JP2017015049A - 圧縮機 - Google Patents

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永生 趙
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Abstract

【課題】圧縮機において、逆止弁の構造の簡略化を図る。【解決手段】吐出ポート(25)がケーシング(11)の上面を向いてケーシング(11)内において開口した圧縮機構(20)を設ける。板状に形成されて上下方向に移動し、下限に移動した場合には吐出ポート(25)の弁座(25d)に着座して吐出ポート(25)を閉じる逆止弁体(51)を設ける。ケーシング(11)内には、ケーシング(11)の上部において吐出ポート(25)に向って突出して逆止弁体(51)の上方への移動量を規制する凸部(52)を、ケーシング(11)の外側から凹部(52a)を形成することによって形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮機に関するものである。
空気調和装置などの冷凍装置に用いられるロータリ式圧縮機では、圧縮機構内に冷媒が逆流しないように、吐出ポートに逆止弁が設けられる(例えば特許文献1を参照)。特許文献1の例では、高圧室の開口面上にはリング形状の弁座が設けられ、この弁座に円板形状の弁体が載置されている。この逆止弁では、隙間を有して弁体を覆うようにリテーナが取り付けられている。このリテーナには高圧側に通ずる開口が設けられ、リテーナは止め輪によって定位置に固定されている。
特開平5−149269号公報
しかしながら、特許文献1の逆止弁の構造は、複雑であり、また、部品点数も多いためコストが高くなりがちである。
本発明は上記の問題に着目してなされたものであり、圧縮機において、逆止弁の構造の簡略化を図ることを目的としている。
上記の課題を解決するため、第1の発明は、
密閉容器として形成されたケーシング(11)と、
上記ケーシング(11)に収容され、吐出ポート(25)が該ケーシング(11)の上面を向いて該ケーシング(11)内において開口した圧縮機構(20)と、
板状に形成されて上下方向に移動し、下限に移動した場合には上記吐出ポート(25)の弁座(25d)に着座して上記吐出ポート(25)を閉じる逆止弁体(51)と、
を備え、
上記ケーシング(11)内には、該ケーシング(11)の上部において上記吐出ポート(25)に向って突出して上記逆止弁体(51)の上方への移動量を規制する凸部(52)が、該ケーシング(11)の外側から凹部(52a)を形成することによって形成されていることを特徴とする。
この構成では、凸部(52)が、いわゆる弁押さえとして機能する。この凸部(52)は、ケーシング(11)の外側から凹部(52a)を形成することによって形成されているので、容易に形成することができるし、部品点数の増加も無い。
また、第2の発明は、第1の発明において、
上記吐出ポート(25)には、上記逆止弁体(51)を収容する円筒孔部(25a)が形成され、
上記凸部は、上記円筒孔部(25a)内に伸びていることを特徴とする。
この構成では、逆止弁体(51)の移動範囲が円筒孔部(25a)内に規制される。
また、第3の発明は、第2の発明において、
上記円筒孔部(25a)の壁面(25e)には、吐出された流体を導出する流体通路(25f)が形成されていることを特徴とする。
この構成では、吐出された流体が流体通路(25f)を流れる。
また、第4の発明は、第1から第3の発明の何れかにおいて、
上記凹部(52a)内には温度センサ(60)が設けられていることを特徴とする。
この構成では、弁押さえ(凹部(52a))を利用して温度センサ(60)が配置される。すなわち、温度センサ(60)の取り付け用の部品を省略できる。
また、第5の発明は、第1から第4の発明の何れかにおいて、
上記凹部には、樹脂材料(70)が充填されていることを特徴とする。
この構成では、樹脂材料(70)によって、凹部(52a)への水分の侵入が防止される。
第1の発明によれば、圧縮機において、逆止弁の構造の簡略化を図ることが可能になる。
また、第2の発明によれば、逆止弁体(51)の移動範囲を確実に規定できる。
また、第3の発明によれば、圧縮された流体を確実に吐出させることが可能になる。
