JP2017015596A - 液体中の温度分布測定方法 - Google Patents

液体中の温度分布測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017015596A
JP2017015596A JP2015133690A JP2015133690A JP2017015596A JP 2017015596 A JP2017015596 A JP 2017015596A JP 2015133690 A JP2015133690 A JP 2015133690A JP 2015133690 A JP2015133690 A JP 2015133690A JP 2017015596 A JP2017015596 A JP 2017015596A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
liquid
temperature distribution
jig
measuring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015133690A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6582627B2 (ja
Inventor
勇佐 大久保
Yusuke Okubo
勇佐 大久保
嘉宏 後藤
Yoshihiro Goto
嘉宏 後藤
晶詳 中瀬
Akiyoshi Nakase
晶詳 中瀬
直規 澤田
Naoki Sawada
直規 澤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2015133690A priority Critical patent/JP6582627B2/ja
Publication of JP2017015596A publication Critical patent/JP2017015596A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6582627B2 publication Critical patent/JP6582627B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Radiation Pyrometers (AREA)

Abstract

【課題】よりシンプルな構成にて液体の内部の温度分布を測定することができる、液体中の温度分布測定方法を提供する。【解決手段】測定対象の液体Q中に浸漬された場合に表面の各位置に接触している液体の温度に応じた赤外線を赤外線撮像手段に向けて透過あるいは伝播する温度測定治具10と、赤外線撮像手段20と、画像処理手段と、を用い、温度測定治具を液体中に浸漬する治具浸漬ステップと、温度測定治具を透過あるいは伝播してきた赤外線を赤外線撮像手段を用いて撮像して温度分布画像データを得る赤外線撮像ステップと、温度分布画像データを赤外線撮像手段から画像処理手段へと転送するデータ転送ステップと、画像処理手段にて、転送された温度分布画像データに基づいて、液体中に浸漬された温度測定治具の表面の各位置の温度を求めることで、液体中における各深度の温度分布を求める温度分布測定ステップと、を有する。【選択図】図5

