JP2017012214A - 白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターの製造方法、白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルター、および空気清浄機 - Google Patents

白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターの製造方法、白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルター、および空気清浄機 Download PDF

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【課題】本発明は、除塵効果に優れ、不活化効果が高い、白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターを製造する方法等を提供する。【解決手段】本発明の白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターの製造方法は、白金ナノ粒子を0.01〜25mM、およびイオン性界面活性剤を少なくとも含む白金ナノ粒子分散液を、エレクトレットフィルターに含浸した後、乾燥して白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターを製造する方法であって、該含浸を該イオン性界面活性剤のクラフト点未満の温度条件で行うか、または、該含浸を該クラフト点以上の温度条件で行う場合は、該イオン性界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度未満である白金ナノ粒子分散液を用いて前記含浸を行う方法である。【選択図】図2

Description

本発明は、高い抗ウイルス効果および抗菌効果を有する白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターを製造する方法、該方法で製造した白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルター、および該フィルターを内蔵した空気清浄機に関する。
空気中のウイルスや細菌の多くは、塵埃等の微小浮遊物を媒体として存在するため、空気清浄機やエアーコンディショナーの集塵機能は、室内環境を衛生的に保つ上で重要である。この集塵機能の優劣(高低)は、おもにフィルターの集塵性能に依存し、現在では、高性能フィルター、HEPAフィルター、およびエレクトレットフィルター等の種々のフィルターが用いられている。
これらのフィルターのうちエレクトレットフィルターは、フィルターを構成するポリオレフィン、ポリカーボネート等の疎水性繊維に、例えば、電圧の印加、繊維同士による摩擦、または液滴の衝突等によって永久分極させた(以下「エレクトレット処理」という。)帯電フィルターである。そして、該フィルターは、帯電粒子をクーロン力により捕集する作用と、非帯電粒子を誘電分極させてクーロン力により捕集する作用を有し、非帯電フィルターと比べ低い通気抵抗で同等以上の集塵性能を発揮する。しかし、捕集された塵埃中のカビや雑菌はフィルター内で繁殖し易く、繁殖したカビの胞子や雑菌の一部はフィルターをすり抜けて室内に拡散し、室内の衛生環境が損なわれ易い。
そこで、特許文献1では、特定の繊維径を有する繊維集合体に、特定の繊維径を有する微細繊維集合体を積層した複合体(担体)を、エレクトレット処理した後に、細菌等を捕集する抗体を担持した空気清浄機用フィルター等の有害物質除去材が提案されている。そして、前記担体に抗体を担持する方法は、(i)担体をγ−アミノプロピルトリエトキシシラン等でシラン化した後、グルタールアルデヒド等で担体表面にアルデヒド基を導入し、アルデヒド基と抗体とを共有結合させる方法、(ii)未処理の担体を抗体の水溶液中に浸漬してイオン結合により抗体を担体に固定化する方法、(iii)特定の官能基を有する担体にアルデヒド基を導入し、アルデヒド基と抗体とを共有結合させる方法、(vi)特定の官能基を有する担体に抗体をイオン結合させる方法、また、(v)特定の官能基を有するポリマーで担体をコーティングした後にアルデヒド基を導入し、アルデヒド基と抗体とを共有結合させる方法が挙げられている(段落0054)。
しかし、これらの方法は、前記(ii)を除き、担体を前処理するか、または、特定の官能基を有する担体に限定されるため、煩雑でありコスト高になる。また、段落0052に記載されているように、抗体はタンパク質であり細菌やカビが増殖するための餌となるため、フィルターの抗ウィルス効果または抗菌効果の持続性に課題があり、さらに担体の抗菌加工や防カビ加工が必要である。
一方、白金ナノ粒子は酸化力が強く、抗ウイルス効果や抗菌効果が永続し、かつ毒性が低いため、抗菌・抗ウイルス製品の分野において白金ナノ粒子を用いた発明が種々提案されている。
