JP2017013501A - 押出成形用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】所望の寸法精度及び外観性状を有する押出成形品を比較的容易に形成可能な押出成形用金型であって、コスト面及び設置スペースの観点において優れた押出成形用金型を提供する。
【解決手段】押出成形用金型1は、上型3及び下型4を備えている。押出成形用金型1に形成された樹脂通路18における樹脂通路出口19側の部分には、上型3及び下型4のうちの一方の金型に対して進退可能に設けられ、樹脂通路18における樹脂通路出口19側の部分を通過する長尺状樹脂部材を、該長尺状樹脂部材の進行方向に交わる方向に向かって押圧する押圧部26が設けられている。
【選択図】図5

Description

本発明は、長尺成形品を押出成形する際に用いられる押出成形用金型に関する。
従来より、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミドなどの合成樹脂を連続して成形する方法として、例えば特許文献1〜3に書かれているようなラム押出成形がある。
上述したラム押出成形では、押出機と連結した金型内に形成された樹脂通路において、加熱領域で溶融した樹脂が冷却領域を通過する。その際、溶融樹脂は、表面固化領域(冷却領域上流側の領域であって樹脂の表面のみが固化した領域)、完全固化領域(冷却領域下流側の領域であって樹脂の内部まで固化した領域)を経て、順次固化して連続的な成形品が形成される。
特開平6−155553号公報 特開平10−193433号公報 特許第5087621号公報
ところで、上述のようにして形成される押出成形品のなかには、切削などの後加工によって所定の寸法や外観性状を整えることが困難なものもある(例えば、T字状又はU字状の断面形状を有する異形押出成形品など)。この場合、成形によって形成された寸法及び外観性状がそのまま製品の寸法及び外観性状となるため、高度な寸法精度や外観品質が必要になる。
上述のように良好な寸法精度及び外観品質を得るには、樹脂が冷却されて固化する際の収縮を小さくすることが重要であり、そうするためには、表面固化領域において内部樹脂圧が大きくなるように保圧することが必要となる。
この点につき、例えば、金型の樹脂通路を長くしたり、或いは成形条件(シリンダー温度、押出温度、金型温度、冷却水温度、冷却水水量等)を調整して樹脂通路と表面固化後の樹脂との間の摺動抵抗を大きくすることで、表面固化領域において内部樹脂を保圧することが考えらえる。しかしながら、金型の樹脂通路を長くすると金型が大きくなり、コスト面、設置スペースの観点において好ましくない。また、成形条件を調整することにより摺動抵抗を大きくしようとした場合、その制御が難しい。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、所望の寸法精度及び外観性状を有する押出成形品を比較的容易に形成可能な押出成形用金型であって、コスト面及び設置スペースの観点において優れた押出成形用金型を提供することである。
(1)上記課題を解決するため、本発明のある局面に係る押出成形用金型は、上型及び下型を備え、前記上型及び前記下型が互いに型締めされた状態で押出機によって押し出された溶融樹脂が通過する樹脂通路が形成され、当該溶融樹脂が冷却されて前記樹脂通路の下流端に形成された樹脂通路出口から外部へ流出することにより長尺状樹脂部材が形成される押出成形用金型であって、前記上型及び前記下型は、前記押出機によって押し出された前記溶融樹脂が加熱される領域である加熱領域と、前記加熱領域を通過した後の前記溶融樹脂が冷却される冷却領域と、を含み、前記樹脂通路における前記樹脂通路出口側の部分において、前記上型及び前記下型のうちの一方の金型に対して進退可能に設けられ、前記樹脂通路における前記樹脂通路出口側の部分を通過する前記長尺状樹脂部材を、該長尺状樹脂部材の進行方向に交わる方向に向かって押圧する押圧部、を更に備えている。
この構成では、押出機によって押し出された溶融樹脂が樹脂通路を通過しつつ、該樹脂通路の下流側に設けられた冷却領域によって冷却されて固化されることにより、長尺状樹脂部材が形成される。このようにして形成された長尺状樹脂部材は、樹脂通路出口から順次流出され、所望の長さに切断されることにより、押出成形品が生成される。
また、この構成では、上型及び下型のうちの一方の金型に設けられた押圧部が、樹脂通路における樹脂通路出口側の部分を通過する長尺状樹脂部材に押圧されることにより、冷却領域下流側(樹脂通路出口側)を通過する樹脂部材に対して摩擦力を付与できる。そうすると、当該樹脂部材が樹脂通路を通過する際の摩擦力が大きくなるため、冷却領域の上流側を通過する樹脂部材(表面が固化されて内部が溶融状態となっている樹脂部材)の内部樹脂圧が大きくなる。これにより、内部樹脂が冷却されて固化される際に大きく収縮してしまうことを抑制できる。
