JP2017011577A - クロストーク補償装置及びクロストーク除去方法 - Google Patents

クロストーク補償装置及びクロストーク除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】キャリア間クロストークを除去しつつ、信号品質を向上させること。【解決手段】一部の信号帯域が重なり合った複数のキャリアそれぞれから生成されたキャリア信号における干渉信号の波形を整形する波形整形部と、整形された干渉信号をキャリアのベースバンド信号に変換することによって干渉信号のレプリカ信号を生成するレプリカ生成部と、干渉信号と異なる、干渉信号成分の除去対象となるキャリア信号から、生成されたレプリカ信号を減算することによって干渉信号の成分を除去した目的信号を取得するレプリカ減算部と、を備えるクロストーク補償装置。【選択図】図2

Description

本発明は、キャリア間クロストーク除去技術に関する。
スマートフォンや高精細映像配信技術の普及に伴い、インターネットトラヒックは今後も継続して増加すると予想される。そのようなトラヒックを転送する役目を担う光基幹系システムにおいては、より高信頼、経済的な大容量光通信システムを構築すべく、技術革新が求められている。
一般に伝送媒体として光ファイバを用いる光伝送システムで用いられる周波数帯域は、光ファイバが示す低損失帯域やエルビウム添加ファイバ増幅器のような光増幅器の示す利得帯域等に制限され、約8THzとなる。電気通信標準化部門(ITU−T)が規定する単一のチャネルが占有する周波数帯域である50GHzを仮定し、上記帯域を使用してチャネルあたり100Gbps級の光信号を伝送すると、16Tbps級もの容量を持つ伝送が可能となる。実際、上記帯域の一部を用いた8Tbps級の光基幹系システムが商用導入されている。
一方で、光基幹系システムで転送するトラヒックは年率約1.3倍のペースで伸び続けていることから、上記のような8Tbps級の大容量光基幹系システムをもってしても今後数年で容量が不足するという懸念がある。例えば年率約1.3倍のトラヒック増加のペースが10年継続すれば、要求される伝送容量は約14倍にもなる。
光信号を搬送する帯域を変えずに、光ファイバあたりの伝送総容量を増やすには周波数利用効率の向上が求められる。周波数利用効率は[bps/Hz]の単位が用いられ、単位周波数あたりの情報伝送能力の大きさを表す。周波数利用効率を向上させる技術としては、大きく分けて二つの方法が考えられる。
一つ目は、光信号の多値化である。例えば上記のチャネルあたり100Gbps級信号では、変調方式としてQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式が用いられ、1シンボルあたり2ビットを送ることができる。変調方式を16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)にすれば、1シンボルあたり4ビットを送ることができ、QPSK方式と比較して2倍の周波数利用効率を達成することができる。このように、1シンボルを用いて伝送するビット数を増加させる多値変調技術を用いれば、原理的には周波数利用効率の向上が期待できる。
二つ目は、光信号の高密度化である。上記の通り、現在商用化されている光伝送システムでは100Gbps級の単一チャネルが占有する周波数帯域は50GHzであり、周波数利用効率は2[bps/Hz]となる。光基幹系システムで転送するクライアント信号は将来的にチャネルあたり400Gbpsに達し、現在このクライアント信号を収容した光信号に対しては、例えばQPSK変調を用いた場合、150GHz程度の周波数帯域を用いて伝送することが検討されており、このとき周波数利用効率は従来の約1.3倍の2.67[bps/Hz]となる。これは、光信号の帯域制限によって可能となる。具体的には、送信データの情報を失わないナイキスト基準を満たしたフィルタを用いて帯域制限を行う。ナイキスト基準によれば、一般に信号は変調速度まで帯域制限を行うことができる。
G. D. Golden et al., "Detection algorithm and initial laboratory results using V-BLAST space-time communication architecture," Electronics Letters, Vol. 35, no. 1, p. 14 (1999).
