JP2017122579A - 相変態の取得装置、取得方法、製造装置 - Google Patents

相変態の取得装置、取得方法、製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017122579A
JP2017122579A JP2014076617A JP2014076617A JP2017122579A JP 2017122579 A JP2017122579 A JP 2017122579A JP 2014076617 A JP2014076617 A JP 2014076617A JP 2014076617 A JP2014076617 A JP 2014076617A JP 2017122579 A JP2017122579 A JP 2017122579A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
phase transformation
substance
image
change
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014076617A
Other languages
English (en)
Inventor
孝介 桑原
Kosuke Kuwabara
孝介 桑原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2014076617A priority Critical patent/JP2017122579A/ja
Priority to PCT/JP2015/057403 priority patent/WO2015151761A1/ja
Publication of JP2017122579A publication Critical patent/JP2017122579A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N25/00Investigating or analyzing materials by the use of thermal means
    • G01N25/02Investigating or analyzing materials by the use of thermal means by investigating changes of state or changes of phase; by investigating sintering
    • G01N25/04Investigating or analyzing materials by the use of thermal means by investigating changes of state or changes of phase; by investigating sintering of melting point; of freezing point; of softening point
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01BMEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
    • G01B11/00Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques
    • G01B11/24Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques for measuring contours or curvatures

Abstract

【課題】 材料における急加熱、急冷却中の相変態を検出する。【解決手段】 物質の相変態の取得装置において、前記物質を加熱する温度制御装置と、各々異なる波長に対応する複数個の画像センサを有する画像撮影装置と、前記画像撮影装置により得られた画像を温度に換算する温度換算装置と、前記画像撮影装置により得られた画像の形状変化を検出する検出装置と、前記温度換算装置により得られた温度と前記検出装置により得られた形状変化から相変態温度を求める演算装置とを備える。物質の相変態の取得方法において、前記物質を加熱する工程と、加熱された前記物質の画像を撮影する工程と、前記画像から各々異なる波長に対応する複数の像に分離する工程と、前記複数の像から前記物質の温度変化を求める工程と、前記複数の像から前記物質の形状変化を求める工程と、前記温度変化と前記形状変化から前記物質の相変態温度を求める工程とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、物質の相変態の取得装置、取得方法、相変態情報を用いる製造装置に関する。
