JP2017009114A

JP2017009114A - 摩擦コーティング型構成要素を有するボールジョイント組立体及び規定間隙を有するボールジョイント組立体を組み立てる方法

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Publication number: JP2017009114A
Application number: JP2016118733A
Authority: JP
Inventors: ジンホン・ユー; Jinghong Yu; ペーター・ジー・ラングセス・ザ・サード; G Langseth Peter Iii; トッド・フィッツ; Fitz Todd; エリック・ジェー・ウォーカー; J Walker Eric; ジェームズ・ダブリュー・ポスト・ザ・セカンド; James W Ii Post; ベアント・グランネマン; Grannemann Bernd; マルティン・レヒティアン; Rechtien Martin
Original assignee: ZF Friedrichshafen AG; Honda Motor Co Ltd
Current assignee: ZF Friedrichshafen AG; Honda Motor Co Ltd
Priority date: 2015-06-16
Filing date: 2016-06-15
Publication date: 2017-01-12
Anticipated expiration: 2036-06-15
Also published as: JP6725332B2; CN106257069B; EP3106688B1; US20160369837A1; US10247228B2; EP3106688A1; CN106257069A

Abstract

【課題】ボールジョイントが、温度の変動と、高い常用荷重の下でのボールスタッドとボールレースとの間の連続的な相対運動と、の双方で安定的な摩擦トルクを有することを可能にする表面コーティングを有するボールジョイントを提供する。
【解決手段】ボールジョイント組立体１００は、キャビティ１０６を少なくとも部分的に規定するハウジング１０４を含んでいる。ボールスタッドが、キャビティ内に配置されたヘッド部分１１２と、ヘッド部分から延在するシャフト１１８と、を含んでいる。内面を有するボールレース１０８が、ボールレースの内面とヘッド部分の外面との間に接触面を規定するためにキャビティ内に配置されている。固体摩擦コーティング１０２が、接触面内に配置されている。固体摩擦コーティングが、ボールレースの内面及び／又はボールスタッドのヘッド部分の外面に連結されている。
【選択図】図２

Description

本開示は、ボールジョイント組立体に関し、より具体的に１つ以上の摩擦コーティング型構成要素を有するボールジョイント組立体、及びボールジョイント組立体内で規定間隙を有するボールジョイント組立体を組み立てるための方法に関する。

ボールジョイントは、さまざまな機械的システム、例えば自動車用シャーシシステム、航空機着陸ギアシステム及び農機具で広く使用されている。ボールジョイントの基本的な機能は、２つの機械的パーツをともに接続する一方で相対的な回転又は揺動運動を可能にすることである。摩擦トルクが、通常機械的干渉に起因して、任意のボールジョイントに存在する。ボールジョイント内の摩擦トルクが、機械的システムの動的挙動にしばしばネガティブな影響を有するので、通常、このような摩擦トルクを最小化又は減少させることが望まれる。しかしながら、ある組立体では、ボールジョイント内の摩擦トルクは、ボールジョイント構成要素間の相対運動を減衰させるか又は相対運動への抵抗を付加することに役立つ。このようなケースでは、安定的、予測可能かつ制御可能な摩擦トルクが望まれる。

従来のボールジョイントは、ハウジングによって規定されたキャビティ内に配置されたボールスタッドを標準的に含んでいる。ボールレースが、ハウジングの第１端部においてキャビティ内に配置され、且つボールスタッドのボール部分と協働するように構成されている。グリース又は別の液体潤滑剤が、ボールスタッドとボールレースとの間の摩擦トルクを減少させてボールジョイントの耐久性を改善するために、ボールスタッドのボール部分とボールレースとの間に塗布されている。ある従来のボールジョイントでは、ハウジングの第２端部が、グリース又は他の潤滑剤のハウジングからの望ましくない漏れを防止するために包囲されている。

これら従来のボールジョイントでは、ボールジョイントの摩擦トルク挙動が、グリースの特性の変化とともに変わり、これら特性は、温度及び／又は構成要素に作用する圧力もしくは力によって大きく影響を与えられる可能性がある。多くの従来のボールジョイントでは、ボールスタッド及び／又はボールレースの材料、寸法及び／又は表面粗さが一定である場合、ボールスタッドとボールレースとの間の摩擦係数が、１つ以上の要因、例えばグリース粘性と、ボールスタッドとボールレースとの間の常用荷重と、ボールスタッドとボールレースとの間の相対速度と、に依存する。