そして、この構成によれば、長尺状樹脂部材が樹脂通路と通過する際の摩擦力を大きくするために樹脂通路を長くする必要がないため、金型の大型化及び高コスト化を抑制できる。更に、この構成によれば、押圧部が設けられた方の金型に対して該押圧部を進退させることにより、長尺状樹脂部材が樹脂通路を通過する際の摩擦力を容易に調整することができる。
従って、この構成によれば、所望の寸法精度及び外観性状を有する押出成形品を比較的容易に形成可能な押出成形用金型であって、コスト面及び設置スペースの観点において優れた押出成形用金型を提供できる。
(2)好ましくは、前記一方の金型としての押圧部側金型には、貫通孔が形成され、前記押圧部は、前記貫通孔に挿入される棒状部である。
この構成では、樹脂通路の下流側を通過する長尺状樹脂部材に摩擦力を付与するための押圧部を、全体的な形状が棒状に形成された棒状部で構成することができるため、押圧部の構成を簡素化できる。
(3)更に好ましくは、前記棒状部は、先端部分が前記長尺状樹脂部材を押圧可能なように、前記貫通孔に対して進退するブレーキピンと、前記貫通孔に形成された雌ネジ部に螺合する雄ネジ部が形成され、先端部分で前記ブレーキピンを前記長尺用樹脂部材側へ押圧する押しボルトと、を有している。
この構成では、押しボルトを締め込んでブレーキピンに向かって進出させたり、押しボルトを緩めてブレーキピンから後退させたりすることで、樹脂通路を通過する長尺状樹脂部材に対するブレーキピンの押圧力を容易に調整することができる。
(4)好ましくは、前記棒状部は、前記長尺状樹脂部材の進行方向に対して垂直な方向に沿って進退可能に設けられている。
この構成では、棒状部の押圧力を長尺状樹脂部材の進行方向に対して垂直な方向に加えることができるため、棒状部の押圧力が長尺状樹脂部材の進行方向に分散することなく、該押圧力を効率的に長尺状樹脂部材に伝達することができる。
(5)好ましくは、前記押圧部における前記長尺状樹脂部材を押圧する部分は、前記長尺状樹脂部材における平坦状の部分を押圧する。
例えば一例として、押圧部が長尺状樹脂部材における角部分を押圧する場合、押圧部による押圧力が安定的に長尺状樹脂部材に伝達されない場合がある。これに対して、この構成のように、押圧部が長尺状樹脂部材における平坦状の部分を押圧する構成とすることで、長尺状樹脂部材における所望の位置を押圧部によって確実に押圧することができる。そうすると、長尺状樹脂部材に対する押圧部の押圧力を安定化でき、ひいては長尺状樹脂部材の寸法精度及び外観性状を安定化できる。
(6)好ましくは、前記押出成形用金型には、複数の前記樹脂通路が形成され、該押出成形用金型は、それぞれが複数の前記樹脂通路のそれぞれに対応して設けられる複数の前記押圧部を更に備えている。
この構成では、各押圧部の押圧量を個別に調整することにより、複数の樹脂通路のそれぞれを進行する長尺状樹脂部材に対する摩擦力を個別に調整できる。これにより、各長尺状樹脂部材の寸法精度及び外観性状を個別に調整することができる。
本発明によると、所望の寸法精度及び外観性状を有する押出成形品を比較的容易に形成可能な押出成形用金型であって、コスト面及び設置スペースの観点において優れた押出成形用金型を提供できる。
押出機と、押出成形用金型と、これらによって成形された長尺状樹脂部材とを側方から視た模式図である。 長尺状樹脂部材の断面斜視図である。 押出成形用金型を上方から視た図である。 押出成形用金型を下方から視た図である。 図3のV-V線における断面図である。 図3のVI-VI線における断面図である。 実施例に係る押出成形用金型の断面図であって、図6に対応させて示す図である。 ブレーキピンの押圧量を条件1から条件4の間で変化させた場合の、各成形品の単位時間当たりの長さを示す表である。
以下では、本発明の実施形態に係る押出成形用金型1について説明する。図1は、押出機50と、押出成形用金型1と、これらによって成形された長尺状樹脂部材55とを側方から視た模式図である。
なお、以下で説明する各図において、説明の便宜上、前と記載された矢印が指示する方向を前側、前方、又は手前側と称し、後と記載された矢印が指示する方向を後側、後方、又は奥側と称し、右と記載された矢印が指示する方向を右側と称し、左と記載された矢印が指示する方向を左側と称し、上と記載された矢印が指示する方向を上側又は上方と称し、下と記載された矢印が指示する方向を下側又は下方と称する。
押出成形用金型1では、押出機50のピストン51(ラムとも呼ばれる)によって順次、押し出されたペレット状の樹脂材料Mが、押出機50の可塑化シリンダー52及び押出成形用金型1の加熱領域HZによって加熱されて溶融されつつ、押出成形用金型1内に形成された樹脂通路18を通過する。樹脂通路18を通過する溶融樹脂は、押出成形用金型1の下流側に設けられた冷却領域CZによって冷却されて固化される。これにより、一続きの長尺状樹脂部材55が順次、形成される。この長尺状樹脂部材55は、樹脂通路18の樹脂通路出口19から順次排出された後、所望の長さに切断されることにより、押出成形品が形成される。
