JP2017011855A - 蓄電池の制御装置及び直流送電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】直流送電システムの多様な運用が可能となる蓄電池の制御装置及び直流送電システムを提供する。
【解決手段】直流送電線1と当該直流送電線1に接続された複数の交直変換器11〜14とを備えた直流送電システムに併設された蓄電池31の制御装置41であって、蓄電池31が直流送電線1に接続され、直流送電線1の直流電圧と、予め設定された不感帯411とを比較判定する比較判定部41aと、比較判定の結果に基づき蓄電池31に対する指令を生成する制御部41bと、を備える。不感帯411は、直流電圧制御で運転される少なくとも何れかの交直変換器11の直流電圧指令値が含まれる直流電圧帯域であり、制御部41bは、比較判定部41aによる比較判定の結果が、直流電圧が不感帯411を逸脱する結果である場合に、蓄電池31を直流電圧制御する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、直流送電システムに併設された蓄電池の制御装置及び直流送電システムに関する。
直流送電システムは、交流系統間で電力を融通する場合に用いられており、例えば、交流から直流又は直流から交流への電力変換を行う2つの交直変換器と、2つの交直変換器を接続する直流送電線とを備えている。直流送電システムは、例えば2つの交流系統A,B間に接続され、一方の交流系統Aからこれに接続された交直変換器Aによって交流から直流に変換して、直流送電線を経由して直流電力が送電される。そして、他方の交直変換器Bで直流から交流に変換されて他方の交流系統Bに電力が融通される。
直流送電(HVDC)は、交流を直流にして送電するため、送電線のリアクタンスによる電圧降下はなく、長距離の送電が可能という利点がある。また、2つの交流系統が別々の周波数であっても連系させることが可能という利点がある。このようなことから、近年、再生可能エネルギーの導入量増大や系統運用多様化のため、直流送電の導入が進んでいる。その中で、例えば、蓄電池と協調して動作させる直流送電システムや、直流送電線を分岐させ、3つ以上の交流系統間で電力の融通を行う多端子直流送電システムが提案されている。
特開平09−312934号公報
直流送電と蓄電池を協調してシステムを運転させる方法としては、交流系統と交直変換器との間に蓄電池を接続して、直流送電システムの出力変動分を、蓄電池の充放電制御により補償することが行われていた。しかし、この方法では蓄電池が設置された交直変換器の出力端における出力変動を抑制することはできるが、他の交直変換器の出力端の変動を抑制することはできない。すなわち、直流送電システムの出力変動のみが蓄電池の補償対象であって直流送電システム全体で蓄電池を活用するものではなく、多様な運用に対応できなかった。
例えば、再生可能エネルギーの大量導入に伴い、直流送電を利用して電力が不足している系統に対して電力の調整力を融通し合うことが考えられるが、必要となる調整力が大きい場合、交直変換器の容量を超えてしまう虞がある。交直変換器の容量を超えれば直流送電システム自体が継続して運転できなくなる虞がある。特に、複数の交直変換器が直流送電線に接続された多端子直流送電において顕著となる。
本実施形態に係る蓄電池の制御装置は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、直流送電システムの多様な運用が可能となる蓄電池の制御装置及び直流送電システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本実施形態の蓄電池の制御装置は、直流送電線と当該直流送電線に接続された複数の交直変換器とを備えた直流送電システムに併設された蓄電池の制御装置であって、前記蓄電池が前記直流送電線に接続され、前記直流送電線の直流電圧と、予め設定された不感帯とを比較判定する比較判定部と、前記比較判定の結果に基づき前記蓄電池に対する指令を生成する制御部と、を備え、前記不感帯は、直流電圧制御で運転される少なくとも何れかの前記交直変換器の直流電圧指令値が含まれる直流電圧帯域であり、前記制御部は、前記比較判定の結果が、前記直流電圧が前記不感帯を逸脱する結果である場合に、前記蓄電池を直流電圧制御すること、を特徴とする。
また、本実施形態の直流送電システムは、直流送電線に接続され、電力を融通するための直流送電システムであって、前記直流送電線に接続された複数の交直変換器と、前記交直変換器毎に設けられ、各前記交直変換器の出力を制御する複数の変換器制御装置と、前記直流送電線に接続された蓄電池と、前記蓄電池の入出力制御を行う蓄電池制御装置と、を備え、前記蓄電池制御装置は、前記直流送電線の直流電圧と、予め設定された不感帯とを比較判定する比較判定部と、前記比較判定の結果に基づき前記蓄電池に対する指令を生成する制御部と、を備え、前記不感帯は、直流電圧制御で運転される少なくとも何れかの前記交直変換器の直流電圧指令値が含まれる直流電圧帯域であり、前記制御部は、前記比較判定の結果が、前記直流電圧が前記不感帯を逸脱する結果である場合に、前記蓄電池を直流電圧制御すること、を特徴とする。