これら要因の結果として、多くの従来のボールジョイントの摩擦トルクの確定及び／又は制御には、いくつかの避けられない欠点がある。１つの欠点は、ボールジョイントの摩擦トルクが温度とともに大きく変わることである。通常、温度が下がると、グリース粘性が大きくなり、従って摩擦トルクが大きくなる。第２の欠点は、ボールスタッドとボールレースとの間で付与される常用荷重の下でボールスタッドがボールレースに対して連続的に回転又は揺動するときに、グリース膜厚さが小さくなることと、ボールジョイントの摩擦トルクが時間とともに大きくなることと、である。第３の欠点は、十分なグリース膜が形成される前に、ボールスタッドがボールレースに対して動き始める前にボールスタッドとボールレースとの間の大きくなった摩擦係数に起因して分離摩擦トルクが比較的高くなることである。これらの欠点は、相当な期間の間に高い常用荷重がボールスタッドとボールレースとの間に付与されると、不安定な摩擦トルク、予測不可能もしくは制御不可能な摩擦トルク、並びに／又はボールスタッド及び／もしくはボールレース上でのいくらかの摩耗を引き起こす可能性がある。

従って、ボールジョイントが、温度の変動と、高い常用荷重の下でのボールスタッドとボールレースとの間の連続的な相対運動と、の双方で安定的な摩擦トルクを有することを可能にする表面コーティングを有するボールジョイントが必要とされている。さらに、ボールレースとボールスタッドとの間に付与される所定の常用荷重に対して予測可能なボールジョイントの摩擦トルクであって、ボールレースとボールスタッドとの間で付与される常用荷重を変更することによって制御可能な、摩擦トルクが必要とされている。

一実施形態によれば、ボールジョイント組立体は、キャビティを少なくとも部分的に規定するハウジングを含んでいる。ボールスタッドは、キャビティ内に配置されたヘッド部分と、ボール部分から延在するシャフトと、を含んでいる。内面を有するボールレースは、ボールレースの内面とヘッド部分の外面との間に接触面を規定するようにキャビティ内に配置されている。固体摩擦コーティングは、接触面内に配置されている。固体摩擦コーティングは、ボールレースの内面及び／又はヘッド部分の外面に連結されている。

一実施形態によれば、ボールジョイント組立体は、キャビティを少なくとも部分的に規定するハウジングを含んでいる。ボールスタッドは、キャビティ内に配置されたヘッド部分と、ボール部分から延在するシャフトと、を含んでいる。ボールレースは、キャビティ内に且つボールスタッドのヘッド部分の少なくとも一部分周りに配置されている。固体摩擦コーティングが、ボールレースの内面及び／又はボールスタッドのヘッド部分の外面に塗布されている。ピストンは、キャビティ内に配置されている。ピストンは、ハウジングの第１端部において開口部をシールするように構成されている。少なくとも１つの間隙が、ボールレースの上方部分、ピストンの内面、ボールレースの下方部分及びハウジングの内面のうちの１つ以上の間に規定されている。

一実施形態によれば、ボールジョイントを組み立てる方法が提供される。方法は、キャビティを少なくとも部分的に規定するハウジングを構成するステップを含んでいる。ボールスタッドのヘッド部分は、キャビティ内に配置されている。ボールレースは、ボールスタッドのヘッド部分の少なくとも一部分周りに配置されている。ピストンは、キャビティ内に配置されている。ピストンは、ハウジングの第１端部において開口部をシールするように構成されている。少なくとも１つの間隙が、ボールレースの上方部分、ピストンの内面、ボールレースの下方部分及びハウジングの内面のうちの１つ以上の間に規定されている。