[長尺状樹脂部材の形状]
図2は、長尺状樹脂部材55の断面斜視図である。本実施形態に係る押出成形用金型1では、前後方向に細長い長尺状樹脂部材55が形成される。長尺状樹脂部材55は、図2に示すように、長手方向に垂直な断面が略T字状となるように形成された、いわゆる異形押出成形品である。長尺状樹脂部材55は、下面56aが平坦状に形成された前後方向に延びる第1部分56と、該第1部分56の上面56bにおける左右方向中央部を前後方向に延びる第2部分57とを有し、これらが一体に形成されている。
[押出成形用金型の構成]
図3は、押出成形用金型1を上方から視た図である。また、図4は、押出成形用金型1を下方から視た図である。また、図5は、図3のV-V線における断面図であり、図6は、図3のVI-VI線における断面図である。
図3から図6を参照して、押出成形用金型1は、上型3及び下型4を有する金型本体部2と、複数の型締めボルト27と、複数の面圧調整ボルト28と、複数の棒状部26とを有している。各棒状部26は、押しボルト29及びブレーキピン30を有している。
[上型の構成]
上型3は、図5及び図6を参照して、上外型5及び上中型6を有している。
上外型5は、上型3における上側の部分として設けられている。上外型5は、図5を参照して、前後方向に長く且つ上下方向に所定の厚みを有するブロック状に形成された上外型本体部11と、該上外型本体部11における後側の部分からさらに後側に延びる延出部12とを有し、これらが一体に形成されている。延出部12は、後側から視た形状が、上側に膨らむ半円弧状に形成されている。延出部12は、上型3及び下型4が互いに型締めされた状態において、詳しくは後述する下型4に形成された延出部32とともに、押出機連結部20を構成する。
上外型本体部11の下側には、上中型6が嵌め込まれる凹部11aが形成されている。上中型6は、この凹部11aに嵌め込まれる。すなわち、上外型5及び上中型6は、入れ子構造となっている。
上外型本体部11には、複数の型締めボルト用ネジ孔(図示省略)と、複数の面圧調整ボルト用ネジ孔(図示省略)とが形成されている。各ネジ孔は、上外型本体部11を上下方向に貫通するネジ孔によって形成されている。
型締めボルト用ネジ孔は、図3を参照して、型締めボルト27の位置に対応して35個、形成されている。すなわち、型締めボルト用ネジ孔は、上外型本体部11全体に亘って概ね均一的に(加熱領域HZ及び冷却領域CZの双方に亘って)形成されている。各型締めボルト用ネジ孔の内周面には、型締めボルト27が螺合可能な雌ネジが形成されている。
面圧調整ボルト用ネジ孔は、図3を参照して、面圧調整ボルト28に位置に対応して形成されている。すなわち、面圧調整ボルト用ネジ孔は、上外型本体部11の加熱領域HZと冷却領域CZの一部に形成されている。各面圧調整ボルト用ネジ孔の内周面には、面圧調整ボルト28が螺合可能な雌ネジが形成されている。
また、図5を参照して、上外型本体部11の冷却領域CZには、複数の(本実施形態の場合、3つの)冷却水管16が形成されている。各冷却水管16は、上外型本体部11の冷却領域CZを左右方向に貫通する貫通孔によって形成されている。冷却水管16には、冷却水が流れる。これにより、押出成形用金型1の加熱領域HZから順次、搬送される溶融樹脂を冷却して固化することができる。
また、図5を参照して、上外型本体部11の加熱領域HZには、例えば金型用のヒーターで構成された加熱機構9が設けられている。これにより、押出成形用金型1の加熱領域HZを流れる樹脂を溶融することができる。
上中型6は、図5を参照して、上外型5に形成された凹部11aに嵌め込まれる入れ子である。上中型6は、前後方向に長く且つ上下方向に所定の厚みを有するブロック状に形成された上中型本体部21によって構成されている。
上中型本体部21には、複数の型締めボルト用貫通孔(図示省略)が形成されている。型締めボルト用貫通孔は、図3における型締めボルト27の位置に対応して形成されている。各型締めボルト用貫通孔23は、上中型6が上外型5に嵌め込まれた状態において、上方から視て、各型締めボルト用ネジ孔と重なる位置に形成されている。各型締めボルト用貫通孔は、型締めボルト27が挿通可能な大きさに形成されている。
[下型の構成]
下型4は、図5及び図6を参照して、下外型7及び下中型8を有している。下型4は、詳しくは後述する押圧部としての棒状部26が設けられる押圧部側金型として設けられている。
