JP2017016565A - 画像投写システム - Google Patents
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Abstract
【課題】インタラクティブ機能を備えた画像投写システムにおいて、インタラクティブペン40を用いてスクリーン20に対してダブルタップ操作を行う際のスクリーン20の揺れに起因する誤判定の発生を抑える。【解決手段】スクリーンの面に直交する方向における揺れ量を検知する揺れ量検知手段として、インタラクティブペン40、スクリーン撮像部15、主制御部2、及びインタラクティブ制御部8の組み合わせを機能させた。そして、スクリーン20に対する位置の指示操作として、インタラクティブペン40によってスクリーン20に対して二回続けてなされたタップ操作について、ダブルタップ操作であるか否かを揺れ量検知手段による検知結果に基づいて判定する判定処理を実施するように、主制御部2を構成した。【選択図】図1
Description
本発明は、プロジェクター等の画像投写システムに関するものである。
従来より、投写手段によって被投写面に投写されている画像における任意の位置を指示するためのポインティングデバイスと、これによって指示操作された位置の情報を取得する位置情報取得手段とを備える画像投写システムが知られている。
例えば、特許文献1に記載の画像投写システムは、投写手段としてのプロジェクターによって画像が投写されている被投写面に対してポインティングデバイスとしての電子ペンによって指示操作がなされると、位置情報取得部がその操作位置の座標情報を取得する。そして、その座標情報を無線通信で受信したプロジェクターが、座標情報に基づいて投写画像の加工などを行う。
このような画像投写システムにおいて、被投写面を具備する投写対象物として、スクリーンなどの天井から吊すタイプのものを用いると、電子ペンで被投写面をタップした際に投写対象物に揺れを発生させてタップ操作についての誤判定を引き起こすことがあった。具体的には、被投写面のほぼ同じ位置を比較的短時間で二回続けてタップするダブルタップ操作を行う際に、被投写面に対して一回目のタップを行った際に投写対象物に揺れを発生させることがある。その揺れにより、二回目のタップを行うまでの時間間隔が長くなってしまうと、それら二回のタップ操作について、ダブルタップ操作ではなく、シングルタップ操作が二回続けて行われたものと誤判定されることがあった。
上述した課題を解決するために、本発明は、被投写面に画像を投写手段と、前記被投写面に投写されている画像における任意の位置を指示するためのポインティングデバイスと、前記ポインティングデバイスによって指示操作された前記位置の情報を取得する位置情報取得手段とを備える画像投写システムにおいて、前記被投写面の面に直交する方向における揺れ量を検知する揺れ量検知手段と、前記指示操作として、前記ポインティングデバイアスによって前記被投写面に対して二回続けてなされたタップ操作について、ダブルタップ操作であるか否かを前記揺れ量検知手段による検知結果に基づいて判定する判定手段とを設けたことを特徴とするものである。
本発明によれば、ポインティングデバイスを用いてダブルタップ操作を行う際の投写対象物の揺れに起因する誤判定の発生を抑えることができるという優れた効果がある。
以下、本発明を適用した画像投写システムの一実施形態について説明する。
まず、実施形態に係る画像投写システムの基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係る画像投写システムの電気回路の一部を示すブロック図である。図示のように、画像投写システムは、投写手段としてのプロジェクター1、投写対象物としてのスクリーン20、リモコン30、ポインティングデバイスとしてのインタラクティブペン40などを備えている。プロジェクター1は、ユーザーがスクリーン20に表示されるパソコンの画面を見ながら、対話をするような形式でインタラクティブペン40を操作することが可能なインタラクティブ機能を有するものである。
まず、実施形態に係る画像投写システムの基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係る画像投写システムの電気回路の一部を示すブロック図である。図示のように、画像投写システムは、投写手段としてのプロジェクター1、投写対象物としてのスクリーン20、リモコン30、ポインティングデバイスとしてのインタラクティブペン40などを備えている。プロジェクター1は、ユーザーがスクリーン20に表示されるパソコンの画面を見ながら、対話をするような形式でインタラクティブペン40を操作することが可能なインタラクティブ機能を有するものである。
