以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1〜図11は本発明による一実施の形態を説明するための図である。このうち、図1は、表示装置10の概略構成を示す断面図であり、図2は、面光源装置20を示す断面図である。図3及び図4は、導光板30を示す斜視図であり、図5は、光学シート60を示す斜視図である。
図1に示すように、表示装置10は、透過型表示部としての液晶表示パネル15と、液晶表示パネル15の背面側に配置され液晶表示パネル15を背面側から面状に照らす面光源装置20と、を備えている。表示装置10は、画像を表示する表示面11を有している。液晶表示パネル15は、面光源装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御するシャッターとして機能し、表示面11に像を表示するように構成されている。
図示された液晶表示パネル15は、出光側に配置された上偏光板13と、入光側に配置された下偏光板14と、上偏光板13と下偏光板14との間に配置された液晶層セル12と、を有している。偏光板14,13は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波およびS波)に分解し、一方の方向(透過軸と平行な方向)に振動する直線偏光成分(例えば、P波)を透過させ、前記一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸と平行な方向)に振動する直線偏光成分(例えば、S波)を吸収する機能を有している。
液晶層12には、一つの画素を形成する領域毎に、電界印加がなされ得るようになっている。そして、電界印加の有無によって液晶層12中の液晶分子の配向方向が変化するようになる。一例として、入光側に配置された下偏光板14を透過した特定方向の偏光成分は、電界印加された液晶層12を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、その一方で、電界印加されていない液晶層12を通過する際にその偏光方向を維持する。この場合、液晶層12への電界印加の有無によって、下偏光板14を透過した特定方向に振動する偏光成分が、下偏光板14の出光側に配置された上偏光板13をさらに透過するか、あるいは、上偏光板13で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。
このようにして液晶表示パネル15では、面光源装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御し得るようになっている。なお、液晶表示パネル15の詳細については、種々の公知文献(例えば、「フラットパネルディスプレイ大辞典(内田龍男、内池平樹監修)」2001年工業調査会発行)に記載されており、ここではこれ以上の詳細な説明を省略する。
次に、面光源装置20について説明する。面光源装置20は、面状に光を発光する発光面21を有し、本実施の形態では、液晶表示パネル15を背面側から照明する装置として用いられている。
図1に示すように、面光源装置20は、エッジライト型の面光源装置として構成され、導光板30と、導光板30の一方の側(図1に於いては左側)の側方に配置された光源24と、導光板30の両側(出光側、裏面側)にそれぞれ配置された光学シート60及び反射シート28と、を有している。図示された例では、光学シート60が液晶表示パネル15に対面して配置され、光学シート60の出射角制御層65によって、面光源装置20の発光面21が画成されている。
導光板30は、液晶表示パネル15側の一方の主面によって構成された出光面31と、出光面31に対向するもう一方の主面からなる裏面32と、出光面31および裏面32の間を延びる側面と、を有している。側面のうちの第1方向d1に対向する二つの面の一方が、入光面33をなしている。図1に示すように、入光面33に対面して光源24が設けられている。入光面33から導光板30内に入射した光は、第1方向(導光方向)d1に沿って入光面33に対向する反対面34に向け、概ね第1方向(導光方向)d1に沿って導光板30内を導光されるようになる。
図示する例において、導光板30の出光面31は、液晶表示装置10の表示面11および面光源装置20の発光面21と同様に、平面視形状(図1に於いては、上方から見下ろして見た形状)が四角形形状に形成されている。この結果、導光板30は、全体的に、一対の主面(出光面31および裏面32)を有する相対的に厚み方向の辺が他の辺よりも小さい直方体状の部材として構成されており、一対の主面間に画成される側面は四つの面を含んでいる。同様に、光学シート60及び反射シート28は、全体的に、相対的に厚み方向の辺が他の辺よりも小さい直方体状の部材として構成されている。
光源24は、例えば、線状の冷陰極管等の蛍光灯や、点状のLED(発光ダイオード)や白熱電球等の種々の態様で構成され得る。本実施の形態において、光源24は、入光面33の長手方向(図1に於いては、紙面に直交する方向、即ち、紙面の表裏方向)に沿って、並べて配置された多数の点状発光体25、具体的には、多数の発光ダイオード(LED)によって、構成されている。なお、図3及び図4には、光源24をなす多数の点状発光体25の配置位置が示されている。
