすることができる)。
なお、地上デジタル放送で一般的に運用されているモード3において、SP(Scattered Pilot)信号の伝送周期は、約12msecとなっている。このため、位相調整バッファ1Aの容量を500msの遅延を補償するように定めた場合、位相調整バッファ1Aに格納された復調信号には、多数のSP信号が含まれることになる。ダイバーシティ合成部1Bは、このSP信号を参照することによって、互いに同期した第1の復調信号と第2の復調信号とを位相調整バッファ1Aから読み出すことができる。
〈受信機の処理〉
続いて、本発明の実施形態1に係るデジタル放送受信機の処理について、図3および4を参照して説明する。
図3は、本実施形態に係るマスタ受信機1の処理を示すフローチャートである。
マスタ受信機1は、まず、ユーザから選局指示を受け付ける(S301)。
マスタ受信機1は、次に、復調部101における復調対象チャンネルを、ステップS301にてユーザにより指定されたチャンネルに設定し(S302)、復調部101による復調処理を開始する。
マスタ受信機1は、次に、復調部101にて復調された第1の復調信号の良否判定を行う(S303)。
マスタ受信機1は、ステップS303にて第1の復調信号が「良好でない」と判定された場合、以下に説明するステップS304〜S311を実行する。
マスタ受信機1は、予め登録されているスレーブ受信機2a・2bに対して復調部201a・201bの利用可否の確認を指示するコマンド(復調部利用可否確認指示)を送信し(S304)、当該コマンドに対する各スレーブ受信機2a・2bからの返信(復調部利用可否通知)を待つ(S305)。
あるスレーブ受信機(ここではスレーブ受信機2aとする)から復調部利用確認指示に対する返信を受信すると、マスタ受信機1は、現時点で利用可能なスレーブ受信機(「利用可能」である旨の復調部利用可否通知を返信したスレーブ受信機)の台数がダイバーシティ処理数の上限値に達しているか否かを確認する(S306)。そして、利用可能なスレーブ受信機の台数が処理数の上限値に達しておらず(S306のNO)、かつ、受信した復調部利用可否通知が「利用可能」であることを示すものである場合(S307のYES)、マスタ受信機1は、そのスレーブ受信機2aに対して、復調対象チャンネルをステップS301にてユーザにより指定されたチャンネルに設定することを指示するコマンド(チャンネル設定指示)を送信する(S308)。なお、このチャンネル設定指示には、ステップS301にてユーザにより指定されたチャンネルを指定するチャンネル指定情報の他に、マスタ受信機1の固有IDが含まれている。
マスタ受信機1は、ステップS305〜ステップS308までの処理を、予め登録されているすべてのスレーブ受信機2a・2bから復調部利用可否通知を受信するまで繰り返す。そして、すべてのスレーブ受信機2a・2bから復調部利用可否通知を受信すると(S309のYES)、マスタ受信機1は、チャンネル設定指示の各送信先から第2の復調信号を受信する処理と、受信した第2の復調信号と自身で復調した第1の復調信号とをダイバーシティ合成する処理とを開始する。
チャンネル切り替え等によりステップS301にて指定されたチャンネルに対する復調処理を終了する場合、マスタ受信機1は、チャンネ設定指示の各送信先に対して、復調信号の送信終了を指示するコマンド(復調信号送信終了指示)を送信する(S311)。これにより、チャンネル設定指示の送信先を待機状態にすることで消費電力を軽減することができる。
上記のように、マスタ受信機1は、空きの復調部201の有無を各スレーブ受信機2に問い合わせ、空きの復調部201のあるスレーブ受信機2からデジタルデータを受信する。これに対して、スレーブ受信機2が複数の復調部201を有する場合には、視聴や録画に供していない復調部201を、マスタ受信機1に対するデジタルデータの提供に利用することも可能である。
なお、マスタ受信機1による視聴の途中で、スレーブ受信機2に対して他のユーザにより新たな選局指示が出された場合、スレーブ受信機2は、マスタ受信機1へのデータ送信を中止し、マスタ受信機1に対して、新たな視聴が発生し、利用不可になったことを通知する。これに対して、マスタ受信機1は、他に利用可能なスレーブ受信機2があれば、当該スレーブ受信機2に対して選局設定指示のコマンドを送信し、その応答として当該スレーブ受信機2からデータを受信し、当該データをダイバーシティ合成に利用する。
図4は、本実施形態に係るスレーブ受信機2a・2bの処理を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートにおいては、上述した3つのコマンド(復調部利用可否確認指示、チャンネル設定指示、および復調信号送信終了指示)を受信したときにスレーブ受信機2a・2bにて実行される処理をまとめて示している。
受信したコマンドが復調部利用可否確認指示である場合(S402のYes)、スレーブ受信機2a・2bは、マスタ受信機1に復調信号を提供するために、復調部201a・201bを利用することができるか否かを判定する。そして、その判定結果を示す復調部利用可否通知をマスタ受信機1に送信する(S403)。