プロジェクター1は、主制御部2、操作制御部7、インタラクティブ制御部8、映像入力端子部9、映像音声処理部10、音声出力ユニット11、データ記憶部12、ランプ駆動部13、ランプ14、スクリーン撮像部15などを有している。また、光学制御部16、光学ユニット17なども有している。
映像入力端子部9は、パーソナルコンピューターなど、映像信号を出力することが可能なユーザーの各種機器に接続されて、映像信号を受信する。そのために、オーディオビジュアル機器の出力端子に接続ケーブルによって接続されるHDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)端子を具備している。また、ビデオ端子や、パーソナルコンピューターの映像出力端子に接続ケーブルによって接続されるRGB端子なども具備している。
映像音声処理部10は、映像入力端子部9によって受信された映像データをRGBのデジタル映像データに変換して主制御部2に転送する。また、映像入力端子部9や主制御部1から送られてくる音声データをD/A変換してスピーカーなどの音声出力ユニット11に出力する。
主制御部2は、演算手段としてのCPU(Central Processing Unit)3や、各処理におけるデータを一時的に格納しておくメモリデバイスを具備している。メモリデバイアスとしては、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)4、ROM(Read Only Memory)5、NVRAM(Non Volatile RAM)6を具備している。ROM5内には、制御プログラム等を記憶している。また、NVRAM6は、電源OFF時にも設定情報等を記録しておくことが可能である。
主制御部2は、映像音声処理部9から転送されてくるRGB映像データに基づいて、ランプ駆動部13や光学制御部16を制御する。ランプ駆動部13は、主制御部2から送られてくる制御信号に基づいてランプ14の駆動を制御する。また、光学制御部16は、主制御部2から送られてくる制御信号に基づいて、光学ユニット17の駆動を制御する。これらの制御により、投写対象物としてのスクリーン20の被投写面に画像が投写される。
光学ユニット17としては、液晶ライトバルブからなるもの、カラーホイールからなるもの、DMD(Digital Micromirror Device)からなるものなどが挙げられる。何れも、映像をスクリーンに表示するための映像光を反射するミラーや、映像光を拡大/縮小するレンズなどを具備している。
光学制御部16としては、液晶ライトバルブの駆動を制御するバルブ駆動制御部や、カラーホイールの駆動を制御するカラーホイール駆動制御部、DMDの駆動を制御するDMD駆動制御部などが挙げられる。また、ランプ14としては、ランプ光源、LED、レーザーダイオードなどを例示することができる。
操作制御部7は、複数のキーからなるキー操作部と、画像を表示する液晶ディスプレイとを具備している。キー操作部には、プロジェクター1の電源をON/OFFするための電源キー、各種設定を行うメニューキー、↓キー、↑キー、←キー、→キー、決定キー、入力信号の切り替えを行うためのインプットキーなどが設けられている。各種設定時や、入力切り替え時の映像データは、主制御部2によるOSD(On Screen Display)処理によって生成される。
リモコン30には、操作制御部7と同じ機能を有する電源キー、メニューキー、↓キー、↑キー、←キー、→キー、決定キー、各映像入力端子を切り替える切り替えキー、0から9までの数字キー等が設けられている。リモコン30は、各種のキーが押されると、おされたキーに対応するコードを赤外線信号で送信する。操作制御部7は、その赤外線信号を受信すると、それに対応するコードを主制御部2に転送する。
スクリーン撮像部15は、光学ユニット17から発せられる光によってスクリーン20に投写されている画像を撮像する。また、データ記憶部12には、各種のデータが記憶されている。
図2は、スクリーン撮像部15の電気回路の要部を示すブロック図である。スクリーン撮像部15は、第一撮像部15A、及び第二撮像部15Bを具備するステレオカメラで構成されており、それら二つの撮像部は同一の構成のものである。二つの撮像部(15A,15B)は、撮像レンズ(15a,15b)と、2次元配置された複数の受光素子を具備する画像センサー(15c,15d)とを有している。また、センサー基板(15e,15f)や、これから出力されるアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換した撮像画像データを生成して出力する信号処理部(15g,15h)なども有している。スクリーン撮像部15からは、輝度画像データと視差画像データが出力される。