Description

本発明は、タンク等に蓄えられた液体中の温度分布を測定する、液体中の温度分布測定方法に関する。
近年、製品の焼入れ処理等の熱処理工程にて用いる冷却槽中の液体の最適温度管理や、工作機械等の潤滑油やクーラントを蓄えているタンク内の液体の温度管理等、製品や加工の品質管理を行ううえで、液体の温度管理の要求が高まっている。例えば製品の焼入れ処理を行うための冷却槽中の液体は、投入された製品の近傍の温度のほうが、製品から離れた位置の温度よりも高くなる。また通常、冷却槽の上層部の液体の温度のほうが、下層部の液体の温度よりも高い。このように、冷却槽内の液体の種々の位置で温度が異なるので、液体中の1個所の温度を測定しているだけでは、液体の温度管理を適切に行うことができない。また液体の温度を均一にする目的で、冷却槽内で液体を攪拌した場合、効果的に攪拌できているか否かを知りたい場合も、液体中の1個所の温度を測定しているだけでは、攪拌状態を把握することができない。そこで、液体中の温度分布を測定する要求が高まっている。
例えば特許文献1には、光学プローブを液体中に浸漬して、当該光学プローブの位置の液体の温度や成分濃度を測定することができる分光測定装置が開示されている。なお「浸漬」とは、液体内に物体を押し込み、当該物体を液体内の所定位置に保持することを指す。
また特許文献2には、試料にレーザ光を照射し、試料から放射される赤外線を赤外線放射温度計を用いて測定することで、被接触にて試料の温度を測定して、試料の熱拡散率を求める熱拡散率測定装置が開示されている。
特開2006−023200号公報 特開平3−189547号公報
特許文献1に記載の分光測定装置における光学プローブや、熱電対を用いた温度測定装置、抵抗式温度測定装置、バイメタル式温度測定装置など、液体中の温度の測定を所望する位置に光学プローブ等の温度検出手段の位置を一致させる温度測定装置は、一般的には接触式温度測定装置と呼ばれている。接触式温度測定装置では、各温度検出手段はその位置の「点」の温度を検出することしかできないため、「温度分布」の計測にはあまり適していない。接触式の温度測定装置で液体中の温度分布を求める場合には、大量の温度検出手段を、液体中の種々の位置に配置する必要があるので、温度測定装置が複雑化してあまり好ましくない。
また特許文献2に記載の赤外線放射温度計や、赤外線撮像手段(いわゆる赤外線カメラ)を用いた温度測定装置は、一般的には非接触式温度測定装置と呼ばれている。非接触式温度測定装置では、液体から離れた位置にて液体の温度を「点」ではなく「面」で測定できるが、「液体の『表面』の温度分布」を測定することしかできず、液体の内部の温度分布を測定することができない。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、よりシンプルな構成にて液体の内部の温度分布を測定することができる、液体中の温度分布測定方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る液体中の温度分布測定方法は、次の手段をとる。まず、本発明の第1の発明は、測定対象の液体中に浸漬された場合に表面の各位置に接触している前記液体の温度に応じた赤外線を赤外線撮像手段に向けて透過あるいは伝播する温度測定治具と、前記赤外線撮像手段と、画像処理手段と、を用いた液体中の温度分布測定方法であって、測定対象の前記液体中における所望位置に前記温度測定治具を浸漬する治具浸漬ステップと、前記温度測定治具を透過あるいは伝播してきた赤外線を前記赤外線撮像手段を用いて撮像して温度分布画像データを得る赤外線撮像ステップと、前記温度分布画像データを前記赤外線撮像手段から前記画像処理手段へと転送するデータ転送ステップと、前記画像処理手段にて、転送された前記温度分布画像データに基づいて、前記液体中に浸漬された前記温度測定治具の表面の各位置の温度を求めることで、前記液体中における各深度の温度分布を求める温度分布測定ステップと、を有する。
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る液体中の温度分布測定方法であって、前記温度測定治具は、下方に向かって延びる形状を有しており、
前記治具浸漬ステップにて、前記温度測定治具を前記液面から下方に向けて前記液体中に浸漬し、前記温度分布測定ステップにて、前記温度測定治具が前記液体中に浸漬された位置において前記温度測定治具の表面の各位置に対応する前記液体中の各深度の温度分布を同時に求める。
次に、本発明の第3の発明は、上記第1の発明または第2の発明に係る液体中の温度分布測定方法であって、前記温度測定治具として、赤外線を透過する材質にて中実状に形成されている前記温度測定治具を用いる。
次に、本発明の第4の発明は、上記第1の発明または第2の発明に係る液体中の温度分布測定方法であって、前記温度測定治具として、赤外線を透過する材質あるいは熱伝導率が所定伝導率以上である材質にて中空状に形成され、内面には赤外線の放射率が所定放射率以上である黒体が塗布されている前記温度測定治具を用いる。