下外型7は、下型4における下側の部分として設けられている。下外型7は、図5を参照して、前後方向に長く且つ上下方向に所定の厚みを有するブロック状に形成された下外型本体部31と、該下外型本体部31における後側の部分からさらに後側に延びる延出部32とを有し、これらが一体に形成されている。延出部32は、後側から視た形状が、下側に膨らむ半円弧状に形成されている。延出部32は、上述したように、上型3及び下型4が互いに型締めされた状態において、上外型5に形成された延出部12とともに、押出機連結部20を構成する。押出機連結部20の内側には、押出機50によって押し出された溶融樹脂が通過する押出機側樹脂通路(図示省略)が形成されている。
下外型本体部31の上側には、下中型8が嵌め込まれる凹部31aが形成されている。下中型8は、この凹部31aに嵌め込まれる。すなわち、下外型7及び下中型8は、上外型5及び上中型6と同様、入れ子構造となっている。
下外型本体部31には、図4を参照して、複数の型締めボルト用ネジ孔33と、複数の押しボルト用ネジ孔34とが形成されている。各ネジ孔33,34は、下外型本体部31を上下方向に貫通するネジ孔によって形成されている。なお、押しボルト用ネジ孔34については、図4では図示を省略し、図5及び図6では図示している。
型締めボルト用ネジ孔33は、図4に示すように、上外型本体部11全体に亘って概ね均一的に(加熱領域HZ及び冷却領域CZの双方に亘って)形成されている。型締めボルト用ネジ孔33は、上型3及び下型4が互いに型締めされた状態において、上下方向から視て、上外型本体部11に形成された型締めボルト用ネジ孔が形成された位置に対応した位置に形成されている。各型締めボルト用ネジ孔の内周面には、型締めボルト27が螺合可能な雌ネジが形成されている。
押しボルト用ネジ孔34は、図4を参照して、押しボルト29の位置に対応して形成されている貫通孔であって、その内周面には、押しボルト29が螺合可能な雌ネジが形成されている。押しボルト用ネジ孔34は、冷却領域CZにおける樹脂通路出口19付近に形成されている。押しボルト用ネジ孔34は、本実施形態の場合、図6を参照して、左右方向に間隔を開けて4つ、形成されている。
また、図5を参照して、下外型本体部31の冷却領域CZには、複数の(本実施形態の場合、3つの)冷却水管36が形成されている。各冷却水管36は、下外型本体部31の冷却領域CZを左右方向に貫通する貫通孔によって形成されている。冷却水管36には、冷却水が流れる。これにより、押出成形用金型1の加熱領域HZから順次、搬送される溶融樹脂を冷却して固化することができる。
また、図5を参照して、下外型本体部31の加熱領域HZには、上外型本体部11の場合と同様、金型用のヒーターで構成された加熱機構9が設けられている。これにより、押出成形用金型1の加熱領域HZを流れる樹脂を溶融することができる。
下中型8は、図5を参照して、下外型7に形成された凹部31aに嵌め込まれる入れ子である。下中型8は、前後方向に長く且つ上下方向に所定の厚みを有するブロック状に形成された下中型本体部41によって構成されている。
下中型本体部41には、複数の型締めボルト用貫通孔(図示省略)と、複数のブレーキピン用貫通孔44とが形成されている。各貫通孔は、下中型本体部41を上下方向に貫通している。
型締めボルト用貫通孔は、図3における型締めボルト27の位置に対応して形成されている。各型締めボルト用貫通孔は、上型3及び下型4が互いに型締めされた状態において、上下方向から視て、上外型本体部11に形成された型締めボルト用ネジ孔が形成された位置に対応した位置に形成されている。下中型本体部41に形成された型締めボルト用貫通孔は、上中型本体部21に形成された型締めボルト用貫通孔の場合と同様、型締めボルト27が挿通可能な大きさに形成されている。
ブレーキピン用貫通孔44は、図4を参照して、押しボルト29の位置に対応して形成されている。すなわち、ブレーキピン用貫通孔44は、冷却領域CZにおける樹脂通路出口19付近に形成されている。ブレーキピン用貫通孔44は、本実施形態の場合、左右方向に間隔を開けて4つ、形成されている。図6を参照して、各ブレーキピン用貫通孔44は、上下方向から視て、対応する押しボルト用ネジ孔34と重なる位置に形成されている。各ブレーキピン用貫通孔44は、ブレーキピン30が挿通可能な大きさに形成されている。
[樹脂通路の構成]
押出成形用金型1のPL面(具体的には上型3の下面及び下型4の上面)には、図5等を参照して、樹脂通路18が形成されている。樹脂通路18は、上外型5及び下外型7のそれぞれに形成された溝状の部分により構成された上流側樹脂通路18aと、上中型6に形成された溝状の部分と下中型8の上面とにより構成された下流側樹脂通路18b(図5及び図6参照)と、を有している。なお、図5は、押出成形用金型の所定位置における縦断面図であるため、上流側樹脂通路18aが押出機50側と連通していないようにも見えるが、実際には上流側樹脂通路18aは、押出機50側の樹脂通路と連通している。
上流側樹脂通路18aは、上述した押出機側樹脂通路と、押出機側樹脂通路の下流端から分岐する4つの分岐路(図示省略)とを有している。