スクリーン撮像部15は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等からなる処理ハードウェア部15Cや、画像解析ユニット102も備えている。処理ハードウェア部120は、二つの撮像部(15A,15B)から出力される輝度画像データから視差画像を得るために、それぞれの撮像部で撮像した撮像画像間の対応画像部分の視差値を演算する視差演算部15jを有している。
視差値は、二つの撮像部(15A,15B)のそれぞれで撮像した撮像画像の一方を基準画像、他方を比較画像とし、撮像領域内の同一地点に対応した基準画像上の画像部分に対する比較画像上の画像部分の位置ズレ量を、その画像部分の視差値として算出したものである。三角測量の原理を利用することで、この視差値から前述の画像部分に対応した撮像領域内の同一地点までの距離を算出することができる。図3に示されるように、スクリーン20上にあるO点に対する左右画像での結像位置は、結像中心からの距離がそれぞれΔ1とΔ2となる。このときの視差値dは、Δ=Δ1+Δ2である。その視差値dに基づいて、プロジェクター1から点Oまでの距離を算出することができる。以下、このような算出を、視差に基づく距離算出という。
画像解析ユニット15Dは、画像処理基板等から構成され、撮像部(15A,15B)から出力される輝度画像データ及び視差画像データを記憶するRAMやROM等で構成される記憶手段15kを有している。また、識別対象の認識処理や視差計算制御などを行うためのコンピュータプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)15mも有している。
処理ハードウェア部15Cを構成するFPGAは、画像データに対してリアルタイム性が要求される処理、例えばガンマ補正、ゆがみ補正(左右の撮像画像の平行化)、ブロックマッチングによる視差演算を行って視差画像の情報を生成する。そして、画像解析ユニット15DのRAMに書き出す処理などを行う。このとき、各画素のテクスチャ量も計算し、視差画像と同様にRAMに書き出す処理を行う。画像解析ユニット15DのCPUは、撮像部(15A,15B)の画像センサコントローラの制御および画像処理基板の全体的な制御を担う。
図1において、操作者は、ポインティングデバイスとしてのインタラクティブペン50をペンのように持って、スクリーン20に対して手書き操作をしたり、タップ操作をしたりする。インタラクティブペン40の先端部に設けられたペン先がスクリーン20の被投写面に押し当てられて僅かに引っ込むと、インタラクティブペン40がペン先押下信号を無線でプロジェクター1のインタラクティブ制御部8に送信する。インタラクティブ制御部8は、そのペン先押下信号を主制御部2に転送する。
インタラクティブペン40のペン先は、押下されると特定波長の光を発する。主制御部2は、撮像信号に基づいて、被投写面におけるどの位置に特定波長の光スポットが存在するのかを特定して、特定結果の座標をペン先の座標とする。ペン先押下信号が比較的長時間に渡って途絶えることなく連続的に送られてくる一方で、ペン先の座標が刻々と変化する場合に、被投写面に対する手書き操作がなされたと判定するする。また、ペン先押下信号がごく短時間だけ送信され、その間、ペン先の座標が殆ど変化しない場合に、被投写面に対してタップ操作がなされたものと判定する。また、ペン先押下信号が比較的短時間のうちに断続的に二回続けて送信され、その間、ペン先の座標が殆ど変化しない場合に、被投写面に対してダブルタップ操作がなされたものと判定する。そして、タップ操作やダブルタップ操作がなされた場合には、操作がなされた座標位置に対応する処理を実行する。たとえば、座標位置がページ切り替えボタンの位置と一致した場合には、ページ切り替え処理を実行して投写画像を切り替えるなどする。
主制御部2は、ペン先押下信号を受信すると、スクリーン撮像部15から送られてくる撮像信号に基づいて、スクリーン20の被投写面上におけるインタラクティブペン40のペン先の座標を算出する。主制御部2による座標の算出方法は、次の通りである。即ち、主制御部2は、ペン先押下信号を受信すると、直ちに投写スポット縁枠の四隅の位置を特定する。図4に示されるように、投写スポット縁枠61は、スクリーン20の投写面に投写されている画像の投写スポット62よりも少しだけ小さな矩形状の仮想枠である。主制御部2は、まず、投写中の画像に重ねて、図4に示されるような印画像60を投写スポット縁枠61の四隅のそれぞれに所定の色調で投写することで、四隅の位置を特定する。そして、その特定結果と、インタラクティブペン40のペン先の位置との相対位置関係に基づいて、ペン先の座標を算出する。