受信したコマンドがチャンネル設定指示である場合(S404のYES)、スレーブ受信機2a・2bは、復調部201a・201bにおける復調対象チャンネルを、チャンネル設定指示に含まれるチャンネル指定情報により指定されたチャンネルに設定する(S405)。そして、スレーブ受信機2a・2bは、復調部201a・201bにて復調された第2の復調信号をマスタ受信機1に送信する処理を開始する(S406)。なお、スレーブ受信機2a・2bから送信される第2の復調信号には、そのスレーブ受信機2a・2bの固有IDが付加されていてもよい。この固有IDは、マスタ受信機1によるダイバーシティ合成において、例えば、第2の復調信号の送信元の確認等に利用することができる。
受信したコマンドが復調信号送信終了指示である場合(407のYES)、スレーブ受信機2a・2bは、復調部201a・201bにて復調された第2の復調信号をマスタ受信機1に送信する処理を終了すると共に、復調部201a・201bにおけるチャンネル設定を解除する(S409)。なお、スレーブ受信機2a・2bは、復調信号送信終了指示を受信した際に、自身の状態を待機状態に遷移させる構成を採用してもよい。これにより、スレーブ受信機2a・2bの消費電力を削減することができる。
〈効果〉
アンテナ11を内蔵したマスタ受信機1において、複数のスレーブ受信機2a・2bと連携することによりダイバーシティ受信を実現できるので、良好な受信状態を実現することができる。また、建屋内で固定されたマスタ受信機1は、屋根上等に設置される受信アンテナを必要としないアンテナケーブルレスが可能となる。
一般的なダイバーシティ受信システムでは、受信機単体内に複数のチューナを設ける必要がある。ところが、本発明の実施形態では、単体の受信機が従来備えているチューナを増設するのではなく、宅内等の未使用のスレーブ受信機2a・2bの復調部201a・202bを有効に利用する。このため、単体の受信機として、コストは増加しない。また、昨今、LAN等のネットワーク機能も多くの受信機で標準に装備していることから、単体受信機としてのサイズ、消費電力、製品コストの増大などの課題を解決することができる。
なお、マスタ受信機1、および、スレーブ受信機2a・2bは、スマートフォンなどの携帯型受信機であってもよい。スマートフォン、携帯電話などで標準に装備されている地上波デジタル放送のフルセグまたはワンセグ受信においても、本実施形態が適用できる。すなわち、電波の受信状態が悪い環境においても、他の携帯型受信機の地上波デジタル放送受信機能を利用し、また、ほぼ標準に装備されているWiFi等のネットワーク機能を利用することにより、マスタ受信機1では、ダイバーシティ受信により、良好な受信状態が実現可能になる。この場合、スレーブ受信機2a・2bは、テレビ放送の受信状態でなければ、スマートフォンの操作中であっても、バックグラウンドの処理によりワンセグを受信し、スレーブ受信信号(デジタルデータ)を生成することができる。
〈病院やホテル等における効果〉
病院、ホテル等では、新規開業時にテレビ受信のための大掛かりな設備工事(アンテナ設置、共聴設備、ケーブル敷設、各テレビ接続コンセントの設置等)が必要になり、相当の費用負担が迫られる。このような費用は、最終的には、エンドユーザ(患者、宿泊者等)が負担するサービス料に転嫁されてしまう。
このような設備では、BtoBビジネスとして、通常設備内の受信機を一括で導入するため、本実施形態に係る受信機を複数台同時に設置することが期待できる。
本実施形態に係る受信機を用いた場合、上記した設備工事費用は全く不要になり、各部屋(各ベッド)への受信機設置だけ(ネットワークの設置は必要)により、各テレビは良好な受信が可能になる。
この場合、施設内の各受信機が全て使用中という事態を考慮し、スレーブ受信機2は複数のチューナ22(ダブルチューナ/トリプルチューナ・・・)を搭載することにより、ユーザの視聴の妨げになることなく、マスタ受信機1でのダイバーシティ受信を実現することができる。
〔実施形態2〕
次に、本発明の実施形態2に係るデジタル放送受信機について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係るマスタ受信機1の処理を示すフローチャートである。図3のフローチャートと、図5のフローチャートとを比較した場合、S301〜S311の処理と、S501〜S511の処理とは、同じである。相違点としては、図5は、図3と同じS501〜S511の処理に対して、さらにS521〜S523の処理が追加されている。
図5に示すように、マスタ受信機1は、現時点で利用可能なスレーブ受信機2a・2bの台数がダイバーシティ処理数の上限値に達している場合(S506)、最後に「利用可能」である旨の復調部利用可否通知を返信したスレーブ受信機(スレーブ受信機2aとする)と、それ以前に「利用可能」である旨の復調部利用可否通知を返信したスレーブ受信機(スレーブ受信機2bとする)との受信状態(信号品質)とを比較する(S521)。そして、最後に「利用可能」である旨の復調部利用可否通知を返信したスレーブ受信機2aの受信状態が、それ以前に「利用可能」である旨の復調部利用可否通知を返信したスレーブ受信機2bの何れかの受信状態よりも良好である場合(S522のYES)、ダイバーシティ受信用のスレーブ受信機2を、最後に「利用可能」である旨の復調部利用可否通知を返信したスレーブ受信機2aを復調信号の供給源に加え、このスレーブ受信機2aよりも受信状態の悪いスレーブ受信機2bを復調信号の供給源から外す(S523)。