ところで、本明細書において、「出光側」とは、光源24、導光板30、出射角制御層65、液晶表示パネル15と、表示装置10の構成要素間を逆戻りすることなく進んで、表示装置10から出射して観察者へ向かう光の進行方向における下流側(観察者側、例えば図1における紙面の上側)のことであり、「入光側」とは、光源24、導光板30、出射角制御層65、液晶表示パネル15と、表示装置10の構成要素間を逆戻りすることなく進んで、表示装置10から出射して観察者へ向かう光の進行方向における上流側のことである。
また、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。
さらに、本明細書において「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面のことを指す。そして、本実施の形態においては、導光板30の板面、出射角制御層65のシート面、反射シート28のシート面、液晶表示パネルのパネル面、表示装置10の表示面11及び面光源装置20の発光面21は、互いに平行となっている。さらに、本明細書において、シート状の部材の法線方向とは、対象となるシート状の部材のシート面への法線方向のことを指す。また、出射角制御層65の法線方向ndは、面光源装置20の正面方向及び表示装置10の正面方向と一致する。
また、本明細書における「単位プリズム」、「単位形状要素」、「単位光学要素」および「単位レンズ」とは、屈折や反射等の光学的作用を光に及ぼして、当該光の進行方向を変化させる機能を有した要素のことを指し、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。
次に、導光板30についてさらに詳述する。
図2によく示されているように、導光板30の裏面32は、第1方向d1に配列された複数の傾斜面37と、導光板30の法線方向ndに延びる立上面38と、導光板30の板面方向に延びる接続面39と、を有している。図2に示す例では、傾斜面37と立上面38と接続面39とが第1方向d1に沿って繰り返し配列されている。そして、各傾斜面37、各立上面38及び各接続面39は、導光板30の板面内を第1方向d1に交差して延びる第2方向d2に沿って延びている。本実施の形態では、第2方向d2は、第1方向d1に直交している。
傾斜面37は、導光板30内を第1方向d1に沿って導光される光の進行方向を調整して導光板30内から光を取り出すための要素である。図2に示すように、各傾斜面37は、反対面34に近接して位置する端部E1が入光面33に近接して位置する端部E2よりも出光面31に接近するように、法線方向nd及び第1方向d1に対して傾斜している。言い換えると、各傾斜面37は、入光面33側から反対面34側へ向かうにつれて導光板30の法線方向ndに沿って出光面31に接近していくように、法線方向nd及び第1方向d1の両方に対して傾斜している。とりわけ、図2に示す断面において、傾斜面37が第1方向d1に対してなす角度を傾斜角度θとすると、複数の傾斜面37の傾斜角度θは、互いに等しい。
立上面38は、導光板30内を導光される光に対して光学作用を及ぼすことが期待されていない面であり、接続面39は、傾斜面37とは非平行な面であり、導光板30内を導光される光に対して傾斜面37とは異なる光学作用を及ぼす。本実施の形態の接続面39は、導光板30の板面と平行になっている。
このような導光板30によれば、出光面31と裏面32との間で反射を繰り返す光のうち、接続面39で反射する光については、その後に出光面31に入射する際の入射角度が維持され、傾斜面37で反射する光については、その後に出光面31に入射する際の入射角度が小さくなっていく。傾斜面37での反射により出光面31への入射角度が全反射臨界角度未満になると、この光は、導光板30の出光面31から出射するようになる。
とりわけ、本実施の形態では、傾斜面37及び接続面39の裏面32内での分布が、導光方向である第1方向d1に沿って変化している。第1方向d1に沿った傾斜面37及び接続面39の分布を調節することにより、導光板30からの出射光量の第1方向d1に沿った分布を調整することができる。図2に示す例では、第1方向d1に沿って入射面33から反対面34に接近するにつれて、裏面32のうちの傾斜面37が占める割合が高くなっている。このような構成によれば、導光方向に沿って入射面33から離間した領域での導光板30からの光の出射が促進され、入射面33から離間するにつれて出射光量が低下してしまうことを効果的に防止することができる。
次に、導光板30の出光面31の構成について説明する。導光板30の出光面31には、単位プリズム50が配列されている。複数の単位プリズム50は、第1方向d1に交差し且つ導光板30の板面と平行な配列方向(図3においては左右方向)に並べられている。各単位プリズム50は、導光板30の板面内を、その配列方向と交差する方向に線状に延びている。
とりわけ本実施の形態では、図3に示すように、複数の単位プリズム50は、第1方向d1と直交する第2方向(配列方向)d2に隙間無く並べて配列されている。したがって、導光板30の出光面31は、単位プリズム50の表面によってなされる傾斜面35,36として、構成されている。また、各単位プリズム50は、柱状に形成され、その長手方向に沿って同一の断面形状を有するようになっている。
次に、単位光学要素の配列方向(第2方向)d2および導光板30の板面への法線方向の両方向に平行な断面における、各単位プリズム50の断面形状について説明する。図4から理解されるように、前記断面における各単位プリズム50の断面形状は、出光側に向けて先細りしていく形状となっている。つまり、前記断面において、導光板30の板面と平行な単位プリズム50の幅は、導光板30の法線方向に沿って裏面32から離間するにつれて小さくなっていく。