また、第4の発明によれば、弁押さえ(凹部(52a))を温度センサ(60)の固定に利用できるので、この点においても部品点数の削減が可能になる。また、この構造では、温度センサ(60)を吐出ポート(25)に近接して配置できるので、より正確に吐出された流体(ガス)の温度を検知できる。
また、第5の発明によれば、圧縮機(10)の水分による腐食の防止が可能になる。
図1は、スクロール圧縮機の構成を示す断面図である。 図2は、圧縮機構の要部を示す断面図である。 図3は、吐出ポート付近の縦断面図である。 図4は、吐出ポート付近の横断面図である。 図5は、逆止弁体が上限位置に移動した状態を示す。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態》
本実施形態では、本発明の圧縮機の一例として、スクロール圧縮機を説明する。図1は、本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機(10)の構成を示す断面図である。スクロール圧縮機(10)は、例えば、空気調和装置の蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路(図示は省略)に設けられ、冷媒を圧縮するために使用される。
〈スクロール圧縮機(10)の構成〉
スクロール圧縮機(10)は、ケーシング(11)を備えている。このケーシング(11)は、縦長の円筒形の密閉容器である。詳しくは、ケーシング(11)は、図1に示すように、円筒状の胴部(11a)、該胴部(11a)の上側開口部を閉塞する上部鏡板部(11b)と、該胴部(11a)の下側開口部を閉塞する椀状の下部鏡板部(11c)とを有している。このケーシング(11)は、胴部(11a)の上側に上部鏡板部(11b)を溶接で固定し、胴部(11a)の下側に下部鏡板部(11c)を溶接で固定することによって密閉容器として構成されている。
このケーシング(11)内には、冷媒を圧縮する圧縮機構(20)と、圧縮機構(20)を駆動する電動機(45)とが収納されている。この電動機(45)は、圧縮機構(20)の下方に配置され、駆動軸(40)を介して圧縮機構(20)に連結されている。
また、ケーシング(11)の頂部(上部鏡板部(11b))には、吸入管(12)が貫通して取り付けられている。吸入管(12)は、その終端が圧縮機構(20)に接続されている。また、上部鏡板部(11b)の側壁には、吐出管(13)が貫通して取り付けられている。吐出管(13)は、その一端が、ケーシング(11)内(より詳しくは圧縮機構(20)の横)に開口している。
駆動軸(40)は、主軸部(41)と偏心部(42)とを備え、クランクを構成している。偏心部(42)は、主軸部(41)よりも小径に形成され、主軸部(41)の上端に設けられている。この偏心部(42)は、主軸部(41)の軸心に対して所定距離だけ偏心している。
ケーシング(11)の胴部の下端付近には、下部軸受部材(48)が固定されている。下部軸受部材(48)は、駆動軸(40)の主軸部(41)の下端部を回転自在に支持している。
電動機(45)は、駆動軸(40)を介して圧縮機構(20)を駆動するものであり、例えばIPM(Interior Permanent Magnet)モータを採用できる。
圧縮機構(20)は、固定スクロール(21)、可動スクロール(22)、及び軸受ハウジング(30)を備えている。この軸受ハウジング(30)は、軸受メタル(35)を有し、該軸受メタル(35)によって、駆動軸(40)を回転自在に支持している。
図2は、圧縮機構(20)の要部を示す断面図である。図2に示すように、圧縮機構(20)では、固定スクロール(21)に設けられた渦巻き壁状の固定側ラップ(21a)と、可動スクロール(22)に設けられた渦巻き壁状の可動側ラップ(22a)とが組み合わせられることにより、圧縮室(24)が区画形成されている。
この可動スクロール(22)には、駆動軸(40)の偏心部(42)が挿入されるボス部(22c)が形成されている。可動スクロール(22)が、駆動軸(40)を介して電動機(45)によって駆動されることによって、可動スクロール(22)は、偏心回転運動を行う。
固定スクロール(21)には、冷媒を導入するための吸入ポート(29)が形成されている。吸入ポート(29)は、固定スクロール(21)の上面に開口し、圧縮機構(20)内の圧縮室(24)につながっている。また、固定スクロール(21)の固定側鏡板部(21b)の中央には、吐出ポート(25)が形成されている。この吐出ポート(25)には、逆止弁(50)が設けられている。