しかしながら、上記二つの周波数利用効率を向上させる技術にはそれぞれ欠点がある。一つ目の技術である多値化においては、多値化をすると信号点間距離が短くなるために雑音に対する耐性が低下し、結果として伝送可能な距離が短くなってしまう。二つ目の技術である光信号の周波数軸上での高密度化においては、信号を変調速度程度の間隔で周波数軸上に配置すると、実システムにおけるデバイス起因の周波数方向の不確定性などにより、信号が重なり合いキャリア間クロストークが発生し、結果として送信データの情報が失われてしまう。
光信号に重畳する雑音は伝送路上での光アンプにおける自然放出光や送受信器内における熱雑音等の装置に起因するものであって、装置の高性能化を除けば、一般に信号帯域内の雑音の低減あるいは除去を図ることは困難である。したがって、伝送可能な距離を維持しつつ周波数利用効率を上げるためには、光信号の周波数軸上での高密度化が有効であると考えられる。そのため、キャリア間クロストークを除去しつつ光信号の高密度化を図ることができないという問題があった。
主に無線の直接拡散符号分割多元接続システムやMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)システムにおいて、同一周波数帯において重畳し、干渉となる信号の影響を除去する方法としては、逐次干渉除去法が挙げられる(例えば、非特許文献1参照)。逐次干渉除去法では、同一周波数帯において重畳し干渉となる信号を、受信器側で、レプリカ信号として再生し、目的信号からレプリカ信号を減算し、干渉除去を行う方法である。逐次干渉除去法は、また最尤系列推定法より信号処理量を抑えながら、ゼロ・フォーシング等化やMMSE(Minimum Mean Squared Error)等化より干渉除去性能が高いことが知られている。光通信システムにおいて、光信号の高密度化によるキャリア間クロストークに対し、逐次干渉除去法の概念を用いた干渉除去法は有用であると考えられる。
上記事情に鑑み、本発明は、キャリア間クロストークを除去しつつ、信号品質を向上させる技術の提供を目的としている。
本発明の一態様は、一部の信号帯域が重なり合った複数のキャリアそれぞれから生成されたキャリア信号における干渉信号の波形を整形する波形整形部と、整形された前記干渉信号を前記キャリアのベースバンド信号に変換することによって前記干渉信号のレプリカ信号を生成するレプリカ生成部と、前記干渉信号と異なる、干渉信号成分の除去対象となるキャリア信号から、生成された前記レプリカ信号を減算することによって前記干渉信号の成分を除去した目的信号を取得するレプリカ減算部と、を備えるクロストーク補償装置である。
本発明の一態様は、上記のクロストーク補償装置であって、前記レプリカ生成部は、前記干渉信号をフーリエ変換するフーリエ変換部と、前記フーリエ変換がなされた前記干渉信号に対して、前記干渉信号に関する事前情報から得られるチャネル応答行列を乗算するチャネル応答乗算部と、チャネル応答行列が乗算された前記干渉信号を逆フーリエ変換することによって、チャネル応答を反映したレプリカ信号を生成する逆フーリエ変換部とを備える。
本発明の一態様は、上記のクロストーク補償装置であって、前記レプリカ生成部は、スプリットステップフーリエ法を用いて前記レプリカ信号を生成する。
本発明の一態様は、上記のクロストーク補償装置であって、前記レプリカ減算部は、適応フィルタを用いて前記目的信号を取得する。
本発明の一態様は、上記のクロストーク補償装置であって、前記干渉信号の誤り訂正復号を行う誤り訂正復号部をさらに備え、前記レプリカ生成部は、誤り訂正復号がなされた前記干渉信号から前記レプリカ信号を生成する。
本発明の一態様は、上記のクロストーク補償装置であって、前記レプリカ減算部は、偏波多重又はモード多重された信号における水平偏波信号及び垂直偏波信号それぞれから目的信号を取得する。
本発明の一態様は、一部の信号帯域が重なり合った複数のキャリアそれぞれから生成されたキャリア信号における干渉信号の波形を整形する波形整形ステップと、整形された前記干渉信号を前記キャリアのベースバンド信号に変換することによって前記干渉信号のレプリカ信号を生成するレプリカ生成ステップと、前記干渉信号と異なる、干渉信号成分の除去対象となるキャリア信号から、生成された前記レプリカ信号を減算することによって前記干渉信号の成分を除去した目的信号を取得するレプリカ減算ステップと、を有するクロストーク除去方法である。
本発明により、キャリア間クロストークを除去しつつ、信号品質を向上させることが可能となる。
本発明における光信号伝送システム100のシステム構成を示す図である。 第1実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10の機能構成を表す概略ブロック図である。 第1実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10の処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10のレプリカ生成部103の構成図である。 第2実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10の処理の流れを示すフローチャートである。 第3実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10のレプリカ生成部103の構成図である。 第3実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10の処理の流れを示すフローチャートである。 第4実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10のレプリカ減算部105の構成図である。 第4実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10の処理の流れを示すフローチャートである。 第5実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10aの機能構成を表す概略ブロック図である。 