次に、本発明の第5の発明は、上記第1の発明〜第4の発明のいずれか1つに係る液体中の温度分布測定方法であって、前記温度測定治具として、所定高さを有してそれぞれ異なる径とされた複数の円柱または多角柱が、鉛直方向を軸として同軸に重ねられて配置されているとともに下方に向かって徐々に小さな径の円柱または多角柱となるように配置された外観形状を有している前記温度測定治具を用いる。
第1の発明によれば、液体中に浸漬された場合に表面の各位置に接触している液体の温度に応じた赤外線を赤外線撮像手段に向けて透過あるいは伝播する温度測定治具を用いて赤外線撮像手段で温度分布画像データを取得する。これにより、液体の「表面」の温度分布画像データではなく、液体の「内部」の温度分布画像データを取得することができる。従って、非常にシンプルな構成にて液体の内部の温度分布を測定することができる。
第2の発明によれば、温度測定治具の形状を、下方に向かって延びる形状とすることで、液体中の各深度の温度分布を同時に求めることができる。従って、非常にシンプルな構成にて液体の内部の温度分布を測定することができる。
第3の発明によれば、温度測定治具を、適切な材料で成形するとともに、中実状とすることで、温度測定治具の表面の各位置に接触している液体の温度に応じた赤外線を赤外線撮像手段に向けて効率よく透過することができる温度測定治具を、適切に実現することができる。
第4の発明によれば、温度測定治具を、適切な材料で成形するとともに、中空状として内面に黒体を塗布することで、温度測定治具の表面の各位置に接触している液体の温度に応じた赤外線を赤外線撮像手段に向けて効率よく伝播することができる温度測定治具を、適切に実現することができる。
第5の発明によれば、下方に向かって徐々に小さな径の円柱または多角柱となるように複数の円柱または多角柱を同軸に配置することで、温度測定治具の外観形状を、下方に向かって各円柱または各多角柱の底面が順に並ぶ形状とする。この形状を有することで、各円柱または各多角柱の底面から、当該底面の位置に対応する液体中の深度の位置の温度を「面」で取得することができるので、液体中の温度分布をより適切に測定することができる。
液体中の温度分布測定方法を実施するための温度測定システムの全体構成を説明する図である。 温度測定治具の外観形状の例を説明する斜視図である。 中実状の温度測定治具の例を説明する断面図である。 画像処理手段の処理手順の例を説明するフローチャートである。 液体中に浸漬した温度測定治具からの赤外線を、赤外線撮像手段を用いて撮像する様子を説明する図である。 図5の状態にて赤外線撮像手段にて撮像した温度分布画像データの例を説明する図である。 本実施の形態にて説明した温度測定システムと、攪拌手段と、を焼入れ処理の冷却槽内に配置した例を説明する図である。 中空状の温度測定治具の例を説明する断面図である。 温度測定治具の外観形状の他の例(1)を説明する図である。 温度測定治具の外観形状の他の例(2)を説明する図である。 温度測定治具の外観形状の他の例(3)を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて順に説明する。なおX軸、Y軸、Z軸が記載されている図では、X軸とY軸とZ軸は互いに直交しており、Z軸方向は上方に向かう鉛直方向を示している。
●[温度測定システム1の全体構成(図1)と温度測定治具10の構造(図2、図3)]
温度測定システム1は、図1に示すように、基台2上に載置した液体槽3内の液体Q内に浸漬する温度測定治具10と、赤外線撮像装置20と、移動装置30と、画像処理装置50等にて構成されている。液体槽3内には、測定対象の液体Qが蓄えられている。
温度測定治具10は、図2に示すように、所定高さを有してそれぞれ異なる径とされた複数の円柱11〜15が、鉛直方向の軸10Zを軸として同軸に重ねられて配置されている。各円柱の高さ及び径は、適宜設定されている。また円柱11〜15は、下方に向かって徐々に径が小さくなるように配置されている。このように温度測定治具10は、下方に向かって延びる形状を有している。従って、温度測定治具10が図5の例に示すように液体Q中に浸漬された場合、円柱11の側面11S及び底面11M、円柱12の側面12S及び底面12M、円柱13の側面13S及び底面13M、円柱14の側面14S及び底面14M、円柱15の側面15S及び底面15M、が液体Qと接触する。また図1〜図3、及び図5〜図7に示す例では、例えばフッ化カルシウム等の赤外線を透過する材料を用いて、温度測定治具10を中実状に形成した例を示している。
温度測定治具10を図5の例に示すように液体Q中に浸漬した場合、温度測定治具10の表面の各位置(円柱11の底面14M、円柱12の底面13M等)に、各位置が接触している液体から、当該位置の液体の温度に応じた赤外線が入射される。そして図3に示すように、温度測定治具10の表面の各位置に入射された赤外線R11〜R15は、温度測定治具10内を透過して、温度測定治具10の上面10Mから出射される。なお図3の例では、各円柱11〜15の側面から入射される赤外線については図示を省略している。なお図5に示すように、温度測定治具10の全体を液体Q中に浸漬した場合に温度測定治具10と赤外線撮像装置20との間に空間を形成するための円筒状の補助部材18を温度測定治具10に取り付ける。補助部材18を用いることで、温度測定治具10の上面10Mが液体Qの液面より低い位置であっても、温度測定治具10の上面10Mと赤外線撮像装置20との間に液体Qが浸入することを防止できる。上面10Mが液体Qで覆われてしまうと、赤外線撮像装置20は液体Qの表面の温度分布を測定してしまうためである。