一実施形態によれば、ボールジョイント組立体は、キャビティを少なくとも部分的に規定するハウジングを含んでいる。ボールスタッドは、キャビティ内に配置されたヘッド部分と、ヘッド部分から延在するシャフトと、を含んでいる。ボールレースは、キャビティ内に配置されている。ボールレースは、ボールスタッドのヘッド部分の少なくとも一部分周りに配置されている。固体摩擦コーティングは、ボールレースの内面及びボールスタッドのヘッド部分の外面のうちの少なくとも一方に塗布されている。ピストンは、キャビティ内に配置され、且つハウジングの第１端部において開口部をシールするように構成されている。ハウジングの中心軸は、ハウジングの第１端部とハウジングにおける反対側の第２端部との間に規定されている。中心軸は、ボールジョイントの中心線を通って且つピストンの外面と平行に延伸している。ピストンの内面と中心軸との間の第１角度Ａ１が８度から１５度の間であり、ハウジングの内面と中心軸との間の第２角度Ａ２が８度から１５度の間であり、ボールレースの上方部分と中心軸との間の第３角度Ｂ１が８度から１５度の間であり、ボールレースの下方部分と中心軸との間の第４角度Ｂ２が８度から１５度の間である。第１間隙が、第３角度Ｂ１と第１角度Ａ１との間の角度差を規定し、第２間隙が、第４角度Ｂ２と第２角度Ａ２との間の角度差を規定している。

本開示は、あるパーツ及びパーツの構成において物理的形体をとり、その実施形態は、本明細書において詳細に説明され、本明細書の一部を形成する添付の図面に示されている。

従来技術として示される従来のボールジョイントの部分的な断面図である。固体摩擦コーティングがボールスタッドのヘッド部分に塗布された一実施形態による例示的なボールジョイント組立体の部分的な断面図である。固体摩擦コーティングがボールレースの内面に塗布された一実施形態による例示的なボールジョイント組立体の部分的な断面図である。固体摩擦コーティングがボールスタッドのヘッド部分及びボールレースの内面双方に塗布された一実施形態による例示的なボールジョイント組立体の部分的な断面図である。固体摩擦コーティングを形成する基材からボールレースが形成された一実施形態による例示的なボールジョイント組立体の部分的な断面図である。上方ボールレース及び下方ボールレースを有する一実施形態による例示的なボールジョイント組立体の部分的な断面図である。可動ピストンを有し且つピストンに付与される力を示す一実施形態による例示的なボールジョイント組立体の部分的な断面図である。可動ピストンを有し且つピストンに付与される力を示す一実施形態による例示的なボールジョイント組立体の部分的な断面図である。ボールレースがボールジョイントハウジングの外縁部を越えて延在する一実施形態による例示的なボールジョイント組立体の部分的な断面図である。角度Ａ１を示す、図７に示す例示的なボールジョイント組立体の一部分の断面図である。角度Ａ２を示す、一実施形態による例示的なボールジョイント組立体の一部分の断面図である。角度Ｂ１及び角度Ｂ２を示す、図７に示す例示的なボールジョイント組立体の一部分の断面図である。角度Ｂ１及び角度Ｂ２を示す、図８に示す例示的なボールジョイント組立体の一部分の断面図である。角度Ｂ１と角度Ａ１との間の差を示す、図９に示す例示的なボールジョイント組立体の一部分の断面図である。角度Ｂ１及び角度Ａ１がほぼ同様である一実施形態による例示的なボールジョイント組立体の一部分の断面図である。角度Ａ１と角度Ｂ１との間の差を示す、図９に示す例示的なボールジョイント組立体の一部分の断面図である。角度Ｂ２と角度Ａ２との間の差を示す、図９に示す例示的なボールジョイント組立体の一部分の断面図である。角度Ａ２及び角度Ｂ２がほぼ同様である一実施形態による例示的なボールジョイント組立体の一部分の断面図である。角度Ａ２と角度Ｂ２との間の差を示す、図９に示す例示的なボールジョイント組立体の一部分の断面図である。

本開示の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本開示は、その適用が、以下の説明で明記するか又は添付の図面で示される構成要素の構成及び配置の細部に限定されるものではないことが理解されるべきである。本開示は、他の実施形態とすることが可能であり、且つさまざまな方式で実施又は実行することが可能である。また、本明細書で使用される表現及び学術用語は、説明のためのものであり、限定するものとみなされるべきではないことが理解されるべきである。本明細書での“含む”、“備える”又は“有する”及びそれらの変化形の使用は、後に記載される要素及びその等価物並びに追加的な要素を包含するように意図される。別段の記載又は限定がない限り、“取り付けられている”、“接続されている”、“支持されている”及び“連結されている”との用語及びそれらの変化形は、広く使用され、且つ直接的及び間接的な取付、接続、支持及び連結を包含する。さらに、“接続されている”及び“連結されている”は、物理的又は機械的な接続又は連結に限定されない。