例えば、特許文献2に記載の発明は、分散媒体が水系で、保護コロイド形成剤を実質含まない金属ナノコロイド液を用いて、噴霧法により担体に白金等の金属ナノコロイド粒子を担持させる方法である。また、特許文献3に記載の発明は、平均粒径が1〜10nmの白金粒子を含むコロイド分散液からなる抗菌処理液に被処理物を浸漬または塗布した後、乾燥して白金粒子を被処理物の表面に担持させてなる抗菌製品である。さらに、特許文献4および5に記載の発明は、水溶性高分子や界面活性剤で保護した白金ナノ粒子を担持した羽毛および布帛である。
そして、これらの発明が対象とする担体は、特許文献2では多孔質化処理物(段落0026)、特許文献3の実施例(具体例)では綿(段落0013)、特許文献4および5ではそれぞれ羽毛および布帛等の親水性材料である。これらの事実が示すように、白金ナノ粒子分散液は水系であるため疎水性(撥水性)の担体に対して浸透性や濡れ性が低く、白金ナノ粒子を担体上に均一に担持させることは難しかった。
空気清浄機向けに、高い抗ウイルス作用等が持続し、低通気抵抗かつ除塵効果の高いフィルターとして、白金ナノ粒子を担持したエレクトレットフィルターが有望である。しかし、白金ナノ粒子を含む液を、疎水性のエレクトレットフィルターに塗布または散布すると、エレクトレットフィルターは液に覆われることによって分極が減少してしまい除塵性能の低下を招く。また、液の浸透性や濡れ性が劣り、フィルター上で液が弾かれて白金ナノ粒子を均等に担持できず、ウイルスや細菌の不活化効果(以下、単に「不活化効果」という。)が低いという課題があった。
特開2009−240965号公報 特開2005−169334号公報 特開2008−056592号公報 特開2009−034497号公報 特開2009−167572号公報
そこで、本発明は、除塵効果に優れ、不活化効果が高い、白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターを製造する方法等を提供することを目的とする。
本発明者らは前記目的にかなう白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターの製造方法を検討したところ、イオン性界面活性剤のミセルが形成されない条件で、白金ナノ粒子分散液をエレクトレットフィルターに含浸させると、前記目的を達成できることを見い出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の構成を有するものである。
[1]白金ナノ粒子を0.01〜25mM、およびイオン性界面活性剤を少なくとも含む白金ナノ粒子分散液を、エレクトレットフィルターに含浸した後、乾燥して白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターを製造する方法であって、
該含浸を該イオン性界面活性剤のクラフト点未満の温度条件で行うか、または、
該含浸を該クラフト点以上の温度条件で行う場合は、該イオン性界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度未満である白金ナノ粒子分散液を用いて前記含浸を行う、白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターの製造方法。
[2]前記エレクトレットフィルター1m当たり、前記白金ナノ粒子分散液を15〜300g含浸させる、前記[1]に記載の白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターの製造方法。
[3]前記[1]または[2]に記載の白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターの製造方法を用いて製造してなる、白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルター。
[4]前記[3]に記載の白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターを内蔵してなる空気清浄機。
本発明の白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターの製造方法によれば、除塵効果に優れ、不活化効果が高い、白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターを製造することができる。また、該フィルターを内蔵した本発明の空気清浄機は、衛生的な住環境を提供することができる
濃度を変えて測定した界面活性剤水溶液の電気伝導度の一例を示すグラフである。 フィルターの単位面積当たりの白金ナノ粒子分散液の含浸量と、除塵率およびウイルス数(常用対数値)との関係の一例を示すグラフである。 本発明の白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターを内蔵してなる空気清浄機の一例を示す概略図である。 除塵試験装置を示す図である。 抗ウイルス試験の概要を示す図である。