溶融、凝固、固相変態、非晶質-結晶質変態に代表される相変態特性はその物質を取扱う際の基本的な情報であり、特に加熱冷却を伴う材料プロセスの設計に欠かせない。相変態特性は金属材料、無機材料、有機材料を問わず取得される。バルク材料に対する一般的な例としては、示差熱分析(DTA)、示差走査熱量測定(DSC)などによって潜熱や比熱の変化として相変態は高精度に測定される。これらの手法は平衡状態と見なせる低速における材料変化については有効であるが、例えば溶接、熱処理(焼入れ)、肉盛溶接、アモルファスを得る為の超急冷プロセスのように、急加熱、急冷却(動的な変化)の検出は装置構成上困難である。
材料の動的な変化、例えば連続冷却変態曲線(CCT)を得る為の手法として特許文献1に開示の熱膨張による検出方法がある。試験片全体を加熱、冷却する際の線膨張率の変化を試験片温度に対して取得することで、相変態の開始点と終了点を検出することができる。
また、非接触で材料の融点を検出する方法として特許文献2にX線回折による手法が開示されている。試験片を均一加熱して非接触で温度を制御し、凝固時に現れる結晶回折ピークを検出することで融点を検出することができる。
特開平4−369469号公報 特開平6−130010号公報
しかし、特許文献1の手法では熱膨張の検出にはcmオーダ程度のある程度の大きさの試験片が一般には必要であり、その試験片の熱容量のために溶接、熱処理(焼入れ)に求められる加熱・冷却速度を試験片全体に均一に再現することが困難であった。また、特許文献2の手法においてもX線回折では現実的には検出感度の問題から直径1cm程度の試験片が必要であり、また、回折X線を検出するためには最低でも秒単位の検出時間が必要であり、急加熱、冷却中の測定が困難であった。
本発明の目的は、材料における急加熱、急冷却中の相変態を検出することである。
上記目的を達成するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本発明によれば、材料における急加熱、急冷却中の相変態を検出することができる。
物質の相変態の取得装置の構成図の例である。 本発明における物質の相変態の取得法を示すフローチャート図である。 本発明の第一の実施例において取得した測定対象の温度である。 本発明の第一の実施例における演算にて取得したデータである。 本発明の第二の実施例における相変態の取得装置を示す模式図である。 本発明の第二の実施例において取得した測定対象の温度である。 本発明の第二の実施例において取得した測定対象の温度の詳細である。 本発明の第二の実施例において取得した測定対象の形状変化である。 本発明の第三の実施例における相変態の取得装置を組み込んだ積層造形装置を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながらより詳細に説明する。なお、本発明はここで取り上げた実施形態に限定されることはなく、要旨を変更しない範囲で適宜組み合わせや改良が可能である。
本実施形態の物質の相変態の取得装置は、測定対象を加熱する加熱制御装置、2波長以上の可視光に対応する複数種類の画像センサを有する画像撮影装置、該画像撮影装置により得た画像を温度に換算する温度換算装置、同一の画像撮影装置により得た形状変化の検出装置を有する。
相変態の取得装置100の構成例を図1に示す。測定対象101を測定基板102上に配し、測定対象101を加熱する加熱制御装置103と、測定対象101を撮影する画像撮影装置104を有する。画像撮影装置104は3波長に対応する複数個の画像センサを備え、それぞれの画像センサの画素に対応する第一の輻射強度像105、第二の輻射強度像106、第三の輻射強度像107として得る。このうち第一の輻射強度像105、第二の輻射強度像106から二光子法に基づき温度換算装置108にて測定対象101の温度変化を測定時間に対して求める。
また、第一の輻射強度像105、第二の輻射強度像106、第三の輻射強度像107を用いて、画像から直接測定対象101の形状変化を検出する検出装置109を有する。これによりいつ形状が変化したか、即ちいつ相変態したかを画像から求めることができる。そして、温度換算装置108により得られた温度変化の情報と、検出装置109により得られた画像変化の情報とを併せて、演算装置110により相変態に伴う潜熱あるいは比熱変化(相変態温度)を検出する。
相変態の検出方法を図2に示す。測定対象101を測定基板102上に配し、加熱制御装置103にて加熱し、その後に加熱制御装置103の停止あるいは強度低下によって冷却する際の測定対象101の画像を画像撮影装置104で取得し(1)、測定対象101からの熱放射を画素ごとに分離する(2)。画素分離された第一の輻射強度像105、第二の輻射強度像106から二光子法に基づき温度換算装置108にて測定対象101の温度情報を取得し(3−1)、温度変化を測定時間に対して記録する(4−1)。