実際に、本実施形態におけるマスタ受信機1が受信データの特性を比較するだけでは、受信状態の優劣を判定できない場合がある。このような場合には、ダイバーシティ処理に供する信号の組み合わせを一時的に置換え、復調結果として得られる信号の誤り率(BER)、復調誤差比(MER)等から置換え前後において判定を行う。BER/MERについては、現行のデジタル復調処理LSIに標準装備された機能であり、本発明において必須な機能ではない。
〔実施形態3〕
次に、本発明の実施形態3に係るデジタル放送受信機について、図6および7を参照して説明する。図6は、本実施形態に係るスレーブ受信機2a・2bの処理を示すフローチャートである。図4のフローチャートと、図6のフローチャートとを比較した場合、復調部利用可否確認の処理が異なる。図7は、本実施形態に係るスレーブ受信機2a・2bの表示画面の例を示す画面構成図である。
図6に示すように、スレーブ受信機2a・2bは、マスタ受信機1から受信したコマンドが復調部利用可否確認指示である場合(S602のYES)、マスタ受信機1からの使用を拒否する設定になっているか否かを判定する(S603)。これは、図7に示すように、スレーブ受信機2において地デジアンテナ共有設定が可能な場合に、ユーザが「地デジのアンテナを他の端末が利用することを許可しますか」に対して「拒否」を設定しているか否かを確認するものである。なお、スレーブ受信機2a・2bは、図7に示す画面、すなわち、マスタ受信機1(他のデジタル放送受信機)が復調部を利用することを許可するか否かをユーザに設定させるための画面を生成する制御部(画面生成部)をさらに備えている。
使用を拒否する設定になっている場合(S603のYES)、スレーブ受信機2a・2bは、「利用不可能」である旨の復調部利用可否通知をマスタ受信機1に返信する(S604)。一方、使用を拒否する設定になっていない、すなわち、使用を許可する設定になっている場合(S603のNO)、スレーブ受信機2a・2bは、S403と同様に、復調部201a・201bの利用可否を確認し、確認結果をマスタ受信機1に対して返信する(S605)。
〔実施形態4〕
本発明の実施形態4に係るデジタル放送受信機について、図8を参照して説明する。図8は、本実施形態に係るマスタ受信機1およびスレーブ受信機2a、2bの配置を示す配置図である。
図8に示すように、地下フロアには、マスタ受信機1およびWiFiルータ4aが設置されている。マスタ受信機1と、WiFiルータ4aとは、無線LANで通信可能に接続される。地下フロアのため、アンテナ11では放送波受信に必要な電波強度が得られない。
地上1階には、スレーブ受信機2aが設置され、WiFiルータ4a、4bと有線LANで通信可能に接続される。スレーブ受信機2aは、地上2階より上に設置されたアンテナ21aから予め定められた条件を満たす良好な放送波信号を取得することができる。
地上2階には、スレーブ受信機2bおよびWiFiルータ4bが設置されている。スレーブ受信機2bと、WiFiルータ4bとは、無線LANで通信可能に接続される。スレーブ受信機2bは、地上2階に設置されたアンテナ21bから予め定められた条件を満たす良好な放送波信号を取得することができる。
マスタ受信機1は、アンテナ11が地下フロアにあるため、電波強度が十分な受信データが得られない。そこで、マスタ受信機1は、スレーブ受信機2aからWiFiルータ4a経由でデータを受信するとともに、スレーブ受信機2bからWiFiルータ4bおよび4a経由でデータを受信する。そして、受信した2つのデータをダイバーシティ合成して、再生出力する。
〈効果〉
したがって、アンテナ配線のない電波的に密閉な空間においても良好なテレビ視聴が可能になる。例えば、地下室、ビル街の低層階部、電波暗室、電波到来方向に開口がない部屋等、マスタ受信機1のアンテナ11による受信に必要な電波強度が得られない電波的に密閉な空間において、必要な電波強度が得られるアンテナ21を備えるスレーブ受信機2を利用することができる。
例えば、マスタ受信機1と、通信路3との間を無線で通信可能とすることにより、配線なしで良好な受信状態を得られることから、マスタ受信機1として可搬型のタブレット、スマートフォン等の携帯端末を用いても、使用場所の制約を受けることなく、テレビ視聴が可能になる。必要な電波強度が得られない環境に携帯端末を持ち込んだ場合、例えば、地下鉄の車内、地下街の店舗等においても、良好なテレビ視聴が可能になる。
〔実施形態5〕
本発明の実施形態5に係るデジタル放送受信機について、図9を参照して説明する。図9は、本実施形態に係る兼用受信機5a、5bの構成を示す構成図である。
図9に示すように、兼用受信機5aおよび5bは、WiFiルータ4を介した無線LAN通信により相互にデータ送受信を行う。兼用受信機5aは、チューナ52a1および52a2を備えている。