ここで、本開示の実施形態を説明する目的でのみ示され且つ本開示を限定する目的で示されない図面を参照すると、図１は、従来のボールジョイント２０を示しており、図面において、同様の参照符号は、同様の構成要素を参照することが理解される。従来のボールジョイント２０は、ハウジング２６によって規定されたキャビティ２４内に配置されたボールスタッド２２を含んでいる。ボールレース２８が、ハウジング２６の第１端部３０においてキャビティ２４内に配置されている。ボールレース２８は、ボールスタッド２２のヘッド部分３２と協働するように構成されている。液体潤滑剤、例えばオイル又はグリース３４が、ボールスタッド２２とボールレース２８との間に塗布されている。従来のボールジョイント２０内でのグリース３４は、摩擦トルクを減少させてボールジョイント２０の耐久性を改善するように意図されている。しかしながら、従来のボールジョイント２０内でのグリース３４の使用は、比較的高い常用荷重、例えば５０００ニュートンが相当な期間の間にボールスタッド２２とボールレース２８との間に付与されると、不安定な摩擦トルク、予測不可能なもしくは制御不可能な摩擦トルク並びに／又はボールスタッド２２及び／もしくはボールレース２８上でのいくらかの摩擦を助長させるか又は引き起こす。図１に示すように、プラグ３６が、ハウジング２６の第１端部３０に連結され、且つダストブーツ３８が、ダストブーツクリップ４２によってハウジング２６における反対側の第２端部４０に連結されており、これにより、キャビティ２４を包囲してグリース３４のハウジング２６からの望ましくない漏れを防止するか又は制限する。

ここで図２から図１９、具体的に図２から図４を参照すると、ボールジョイント組立体１００の例示的な実施形態は、ボールジョイント組立体１００の１つ以上の構成要素の１つ以上の表面に塗布された固体摩擦コーティング１０２を含んでいる。ある実施形態では、固体摩擦コーティング１０２は、二酸化ケイ素及びポリテトラフルオロエチレンの適切な混合物を含んでいる。しかしながら、代替的な実施形態では、固体摩擦コーティング１０２は、任意の適切な材料もしくは成分、又は当該出願の分野で公知の材料もしくは成分の組み合わせから形成することができる。本明細書で使用される用語“固体”は、固体摩擦コーティングがボールジョイント組立体の１つ以上の構成要素に塗布されて最終的な形態に処理された後の固体摩擦コーティング１０２の状態を参照する。しかしながら、摩擦コーティング１０２がボールジョイント組立体の構成要素上に固化する機会を得る前には、固体摩擦コーティングは、摩擦コーティングが１つ以上の構成要素上に塗布されることを可能にするために液体又は流体形態にあることを理解されたい。例えば、一実施形態では、固体摩擦コーティングは、構成要素上に塗布される前には液体混合物として始まる。混合物が構成要素に塗布されると、構成要素は、固体摩擦コーティング１０２が固体形態の構成要素上に形成されて付着されるまで適切な温度で乾燥させられる。固体摩擦コーティング１０２の一実施形態は、Ｍ０１９５９／２０１１の製品名の下で独国の企業であるKluberから市販されている二酸化ケイ素及びポリテトラフルオロエチレンの混合物を含んでいる。

ボールジョイント組立体１００は、キャビティ１０６を少なくとも部分的に規定するハウジング１０４を含んでいる。ボールレース１０８が、キャビティ１０６内に配置されている。ボールレース１０８は、キャビティ内に少なくとも部分的に配置されたボールスタッド１１０を受けるように構成されている。特別な一実施形態では、ボールレース１０８は、ボールスタッド１１０のヘッド部分１１２を受けるように構成されている。示す実施形態では、ヘッド部分１１２は、球形状を有しているが、代替的な実施形態では、ヘッド部分１１２は、ボールスタッド１１０が意図されたボールレース１０８と協働することを可能にする適切な外面を提供する適切な形状を有してもよい。図２から図４に示すように、ボールレース１０８は、ヘッド部分１１２の外面１１１の対応する輪郭又は外形に少なくとも部分的に一致するか又は従う輪郭又は外形を有する内面１０９を有し、これにより、ボールレース１０８とヘッド部分１１２との間の協働を容易にする。ボールレース１０８は、ボールレース１０８の内面１０９とヘッド部分１１２の外面１１１との間の接触面１１３を規定するようにキャビティ１０６内に配置されている。