第1の実施形態に係る直流送電システムの全体構成を示す図である。 蓄電池の制御装置の構成を示す図である。 直流電圧の不感帯を示す図である。 直流電圧の不感帯を示す図である。 直流電圧制御で運転していた交直変換器が脱落した場合に、他の交直変換器を直流電圧制御運転に切り替える動作例を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る統合制御装置の構成図である。 第2の実施形態の変形例に係る統合制御装置の構成図である。 第3の実施形態に係る直流送電システムの全体構成を示す図である。 蓄電池のSOCとSOC管理部が出力する指令との関係を示す図である。 第3の実施形態に係る作用を説明する図である。 第3の実施形態に係る作用を説明する図である。 第4の実施形態に係る蓄電池の制御装置の構成図である。 蓄電池のSOCと不感帯の上限又は下限の変更との関係を示す図である。 第4の実施形態に係る作用を説明する図である。 第4の実施形態に係る作用を説明する図である。
[1. 第1の実施形態]
[1−1.構成]
以下では、図1及び図2を参照しつつ、本実施形態の直流送電システム及びこれに併設される蓄電池の制御装置について説明する。図1は、本実施形態に係る直流送電システムの全体構成を示す図である。
図1に示すように、直流送電システムは、直流送電線1に接続された電力を融通するためのシステムであり、複数の交流系統51〜54と接続される。直流送電システムにおいては、これらの何れかの交流系統51〜54から電力が入力され、直流送電システムを経由して他の交流系統51〜54に出力される。
この直流送電システムは、直流送電線1に接続された複数の(ここでは4台)交直変換器11〜14と、交直変換器11〜14の出力を制御する制御装置21〜24と、直流送電線1に接続された蓄電池31と、蓄電池31の入出力を制御する制御装置41と、各制御装置21〜24,41にそれぞれ接続された統合制御装置201と、を備える。
なお、交直変換器11〜14は、単に「変換器」11〜14ともいう。各制御装置21〜24,41及び統合制御装置201は、例えば、CPU、メモリ等を有するコンピュータを含み構成され、プログラムをHDDやSSD等に記憶して、RAMに適宜展開し、CPUで処理することにより、後述する比較判定や制御指令生成、算出等を行う。
交流系統51〜54には、変換器11〜14がそれぞれ連系されている。変換器11〜14は、交流系統51〜54から入力された交流電力を直流電力に変換して直流送電線1に送電し、又は、直流送電線1を経由して送電された直流電力を交流電力に変換して交流系統51〜54に融通する。変換器11〜14は、制御装置21〜24により直流電圧制御又は出力電圧制御で運転される。本実施形態では、変換器11〜14の少なくとも何れかは直流電圧制御で運転され、残りの変換器11〜14は出力電圧制御で運転される。直流送電線1は、図1に示すように、各変換器11〜14を繋ぐように分岐した送電線である。
制御装置21〜24は、変換器11〜14と接続されており、交流から直流又は直流から交流に電力を変換する変換器11〜14の出力を制御する。具体的には、各変換器11〜14の直近の直流送電線1には、直流電流検出器71〜74及び直流電圧検出用変圧器81〜84がそれぞれ接続されており、制御装置21〜24は、その直近の直流電流検出器71〜74及び直流電圧検出用変圧器81〜84から直流電流及び直流電圧を取得する。
制御装置21〜24は、直流電圧制御する場合には、取得した直流電圧値と直流電圧指令値との差分を算出し、当該差分が零となるように変換器11〜14を動作させる。また、出力電圧制御する場合には、取得した直流電流値と直流電圧値とを乗算し、当該乗算値と電力指令値との差分を算出し、当該差分が零となるように変換器11〜14を動作させる指令を生成する。そして、制御装置21〜24は、当該指令を変換器11〜14に出力する。
蓄電池31は、直流送電線1に接続されており、直流送電線1の電力を蓄積し又は直流送電線1に対して放出する。蓄電池31は、その接続台数及び設置箇所は1台以上あり、直流送電線1に接続されていれば、その台数や設置箇所は特に限定されないが、本実施形態では1台の蓄電池31が、変換器11近傍の直流送電線1に接続されている。なお、変換器11近傍とは、例えば、変換器11及び蓄電池31の各出力端の、送電による電圧上昇又は電圧降下による差が予測又は計算できる範囲内とする。
制御装置41は、蓄電池31と接続されており、蓄電池31の入出力を制御する。具体的には、直流電圧制御を行う。本実施形態の制御装置41は、直流送電線1の直流電圧と予め設定された不感帯411とに基づき、蓄電池31の出力を制御する。すなわち、制御装置41は、直流電圧制御で運転される変換器11〜14の近傍で直流送電線1に接続された直流電流検出器91及び直流電圧検出用変圧器92から、直流電流及び直流電圧を取得する。そして、制御装置41は、この不感帯411に入っていれば蓄電池31の入出力を零とし、不感帯411を逸脱していれば直流送電線1の直流電圧を不感帯411内に戻すように蓄電池31を充放電制御する。
図2は、制御装置41の構成を示す図である。制御装置41は、予め設定された不感帯411と、比較判定部41aと、制御部41bとを備える。図3は、直流電圧の不感帯411を示す図である。なお、図中のグラフは、直流電圧検出用変圧器92により検出された直流送電線1の直流電圧の時間変化を示している。
この不感帯411は、図3に示すように、予め設定された直流電圧指令値Vrefを基準として上限Vu及び下限Vlを有する直流電圧値の帯域である。すなわち、不感帯411は、数値データであり、直流電圧指令値Vrefを含んだ下限Vl以上、上限Vu以下の直流電圧値の帯域である。本実施形態では、制御装置41には記憶部が設けられており、当該記憶部に不感帯411が予め記憶されている。また、不感帯411は、コンパレータ等を用いて回路により構成しても良い。不感帯411は、記憶部に記憶して固定したものを用いても良いし、統合制御装置201から不感帯411を設定するようにしても良い。