また、第一の輻射強度像105、第二の輻射強度像106、第三の輻射強度像107を用いて測定対象101の形状変化を取得し(3−2)、形状変化の検出装置109にて相変態の生じた時間を検出する(4−2)。そして、演算装置110にて、温度換算装置108により得られた温度変化から潜熱、比熱変化に伴う相変態温度を求め、形状変化の検出装置109により得られる相変態と合わせて記録する(5,6)。このように温度変化と画像変化の両方を用いることで、急加熱、急冷却する場合でも材料の相変態を検出することができる。
測定対象101の材質は測定中に少なくともその過半が気化しない材質であれば特段に限定されない。特に急加熱、急冷却中の相変態の特性が重要である物質を対象とすることが好適である。このような物質の例としては、溶接、熱処理、溶射などの加工プロセスに供する金属材料、無機材料、また、ホットメルトなどに供する樹脂材料等としても良い。また、さらに急速な冷却を要する非晶質材料の結晶化特性を取得することにも好適である。
測定基板102は測定対象101に対して反応性が低く、かつ高温まで安定な物質が好ましい。例えば石英、アルミナ、ジルコニアなどが好適である。また、融点が十分に高く測定対象101との反応性に問題が無ければ金属材料を用いることもできる。ここで、材質に加えて材料の多孔度、測定基板102の厚さ、あるいは空冷、水冷などによる測定基板102の強制冷却によって測定対象101の測定時における冷却速度は調整することができ、例えば連続冷却変態曲線(CCT)の取得時に必要な異なる冷却速度での相変態特性を取得することができる。
また、測定基板102は測定対象を2つ以上配する事も可能である。さらに、2つ以上の測定対象に対して測定基板102による冷却速度、若しくは後に示す加熱制御装置102の入熱量を変化させることで、異なる加熱速度あるいは冷却速度における相変態特性を取得する事ができる。また、測定基板102と測定対象101を同一物質、もしくは測定基板102の表面を加熱する事で測定対象101の表面の相変態特性を取得することも可能である。
加熱制御装置103は急加熱が可能であるレーザ加熱、集光加熱、電子ビーム加熱、高周波加熱、マイクロ波加熱などが適用できる。画像撮影装置104の検出波長に相当する光源を加熱源としない電子ビーム加熱や高周波加熱、マイクロ波加熱によれば、加熱中も加熱光源による擾乱を防ぐことができるため、冷却時に加えて加熱時の相変態も取得することができる。これらの熱源は短時間の加熱で測定対象101近傍を限定的に加熱することができるため周囲の温度上昇は抑制することができ、加熱終了後に測定基板102を冷却することで急冷却が可能となる。
画像撮影装置104は少なくとも第一の輻射強度像105、第二の輻射強度像106が得られるようそれぞれ異なる波長感度特性を有する2種類以上の画像センサを有している必要がある。また、測定対象101の空間分布や形態変化、また、2個以上の測定対象101を同時に測定するためには、異なる波長感度特性を有する画素の組を、例えば格子状に多数配列させる必要がある。このような画像撮影装置104の例としては、通常の3種の画素を有するカラー画像対応の高速度カメラを適用することができる。また、画像撮影装置104に赤外線放射を検出できる画素を加える、若しくは赤外線サーモグラフィを構成に加えることで、可視光域の熱放射の強度が低下する低温域での温度測定も容易となるのでより好適である。本実施形態では2波長に基づき温度を検出し、3波長に基づき形状変化を検出しているが、これらの波長数に限られず、複数種類の波長に基づき温度や形状変化を検出すればよい。
温度換算装置108は2波長法に基づき、図1の構成では第一の輻射強度像105、第二の輻射強度像106から強度像内の各画素の位置に対応する温度を算出する装置である。温度換算装置108は、予め類似の放射率を有する基準体にて温度校正を行うことで、測定対象101の各所に対応する温度を測定することができる。そして、各画像を取得した時刻に対して各所の温度を記録することで、測定対象101の温度変化を得ることができる。また、先述のように画像撮影装置104に赤外線放射を検出できる画素を加える、若しくは赤外線サーモグラフィを構成に加えることで得られる温度変化を温度換算装置108に加えることで、2波長法が特に有効である高温域に加え、熱放射の強度が低下する低温域(例えば800℃以下など)での温度変化をより精度良く取得することが可能となる。
形状変化の検出装置109は第一の輻射強度像105、第二の輻射強度像106、第三の輻射強度像107を用いて測定対象101の形態変化を取得する手段である。各輻射強度像単独、若しくは複数の輻射強度像の合成像から温度変化に伴う輻射強度変化を除いた強度の変化により形状変化を検出する。このような形状変化は例えば、ある時間の前後の輻射強度の差分を求め、その差分の強度が単調増加ないし減少から変化することで検出することができる。このように検出される形状変化の例としては、液相における流動や、固相における輻射強度の異なる相への変態、析出物の発生あるいは溶解が挙げられる。形状変化の検出装置109は測定対象101に生じるこれらの相変態を自動または手動にて判定し、変化の生じた時間に対して記録する。