ボールジョイント組立体１００は、ハウジング１０４を少なくとも部分的にシールするように構成された、ハウジング１０４の第１端部１１５に又は第１端部１１５の近くに連結されたプラグ１１４を有し、これにより、キャビティ１０６内に配置されたボールジョイント構成要素を厳しい環境条件から保護し、且つ／又はキャビティ１０６内への汚染粒子の進入を制限する。一実施形態では、ダストブーツ１１６が、ハウジング１０４における第１端部１１５の反対側の第２端部１１７に又は第２端部１１７の近くに連結されている。ダストブーツ１１６は、ハウジング１０４を少なくとも部分的にシールしてキャビティ１０６内に配置されたボールジョイント構成要素を厳しい環境条件からさらに保護するように構成され、且つ／又はキャビティ１０６内への汚染粒子の進入を制限するように構成されている。図２から図４に示すように、ダストブーツ１１６は、ボールスタッド１１０のシャフト１１８が延在する開口部を規定している。ある実施形態では、ダストブーツ１１６は、適切な連結機構又は留め具、例えばダストブーツクリップ１２０を使用してハウジング１０４の第２端部１０７に連結されている。中心線１１９が、ハウジング１０４の外壁と平行にボールジョイント組立体１００の長さにより規定されている。

図２に示すボールジョイント組立体１００の実施形態では、固体摩擦コーティング１０２は、ボールスタッド１１０のヘッド部分１１２上に直接塗布されている。図３に示すボールジョイント組立体１００の実施形態では、固体摩擦コーティング１０２は、ボールレース１０８の内面１０９上に直接塗布されている。図４に示すボールジョイント組立体１００の実施形態では、固体摩擦コーティング１０２は、少なくともボールスタッド１１０のヘッド部分１１２の外面１１１上及びボールレース１０８の内面１０９上に直接塗布されている。図５に示す代替的な実施形態では、ボールレース１０８は、固体摩擦コーティング１０２を含む基材から形成されている。より具体的に、この実施形態では、固体摩擦コーティング１０２は、ボールレース１０８を形成する適切なポリマー材料及びボールレース１０８の内面１０９を含んでいる。

ここで図６を参照すると、代替的な実施形態では、ボールレース１０８は、ヘッド部分１１２の第１部分１１２ａ周りに配置された第１又は上方ボールレースセクション１０８ａと、ヘッド部分１１２の第２部分１１２ｂ周りに配置された第２又は下方ボールレースセクション１０８ｂと、を含んでいる。この実施形態では、固体摩擦コーティング１０２は、ボールスタッド１１０の少なくともヘッド部分１１２上、上方ボールレースセクション１０８ａの少なくとも一部分上、例えば上方ボールレースセクション１０８ａの内面１０９ａ上、下方ボールレースセクション１０８ｂの少なくとも一部分上、例えば下方ボールレースセクション１０８ｂの内面１０９ｂ上、又は例えばヘッド部分１１２と上方ボールレースセクション１０８ａの内面１０９ａと下方ボールレースセクション１０８ｂの内面１０９ｂとの任意の適切な組み合わせ上に塗布されている。