不感帯411の基準となる直流電圧指令値は、直流電圧制御を行う変換器11〜14の直流電圧指令値であり、本実施形態では、変換器11の直流電圧指令値が設定されている。不感帯411の上限Vu及び下限Vlは、適宜設計により決定できる。例えば、蓄電池31を直流電圧制御する変換器11〜14端の直近に接続する場合には、近傍の変換器11〜14の直流電圧指令値Vrefの±3〜5%と設定しても良い。また、蓄電池31を直流電圧制御する変換器11〜14端から遠くに接続する場合には、電圧降下分を加味して設定しても良い。本実施形態では、不感帯411において、直流電圧指令値、上限Vu及び下限Vlは固定値とする。
比較判定部41aは、直流電圧検出用変圧器92から入力された直流電圧Vが、不感帯411内にあるかを判定し、その判定結果を制御部41bに出力する。例えば、比較判定部41aは、直流電圧Vと上限Vu又は下限Vlと比較し、V>Vu又はV<Vlであれば直流電圧Vが不感帯411を逸脱していると判定し、その判定結果として1を出力し、Vl≦V≦Vuであれば、直流電圧Vが不感帯411内であると判定し、その判定結果として0を出力する。
制御部41bは、比較判定部41aの判定結果に基づいて蓄電池31への指令を生成する。すなわち、制御部41bは、当該直流電圧Vが不感帯411内(Vl≦V≦Vu)であれば、蓄電池31の入出力を零とし、蓄電池31に充電も放電もさせない指令を生成する。当該直流電圧Vが不感帯411を逸脱する場合、具体的には、当該直流電圧Vが不感帯411の上限Vuを上回っている場合には(Vu<V)、制御部41bは蓄電池31に充電させる指令を生成し、当該直流電圧Vが不感帯411の下限Vlを下回っている場合には(V<Vl)、制御部41bは蓄電池31に放電させる指令を生成する。そして、制御部41bは、生成した充電、放電、又は何もさせない指令を蓄電池31に出力する。
蓄電池31及び制御装置41には、蓄電池31のSOC(State of Charge)を検出する検出器101が接続されており、検出器101は検出した蓄電池31のSOCを制御装置41に出力する。なお、SOCは充電率であり、電池容量に対する充電量の比である。
図2に示すように、制御装置41はSOC判定部41cを備えている。SOC判定部41cには、放電末に近いことの基準となる閾値T1と、満充電に近いことの基準となる閾値T2とが予め設定されている。すなわち、SOC判定部41cには、T1以上T2以下のSOCの範囲が予め設けられている。SOC判定部41cは、検出器101から入力された蓄電池31のSOCが閾値T1未満又は閾値T2超であれば、蓄電池31が放電末又は満充電に近いことを統合制御装置201に通知する。蓄電池31のSOCが所定範囲内であるT1以上T2以下であれば、統合制御装置201に通知しなくても良いし、所定範囲内にあることを通知しても良い。
統合制御装置201は、直流送電システム全体を統括する上位の制御装置である。統合制御装置201は、制御装置21〜24及び制御装置41と接続されている。統合制御装置201は、制御装置41からの放電末又は満充電に近い旨の通知を受けて、直流電圧制御を行う変換器11〜14を他の変換器11〜14に切り替える制御切替指令を対応する制御装置21〜24に出力する。例えば、変換器11が直流電圧制御で運転していて脱落した場合、蓄電池31による放電又は充電が継続されると蓄電池31は放電末又は満充電に近くなる。この場合、統合制御装置201は、出力電力制御で運転している他の変換器12〜14のうち、例えば変換器12を直流電圧制御の運転に切り替えるよう、制御切替指令を制御装置22に出力する。
直流電圧制御を行う変換器11〜14の切り替えは、上記のような蓄電池31のSOCの監視によるものの他、直流電圧制御を行っていた変換器11〜14が故障等で停止したことを契機として運用者による手動又は自動で切り替えるようにしても良い。自動切り替えの例としては、直流電圧制御を行っていた変換器11〜14が停止した時点から所定時間経過した時点で切り替えることが挙げられる。また、蓄電池31が所定時間継続して充電又は放電したことを検知して他の健全な変換器11〜14に直流電圧制御に切り替える指令を出力しても良い。また、運用者による切替又は脱落後の所定時間経過を基にした切り替えを第1の切り替え方法とし、その予備として蓄電池31のSOCに基づく切り替えを第2の切り替え方法として運用しても良い。
[1−2.作用]
本実施形態の直流送電システム及び蓄電池31の制御装置41の動作について説明する。直流送電システムにおいては、直流側へ入力される電力と交流側へ出力される電力の差分が直流電圧の変動となって現れる。一般的には少なくとも1台の変換器11〜14は直流電圧制御で運転し、残りの変換器11〜14は任意の値に設定された電力を出力する出力電力制御で運転することで、直流電圧が一定に保たれ、かつ、直流送電システムのエネルギー収支のバランスが常時取られる。本実施形態においては、変換器11を直流電圧制御で運転させるとともに蓄電池31にも不感帯411に基づく直流電圧制御を行う。他の変換器12〜14は、出力電力制御を行う。
変換器11は、直流電圧指令値をVrefとして直流電圧制御で運転し、変換器11端の直流電圧VがVrefとなるように出力する。ここで、蓄電池31の制御装置41の動作について説明すると、直流電圧検出用変圧器92で検出された直流電圧Vが不感帯411内(Vl≦V≦Vu)であれば、制御装置41は蓄電池31の入出力を零とする。すなわち、図3に示すように、不感帯411を超過する時刻t1までは、変換器11のみが直流電圧制御で運転する。一方、不感帯411を超過した時刻t1より後は蓄電池31の入出力が零ではなくなる。