第5実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10aの処理の流れを示すフローチャートである。 第6実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10bの機能構成を表す概略ブロック図である。 第6実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10bの処理の流れを示すフローチャートである。 第7実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10cの機能構成を表す概略ブロック図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明における光信号伝送システム100のシステム構成を示す図である。
光信号伝送システム100は、デジタル処理回路1(1−1及び1−2)、光源2(2−1及び2−2)、光変調器3(3−1及び3−2)、光信号入力部4、光信号出力部5、光伝送路6、局発光源7(7−1及び7−2)、光受信器8(8−1及び8−2)及びキャリア間クロストーク補償装置10を備える。
デジタル処理回路1、光源2及び光変調器3は、光送信装置として構成される。デジタル処理回路1、光源2及び光変調器3は、1台の光送信装置として構成されてもよいし、複数の光送信装置として構成されてもよい。デジタル処理回路1、光源2及び光変調器3が複数の光送信装置として構成される場合、デジタル処理回路1−1と、光源2−1と、光変調器3−1は第1光送信装置として構成され、デジタル処理回路1−2と、光源2−2と、光変調器3−2は第2光送信装置として構成される。また、光信号入力部4、光信号出力部5及び光伝送路6は、被測定物として構成される。なお、以下の説明では、光変調器3の変調周波数を32Gbaudと仮定し、32GHz以下の帯域に2つのキャリア(キャリア1及びキャリア2)を配置した場合を例に説明する。
デジタル処理回路1は、バイナリ信号の誤り訂正符号化、バイナリ信号の任意の変調方式へのマッピング及びマッピングされた信号の波形整形などの処理を行う。
光源2は、所定の搬送波周波数の光を送出する。例えば、光源2−1は、キャリア1の光を送出する。光源2−2は、キャリア2の光を送出する。
光変調器3は、デジタル処理回路1から出力された信号に応じて、光源2から送出された光を変調することによって変調信号光を生成する。光変調器3は、生成した変調信号光を光信号入力部4に出力する。
光信号入力部4は、複数の変調信号光を光伝送路6に入力する。
光信号出力部5は、光伝送路6から出力された光信号を分離する。
光伝送路6は、光信号の伝送に使用される媒体である。光伝送路6は、シングルコアファイバであってもよいし、マルチコアファイバであってもよい。
局発光源7は、局発光を送出する。
光受信器8は、光信号出力部5から出力された光信号と、局発光源7から送出された局発光とを干渉させ、中間周波数帯の電気信号に変換して検波する。光受信器8−1は、光変調器3−1から出力された変調信号光と、局発光源7−1から送出された局発光とを干渉させ、中間周波数帯の電気信号に変換して検波する。光受信器8−2は、光変調器3−2から出力された変調信号光と、局発光源7−2から送出された局発光とを干渉させ、中間周波数帯の電気信号に変換して検波する。
キャリア間クロストーク補償装置10は、光受信器8によって検波された電気信号に重畳されている干渉信号の成分を除去することによって、干渉信号の成分を除去した信号(以下、「目的信号」という。)を取得する。図1に示す例では、キャリア1とキャリア2との周波数間隔が32GHz以下であるため、互いにクロストークが発生する。そこで、以下では、キャリア2に重畳したキャリア1の成分を除去してキャリア1の成分を取得する場合を例に説明する。つまり、以下の説明では、光受信器8−1から出力された信号を干渉信号と記載する。
以下、本発明における光信号伝送システム100の具体的な構成例(第1実施形態〜第7実施形態)について説明する。
(第1実施形態)
図2は、第1実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10の機能構成を表す概略ブロック図である。
キャリア間クロストーク補償装置10は、波形整形部101、シンボル判定部102、レプリカ生成部103、周波数シフト部104及びレプリカ減算部105を備える。
波形整形部101は、干渉信号に対して送受信時や伝送時に受けた波形歪みを整形する。
シンボル判定部102は、干渉信号の変調方式に応じたシンボル判定を行う。ここでのシンボル判定とは、例えばBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調方式の場合、時系列信号の識別点において、1又は−1の信号へ硬判定を行うことを意味する。
レプリカ生成部103は、シンボル判定がなされた干渉信号をキャリアのベースバンド信号に変換することによって、干渉信号のレプリカ信号を生成する。
周波数シフト部104は、生成されたレプリカ信号に対して周波数シフト演算を行う。
レプリカ減算部105は、周波数シフト演算がなされたレプリカ信号と、光受信器8−2から出力された、干渉信号成分の除去対象となる信号(以下、「干渉成分除去対象信号」という。)とに基づいて目的信号を取得する。
図3は、第1実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10の処理の流れを示すフローチャートである。
波形整形部101は、干渉信号の波形を整形する(ステップS101)。シンボル判定部102は、整形された干渉信号のシンボル判定を行う(ステップS102)。レプリカ生成部103は、シンボル判定がなされた干渉信号をキャリアのベースバンド信号に変換することによって、干渉信号のレプリカ信号を生成する(ステップS103)。周波数シフト部104は、レプリカ信号に対して周波数シフト演算を行う(ステップS104)。具体的には、周波数シフト部104は、下記の式(1)のスカラーc(n)をレプリカ信号の各シンボルに乗算することによってレプリカ信号に対して周波数シフト演算を行う。