本発明は、前記のとおり、白金ナノ粒子を0.01〜25mM、およびイオン性界面活性剤を少なくとも含む白金ナノ粒子分散液を、エレクトレットフィルターに含浸した後、乾燥して白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターを製造する方法等である。
以下、本発明の製造方法の構成要素である、白金ナノ粒子分散液、エレクトレットフィルター、白金ナノ粒子分散液の含浸方法を説明する
(1)白金ナノ粒子分散液
本発明で用いる白金ナノ粒子分散液は、白金ナノ粒子を0.01〜25mM、およびイオン性界面活性剤を少なくとも含む白金ナノ粒子の分散液である。
(i)白金ナノ粒子
白金ナノ粒子分散液中の白金ナノ粒子の濃度は、前記のとおり0.01〜25mMである。該濃度が該範囲内にあれば不活化効果は十分であり、また、白金ナノ粒子分散液のコストを抑えることができる。なお、該濃度は、好ましくは0.02〜10mM、より好ましくは0.1〜5mM、さらに好ましくは0.2〜1mMである。
また、前記白金ナノ粒子の粒径は100nm以下であり、好適には10nm以下である。また、前記白金ナノ粒子の製造方法は、特に限定されず、原料となる白金イオンまたは白金錯体を、還元剤または電気化学的方法により還元してナノ粒子化する還元法等の湿式法や、白金をそのまま、または担体に担持させて加熱分解する熱分解法、プラズマガス中に蒸発させて得る蒸発法等の物理気相成長法、レーザーで急速に蒸発させるレーザー蒸発法、および気相中で化学反応を起こす化学気相成長法、白金の塊をミル等で砕き、ナノメートルの大きさまで小さくする粉砕法等の乾式法が挙げられる。
これらの方法のうち、乾式法を用いて製造した白金ナノ粒子は分散媒を加えて分散液にする。白金ナノ粒子の分散媒は、水、または水と有機溶媒の混合分散媒が挙げられる。該混合分散媒は、エレクトレットフィルターに対し白金ナノ粒子分散液の浸透性や濡れ性を向上させる。また、白金ナノ粒子分散液は市販品を用いてもよい。
(ii)イオン性界面活性剤
白金ナノ粒子分散液中のイオン性界面活性剤は、特に限定されず、陰イオン性界面活性剤、または陽イオン性活性剤である。
前記陰イオン性界面活性剤の親水基(陰イオン)は、モノサルフェート、スルホネート、カルボキシレート、モノホスフェート、およびホスフォネートから選ばれる1種以上が挙げられ、そのカウンターカチオン(対陽イオン)は、ナトリウムおよびカリウム等のアルカリ金属イオン、カルシウムおよびマグネシウム等のアルカリ土類金属イオン、アンモニウム、第1級アミン、第2級アミン、および第3級アミンのアンモニウム、並びに第4級アンモニウム等から選ばれる1種以上が挙げられる。
また、前記陽イオン性界面活性剤の親水基(陽イオン)は、第1級アミン、第2級アミン、および第3級アミンのアンモニウム、並びに第4級アンモニウムから選ばれる1種以上が挙げられ、そのカウンターアニオン(対陰イオン)は、塩素および臭素等のハロゲン、並びに硫酸イオン等から選ばれる1種以上が挙げられる。
また、前記イオン性界面活性剤の疎水基は、例えば、炭素数が6〜18のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびアリール基から選ばれる1種以上が挙げられる。
白金ナノ粒子分散液中のイオン性界面活性剤の濃度の下限値は、臨界ミセル濃度との比で示せば、好ましくは、臨界ミセル濃度の1%である。該値以上であれば、白金ナノ粒子分散液の浸透性は十分に発揮される。なお、前記イオン性界面活性剤の濃度の下限値は、より好ましくは臨界ミセル濃度の5%である。
(2)エレクトレットフィルター
前記エレクトレットフィルターは、有機繊維を含むフィルターをエレクトレット処理して得られる。
前記有機繊維の種類は、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレンおよびポリエチレン等のポリオレフィンの繊維、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート等のポリエステルの繊維、並びに、ナイロン繊維等から選ばれる1種以上が挙げられる。また、前記エレクトレット処理は、放電処理や、フィルター繊維への摩擦および液滴の衝突等が挙げられるが、これらに限定されない。
(3)白金ナノ粒子分散液の含浸方法
該含浸方法は、エレクトレットフィルターに前記白金ナノ粒子分散液を塗布、散布、または噴霧する方法が挙げられる。
白金ナノ粒子分散液の含浸量は、図2に示すように、エレクトレットフィルター1m当たり、好ましくは15〜300gである。該含浸量が該範囲内であれば、不活化効果は高い。なお、該含浸量は、より好ましくは30〜280g、さらに好ましくは80〜210gである。
白金ナノ粒子分散液を含浸した後のエレクトレットフィルターの乾燥温度は、有機繊維を含むフィルターでは該繊維の分解温度以下、好ましくは軟化温度以下である。また、白金ナノ粒子分散液を含浸してから乾燥するまでの時間は、エレクトレットフィルターの分極の減少を防止して捕集性能を維持するためには20分未満が望ましい。