このようにしてペン先の座標を算出した主制御部2は、次に、視差に基づく距離算出により、四つの印画像60(画像の中心)までの距離L1,L2,L3,L4を算出し、算出結果をNVRAM6に記憶する。
以上の構成の画像投写システムにおいては、インタラクティブペン40、スクリーン撮像部15、主制御部2、インタラクティブ制御部8などにより、被投写面上にてペンによって指示操作された位置の情報を取得する位置情報取得手段が構成されている。
上述したように、操作者は、実施形態に係る画像投写システムにおいて、インタラクティブペン40でスクリーン20の被投写面のほぼ同じ位置を比較的短時間で二回続けてタップするダブルタップ操作を行うことが可能である。この場合に、被投写面に対して一回目のタップを行った際に、スクリーン20に揺れを発生させることがある。その揺れにより、二回目のタップを行うまでの時間間隔が長くなってしまうと、それら二回のタップ操作について、ダブルタップ操作ではなく、シングルタップ操作が二回続けて行われたものと主制御部2に誤判定されてしまうおそれがある。
次に、実施形態に係る画像投写システムの特徴的な構成について説明する。
実施形態に係る画像投写システムは、スクリーン20の被投写面の面に直交する方向における揺れ量を検知する揺れ量検知手段を備えている。また、インタラクティブペン40を用いてなされたタップ操作について、ダブルタップ操作であるか否かを揺れ量検知手段による検知結果に基づいて判定する判定手段として、主制御部2を機能させている。
実施形態に係る画像投写システムは、スクリーン20の被投写面の面に直交する方向における揺れ量を検知する揺れ量検知手段を備えている。また、インタラクティブペン40を用いてなされたタップ操作について、ダブルタップ操作であるか否かを揺れ量検知手段による検知結果に基づいて判定する判定手段として、主制御部2を機能させている。
図5は、タップ操作される前の静止状態にあるスクリーン20と、これの被投写面に画像を投写しているプロジェクター1とを示す模式図である。プロジェクター1は、静止していて鉛直方向に真っ直ぐに吊られた状態のスクリーン20の被投写面に対し、図示のように矩形状の画面を傾きなく投写するように、姿勢や投写倍率などが調整されている。
図6は、インタラクティブペン40によってタップ操作がなされたことで揺れを発生させた状態のスクリーン20と、これの被投写面に画像を投写しているプロジェクター1とを示す模式図である。スクリーン20の被投写面に対してインタラクティブペン40を用いたタップ操作がなされたことに伴って、スクリーン20が前後に揺れると、図示のように投写画像の画面に歪みが生じる。具体的には、スクリーン20の下端が揺れによって下端よりも遠ざかることから、投写スポットの上辺よりも下辺が小さくなる逆台形状の歪みが生じる。主制御部2は、この歪みに基づいて、タップ操作がなされた座標位置におけるスクリーン20の前後方向の最大揺れ量を算出することが可能である。
主制御部2による揺れ量の算出の具体的な内容は次の通りである。即ち、まず、四つの印画像60までの距離L1,L2,L3,L4(以下、これらを距離組という)を測定してその結果をNVRAM6に記憶する処理をごく短時間の時間間隔で所定時間だけ繰り返す。以下、記憶した複数の距離組のうち、最初に記憶したものを基準距離組という。また、距離L3及び距離L4の和が最小であるものを下辺最小距離組という。この下辺最小距離組を記憶したときが、投写スポット縁枠61の下辺寸法が最小になったときであり、これは、下辺の揺れ量が最大になったときでもある。主制御部2は、基準距離組における距離L1及び距離L2の平均値と、下辺最小距離組における距離L1及び距離L2の平均値との差分を、上辺最大揺れ量として算出する。また、基準距離組における距離L3及び距離L4の平均値と、下辺最小距離組における距離L3及び距離L4の平均値との差分を、下辺最大揺れ量として算出する。そして、基準距離組における距離L1と距離L3とに基づいて、投写スポット縁枠61の左辺寸法を算出し、その算出結果と、上辺最大揺れ量と、下辺最大揺れ量とに基づいて、スクリーン20の上下方向における揺れ量勾配式を構築する。次に、その揺れ量勾配式と、ペン先のy座標とに基づいて、スクリーン20のタップされた位置での最大揺れ量を算出する。かかる構成の画像投写システムにおいては、、主制御部2、インタラクティブペン40、インタラクティブ制御部8、スクリーン撮像部15などにより、揺れ量検知手段が構成されている。
