JP2017014894A - 雨水制御装置及び雨水制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】住宅の縦樋から下水道へ向けて雨水が過剰に流入することを防止し、都市の下水道が満杯になることを防止する装置を提供する。【解決手段】雨水管から下流側への雨水管内における雨水の流量を制限する流量絞り24と、流量絞りで流量を制限された雨水を受け入れる貯留タンク19と貯留タンク19の排水弁とを備え、貯留タンク19の容量を超える過剰な雨水を外部へ流出する過剰水排出口が貯留タンク19に連通して形成されるとともに、降雨時には排水弁を閉じて貯留タンク19内に雨水を溜め、降雨が収まると排水弁を開いて排出する全量排出口が前記貯留タンク19に連通して形成されている構成であって、集中豪雨の際に、一回の豪雨が収まった後、次の豪雨が来るまでの間に25分から60分程度で貯留タンク19が実質的に空になるように、貯留タンク19に貯留された雨水が全量排出口を通って自然に流れ出て雨水管に戻る。【選択図】図5

Description

本発明は集中豪雨の対策のための、雨水管から下水道等へ向けて流れる雨水の流量を制御する雨水制御装置及び雨水制御方法、特に線状降水帯の豪雨による洪水被害の解決策に関するものである。
住宅の屎尿や生活排水等の汚水を一旦貯留して下水道へと排出する汚水桝(特許文献1参照)には、図15に示すように、住宅30の雨樋(雨水管)31から雨水が導入される場合がある。すなわち、住宅の軒樋32が縦樋33を介して、地中に埋設される汚水桝34に連通されるタイプであり、汚水桝34が雨水桝(特許文献2参照)を兼ねるものである。この場合、住宅30で発生した汚水と雨樋31に流入した雨水は、共に汚水桝34に流入し、この汚水桝34から下水道へと排出される。
このタイプの汚水桝34において、雨樋31から汚水桝34に流入する雨水の量が汚水桝34から下水道への排水量を超えるほど降雨量が多い場合には、住宅の汚水源35(トイレ、風呂、台所等)へと汚水桝34から、雨水を含む汚水が逆流してしまい、住宅内が水浸しになってしまう危険がある。
図15には、大雨の影響で縦樋33及び軒樋32の中が満水状態となり、軒樋32から雨水Rが溢れ出ている状態が示されている。雨樋31から流れ込む雨水で汚水桝34が満杯になってしまうと、汚水桝34内の汚水が汚水源35としてのトイレから住宅内へと流れ込む。雨樋31を構成する軒樋32は汚水桝34よりもはるかに高い位置にあるので、軒樋32に流れ込む雨水によって汚水桝34内が加圧され、汚水源35への汚水の逆流が促進される。地球温暖化の影響からか、局地的な豪雨に見舞われることが多い昨今、この問題は甚だ深刻である。
また、雨樋の雨水が雨水専用の雨水桝に導入される分流式下水道の場合にも、大雨で雨水桝が満杯になり下水道設備に排出できない時には、軒樋から雨水が溢れて軒下に流れ出す事態が発生する。 尚、下水道と言った場合は、下水管を意味し汚水管と大きな雨水管46Aとを含む(図24参照)。
さらにまた、高層の集合住宅では、大雨の際に雨水桝が満杯になり、又は縦樋が細いと上層階の雨水だけで縦樋が満杯になり、低層階の住宅のベランダに雨水が滞留してしまうという問題も生ずる。
そこで、特許文献3,4に示すように、下水道等へ向けて縦樋内を通過する雨水の流量を規制し、規制された雨水を貯水タンクに溜めることで、前記のような問題を解決しようとするものが提案されている。
特開平9−273166号公報 特開平7−292758号公報 実開平7−25055号公報 特開2008−121274号公報 特開2008−101382号公報
本発明の前に出願した特願2016−152768において完全に解決できなかった課題は、線状降水帯の豪雨による洪水被害である。まず、本発明の前に出願した特願2016−152768の概要を以下に紹介し、その上でその解決策を説明する。
上記、特許文献3,4の提案では、貯水タンクが満杯になってしまうと、縦樋内を下水道等へ向けて雨水が流れなくなってしまい、前記と同様の問題が発生してしまう。いずれの文献にも、貯水タンクには開閉自在な排水口(特許文献3では第一排水口3、特許文献4では雨水取出し蛇口)が設けられているが、これらの排水口は人為的に開閉操作されるもので、貯水タンクからの排水を自動的に制御するものではない。
また、特許文献3では、一応、第二排水口4より少量の排水が常時行われており、降雨がやんだ後も自然に排水できると開示されているが、特許文献3で例示されている容量3000リットルの貯水タンクから自然に排水する時間は相当に長いと思われる。このため、断続的な豪雨に見舞われた場合、貯水タンクが一旦満杯になってしまうと、それ以後の豪雨には自然排水では対応できない心配がある。しかも自然に排水するのは、住宅敷地の庭先であり、本当に「降雨がやむまで」の一回限りの貯留が目的となっている。高層住宅のベランダには適用できない。
さらに、特許文献3の提案では、容量3000リットル等の折り畳み可能な袋体が使用され、特許文献4の提案では、ゴミ排出パイプ8が露出しているが、家屋の縦樋の傍にこれらのものが存在するのは、スペース的にも美観的にも問題がある。