下流側樹脂通路18bは、図6を参照して、上型3及び下型4が互いに型締めされた状態における上中型6及び下中型8の間に4つ、形成されている。各下流側樹脂通路18bの上流端は、上流側樹脂通路18aの各分岐路の下流端に連通している。これにより、押出機50から押し出された溶融樹脂が押出機側樹脂通路を流れた後、各分岐路に分岐し、当該各分岐路を流れた溶融樹脂が、各分岐路の下流端と連通する各下流側樹脂通路18bを流れることとなる。
4つの下流側樹脂通路18bは、互いに左右方向に間隔を開けて、前後方向に延びるように形成されている。各下流側樹脂通路18bは、その断面形状が、該下流側樹脂通路18bを通過しながら固化される長尺状樹脂部材55の断面が図2に示す略T字状となるような形状に形成されている。図6を参照して、押出成形用金型1の左右方向に並ぶ各下流側樹脂通路18bの下方には、各押しボルト29及び各ブレーキピン30が対応して配置されている。
[各ボルト及びブレーキピンの構成]
型締めボルト27は、押出成形用金型1の型締めを行うためのボルトである。押出成形用金型1では、下型4に上型3が重ねられ、各型締めボルト用ネジ孔及び型締めボルト用貫通孔が上下方向に重なった状態で、型締めボルト27が螺合される。これにより、押出成形用金型1の型締めが行われる。
面圧調整ボルト28は、押出成形用金型1における上中型6と下中型8との間のPL面(金型分割面)の面圧を調整するためのボルトである。具体的には、面圧調整ボルト28は、下型4に上型3が重ねられた状態で、該面圧調整ボルト28の先端部が上中型6を押圧するように、面圧調整ボルト用ネジ孔14に螺合される。このとき、面圧調整ボルト28の締め込み度合を調整することにより、上中型6と下中型8との間のPL面の面圧を調整することができる。
押しボルト29は、押しボルト用ネジ孔34に螺合している。各押しボルト29は、対応して設けられたブレーキピン30を、その先端部分によって上方へ押圧するためのものである。各押しボルト29は、図5及び図6に示すように、樹脂通路18が延びる方向(すなわち、樹脂通路18を通過する長尺状樹脂部材55の進行方向)に対して垂直な方向となるように設けられている。
ブレーキピン30は、ブレーキピン用貫通孔44に挿通し、先端部分と反対側の部分(図6における下方側の部分)が押しボルト29の先端部分によって支持されている。各ブレーキピン30は、図5及び図6に示すように、押しボルト29の場合と同様、樹脂通路18を通過する長尺状樹脂部材55の進行方向に対して垂直な方向となるように設けられている。
ブレーキピン30は、その先端部分が下流側樹脂通路18bに露出しており、該先端部分によって下流側樹脂通路18bを通過する長尺状樹脂部材55の下面56a(図2参照)を押圧することができる。具体的には、押しボルト29の締め込み量を調整することにより、ブレーキピン30の長尺状樹脂部材55に対する押圧力を調整することができる。なお、このように長尺状樹脂部材55への押圧力を調整する理由については、長尺状樹脂部材55の成形過程とともに、以下で詳しく説明する。
[長尺状樹脂部材の成形過程]
図1から図6を参照して、本実施形態に係る押出成形用金型1では、型締めボルト27による上型3及び下型4の型締め、面圧調整ボルト28による上中型6と下中型8との間の面圧調整、押しボルト29の締め込み量(すなわち、樹脂通路18を通過する長尺状樹脂部材55に対する押しボルト29の押圧力)、その他の成形条件(金型温度等)が適切に設定された後、押出機50による樹脂材料Mの押し出しが行われる。ピストン51によって押し出された樹脂材料Mは、加熱されて溶融されつつ、上流側樹脂通路18a(すなわち、押出機側樹脂通路及び分岐路)を通過し、各分岐路の下流端から各下流側樹脂通路18bへ流れ込む。
各下流側樹脂通路18bへ流れ込んだ溶融樹脂は、加熱領域HZに設けられた加熱機構9で加熱されつつ、冷却領域CZへ流れ込む。冷却領域CZにおける上流側の部分(表面固化領域)では、溶融樹脂が、冷却水管16,36を流れる冷却水によって冷却されることにより、下流側樹脂通路18bを流れる溶融樹脂の表面部分が固化される。そして、冷却領域CZにおける下流側の部分(完全固化領域)では、樹脂の内部についても固化される。これにより、樹脂の表面及び内部が固化された状態の長尺状樹脂部材55が生成される。このように生成された長尺状樹脂部材55は、樹脂通路出口19から金型外部へ順次、排出される。
[ブレーキピンの機能について]
ところで、本実施形態に係る押出成形用金型1で生成される長尺状樹脂部材55は、いわゆる異形押出成形品であり、丸棒状或いは板状の押出成形品と比べて形状が複雑であるため、押出成形後の後加工が非常に困難である。すなわち、異形押出成形品では、押出成形された寸法及び外観性状が、そのまま製品の寸法及び外観性状となる。
上述のように良好な寸法精度及び外観品質を得るには、溶融樹脂が冷却されて固化する際の収縮を小さくすることが重要であり、そうするためには、表面固化領域(樹脂通路18における冷却領域CZの上流側の部分)において内部樹脂圧が大きくなるように保圧することが必要となる。