図7は、主制御部2によって実施されるタップ操作判定処理の処理フローを示すフローチャートである。インタラクティブペン40によってタップ操作がなされたことで揺れを発生させた状態のスクリーン20と、これの被投写面に画像を投写しているプロジェクター1とを示す模式図主制御部2は、タップ操作判定処理を開始するにあたり、まず、スクリーン撮像部15に対してスクリーン20の被投写面に投写されている画像の撮像を開始させる(ステップ1:以下、ステップをSと記す)。そして、矩形波状のペン先押下信号の受信を待機する(S2)。矩形波状の信号は、所定の閾値未満のごく短時間だけ立ち上がる信号である。長時間に渡って立ち上がるペン先押下信号が受信される場合には、タップ操作ではなく、書き込み操作がなされている。S2の工程は、タップ操作がなされたことを検出するための工程であることから、矩形波状のペン先押下信号を受信したときだけ、次のS3の工程に進む。
主制御部2は、S2の工程で矩形波状のペン先押下信号を受信すると(S2でY)、撮像データに基づいてペン先の座標を第一座標として特定する。そして、計時処理を開始した後に(S3)、スクリーン20に投写されている四つの印画像60についての距離L1,L2,L3,L4のサンプリングを開始する(S4)。その後、矩形波状のペン先押下信号について再受信したか否かを判定し(S5)、再受信しない場合には(S5でN)、計時結果について所定の閾値を超えたか否かを判定する(S15)。この判定において、計時結果が閾値を超えている場合には(S15でY)、一回目のタップ操作がなされてから、二回目のタップ操作がなされないままに閾値を超える時間が経過していることになる。そこで、この場合、先のペン先押下信号について、一回のシングルタップ操作に対応するものであると判定した後(S16)、処理フローをS2の工程にリターンさせる。
一方、上記S5の工程において、矩形波状ペン先押下信号を再受信した場合には(S5でY)、撮像データに基づいてペン先の座標を第二座標として特定する。そして、その時点における計時値を計時結果t1として記憶した後に(S6)、サンプリングした複数の距離組の中から下辺最小距離組を特定する(S7)。次いで、下辺最小距離組に基づいて、スクリーン20の被投写面の第二座標における最大揺れ量を算出した後に(S8)、その最大揺れ量に基づいて基準時間帯(ta〜tb)を特定する(S9)。
データ記憶部12には、次の表1に示されるような、スクリーン20の揺れ量[cm]と基準時間帯[ms]とを関連付ける基準時間帯データテーブルが記憶されている。振れ量が大きくなるほど、それに関連付けられる基準時間帯における下限値taや上限値tbがより大きくなっている。
主制御部2は、上記S9の工程において、基準時間帯データテーブルから、最大揺れ量の算出結果に関連付けられている基準時間帯を特定する。その後、計時結果t1について基準時間帯(ta〜tb)の範囲内にあるか否かを判定する(S10)。この判定において、計時結果t1が基準時間帯の範囲内にある場合には(S10でY)、スクリーン20の揺れ量に適した時間間隔で二回のタップ操作がなされたことになる。このため、ダブルタップ操作がなされた可能性があるが、一回目のタップ操作がなされた位置である第一座標と、二回目のタップ操作がなされた位置である第二座標との距離が閾値よりも大きい場合には、ダブルタップ操作ではない可能性が高い。そこで、次のS11の工程で、第一座標と第二座標とに基づいて座標間距離を算出し、算出結果が閾値未満である場合だけ(S11でY)、ダブルタップ操作がなされたものと判定し(S12)、その後に処理フローをS2にリターンさせる。座標間距離が閾値未満でない場合には(S11でN)、二回のタップ操作についてシングルタップ操作が二回続けて行われたものであると判定した後(S14)、処理フローをS2にリターンさせる。
上記S10の工程において、計時結果t1が基準時間帯内にない場合には(S10でN)、計時結果t1が基準時間帯の下限値ta以下であるケースと、計時結果t1が基準時間帯の上限値tbを超えるケースとの二通りが考えられる。そして、前者のケースでは、一回目のタップ操作によって発生したスクリーン20の微振動により、スクリーン20が操作者の意に反してインタラクティブペン40のペン先を押下してしまった可能性が高い。また、後者のケースでは、操作者が意図的に二回のタップ操作を行った可能性が高い。そこで、主制御部2は、前者のケースでは(S13でN)、一回目のペン先押下信号だけについてシングルタップ操作が一回行われたものであると判定する(S16)。また、後者のケースでは(S13でY)、一回目、二回目のセンサ押下信号についてそれぞれ個別にシングルタップ操作がなされたものであると判定する(S14)。