本発明の前に出願した特願2016−152768は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、短時間にまとまって降る強い雨を何回も繰り返す集中豪雨があっても、下水道等が機能不全に陥ることを防止しようとするものである。特に、住宅の雨水管から下水道等への雨水の流入量を制限し、流入が制限された雨水の貯留機能を有し、降雨量が制限値を下回ったら貯留された雨水が自然排水される、雨水制御装置及び雨水制御方法を提供しようとするものであった。
そのための雨水制御装置は、雨水管から下流側への雨水管内における雨水の流量を制限する流量絞りと、該流量絞りによって流量を制限された雨水を溜める貯留タンクと、を備え、該貯留タンクの容量を超える過剰な雨水を外部へ流出する過剰水排出口が前記貯留タンクの上部に設けられる構成であって、短時間にまとまって降る強い雨を何回も繰り返す集中豪雨の際に、一回の豪雨が収まった後、次の豪雨が来るまでの間に15分から60分程度で前記貯留タンクが実質的に空になるように、該貯留タンクに貯留された雨水が自然に流れ出る常時開放の全量排出口が前記貯留タンクに連通して形成されているものである。
具体的には、住宅の雨水管が上下に二分割され、上側管の下端と下側管の上端とを包み込むように上下方向に延びる筒状の連結ボックスが配設され、該連結ボックスは、下端に内向きフランジを備えるとともに上端の少なくとも一部が開放され、前記内向きフランジは、前記下側管の外周面に対して液密に連結され、前記上側管と前記下側管との間の隙間が前記連結ボックスの内部に連通しており、前記連結ボックスの内周面と前記上側管の外周面と内向きフランジとで画成される空間が過剰水の貯留タンクの大きさとなり、前記下側管の内部に流量絞りが設けられ、前記連結ボックスの上端開放部が過剰水排出口となり、該流量絞りの開口が前記全量排出口となるものである。
この発明によれば、流量絞りで流量を制限された雨水は、上側管と下側管との間の隙間から連結ボックス内部の貯留タンクに貯留される。一回の豪雨が収まり降雨量が流量絞りによる規制値を下回ると、貯留タンク内の雨水が前記隙間と前記流量絞りとを通って下流側へと自然に流れ出る。貯留タンクが満杯になるほどの大雨が降った場合、貯留タンク内の雨水は過剰水排出口から自然に溢れ出る。
この発明によれば、下水道等への雨水の流入量が制限され、流入が制限された雨水は貯留タンクに溜められるので、これにより、集中豪雨があっても、下水道等が機能不全に陥ることが防止できる。特に、多くの市民や自治体の協力を得て大規模に採用することで、より大きな効果が得られる。
また、雨水管の雨水が住宅の汚水桝を通って下水道へと流入する場合でも、汚水桝から住宅内へ汚水が逆流してしまう等の問題が生じない。万一貯留タンクが満杯になっても、過剰な雨水は過剰水排出口から自然に排出されるので、雨水管に連通する軒樋から雨水が溢れ出すこともない。
さらに、貯留タンクに溜まった雨水は、一回の豪雨が収まり降雨量が流量絞りによる規制値を下回ると、前記隙間と前記流量絞りを通って自然に流れ出るので、次の豪雨にも対応できる。
更に、地下の雨水管から下流側への雨水管内における雨水の流量を制限する流量絞りと、該流量絞りによって流量を制限された雨水を溜める貯留タンクと、を備え、該貯留タンクの容量を超える過剰な雨水を外部へ流出する過剰水排出口が前記貯留タンクの上部に設けられる構成であって、短時間にまとまって降る強い雨を何回も繰り返す集中豪雨の際に、一回の豪雨が収まった後、次の豪雨が来るまでの間に15分から60分程度で前記貯留タンクが実質的に空になるように、該貯留タンクに貯留された雨水が自然に流れ出る常時開放の全量排出口が前記貯留タンクに連通して形成されているもの、がある。
具体的には、道路の両脇に設けられた側溝の一部が前記貯留タンクとなり、該貯留タンクに連通して設けられた下流側の集水槽の上部に開口を設けて過剰水排出口とし、該貯留タンクの雨水を排出する地下の雨水管に前記流量絞りを備え、該流量絞りの開口が全量排出口となるものである。
更に具体的には、前記側溝からの雨水を集めて流す地下の大きな雨水管の一部が前記貯留タンクとなり、該貯留タンクに連通して設けられた下流側の集水槽の上部に開口を設けて過剰水排出口とし、該貯留タンクの雨水を排出する地下の雨水管に前記流量絞りを備え、該流量絞りの開口が全量排出口となるものである。
その制御方法は、雨水管から下流側への雨水管内における雨水の流量を制限する流量絞りと、該流量絞りによって流量を制限された雨水を溜める貯留タンクと、を備え、該貯留タンクの容量を超える過剰な雨水を外部へ流出する過剰水排出口が前記貯留タンクの上部に設けられる雨水制御装置を用いて、短時間にまとまって降る強い雨を何回も繰り返す集中豪雨の際に、一回の豪雨が収まった後、次の豪雨が来るまでの間に15分から90分程度で前記貯留タンクが実質的に空になるように、該貯留タンクに貯留された雨水が前記貯留タンクに連通して形成されている常時開放の全量排出口から自然に流れ出ることを特徴とするものである。
大雨への対策としては、降雨強度が80mm/h以上の集中豪雨に対応できるように、貯留タンクの容量を300リットル以上とし、満杯になった前記貯留タンクが45分程度で実質的に空になるように、前記貯留タンクの容量と全量排出口の大きさとが設定されていることである。
降雨強度が80mm/hを超える大雨が降る地域においては、大きな貯留タンクが必要であり更に側溝の貯留タンクの必要性がある。