赤外線撮像装置20(赤外線撮像手段に相当)は、いわゆる赤外線カメラであり、赤外線撮像装置20で撮像された画像データは、色彩や輝度の変化等で温度分布を識別可能とされている。赤外線撮像装置20は、測定対象物の表面の温度分布を非接触で測定することができる。赤外線撮像装置20は、図5の例に示すように温度測定治具10の上方に接触または離れた位置に配置され、温度測定治具10の上面10Mから出射された赤外線に基づいた画像データ(温度分布画像データに相当)を作成する。また赤外線撮像装置20は、ケーブルC20Aを介して画像処理装置50から入力された制御信号に基づいて画像データを作成し、作成した画像データを、ケーブルC20Bを介して画像処理装置50に出力する。赤外線撮像装置20は、図5に示す画角θ範囲内の画像データを作成可能であるとともに、ピントが合う範囲である被写界深度D1を有している。従って、温度測定治具10に対する赤外線撮像装置20の位置は、この画角θと被写界深度D1の双方の範囲内に、温度測定治具10の底面11M〜15Mが入るように調整されている。
移動装置30は、Xテーブル33、Yテーブル34、支持部材32、アーム31等にて構成されている。Xテーブル33には電動モータ33Xが設けられており、電動モータ33Xには図示省略したエンコーダが設けられている。電動モータ33Xは、ケーブルC33Aを介して画像処理装置50から入力された制御信号に基づいて、基台2に対してXテーブル33をX軸方向に沿って移動させ、移動量に応じた検出信号を、ケーブルC33Bを介してエンコーダから画像処理装置50へ出力する。
同様に、Yテーブル34には電動モータ34Yが設けられており、電動モータ34Yには図示省略したエンコーダが設けられている。電動モータ34Yは、ケーブルC34Aを介して画像処理装置50から入力された制御信号に基づいて、Xテーブル33に対してYテーブル34をY軸方向に沿って移動させ、移動量に応じた検出信号を、ケーブルC34Bを介してエンコーダから画像処理装置50へ出力する。
支持部材32は、Yテーブル34に固定されている。支持部材32には電動モータ31Zが設けられており、電動モータ31Zには図示省略したエンコーダが設けられている。電動モータ31Zは、ケーブルC31Aを介して画像処理装置50から入力された制御信号に基づいて、支持部材32に対してアーム31をZ軸方向に沿って移動させ、移動量に応じた検出信号を、ケーブルC31Bを介してエンコーダから画像処理装置50へ出力する。アーム31の先端には、温度測定治具10と赤外線撮像装置20とが取り付けられている。従って、移動装置30は、温度測定治具10と赤外線撮像装置20とを、液体Q中の任意の位置へと配置することができる。
画像処理装置50は、例えばパーソナルコンピュータであり、上記に説明したように、移動装置30を制御して温度測定治具10と赤外線撮像装置20とを液体Q中の任意の位置へと配置し、赤外線撮像装置20にて画像データを作成し、作成した画像データを取得する。なお、画像処理装置50の処理手順の詳細については、フローチャートを用いて後述する。
●[画像処理装置50の処理手順(図4)]
次に図4に示すフローチャートを用いて、画像処理装置50の処理手順の例を説明する。画像処理装置50は、ユーザから起動されて液体Q中の温度分布の測定の実行が指示されると、図4に示す処理を開始し、ステップS10に進む。
ステップS10にて画像処理装置50は、予め画像処理装置50の記憶装置に記憶されている目標位置、またはユーザから画像処理装置50に入力された目標位置、に温度測定治具10(及び赤外線撮像装置20)を移動させ、温度測定治具10が目標位置となるように、温度測定治具10(及び赤外線撮像装置20)を液体Q中に浸漬し、ステップS20に進む。浸漬の際は、温度測定治具10を液体Qの液面から下方に向けて浸漬する。ステップS10の処理は、測定対象の液体Q中における所定位置に温度測定治具10を浸漬する治具浸漬ステップに相当している。
ステップS20にて画像処理装置50は、赤外線撮像装置20に制御信号を出力して、赤外線撮像装置20を用いて画像データを作成してステップS30に進む。ステップS20の処理は、温度測定治具10を透過あるいは伝播してきた赤外線を、赤外線撮像装置20を用いて撮像して画像データ(温度分布画像データ)を得る赤外線撮像ステップに相当している。
ステップS30にて画像処理装置50は、赤外線撮像装置20から出力された画像データを取得してステップS40に進む。ステップS30の処理は、画像データ(温度分布画像データ)を赤外線撮像装置20から画像処理装置50へと転送するデータ転送ステップに相当している。