以上のように、スクリーン20の揺れ量に基づいて、スクリーン20の被投写面に対して二回続けてなされたタップ操作について、ダブルタップ操作であるか否かを判定することで、スクリーン20の揺れに起因する誤判定の発生を抑えることができる。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
態様Aは、被投写面に画像を投写手段(例えばプロジェクター1)と、前記被投写面に投写されている画像における任意の位置を指示するためのポインティングデバイス(例えばインタラクティブペン40)と、前記ポインティングデバイスによって指示操作された前記位置の情報を取得する位置情報取得手段(例えば、インタラクティブペン40、スクリーン撮像部15、主制御部2、及びインタラクティブ制御部8の組み合わせ)とを備える画像投写システムにおいて、前記被投写面の面に直交する方向における揺れ量を検知する揺れ量検知手段(例えば、主制御部2、インタラクティブ制御部8、及びスクリーン撮像部15の組み合わせ)と、前記指示操作として、前記ポインティングデバイアスによって前記被投写面に対して二回続けてなされたタップ操作について、ダブルタップ操作であるか否かを前記揺れ量検知手段による検知結果に基づいて判定する判定手段(例えば主制御部2)とを設けたことを特徴とするものである。
[態様A]
態様Aは、被投写面に画像を投写手段(例えばプロジェクター1)と、前記被投写面に投写されている画像における任意の位置を指示するためのポインティングデバイス(例えばインタラクティブペン40)と、前記ポインティングデバイスによって指示操作された前記位置の情報を取得する位置情報取得手段(例えば、インタラクティブペン40、スクリーン撮像部15、主制御部2、及びインタラクティブ制御部8の組み合わせ)とを備える画像投写システムにおいて、前記被投写面の面に直交する方向における揺れ量を検知する揺れ量検知手段(例えば、主制御部2、インタラクティブ制御部8、及びスクリーン撮像部15の組み合わせ)と、前記指示操作として、前記ポインティングデバイアスによって前記被投写面に対して二回続けてなされたタップ操作について、ダブルタップ操作であるか否かを前記揺れ量検知手段による検知結果に基づいて判定する判定手段(例えば主制御部2)とを設けたことを特徴とするものである。
かかる構成においては、一回目のタップ操作に伴って生じた投写対象物の揺れ量に基づいて、一回目のタップ操作と二回目のタップ操作との時間間隔について、ダブルタップ操作として適している適正範囲(適正時間帯)を特定することが可能である。更には、一回目のタップ操作がなされてから二回目のタップ操作がなされるまでの時間間隔の実測値について、揺れ量に基づいて特定した適切範囲内にない場合に、二回のタップ操作についてダブルタップ操作ではないと判定することも可能である。このような判定により、ダブルタップ操作を行う際の投写対象物の揺れに起因する誤判定の発生を抑えることができる。
[態様B]
態様Bは、態様Aにおいて、前記二回のタップ操作について、一回目のタップ操作に基づいて前記位置情報取得手段によって取得された位置の情報と、二回目のタップ操作に基づいて前記位置情報取得手段によって取得された位置の情報との差分(例えば座標間距離)と、前記揺れ量検知手段による検知結果とに基づいて、ダブルタップ操作であるか否かを判定するように、前記判定手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、一回目のタップ操作と二回目のタップ操作との時間間隔の実測値が揺れ量に基づく適切範囲内にあったとしても、前記差分が比較的大きい場合には、二回のタップ操作についてそれぞれシングルタップ操作であると判定することが可能である。このような判定により、操作者が被投写面の異なる位置をそれぞれシングルタップ操作した際に、それらシングルタップ操作の時間間隔が偶然に前述の適正範囲内に入ってしまうことによる誤判定の発生を回避することができる。
態様Bは、態様Aにおいて、前記二回のタップ操作について、一回目のタップ操作に基づいて前記位置情報取得手段によって取得された位置の情報と、二回目のタップ操作に基づいて前記位置情報取得手段によって取得された位置の情報との差分(例えば座標間距離)と、前記揺れ量検知手段による検知結果とに基づいて、ダブルタップ操作であるか否かを判定するように、前記判定手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、一回目のタップ操作と二回目のタップ操作との時間間隔の実測値が揺れ量に基づく適切範囲内にあったとしても、前記差分が比較的大きい場合には、二回のタップ操作についてそれぞれシングルタップ操作であると判定することが可能である。このような判定により、操作者が被投写面の異なる位置をそれぞれシングルタップ操作した際に、それらシングルタップ操作の時間間隔が偶然に前述の適正範囲内に入ってしまうことによる誤判定の発生を回避することができる。