この点につき、本実施形態に係る押出成形用金型1では、押しボルト29の締め込み量を調整することにより、下流側樹脂通路18bを通過する長尺状樹脂部材55に対するブレーキピン30の押圧力を調整することができる。例えば、図5及び図6を参照して、押しボルト29を締め込むと、下流側樹脂通路18bにおける樹脂通路出口19側の部分を通過する長尺状樹脂部材55に対するブレーキピン30の押圧力が大きくなる。そうなると、長尺状樹脂部材55が下流側樹脂通路18bにおける表面固化領域を通過する際の摩擦力が大きくなる。これにより、表面固化領域において内部樹脂圧が大きくなるように保圧することが可能となる。このように、押しボルト29の締め込み量を調整して、長尺状樹脂部材55に対するブレーキピン30の押圧力を調整することで、所望の寸法精度及び外観性状を有する長尺状樹脂部材55を生成することができる。
[実施例]
次に、本発明の実施例に係る押出成形用金型について説明する。図7は、実施例に係る押出成形用金型1aの断面図であって、図6に対応させて示す図である。
本実施例に係る押出成形用金型1aは、上述した実施形態に係る押出成形用金型1と比べて、金型本体部2aにおける上中型6aの構成が異なっている。具体的には、上記実施形態の上中型6は、該上中型6によって形成される長尺状樹脂部材55の横断面形状が略T字状となるよう、その横断面における下流側樹脂通路18b部分の形状が略T字状となっている。これに対して、本実施例の上中型6aは、その横断面における下流側樹脂通路18c部分の形状が横長の矩形状となっている。
本実施例に係る押出成形用金型1aにも、上記実施形態の場合と同様、4つの下流側樹脂通路18cが形成されている。そして、本実施例でも、上記実施形態の場合と同様、各下流側樹脂通路18cに対応して、押しボルト29及びブレーキピン30が設けられている。以下では、押しボルト29によるブレーキピン30の押圧量(すなわち、ブレーキピン30による長尺状樹脂部材55の押圧力)を個別に調整することにより、各長尺状樹脂部材の単位時間当たりの長さを同程度にできるか否かを検証した。なお、以下では、図7を参照して、4つの下流側樹脂通路18cのそれぞれを、左側から順に、通路PA、通路PB、通路PC、及び通路PDと称する。また、通路PA,PB,PC,PDを通じて生成される成形品のそれぞれを、成形品SA,SB,SC,SDと称する。
[評価方法]
可塑化シリンダーが約160度、金型の加熱領域が約140度の押出成形機にて、溶融した樹脂を4つの通路PA〜PDのそれぞれに通過させ、冷却水によって冷却して固化させた。これにより、幅が12mm、厚さが3mmの成形品SA〜SDを同時に成形した。
その際、最初は、ブレーキピン30による成形品SA〜SDの押圧は行わず、成形品SA〜SDを4つの樹脂通路出口から同時に排出開始させ、一定時間経過したところで4本の成形品の同一箇所をマーキングし、その位置から成形品の先端までの長さを測定して、単位時間当たりの成形品長さのバラつきを確認した。その結果に基づき、押しボルト29にてブレーキピン30の押圧量を個別に調整して押出速度を変化させ、各成形品SA〜SDの単位時間当たりの長さが同程度になるか否かを検証した。なお、樹脂としては、粉末状の超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)を使用した。
[評価結果]
図8は、ブレーキピン30の押圧量を条件1から条件4の間で変化させた場合の、各成形品SA〜SDの単位時間当たりの長さを示す表である。図8における条件1では、ブレーキピン30による成形品SA〜SDの押圧は行っていない。条件2では、通路PB,PCのブレーキピン30のみを押圧した。条件3では、条件2に対して、通路PB,PCのブレーキピン30の押圧量をやや低減し且つ通路PA,PDのブレーキピン30を押圧した。条件4では、条件3に対して、通路PB,PCのブレーキピン30の押圧量を更に低減し且つ通路PA,PDのブレーキピン30の押圧量を更に大きくした。
条件1では、成形品SB,SCの長さが成形品SA,SDの長さよりも長かったため、条件2では、通路PB,PCのブレーキピン30のみを押圧することにより、4つの成形品SA〜SD全ての長さが同じとなるように試みた。その結果、図8を参照して、通路PB,PCの押出速度が極端に低下してしまったため、成形品SB,SCの長さが成形品SA,SDの長さよりも極端に短くなってしまった。
条件3では、上述のように極端に短くなってしまった成形品SB,SCの長さを成形品SA,SDの長さに合わせるために、条件2に対して、通路PB,PCのブレーキピン30の押圧量をやや低減し且つ通路PA,PDのブレーキピン30を押圧した。その結果、図8に示すように、成形品SB,SCの長さが、成形品SA,SDの長さに近づいた。