具体的には、例えば変換器11の容量を超えるような出力を求められた場合に直流電圧VがVrefから乖離し始め、不感帯411を超過すると、変換器11の容量を超えてエネルギー収支のバランスが取れなくなる。そこで、不感帯411の上限Vuを超えると、図3に示すように、制御装置41は、蓄電池31が充電するよう制御し、直流送電線1の直流電圧を下げ、不感帯411内に入るように戻す。一方、不感帯411の下限Vlを下回ると、図4に示すように、制御装置41は、蓄電池31が放電するよう制御し、直流送電線1の直流電圧を上げ、不感帯411内に入るように戻す。このように、直流電圧Vが不感帯411を逸脱すると、制御部41bにより、変換器11の容量を超えてエネルギー収支のバランスが取れなくなった分を蓄電池31から供給又は吸収する。
上記のように、直流送電システムにおいて蓄電池31が直流送電線1に接続されているので、蓄電池31を動作させることにより、直流送電システムの直流電圧は保たれ、運転を継続することができる。このように、蓄電池31が直流送電システム全体の中で直流電圧変動を抑制する働きをするので、多様な運用に対応することができる。例えば、電力が不足している交流系統51に対して他の交流系統52〜54から電力の融通がなされ、直流電圧制御で運転する変換器11の容量を超える場合であっても、蓄電池31が補償するため、継続して直流送電システムを運転することができる。
また、直流電圧制御で運転していた変換器11が何らかの原因で脱落した場合は、次のような方法により直流電圧制御する変換器11を他の健全な変換器12〜14に切り替えることができる。図5は、直流電圧制御で運転していた変換器11が脱落した場合に、他の変換器を直流電圧制御運転に切り替える動作例を示すフローチャートである。
図5に示すように、変換器11が脱落すると(ステップS01)、直流電圧検出用変換器92により検出される直流電圧Vが変化し、不感帯411を逸脱することになる。この場合、直流送電システムのエネルギー収支のバランスが取れない分は、蓄電池31により補償される。ここで、制御装置41の動作として、SOC判定部41cが、蓄電池31のSOCを監視する。SOCが所定範囲内にあれば(ステップS02のYES)、蓄電池31による直流電圧制御が可能と判断されるため、その旨を統合制御装置201に通知し、統合制御装置201は待機状態とする(ステップS03)。すなわち、ステップS02に戻る。
一方、SOC判定部41cより蓄電池31のSOCが所定範囲を逸脱すると判定される場合には(ステップS02のNO)、その判定結果を統合制御装置201に通知する(ステップS04)。そして、統合制御装置201は、他の変換器12〜14を直流電圧制御に切り替える制御切替指令を少なくとも何れかの制御装置22〜24に出力する(ステップS05)。当該指令を受けた制御装置22〜24は、対象となる変換器12〜14を直流電圧制御に切り替える(ステップS06)。
上記のように、直流電圧制御を行う変換器11が脱落した場合であっても、一定期間は蓄電池31による直流電圧制御で直流送電システムの運転を継続でき、さらに、他の健全な変換器12〜14を直流電圧制御に切り替えるので、直流送電システムのエネルギー収支のバランスを常時取ることができる。
[1−3.効果]
(1)本実施形態に係る蓄電池31の制御装置41は、直流送電線1と当該直流送電線1に接続された複数の交直変換器11〜14とを備えた直流送電システムに併設された蓄電池31の制御装置41であって、蓄電池31が直流送電線1に接続され、直流送電線1の直流電圧と、予め設定された不感帯411とを比較判定する比較判定部41aと、比較判定の結果に基づき蓄電池31に対する指令を生成する制御部41bと、を備える。不感帯411は、直流電圧制御で運転される少なくとも何れかの交直変換器11の直流電圧指令値が含まれる直流電圧帯域であり、制御部41bは、比較判定部41aによる比較判定の結果が、直流電圧が不感帯411を逸脱する結果である場合に、蓄電池31を直流電圧制御するようにした。
直流送電システムにおいては、直流側へ入力される電力と交流側へ出力される電力の差分が直流電圧の変動となって現れるが、交直変換器11〜14の直流電圧制御及び出力電力制御によっても直流送電システムのエネルギー収支のバランスが取れない場合であっても、蓄電池31によりその分を補償することができる。言い換えると、蓄電池31が直流送電システム全体の中で直流電圧変動を抑制する働きをするので、多様な運用に対応することができる。
(2)本実施形態の直流送電システムは、各制御装置21〜24及び制御装置41と接続された統合制御装置201を備え、少なくとも何れかの交直変換器11が直流電圧制御で運転され、他の交直変換器12〜14が出力電力制御で運転される。制御装置41は、蓄電池31のSOCが所定範囲内にあるかを判定するSOC判定部41cを有し、SOC判定部41cは、SOCが所定範囲を逸脱する場合に、統合制御装置201にその判定結果を通知し、統合制御装置201は、前記通知を受けて、出力電力制御の他の交直変換器12〜14の少なくとも何れかを、直流電圧制御の運転に切り替えるようにした。これにより、放電末又は満充電に近くなったとしても、直流送電システムを継続して運転することができる。
[2.第2の実施形態]
[2−1.構成]
第2の実施形態について、図6を用いて説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と基本構成は同じである。第1の実施形態と異なる点のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
第2の実施形態は、全ての変換器11〜14が出力電力制御で運転するものであり、蓄電池31のみが直流電圧制御で運転する。本実施形態では、各変換器11〜13の出力電力値を任意とし、その分変換器14が出力電力のバランスを取る。直流電圧制御は蓄電池31のみが担う。