演算装置110ではまず、温度換算装置108にて取得した測定対象101の温度変化から潜熱、比熱変化に伴う相変態温度を求める。この際に温度変化の時間変化(微分値)を演算し、その微分値から潜熱が発生している温度と時間、あるいはアモルファスの結晶化等に対応する比熱の変化する温度と時間を求めることができる。このようにして得た測定対象101の変態温度、時間に、形状変化の検出装置109により得た変態温度、時間を加えることで、測定対象101の相変態を検出することができる。温度換算装置108により求めた変態温度、時間と、形状変化の検出装置109により得た変態温度、時間は基本的には一致するが、内部から発生する相変態のように最初に温度換算装置108によって検出される変態や、微量の析出物発生のように形状変化の検出装置109にのみ検出されることがある。また、同一の変態について類似ではあるが値が異なる場合は何れかを優先して選択すれば良い。例えば、先に生じた変態を優先する、より信号強度に明確に表れた変態を優先するなどの規則にて一意に選択することが好適である。
本実施形態の物質の相変態の取得装置100は図1に示す構成のみで機能し、特に測定基板102と加熱制御装置103の両者の調整により測定対象101への入熱量と冷却速度を制御し、特に測定対象101における急加熱、急冷却中の相変態を検出する事ができる。また、本装置構成は溶接装置、熱処理装置、積層造形装置、製鋼設備など加熱冷却を伴う製造装置に組み込んで適用する事も可能である。その際は測定対象101を製造対象に、また、測定基板102、加熱制御装置103、画像撮影装置104の少なくとも一部を製造装置に予め組み込まれている機構に代替する事も可能である。例えば、溶接時の溶融部または溶融部近辺の画像撮影装置104を用いた本実施形態の手法に基づく材料表面における相変態特性のインライン取得、ワークの一部にレーザ局所加熱を施して画像撮影装置104を用いて本実施形態の手法に基づく相変態特性取得することで熱処理工程を自動設定する熱処理装置、粉体を原料として用いる電子線若しくはレーザ積層造形装置における溶融部を対象とする画像撮影装置104を用いた本実施形態の手法に基づく原料粉体のin-situ相変態取得と造形条件自動設定、製鋼設備における連続鋳造材において表面加熱、冷却時の液相線、固相線、固相変態温度検出による濃度、プロセスの品質管理などの活用が可能である。それぞれの製造設備へのインライン適用により、抜き取りではなく製造プロセス上での検出による測定誤差の軽減、温度検査による製造タクトタイム増加の抑制等の効果が得られる。
以下、図面を用いて実施例を説明する。
本実施例では、測定対象101を鉄鋼材料試験片とした実施例について説明する。本実施例における相変態の取得装置100の構成図は図1のとおりである。本実施例では測定対象101には重量0.2gの圧延鋼材切出し材(SS400、新日鉄住金)を用いた。用いる測定基板102は厚さ5mmのアルミナ基板とした。加熱制御装置103はレーザ熱源であり、測定対象101の位置に焦点が合うように位置をセッティングした。画像撮影装置104は高速度カメラ(ノビテック社、Phantom M110)であり、2色比法に基づく温度換算装置108(ノビテック社、Thermera)、形状変化の検出装置109(MathWorks社、MATLAB)、並びに演算装置110(OriginLab社、Origin)から成る。
図1の構成にて不活性ガス雰囲気下で加熱制御装置103によって測定対象101を同時に約100K/秒の速度で加熱し、融点直上の1650℃にて5秒保持した。その後、加熱制御装置103のレーザを停止して1分間保持した。加熱開始から冷却終了までの測定対象101の画像を画像撮影装置104にて取得し、温度換算装置108、形状変化の検出装置109、演算装置110にて相変態温度を測定した。
図3に温度換算装置108にて得られた測定対象101の温度変化を示す。測定対象101は1650℃まで加熱して溶解され、測定基板102によって冷却された。また、相変態の検出のために演算装置110にて演算した冷却速度と、各時間における形状を図4に模式的に示す。冷却速度が優位な減少を示し、同時に輻射強度の高い溶融部と低い凝固部が共存した40msecから100msecの間に測定対象101の凝固が生じたと判定し、図3、4中に黒三角印にて示した時間に凝固開始(液相線)、凝固終了(固相線)を検出できる事が確認された。測定対象101の液相線温度は1550℃、固相線温度は1530℃であった。本実施例では平均冷却速度が最大で4000K/秒に達する高速条件での測定が可能であることが確認された。また、温度変化の検出による相変態の検出が、形態変化の検出による相変態の検出と一致することが確認された。この事は両者を併用することで相変態判定の高精度化が可能であることを示している。