ここで、導光板30の寸法は、一例として、以下のように設定され得る。例えば、導光板30の厚みは、0.3mm〜6mmとすることができる。また、単位プリズム50の第2方向d2に沿った長さつまり幅を10μm以上500μm以下とすることができる。
以上のような構成からなる導光板30は、基材上に傾斜面37及び単位プリズム50を賦型することにより、あるいは、押し出し成型により、作製することができる。導光板30をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)が好適に使用され得る。尚、必要に応じて、導光板30中に光を拡散させる機能を有する拡散性分を添加することもできる。拡散成分は、一例として、平均粒径が0.5〜100μm程度であるシリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂等の透明物質からなる粒子を、用いることができる。
電離放射線硬化型樹脂を基材上に硬化させることによって導光板30を作製する場合、単位プリズム50とともに、単位プリズム50と基材との間に位置するようになるシート状のランド部を、基材上に形成するようにしてもよい。この場合、基材として、光拡散粒子とともに押し出し成型された樹脂材料からなる板材を、用いることができる。一方、押し出し成型で作製された導光板30においては、一体物として形成され得る。
図2に戻って、導光板30の裏面32に対面して、反射シート28が配置されている。反射シート28は、導光板30の裏面32から漏れ出した光を反射して、再び導光板30内に戻すための部材である。反射シート28は、白色の散乱反射層、金属等の高い反射率を有する材料からなるシート、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート等から、構成され得る。反射シート28での反射は、正反射(鏡面反射)でもよく、拡散反射でもよい。反射シート28での反射が拡散反射の場合には、当該拡散反射は、等方性拡散反射であってもよいし、異方性拡散反射であってもよい。
次に、導光板30の出光面31に対面して配置された光学シート60について説明する。光学シート60は、入光側から入射した光の進行方向を変化させて出光側から出射させ、出射光の出射方向を制御するためのものである。図5に示すように、光学シート60は、導光板30の出光面31側に配置されたシート状の出射角制御層65と、出射角制御層65の導光板30側を向く面65a上に配列された複数の単位光学要素70と、を有している。
単位光学要素70は、導光板30の出光面31から取り出された光を正面方向に向かわせる光学要素である。図5に示すように、複数の単位光学要素70は、第1方向d1に沿って配列されている。各単位光学要素70は、第1方向d1と非平行であるとともにシート状の出射角制御層65のシート面に沿った方向に線状に延びている。とりわけ、図5に示す例では、各単位光学要素70の長手方向は、出射角制御シート65のシート面内で第1方向d1に直交する第2方向d2に平行となっている。
本実施の形態において、各単位光学要素70は、柱状に形成され、その長手方向に沿って同一の断面形状を有するようになっている。さらに、複数の単位光学要素70は、第1方向d1に沿って出射角制御層65の導光板30側を向く面65a上に隙間無く並べられている。
図5によく示されているように、各単位光学要素70は、単位光学要素70の配列方向である第1方向d1に沿って、互いに対向して配置された光透過面71および光反射面72を有している。各単位光学要素70の光透過面71は、第1方向における一側(図1および図2の紙面における左側)に位置し、光反射面72は、第1方向における他側(図1および図2の紙面における右側)に位置している。より詳細には、各単位光学要素70の光透過面71は、第1方向d1における光源24の側に位置して第1方向d1における一側を向く。各単位光学要素70の光反射面72は、第1方向d1における光源24から離間する側に位置し、第1方向d1における他側を向く。後述するように、光透過面71は、主として、第1方向d1における一側に配置された光源24から導光板30内に進み、その後に導光板30から出射した光が、光学シート60へ入射する際の入射面として機能する。一方、光反射面72は、光学シート60へ入射した光を反射して、当該光の光路を補正する機能を有する。
図5によく示されているように、光透過面71および光反射面72は、それぞれ出射角制御層65側から延び出るとともに互いに接続されている。光透過面71および光反射面72が出射角制御層65に最も接近する位置において、単位光学要素70の基端部75bが画定されている。また、光透過面71および光反射面72が互いに接続する位置において、出射角制御層65から最も導光板30側に突出した単位光学要素70の先端部75aが画成されている。
図6に、単位光学要素70の断面を示す。図6に示す断面において、各単位光学要素70の断面形状は、入光側(導光板の側)に向けて先細りしていく形状となっている。つまり、図6に示す断面において、第1方向d1に沿った単位光学要素70の長さは、出射角制御層65の法線方向ndに沿って出射角制御層65から離間するにつれて小さくなっていく。