Figure 2017011577
式(1)においてΔfは光周波数軸上のキャリア間周波数差、nはサンプル番号、Δtはサンプリング間隔を表す。その後、レプリカ減算部105は、干渉成分除去対象信号から、周波数シフト演算がなされたレプリカ信号の成分を減算することによって目的信号を取得する(ステップS105)。
以上のように構成されたキャリア間クロストーク補償装置10によれば、キャリア間クロストークを除去しつつ、信号品質を向上させることが可能となる。以下、この効果について詳細に説明する。
キャリア間クロストーク補償装置10は、干渉信号のレプリカ信号を生成する。そして、キャリア間クロストーク補償装置10は、干渉成分除去対象信号からレプリカ信号の成分を除去することによって目的信号を取得する。そのため、キャリア間クロストークを除去しつつ、信号品質を向上させることが可能になる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、レプリカ生成部103が、干渉信号に関する事前情報を用いて干渉信号のレプリカ信号を生成する。なお、第2実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10の構成は、レプリカ生成部103の構成を除けば第1実施形態のキャリア間クロストーク補償装置10と同様の構成である。そのため、レプリカ生成部103の構成についてのみ説明する。
図4は、第2実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10のレプリカ生成部103の構成図である。
第2実施形態におけるレプリカ生成部103は、フーリエ変換部201、チャネル応答算出部202、チャネル応答乗算部203及び逆フーリエ変換部204を備える。
フーリエ変換部201は、シンボル判定部102から出力された干渉信号に対してフーリエ変換を行う。
チャネル応答算出部202は、干渉信号に関する事前情報に基づいてチャネル応答を算出する。ここで、干渉信号に関する事前情報とは、光送信装置内での帯域制限フィルタ形状、光変調器、アナログデジタル変換器などの電気装置、あるいは光伝送路上の光フィルタなどの光デバイスの帯域制限を考慮したチャネル応答行列である。事前情報は、光信号伝送システム100構築の際に予め測定することで既知とすることができる。
チャネル応答乗算部203は、フーリエ変換がなされた干渉信号と、チャネル応答とを乗算する。
逆フーリエ変換部204は、乗算された信号に対して逆フーリエ変換を行う。
図5は、第2実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図3と同様の処理については、図5において図3と同様の符号を付して説明を省略する。
ステップS102の処理が終了すると、フーリエ変換部201は干渉信号に対してフーリエ変換を行う(ステップS201)。この処理によって、干渉信号が周波数軸のスペクトルに変換される。また、チャネル応答算出部202は、干渉信号に関する事前情報を用いてチャネル応答を算出する(ステップS202)。ここで言及する事前情報とは、例えばパイロット信号などを指す。パイロット信号を使用すればチャネル応答は容易に推定される。推定されるチャネル応答とは、電気装置や光デバイスがK個あり、それぞれのチャネル応答がH(ω)と表されるとすると、以下の式(2)に基づいて算出される全体のチャネル応答H(ω)である。
Figure 2017011577
チャネル応答乗算部203は、フーリエ変換がなされた干渉信号F(s)と、チャネル応答H(ω)とを乗算する(ステップS203)。その後、逆フーリエ変換部204は、以下の式(3)に示すように、乗算結果に対して逆フーリエ変換を行うことによって事前情報である全体のチャネル応答H(ω)を反映したレプリカ信号s’を生成する(ステップS204)。その後、ステップS104以降の処理が実行される。
Figure 2017011577
以上のように構成されたキャリア間クロストーク補償装置10によれば、第1実施形態と比べて、キャリア間クロストークを除去しつつ、信号品質を向上させることが可能となる。より同様の効果を得ることができる。以下、この効果について詳細に説明する。
第2実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10は、干渉信号のレプリカ信号を生成する。この点について、第2の実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10は、干渉信号に関する事前情報を用いてレプリカ信号を生成する。したがって、より干渉信号に成分が近いレプリカ信号を生成することができる。そして、キャリア間クロストーク補償装置10は、干渉成分除去対象信号からレプリカ信号の成分を除去することによって目的信号を取得する。そのため、キャリア間クロストークを除去しつつ、信号品質を向上させることが可能になる。
<変形例>
第2実施形態では、チャネル応答H(ω)の乗算を周波数領域で行う構成を示したが、レプリカ生成部103は以下のような処理を行うことによってレプリカ信号を生成してもよい。例えば、レプリカ生成部103は、チャネル応答H(ω)を逆フーリエ変換して得られるチャネル応答を入力信号に対し畳み込み演算することによって時間領域にてレプリカ信号を生成する。
(第3実施形態)
第3実施形態では、レプリカ生成部103が、スプリットステップフーリエ法を用いて干渉信号のレプリカ信号を生成する。一般に、光伝送路6の一種である光ファイバを伝搬中の光パルス波形の変遷は、非線形シュレディンガー方程式により記述される。非線形シュレディンガー方程式は解析解を持たない為、光パルスの解析を目的としたシミュレーションを行うときには、光ファイバを短いセクションがP個連結したファイバとみなし、線形演算と非線形演算を交互に行い近似解を求めるスプリットステップフーリエ法が用いられる。そこで、第3実施形態では、スプリットステップフーリエ法を用いる。なお、第3実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10の構成は、レプリカ生成部103の構成を除けば第1実施形態のキャリア間クロストーク補償装置10と同様の構成である。そのため、レプリカ生成部103の構成についてのみ説明する。