〈吐出ポート(25)及び逆止弁(50)の構成〉
図3は、吐出ポート(25)付近の縦断面図である。また、図4は、吐出ポート(25)付近の横断面図である。図4は、図3のB−B断面を示している。吐出ポート(25)は、固定側鏡板部(21b)を貫通して圧縮室(24)に繋がる貫通孔であり、可動スクロール(22)の偏心回転運動に伴って圧縮室(24)に間欠的に連通するように構成されている。
本実施形態の吐出ポート(25)は、ケーシング(11)の上部鏡板部(11b)(すなわちケーシング(11)の上面)を向いて開口している。この例では、吐出ポート(25)は、固定側鏡板部(21b)の上面から圧縮室(24)に向って内径がD1からD2(ただしD1>D2)に2段階に変化している。内径がD1の部分(固定側鏡板部(21b)の上面の開口から所定深さの部分)は、円筒孔である。以下では、説明の便宜のため、内径がD1の部分を円筒孔部(25a)と呼び、D2の部分を小径部(25b)と呼ぶことにする。
吐出ポート(25)では、このように内径が2段階に変化することによって、吐出ポート(25)内には、段差部(25c)が形成されている。段差部(25c)は、水平方向に平坦な面を有し、その平坦面は、逆止弁体(51)(後述)が着座する弁座(25d)として機能するようになっている。また、円筒孔部(25a)の壁面(25e)には、図4に示すように、圧縮室(24)から吐出された流体(ここでは冷媒)を導出する、複数本(この例では4本)の流体通路(25f)が形成されている。流体通路(25f)は、上下方向に伸びる溝である。
そして、吐出ポート(25)の円筒孔部(25a)には、圧縮室(24)に冷媒が逆流しないように、逆止弁(50)が設けられている。この逆止弁(50)は、逆止弁体(51)、及び弁押さえ(52)を備えている。逆止弁体(51)は、円形の板材である。逆止弁体(51)の外径(D3)は、円筒孔部(25a)の内径(D1)よりもやや小径、且つ弁座(25d)に乗る大きさである(図4参照)。そのため、逆止弁体(51)は、円筒孔部(25a)内において上下方向に移動が可能である。逆止弁体(51)の移動の下限は、弁座(25d)に着座する位置である。
弁押さえ(52)は、逆止弁体(51)の上方への移動量を規制するものである。本実施形態では、弁押さえ(52)は、ケーシング(11)の上部鏡板部(11b)を利用して構成されている。具体的には、ケーシング(11)の外側から、上部鏡板部(11b)に凹部(52a)を形成することによって、吐出ポート(25)に向って突出する凸部を形成し、その凸部を弁押さえ(52)として用いている。このような凸部(ケーシング(11)の外側から見ると凹部(52a))は、板状の部材をプレス加工することによって形成でき、上部鏡板部(11b)の製造時にこの弁押さえ(52)部分も形成することができる。
本実施形態の弁押さえ(52)は、ケーシング(11)の内側から見ると円柱状であり、弁押さえ(52)の外径(D4)は、円筒孔部(25a)の内径(D1)よりも、やや小径である。また、弁押さえ(52)の先端(下端)には、水平方向に平坦な面(以下、ストッパー部(52b))が形成されている。また、弁押さえ(52)は、その先端が円筒孔部(25a)内に伸びている。つまり、ストッパー部(52b)は、円筒孔部(25a)内にあり、ストッパー部(52b)と弁座(25d)とは、円筒孔部(25a)内において、所定の距離を隔てて平行に配置されることになる。したがって、逆止弁体(51)の移動の上限は、ストッパー部(52b)に逆止弁体(51)が当たる位置である。図5に、逆止弁体(51)が上限位置に移動した状態を示す。
なお、本実施形態では、弁押さえ(52)の凹部(52a)内に温度センサ(60)が設けられている。この例では、凹部(52a)の底部が平坦な面になっており、温度センサ(60)は、底部の平坦面に固定されている。この凹部(52a)内には、温度センサ(60)を取り付けた後に樹脂材料(70)が充填されている。樹脂材料(70)は、凹部(52a)への水分の浸入を防止するために設けてある。
〈逆止弁(50)の動作〉