本実施の形態において、図6に示す断面において単位光学要素70の外輪郭の一部をなす光反射面72が、第1方向d1に対してなす角度を傾斜角度φとすると、少なくとも一つの単位光学要素70の傾斜角度φは、光反射面72内において一定とはなっていない。図6に示すように、傾斜角度φは、光反射面72内において、単位光学要素70の先端部75aから基端部75bへ向けて、大きくなるように変化する。このような単位光学要素70によれば、光反射面72のうちの、正面方向ndに対する傾斜角度が比較的小さくなる方向に進む比較的に立ち上がった光L61が主として入射するようになる基端部75b側の領域、並びに、正面方向ndに対する傾斜角度が非常に大きくなる方向に進む比較的に寝た光L62が主として入射するようになる先端部75a側の領域の両方において、優れた集光機能を確保することができる。
具体的な構成として、図6に示す断面において、第1方向d1に対する傾斜角度φが、単位光学要素70の先端部75aの側から基端部75bの側へ向けて、しだいに大きくなるように配置された複数の要素面73を含んでいる。図示された本実施の形態では、単位光学要素70の光反射面72の輪郭は、折れ線状に、或いは、折れ線の角部を面取りしてなる形状に、形成されている。とりわけ図示された例において、光反射面72は、先端部75aを画成する第1要素面73aと、第1要素面73aに出射角制御層65の側から隣接する第2要素面73bと、を有している。そして、第2要素面73bの傾斜角度φbが、第1要素面73aの傾斜角度φaよりも大きくなっている。
次に、図7を参照して、複数の単位光学要素70を支持する出射角制御層65について説明する。図7は、出射角制御層65の断面図である。出射角制御層65は、面光源装置20の正面方向すなわち出射角制御層65の法線方向ndから大きくずれた方向に向かって面光源装置20から放出される光を低減するために設けられている。図7に示すように、出射角制御層65は、当該出射角制御層65のシート面に沿った配列方向pdに沿って交互に繰り返し並べられた複数の第1部分66及び複数の第2部分67を有している。図7に示す例において、複数の第1部分66は互いに同一に構成され、複数の第2部分67も互いに同一に構成されている。ただし、本実施の形態による作用効果を奏する限り、複数の第1部分66は互いに同一でなくてもよく、複数の第2部分67も互いに同一でなくてもよい。また、図7に示す例において、配列方向Pdは、第1方向d1に平行となっているが、このような例に限定されず、配列方向pdは、第1方向d1と非平行となっていてもよい。
各第1部分66及び各第2部分67は、出射角制御層65のシート面内を延び配列方向pdに交差する長手方向ldを有している(図5参照)。また、出射角制御層65は、第1部分66及び第2部分67に積層された層をなすシート状のランド層68をさらに含んでいる。このランド層68は、第1部分66と一体的に形成されており、第1部分66とともに本体部69を形成している。言い換えると、出射角制御層65は、長手方向ldをもつ複数の溝69aを配列方向pdに並べて形成された本体部69を有し、本体部69の複数の溝69a内にそれぞれ第2部分67が配置されている。そして、本体部69のうちの隣り合う溝69aの間の部分が、第1部分66を画定している。
図7に示すように、とりわけ、溝69a内に配置された第2部分67は、導光板30側を向く面をなす底面67aと、液晶表示パネル15側を向く面をなす頂面67dと、底面67aの端部と頂面67dの端部の間を延びる第1側面67b及び第2側面67cと、を含んでいる。
底面67aと頂面67dとは、法線方向ndに間隔を空けて対向し、第1側面67bと第2側面67cとは、第1方向d1に間隔を空けて対向している。とりわけ、第1側面67bは、第1方向d1における入光面33側に配置され、第2側面67cは、第1方向d1における反対面34側に配置されている。
本実施の形態では、第1側面67bおよび第2側面67cは、底面67aに対して傾斜して、当該底面67aから出光側に向かって延び出している。とりわけ、図7に示された例では、第1側面67bが底面67aに対してなす角度α1は、第2側面67cが底面67aに対してなす角度α2よりも小さい。
図示する例では、底面67a、頂面67d、第1側面67bおよび第2側面67cが平坦面として形成されており、第2部分67は、図7に示す断面において台形形状をなしている。ただし、第2部分67の断面形状は、台形形状である必要はなく、種々の形状を有するようにしてもよい。例えば、第2部分67の断面形状は、三角形形状であってもよいし、三角形の一以上の角、例えば底面67aから離間した角が面取りされてなる形状となっていてよい。
一方、第1部分66は、導光板30側を向く面をなす底面66aを含んでいる。第1部分66の底面66aは、隣り合う2つの第2部分67の底面67aの間を延びている。したがって、第1部分66の底面66aと、第2部分67の底面67aと、によって、出射角制御層65の導光板30側を向く面65aが画定されている。
本実施の形態では、第1部分66の導光板30側を向く面をなす底面66aは、配列方向pdに沿った長さW1を有し、第2部分67の導光板30側を向く面をなす底面67aは、配列方向pdに沿った長さW2を有している。そして、底面66aの長さW1と底面67aの長さW2が以下の関係式(1)を満たすように決定されている。
0.30≦W1/(W1+W2)<0.96‥(1)
図7から理解されるように、式(1)は、出射角制御層(ルーバー層)65内の開口率を示す指標となる。