ステップS40にて画像処理装置50は、転送された画像データ(温度分布画像データ)に基づいて、液体Q中に浸漬された温度測定治具10の表面の各位置の温度を求めることで、液体Q中の各深度の温度分布求め、ステップS50に進む。例えば図6に示す画像データG1における領域15MAに表れている温度は、図5に示す底面15Mの位置の液体Qの温度を表しており、図5に示す液体槽3の底面から距離D15の深度の液体Qの温度を表している。同様に、図6に示す画像データG1における領域14MAに表れている温度は、図5に示す底面14Mの位置の液体Qの温度を表しており、図5に示す液体槽3の底面から距離D14の深度の液体Qの温度を表している。以下同様に、図6に示す画像データG1における領域13MAに表れている温度は、図5に示す液体槽3の底面から距離D13の深度の液体Qの温度を表している。なお図5は、移動装置30と画像処理装置50の記載を省略している。
例えば、図6に示す画像データG1(温度分布画像データ)における領域12MAに表れている温度は、図5に示す液体槽3の底面から距離D12の深度である底面12Mの位置の液体Qの温度を表しており、図6に示す画像データG1における領域11MAに表れている温度は、図5に示す液体槽3の底面から距離D11の深度である底面11Mの位置の液体Qの温度を表している。従って、温度測定治具10が浸漬された位置において、温度測定治具10の表面の各位置に対応する液体Q中の各深度の温度分布を同時に測定することができる。なお、図6の画像データG1中に点線にて示す温度測定治具10に関する形状の情報は、予め画像処理装置50に記憶されている。ステップS40の処理は、転送された画像データに基づいて、液体Q中に浸漬された温度測定治具10の表面の各位置の温度を求めることで、液体Q中の各深度の温度分布求める温度分布測定ステップに相当している。なお、求めた温度分布を画像処理装置50の表示手段(モニタ画面等)に表示してもよい。
ステップS50にて画像処理装置50は、ユーザからの終了指示の有無を判定し、終了指示がある場合(Yes)は処理を終了し、終了指示が無い場合(No)はステップS20に戻り、温度分布の測定(及び表示)を繰り返す。
●[焼入れ処理の冷却槽3Aへの適用例(図7)]
図7は、焼入れ処理の冷却槽3A内の液体Q内に、焼入れ対象物75を出し入れし、冷却槽3A内に攪拌手段70を設け、焼入れ対象物75の近傍に、温度測定システム1の温度測定治具10と赤外線撮像装置20とを配置した様子を説明する図である。なお図7は、移動装置30と画像処理装置50の記載を省略している。この場合、非常に高温の焼入れ対象物75を液体Q内に浸漬すると、焼入れ対象物75の周囲の温度が急激に上昇するとともに焼入れ対象物75の周囲で下層から上層に向かう対流75Tが発生する。従って、焼入れ対象物75の近傍の液体Qの温度と、焼入れ対象物75から離れた位置の液体Qの温度との温度差が大きくなる。また焼入れ対象物75の近傍の液体Qの温度であっても、下層の温度と上層の温度では温度差が大きくなる。このように種々の位置での温度差が大きい場合、品質確保のための温度管理を行うことが困難である。そこで、液体Qの温度が均一となるように、攪拌手段70を用いて液体Qを攪拌する。しかし、攪拌手段70で攪拌しても期待したとおりに液体Q内で温度が均一とならない場合も考えられる。そこで、本実施の形態にて説明した温度測定システム1を用いて、液体Q中の温度分布を測定し、攪拌された液体Q中の温度がほぼ均一となっているか否かを(リアルタイムに)測定する。そして測定した液体Q中の各深度の温度分布のばらつきが所定温度範囲以内に収まるように、図示省略した画像処理装置から攪拌手段70の攪拌量を調整する(図7の例の場合、攪拌手段70の回転速度を調整する)。
例えば熱電対を用いた従来の温度測定装置では、熱電対の耐熱温度が比較的低いので、焼入れ処理等には適用できない(また、温度の「分布」も測定できない)。また例えば超音波センサを用いた従来の温度測定装置では、熱電対と同様、超音波センサの耐熱温度が比較的低いので、焼入れ処理等には適用できない。しかも焼入れ処理等、液体中に泡が発生する場合では、超音波センサで正しい測定結果を得ることができない。これに対して本願の温度測定システム1では、焼入れ処理等、比較的高温な場合や、液体中に泡が発生する場合であっても、適切に液体中の温度分布を測定することができる。
●[中空状の温度測定治具60の構造(図8)と、その他の構造の温度測定治具(図9〜図11)]
図8の断面図に示す温度測定治具60は、外観は図2に示す温度測定治具10と同様であり、所定高さを有してそれぞれ異なる径とされた複数の円柱61〜65が、鉛直方向の軸60Zを軸として同軸に重ねられて配置されている。また円柱61〜65は、下方に向かって徐々に径が小さくなるように配置されている。ただし、温度測定治具60の内部構造等は、図3に示した温度測定治具10とは異なる。以下、温度測定治具60において、図3に示した温度測定治具10との相違点について主に説明する。