条件4では、全成形品SA〜SDの長さを更に揃えるために、条件3に対して、通路PB,PCのブレーキピン30の押圧量を更に低減し且つ通路PA,PDのブレーキピン30の押圧量を更に大きくした。その結果、図8に示すように、全成形品SA〜SDの長さを概ね揃えることができた。
以上のように、本実施例に係る押出成形用金型1aの各通路PA〜PDに設けられたブレーキピン30の押圧量を個別に調整することにより、各成形品SA〜SDの単位時間当たりの長さを揃えることができることが確認できた。下流側樹脂通路の横断面形状が異なる押出成形用金型1についても、同様の効果が得られると考えられる。
なお、上述した条件4における各ブレーキピン30の押圧量を更に微調整することにより、各成形品SA〜SDの長さを更に揃えることも可能である。或いは、上述した条件2に対して、通路PB,PCのブレーキピン30の押圧量のみを調整することにより、各成形品SA〜SDの長さを更に揃えることも可能である。
[効果]
以上説明したように、上記実施形態に係る押出成形用金型1では、押出機50によって押し出された溶融樹脂が樹脂通路18を通過しつつ、該樹脂通路18の下流側に設けられた冷却領域CZによって冷却されて固化されることにより、長尺状樹脂部材55が形成される。このようにして形成された長尺状樹脂部材55は、樹脂通路出口19から順次流出され、所望の長さに切断されることにより、押出成形品が生成される。
また、押出成形用金型1では、上型3及び下型4のうちの一方の金型(本実施形態の場場合、下型4)に設けられた押圧部(本実施形態の場合、棒状部26)を、樹脂通路18における樹脂通路出口19側の部分を通過する長尺状樹脂部材55に押圧することにより、冷却領域下流側(樹脂通路出口19側)を通過する長尺状樹脂部材55に対して摩擦力を付与できる。そうすると、当該樹脂部材が樹脂通路18を通過する際の摩擦力が大きくなるため、冷却領域CZの上流側を通過する樹脂部材(表面が固化されて内部が溶融状態となっている樹脂部材)の内部樹脂圧が大きくなる。これにより、内部樹脂が冷却されて固化される際に大きく収縮してしまうことを抑制できる。
そして、押出成形用金型1によれば、長尺状樹脂部材55が樹脂通路18と通過する際の摩擦力を大きくするために樹脂通路を長くする必要がないため、金型の大型化及び高コスト化を抑制できる。更に、押出成形用金型1によれば、棒状部26が設けられた方の金型(本実施形態の場合、下型4)に対して該棒状部26を進退させることにより、長尺状樹脂部材55が樹脂通路18を通過する際の摩擦力を容易に調整することができる。
従って、押出成形用金型1では、所望の寸法精度及び外観性状を有する押出成形品を比較的容易に形成可能な押出成形用金型であって、コスト面及び設置スペースの観点において優れた押出成形用金型を提供できる。
また、押出成形用金型1では、樹脂通路18の下流側を通過する長尺状樹脂部材55に摩擦力を付与するための押圧部を、全体的な形状が棒状に形成された棒状部26で構成することができるため、押圧部の構成を簡素化できる。
また、押出成形用金型1では、押しボルト29を締め込んでブレーキピン30に向かって進出させたり、押しボルト29を緩めてブレーキピン30から後退させたりすることで、樹脂通路18を通過する長尺状樹脂部材55に対するブレーキピン30の押圧力を容易に調整することができる。
また、押出成形用金型1では、棒状部26(押しボルト29及びブレーキピン30)を、樹脂通路18を通過する長尺状樹脂部材55の進行方向に対して垂直な方向となるように設けている。こうすると、棒状部26の押圧力を長尺状樹脂部材55の進行方向に対して垂直な方向に加えることができるため、棒状部26の押圧力が長尺状樹脂部材55の進行方向に分散することなく、該押圧力を効率的に長尺状樹脂部材55に伝達することができる。
また、押出成形用金型1では、ブレーキピン30が長尺状樹脂部材55における平坦状の部分(下面56a)を押圧しているため、長尺状樹脂部材55における所望の位置を確実に押圧することができる。そうすると、長尺状樹脂部材55に対するブレーキピン30の押圧力を安定化でき、ひいては長尺状樹脂部材55の寸法精度及び外観性状を安定化できる。
また、押出成形用金型1では、各棒状部26の押圧量(すなわち、各押しボルト29の締め込み量)を個別に調整することにより、複数の下流側樹脂通路18bのそれぞれを進行する長尺状樹脂部材55に対する摩擦力を個別に調整できる。これにより、各長尺状樹脂部材55の寸法精度及び外観性状を個別に調整することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。例えば、次のような変形例を実施してもよい。
(1)上述した実施形態では、棒状部26(押しボルト29及びブレーキピン30)を下型4側へ設けたが、これに限らず、上型側へ設けてもよい。
(2)上述した実施形態では、長尺状樹脂部材55を押圧する押圧部の構成を棒状に形成したが、これに限らず、その他の形状であってもよい。