前記白金ナノ粒子分散液の含浸は、該イオン性界面活性剤のクラフト点未満の温度条件で行うか、または、該含浸を該クラフト点以上の温度条件で行う場合は、該イオン性界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度(CMC:critical micelle concentrationの略)未満である白金ナノ粒子分散液を用いて行う。
白金ナノ粒子分散液の液温がクラフト点以上、かつイオン性界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度以上では、後掲の表2に示すように、集塵率が低下する。この現象は、分散液の表面張力が低下して、エレクトレットフィルターが水に覆われて、エレクトレットフィルターの分極が減少するためと考える。
臨界ミセル濃度は、溶液の温度等に影響されるため、例えば、図1に示すように、白金ナノ粒子分散液を用いる温度条件下で、界面活性剤水溶液中の界面活性剤の濃度を変えて電気伝導度を測定し、電気伝導度の屈曲点における界面活性剤の濃度を、臨界ミセル濃度と定めることができる。
3.白金ナノ粒子担持フィルターを内蔵した空気清浄機
本発明の白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターを内蔵した空気清浄機の一例を図3に示す。以下、図3を用いて、本発明の空気清浄機について説明する。
(1)空気清浄機の主な構成
本発明の空気清浄機は、主に、空気清浄機本体10、脱臭フィルター20、空気清浄機用濾材30、プレフィルター40および前面パネル50からなる。
前記空気清浄機本体10は、送風量を制御するための制御部11、制御パネル12、送風するための送風ファン14、浄化した空気を排気するための排気口13を含む。また、前記空気清浄機用濾材30には、ウイルス、細菌、および塵(以下「ウイルス等」という。)を除去するための白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルター31が装着され、プレフィルター40には空気中の粗いダストを除去するための粗取り濾布41が装着され、吸気口51を有する前面パネル50により空気清浄機本体10の前面が閉じられている。
(2)空気清浄機による空気の浄化過程
ウイルス等に汚染された空気は、送風ファン14により吸気口51を通じて空気清浄機内に流入し、粗取り濾布41により空気中の粗いダストが除かれた後、白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルター31によりウイルス等が捕集されると共に、捕集されたウイルス等をフィルターに担持した白金ナノ粒子の抗ウイルス作用等によって不活化(死滅)させることにより空気が浄化され、この浄化された空気が排気口13を通じて住環境中に供給される。
なお、図3に掲載された空気清浄機は本発明の空気清浄機の一例に過ぎず、本発明の空気清浄機はこれに限定されない。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
1.使用材料
(1)エレクトレットフィルター(品番:A40708N、スリーエムジャパン社製)
(2)界面活性剤
以下の表1に示す界面活性剤を使用した。
Figure 2017012214
(3)試薬
(i)ヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物(型番:165−02863、和光純薬工業社製)
(ii)クエン酸三ナトリウム二水和物(型番:191−01785、和光純薬工業社製)
(iii)L(+)−アスコルビン酸ナトリウム(型番:190−01255、和光純薬工業社製)
(4)ウイルス、微生物
(i)φX174ファージ Esherichia coliphage Phi-X174(NBRC103405)
これをインフルエンザ代替ウイルスとして使用した。
(ii)大腸菌 Esherichia coli(NBRC130898 BSL2)
2.白金ナノ粒子分散液の作製
精製水を用いて調製した、10mMのヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物の水溶液50mLと、10mMのクエン酸三ナトリウム二水和物の水溶液50mLを混合して、白金酸とクエン酸の混合液を得た。
次に、該混合液に、精製水を用いて調製した100mMのL(+)−アスコルビン酸ナトリウムの水溶液を2.5mL混合して1週間放置し、白金酸を還元して白金ナノ粒子を生成させた。
さらに、該混合液に表2に記載の濃度(g/L)になるように、表1に示す界面活性剤を添加して、白金ナノ粒子分散液を作製した。そして、作製した白金ナノ粒子分散液は、恒温槽に入れて表2に示す液温にした。なお、作製した白金ナノ粒子分散液中の白金の濃度は0.244mMであった。
また、表2に記載の臨界ミセル濃度(CMC:g/L)は、図1に示すように界面活性剤水溶液の界面活性剤の濃度を変えて電気伝導度を測定し、電気伝導度の屈曲点における界面活性剤の濃度で示した。
3.白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターの作製