側溝の貯留タンクを採用して、降雨強度が80mm/h以上の集中豪雨に対応する場合は、側溝の貯留タンクの容量を1600リットル以上とし、満杯になった前記側溝の貯留タンクが30分から90分程度で実質的に空になるように、前記貯留タンクの容量と全量排出口の大きさとが設定されていることを特徴とする。
降雨強度が80mm/hを超える大雨が降る地域においては、側溝の貯留タンクも採用し、実際の豪雨に適合する全量排出時間になるように調整可能にすることが必要である。
特願2016−152768の段落番号0112欄にある通り、平成27年9月の関東・東北豪雨は、線状降水帯の豪雨(台風の影響)であり、降雨強度が60mm/hの大雨で2〜3時間継続した。豪雨は1回限りであるが本件特許の前に出願した特願2016−152768の雨水制御装置では完全な対応はできない(図31)。そのためには側溝の貯留タンクの採用が望まれるが、平成28年6月熊本県の線状降水帯の豪雨は150mm/hの大雨である。平成24年7月の九州北部豪雨の線状降水帯の例を図32、図33に示す。図32こちらは豪雨が3回繰り返し継続しており、80mm/hの大雨が一回、50mm/hの大雨が2回ほど降っている。更に降雨量が増している。予想外の降雨強度であり、新たな解決策が望まれる。
尚、PDF資料1 近年の大雨による主な災害、によると平成10年から20年までの集中豪雨や局地的な大雨による被害が事例として記載されている。ここには今まで説明していなかった局地的な大雨が紹介されており、一回限りの降雨又は二〜三回の降雨であるが、一回に数十分間の大雨が降る現象であり、稀に100分程度の豪雨もある。この様な局地的な大雨に対しても線状降水帯の豪雨と同じ対策が必要である。一回に数十分間の大雨が降れば、貯留タンクに貯留される雨水量と比較して過剰水排出口から排出される雨水量が圧倒的に多くなるため、雨水流出の抑制効果が少なくなるからである。
ここでは線状降水帯の豪雨はこの局地的な大雨と類似するものと理解している。線状降水帯の豪雨の中にも、集中豪雨と同じ様に「短時間にまとまって降る強い雨を何回も繰り返す」タイプがあったとしても、降雨強度80mm/h以上の大雨になれば側溝の貯留タンクを採用することや、更には本件特許の発明(図1又は及び図2)の実施が必要になると思われる。
好適な実施の一形態として、雨水管から下流側への雨水管内における雨水の流量を制限する流量絞りと、該流量絞りで流量を制限された雨水を受け入れる貯留タンクと該貯留タンクの排水弁と、を備え、該貯留タンクの容量を超える過剰な雨水を外部へ流出する過剰水排出口が前記貯留タンクに連通して形成されるとともに、降雨時には前記排水弁を閉じて該貯留タンク内に雨水を溜め、降雨が収まると該排水弁を開いて排出する全量排出口が前記貯留タンクに連通して形成されている構成であって、短時間にまとまって降る強い雨を何回も繰り返す集中豪雨の際に、一回の豪雨が収まった後、次の豪雨が来るまでの間に25分から60分程度で前記貯留タンクが実質的に空になるように前記全量排出口からの全量排出を行う態様を例示する(請求項1)。
好適な実施の一形態として、降雨が収まってから前記排水弁を開くまでの遅延時間と全量排出時間の総和が25分から60分程度になる態様を例示する(請求項2)。
好適な実施の一形態として、前記遅延時間は10分から20分程度、好ましくは15分程度とする態様を例示する(請求項3)。
好適な実施の一形態として、前記遅延時間は、雨水缶の容量と雨水排出管の開口の大きさとにより設定する態様を例示する(請求項4)。
好適な実施の一形態として、地下の雨水管の中を流れる雨水量が、流れ得る最大雨水量の50%以上になることを検出したら、ポンプを稼働させて、地下又は地上の放水管を通して前記雨水管の雨水を近くの河川などに放水することを特徴とする(請求項5)。
好適な実施の一形態として、雨水量検出の基準値を下回ってから所定の遅延時間の後に、ポンプを停止することを特徴とする(請求項6)。
好適な実施の一形態として、前記遅延時間は10分から20分程度、好ましくは15分程度とすることを特徴とする(請求項7)。
好適な実施の一形態として、前記遅延時間は、雨水槽の容量と雨水排出管の開口の大きさとにより設定することを特徴とする(請求項8)。
タイマー付き雨水量検出装置 地下の雨水管の場合 断面図(分流式) 特開2008−101382の図3に本発明を適用した場合を示す 特願2016−152768の実施の一形態に係る雨水制御装置を含む、雨水管及び汚水桝の配管系の説明図である。 図4の要部の拡大断面図である。 図5の変形例の説明図である。 図5の変形例の説明図である 図5の変形例の説明図である。 図5の変形例の説明図である。 図7の変形例の説明図である。 図10の変形例の説明図である。 図11の変形例の説明図である。 図10の変形例の説明図である。 流量絞りによる雨水通過率を調整可能とするための具体例を示す説明図である。 従来例の雨水管及び汚水桝の配管系の説明図である。 図12の貯留タンクを地中に埋設した場合を示す。 貯留タンクが地中に埋設されて雨水枡を兼ねる場合を示す。 図10の貯留タンクを高層住宅のベランダの下に配置した場合を示す。 高層住宅の貯留タンク、一回の豪雨の直後を示す。 高層住宅の貯留タンク、一回の豪雨が収まった後、30分経過後を示す。 高層住宅の貯留タンク、次の豪雨の直後を示す。 下層階の貯留タンクの全量排出の時間が1週間以上、3週間以内の場合。 降雨強度60mm/hの際の400リットルと200リットルのグラフ。 分流式下水道の場合の地下の雨水管における雨水制御装置(簡易型)。 分流式下水道の場合の地下の雨水管における雨水制御装置 図24変形例の説明図である。 図25変形例の説明図である。 降雨強度60mm/hの際の250リットルのグラフ。 降雨強度80mm/hの際の1600リットルの側溝の貯留タンクのグラフ。 降雨強度160mm/hの際の1600リットルの側溝の貯留タンクのグラフ。 平成27年9月の関東・東北豪雨 線状降水帯の豪雨を示す。 平成24年7月の九州北部豪雨 線状降水帯の豪雨を示す。 平成24年7月の九州北部豪雨 線状降水帯の豪雨を示す。