チューナ52a1は、メインチューナとしてチャンネルAの放送波信号を出力する。そして、チャンネルAの放送波信号がデジタルデータに変換復調され、再生出力される。このとき、兼用受信機5aは、他のスレーブ受信機としての兼用受信機5bからチャンネルAのデジタルデータ(第2の受信信号)を受信した後、自ら変換復調したデジタルデータ(第1の受信信号)とともにダイバーシティ合成を行う。すなわち、チューナ52a1は、マスタ受信機の一部として動作する。
チューナ52a2は、サブチューナとしてチャンネルBの放送波信号を出力する。そして、チャンネルBの放送波信号がデジタルデータ(第3の受信信号)に変換復調され、他のマスタ受信機としての兼用受信機5bに送信される。すなわち、チューナ52a2は、スレーブ受信機の一部として動作する。したがって、兼用受信機5aにおいて、チューナ52a1を含むマスタ受信機の機能と、チューナ52a2を含むスレーブ受信機の機能とが同時に動作する。
一方、兼用受信機5bは、チューナ52b1および52b2を備えている。
チューナ52b1は、メインチューナとしてチャンネルBの放送波信号を出力する。そして、チャンネルBの放送波信号がデジタルデータに変換復調され、再生出力される。このとき、兼用受信機5bは、他のスレーブ受信機としての兼用受信機5aからチャンネルBのデジタルデータを受信した後、自ら変換復調したデジタルデータとともにダイバーシティ合成を行う。すなわち、チューナ52b1は、マスタ受信機の一部として動作する。
チューナ52b2は、サブチューナとしてチャンネルAの放送波信号を出力する。そして、チャンネルAの放送波信号がデジタルデータに変換復調され、他のマスタ受信機としての兼用受信機5aに送信される。すなわち、チューナ52b2は、スレーブ受信機の一部として動作する。したがって、兼用受信機5bにおいて、チューナ52b1を含むマスタ受信機の機能と、チューナ52b2を含むスレーブ受信機の機能とが同時に動作する。
〈効果〉
複数のチューナを有する兼用受信機5は、マスタ受信機の機能と、スレーブ受信機の機能とを兼ね備えることができる。すなわち、兼用受信機5a、5bは、相互にダイバーシティ受信のためのデジタルデータを交換することができる。例えば、走行中の車両内において、複数の兼用受信機5が存在する場合、各兼用受信機5を用いて複数のユーザがそれぞれ異なるチャンネルの放送を視聴するときにも、予め定められた条件を満たす良好な受信が可能である。
〔実施形態6〕
本発明の実施形態6に係るデジタル放送受信機について、図10を参照して説明する。図10は、本実施形態に係る兼用受信機5a、5b、5c、5dの構成を示す構成図である。
図10に示すように、兼用受信機5a、5b、5c、5dは、WiFiルータ4を介した無線LAN通信により相互にデータ送受信を行う。兼用受信機5a、5b、5c、5dは、マスタ受信機の機能と、スレーブ受信機の機能とを兼ね備えている。
兼用受信機5aを利用して、マスタ受信機として1CHの放送を視聴する。そこで、兼用受信機5aは、スレーブ受信機としての兼用受信機5b、5c、5dに1CHのデジタルデータを要求し、その応答として兼用受信機5c、5dから1CHのデジタルデータを受信する。
一方、兼用受信機5aは、スレーブ受信機として、兼用受信機5c、5dの要求を許可する。すなわち、4CHを選局し、マスタ受信機としての兼用受信機5c、5dに4CHのデジタルデータを送信する。
なお、兼用受信機5b、5c、5dの動作に関しては、兼用受信機5aの動作と同様である。
〈効果〉
1台の兼用受信機5(スレーブ受信機)は、複数の異なる兼用受信機5(マスタ受信機)から同一チャンネルのデジタルデータ(スレーブ信号)の要求を受信することがある。このような場合に、スレーブ受信機は、当該デジタルデータの送信先を複数のマスタ受信機宛てとする。このようにデジタルデータを共有することにより、通信路3上を流れるデータ量を削減することができる。
〔実施形態7〕
本発明の実施形態7に係るデジタル放送受信機について、図11を参照して説明する。図11は、本実施形態に係る兼用受信機5a、5b、5c、5d、5e、5fの構成を示す構成図である。
図11に示すように、兼用受信機5a、5b、5c、5d、5e、5fは、WiFiルータ4を介した無線LAN通信により相互にデータ送受信を行う。兼用受信機5a、5b、5c、5d、5e、5fは、マスタ受信機の機能と、スレーブ受信機の機能とを兼ね備えている。
兼用受信機5aは、マスタ受信機として、兼用受信機5c、5dから1CHのデジタルデータを受信する。一方、兼用受信機5aは、スレーブ受信機として、兼用受信機5cに3CHのデジタルデータを送信する。
兼用受信機5bは、マスタ受信機として、兼用受信機5eから2CHのデジタルデータを受信する。一方、兼用受信機5bは、スレーブ受信機として、兼用受信機5cに3CHのデジタルデータを送信する。
兼用受信機5cは、マスタ受信機として、兼用受信機5a、5bから3CHのデジタルデータを受信する。一方、兼用受信機5cは、スレーブ受信機として、兼用受信機5aに1CHのデジタルデータを送信する。
この時点で、スレーブデータとして、1CH、2CH、3CHのデジタルデータが通信路3に流れており、通信路3上のデジタルデータの個数が「5個」という上限値に達している。したがって、新たなデジタルデータを通信路3上に送信することはできない。