すなわち、図6に示すように、統合制御装置201は、加算器61、ローパスフィルタ(LPF)62、及び符号反転フィルタ63を有する。加算器61は、各変換器11〜13の制御装置21〜23から各出力電力P1〜P3を入力とし、P1+P2+P3(=P)の加算を行う。
ローパスフィルタ62は、カットオフ周波数を有し、加算された電力Pの短周期変動成分を除去する。ローパスフィルタ62は、デジタルフィルタであり、例えば、抵抗器やコンデンサによるアナログのRC回路をデジタルに変換した1次遅れのデジタルフィルタや、移動平均フィルタを用いることができ、ソフトウェアとしてコンピュータに実装されている。
符号反転フィルタ63は、ローパスフィルタ62から出力された結果の符号を反転させ、変換器14の出力電力指令値Prefとして制御装置24に出力する。符号反転フィルタ63は、ローパスフィルタ62を介さずに加算器61で得られた電力Pの符号を反転させ、変換器14の出力電力指令値Prefとして制御装置24に出力しても良い。
なお、出力電力指令値Prefを得る方法については、ローパスフィルタ62に代えて、変換器11〜14の出力P1,P2,P3,・・・の変化の予測値を使用して出力電力指令値Prefを得るなど、直流送電システムの長周期のエネルギー変動分を指定できる方法であれば特に限定されず、公知の方法を採用することができる。
第2の実施形態では、蓄電池31の制御装置41には、予め直流電圧指令値Vrefが設定されている。制御装置41は、直流電圧検出用変圧器92から入力された直流送電線1の直流電圧と当該指令値Vrefとの差分を算出し、当該差分が零になるように蓄電池31を動作させる指令を生成する。そして、制御装置41は、当該指令を蓄電池31に出力する。
第2の実施形態の蓄電池31の容量は、運用によって設計されるが、できるだけ大きいことが好ましい。例えば、各変換器11〜14の定格容量の合計分に、直流送電システムの必要運転時間をかけた分の電力量とすることができる。
[2−2.作用]
直流送電システムにおいては、直流側へ入力される電力と交流側へ出力される電力の差分が直流電圧の変動となって現れる。第2の実施形態では、各変換器11〜14を出力電圧制御で運転し、蓄電池31のみを直流電圧制御で運転する。
出力電力のバランスは、統合制御装置201が取る。すなわち、各変換器11〜13の出力電力指令値が任意の値P1,P2,P3にそれぞれ設定され、これらの合計分の電力Pの短周期変動分を除去した電力に符号を反転させて得られるPrefを変換器14の出力電力指令値としたことにより、エネルギー収支はP1+P2+P3+Pref=0となり、比較的長周期のエネルギーバランスを取ることができる。
このように統合制御装置201により、直流送電システム全体を統括して互いに電力を融通し合うことでエネルギーバランスを取ることが理想であるが、この収支バランスが出力電力の変動により崩れる場合もある。すなわち、直流送電システムへの入力電力と、交流系統51〜54側への出力電力のバランスが崩れる場合には、その変動分が直流電圧の変動となって現れることとなるが、その分は蓄電池31が直流電圧制御を行うことで抑制される。
本実施形態は、各変換器11〜14を発電機のガバナフリーのような短周期(例えば数秒〜数十秒)で変動する出力で運転する場合に有効である。変換器11〜14が周期の短い電力を出力するため、長期的に見た場合、各変換器11〜14の入力電力の周波数変動の累計は0と見なせる。また、各変換器11〜14の出力は全て同周期となることが少ないので平滑化効果が得られ、直流送電システム全体で見た場合には、個々の変換器11〜14の変動の絶対値の和よりも小さくなるため、蓄電池31による調整も少なくて済む利点がある。このような条件で運転する場合には、全ての変換器11〜14の出力を任意に設定することができる。
また、蓄電池31を大きく取ることで、蓄電池31の満充電や放電末を考慮することなく、直流送電システムのエネルギー収支のバランスを取ることができる。
[2−3.効果]
(1)第2の実施形態の蓄電池31の制御装置41は、直流送電線1と当該直流送電線1に接続された複数の交直変換器11〜14とを備えた直流送電システムに併設された蓄電池31の制御装置41であって、直流送電システムにおいて、蓄電池31が直流送電線1に接続され、全ての交直変換器11〜14が出力電力制御で運転され、制御装置41は蓄電池31を直流電圧制御するようにした。これにより、交直変換器11〜14の出力電力指令値が任意の値に設定されていても、蓄電池31により直流電圧制御を行うので、直流送電システムの直流電圧は保たれ、エネルギー収支のバランスを取ることができる。
(2)第2の実施形態の直流送電システムでは、各変換器11〜14を出力電圧制御で運転し、蓄電池31のみを直流電圧制御で運転するようにした。これにより、各変換器11〜14の出力電力を任意の値とし直流送電システムでのエネルギー収支のバランスに変動が生じても、蓄電池31で補償することができるので、多様な運用に対応することができる。直流電圧を保ち、直流送電システムの運転を継続して行うことができる。
(3)直流送電システムは、各制御装置21〜24と接続された統合制御装置201を備え、統合制御装置201は、交直変換器11〜14の少なくとも何れかの出力電力指令値を、他の交直変換器11〜14の出力電力を基に生成し、当該他の交直変換器11〜14は、出力電力指令値に追従して運転するようにした。これにより、直流送電システムのエネルギー収支のバランスを取ることができる。本実施形態では、各変換器11〜13の出力電力に変動が生じた場合であっても、他の変換器14が直流送電システムのエネルギー収支のバランスの取れる出力電力指令値に追従するので、各変換器11〜13の出力電力を任意に設定でき、多様な運用に対応することができる。