以下、添付図面を参照して、特願2016−152768の実施の一形態に係る雨水制御装置に関する説明を先に行う。
図4に示すように、住宅1に対応する汚水桝2が住宅敷地の地中に埋設され、この汚水桝(宅内汚水桝)2には、汚水管3と雨水管4とが連通する。汚水桝2は、それ自体公知のものであり、屎尿や生活雑排水等の住宅の汚水を受け入れて貯留し、その貯留水を、下水排水管5を通して下水道へと排出する。汚水桝自体の構成は本発明の要旨とは関係がないので説明を省略する。
図1では、汚水源6及び汚水管3の一例として、住宅のトイレ(便器)と、このトイレから汚水桝2へと延びる汚水管を図示してある。図示してはいないが、他の汚水源6として、台所の流し、風呂場、洗濯場等が挙げられる。
雨水管4は、地上管7と埋設管8とからなる。地上管7は、住宅の雨樋であり、住宅1の軒に沿って配設される軒樋9と、この軒樋9から住宅の外部を地面まで延びる縦樋10とで構成される。この縦樋10は、地中に配設される埋設管8に接続され、この埋設管8が汚水桝2に接続される。図4の例では、一つの軒樋に対し、縦樋10と埋設管8との組合せが二系統配設されているが、縦樋10と埋設管8との組み合わせは少なくとも一系統あればよい。
なお、図4の別例として、図13に示すように、汚水桝2に代えて雨水専用の雨水桝2aに縦樋10の雨水が導入される態様であってもよい。
図4に示すように、縦樋10の下部には連結ボックス17が配設される。
図5に示すように、連結ボックス17は、上下方向に延びる筒状の部材である。該連結ボックス17は、上下に二分割された縦樋10の、上側樋(上側管)13の下端13aと下側樋(下側管)14の上端14bを包み込むように配設される。連結ボックス17は円筒型でも角筒型でもそれらの結合型でもよいが、縦樋10が通常円筒状なので、それに合わせて円筒状とすると外観上の調和がよいと思われる。
既設の縦樋10に設置する場合には、縦樋10を包囲するように組み合わせ可能な分割部品の液密な結合によって連結ボックス17が形成される態様とすると好適である。例えば、二つの半円筒型の分割部品の結合により縦樋10の周囲に連結ボックス17が円筒型に形成される態様や、半円筒型又は断面U字形の第一の分割部品と平板状の第二の分割部品との結合により、縦樋10の周囲に連結ボックス17が形成される態様である。このようにすれば、既設の縦樋に対して連結ボックスを後付けする場合の後付け作業が簡単且つ迅速に行える利点がある。
連結ボックス17は、下端に内向きフランジ18を備え、上端の少なくとも一部が開放されている。下端の内向きフランジ18は、下側樋14の外周面に対して液密に連結される。上側樋13と下側樋14の間の隙間が連結ボックス17の内部に連通しており、縦樋10を流れる雨水が連結ボックス17内にも流入できるようになっている。そして、連結ボックス17の内周面と上側樋13の外周面と内向きフランジ18とで画成される空間が過剰水の流路となり、またこの空間は貯留タンクの大きさになる。連結ボックス17の上端開口部が過剰水排出口20となる。図5では、連結ボックス17の上端を全て開口させて過剰水排出口20としてあるが、これには限定されず、連結ボックス17の上端の一部を開口させて過剰水排出口とすることもできる。
また、内向きフランジ18は、連結ボックス17に対しても液密に連結され、連結ボックス17と縦樋10の固定の役割も果たす。
図5の例では、過剰水排出口20を自動的に開閉する蓋21が設けられる。この蓋21は、過剰水排出口20を常時は閉じ、且つ、連結ボックス17内の水圧によって過剰水排出口20を自動的に開放する。
蓋21は、常時は蓋受け22によって支持される。この蓋受け22は、網状等の通水可能なものであり、連結ボックス17の内周面と上側樋13の外周面との間に配設されて、連結ボックス17の内部の上部に位置する。蓋21の中央部には、上側樋13を受け入れる孔23が形成される。この孔23で案内されて蓋21が上側樋13に沿って上下動し、連結ボックス17内の水圧に応じて過剰水排出口20が自動的に開閉される。
また、蓋受け22は、連結ボックス17と縦樋10の固定の役割も果たす。
蓋21を設けることで、過剰水の排出が必要なとき以外は常時、過剰水排出口20が閉じられるので、過剰水排出口20から異物が入り込んでしまうことが防止できる。蓋21を設けることは、過剰水排出口20を上向きにした場合に特に有効となる。但し、蓋21の配設は任意である。
なお、蓋21は、自重のみによって過剰水排出口20を閉じるものであってもよいし、自重プラスばね力で過剰水排出口20を閉じるものであってもよい。
上側樋13と下側樋14の間の隙間の上下寸法は任意であるが、図6に示すように、連結ボックス17の上端付近まで拡張することができる。このようにすれば、貯留タンク19になる空間が図5のものより少しだけ拡張される。
図5の例では、下側樋14内に、汚水桝2への雨水の流入量を制限する流量絞り24が設けられる。流量絞り24は、雨水の流路(開口24a)と流量絞り面24bとを備え、流量絞り面24bが下側樋14の流路(開口24a)の面積を狭めることで、雨水管から下流側への雨水管内における雨水の流量を制限する。流量絞り24によって汚水桝2への流入を制限された雨水は、貯留タンク19内に溜められる。貯留タンク19が満杯になるほど雨量が多い場合には、貯留タンクの容量を超える過剰な雨水が蓋受け22上の蓋21を押し上げ、過剰水排出口20から外部へ流出する。流量絞り24を設けることで、汚水桝2への、ひいては下水道への、雨水の流入量が予め制限されるので、集中豪雨時における下水道の機能不全や、汚水桝2から汚水源6への汚水の逆流が防止できる。短時間にまとまって降る強い雨を何回も繰り返す集中豪雨の際に、一回の豪雨が収まった後、次の豪雨が来るまでの間に15分から60分程度で前記貯留タンクが実質的に空になるように、貯留タンク19に貯留された雨水が自然に流量絞り24を通って下流側へと流れ出る。
以上が特願2016−152768の実施の一形態に係る雨水制御装置に関する説明である。 以下、添付図面(図1、図2、図3)を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
これまでの実施形態は、「貯留タンク内の雨水を自然に排出する常時開放の全量排出口」であるが、「貯留タンク内の雨水を降雨時には排水弁を閉じて溜め、降雨が収まると該排水弁を開いて排出する全量排出口」にするようにしても良い。
開閉のタイミングを遅らせることもでき、下水管がより確実に満杯にならないように制御できる。例えば降雨量の増加を検出して全量排出口(の排水弁)を閉め、降雨量の減少を検出して全量排出口(の排水弁)を開く。開くタイミングを遅らせる。その遅延時間と全量排出時間の総和が一回の豪雨が収まった後、次の豪雨が来るまでの時間になるように設定する。具体的には、タイマー付き雨水量検出装置を図1に示す。雨水量を計測する雨水缶(雨水槽)80とそれを吊り下げる吊るし糸78と吊るし糸の中間に秤79を備えたタイマー付き雨水量検出装置である。秤79の拡大図も示しています。中央のばねが雨量の重さを検出して所定の重さになるとスイッチの+接点とー接点が接触して電流が流れon信号となる。該電流が全量排出口の排水弁85を閉じる。雨水缶80の下端からリミットライン83までの雨水量の重さで、全量排出口(の排水弁)の開閉を制御する。全量排出口の排水弁85が開いた状態において雨が降ると、雨水缶80の雨水量の重さが増加し、秤79からのon信号で全量排出口の排水弁85を閉じる。雨水缶80に雨水が溜まり雨水が溢れるままで、降雨が収まるまで待つ。
雨が止むと雨水排出管84を通して雨水缶80からの自然排水が始まり、雨水がリミットライン83を下回ったら秤79からのoff信号(電流が流れない)により全量排出口の排水弁85を開く。従って、雨水がリミットライン83を下回るまでのタイマーの遅延時間と貯留タンク19が全量排出されるまでの時間の総和が、一回の豪雨が収まった後、次の豪雨が来るまでの時間(25分から60分程度)になるように、設定するものとする。こうすることで、確実に下水管(雨水管46A)が満杯にならないように制御できる。降雨が収まってから雨水がリミットライン83を下回るまでのタイマーの遅延時間は、10分から20分、好ましくは15分程度とする。一回の豪雨が収まった後、その際に流れる雨水量が半分になるまでの時間は20分程度と言われている。10分から20分程度遅延させて排水弁85を開けば、確実に雨水管46Aが満杯にならないように制御できる。タイマーの遅延時間は、雨水缶80の容量と雨水排出管84の開口の大きさとにより設定することができる。
特願2016−152768の実施の一形態に係る雨水制御装置においては、一回の豪雨が収まった後、次の豪雨が来るまでの間は15分から60分程度であるから、これに遅延時間の最短時間10分を考慮して、25分から60分程度になるように設定することになる。
この実施例は、図7、図10のように流量絞りと全量排出口が2つ別々に設けられた貯留タンクの場合に適する。降雨時には流量絞りで流出抑制して、タイマー付きの全量排出口が非降雨時の流出抑制に効果があるからである。
タイマー付き雨水量検出装置と雨水制御装置の動作関係を下記に記載する。
雨水管から下流側への雨水管内における雨水の流量を制限する流量絞り24と、該流量絞りで流量を制限された雨水を受け入れる貯留タンク19と該貯留タンクの排水弁85と、を備え、該貯留タンク19の容量を超える過剰な雨水を外部へ流出する過剰水排出口(20b)が前記貯留タンク19に連通して形成されるとともに、降雨時には前記排水弁85を閉じて該貯留タンク内に雨水を溜め、降雨が収まると該排水弁85を開いて排出する全量排出口(戻り管)が前記貯留タンク19に連通して形成されている構成であって、短時間にまとまって降る強い雨を何回も繰り返す集中豪雨の際に、一回の豪雨が収まった後、次の豪雨が来るまでの間に25分から60分程度で前記貯留タンク19が実質的に空になるように、貯留タンク19に貯留された雨水が全量排出口(戻り管50)を通って自然に流れ出て雨水管に戻る。
図1は住宅の雨水管や貯留タンクを念頭に描いているが、側溝の貯留タンクの場合にも適用が可能である。タイマー付き雨水量検出装置は、側溝と地下の雨水管46Aのラインに沿って数か所設置する。上流側と下流側とに分けて個別に動作させることが大切である。集中豪雨も線状降水帯の豪雨も局所的に発生するからである。一個のタイマー付き雨水量検出装置で複数の側溝の貯留タンクの全量排出口の排水弁を同時に開閉制御する。これは線状降水帯の豪雨に対する一つの解決策となるであろう。
更に、特願2016−152768の実施の一形態に係る雨水制御装置においては、短時間にまとまって降る強い雨を何回も繰り返す集中豪雨に対応する事が目的である。しかし平成27年9月の関東・東北豪雨は、線状降水帯の豪雨(台風の影響)であり、降雨強度が60mm/hの大雨で2〜3時間継続し、豪雨は1回限りである(図31)。平成28年6月熊本県の線状降水帯の豪雨は150mm/hの大雨である。平成24年7月の九州北部豪雨の線状降水帯の例を図32、図33に示す。図32こちらは豪雨が3回繰り返し継続しており、80mm/hの大雨が一回、50mm/hの大雨が2回ほど降っている。予想外の降雨強度であり、新たな解決策が望まれている。
図2の例は、図27を書き換えたものである。側溝の貯留タンクの雨水制御装置を採用しても、大雨のため地下の雨水管46Aが満杯状態になる危険がある場合、雨水管46Aの中を流れる雨水量が、流れ得る最大雨水量の50%を超えたら、その超えた過剰雨水を過剰水排出口20dからタイマー付き雨水量検出装置の雨水槽80に取水し、図1と同じように取水量がリミットライン83を上回ったらon信号でポンプを稼働させて、地下の放水管4cを通して雨水管46Aの雨水を近くの河川などに放水する。放水能力(リットル/分)は現場に応じて設定していただきたい。一回の豪雨が収まった後、雨水量が50%を下回ると雨水排出管84を通して雨水量検出装置の雨水槽80からの自然排水が始まり、雨水がリミットライン83を下回ったらoff信号(電流が流れない)によりポンプを停止する。
従って雨水がリミットライン83を下回るまでのタイマーの遅延時間によりポンプの稼働を維持しているので、次の豪雨が直ぐに来ても確実に雨水管46Aが満杯にならないように制御できる。雨水がリミットライン83を下回るまでの遅延時間は10分から20分程度、好ましくは15分程度とする。タイマーの遅延時間は、雨水槽80の容量と雨水排出管84の開口の大きさとにより設定することができる。
尚、雨水量検出の基準値である、流れ得る最大雨水量の50%を、50%以上、70%程度まで変更して現場において最適な検出の基準を設定していただきたい。
この過剰水排出口20d、タイマー付き雨水量検出装置、on/off信号線、ポンプ、地下の放水管4cのセット一式を適切な監視ポイントに設置する。
セット一式を設置する位置は、後述する図3のように雨水管路に沿って数か所設置する。上流側と下流側とに分けて個別に動作させることが大切である。集中豪雨も線状降水帯の豪雨も局所的に発生するからである。地下の放水管4cを通して雨水管46Aの雨水を近くの河川などに放水する代わりに、地上の放水管を通して放水しても良い。既設の雨水管46Aの場合は当然、地上の放水管にすべきであろう。ポンプも地上に設置すれば設置コストも安くなる。
雨水量検出の検出方法は図1のような重さ検出方式でも良いし、図2のようなフロート(浮き)方式でも良い。
フロート(浮き)方式の例として、特開2007−146638の図1、図2及び下記の記載を紹介する。「(6)及び(7)ページから抜粋」。
貯留槽2は、雨水を貯留し得るように貯留空間が形成されており、地下に埋設されている。また、貯留槽2の内部には、貯留水量を検知する水位計21が設けられている。
雨水導入部3は、貯留槽2の上部に設けられており、下水管やマンホールなどから流入してくる雨水を貯留槽2に導くように構成されている。また、雨水導入部3への流入水量を検知する流量計31が設けられている。
排出部4は、貯留槽2の下部に設けられており、貯留水量制御手段5により出力される開閉信号に応じて開閉される電気駆動式バルブ6が取り付けられている。
貯留水量制御手段5は、インターネットを介して気象データを収集するとともに、収集した気象データならびに水位計21により計測した貯留水量および流量計31により計測した流入水量を分析し、この分析結果に基づいて電気駆動式バルブ6の開閉信号を出力するように構成されている。
約200mの家屋屋上72に降った雨水を、積水化学製プラスチック排水パイプ「VU−50A」及びマンホールからなる雨水導入部74から雨水貯留設備71(積水化学社 製プラスチック地下貯留槽「レインステーション」 、貯留水量:50トン、水深:2m、占有面積:25m2)に導入した。雨水貯留設備71にはサンテスト社製浮き球位置検出方式の水位計73および排水用電気駆動式バルブ75(積水化学社製プラスチック電磁バルブ「電磁ボールバルブ−50A」)を設置した。
近くに大きな河川が無い場合は、その支流を用いるか、又はこの目的のための防災用雨水調整池や、大きな観客席がある野球場を雨水調整池として利用する案もあります。グランドの周囲をしっかり戸締りすれば大きな雨水調整池として利用できる。雨水が漏れ出してもかまわない。一時的に30分から90分程度保水できれば良い。漏れ出した雨水は野球場の周りの側溝を通じて下水道整備にゆっくりと排水する。
図3の例は、
特開2008−101382の図3に本発明(図2)を適用した場合を示す。特開2008−101382の図3は従来例であり、図1が発明を示すと説明されている。図1では貯水トンネル2(断面寸法が横幅10m×縦幅14m、長さ(距離)350m)を設けることで流水管路1が従来の管路5(管径2.2m)より細く管路の管径の略半分にできると主張している。しかしながら本件特許の図2の発明においては、貯水トンネル2(断面寸法が横幅10m×縦幅14m、長さ(距離)350m)のような巨大な貯水トンネルは必要が無く、従来の雨水管路5(管径2.2m)が途中で線状降水帯の豪雨のために満杯状態になることを回避するものである。ましてや流水管路1が従来の管路5(管径2.2m)より細く管路の管径の略半分になったら、至る所で満杯状態になり道路のマンホールから雨水が街中に溢れ出すであろう。図1の発明は近年の予想外の降雨強度(100mmから150mm/h)の状況を予想していないため、このような発想になったと推察される。
調査によると、大雨対策に必要な地下の貯留管66(図13参照)を都市の一部に建設するだけでも、数十億円から百億円を超える費用がかかる。例えば、次の通りである。
調査結果A:直径4.25m、長さ1.9km、24,000mの貯留管の埋設コスト:69億円
調査結果B:直径5.50m、長さ6.5km、86,000mの貯留管の埋設コスト:199億円
これに対し、本発明の請求項1の雨水制御装置を採用すれば、試算では、十分の一程度で同じ効果を奏すると見込まれる。
住宅敷地がある個人住宅で、一世帯に4個の雨水制御装置を適用し800リットル(ドラム缶で4個分)の過剰の雨水を保水できると仮定して、単価約5000円の雨水制御装置を3万世帯〜10万世帯で採用すれば、5000円×4個×3〜10万世帯、すなわち、6〜20億円で大きな貯留管と同じ効果を達成できる。
実際に対策しなければならないのは、短時間(例えば10分)に急激に降る集中豪雨である。ここで、集中豪雨とは、短時間にまとまって降る強い雨を何回も繰り返すことをいう。又は、集中豪雨とは、局地的で短時間(例えば10分)の強い雨、つまり限られた地域に対して短時間の多量の雨が何回も継続して降ることをいう。集中豪雨時には、下水道の排水機能が限界を超える場合がある。本発明の雨水制御装置は、このような短時間に急激に降る集中豪雨の際に、雨樋の過剰の雨水を過剰水排出口から排出でき、及び/又は貯留タンクに貯留できる。
ちなみに、気象庁の平成21年の報告によれば、次の通りである。
<防災気象情報の活用の手引き>
引用:局地的大雨と集中豪雨の雨の降り方の特徴
短時間にまとまって降る強い雨は、局地的大雨でも集中豪雨でも発生します。局地的大雨ではそれが一過性であり、集中豪雨はそれを繰り返すという違いがあります。結果的に集中豪雨は、局地的大雨に比べ、大雨の継続時間が長く総雨量は多くなります。集中豪雨(2008年7月28日金沢市医王山)の例では、10分間あたり10mm以上の雨(そのまま 1 時間降り続くと60mm以上となる非常に激しい雨)が、強弱を繰り返しながら 3〜4時間降り続き、総雨量は 142mmとなりました。局地的大雨(2008年7月28日三田市)の例では、10分間あたり10mm前後の雨が、1時間にまとまって降り、総雨量は 63mmになりました。
これを参考に計算すると、自宅が60坪なら、60×3.3平方メートル=198平方メートル=1980000平方センチメートルの面積に、10分間で1cm(10mm)×1980000平方センチメートル=1980000立方センチメートルの雨が降ることになる。1リットルは1000立方センチメートルなので、60坪に10分で1980リットル(約2000リットル)の降雨量となる。
約2000リットルの雨が自宅60坪に降るとすると、敷地の半分が家屋の屋根とすれば、半分の1000リットル、すなわち、5本のドラム缶相当の雨水が屋根に降り注ぐこととなる。この一回の豪雨の雨水の40%(2本のドラム缶相当)を縦樋の外に排出して、敷地に散布又は/及び貯留タンクに保水すれば、下水道に流れる雨水を大きく減らすことができる。
住宅敷地がある個人住宅で、一世帯に4個の雨水制御装置を適用し、800リットル(ドラム缶(200リットル)で4個分)の過剰の雨水を保水できると仮定して計算したが、実際にはその半分で済むと見込まれる。10分間あたり10mm前後の雨がさらに10分継続してもほぼ耐えられる。
現実には、住宅の敷地は既にある程度、浸透水で満たされているので、敷地に流すよりも、貯留タンクに保水することが好ましい。簡易的手段としては、例えば古いドラム缶を縦樋の近くに設置して、ドラム缶に貯留し、雨が止んでから敷地に散布し捨てるか、ドラム缶の下部の周囲の壁に所定の大きさの放出穴88(図13参照)を開け、溜めた雨水を15分から60分程度で放出すれば、次に来る豪雨に再び対応することができる。これは、従来の地下の貯留管の機能と類似した機能である。放出穴88から放出された雨水は、敷地の地下に浸透するか、道路の側溝に流れ込み、下水道や近くの河川に流れ出る。
戸建て住宅一軒で4個もの貯留タンク(例えばドラム缶)を外に出して置くのは美観が損なわれるという場合は、図5〜図9に示したタイプの貯留タンク19を採用すればよい。
図5〜図9に示したタイプの貯留タンク19(連結ボックス17)として、例えば直径30cmの円筒を使用する場合、その円筒の断面積は約3.14×15×15=706cmであるから、ドラム缶一缶分の200リットルの容量とするには、約280cmの高さが必要となる。
住宅の四隅の縦樋のそれぞれに前記サイズの連結ボックス19を取り付けても、それほど美観を損なうことは無いと推察される。連結ボックスが太過ぎてやはり美観が気になる方は、直径20cmの円筒にすれば、88リットルの容量を貯留できる。十分とは言えないが、大雨対策にはなると考えられる。
高層住宅の各階のベランダに円筒の貯留タンク19を設置する場合には、1世帯で一つの貯留タンクとして、20階の高層住宅で各階に20世帯があるとすると、1世帯が200リットルを貯留すれば、400世帯で80000リットルとなり、400本のドラム缶の容量に相当する。
24,000mの貯留管の埋設コストが69億円というデータと比較すると、1世帯がドラム缶で4個分の過剰の雨水を保水できると仮定して、3万世帯が協力して採用する必要がある。12万個のドラム缶相当の量である。24,000mの貯留管と同じ機能を上記の高層住宅が担うとすると、300棟の協力が必要となる。都市では、敷地がある個人住宅の数は限られており、高層住宅の協力は必須と思われる。住み良い街作りのために、地域住民を含め、自治体も一緒になって取り組むことが望まれる。
以上は住宅の貯留タンクの雨水制御装置に本発明の請求項1を実施する場合であるが、集中豪雨が降雨強度80mm/h以上の大雨となる場合に備えて、側溝の貯留タンクを採用して本発明の請求項1を実施すれば下水道への雨水流出の抑制効果が高まる。更に、線状降水帯の豪雨が来る場合に備えて、本発明の請求項5の雨水制御方法を実施すれば、地下の雨水管46Aが満杯状態なることを防止できる。
平成24年7月の九州北部豪雨の線状降水帯の例を図32、図33に示す。図32こちらは豪雨が3回繰り返し継続しており、降雨強度80mm/hの大雨が一回、50mm/hの大雨が2回ほど降っている。
図33の降雨強度80mm/h以上の大雨が一回であるが、降雨強度80mm/h以上の大雨が4時間も継続している。この場合は、本発明の前に出願した特願2016−152768において完全に解決できなかった課題であり、本発明の請求項5の雨水制御方法で解決することができる。
1 住宅
2 汚水桝
2a 雨水桝
4 雨水管 ・・・{地上管7(軒樋9+縦樋10)+埋設管8}
6 汚水源(トイレ等)
20 過剰水排出口
21 蓋
17 連結ボックス
18 内向きフランジ
19 貯留タンク
24 流量絞り
26 調整レバー(操作部材)
40 開口部
43、24b 流量絞り面
44 雨水通過孔
50 戻し管
55 下水道
66 貯留管
99 戻し穴
100 タイマー付き雨水量検出装置
20d 過剰水排出口
80 雨水缶(槽)
81 on/off信号線
84 雨水排出管
86 ポンプ
4c 地下の放水管

Claims (8)

  1. 雨水管から下流側への雨水管内における雨水の流量を制限する流量絞りと、該流量絞りで流量を制限された雨水を受け入れる貯留タンクと該貯留タンクの排水弁と、を備え、該貯留タンクの容量を超える過剰な雨水を外部へ流出する過剰水排出口が前記貯留タンクに連通して形成されるとともに、降雨時には前記排水弁を閉じて該貯留タンク内に雨水を溜め、降雨が収まると該排水弁を開いて排出する全量排出口が前記貯留タンクに連通して形成されている構成であって、短時間にまとまって降る強い雨を何回も繰り返す集中豪雨の際に、一回の豪雨が収まった後、次の豪雨が来るまでの間に25分から60分程度で前記貯留タンクが実質的に空になるように前記全量排出口からの全量排出を行う、雨水制御装置。
  2. 請求項1に記載の雨水制御装置において、降雨が収まってから前記排水弁を開くまでの遅延時間と全量排出時間の総和が25分から60分程度になるように設定する、雨水制御装置。
  3. 請求項2に記載の雨水制御装置において、前記遅延時間は10分から20分程度、好ましくは15分程度とする、雨水制御装置。
  4. 請求項3に記載の雨水制御装置において、前記遅延時間は、雨水缶の容量と雨水排出管の開口の大きさとにより設定する、雨水制御装置。
  5. 地下の雨水管の中を流れる雨水量が、流れ得る最大雨水量の50%以上になることを検出したら、ポンプを稼働させて、地下又は地上の放水管を通して前記雨水管の雨水を近くの河川などに放水することを特徴とする雨水制御方法。
  6. 請求項5に記載の雨水制御方法において、雨水量検出の基準値を下回ってから所定の遅延時間の後に、ポンプを停止することを特徴とする雨水制御方法。
  7. 請求項6に記載の雨水制御方法において、前記遅延時間は10分から20分程度、好ましくは15分程度とすることを特徴とする雨水制御方法。
  8. 請求項7に記載の雨水制御方法において、前記遅延時間は、雨水槽の容量と雨水排出管の開口の大きさとにより設定することを特徴とする雨水制御方法。
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