兼用受信機5dは、マスタ受信機として、4CHのデジタルデータを要求するが、4CHに対応するスレーブ受信機がないので、4CHのデジタルデータを受信できない。一方、兼用受信機5dは、スレーブ受信機として、兼用受信機5aからの要求に応じて1CHのデジタルデータを既に送信している。
兼用受信機5eは、マスタ受信機として、5CHのデジタルデータを要求するが、5CHに対応するスレーブ受信機がないので、5CHのデジタルデータを受信できない。一方、兼用受信機5eは、スレーブ受信機として、兼用受信機5bからの要求に応じて2CHのデジタルデータを既に送信している。
兼用受信機5fは、マスタ受信機として、6CHのデジタルデータを要求するが、6CHに対応するスレーブ受信機がないので、6CHのデジタルデータを受信できない。一方、兼用受信機5fは、通信路3上のデータ数が上限値に達しているので、スレーブ受信機として、デジタルデータの送信を拒否する。
通信路3を流れるデジタルデータ(スレーブデータ)の個数が上限値(上記の例では5個)を超えている場合に、各兼用受信機5は、新たなデジタルデータの送受信を抑止する。そのために、各兼用受信機5が、通信路3上のデジタルデータを監視し、通信路3の使用状況を判定する。
次に、本発明の実施形態7に係る通信路3を流れるデジタルデータの個数を管理する方法について、図12を参照して説明する。図12は、本実施形態に係る各兼用受信機におけるマスタCHおよびスレーブCHを管理するCH管理テーブルの構成図である。
図12に示すように、CH管理テーブルは、兼用受信機番号、マスタCH、および、スレーブCHを含む、複数のレコードから構成される。兼用受信機番号は、兼用受信機5を特定するための番号であり、例えば、5a、5b、5cなどが設定される。マスタCHは、兼用受信機番号に係る兼用受信機5がマスタ受信機として受信するデジタルデータ(すなわち、視聴する放送)のチャンネル番号である。スレーブCHは、兼用受信機番号に係る兼用受信機5がスレーブ受信機として送信するデジタルデータのチャンネル番号である。
図12のCH管理テーブルは、図11の兼用受信機5の構成に対応している。例えば、兼用受信機5aは、マスタ受信機として1CHのデジタルデータを受信し、スレーブ受信機として3CHのデジタルデータを送信する。また、兼用受信機5fは、マスタ受信機として6CHの放送を受信するが、6CHのデジタルデータを受信することはなく、スレーブ受信機としてデジタルデータを送信することもない。
各兼用受信機5は、CH管理テーブルを記憶しており、随時更新する。すなわち、スレーブ受信機として、マスタ受信機からの各コマンド(使用状態確認、選局設定、送信終了の各指示)にしたがって、CH管理テーブルへの追記、削除を実施する。また、マスタ受信機として、スレーブ受信機からのデジタルデータ受信の開始、および、終了を確認することにより、CH管理テーブルへの追記、削除を実施する。マスタ受信機、および、スレーブ受信機ともに未選局となった場合には、CH管理テーブルの兼用受信機番号を未として、管理上削除の取扱いとする。
各兼用受信機5は、CH管理テーブルに設定可能な受信機台数(図12の場合には8台)を超えて、マスタ受信機、または、スレーブ受信機の要求を検知した場合には、当該要求を無視する。なお、要求元は、単独での受信動作となる。
また、各兼用受信機5は、スレーブデータの上限(図12の場合には5個)を超える場合には、スレーブ受信機の要求を拒否する。
〔ソフトウェアによる実現例〕
図2に示すマスタ受信機1およびスレーブ受信機2の各機能ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、マスタ受信機1およびスレーブ受信機2は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラム及び各種データがコンピュータ(又はCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)又は記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)等を備えている。そして、コンピュータ(又はCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路等を用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るデジタル放送受信装置(マスタ受信機1)は、第1の受信信号および第2の受信信号をダイバーシティ合成する合成部(ダイバーシティ合成部1B)と、前記第1の受信信号を受信するためのアンテナ(11)と、他のデジタル放送受信装置にて受信された前記第2の受信信号を取得する取得部(通信部19)と、を備えている。
前記の構成によれば、デジタル放送受信装置において、当該デジタル放送受信装置にて受信した第1の受信信号と、他のデジタル放送受信装置にて受信された第2の受信信号とをダイバーシティ合成する。したがって、デジタル放送受信装置において良好な受信状態を低コストに実現することができる。
本発明の態様2に係るデジタル放送受信装置は、前記態様1において、前記第1の受信信号の信号品質の良否判定を行う判定部(制御部18)をさらに備えており、前記取得部が、前記第1の受信信号の信号品質が良好でないと判定された場合に、前記第2の受信信号を取得することとしてもよい。