なお、複数の第1部分66の間で底面66aの長さW1が異なる場合や、複数の第2部分67の間で底面67aの長さW2が異なる場合には、式(1)を満たすかについて以下のようにして判断することができる。先ず、出射角制御層65から2.0mm×2.0mmのテスト領域を抽出する。本件発明者らによれば、第1部分66及び第2部分67の大きさや配列ピッチを考慮した結果から、2.0mm×2.0mmのテスト領域を抽出すれば、第1部分66の底面66aの長さW1及び第2部分67の底面67aの長さW2の指標値を決定するのに十分な大きさであることが知見された。
次に、テスト領域内の全ての第1部分66の底面66aの長さW1及び全ての第2部分67の底面67aの長さW2を計測し、長さW1の平均値W1’及び長さW2の平均値W2’を算出する。得られた平均値W1’及び平均値W2’を式(1)でいうW1及びW2とみなし、式(1)の充足性について判断する。
また、第2部分67は、主部をなす樹脂材料に、光を吸収する光吸収材67mを分散することで形成されている。第2部分67が光吸収材67mを含むことにより、第2部分67内に進入してきた光を吸収することができる。かかる光吸収材67mは、可視光を吸収する機能を有すればよく、例えばカーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩等、顔料、染料から構成され得る。
また、第2部分67の主部をなす樹脂材料は、第1部分66を含む本体部69をなす樹脂材料よりも屈折率の小さい材料からなる。このため、第1部分66と第2部分67との境界に、屈折率差をもつ反射界面65xが形成される。
反射界面65xによれば、第1側面67bまたは第2側面67cへの入射角度が大きい光L71を反射界面65xで反射して正面方向に向かわせることができる。一方、第1側面67bまたは第2側面67cへの入射角度が小さい光L72は、第2部分67内に進入する。第2部分67内に進入した光L72は、光吸収材67mにより吸収される。
次に、以上のような構成からなる表示装置10の作用について説明する。
まず、図2に示すように、光源24をなす発光体25で発光された光L21、L22は、入光面33を介し、導光板30に入射する。導光板30に入射した光L21、L22は、導光板30の出光面31および裏面32において、反射、とりわけ導光板30をなす材料と空気との屈折率差に起因して全反射を繰り返して導光されていく。
図2に示すように、導光板30の裏面32は、入光面33から反対面34に向かうにつれて、出光面31に対して接近するように傾斜した傾斜面37を有している。傾斜面37は立上面38及び接続面39を介して連結されている。このうち立上面38は、法線方向ndに延びている。したがって、導光板30内を入光面33の側から反対面34の側へと進む光L21、L22の殆どは、裏面32のうち、立上面38に入射することなく、傾斜面37又は接続面39にて反射するようになる。そして、裏面32のうちの傾斜面37で反射すると、図2に示された断面における当該光L21、L22の進行方向は、第1方向d1に対する傾斜角度を増大させる。すなわち、裏面32のうちの傾斜面37で反射すると、以降における、当該光L21、L22の出光面31及び裏面32への入射角度が小さくなる。したがって、導光板30内を進む光L21、L22の出光面31及び裏面32への入射角度は、裏面32のうちの傾斜面37での一以上の反射によって、次第に小さくなっていく。出光面31および裏面32への入射角度が全反射臨界角未満となると、当該光L21、L22は、導光板30の出光面31または裏面32から、出射し得るようになる。このうち、裏面32から出射した光は、導光板30の背面に配置された反射シート28で反射され再び導光板30内に戻されることになる。
一方、出光面31を介し導光板30から出射する光L21、L22は、出光面31をなす単位プリズム50の表面において屈折する。この屈折により、法線方向ndに対して第2方向d2に傾斜した方向に進む光L21、L22は、第2方向d2に沿った成分について、透過光の進行方向を法線方向nd側に絞り込まれる。すなわち、出光側単位光学要素50は、導光方向と直交する第2方向d2に沿った光の成分に対して、正面方向における輝度を向上させるように作用する。
導光板30から出射した光L21、L22は、その後、光学シート60へ入射する。上述したように、この光学シート60は、導光板30の側へ向けて突出する単位光学要素70を有している。図5によく示されているように、単位光学要素70の長手方向は、導光板30による導光方向(第1方向)d1と直交する第2方向d2と平行になっている。
この結果、光源24で発光され導光板30を介して光学シート60へ向かう光L21、L22は、入光面33側に位置する単位光学要素70の第1プリズム面71を介して単位光学要素70へ入射する。図2に示すように、この光L21、L22は、その後、反対面34側に位置する単位光学要素70の第2プリズム面72で全反射してその進行方向を変化させるようになる。より詳しくは、図2に示す断面において導光板30の法線方向ndから傾斜した方向に進む光L21、L22は、単位光学要素70の第2プリズム面72での全反射により、その進行方向が法線方向ndに対してなす角度が小さくなるように曲げられる。このような作用により、単位光学要素70は、第1方向(導光方向)d1に沿った光の成分について、透過光の進行方向を法線方向nd寄りに絞り込むことができる。すなわち、単位光学要素70は、第1方向d1に沿った光の成分に対して、正面方向における輝度を向上させるように作用する。