[態様C]
態様Cは、態様Bにおいて、前記被投写面の揺れ量と時間差範囲(例えば基準時間帯)との関係を関連付けたデータテーブルにて、前記揺れ量検知手段による検知結果に関連付けられている時間差範囲が、前記一回目のタップ操作がなされてから前記二回目のタップ操作がなされるまでの時間差の実測値を包含するものであり、且つ前記差分が所定範囲内である場合に、前記二回のタップ操作についてダブルタップ操作であると判定するように、前記判定手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、操作者が被投写面の異なる位置をそれぞれシングルタップ操作した際に、それらシングルタップ操作の時間間隔が偶然に前述の適正範囲内に入ってしまうことによる誤判定の発生を回避することができる。
態様Cは、態様Bにおいて、前記被投写面の揺れ量と時間差範囲(例えば基準時間帯)との関係を関連付けたデータテーブルにて、前記揺れ量検知手段による検知結果に関連付けられている時間差範囲が、前記一回目のタップ操作がなされてから前記二回目のタップ操作がなされるまでの時間差の実測値を包含するものであり、且つ前記差分が所定範囲内である場合に、前記二回のタップ操作についてダブルタップ操作であると判定するように、前記判定手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、操作者が被投写面の異なる位置をそれぞれシングルタップ操作した際に、それらシングルタップ操作の時間間隔が偶然に前述の適正範囲内に入ってしまうことによる誤判定の発生を回避することができる。
1:プロジェクター(投写手段)
2:主制御部(判定手段、位置情報取得手段の一部、揺れ量検知手段の一部)
8:インタラクティブ制御部(位置情報取得手段の一部、揺れ量検知手段の一部)
15:スクリーン撮像部(位置情報取得手段の一部、揺れ量検知手段の一部)
40:インタラクティブペン(ポインティングデバイアス、位置情報取得手段の一部)
2:主制御部(判定手段、位置情報取得手段の一部、揺れ量検知手段の一部)
8:インタラクティブ制御部(位置情報取得手段の一部、揺れ量検知手段の一部)
15:スクリーン撮像部(位置情報取得手段の一部、揺れ量検知手段の一部)
40:インタラクティブペン(ポインティングデバイアス、位置情報取得手段の一部)
Claims (3)
- 被投写面に画像を投写手段と、前記被投写面に投写されている画像における任意の位置を指示するためのポインティングデバイスと、前記ポインティングデバイスによって指示操作された前記位置の情報を取得する位置情報取得手段とを備える画像投写システムにおいて、
前記被投写面の面に直交する方向における揺れ量を検知する揺れ量検知手段と、前記指示操作として、前記ポインティングデバイアスによって前記被投写面に対して二回続けてなされたタップ操作について、ダブルタップ操作であるか否かを前記揺れ量検知手段による検知結果に基づいて判定する判定手段とを設けたことを特徴とする画像投写システム。 - 請求項1の画像投写システムにおいて、
前記二回のタップ操作について、一回目のタップ操作に基づいて前記位置情報取得手段によって取得された位置の情報と、二回目のタップ操作に基づいて前記位置情報取得手段によって取得された位置の情報との差分と、前記揺れ量検知手段による検知結果とに基づいて、ダブルタップ操作であるか否かを判定するように、前記判定手段を構成したことを特徴とする画像投写システム。 - 請求項2の画像投写システムにおいて、
前記被投写面の揺れ量と時間差範囲との関係を関連付けたデータテーブルにて、前記揺れ量検知手段による検知結果に関連付けられている時間差範囲が、前記一回目のタップ操作がなされてから前記二回目のタップ操作がなされるまでの時間差の実測値を包含するものであり、且つ前記差分が所定範囲内である場合に、前記二回のタップ操作についてダブルタップ操作であると判定するように、前記判定手段を構成したことを特徴とする画像投写システム。
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2015
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