前記の構成によれば、デジタル放送受信装置において、当該デジタル放送受信装置にて受信した第1の受信信号が良好でない場合に、当該第1の受信信号と、他のデジタル放送受信装置にて受信された第2の受信信号とをダイバーシティ合成する。したがって、デジタル放送受信装置にて受信した受信信号が良好でない場合であっても、良好な受信状態を低コストに実現することができる。
本発明の態様3に係るデジタル放送受信装置は、前記態様1および2において、複数の他のデジタル放送受信装置の各々から取得した第2の受信信号の信号品質を比較し、最良の信号品質を有する第2の受信信号を特定する比較特定部(制御部18)をさらに備えており、前記合成部が、前記第1の受信信号と、前記比較特定部にて特定された第2の受信信号とを合成することとしてもよい。
前記の構成によれば、デジタル放送受信装置において、当該デジタル放送受信装置にて受信した第1の受信信号と、複数のデジタル放送受信装置から取得した第2の受信信号のうち、最良の特性を有する第2の受信信号とをダイバーシティ合成する。したがって、デジタル放送受信装置において良好な受信状態を低コストに実現することができる。
本発明の態様4に係るデジタル放送受信装置は、前記態様1から3において、前記第1の受信信号を特定のチャンネルから受信し、前記他のデジタル放送受信装置に対して、前記第2の受信信号の受信対象とするチャンネルとして前記特定のチャンネルを指定することとしてもよい。
前記の構成によれば、デジタル放送受信装置において、他のデジタル放送受信装置に対してチャンネルを指定することにより、第1の受信信号と同じチャンネルに対応する第2の受信信号を取得することができる。
本発明の態様5に係るデジタル放送受信装置は、前記態様1から3において、複数の他のデジタル放送受信装置に対して第2の受信信号の受信機能の利用可否を問い合わせ、前記問い合わせに対して利用可能と返信した他のデジタル放送受信装置に対して前記第2の受信信号の受信を指示し、指示先の前記デジタル放送受信装置から前記第2の受信信号を取得することとしてもよい。
前記の構成によれば、デジタル放送受信装置は、複数のデジタル放送受信装置のうち、第2の受信信号を提供可能との報告を受けたデジタル放送受信装置に対して、第2の受信信号の提供を指示する。したがって、デジタル放送受信装置は、他のデジタル放送受信装置から効率よく受信信号の提供を受けることができる。
本発明の態様6に係るデジタル放送受信装置は、アンテナ(21)と、前記アンテナで受信した受信信号を他のデジタル放送受信装置に提供する提供部(通信部28)と、受信信号を他のデジタル放送受信装置に提供することを許可するか否かをユーザに設定させるための画面を生成する画面生成部(制御部)と、を備えている。
前記の構成によれば、デジタル放送受信装置のユーザは、他のデジタル放送受信装置に受信信号を提供することを許可するか否かを設定することができる。
本発明の態様7に係るデジタル放送受信装置は、アンテナと、第2の受信信号と、前記アンテナで受信した第1の受信信号とをダイバーシティ合成する合成部と、他のデジタル放送受信装置にて受信された前記第2の受信信号を取得する取得部と、前記アンテナで受信した第3の受信信号を他のデジタル放送受信装置に提供する提供部と、を備えている。
前記の構成によれば、デジタル放送受信装置において、当該デジタル放送受信装置にて受信した第1の受信信号と、他のデジタル放送受信装置にて受信された第2の受信信号とをダイバーシティ合成する機能、および、当該デジタル放送受信装置にて受信した第3の受信信号を他のデジタル放送受信装置に提供する機能を兼ね備えている。したがって、複数のデジタル放送受信装置において、相互に受信信号を送受信することにより、良好な受信状態を低コストに実現することができる。
本発明の態様8に係るデジタル放送受信装置は、前記態様4において、複数の他のデジタル放送受信装置に対して特定のチャンネルの第2の受信信号の受信機能の利用可否を問い合わせ、前記問い合わせに対して利用可能と返信した他のデジタル放送受信装置に対して前記第2の受信信号の受信を指示し、指示先の前記デジタル放送受信装置から前記第2の受信信号を取得することとしてもよい。
前記の構成によれば、デジタル放送受信装置は、複数のデジタル放送受信装置のうち、第2の受信信号を提供可能との報告を受けたデジタル放送受信装置に対して、第2の受信信号の提供を指示する。したがって、デジタル放送受信装置は、他のデジタル放送受信装置から効率よく受信信号の提供を受けることができる。
本発明の態様9に係るデジタル放送受信装置は、前記態様6において、前記提供部が、他のデジタル放送受信装置により指定されたチャンネルに対応する受信信号を他のデジタル放送受信装置に提供することとしてもよい。
前記の構成によれば、デジタル放送受信装置において、他のデジタル放送受信装置により指定されたチャンネルに対応する受信信号を提供する。したがって、他のデジタル放送受信装置において、当該受信信号を利用することにより、良好な受信状態を低コストに実現することができる。
〔付記事項〕