図6は、第3実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10のレプリカ生成部103の構成図である。
レプリカ生成部103は、フーリエ変換部301、線形演算部302、逆フーリエ変換部303及び非線形演算部304を備える。
フーリエ変換部301は、シンボル判定部102から出力された干渉信号に対してフーリエ変換を行う。なお、シンボル判定部102から出力された干渉信号がインパルス列となっている場合には、フーリエ変換部301はゼロ挿入や波形整形などを施し、ベースバンド信号化した後にフーリエ変換を行う。
線形演算部302は、フーリエ変換がなされた干渉信号に対してスプリットステップフーリエ法における線形演算を行う。
逆フーリエ変換部303は、線形演算がなされた信号に対して逆フーリエ変換を行う。
非線形演算部304は、逆フーリエ変換がなされた信号に対してスプリットステップフーリエ法における非線形演算を行う。
図7は、第3実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図3と同様の処理については、図7において図3と同様の符号を付して説明を省略する。
ステップS102の処理が終了すると、フーリエ変換部301は干渉信号に対してフーリエ変換を行う(ステップS301)。この処理によって、入力された信号が周波数軸のスペクトルに変換される。線形演算部302は、フーリエ変換がなされた干渉信号に対して線形演算を行う(ステップS302)。具体的には、線形演算部302は、光伝送路6における波長分散D(ω)を算出する。そして、線形演算部302は、フーリエ変換がなされた信号に対して波長分散D(ω)を乗算する。逆フーリエ変換部303は、線形演算された信号(乗算結果)に対して逆フーリエ変換を行うことによって、波長分散D(ω)の影響を受けて波形が変化した信号に変換する(ステップS303)。この処理の関係は、以下の式(4)のように表される。
Figure 2017011577
次に、非線形演算部304は、逆フーリエ変換がなされた信号に対して非線形演算を行う(ステップS304)。具体的には、非線形演算部304は、逆フーリエ変換がなされた信号に対して、光カー効果による位相回転の効果を与え、以下の式(5)に基づいて干渉信号のレプリカ信号を生成する。
Figure 2017011577
式(5)においてγは非線形定数、θは光パワーに応じた値(光パワーに比例)を表す。その後、非線形演算部304は、所定の回数、ステップS301からステップS304までの処理が行なわれたか否か判定する(ステップS305)。ここで、所定の回数とは、光伝送路6を短いセクションが複数連結したファイバとみなした場合のセクションの数である。本実施形態では、所定の回数はP回である。つまり、非線形演算部304は、P回、ステップS301からステップS304までの処理が行なわれたか否か判定する。所定の回数、ステップS301からステップS304までの処理が行なわれた場合(ステップS305−YES)、ステップS104以降の処理が実行される。
一方、所定の回数、ステップS301からステップS304までの処理が行なわれていない場合(ステップS305−NO)、ステップS301以降の処理が繰り返し実行される。
以上のように構成されたキャリア間クロストーク補償装置10によれば、キャリア間クロストークを除去しつつ、信号品質を向上させることが可能となる。以下、この効果について詳細に説明する。
第3実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10は、干渉信号のレプリカ信号を生成する。この点について、第3の実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10は、スプリットステップフーリエ法を用いてレプリカ信号を生成する。したがって、光伝送路を伝搬中の光パルス波形を精度よく再現することができる。そして、キャリア間クロストーク補償装置10は、干渉成分除去対象信号からレプリカ信号の成分を除去することによって目的信号を取得する。そのため、第1実施形態と比べて、キャリア間クロストークを除去しつつ、信号品質を向上させることが可能になる。
(第4実施形態)
上記の第1実施形態から第3実施形態では、干渉成分除去対象信号から干渉信号のレプリカ信号を単純に減算する構成であったが、第4実施形態では適応フィルタを用いて干渉成分除去対象信号から干渉信号のレプリカ信号を減算する。なお、第4実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10の構成は、レプリカ減算部105の構成を除けば第1実施形態から第3実施形態のいずれかのキャリア間クロストーク補償装置10と同様の構成である。そのため、レプリカ減算部105の構成についてのみ説明する。
図8は、第4実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10のレプリカ減算部105の構成図である。
レプリカ減算部105は、タップ演算部401、エラー計算部402及びタップ更新部403を備える。
タップ演算部401は、入力信号に対して複素数のタップを乗算する。ここで、入力信号は、周波数シフト部104から出力された入力信号s1及び干渉成分除去対象信号s2である。
エラー計算部402は、希望信号vからの目的信号に対するエラーを算出する。希望信号vは、トレーニング信号などの既知のパターンから算出されてもよいし、目的信号を基に推定してもよい。
タップ更新部403は、LMS(Least Mean Square)法と、エラー計算部402によって算出されたエラーとを用いてタップを更新する。
図9は、第4実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図3と同様の処理については、図9において図3と同様の符号を付して説明を省略する。