1辺が30mmの正方形の前記フィルター上に、該フィルター1m当たり前記白金ナノ粒子分散液210gを、スプレーを用いて均一に散布した後、該フィルターを70℃の恒温槽内に載置して、フィルターの質量が、分散液を散布する前の質量±0.5mg以内になるまで乾燥して、白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターを作製した。
4.除塵試験
前記白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターを、図4に示す除塵試験装置のろ紙ケースに装着した後、粒径が0.3〜0.5μmの塵を1〜10万個含む空気を該フィルターに通し、該フィルター通過前後の気中の塵の数をパーティクルカウンターを用いて測定した。次に、得られた塵の数に基づき、下記(1)式を用いて除塵率を求めた。その結果を表2に示す。
除塵率(%)=100×(フィルター通過前の気中の塵の数−フィルター通過後の気中の塵の数)/フィルター通過前の気中の塵の数 ・・・(1)
なお、除塵試験装置は、図4に示すように、主に、パーティクルカウンター、吸引ポンプ(真空ポンプ)、およびガスメーターから構成されている。
5.ウイルスの不活化試験
白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターに、φX174ファージを10PFU/ml(常用対数値は7)含む液を滴下した後、37℃の恒温槽内に載置して、フィルターの質量が、液を滴下する前の質量±0.5mg以内になるまで乾燥した。乾燥後、該フィルターを試験管内の精製水に浸漬して3分間振盪し、ウイルス含有液を得た。次に、該含有液を大腸菌C株を含む重層寒天上に滴下して、35±1℃で16〜24時間(プラークの発生が飽和するまでの時間)培養した後、培地上に発生したプラークを計測し、該含有液1mL当たりのファージ数(ウイルス数)を求めた。図5にウイルスの不活化試験の概要を示す。また、表2に得られたファージ数(PFU/ml)の常用対数の値を示す。
また、対照例(ctrl)として白金ナノ粒子を担持していないエレクトレットフィルターにも、同様にファージを滴下して、前記と同様にしてファージ数を求めたところ、ファージ数は6であった。ここで、ファージを不活化処理したフィルター上のファージ数が、対照例(ctrl)のフィルター上のファージ数より2(常用対数値)以上減少していれば99%減少したとして、通常、ファージ(ウイルス)の不活化効果は有意と判定する。したがって、本試験において、前記有意と判定するファージ数は、対照例(ctrl)のファージ数の6から2以上減少した数(すなわち4以下)である。
Figure 2017012214
6.試験結果について
表2に示すように、実施例1〜13では、除塵率がすべて、基準値であるHEPAフィルターの除塵率99,97%を超え、また、ウイルス数(常用対数値)は基準値の4未満である。これに対し、比較例1〜10では、除塵率がすべて基準値を下回っている。
以上述べたように、本発明は、抗菌性および抗ウイルス性フィルターや空気清浄機の分野において利用可能である。
10 空気清浄機本体
11 制御部
12 操作パネル
13 排気口
14 送風ファン
20 脱臭フィルター
30 空気清浄機用濾材
31 白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルター
40 プレフィルター
41 粗取り濾布
50 前面パネル
51 吸気口

Claims (4)

  1. 白金ナノ粒子を0.01〜25mM、およびイオン性界面活性剤を少なくとも含む白金ナノ粒子分散液を、エレクトレットフィルターに含浸した後、乾燥して白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターを製造する方法であって、
    該含浸を該イオン性界面活性剤のクラフト点未満の温度条件で行うか、または、
    該含浸を該クラフト点以上の温度条件で行う場合は、該イオン性界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度未満である白金ナノ粒子分散液を用いて前記含浸を行う、白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターの製造方法。
  2. 前記エレクトレットフィルター1m当たり、前記白金ナノ粒子分散液を15〜300g含浸させる、請求項1に記載の白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターの製造方法を用いて製造してなる、白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルター。
  4. 請求項3に記載の白金ナノ粒子担持エレクトレットフィルターを内蔵してなる空気清浄機。
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