(4)統合制御装置201は、ローパスフィルタ62を有し、出力電力指令値の生成を当該ローパスフィルタ62を介して生成するようにした。これにより、比較的長周期のエネルギーバランスを取ることができる。
[2’.第2の実施形態の変形例]
第2の実施形態の変形例について、図7を用いて説明する。第2の実施形態の変形例は、第2の実施形態と基本構成は同じである。第2の実施形態と異なる点のみを説明し、第2の実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図7は、第2の実施形態の変形例に係る統合制御装置201の構成図である。図7に示すように、本変形例の統合制御装置201には、符号判定フィルタ63の出力側に分配器64が設けられている。本変形例では、任意の変換器11、12の出力電力指令値P1,P2を任意の値に設定し、他の変換器13、14により出力電力指令値の調整を行う。
すなわち、加算器61により得られたP1+P2(=P’)をローパスフィルタ62により短周期変動成分を除去した上、符号反転フィルタ63で符号を反転させる。分配器64は当該値を分配し、各変換器13、14のそれぞれの出力電力指令値Pref’、Pref’’とする。分配方法としては、制御装置の数(ここでは制御装置23、24の2つ)で均等に割った値としても良いし、変換器23、24の容量比で分配しても良い。
[3.第3の実施形態]
[3−1.構成]
第3の実施形態について、図8〜図11を用いて説明する。第3の実施形態は、第1の実施形態と基本構成は同じである。第1の実施形態と異なる点のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
第3の実施形態は、蓄電池31のSOCを維持する方法を提供する。第3の実施形態に係る直流送電システムは、SOC管理部110を有している。SOC管理110は、所定のSOCに応じて、直流電圧制御で運転する変換器11〜14の直流電圧指令値Vrefを上下に変更させる指令を、直流電圧制御で運転する変換器11〜14に対して出力する。
SOC管理部110は、直流送電システムにおいて独立に設けても良いし、蓄電池31の出力を制御する制御装置41に設けても良いし、統合制御装置201に設けても良い。本実施形態では、図8に示すように、SOC管理部110は統合制御装置201に設けられ、検出器101から検出されたSOCの入力を受けた制御装置41が統合制御装置201に当該検出されたSOCを通知し、統合制御装置201がSOCを管理する。
図9は、蓄電池31のSOCと、SOC管理部110が出力する指令との関係を示す図である。図9に示すように、蓄電池31のSOCは、大きく3つの区間に分けられる。第1には、満充電側に近い区間F、放電末に近い区間E、及びこれらの中間区間Mである。なお、第1の実施形態で示した満充電に近いことを示す閾値T2を例えば90(%)とし、放電末に近いことを示す閾値T1を例えば10(%)とする。
中間区間Mは例えば30(%)≦SOC≦70(%)とし、SOCが中間区間M内であれば、SOC管理部110は指令を出さない。すなわち、直流電圧指令値Vrefは維持される。
満充電側区間Fは、例えば70(%)<SOC<90(%)とし、SOCが区間F内であれば、直流電圧制御で運転する変換器11〜14に対し、変換器11〜14の直流電圧指令値Vrefを下げてVref’にするように指令する。
より詳細には、満充電側区間Fは、中間区間M側の区間F1(例えば70(%)<SOC≦80(%))と、満充電に近い区間F2(例えば80(%)<SOC<90(%))とに分けられており、区間F1では直流電圧指令値Vrefを不感帯411の下限Vlを下回らないように下げる(Vref→Vref’≧Vl)。区間F2では、直流電圧指令値Vrefを不感帯411の下限Vlを下回るように下げる(Vref→Vref’<Vl)。
放電末側区間Eは、例えば10(%)<SOC≦30(%)とし、SOCが区間E内であれば、直流電圧制御で運転する変換器11〜14に対し、変換器11〜14の直流電圧指令値Vrefを上げてVref’にするように指令する。
より詳細には、放電末側区間Eは、中間区間M側の区間E1(例えば20(%)<SOC≦30(%))と、放電末に近い区間E2(例えば10(%)<SOC≦20(%))とに分けられており、区間E1では直流電圧指令値Vrefを不感帯411の上限Vuを上回らないように上げる(Vref→Vref’≦Vu)。区間E2では、直流電圧指令値Vrefを不感帯411の上限Vuを上回るように上げる(Vref→Vref’≧Vu)。
[3−2.作用・効果]
本実施形態では、蓄電池31のSOCに応じて、直流電圧制御で運転する交直変換器11〜14の直流電圧指令値Vrefを上下に変更するSOC管理部110を備えるようにした。これにより、蓄電池31の充放電確率の向上又は強制的な充放電がなされるので、蓄電池31の充電量を維持することができる。
すなわち、蓄電池31のSOCが区間F1にある場合には、図10に示すように、直流電圧指令値を不感帯411の下限Vlを下回らないようにVref’に下げるので、不感帯411の下限Vlを下回りやすくなり、放電される確率を上げることができる。さらに、SOCが区間F2にある場合には、不感帯411の下限Vlを下回るように直流電圧指令値を変更するので、蓄電池31が直流電圧制御されて、強制的に放電動作させることができる。
一方、蓄電池31のSOCが区間E1にある場合には、図11に示すように、直流電圧指令値を不感帯411の上限Vuを上回らないようにVref’に上げるので、不感帯411の上限Vuを上回りやすくなり、充電される確率を上げることができる。さらに、SOCが区間E2にある場合には、不感帯411の上限Vuを上回るように直流電圧指令値を変更するので、蓄電池31が直流電圧制御されて、強制的に充電動作させることができる。