本実施例では、測定対象101を複数の鉄鋼材料試験片とした実施例について説明する。本実施例における相変態の取得装置100の構成図は図5のとおりである。本実施例では測定対象101a、101b、101c、101dには各々重量1gの円盤状(直径約4.5mm、厚さ約2.0mm)のクロムモリブデン鋼試片(SCM420H、大同特殊鋼)を用いた。測定基板102は厚さ5mmで表面に深さ2.0mm、直径5mmの凹部を複数個設けたアルミナ基板とした。測定基板102の下部には部分的に水冷できる冷却機構113を備えた。加熱制御装置103は高周波電源に接続した誘導コイルであり、本実施例では2個の測定対象(101a、101b)が同時に加熱されるようにセッティングした。測定基板102の凹部に測定対象を入れると、測定基板102の凸部が壁となり、測定対象101c、101dには加熱制御装置103からの輻射熱が伝わりにくい。そのため、一度に加熱試料と非加熱試料の両方を測定することができる。
図5においては、画像取得装置104の情報を用いる相変態の検出部を「相変態検出部111」として簡略化して図示している。画像撮影装置104は高速度カメラ(Phantom M110)であり、相変態検出部111は、2色比法に基づく温度換算装置108(Thermera)、形状変化の検出装置109(MATLAB)、並びに演算装置110(Origin)から成る。また、本実施例では画像撮影装置104による観察領域を同時に赤外線サーモグラフィ112(フリアーシステムズ SC655)にて計測し、可視光領域の輻射強度が減少する650℃以下の情報については赤外線サーモグラフィ112による温度情報を用いた。本実施例で示される相変態検出部111における温度情報は、650℃以上は高速度カメラ104に基づく温度情報、650℃未満は赤外線サーモグラフィ112に基づく温度情報である。
図5の構成にて不活性ガス雰囲気下で加熱制御装置103によって測定対象101a、101bを同時に約100K/秒の速度で加熱し、測定対象の融点より少し高温の1600℃にて5秒保持した。その後、加熱制御装置103の電流を停止すると同時に測定対象101aのみに冷却機構113による冷却を加え、1分間保持した。加熱開始から冷却終了までの測定対象101a、101b並びに加熱を施さない101cの画像を画像撮影装置104にて取得し、相変態検出部111にて相変態温度を検出した。
図6に得られた測定対象101a、101b並びに101cの、相変態検出部111にて取得した温度変化を示す。測定対象101a、101bは1600℃まで加熱して溶解された。101aは冷却機構113により強制的に冷却され、101bは接触する測定基板102に熱が逃げることのみで冷却され、各々異なる冷却速度で冷却された。本実施例では水冷式の冷却機構を用いたが、測定基板102に冷却フィンを固定したり、ガスを噴霧して冷却するものでもよい。
また、測定対象101cは最大温度は50℃以下となり、材料に変化を及ぼす加熱は施されなかったことが判る。さらに、凝固に伴う潜熱部を拡大した温度変化を図7に示す。それぞれ定常的な単調冷却から冷却速度が低下するプラトーが観察され、図7中に黒三角印にて示した時間に凝固開始(液相線)、凝固終了(固相線)を検出できる事が確認された。
また、低温部において生じた固相変態(マルテンサイト変態)は本実施例では相変態検出部111中の形状変化の検出装置109にて検出した。図8に測定対象101aの冷却中に観測された表面形状変化を示す。試料の冷却に伴って37.9秒の時点でマルテンサイト変態に伴う線状のコントラストが発生し、さらに冷却を続けると39.4秒の時点で試料表面全体に広がった。この事からマルテンサイト変態開始温度を450℃と確定した。
以上の測定と温度検出、画像解析によって、測定対象101aの液相線温度は1515℃、固相線温度は1486℃、マルテンサイト変態開始温度を450℃と測定した。また、同様に測定対象101bについては、液相線温度は1519℃、固相線温度は1490℃、マルテンサイト変態開始温度は441℃と判定された。特に101aについては平均冷却速度100K/秒と言う高速条件での測定が可能であることが確認された。また、同一測定によって複数個の測定対象101を対象とする測定が可能であること、また、測定対象上の一部の測定対象101に限定する測定が可能であることが確認された。