単位光学要素70にて正面方向に向けられた光L21、L22は、出射角制御層65に向かう。上述のように、出射角制御層65は、配列方向pdに沿って交互に繰り返し並べられた複数の第1部分66及び複数の第2部分67を有し、第2部分67は、光吸収材67mを含んでいる。この場合、単位光学要素70にて曲げられた光L21、L22のうち、第2部分67内を進行する光は、第2部分67内に含まれる光吸収材67mにて吸収されるが、第1部分66内を進行する光は、当該第1部分66内を透過して液晶表示パネル15に向かっていく。
ただし、導光板30内を進行する光は、出光面31及び裏面32にて全反射を繰り返す光L21、L22だけでなく、裏面32にて全反射方向とは異なる方向に向きを変更された光や裏面32を透過した後反射シート28にて再び戻された光等も含む。図8に、このような光が光学シート60に入射するようすが示されている。図8に示すように、このような意図された方向とは異なる方向に向かう光L81、L82は、出光面31から取り出された後、単位光学要素70にて意図された通りに曲げられず、法線方向ndに対して大きく傾斜して出射角制御層65に進入する。
図8に示すように、出射角制御層65において、複数の第1部分66及び複数の第2部分67が配列方向pdに沿って交互に繰り返し並べられているため、法線方向ndに対して大きく傾斜した光L81、L82は、第1部分66を介してあるいは直接的に第2部分67に入射する。第1部分66を介して第2部分67に向かう光L81が反射界面65xに全反射臨界角以上で入射すると、反射界面65xにて全反射され法線方向nd寄りに絞り込まれる。その後、全反射した光L81は、液晶表示パネル15に向かっていく。一方、第1部分66を介して第2部分67に向かう光L82が反射界面65xに全反射臨界角度未満で入射すると、第2部分67内に進入して光吸収材67mに吸収される。また、第2部分67に直接入射した光も、第2部分67内で光吸収材67mに吸収される。いずれにしても、導光板30から意図された方向とは異なる方向に放出される光L81、L82は、出射角制御層65にて反射あるいは吸収され、発光面21から法線方向ndに対して大きく傾斜した方向に向かっては放出されない。
出射角制御層65を透過した光は、その後、液晶表示パネル15の下偏光板14へ入射する。下偏光板14は、直交する二つの偏光成分(P波およびS波)のうちの、一方の方向に振動する偏光成分の光を透過させる。下偏光板14を透過した一方の偏光成分の光は、画素毎への電界印加の状態に応じて、選択的に上偏光板13を透過するようになる。このようにして、液晶表示パネル15によって、面光源装置20からの光を画素毎に選択的に透過させることにより、液晶表示装置10の観察者が、映像を観察することができるようになる。
以上のように、本実施の形態によれば、出光面31と、出光面31に対向する裏面32と、出光面31と裏面32との間の側面の一部分からなる少なくとも一つの入光面33と、前記側面の一部分からなり第1方向d1に沿って一つの入光面33に対向する反対面34と、を有する導光板30と、導光板30の入光面33に対向して配置された光源24と、導光板30の出光面31側に配置されたシート状の出射角制御層65と、出射角制御層65と導光板30との間で第1方向d1に沿って配列され、各々が第1方向d1と非平行であるとともにシート状の出射角制御層65のシート面に沿った方向に沿って延びる、複数の単位光学要素70と、を備え、出射角制御層65は、当該出射角制御層65のシート面に沿った配列方向pdに沿って配列された複数の第1部分66であって、各々が、配列方向pdと非平行であるとともに出射角制御層65のシート面に沿った長手方向ldに延びる、複数の第1部分66と、第1部分66と配列方向pdに交互に配列された複数の第2部分67であって、光を吸収する光吸収材67mを含む複数の第2部分67と、を有する。このような形態によれば、導光板30から意図された方向とは異なる方向に放出される光L81、L82は、出射角制御層65の第2部分67にて反射あるいは吸収され、出射角制御層65から法線方向ndに対して大きく傾斜した方向に向かって放出され難くなる。このため、面光源装置20から正面方向から大きくずれた方向に向かって放出される光を低減することが可能となる。
さらに、本実施の形態では、0.30≦W1/(W1+W2)の関係を満たすように、底面66aの長さW1と底面67aの長さW2とを決定している。上述のように、単位光学要素70にて偏向された光L21、L22は、その進行方向を法線方向nd寄りに絞り込まれる。このことから、単位光学要素70にて偏向された光L21、L22は、概ね法線方向nd寄りの方向から出射角制御層65に入射する。この場合、単位光学要素70からの光が第1部分66及び第2部分67のいずれを透過するかは、出射角制御層65の導光板30側を向く面65aに占める第1部分66及び第2部分67の割合に依存することになる。
すなわち、出射角制御層65の導光板30側を向く面65aに占める第1部分66の割合が大きくなる、すなわち、第1部分66の底面66aの長さW1と第2部分67の底面67aの長さW2にて規定されるW1/(W1+W2)の値が大きくなるほど、単位光学要素70からの光が第1部分66に入射し易くなる。第1部分66に入射する光の割合が大きくなるほど、出射角制御層65を透過する光の割合が増え、導光板30からの光の利用効率が高くなる。