タップ演算部401は、入力信号s1に対してタップw1、入力信号s2に対してタップw2をそれぞれ乗算する(ステップS401)。ここで、タップの初期値の絶対値は、目的信号に乗算されるタップw2の値がレプリカ信号に乗算されるタップw1の値より高い。そして、タップ演算部401は、以下の式(6)に基づいて目的信号s3を生成する(ステップS402)。
Figure 2017011577
タップ演算部401によって生成された目的信号s3は、外部装置に出力されるとともに、エラー計算部402に入力される。エラー計算部402は、入力された目的信号s3に対するエラーerrを外部から入力された希望信号vを用いて、以下の式(7)に基づいて算出する(ステップS403)。
Figure 2017011577
その後、タップ更新部403は、LMS法と、エラー計算部402によって算出されたエラーerrとを用いて、以下の式(8)に基づいてタップw(iは1以上の整数)を更新する(ステップS404)。ただし、式(8)においてμはステップサイズパラメータである。
Figure 2017011577
以上のように構成されたキャリア間クロストーク補償装置10によれば、キャリア間クロストークを除去しつつ、信号品質を向上させることが可能となる。以下、この効果について詳細に説明する。
第4実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10は、干渉信号のレプリカ信号を生成する。そして、キャリア間クロストーク補償装置10は、干渉成分除去対象信号からレプリカ信号の成分を除去することによって目的信号を取得する。この点について、一般に信号は位相の不定性があり、また事前情報を用いてレプリカ信号を生成していたとしても、光伝送路6の予期せぬ時間変動などが影響して、キャリア間クロストーク補償の精度が劣化することが考えられる。そこで、第4の実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10は、レプリカ信号を単純に減算するのではなく、適応フィルタを用いて目的信号からレプリカ信号を減算する処理を行う。そのため、キャリア間クロストークを除去しつつ、信号品質を向上させることが可能になる。
<変形例>
本実施形態では、LMS法を例に適応フィルタの更新を行う構成を示したが、キャリア間クロストーク補償装置10はRLS(Recursive Least Square)法や独立成分分析などの方法を用いて適応フィルタの更新を行うように構成されてもよい。
(第5実施形態)
第5実施形態では、キャリア間クロストーク補償装置が、波形歪みが整形された信号に対して誤り訂正復号を行う。
図10は、第5実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10aの機能構成を表す概略ブロック図である。
キャリア間クロストーク補償装置10aは、波形整形部101、シンボル判定部102a、レプリカ生成部103、周波数シフト部104、レプリカ減算部105及び誤り訂正復号部106を備える。
キャリア間クロストーク補償装置10aは、シンボル判定部102に代えてシンボル判定部102aを備える点、誤り訂正復号部106を新たに備える点でキャリア間クロストーク補償装置10と構成が異なる。キャリア間クロストーク補償装置10aは、他の構成についてはキャリア間クロストーク補償装置10と同様である。そのため、キャリア間クロストーク補償装置10a全体の説明は省略し、シンボル判定部102a及び誤り訂正復号部106について説明する。
誤り訂正復号部106は、波形整形部101から出力された信号に対して誤り訂正復号を行う。誤り訂正符号としてはブロック型と畳み込み型に大別され、一般にブロック符号型誤り訂正復号は、シンボルではなくバイナリ信号を一般に入力対象とする。そこで、誤り訂正符号としてブロック型を採用する場合には、誤り訂正復号部106は初めに、入力シンボルをバイナリ信号へ変換し、誤り訂正復号を実行し、再度バイナリ信号をシンボルのマッピングを行う。
シンボル判定部102aは、誤り訂正復号がなされた信号の変調方式に応じたシンボル判定を行う。
図11は、第5実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10aの処理の流れを示すフローチャートである。なお、図3と同様の処理については、図11において図3と同様の符号を付して説明を省略する。
ステップS101の処理が終了すると、誤り訂正復号部106は波形整形部101から出力された信号に対して誤り訂正復号を行う(ステップS501)。シンボル判定部102aは、誤り訂正復号がなされた信号の変調方式に応じたシンボル判定を行う(ステップS502)。
以上のように構成されたキャリア間クロストーク補償装置10aでは、第1の実施形態から第4の実施形態のいずれか同様の効果を得ることができる。
また、干渉信号の波形整形を行ったとしても、目的信号に干渉信号が重畳しているのと同様、干渉信号にも目的信号が重畳している為、波形整形部101の出力信号をそのままシンボル判定したとしても、シンボル判定誤りが発生し、キャリア間クロストーク補償性能が劣化することが考えられる。それに対して、キャリア間クロストーク補償装置10aでは、波形整形部101の出力信号に対し、誤り訂正復号化を行うことでシンボル判定誤りが発生する頻度を下げ、キャリア間クロストーク補償性能を向上させることができる。
(第6実施形態)
第6実施形態では、キャリア間クロストーク補償装置が、シングルモードファイバにおける偏波多重信号やマルチモードファイバにおけるモード多重信号に対してキャリア間クロストークの除去を行う。例えば、シングルモードファイバにおける偏波多重信号やマルチモードファイバにおけるモード多重信号では、X偏波(水平偏波)とY偏波(垂直偏波)の信号を持つ。そこで、第6実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置では、X偏波(水平偏波)とY偏波(垂直偏波)の信号それぞれに対してキャリア間クロストークを除去する処理を行う。以下の説明では、光受信器8−1から出力されたX偏波の信号を干渉水平偏波信号と記載し、光受信器8−1から出力されたY偏波の信号を干渉垂直偏波信号と記載する。また、干渉信号成分の除去対象となるX偏波の信号を干渉水平偏波成分除去対象信号と記載し、干渉信号成分の除去対象となるY偏波の信号を干渉垂直偏波成分除去対象信号と記載する。