本実施例では、レーザ積層造形装置114に本実施例の物質の相変態の取得装置100を適用した例について説明する。本実施例で対象とする測定対象101は実施例2と同一材料のSCM420Hを元に製造した粉末(平均粒径:約80μm)とした。図9に示す積層造形装置114は加熱源となるレーザ熱源117と試料台116を有し、原料粉末を試料台116上に面状に供給し、その一部を不活性ガスから成るシールドガス中でレーザ熱源117で走査加熱することで溶融して周囲と融合する操作を複数回繰り返すことで積層造形体115を作成することができる。積層造形装置114は図示した構成の他に粉末供給手段、レーザ制御部など他の部分を含むが、図9では簡略化のために省略している。また、本実施例では相変態の取得装置100における測定基板は試料台116並びに積層造形体115と、加熱制御装置103は積層造形装置114のレーザ熱源117と兼ねる事で製造プロセスと同じ加熱・冷却条件における相変態特性を取得できる構成としている。つまり、画像撮影装置104としての高速度カメラ(Phantom M110)と、相変態検出部111としての2色比法に基づく温度換算装置108(Thermera)、形状変化の検出装置109(MATLAB)、並びに演算装置110(Origin)から成る相変態の取得装置100がレーザ積層造形装置114と一体化させる装置構成とした。
図9の構成にて不活性ガス雰囲気下でレーザ熱源117によって測定対象101を加熱して溶解した。その後、レーザ熱源117を停止して1分間保持した。加熱開始から冷却終了までの測定対象101の画像を画像撮影装置104にて取得した。先に示した実施例1における手法を用いて、温度換算装置108における温度情報と形状変化の検出装置109により検出する測定対象101(粉末)形状の変化から、本実施例で用いる原料粉末の液相線温度は1523℃、固相線温度は1495℃、マルテンサイト変態開始温度を485℃と求められた。求められた相変態温度を用いて、積層造形装置114におけるプロセス条件について、レーザ出力の調整によって最低加熱温度を1550℃と定め、じん性を有する内部造形時は積層造形体115の温度をマルテンサイト変態温度以上の500℃以上に設定する。造形最終段階の表面造形時は硬度を確保するために積層造形体115の温度をマルテンサイト変態温度領域を高速で冷却できる200℃以下となるように調整した。このような調整には原料となる粉体毎の調整が必要であり、本実施例の構成により材料特性に沿った製造条件調整が装置内部での演算により可能であることを示すことが出来た。
物質を加熱することで構造物を形成する製造装置としては、本実施例の積層造形装置だけでなく、溶接装置、熱処理装置、製鋼設備などでもよい。
100 相変態の取得装置
101 測定対象
102 測定基板(基板)
103 加熱制御装置
104 画像撮影装置
105 第一の輻射強度像
106 第二の輻射強度像
107 第三の輻射強度像
108 温度換算装置
109 検出装置
110 演算装置
111 相変態検出部
112 赤外線サーモグラフィ(温度計測装置)
113 冷却機構
114 積層造形装置
115 積層造形体
116 試料台
117 レーザ熱源

Claims (11)

  1. 物質の相変態の取得装置において、前記物質を加熱する温度制御装置と、各々異なる波長に対応する複数個の画像センサを有する画像撮影装置と、前記画像撮影装置により得られた画像を温度に換算する温度換算装置と、前記画像撮影装置により得られた画像の形状変化を検出する検出装置と、前記温度換算装置により得られた温度と前記検出装置により得られた形状変化から相変態温度を求める演算装置とを備えることを特徴とする相変態の取得装置。
  2. 請求項1において、取得する前記相変態が溶解と凝固の変態、または固相の変態であることを特徴とする相変態の取得装置。
  3. 請求項1において、前記物質の温度を赤外線輻射により計測する温度計測装置を備えることを特徴とする相変態の取得装置。
  4. 請求項1において、前記物質と接触する基板と、前記基板を冷却する冷却機構とを備えることを特徴とする相変態の取得装置。
  5. 請求項1において、上面に凹凸を有する基板を備え、前記基板の凹部に前記物質が配されることを特徴とする相変態の取得装置。
  6. 物質の相変態の取得方法において、前記物質を加熱する工程と、加熱された前記物質の画像を撮影する工程と、前記画像から各々異なる波長に対応する複数の像に分離する工程と、前記複数の像から前記物質の温度変化を求める工程と、前記複数の像から前記物質の形状変化を求める工程と、前記温度変化と前記形状変化から前記物質の相変態温度を求める工程とを備えることを特徴とする相変態の取得方法。
  7. 請求項6において、取得する前記相変態が溶解と凝固の変態、または固相の変態であることを特徴とする相変態の取得方法。
  8. 請求項6において、加熱された前記物質の温度を赤外線輻射により計測する工程を備え、前記物質の温度変化は、前記複数の像と計測された前記物質の温度とから求められることを特徴とする相変態の取得方法。
  9. 請求項6において、加熱された前記物質を冷却する工程を備えることを特徴とする相変態の取得方法。