逆に、出射角制御層65の導光板30側を向く面65aに占める第2部分67の割合が大きくなると、すなわち、W1/(W1+W2)の値が小さくなるほど、単位光学要素70からの光が第2部分67に入射し易くなる。第2部分67に入射する光の割合が大きくなるほど、光吸収材67mにて光が吸収され導光板30からの光の利用効率が低下する。
すなわち、0.30≦W1/(W1+W2)の関係を満たすように、底面66aの長さW1と底面67aの長さW2とを決定することにより、面光源装置20に期待される光の利用効率を維持しつつ、出射角制御層65による正面方向から大きくずれた方向に向かって放出される光を低減する機能を有効に発揮することができる。
また、本実施の形態によれば、W1/(W1+W2)<0.96の関係が満たされていて、本体部69に形成された各溝69a内に第2部分67が配置されている。前記関係式を満たす場合、上述の出射角制御層65による光学機能を維持しつつ、工業的な生産工程を利用して複数の溝69aを本体部69に形成することが可能である。このため、上述の光学機能を維持した出射角制御層65を効率よく製造することができ、市場で競争力のある価格で提供することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、複数の単位光学要素70は、出射角制御層65の導光板30側を向く面65a上に配列されている。この場合、出射角制御層65と単位光学要素70とを一体として取り扱うことができるため、取り扱い性に優れる。
また、本実施の形態によれば、配列方向pdは、第1方向d1に沿っている。この場合、法線方向ndから第1方向d1に大きく傾斜した光を出射角制御層65にて遮ることができる。
また、本実施の形態によれば、導光板30の裏面32は、第1方向d1に配列された複数の傾斜面37を含み、各傾斜面37は、反対面34に近接して位置する端部E1が入光面33側に近接して位置する端部E2よりも出光面31に接近するように、出射角制御層65の法線方向nd及び第1方向d1の両方に対して傾斜している。この場合、出光面31と裏面32との間で反射を繰り返して導光板30内を導光される光は、導光板30の出光面31から法線方向ndに対して傾斜した方向に向かって取り出され易くなる。
加えて、本実施の形態によれば、単位光学要素70は、光透過面71と、第1方向d1に沿って光透過面71よりも反対面34に近接した位置に位置する光反射面72と、を含み、導光板30の出光面31から出射した光の少なくとも一部は、単位光学要素70の光透過面71を透過した後光反射面72にて全反射して出射角制御層65に向かう光が存在する。この場合、導光板30の出光面31から法線方向ndに対して傾斜した方向に向かう光が、単位光学要素70にて全反射して法線方向ndに絞り込まれる。このため、単位光学要素70にて偏向された光L21、L22は、概ね法線方向nd寄りの方向からますます出射角制御層65に入射し易くなる。したがって、W1/(W1+W2)の値を調整することで、光の利用効率と、出射角制御層65による正面方向から大きくずれた方向に向かって放出される光を低減する機能と、を意図した通りに調整し易くなる。
次に、図1に示す表示装置10を車両1に適用した例を図9を参照して説明する。図9は、表示装置10を自動車のインストルメントパネル3に組み込んだ例を示す斜視図である。なお、インストルメントパネル3とは、運転席の計器類、ダッシュボード及びセンターコンソールと呼ばれる部品を含む総称である。図9に示す例では、第1方向d1に平行な配列方向pdが上下方向に対応しており、第1方向d1における一側に位置する入光面33及び光源24が上下方向における下方に位置し、第1方向d1における他側に位置する反対面34が上下方向における上方に位置している。
仮に、表示装置10に出射角制御層65が設けられていない場合、表示装置10から法線方向ndに対して上側に大きく傾斜した方向に向かう光がフロントウィンド2に入射してしまい、映り込みとして運転手等に観察されてしまう。この点、図9に示す例では、表示装置10に出射角制御層65が設けられているため、法線方向ndに対して第1方向d1における他側(上側)に大きく傾斜した方向に向かうべき光を出射角制御層65にて遮り、映り込みとして観察されてしまうことを抑制することができる。
≪変形例≫
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
上述した実施の形態では、図7に示すように、第2部分67の断面形状が台形形状からなる例を示したが、このような例に限定されない。単位光学要素70にて偏向された後に概ね法線方向ndから出射角制御層65に入射する光L21、L22を、高い透過率で透過させることができる限り、第2部分67の断面形状として任意の形状を採用することができる。
また、上述した実施の形態における表示装置10において、反射型偏光層80がさらに設けられていてもよい。図10に、表示装置10に反射型偏光層80を設けた例を示す。図10に示す例では、反射型偏光層80は、出射角制御層65と複数の単位光学要素70との間に配置され、出射角制御層65及び複数の単位光学要素70と共に光学シート60を構成している。図10に示す反射型偏光層80は、出光側の面で出射角制御層65に接合され、入光側の面で複数の単位光学要素70が賦型されたフィルムに接合されている。具体的な反射型偏光層80の例としては、例えば、住友3M社製DBEFシリーズが挙げられる。