(3)上述した実施形態では、長尺状樹脂部材55を押圧する棒状部26を、押しボルト29及びブレーキピン30で構成したが、これに限らず、その他の構成であってもよい。例えば一例として、棒状部26を、押しボルト29のみで構成してもよい。この場合、押しボルト29の先端部で長尺状樹脂部材55を押圧する構成とすればよい。
(4)上述した実施形態では、棒状部26を、長尺状樹脂部材55の進出方向に対して垂直な方向に沿って進退可能に設けたが、これに限らず、長尺状樹脂部材55の進出方向に対して交わる方向であれば、棒状部26をどのような方向に沿って進退させてもよい。
(5)上述した実施形態では、ブレーキピン30によって長尺状樹脂部材55の平坦状の部分を押圧する構成としたが、これに限らず、ブレーキピン30によって長尺状樹脂部材55に摩擦力を付与できる部分であればどのような部分を押圧してもよい。具体的には、例えば一例として、ブレーキピン30によって長尺状樹脂部材55の角状の部分を押圧してもよい。
(6)上述した実施形態では、本実施形態に係る押出成形用金型1を異形押出成形品に適用する例を挙げて説明したが、これに限らず、異形押出成形品以外の押出成形品(例えば、丸棒、或いは板状の成形品)に適用することもできる。
(7)上述した実施形態では、入れ子構造を有する上型及び下型を有する押出成形用金型を例に挙げて説明したが、これに限らず、本発明は、それぞれが一体に形成された上型及び下型を有する押出成形用金型に適用することもできる。
(8)上述した実施形態では、各樹脂通路18に対応して設けられた棒状部26が互いに独立して進退する構成を例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば一例として、各樹脂通路に対応して設けられた棒状部を互いに固定又は一体化することにより、複数の棒状部を連動させて進退させてもよい。
本発明は、長尺成形品を押出成形する際に用いられる押出成形用金型に広く適用できる。
1 押出成形用金型
3 上型
4 下型
18 樹脂通路
19 樹脂通路出口
26 棒状部(押圧部)
50 押出機
55 長尺状樹脂部材
CZ 冷却領域
HZ 加熱領域

Claims (6)

  1. 上型及び下型を備え、前記上型及び前記下型が互いに型締めされた状態で押出機によって押し出された溶融樹脂が通過する樹脂通路が形成され、当該溶融樹脂が冷却されて前記樹脂通路の下流端に形成された樹脂通路出口から外部へ流出することにより長尺状樹脂部材が形成される押出成形用金型であって、
    前記上型及び前記下型は、前記押出機によって押し出された前記溶融樹脂が加熱される領域である加熱領域と、前記加熱領域を通過した後の前記溶融樹脂が冷却される冷却領域と、を含み、
    前記樹脂通路における前記樹脂通路出口側の部分において、前記上型及び前記下型のうちの一方の金型に対して進退可能に設けられ、前記樹脂通路における前記樹脂通路出口側の部分を通過する前記長尺状樹脂部材を、該長尺状樹脂部材の進行方向に交わる方向に向かって押圧する押圧部、を更に備えていることを特徴とする、押出成形用金型。
  2. 請求項1に記載の押出成形用金型において、
    前記一方の金型としての押圧部側金型には、貫通孔が形成され、
    前記押圧部は、前記貫通孔に挿入される棒状部であることを特徴とする、押出成形用金型。
  3. 請求項2に記載の押出成形用金型において、
    前記棒状部は、
    先端部分が前記長尺状樹脂部材を押圧可能なように、前記貫通孔に対して進退するブレーキピンと、
    前記貫通孔に形成された雌ネジ部に螺合する雄ネジ部が形成され、先端部分で前記ブレーキピンを前記長尺用樹脂部材側へ押圧する押しボルトと、
    を有していることを特徴とする、押出成形用金型。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の押出成形用金型において、
    前記棒状部は、前記長尺状樹脂部材の進行方向に対して垂直な方向に沿って進退可能に設けられていることを特徴とする、押出成形用金型。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の押出成形用金型において、
    前記押圧部における前記長尺状樹脂部材を押圧する部分は、前記長尺状樹脂部材における平坦状の部分を押圧することを特長とする、押出成形用金型。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の押出成形用金型において、
    複数の前記樹脂通路が形成され、
    それぞれが、複数の前記樹脂通路のそれぞれに対応して設けられる複数の前記押圧部を更に備えていることを特徴とする、押出成形用金型。
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