  10. 請求項6において、前記物質が複数個であることを特徴とする相変態の取得方法。
  11. 物質を加熱することで構造物を形成する製造装置において、前記物質を加熱する温度制御装置と、各々異なる波長に対応する複数個の画像センサを有する画像撮影装置と、前記画像撮影装置により得られた画像を温度に換算する温度換算装置と、前記画像撮影装置により得られた画像の形状変化を検出する検出装置と、前記温度換算装置により得られた温度と前記検出装置により得られた形状変化から相変態温度を求める演算装置とを備えることを特徴とする製造装置。
JP2014076617A 2014-04-03 2014-04-03 相変態の取得装置、取得方法、製造装置 Pending JP2017122579A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014076617A JP2017122579A (ja) 2014-04-03 2014-04-03 相変態の取得装置、取得方法、製造装置
PCT/JP2015/057403 WO2015151761A1 (ja) 2014-04-03 2015-03-13 相変態の取得装置、取得方法、製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014076617A JP2017122579A (ja) 2014-04-03 2014-04-03 相変態の取得装置、取得方法、製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017122579A true JP2017122579A (ja) 2017-07-13

Family

ID=54240093

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014076617A Pending JP2017122579A (ja) 2014-04-03 2014-04-03 相変態の取得装置、取得方法、製造装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2017122579A (ja)
WO (1) WO2015151761A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7093797B2 (ja) * 2017-06-06 2022-06-30 ディーエムジー モリ アドバンスト ソリューションズ,インコーポレーテッド 付加製造時の凝固速度制御のためのシステム及び方法
CN107860787B (zh) * 2017-08-15 2024-02-06 山东春秋新材料股份有限公司 一种除渣剂软化点温度测定方法及其装置
CN108982577B (zh) * 2018-06-25 2020-06-16 浙江大学 基于热色液晶的复合相变材料熔化/凝固过程的相界面测量装置及方法
BR112021011981A2 (pt) * 2018-12-20 2021-09-08 Etxe-Tar, S.A. Método de processamento de um objeto com um feixe de luz e sistema de processamento
WO2022022115A1 (zh) * 2020-07-27 2022-02-03 上海交通大学 一种金属凝固过程多物理场测量装置及其外壳、测量方法
CN113655061A (zh) * 2021-09-23 2021-11-16 华志(福建)电子科技有限公司 一种基于图像识别物质熔点的方法及熔点仪

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1026594A (ja) * 1996-07-11 1998-01-27 Nikon Corp 熱分析用素子及びその製造方法
JP2012141283A (ja) * 2010-12-14 2012-07-26 Kobe Steel Ltd 変態塑性係数測定装置および変態塑性係数測定方法
JP5650578B2 (ja) * 2010-12-24 2015-01-07 株式会社アイフェイズ データ画像記録装置、熱分析装置、データ画像記録方法、画像データの正規化方法、熱物性量の算出方法および記録画像の表示方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015151761A1 (ja) 2015-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2015151761A1 (ja) 相変態の取得装置、取得方法、製造装置