反射型偏光層80は、下偏光板14にて透過されるべき方向に振動する直線偏光成分(例えば、P波)を透過し、下偏光板14にて透過されるべき方向とは異なる方向に振動する直線偏光成分(例えば、S波)を反射する機能をもつ。反射型偏光層80にて反射された光は、導光板30側に戻され、面光源装置20を構成する各層の表面にて再び反射させられる。各層の表面にて再び反射した光は、反射の際に振動方向を変化させられ、再び反射型偏光層80に戻ってくる。反射型偏光層80に戻った光は、その一部が反射型偏光層80を透過し、その他の一部が再度反射させられる。
このようにして、反射型偏光層80は、下偏光板14にて透過されるべき方向とは異なる方向に振動する直線偏光成分を、面光源装置20内で繰り返し反射させる。これにより、下偏光板14にて透過されるべき方向とは異なる方向に振動する直線偏光成分の偏光方向を変化させ、結果として下偏光板14にて透過されるべき方向に振動する直線偏光成分の光量を増大させる。この結果、導光板30からのより多くの光が下偏光板14を透過することができるようになり、表示装置10の表示面11から出射する光の輝度を向上させることができる。
とりわけ、図10に示す例では、反射型偏光層80の入光側には、複数の単位光学要素70が配列されている。この場合、反射型偏光層80にて反射した光は、単位光学要素70に戻るが、この単位光学要素70に入射する位置に応じて進行方向を種々の方向に変更させられる。これら種々の方向に向きを変更させられた光が、面光源装置20を構成する各層の表面にて反射し、再び反射型偏光層80に戻った場合、反射型偏光層80を透過した光が向かう進行方向も、種々の方向となる。結果として、これらの種々の方向に向かう光は、表示装置10から出射する光の視野角を向上させるように機能する。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
以下に説明するようにして、実施例1〜3及び比較例1に係る面光源装置を設計し光の利用効率についてシミュレーションを行った。面光源装置は、図1〜8を参照して説明した上述の一実施の形態と同一に構成した。すなわち、面光源装置は、光源、導光板、及び、光学シートを有するようにした。導光板は、図1〜8を参照して説明した上述の一実施の形態と同一に構成した。反射層及び光源は、市販されている液晶表示装置に組み込まれているものを利用した。反射層、光学シート及び光源は、各面光源装置間で共通とした。
各実施例及び比較例に係る面光源装置の光学シートは、図1〜8を参照して説明した上述の一実施の形態と同一に構成した。ただし、各実施例及び比較例に係る光学シートにおいて、出射角制御層の構成要素である第1部分の長さW1及び第2部分の長さW2の関係式W1/(W1+W2)の値を変更した。
各構成要素の主要な寸法は、図11に示す通りである。先ず、導光板については、裏面の傾斜面が第1方向に対してなす傾斜角度θを2.3°とし、隣り合う傾斜面のピッチPmを150μmとし、傾斜面の第1方向に沿った長さLmを30μ−90μmの間で順に変化させた。次に、単位光学要素については、光透過面が第1方向に対してなす角度βを58.3°とし、先端部寄りに位置する光反射面の第1要素面が第1方向に対してなす角度φaを56.0°とし、基端部寄りに位置する光反射面の第2要素面が第1方向に対してなす角度φbを58.5°とした。また、隣り合う単位光学要素のピッチPnを18μmとした。
また、光源は入光面に隣接するように配置し、光源と入光面との間に隙間はみられなかった。さらに、反射シートも裏面に隣接するように配置し、反射シートと裏面との間に隙間はみられなかった。
第1部分の導光板側を向く面の、配列方向に沿った長さW1、及び、第2部分の導光板側を向く面の、配列方向に沿った長さW2については、表1に示す通りである。
(評価結果)
このようにして設計された各実施例及び比較例に係る面光源装置において、光源から導光板に光を入射させた。表1の「光の利用効率」の欄において、市場で利用される面光源装置に比べて光の利用効率が遜色ない程度に発揮され、且つ、面光源装置に期待される光の利用効率が得られた場合に◎とし、市場で利用される面光源装置に比べて光の利用効率がやや劣るものの面光源装置に期待される光の利用効率が得られた場合に○とし、期待される光の利用効率が得られなかった場合に×とした。
また、表1の「正面方向から大きくずれた光を遮る機能」の欄において、正面方向から大きくずれた光を遮る機能が期待された通りに得られた場合に○とし、期待された通りに得られなかった場合には×とした。
また、表1の「コスト」の欄において、出射角制御層を繰り返し賦型したときに、安定して効率よく(歩留まりよく)賦型することができると考えられる結果が得られた場合を○とし、歩留まりが低下するおそれがあると考えられる結果の場合を△とした。
表1に示す通り、実施例1〜3及び比較例1に係る面光源装置のいずれも、正面方向から大きくずれた光を遮る機能が期待された通りに得られた。また、実施例1〜3に係る面光源装置おいては、面光源装置に期待される光の利用効率が得られた。これに対して、比較例1に係る面光源装置おいては、面光源装置に期待される光の利用効率が得られなかった。
ただし、W1/(W1+W2)の値が0.96以上になると、導光板を繰り返し賦型したときに、歩留まりが低下するおそれが生じた。このため、実施例1に係る面光源装置では、面光源装置に期待される光の利用効率が得られるものの、コストの評価としては△となった。