温度測定治具60は、図8の断面図に示すように、中空状に形成されている、また中空状に形成された内面には、赤外線の放射率が所定放射率以上である黒体66(図8中に太点線にて示す)が塗布されている。また黒体66を除いた温度測定治具60である治具本体68は、例えばフッ化カルシウム等の赤外線を透過する材料、または例えば銅等の熱伝導率が所定伝導率以上である材料、にて中空状に形成されている。黒体66の赤外線の放射率、材料が銅の場合の熱伝導率は、高いほど好ましい。
赤外線を透過する材料で治具本体68が形成されている場合、例えば温度測定治具60の底面61Mに接触している液体からの熱に応じた赤外線R61は、治具本体68を透過して黒体66に達し、黒体66から赤外線撮像装置20に向けて放射される。温度測定治具60の底面62Mに接触している液体からの赤外線R62、温度測定治具60の底面63Mに接触している液体からの赤外線R63、温度測定治具60の底面64Mに接触している液体からの赤外線R64、温度測定治具60の底面65Mに接触している液体からの赤外線R65も同様である。
所定伝導率以上の熱伝導率の材料で治具本体68が形成されている場合、例えば温度測定治具60の底面61Mに接触している液体からの熱は、治具本体68内を伝播して黒体66に達し、黒体66から赤外線R61として赤外線撮像装置20に向けて放射される。温度測定治具60の底面62Mに接触している液体からの熱、温度測定治具60の底面63Mに接触している液体からの熱、温度測定治具60の底面64Mに接触している液体からの熱、温度測定治具60の底面65Mに接触している液体からの熱も同様である。なお、所定伝導率以上の熱伝導率の材料で治具本体68が形成されている場合、熱が伝播する時間を必要とするので、赤外線を透過する材料で治具本体68を形成した場合のほうが、リアルタイムな温度分布の測定に適している。
図9に示す温度測定治具81は、外観形状の他の例(1)を説明する図である。温度測定治具81の外観は、円錐台の形状であり、下方に向かって広がる形状である。この場合、図9中の[]内にて一点鎖線にて示す温度分布測定エリアA81の各深度の温度分布を測定することができる。
図10に示す温度測定治具82は、外観形状の他の例(2)を説明する図である。温度測定治具82の外観は、円錐台の形状であり、上方に向かって広がる形状である。この場合、図10中の[]内にて一点鎖線にて示す温度分布測定エリアA82の各深度の温度分布を測定することができる。
図11に示す温度測定治具83は、外観形状の他の例(3)を説明する図である。温度測定治具83の外観は、円柱状の形状であり、径がほぼ一定の形状である。この場合、図11中の[]内にて一点鎖線にて示す温度分布測定エリアA83の各深度の温度分布を測定することができる。
温度測定治具81、82、83の内部構造は、中実状であってもよいし、中空状であってもよい。中実状である場合は、図3を用いて説明したように、赤外線を透過する材料で形成されている。また中空状である場合は、図8を用いて説明したように、赤外線を透過する材料または所定伝導率以上の熱伝導率を有する材料で形成されて内面には黒体が塗布されている。
本発明の液体中の温度分布測定方法は、本実施の形態にて説明した測定方法等に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。また本実施の形態にて説明した温度測定システム1の構成、外観や、温度測定治具の構成、構造、外観、材料等は、本実施の形態にて説明したものに限定されるものではない。
また本実施の形態にて説明した画像処理装置の処理手順は、図4に示すフローチャートに限定されるものではない。
本実施の形態にて説明した液体中の温度分布測定方法は、焼入れ処理の冷却槽の中の液体の各深度の温度分布の測定に利用するだけでなく、各熱処理にて使用する槽内の液体の各深度の温度分布の測定や、工作機械の潤滑油の槽やクーラントの槽、の中の液体の各深度の温度分布の測定等にも適用することができる。
本実施の形態にて説明した温度測定治具10、60は、5個の円柱を重ねた形状とした例を示したが、円柱でなく多角柱であってもよいし、円柱と多角柱を混在させてもよいし、重ねる数は5個に限定されるものではない。また測定対象の液体Qとして、水や油等、種々の液体を使用することができる。
1 温度測定システム
2 基台
3 液体槽
10 温度測定治具
10M 上面
10Z 軸
11〜15 円柱
11M〜15M 底面
18 補助部材
20 赤外線撮像装置(赤外線撮像手段)
30 移動装置
31 アーム
31Z 電動モータ
32 支持部材
33 Xテーブル
33X 電動モータ
34 Yテーブル
34Y 電動モータ
50 画像処理装置(画像処理手段)
60、81、82、83 温度測定治具
61〜65 円柱
61M〜65M 底面
66 黒体
D1 被写界深度
D11〜D15 距離
G1 画像データ(温度分布画像データ)
R11〜R15、R61〜R65 赤外線
Q 液体
C20A、C20B ケーブル
C31A、C31B、C33A、C33B、C34A、C34B ケーブル