本発明の態様A1に係るデジタル放送受信機(マスタ受信機1)は、デジタル放送の放送波を電気信号に変換するアンテナ(11)と、上記アンテナにて得られた電気信号から、特定のチャンネルに対応する第1のデジタルデータを生成する生成部(101)と、他のデジタル放送受信機にて生成された上記特定のチャンネルに対応する第2のデジタルデータを当該他のデジタル放送受信機から取得する取得部(通信部19)と、上記生成部にて生成された第1のデジタルデータと上記取得部にて取得された第2のデジタルデータとをダイバーシティ合成するか、または、当該第1のデジタルデータから生成された第1の復調信号と、当該第2のデジタルデータから生成された第2の復調信号とをダイバーシティ合成する合成部(ダイバーシティ合成部1B)と、を備えている。
上記の構成によれば、デジタル放送受信機において、特定のチャンネルに対応するデジタルデータに関して、当該デジタル放送受信機にて生成されたデジタルデータと、他のデジタル放送受信機にて生成されたデジタルデータとをダイバーシティ合成する。したがって、デジタル放送受信機において良好な受信状態を低コストに実現することができる。
本発明の態様A2に係るデジタル放送受信機は、上記態様A1において、上記生成部にて生成された第1のデジタルデータの良否判定を行う判定部をさらに備えており、上記取得部が、上記生成部にて生成された第1のデジタルデータが良好でないと判定された場合に、上記他のデジタル放送受信機にて生成された上記特定のチャンネルに対応する第2のデジタルデータを当該他のデジタル放送受信機から取得することとしてもよい。
上記の構成によれば、デジタル放送受信機において、当該デジタル放送受信機にて生成されたデジタルデータが良好でない場合に、当該デジタルデータと、他のデジタル放送受信機にて生成されたデジタルデータとをダイバーシティ合成する。したがって、デジタル放送受信機にて生成されたデジタルデータが良好でない場合であっても、良好な受信状態を低コストに実現することができる。
本発明の態様A3に係るデジタル放送受信機は、上記態様A1およびA2において、上記取得部が、上記他のデジタル放送受信機を含む複数のデジタル放送受信機の各々にて生成された上記特定のチャンネルに対応する第2のデジタルデータを当該複数のデジタル放送受信機の各々から取得するものであり、当該デジタル放送受信機が、上記複数のデジタル放送受信機の各々から取得した第2のデジタルデータの特性を比較し、最良の特性を有する第2のデジタルデータを特定する比較特定部をさらに備えており、上記合成部が、上記生成部にて生成された第1のデジタルデータと、上記比較特定部にて特定された最良の特性を有する第2のデジタルデータを合成するものであることとしてもよい。
上記の構成によれば、デジタル放送受信機において、当該デジタル放送受信機にて生成されたデジタルデータと、複数のデジタル放送受信機から取得したデジタルデータのうち、最良の特性を有するデジタルデータとをダイバーシティ合成する。したがって、デジタル放送受信機において良好な受信状態を低コストに実現することができる。
本発明の態様A4に係るデジタル放送受信機は、上記態様A1からA3において、上記取得部が、上記他のデジタル放送受信機に対して、生成対象のチャンネルとして上記特定のチャンネルを指定することとしてもよい。
上記の構成によれば、デジタル放送受信機において、他のデジタル放送受信機に対してチャンネルを指定することにより、所望のチャンネルに対応する第2のデジタルデータを取得することができる。
本発明の態様A5に係るデジタル放送受信機は、上記態様A4において、上記取得部が、予め定められた複数のデジタル放送受信機に対して生成部の利用可否を問い合わせ、上記複数のデジタル放送受信機のうち、上記問い合わせに対して利用可能と返信したデジタル放送受信機に対して、上記特定のチャンネルに対応する第2のデジタルデータの生成を指示し、上記第2のデジタルデータの生成を指示したデジタル放送受信機から、生成された第2のデジタルデータを取得することとしてもよい。
上記の構成によれば、デジタル放送受信機は、複数のデジタル放送受信機のうち、デジタルデータ提供可能との報告を受けたデジタル放送受信機に対して、デジタルデータの提供を指示する。したがって、デジタル放送受信機は、他のデジタル放送受信機から効率よくデジタルデータの提供を受けることができる。
本発明の態様A6に係るデジタル放送受信機(スレーブ受信機2)は、デジタル放送の放送波を電気信号に変換するアンテナ(21)と、上記アンテナにて得られた電気信号から、他のデジタル放送受信機により指定されたチャンネルに対応するデジタルデータを生成する生成部(201)と、上記デジタルデータを上記他のデジタル放送受信機に提供する提供部(通信部28)と、を備えている。
上記の構成によれば、デジタル放送受信機において、他のデジタル放送受信機により指定されたチャンネルに対応するデジタルデータを提供する。したがって、他のデジタル放送受信機において、当該デジタルデータを利用することにより、良好な受信状態を低コストに実現することができる。
本発明の態様A7に係るデジタル放送受信機は、上記態様A6において、他のデジタル放送受信機が生成部を利用することを許可するか否かをユーザに設定させるための画面を生成する画面生成部をさらに備えていることとしてもよい。
上記の構成によれば、デジタル放送受信機のユーザは、他のデジタル放送受信機が生成部を利用することを許可するか否かを設定することができる。