[4.第4の実施形態]
第4の実施形態について、図12〜図15を用いて説明する。第4の実施形態は、第1の実施形態と基本構成は同じである。第1の実施形態と異なる点のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
第4の実施形態は、蓄電池31のSOCを維持する方法を提供する。第4の実施形態に係る直流送電システムは、SOC管理部120を有している。図12に示すように、SOC管理部120は、制御装置41に設けられており、所定のSOCに応じて、不感帯411の上限Vu又は下限Vlを変更する。
図13は、蓄電池31のSOCと、不感帯411の上限又は下限の変更との関係を示す図である。図13に示すように、蓄電池31のSOCは、大きく3つの区間に分けられる。第1には、満充電側に近い区間F、放電末に近い区間E、及びこれらの中間区間Mである。なお、第1の実施形態で示した満充電に近いことを示す閾値T2を例えば90(%)とし、放電末に近いことを示す閾値T1を例えば10(%)とする。
中間区間Mは例えば30(%)≦SOC≦70(%)とし、SOCが中間区間M内であれば、SOC管理部120は不感帯411の上限及び下限を維持する。
満充電側区間Fは、例えば70(%)<SOC≦90(%)とし、SOCが区間F内であれば、SOC管理部120は、図14に示すように、不感帯411の下限Vlを上げるよう変更する。これにより、直流電圧が不感帯411の下限を下回りやすくなり、蓄電池31が放電で運転する確率が高くなる。
放電末側区間Eは、例えば10(%)<SOC≦30(%)とし、SOCが区間E内であれば、SOC管理部120は、図15に示すように、不感帯411の上限Vuを下げるよう変更する。これにより、直流電圧が不感帯411の上限を上回りやすくなり、蓄電池31が充電で運転する確率が高くなる。
以上のように、不感帯411の上限Vu又は下限Vlを変更することにより、蓄電池31の充電量を維持することができる。また、本実施形態によれば、不感帯411を調整するだけで済み、蓄電池31の制御装置41のみで制御が完結できるので、システム構成が簡単になる利点がある。
[5.その他の実施形態]
本明細書においては、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。以上のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
(1)直流送電システムには、蓄電池31及びその制御装置41は、各1台に限られず、複数組設けられていても良い。第1乃至第4の実施形態では蓄電池31は交直変換器11の近くに設けたが、直流送電線1に接続されていればどこに設けても良い。
(2)直流電圧制御で運転している変換器11〜14端の直流電圧と、蓄電池31が直流送電線1に接続している場所の直流電圧には、送電による電圧上昇又は電圧降下によって差が生じる。この分を直流電流と直流送電線1の抵抗値を用いて不感帯411の上限Vuと下限Vlを補正しても良い。また、電圧上昇分や電圧下降分を見込んで不感帯411の上限Vuと下限Vlを設定しても良い。
(3)第3及び第4の実施形態において、直流電圧指令値Vref、不感帯411の上限Vu、下限Vlを上下に変更することを示したが、段階的に上昇又は下降させて変更しても良いし、線形的に上昇又は下降させて変更しても良い。例えば直流電圧指令値を100kV上昇させる場合で説明すると、30kV、50kV、70kV、100kVのように順に上昇、或いは、一度で100kV上昇させるように、離散的に上昇させても良い。また、一次関数に従うように連続的に上昇させても良い。
(4)第1の実施形態では、変換器11から他の変換器12〜13の何れかを直流電圧制御に切り替える制御を行った。この切替時間は、蓄電池31の容量や充電状態に依存する。変換器11が交流系統51から電力を受け取るような運転をしている場合は、蓄電池31には多くの電力が蓄えられているようにしたり、逆に、変換器11が交流系統51へ電力を送り出しているような運転をしている場合は、蓄電池31に蓄えられている電力を少なめにしておいたりすることで切替時間を長くすることができる。
(5)第1乃至第4の実施形態では、直流電圧制御を行う変換器11〜14を切り替えるための指標として、蓄電池31のSOCを検出して蓄電池31の放電末又は満充電が近いことを判定したが、蓄電池31の蓄電量に基づいて判定しても良い。
(6)交流系統の数や配置は特に限定されない。
1…直流送電線
11〜14…交直変換器
21〜24…交直変換器の制御装置
31…蓄電池
41…蓄電池の制御装置
411…不感帯
41a…比較判定部
41b…制御部
41c…SOC判定部
51〜54…交流系統
61…加算器
62…ローパスフィルタ
63…符号反転フィルタ
64…分配器
71〜74…直流電流検出器
81〜84…直流電圧検出用変圧器
91…直流電流検出器
92…直流電圧検出用変圧器
101…検出器
110…SOC管理部
120…SOC管理部
201…統合制御装置

Claims (13)

  1. 直流送電線と当該直流送電線に接続された複数の交直変換器とを備えた直流送電システムに併設された蓄電池の制御装置であって、
    前記蓄電池が前記直流送電線に接続され、
    前記直流送電線の直流電圧と、予め設定された不感帯とを比較判定する比較判定部と、
    前記比較判定の結果に基づき前記蓄電池に対する指令を生成する制御部と、
    を備え、