Claims (5)

  1. 測定対象の液体中に浸漬された場合に表面の各位置に接触している前記液体の温度に応じた赤外線を赤外線撮像手段に向けて透過あるいは伝播する温度測定治具と、
    前記赤外線撮像手段と、
    画像処理手段と、を用いた液体中の温度分布測定方法であって、
    測定対象の前記液体中における所望位置に前記温度測定治具を浸漬する治具浸漬ステップと、
    前記温度測定治具を透過あるいは伝播してきた赤外線を前記赤外線撮像手段を用いて撮像して温度分布画像データを得る赤外線撮像ステップと、
    前記温度分布画像データを前記赤外線撮像手段から前記画像処理手段へと転送するデータ転送ステップと、
    前記画像処理手段にて、転送された前記温度分布画像データに基づいて、前記液体中に浸漬された前記温度測定治具の表面の各位置の温度を求めることで、前記液体中における各深度の温度分布を求める温度分布測定ステップと、を有する、
    液体中の温度分布測定方法。
  2. 請求項1に記載の液体中の温度分布測定方法であって、
    前記温度測定治具は、下方に向かって延びる形状を有しており、
    前記治具浸漬ステップにて、前記温度測定治具を前記液面から下方に向けて前記液体中に浸漬し、
    前記温度分布測定ステップにて、前記温度測定治具が前記液体中に浸漬された位置において前記温度測定治具の表面の各位置に対応する前記液体中の各深度の温度分布を同時に求める、
    液体中の温度分布測定方法。
  3. 請求項1または2に記載の液体中の温度分布測定方法であって、
    前記温度測定治具として、
    赤外線を透過する材質にて中実状に形成されている前記温度測定治具を用いる、
    液体中の温度分布測定方法。
  4. 請求項1または2に記載の液体中の温度分布測定方法であって、
    前記温度測定治具として、
    赤外線を透過する材質あるいは熱伝導率が所定伝導率以上である材質にて中空状に形成され、内面には赤外線の放射率が所定放射率以上である黒体が塗布されている前記温度測定治具を用いる、
    液体中の温度分布測定方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体中の温度分布測定方法であって、
    前記温度測定治具として、
    所定高さを有してそれぞれ異なる径とされた複数の円柱または多角柱が、鉛直方向を軸として同軸に重ねられて配置されているとともに下方に向かって徐々に小さな径の円柱または多角柱となるように配置された外観形状を有している前記温度測定治具を用いる、
    液体中の温度分布測定方法。