図12は、第6実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10bの機能構成を表す概略ブロック図である。
キャリア間クロストーク補償装置10bは、波形整形部110、シンボル判定部111、レプリカ生成部112、周波数シフト部113、シンボル判定部114、レプリカ生成部115、周波数シフト部116及びレプリカ減算部117を備える。
波形整形部110は、光伝送路6伝搬中に生じた偏波カップリングなどの影響を取り除く為に干渉水平偏波信号と干渉垂直偏波信号をそれぞれ整形する。干渉水平偏波信号は、シンボル判定部111に入力される。干渉垂直偏波信号は、シンボル判定部114に入力される。
シンボル判定部111は、干渉水平偏波信号の変調方式に応じたシンボル判定を行う。
レプリカ生成部112は、シンボル判定がなされた干渉水平偏波信号をキャリアのベースバンド信号に変換することによって干渉水平偏波レプリカ信号を生成する。
周波数シフト部113は、生成された干渉水平偏波レプリカ信号に対して周波数シフト演算を行う。
シンボル判定部114は、干渉垂直偏波信号の変調方式に応じたシンボル判定を行う。
レプリカ生成部115は、シンボル判定がなされた干渉垂直偏波信号をキャリアのベースバンド信号に変換することによって干渉垂直偏波レプリカ信号を生成する。
周波数シフト部116は、生成された干渉垂直偏波レプリカ信号に対して周波数シフト演算を行う。
レプリカ減算部117は、周波数シフト演算がなされた干渉水平偏波レプリカ信号及び干渉垂直偏波レプリカ信号と、干渉水平偏波成分除去対象信号及び干渉垂直偏波成分除去対象信号とに基づいて、水平偏波目的信号及び垂直偏波目的信号をそれぞれ取得する。
図13は、第6実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10bの処理の流れを示すフローチャートである。
波形整形部110は、干渉水平偏波信号と干渉垂直偏波信号とをそれぞれ整形する(ステップS601)。波形整形部110は、整形した干渉水平偏波信号をシンボル判定部111に出力し、整形した干渉垂直偏波信号をシンボル判定部114に出力する。ステップS602〜ステップS605と、ステップS606〜ステップS609とは、並列に処理が行なわれる。
シンボル判定部111は、干渉水平偏波信号の変調方式に応じたシンボル判定を行う(ステップS602)。レプリカ生成部112は、シンボル判定がなされた干渉水平偏波信号をキャリアのベースバンド信号に変換することによって干渉水平偏波レプリカ信号を生成する(ステップS603)。周波数シフト部113は、生成された干渉水平偏波レプリカ信号に対して周波数シフト演算を行う(ステップS604)。レプリカ減算部117は、周波数シフト演算がなされた干渉水平偏波レプリカ信号と、干渉水平偏波成分除去対象信号とに基づいて水平偏波目的信号を取得する(ステップS605)。具体的には、レプリカ減算部117は、干渉水平偏波成分除去対象信号から干渉水平偏波レプリカ信号を減算することによって水平偏波目的信号を取得する。
シンボル判定部114は、干渉垂直偏波信号の変調方式に応じたシンボル判定を行う(ステップS606)。レプリカ生成部115は、シンボル判定がなされた干渉垂直偏波信号をキャリアのベースバンド信号に変換することによって干渉垂直偏波レプリカ信号を生成する(ステップS607)。周波数シフト部116は、生成された干渉垂直偏波レプリカ信号に対して周波数シフト演算を行う(ステップS608)。レプリカ減算部117は、周波数シフト演算がなされた干渉垂直偏波レプリカ信号と、干渉垂直偏波成分除去対象信号とに基づいて垂直偏波目的信号を取得する(ステップS609)。具体的には、レプリカ減算部117は、干渉垂直偏波成分除去対象信号から干渉垂直偏波レプリカ信号を減算することによって垂直偏波目的信号を取得する。
以上のように構成された偏波多重信号やモード多重信号に対しても、キャリア間クロストークを除去しつつ、信号品質を向上させることが可能となる。以下、この効果について詳細に説明する。
キャリア間クロストーク補償装置10bは、水平偏波信号及び垂直偏波信号のそれぞれに対して、第1の実施形態における処理と同様の処理を行う。そのため、偏波多重信号やモード多重信号に対しても、キャリア間クロストークを除去しつつ、信号品質を向上させることが可能になる。
<変形例>
キャリア間クロストーク補償装置10bにおけるレプリカ生成部112及びレプリカ生成部115は、第2実施形態及び第3実施形態に示すレプリカ生成部103の構成であってもよい。
(第7実施形態)
第7実施形態では、2つのキャリア(キャリア1及びキャリア2)に対しキャリア間クロストーク補償を交互に繰り返し行う。
図14は、第7実施形態におけるキャリア間クロストーク補償装置10cの機能構成を表す概略ブロック図である。
キャリア間クロストーク補償装置10cは、波形整形部120、シンボル判定部121、レプリカ生成部122、周波数シフト部123、レプリカ減算部124、シンボル判定部125、レプリカ生成部126、周波数シフト部127及びレプリカ減算部128を備える。
波形整形部120は、光受信器8−1から出力された信号に対して、送受信時や伝送時に受けた波形歪みを整形する。
シンボル判定部121は、変調方式に応じたシンボル判定を行う。また、シンボル判定部121は、レプリカ減算部128から目的信号が入力された場合、入力された目的信号の変調方式に応じたシンボル判定を行う。
レプリカ生成部122は、シンボル判定がなされた信号をキャリアのベースバンド信号に変換することによってレプリカ信号を生成する。
周波数シフト部123は、生成されたレプリカ信号に対して周波数シフト演算を行う。