    前記不感帯は、直流電圧制御で運転される少なくとも何れかの前記交直変換器の直流電圧指令値が含まれる直流電圧帯域であり、
    前記制御部は、前記比較判定の結果が、前記直流電圧が前記不感帯を逸脱する結果である場合に、前記蓄電池を直流電圧制御すること、
    を特徴とする蓄電池の制御装置。
  2. 前記蓄電池のSOCに基づいて、直流電圧制御で運転する前記交直変換器の直流電圧指令値を上下に変更させる指令を出力する第1のSOC管理部を備え、
    前記第1のSOC管理部は、
    前記SOCが満充電側区間内であると判定する場合に、前記直流電圧指令値を下げる指令を、当該交直変換器に出力すること、
    を特徴とする請求項1に記載の蓄電池の制御装置。
  3. 前記蓄電池のSOCに基づいて、直流電圧制御で運転する前記交直変換器の直流電圧指令値を上下に変更させる指令を出力する第1のSOC管理部を備え、
    前記第1のSOC管理部は、
    前記SOCが放電末側区間内であると判定する場合に、前記直流電圧指令値を上げる指令を、当該交直変換器に出力すること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電池の制御装置。
  4. 前記第1のSOC管理部は、前記SOCが満充電側区間内であると判定する場合に、前記直流電圧指令値を前記不感帯の下限を下回るように下げること、
    を特徴とする請求項2又は3に記載の蓄電池の制御装置。
  5. 前記第1のSOC管理部は、前記SOCが放電末側区間であると判定する場合に、前記直流電圧指令値を前記不感帯の上限を上回るように上げること、
    を特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の蓄電池の制御装置。
  6. 前記蓄電池のSOCに基づいて、前記不感帯の上限又は下限を変更する第2のSOC管理部を備え、
    前記第2のSOC管理部は、前記SOCが満充電側区間であると判定する場合に、前記不感帯の下限を上げること、
    を特徴する請求項1〜5の何れかに記載の蓄電池の制御装置。
  7. 前記蓄電池のSOCに基づいて、前記不感帯の上限又は下限を変更する第2のSOC管理部を備え、
    前記第2のSOC管理部は、前記SOCが放電末側区間であると判定する場合に、前記不感帯の上限を下げること、
    を特徴する請求項1〜6の何れかに記載の蓄電池の制御装置。
  8. 直流送電線と当該直流送電線に接続された複数の交直変換器とを備えた直流送電システムに併設された蓄電池の制御装置であって、
    前記直流送電システムにおいて、前記蓄電池が前記直流送電線に接続され、全ての交直変換器が出力電力制御で運転され、
    前記蓄電池の制御装置は、前記蓄電池を直流電圧制御すること、
    を特徴する蓄電池の制御装置。
  9. 直流送電線に接続され、電力を融通するための直流送電システムであって、
    前記直流送電線に接続された複数の交直変換器と、
    前記交直変換器毎に設けられ、各前記交直変換器の出力を制御する複数の変換器制御装置と、
    前記直流送電線に接続された蓄電池と、
    前記蓄電池の入出力制御を行う蓄電池制御装置と、
    を備え、
    前記蓄電池制御装置は、前記直流送電線の直流電圧と、予め設定された不感帯とを比較判定する比較判定部と、前記比較判定の結果に基づき前記蓄電池に対する指令を生成する制御部と、を備え、
    前記不感帯は、直流電圧制御で運転される少なくとも何れかの前記交直変換器の直流電圧指令値が含まれる直流電圧帯域であり、
    前記制御部は、前記比較判定の結果が、前記直流電圧が前記不感帯を逸脱する結果である場合に、前記蓄電池を直流電圧制御すること、
    を特徴とする直流送電システム。
  10. 各前記変換器制御装置及び前記蓄電池制御装置と接続された統合制御装置を備え、
    前記交直変換器の少なくとも何れかが直流電圧制御で運転され、他の前記交直変換器が出力電力制御で運転され、
    前記蓄電池制御装置は、前記蓄電池のSOCが所定範囲内にあるかを判定するSOC判定部を有し、
    前記SOC判定部は、前記SOCが所定範囲を逸脱する場合に、前記統合制御装置にその判定結果を通知し、
    前記統合制御装置は、前記通知を受けて、出力電力制御の前記他の交直変換器の少なくとも何れかを、直流電圧制御の運転に切り替えること、
    を特徴する請求項9に記載の直流送電システム。
  11. 直流送電線に接続され、電力を融通するための直流送電システムであって、
    前記直流送電線に接続された複数の交直変換器と、
    前記交直変換器毎に設けられ、各前記交直変換器の出力を制御する複数の変換器制御装置と、
    前記直流送電線に接続された蓄電池と、
    前記蓄電池の入出力制御を行う蓄電池制御装置と、
    を備え、
    前記交直変換器の全てが出力電力制御で運転され、
    前記蓄電池のみが直流電圧制御で運転されること、
    を特徴とする直流送電システム。
  12. 各前記変換器制御装置と接続された統合制御装置を備え、
    前記統合制御装置は、前記交直変換器の少なくとも何れかの出力電力指令値を、他の前記交直変換器の出力電力を基に生成し、
    前記他の交直変換器は、前記出力電力指令値に追従して運転すること、
    を特徴する請求項11記載の直流送電システム。
  13. 前記統合制御装置は、ローパスフィルタを有し、前記出力電力指令値の生成を当該ローパスフィルタを介して生成すること、
    を特徴とする請求項12記載の直流送電システム。
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