電動機(45)の運転開始前は逆止弁体(51)は弁座(25d)に着座している。電動機(45)が回転すると可動スクロール(22)が偏心回転運動を行い、それにより、吸入ポート(29)を経由して圧縮室(24)に導入された冷媒が圧縮される。圧縮された冷媒は、圧縮室(24)を出て吐出ポート(25)の小径部(25b)内に入る。小径部(25b)に入った冷媒は、弁座(25d)に着座していた逆止弁体(51)を押し上げつつ円筒孔部(25a)内に移動する。このとき、冷媒によって押し上げられた逆止弁体(51)は、ストッパー部(52b)に当たる(図5を参照)。すなわち、逆止弁体(51)は、弁座(25d)とストッパー部(52b)との間で上下移動するのである。
そして、円筒孔部(25a)内に入った冷媒は、円筒孔部(25a)の壁面(25e)と逆止弁体(51)との隙間や、流体通路(25f)を通って、円筒孔部(25a)からケーシング(11)内に吐出される。ケーシング(11)内に吐出された冷媒は、吐出管(13)から吐出される。
吐出ポート(25)は、可動スクロール(22)の偏心回転運動に伴って圧縮室(24)に間欠的に連通するので、逆止弁体(51)もそれに応じて上下移動(開閉動作)を繰り返すことになる。
〈本実施形態における効果〉
以上のように、本実施形態では、ケーシング(11)の一部(上部鏡板部(11b))を利用して弁押さえ(52)が形成されている。しかも、弁押さえ(52)は、ケーシング(11)の外側から凹部(52a)を形成することによって形成されているので、構造が簡単であり、且つ逆止弁の部品点数の削減も可能になる。具体的には、従来例で用いられていたリテーナや止め輪の省略が可能になる。すなわち、本実施形態によれば、圧縮機において、逆止弁の構造の簡略化を図ることが可能になる。
《その他の実施形態》
なお、ストッパー部(52b)は円筒孔部(25a)内に入り込まなくても、例えば円筒孔部(25a)の上端と同じ高さに、弁押さえ(52)の下端面(ストッパー部(52b))が位置するようにしてもよい。要は、逆止弁体(51)が押し上げられた際に円筒孔部(25a)から飛びださなければよいのである。
また、流体通路(25f)の数や断面形状は例示である。
本発明は、圧縮機として有用である。
10 スクロール圧縮機(圧縮機)
11 ケーシング
20 圧縮機構
25 吐出ポート
25a 円筒孔部
25d 弁座
25e 壁面
25f 流体通路
51 逆止弁体
52 弁押さえ(凸部)
52a 凹部
60 温度センサ
70 樹脂材料

Claims (5)

  1. 密閉容器として形成されたケーシング(11)と、
    上記ケーシング(11)に収容され、吐出ポート(25)が該ケーシング(11)の上面を向いて該ケーシング(11)内において開口した圧縮機構(20)と、
    板状に形成されて上下方向に移動し、下限に移動した場合には上記吐出ポート(25)の弁座(25d)に着座して上記吐出ポート(25)を閉じる逆止弁体(51)と、
    を備え、
    上記ケーシング(11)内には、該ケーシング(11)の上部において上記吐出ポート(25)に向って突出して上記逆止弁体(51)の上方への移動量を規制する凸部(52)が、該ケーシング(11)の外側から凹部(52a)を形成することによって形成されていることを特徴とする圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記吐出ポート(25)には、上記逆止弁体(51)を収容する円筒孔部(25a)が形成され、
    上記凸部は、上記円筒孔部(25a)内に伸びていることを特徴とする圧縮機。
  3. 請求項2において、
    上記円筒孔部(25a)の壁面(25e)には、吐出された流体を導出する流体通路(25f)が形成されていることを特徴とする圧縮機。
  4. 請求項1から請求項3の何れかにおいて、
    上記凹部(52a)内には温度センサ(60)が設けられていることを特徴とする圧縮機。
  5. 請求項1から請求項4の何れかにおいて、
    上記凹部には、樹脂材料(70)が充填されていることを特徴とする圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3514393A2 (fr) 2018-01-23 2019-07-24 Airflux Dispositif de recuperation d'energie thermique

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