レプリカ減算部124は、周波数シフト演算がなされたレプリカ信号と、光受信器8−2から出力された信号(キャリア2)とに基づいて、干渉信号を除去した目的信号を取得する。レプリカ減算部124は、取得した目的信号をシンボル判定部125及び外部装置に出力する。
シンボル判定部125は、入力された目的信号の変調方式に応じたシンボル判定を行う。
レプリカ生成部126は、シンボル判定がなされた信号をキャリアのベースバンド信号に変換することによってレプリカ信号を生成する。
周波数シフト部127は、生成されたレプリカ信号に対して周波数シフト演算を行う。
レプリカ減算部128は、周波数シフト演算がなされたレプリカ信号と、光受信器8−1から出力された信号(キャリア1)とに基づいて、干渉信号を除去した目的信号を取得する。レプリカ減算部128は、取得した目的信号をシンボル判定部121及び外部装置に出力する。
以上のように構成されたキャリア間クロストーク補償装置10cによれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、キャリア間クロストーク補償装置10cでは、複数のキャリアにおける目的信号を取得することが可能となる。以下、この効果について具体的に説明する。
キャリア間クロストーク補償装置10cでは、目的信号が取得されたキャリアの目的信号が、他のキャリアの目的信号の取得に利用される。このように、循環的に複数のキャリアにおける目的信号を取得することが可能になる。
上記の各実施形態における共通する変形例について説明する。
上記の各実施形態では、キャリア数が2つの場合を例に説明したが、キャリア数は3つ以上であってもよい。
上記の各実施形態では、光信号伝送システムを例に説明したが、本発明における技術は無線LAN(Local Area Network)システム、携帯電話システム、衛星通信システム等、信号を送る手段としてキャリアを用いるシステムであれば同様に適用可能である。
上記の各実施形態における光信号伝送システム100は、シングルモードファイバを用いる光伝送システムにおける、直交する2つの偏波モードを利用した偏波多重通信や、マルチモードファイバを用いる光伝送システムにおける、複数のモードを利用したモード多重通信においても適用可能である。
なお、本発明のキャリア間クロストーク補償装置10(10、10a、10b及び10c)の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、キャリア間クロストーク補償装置10(10、10a、10b及び10c)の各処理に係る上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1(1−1、1−2)…デジタル処理回路,2(2−1、2−2)…光源,3(3−1、3−2)…,4…光信号入力部,5…光信号出力部,6…光伝送路,7(7−1、7−2)…局発光源,8(8−1、8−2)…光受信器,10…キャリア間クロストーク補償装置, 101、110、120…波形整形部, 102、102a、111,114、121、125…シンボル判定部, 103、112、115、122、126…レプリカ生成部, 104、113、116、123、127…周波数シフト部, 105、117、124、128…レプリカ減算部, 106…誤り訂正復号部, 201…フーリエ変換部, 202…チャネル応答算出部, 203…チャネル応答乗算部, 204…逆フーリエ変換部, 301…フーリエ変換部, 302…線形演算部, 303…逆フーリエ変換部, 304…非線形演算部, 401…タップ演算部, 402…エラー計算部, 403…タップ更新部

Claims (7)

  1. 一部の信号帯域が重なり合った複数のキャリアそれぞれから生成されたキャリア信号における干渉信号の波形を整形する波形整形部と、
    整形された前記干渉信号を前記キャリアのベースバンド信号に変換することによって前記干渉信号のレプリカ信号を生成するレプリカ生成部と、
    前記干渉信号と異なる、干渉信号成分の除去対象となるキャリア信号から、生成された前記レプリカ信号を減算することによって前記干渉信号の成分を除去した目的信号を取得するレプリカ減算部と、
    を備えるクロストーク補償装置。
  2. 前記レプリカ生成部は、前記干渉信号をフーリエ変換するフーリエ変換部と、前記フーリエ変換がなされた前記干渉信号に対して、前記干渉信号に関する事前情報から得られるチャネル応答行列を乗算するチャネル応答乗算部と、チャネル応答行列が乗算された前記干渉信号を逆フーリエ変換することによって、チャネル応答を反映したレプリカ信号を生成する逆フーリエ変換部とを備える、請求項1に記載のクロストーク補償装置。
  3. 前記レプリカ生成部は、スプリットステップフーリエ法を用いて前記レプリカ信号を生成する、請求項1に記載のクロストーク補償装置。
  4. 前記レプリカ減算部は、適応フィルタを用いて前記目的信号を取得する、請求項1に記載のクロストーク補償装置。
  5. 前記干渉信号の誤り訂正復号を行う誤り訂正復号部をさらに備え、
    前記レプリカ生成部は、誤り訂正復号がなされた前記干渉信号から前記レプリカ信号を生成する、請求項1又は4に記載のクロストーク補償装置。
  6. 前記レプリカ減算部は、偏波多重又はモード多重された信号における水平偏波信号及び垂直偏波信号それぞれから目的信号を取得する、請求項1に記載のクロストーク補償装置。
  7. 一部の信号帯域が重なり合った複数のキャリアそれぞれから生成されたキャリア信号における干渉信号の波形を整形する波形整形ステップと、
    整形された前記干渉信号を前記キャリアのベースバンド信号に変換することによって前記干渉信号のレプリカ信号を生成するレプリカ生成ステップと、
    前記干渉信号と異なる、干渉信号成分の除去対象となるキャリア信号から、生成された前記レプリカ信号を減算することによって前記干渉信号の成分を除去した目的信号を取得するレプリカ減算ステップと、
    を有するクロストーク除去方法。
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