Cheng et al. Melt pool sensing and size analysis in laser powder-bed metal additive manufacturing
Marshall et al. Understanding the microstructure formation of Ti-6Al-4V during direct laser deposition via in-situ thermal monitoring
Sreedhar et al. Automatic defect identification using thermal image analysis for online weld quality monitoring
Stutzman et al. Multi-sensor investigations of optical emissions and their relations to directed energy deposition processes and quality
US9952236B2 (en) Method and device for process monitoring
Krauss et al. Thermography for monitoring the selective laser melting process
CA2736734C (en) Method for detecting defect in material and system for the method
US20170297095A1 (en) System and Method for In-Situ Characterization and Inspection of Additive Manufacturing Deposits Using Transient Infrared Thermography
Alfaro et al. Characterization of “humping” in the GTA welding process using infrared images
JP2016540895A (ja) 画像解析によってレーザービームのエネルギー密度を監視する方法、および対応する装置
JP5392179B2 (ja) 鋼板の欠陥検出方法及び欠陥検出システム
Barrett et al. Statistical analysis of spatter velocity with high-speed stereovision in laser powder bed fusion
JP2016501376A (ja) サーモグラフィを用いた試料の検査方法およびシステム
Chen et al. Research on in situ monitoring of selective laser melting: a state of the art review
US20160144452A1 (en) System and method for detecting a defect in a workpiece undergoing material processing by an energy point source
CN102967374A (zh) 一种激光焊接过程温度场的测量方法
Monier et al. Liquid metals surface temperature fields measurements with a two-colour pyrometer
Zhirnov et al. New approach of true temperature restoration in optical diagnostics using IR-camera
Kayacan et al. An investigation on the measurement of instantaneous temperatures in laser assisted additive manufacturing by thermal imagers
CN110657892B (zh) 钛合金电弧焊熔池表面温度场测量装置和方法
Ma et al. Online in-situ monitoring of melt pool characteristic based on a single high-speed camera in laser powder bed fusion process
Jeong et al. Cooling rate measurement in directed energy deposition using photodiode-based planck thermometry (PDPT)
CN105081522A (zh) Ti-6Al-4V钛合金电弧焊接熔池表面温度场监测方法
JP6318853B2 (ja) 温度較正方法及び温度較正装置