本発明の態様A8に係るデジタル放送受信機は、デジタル放送の放送波を電気信号に変換するアンテナと、上記アンテナにて得られた電気信号から、特定のチャンネルに対応する第1のデジタルデータを生成する第1生成部と、他のデジタル放送受信機にて生成された上記特定のチャンネルに対応する第2のデジタルデータを当該他のデジタル放送受信機から取得する取得部と、上記第1のデジタルデータと上記第2のデジタルデータとをダイバーシティ合成する合成部と、上記アンテナにて得られた電気信号から、他のデジタル放送受信機により指定されたチャンネルに対応するデジタルデータを生成する第2生成部と、上記デジタルデータを当該他のデジタル放送受信機に提供する提供部と、を備えている。
上記の構成によれば、デジタル放送受信機において、当該デジタル放送受信機にて生成されたデジタルデータと、他のデジタル放送受信機にて生成されたデジタルデータとをダイバーシティ合成する機能、および、当該デジタル放送受信機にて生成されたデジタルデータを他のデジタル放送受信機に提供する機能を兼ね備えている。したがって、複数のデジタル放送受信機において、相互にデジタルデータを送受信することにより、良好な受信状態を低コストに実現することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、空間ダイバーシティ方式のデジタル放送受信装置に利用することができる。
1 マスタ受信機(デジタル放送受信装置)
2 スレーブ受信機(デジタル放送受信装置)
3 通信路
4 WiFiルータ
5 兼用受信機(デジタル放送受信装置)
11、21 アンテナ
101 復調部
201 復調部
18 制御部(判定部、比較特定部)
19 通信部(取得部)
1B ダイバーシティ合成部(合成部)
28 通信部(提供部)

Claims (7)

  1. 第1の受信信号および第2の受信信号をダイバーシティ合成する合成部と、
    前記第1の受信信号を受信するためのアンテナと、
    他のデジタル放送受信装置にて受信された前記第2の受信信号を取得する取得部と、を備えている、
    ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
  2. 前記第1の受信信号の信号品質の良否判定を行う判定部をさらに備えており、
    前記取得部は、前記第1の受信信号の信号品質が良好でないと判定された場合に、前記第2の受信信号を取得する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
  3. 複数の他のデジタル放送受信装置の各々から取得した第2の受信信号の信号品質を比較し、最良の信号品質を有する第2の受信信号を特定する比較特定部をさらに備えており、
    前記合成部は、前記第1の受信信号と、前記比較特定部にて特定された第2の受信信号とを合成する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のデジタル放送受信装置。
  4. 前記第1の受信信号を特定のチャンネルから受信し、前記他のデジタル放送受信装置に対して、前記第2の受信信号の受信対象とするチャンネルとして前記特定のチャンネルを指定する、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のデジタル放送受信装置。
  5. 複数の他のデジタル放送受信装置に対して第2の受信信号の受信機能の利用可否を問い合わせ、前記問い合わせに対して利用可能と返信した他のデジタル放送受信装置に対して前記第2の受信信号の受信を指示し、指示先の前記デジタル放送受信装置から前記第2の受信信号を取得する、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のデジタル放送受信装置。
  6. アンテナと、
    前記アンテナで受信した受信信号を他のデジタル放送受信装置に提供する提供部と、
    受信信号を他のデジタル放送受信装置に提供することを許可するか否かをユーザに設定させるための画面を生成する画面生成部と、を備えている、
    ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
  7. アンテナと、
    第2の受信信号と、前記アンテナで受信した第1の受信信号とをダイバーシティ合成する合成部と、
    他のデジタル放送受信装置にて受信された前記第2の受信信号を取得する取得部と、
    前記アンテナで受信した第3の受信信号を他のデジタル放送受信装置に提供する提供部と、を備えている、
    ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018011236A (ja) * 2016-07-14 2018-01-18 古河電気工業株式会社 送受信システム、送信装置、および、受信装置
JP2018169256A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 Kddi株式会社 電波測定装置及び電波測定方法

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