JP2015133690A 2015-07-02 2015-07-02 液体中の温度分布測定方法 Expired - Fee Related JP6582627B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015133690A JP6582627B2 (ja) 2015-07-02 2015-07-02 液体中の温度分布測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015133690A JP6582627B2 (ja) 2015-07-02 2015-07-02 液体中の温度分布測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017015596A true JP2017015596A (ja) 2017-01-19
JP6582627B2 JP6582627B2 (ja) 2019-10-02

Family

ID=57829022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015133690A Expired - Fee Related JP6582627B2 (ja) 2015-07-02 2015-07-02 液体中の温度分布測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6582627B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021144018A (ja) * 2020-03-10 2021-09-24 バイドゥ オンライン ネットワーク テクノロジー (ベイジン) カンパニー リミテッド 赤外線温度測定校正方法、装置、電子機器、記憶媒体、及びプログラム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021144018A (ja) * 2020-03-10 2021-09-24 バイドゥ オンライン ネットワーク テクノロジー (ベイジン) カンパニー リミテッド 赤外線温度測定校正方法、装置、電子機器、記憶媒体、及びプログラム
US11609123B2 (en) 2020-03-10 2023-03-21 Baidu Online Network Technology (Beijing) Co., Ltd. Calibration method, device for infrared temperature measurement, electronic apparatus and storage medium

Also Published As

Publication number Publication date
JP6582627B2 (ja) 2019-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ahn et al. The boiling phenomenon of alumina nanofluid near critical heat flux
JP6726661B2 (ja) サーモグラフィー検査手段および被試験体の表面近傍構造の非破壊検査方法
Ravoori et al. Experimental and theoretical investigation of heat transfer in platform bed during polymer extrusion based additive manufacturing
CN102901445A (zh) 基于光热成像的微电子封装工艺质量检测装置及方法
JP2011527438A (ja) 材料の欠陥検出方法およびそのシステム
US9638648B2 (en) Flaw detection using transient thermography
CN104040327A (zh) 用于测量热导率的方法
JPH06503650A (ja) 形鋼の厚みの変化の非破壊連続検査システムおよび方法
JP6582627B2 (ja) 液体中の温度分布測定方法
CN108247424B (zh) 一种机床加工温度的测试方法及装置
Ye et al. Three-dimensional inner surface inspection system based on circle-structured light
JP2015108546A (ja) 熱拡散率測定装置
JP2017122579A (ja) 相変態の取得装置、取得方法、製造装置
CN203605907U (zh) 一种零件检测系统
JP2010121937A (ja) 溶融物のサンプリング方法および装置
Wang et al. Parameters impact analysis of CFRP defect detection system based on line laser scanning thermography
Folkersma et al. Microtube laser forming for precision component alignment
JP2006337089A (ja) 光ファイバ用母材の構造測定方法と測定装置
CN108918580B (zh) 一种无损稳态导热率测量方法
Smith et al. Point laser triangulation probe calibration for coordinate metrology
JP6601748B2 (ja) 熱拡散率測定装置、熱拡散率測定方法およびプログラム
US10646960B2 (en) Compact absorptivity measurement system for additive manufacturing
Maier et al. Measurement of paint coating thickness by thermal transient method
JP5315429B2 (ja) 動的接触角計および動的接触角の測定方法
CN109737877A (zh) 零件毛坯检测系统及方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190507

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190819

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6582627

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees