JP2017014088A - コンクリート又はモルタルの内部養生方法 - Google Patents

コンクリート又はモルタルの内部養生方法 Download PDF

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【課題】保水性をより高めた状態で養生することで、コンクリートやモルタルの品質を向上する。
【解決手段】本コンクリート又はモルタルの内部養生方法は、コンクリートやモルタル14の材料を練混ぜる際に、含水又は飽水状態の生分解性吸水高分子ゲル10を材料中に添加する。そして、練混ぜたコンクリート又はモルタル14を打設し、養生する。すると、コンクリートやモルタル14の内部に適度に分散して残留している生分解性吸水高分子ゲル10は、保持していた水分12を緩やかに供給する。従って、コンクリートやモルタル14の保水性を向上することができ、自己収縮や乾燥収縮に起因したひび割れの発生を抑制することができ、コンクリートやモルタル14の品質を向上することが可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、コンクリート全般又はモルタル全般に適用される、コンクリート又はモルタルの内部養生方法に関するものである。
従来から、コンクリートやモルタルを打設した後に、ひび割れ対策や必要強度の確保等のために、様々な方法でコンクリート等の養生が行われている。その中でも、コンクリートやモルタルを湿潤状態に保つための方法として、例えば、コンクリート等の表面に散水を行う方法や、コンクリート等の表面に湿潤マットを敷設する方法が採られている。又、本発明者らは、以前に、コンクリートの表面に生分解性高分子吸水ゲル層を形成する方法を出願している(特許文献1参照)。
特開2012−176870号公報
一方、コンクリートやモルタルの高耐久化や高品質化に伴い、コンクリートやモルタル中のセメント量を増加した場合、水和に起因する自己収縮が大きくなり、ひび割れの発生を助長する虞がある。コンクリートやモルタルの自己収縮を抑制する手法として、低活性型セメントを使用する方法や、混和材を併用して単位セメント量を少なくする方法等が一般的であるが、設計条件や施工する地域によっては、材料の変更や調達が困難となる場合がある。また、自己収縮が過大とならない比較的水セメント比が高い配合においても、コンクリートやモルタルの品質は、乾燥の影響により低下してしまう。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、保水性をより高めた状態で養生することで、コンクリートやモルタルの品質を向上することにある。
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
(1)コンクリート又はモルタルに生分解性吸水高分子ゲルを添加し、該生分解性吸水高分子ゲルを添加した状態のコンクリート又はモルタルを打設して、前記生分解性吸水高分子ゲルからコンクリート又はモルタルの内部へ水分を供給しながら、コンクリート又はモルタルの養生を行うコンクリート又はモルタルの内部養生方法(請求項1)。
本項に記載のコンクリート又はモルタルの内部養生方法は、まず、コンクリートやモルタルに、含水又は飽水状態の生分解性吸水高分子ゲルを材料中に添加することで、コンクリート又はモルタルの全体に行き渡るように、生分解性吸水高分子ゲルを分散させる。そして、生分解性吸水高分子ゲルが分散された状態のコンクリート又はモルタルを打設し、養生する。すると、生分解性吸水高分子ゲルから、コンクリート又はモルタルの内部に、生分解性吸水高分子ゲルにより保持されていた水分が徐々に供給される。従って、コンクリートやモルタルの保水性が向上することとなり、自己収縮や、乾燥収縮に起因したひび割れの発生が抑制され、コンクリートやモルタルの品質が向上される。又、コンクリートやモルタルに添加する生分解性吸水高分子ゲルは、バクテリア等の微生物により自然に分解されるものであるため、陸上及び海洋環境へ与える環境負荷を低減するものである。
(2)上記(1)項において、コンクリート又はモルタルの養生期間中の、自己収縮が卓越する期間における、前記生分解性吸水高分子ゲルから水分を供給するコンクリート又はモルタルの内部養生方法(請求項2)。
本項に記載のコンクリート又はモルタルの内部養生方法は、コンクリート又はモルタル中に分散している生分解性吸水高分子ゲルから、養生期間中の自己収縮が卓越する期間において、水分が供給されるものである。ここで、コンクリート又はモルタルの、水セメント比が比較的低い配合では、型枠等が存置している間に自己収縮が発生し易い傾向にある。しかしながら、本項に記載のコンクリート又はモルタルの内部養生方法は、自己収縮が発生する期間中に、生分解性吸水高分子ゲルにより保水及び給水することで、セメントの水和に伴う自己乾燥が抑制される。このため、コンクリートやモルタルの自己収縮を低減するものとなる。一方、コンクリート又はモルタルの、水セメント比が比較的高い配合では、型枠等を外した後に乾燥収縮が卓越し易い傾向にある。しかしながら、本項に記載のコンクリート又はモルタルの内部養生方法は、比較的早期に乾燥収縮の影響を受ける場合においては、生分解性吸水高分子ゲルにより保水及び給水することで、セメント硬化体の保水性が向上される。このため、コンクリートやモルタルの乾燥収縮を低減するものとなる。
(3)上記(1)(2)項において、前記生分解性吸水高分子ゲルとして、水と混合したカルボキシルメチルセルロースに対し、電子線又はγ線を照射して保水性及び形状保持性を調整したものを用いるコンクリート又はモルタルの内部養生方法(請求項3)。
本項に記載のコンクリート又はモルタルの内部養生方法は、水と混合したカルボキシルメチルセルロースに対して、電子線又はγ線を照射することで、保水性及び形状保持性を調整して作製した、生分解性吸水高分子ゲルを用いるものである。この際、電子線又はγ線の照射量は、例えば、作製される生分解性吸水高分子ゲルが、適切な保水性と、コンクリートやモルタルの材料と共に練混ぜられても粒状を維持するような適切な形状保持性とを有するように、調整される。このように作製された生分解性吸水高分子ゲルは、コンクリートやモルタルの材料と共に練混ぜられても、含水又は飽水状態で形状を保持したまま、コンクリートやモルタルの内部に適度に分散して残留する。このため、コンクリートやモルタルの内部に緩やかに水分を供給し、より保水性を高めるものとなる。
(4)上記(1)から(3)項において、前記生分解性吸水高分子ゲルを、コンクリート又はモルタルの材料中のセメントの質量に対して、飽水状態で0.1〜2.0%の質量を添加するコンクリート又はモルタルの内部養生方法(請求項4)。
本項に記載のコンクリート又はモルタルの内部養生方法は、コンクリート又はモルタルの材料中に添加する生分解性吸水高分子ゲルの量を、セメントに対する飽水状態の質量比で0.1〜2.0%とするものである。このように、生分解性吸水高分子ゲルの添加量を少量としながらも、コンクリートやモルタル中に生分解性吸水高分子ゲルから適度に水分を供給し、コストの低減と保水性の向上との両立を図るものである。
本発明は上記のような構成であるため、保水性をより高めた状態で養生することで、コンクリートやモルタルの品質を向上することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るコンクリート又はモルタルの内部養生方法の手順の一例を示すフロー図である。 生分解性吸水高分子ゲルからコンクリート又はモルタルの内部に水分を供給する様子を示すイメージ図である。 本発明の実施の形態に係るコンクリート又はモルタルの内部養生方法で用いる生分解性吸水高分子ゲルと水との、質量損失率を経時的に示すグラフである。 生分解性吸水高分子ゲルを添加したモルタルと生分解性吸水高分子ゲルを添加していないモルタルとの、材齢の増加に伴う質量損失率の変化を示すグラフである。 生分解性吸水高分子ゲルを添加したモルタルと生分解性吸水高分子ゲルを添加していないモルタルとの、型枠脱型材齢を変えたときの材齢28日の質量変化率を示すグラフである。 生分解性吸水高分子ゲルを添加したモルタルと生分解性吸水高分子ゲルを添加していないモルタルとの、型枠脱型材齢を変えたときの材齢28日の圧縮強度を示すグラフである。 生分解性吸水高分子ゲルを添加したモルタルと生分解性吸水高分子ゲルを添加していないモルタルとの、材齢の増加に伴うひずみの変化を示すグラフである。 生分解性吸水高分子ゲルを添加したコンクリートと生分解性吸水高分子ゲルを添加していないコンクリートとの、材齢の増加に伴う質量損失率の変化を示すグラフである。 生分解性吸水高分子ゲルを添加したコンクリートと生分解性吸水高分子ゲルを添加していないコンクリートとの、型枠脱型材齢を変えたときの材齢28日の圧縮強度を示すグラフである。 生分解性吸水高分子ゲルを添加したコンクリートと生分解性吸水高分子ゲルを添加していないコンクリートとの、材齢の増加に伴うひずみの変化を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面に基づき説明する。なお、図面の全体にわたって、同一部分は同一符号で示している。
図1は、本発明の実施の形態に係るコンクリート又はモルタルの内部養生方法の手順の一例を示している。まず、図1のフロー図の流れに沿って、本発明の実施の形態に係るコンクリート又はモルタルの内部養生方法の手順を説明する。
S10(生分解性吸水高分子ゲル作製):コンクリート又はモルタルの材料中に添加するための生分解性吸水高分子ゲルを作製する。本実施例の生分解性吸水高分子ゲルは、水と混合したカルボキシルメチルセルロースに対して、電子線又はγ線を照射して作製する。電子線又はγ線の照射量は、作製される生分解性吸水高分子ゲルが、適切な形状保持性と適切な保水性とを有するように調整する。例えば、含水又は飽水状態の生分解性吸水高分子ゲルが、コンクリートやモルタルの材料と共に練混ぜられても、粒状を形成して分散するような形状保持性を備えるように、電子線又はγ線を照射する。
S20(生分解性吸水高分子ゲル添加):コンクリート又はモルタルに、上記S10で作製した生分解性吸水高分子ゲルを添加する。生分解性吸水高分子ゲルの添加量は、例えば、材料中のセメントに対する質量比で、飽水状態で0.1〜2.0%程度とする。
S30(コンクリート又はモルタルの撹拌):上記S20で生分解性吸水高分子ゲルを添加した、コンクリート又はモルタルを撹拌する。この際、生分解性吸水高分子ゲルは、上記S10において形状保持性が調整されて作製されているため、材料と共に練混ぜられても、含水又は飽水状態で粒状に形状を保持したまま、コンクリート又はモルタルの材料中に適度に分散する。
S40(コンクリート又はモルタル打設):生分解性吸水高分子ゲルを添加して練混ぜたコンクリート又はモルタルを、施工対象位置に打設する。ここで、本発明の実施の形態に係るコンクリート又はモルタルの内部養生方法は、コンクリート又はモルタル構造物の全般に適用されるものであるため、コンクリートやモルタルの打設位置に、特に制限はない。
S50(コンクリート又はモルタル養生):上記S40で打設したコンクリート又はモルタルを養生する。この際、型枠内にコンクリートやモルタルを打設した場合の型枠存置期間や、養生期間等は、養生時期や打設位置等に応じて、適宜、設定するものとする。養生期間中、図2に示すように、コンクリート又はモルタル14中に分散している生分解性吸水高分子ゲル10は、上記S10において保水性が調整されて作製されているため、コンクリートやモルタル14の硬化する過程において、徐々に水分12をコンクリートやモルタル14の内部に供給する。
S60(施工完了):以上の手順により、本発明の実施の形態に係るコンクリート又はモルタルの内部養生方法が終了となる。
続いて、本発明の実施の形態に係るコンクリート又はモルタルの内部養生方法に関して、本発明者らが供試体を用いて実験した結果について、図3〜図10を参照して簡略的に説明する。なお、図3〜図7がモルタル供試体の実験結果、図8〜図10がコンクリート供試体の実験結果であり、生分解性吸水高分子ゲルを添加した供試体には、セメントとの質量比で0.75%(飽水状態)の生分解性吸水高分子ゲルを添加している。
図3は、同一の環境条件で乾燥させた、本発明の実施の形態に係るコンクリート又はモルタルの内部養生方法で用いる生分解性吸水高分子ゲルと、水との、質量損失率を経時的に示したグラフである。図3のグラフから、生分解性吸水高分子ゲルは、水との比較において、質量損失率が低く、保水性が高いことが分かる。
図4は、生分解性吸水高分子ゲルを添加したモルタルと添加していないモルタルとの、材齢の増加に伴う質量損失率の変化を示したグラフであり、(a)が水セメント比(W/C)25%のモルタル、(b)が水セメント比(W/C)40%のモルタルの結果である。図4(a)から、水セメント比が比較的低いモルタルでは、生分解性吸水高分子ゲルの添加の有無により、質量損失率に差分がほとんど表れていないことが分かる。これに対し、図4(b)に示すような、水セメント比が比較的高いモルタルでは、生分解性吸水高分子ゲルの添加によって、質量損失率が低減していることが分かる。
図5は、水セメント比(W/C)が40%で、生分解性吸水高分子ゲルを添加したモルタルと添加していないモルタルとの、型枠を脱型する材齢を変えたときの、材齢28日での質量変化率を示したグラフである。図5のグラフから、生分解性吸水高分子ゲルの添加によって、より早い型枠脱型材齢で質量変化率が低下することが分かる。
図6は、生分解性吸水高分子ゲルを添加したモルタルと添加していないモルタルとの、型枠脱型材齢を変えたときの、材齢28日での圧縮強度(σ28)を示したグラフであり、(a)が水セメント比(W/C)25%のモルタル、(b)が水セメント比(W/C)40%のモルタルの結果である。これらの図より、生分解性吸水高分子ゲルを添加したモルタルの強度発現性は、添加していないモルタルと同等であることが分かり、生分解性吸水高分子ゲルの添加に伴う強度低下は認められなかった。
図7は、生分解性吸水高分子ゲルを添加したモルタルと添加していないモルタルとの、材齢の増加に伴うひずみの変化を示したグラフであり、(a)が水セメント比(W/C)25%のモルタル、(b)が水セメント比(W/C)40%のモルタルの結果である。なお、グラフ内に「自己収縮」と記載している期間は、供試体を封緘状態とした材齢28日より前の期間であり、「乾燥収縮」と記載している期間は、供試体を封緘状態から解放し、乾燥を開始した材齢28日より後の期間である。図7(a)の結果から、特に自己収縮が大きくなる水セメント比が比較的低いモルタルでは、生分解性吸水高分子ゲルの添加により、自己収縮期間のひずみが低減していることが分かる(図中の破線で囲った部分を参照)。一方、図7(b)の結果から、特に乾燥収縮が発生し易い水セメント比が比較的高いモルタルでは、生分解性吸水高分子ゲルの添加によって、自己収縮期間のひずみにあまり変化はないが、乾燥収縮期間のひずみが低減していることが分かる(図中の破線で囲った部分を参照)。
図8は、水セメント比が25%で、生分解性吸水高分子ゲルを添加したコンクリートと添加していないコンクリートとの、材齢の増加に伴う質量損失率の変化を示したグラフである。図8から、水セメント比が比較的低いコンクリートでは、図4(a)に示した水セメント比が比較的低いモルタルと同様に、生分解性吸水高分子ゲルの添加の有無により、質量損失率に差分がほとんど表れていないことが分かる。
図9は、水セメント比が25%で、生分解性吸水高分子ゲルを添加したコンクリートと添加していないコンクリートとの、型枠脱型材齢を変えたときの材齢28日での圧縮強度を示したグラフである。図9の結果から、水セメント比が比較的低いコンクリートでは、図6(a)に示した水セメント比が比較的低いモルタルと同様に、生分解性吸水高分子ゲルの添加の有無により、材齢28日での圧縮強度にあまり差分が表れていないことが分かる。
図10は、水セメント比が25%で、生分解性吸水高分子ゲルを添加したコンクリートと添加していないコンクリートとの、材齢の増加に伴うひずみの変化を示したグラフである。図7と同様に、グラフ内の「自己収縮」は供試体を封緘状態とした材齢28日より前の期間を示し、グラフ内の「乾燥収縮」は供試体を封緘状態から解放し、乾燥を開始した材齢28日より後の期間を示している。図10の結果から、特に自己収縮が大きくなる水セメント比が比較的低いコンクリートでは、図7(a)に示した水セメント比が比較的低いモルタルと同様に、生分解性吸水高分子ゲルの添加により、自己収縮期間のひずみが低減していることが分かる(図中の破線で囲った部分を参照)。
さて、上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。すなわち、本発明の実施の形態に係るコンクリート又はモルタルの内部養生方法は、図1に示すようなフロー図の流れで実行するものである。まず、水と混合したカルボキシルメチルセルロースに対して、電子線又はγ線を照射することで、保水性及び形状保持性を調整して、生分解性吸水高分子ゲルを作製する(S10)。この際、電子線又はγ線の照射量は、作製する生分解性吸水高分子ゲルが、適切な保水性と、コンクリートやモルタルの材料と共に練混ぜられても粒状を維持するような適切な形状保持性とを有するように、調整する。このように作製した生分解性吸水高分子ゲルは、コンクリートやモルタルの材料と共に練混ぜられても、含水又は飽水状態で形状を保持したまま、コンクリートやモルタルの内部に適度に分散して残留することができる。
又、本発明の実施の形態に係るコンクリート又はモルタルの内部養生方法は、コンクリートやモルタルの材料を練混ぜる(S30)際に、含水又は飽水状態の生分解性吸水高分子ゲルを材料中に添加する(S20)ことで、コンクリート又はモルタルの全体に行き渡るように、生分解性吸水高分子ゲルを分散させる。そして、生分解性吸水高分子ゲルが分散された状態のコンクリート又はモルタルを打設し(S40)、養生する(S50)。すると、図2に示すように、コンクリートやモルタル14の内部に適度に分散して残留している生分解性吸水高分子ゲル10から、コンクリート又はモルタル14の内部に、生分解性吸水高分子ゲル10により保持されていた水分12が、緩やかに供給される。従って、コンクリートやモルタル14の保水性を向上することができ、自己収縮や乾燥収縮に起因したひび割れの発生を抑制することができ、コンクリートやモルタル14の品質を向上することが可能となる。又、コンクリートやモルタル14に添加する生分解性吸水高分子ゲル10は、バクテリア等の微生物により自然に分解されるものであるため、陸上及び海洋環境へ与える環境負荷を低減することができる。
更に、本発明の実施の形態に係るコンクリート又はモルタルの内部養生方法は、コンクリート又はモルタル14中に分散している生分解性吸水高分子ゲル10から、養生期間中の自己収縮が卓越する期間において、水分12が供給されるものである。ここで、コンクリート又はモルタル14の、水セメント比が比較的低い配合では、型枠等が存置している間に自己収縮が発生し易い傾向にある。しかしながら、本コンクリート又はモルタルの内部養生方法は、自己収縮が発生する期間中に、生分解性吸水高分子ゲル10により保水及び給水することで、セメントの水和に伴う自己乾燥を抑制することができる。このため、図7(a)及び図10から確認できるように、特に、比較的水セメント比が低い配合では、コンクリートやモルタル14の自己収縮を低減することが可能となる。更に、例えば、本内部養生方法をプレストレスコンクリートに適用した場合に、自己収縮の低減によって、プレストレスのロスの軽減が期待できる。
一方、コンクリート又はモルタル14の、水セメント比が比較的高い配合では、型枠等を外した後に乾燥収縮が卓越し易い傾向にある。しかしながら、本コンクリート又はモルタルの内部養生方法は、比較的早期に乾燥収縮の影響を受ける場合、生分解性吸水高分子ゲル10により保水及び給水することで、セメント硬化体の保水性を向上することができる。このため、図7(b)から確認できるように、特に、比較的水セメント比が高い配合では、コンクリートやモルタル14の乾燥収縮を低減することが期待できる。
又、本発明の実施の形態に係るコンクリート又はモルタルの内部養生方法は、コンクリート又はモルタルの材料中に添加する生分解性吸水高分子ゲル10の量を、セメントに対する飽水状態の質量比で0.1〜2.0%とするものである。図3〜図10に示した生分解性吸水高分子ゲル10を添加した場合の結果は、いずれも、セメントに対する飽水状態の質量比で0.75%の生分解性吸水高分子ゲル10を添加したものである。このように、生分解性吸水高分子ゲル10の添加量を少量としながらも、コンクリートやモルタル14中に生分解性吸水高分子ゲル10から適度に水分12を供給することで、保水性の向上を図ることができる。
更に、本発明の実施の形態に係るコンクリート又はモルタルの内部養生方法は、図5の結果から分かるように、特に、比較的水セメント比が高い配合では、生分解性吸水高分子ゲル10の添加によって、より早い型枠脱型材齢ほど、質量変化率が小さくなる、すなわち保水効果が大きいため、型枠存置期間の短縮を図ることも期待できる。
又、本発明の実施の形態に係るコンクリート又はモルタルの内部養生方法は、図6及び図9の結果から分かるように、生分解性吸水高分子ゲル10を添加しても、生分解性吸水高分子ゲル10を添加していない場合と同等の、十分な圧縮強度を確保することが可能である。
10:生分解性吸水高分子ゲル、12:水分、14:コンクリート又はモルタル

Claims (4)

  1. コンクリート又はモルタルに生分解性吸水高分子ゲルを添加し、該生分解性吸水高分子ゲルを添加した状態のコンクリート又はモルタルを打設して、前記生分解性吸水高分子ゲルからコンクリート又はモルタルの内部へ水分を供給しながら、コンクリート又はモルタルの養生を行うことを特徴とするコンクリート又はモルタルの内部養生方法。
  2. コンクリート又はモルタルの養生期間中の、自己収縮が卓越する期間における、前記生分解性吸水高分子ゲルから水分を供給することを特徴とする請求項1記載のコンクリート又はモルタルの内部養生方法。
  3. 前記生分解性吸水高分子ゲルとして、水と混合したカルボキシルメチルセルロースに対し、電子線又はγ線を照射して保水性及び形状保持性を調整したものを用いることを特徴とする請求項1又は2記載のコンクリート又はモルタルの内部養生方法。
  4. 前記生分解性吸水高分子ゲルを、コンクリート又はモルタルの材料中のセメントの質量に対して、飽水状態で0.1〜2.0%の質量を添加することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のコンクリート又はモルタルの内部養生方法。
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CN114213052A (zh) * 2021-12-01 2022-03-22 同济大学 一种低水胶比混凝土高保湿内养护材料及制备方法和应用

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