ここで図７及び図８を参照すると、代替的な実施形態では、ボールジョイント組立体１００は、ハウジング１０４の第１端部１３１においてキャビティ１０６内で移動可能に配置されたピストン１３０を含んでいる。図７に示す実施形態では、ピストン１３０は、ボールレース１０８の少なくとも一部分と係合するように構成されている。図８に示す実施形態では、ピストン１３０は、上方ボールレースセクション１０８ａのみと係合するように構成されている。図７及び図８に示すように、適切なガスケット、例えばピストンリング１３２又はＯリング（図示せず）が、ピストン１３０の外面１３４周りに配置され且つハウジング１０４を少なくとも部分的にシールするように構成されており、これにより、キャビティ１０６内に配置されたボールジョイント構成要素を厳しい環境条件から保護し、且つ／又はキャビティ１０６内への汚染粒子の進入を制限する。一実施形態では、ピストンリング１３２は、図７及び図８に示すように矩形断面を有している。さらに、ピストンリング１３２は、キャビティ１０６内でのピストン１３０の傾きを防止するか又は制限することにも役立つ。しかしながら、ピストンリング１３２は選択的であり、代替的な実施形態では、ピストンリング１３２は取り除かれ、且つ固体摩擦コーティング１０２は、ピストン１３０の外面１３４上、ハウジング１０４の内面１３６上又はピストン１３０の外面１３４及びハウジング１０４の内面１３６の双方上に塗布されている。特別な一実施形態では、固体摩擦コーティング１０２は、ピストン１３０の外面１３４とハウジング１０４の内面１３６との間の全接触面に塗布されている。

図７に示すボールジョイント組立体１００の特別な一実施形態では、１つ以上の回転防止キー（図示せず）が、ピストン１３０とボールレース１０８との間及び／又はハウジング１０４の係合面１４２とボールレース１０８との間に配置されている。同様に、図８に示すボールジョイント組立体１００の一実施形態では、１つ以上の回転防止キー（図示せず）が、ピストン１３０と上方ボールレースセクション１０８ａとの間及び／又はハウジング１０４の係合面１４２と下方ボールレースセクション１０８ｂとの間に配置されている。これら回転防止キーは、ピストン１３０、ボールレース１０８及び／又はハウジング１０４の間の望ましくない相対回転運動を防止するか又は制限する。

図７及び図８を参照すると、一実施形態では、ボールジョイント組立体１００は、例えばハウジング１０４内に配置された、ボールジョイント組立体１００と統合された１つ以上のセンサ（図示せず）を含んでいる。これらセンサは、当業者に公知の任意の適切なタイプのセンサを含んでもよい。例示的な一実施形態では、これらセンサは、温度センサ、力センサ及び／又は変位センサのうちの１つ以上を含んでいる。特別な一実施形態では、力アクチュエータ（図示せず）が、ピストン１３０上に制御可能な押圧力を提供するためにボールジョイント組立体１００に接続されている。

図７及び図８を続けて参照すると、図７に示すピストン１３０及びボールレース１０８、又は図８に示すピストン１３０及び上方ボールレースセクション１０８ａは、円錐状係合面を有している。円錐状係合面は、図９から図１９を参照して以下で説明される揺動摩擦トルクと回転摩擦トルクとの適切又は所望の比率を達成するのに十分な精度でボールジョイント組立体１００の摩擦トルクを制御することを容易にする。

図９は、ボールレース１０８がハウジング１０４の外縁部１２１まで実質的に又は外縁部１２１を越えて延在するボールジョイント組立体の代替的な一実施形態である。この実施形態では、ボールレース１０８は、ボールスタッド１１０のネック１２２とハウジング１０４との間のクッションとして動作し、これにより、ボールスタッド１１０がハウジング１０４の外縁部１２１に向かって回転するときに引き起こされる過度の騒音を防止する。

図１０は、ハウジング１０４の第１端部１１５とハウジング１０４における反対側の第２端部１１７との間に規定されたハウジング１０４の第１又は中心軸１５０に対するピストン１３０の係合面１４０の角度Ａ１を示す、例示的なボールジョイント組立体、例えば図９に示すボールジョイント組立体の一部分の断面図である。中心軸１５０は、図２から図９に示すボールジョイント組立体１００の中心線１１９を通って且つ図１０に示すピストン１３０の外面１５２と平行に延伸している。

ピストン１３０の内面１４０とハウジング１０４の中心軸１５０との間及びボールレース１０８の外面とハウジングの中心軸との間には、角度差がある。符合Ａ１は、このような角度差の一例である。角度差は、より低い予荷重力がボールジョイント１００に付与されるときにボールスタッド１１０のヘッド１１２上でのボールレース１０８の圧力を減少させる間隙を作り出す。ボールスタッド１１０上でのこのより低い圧力は、回転摩擦トルクのより低い動作値をもたらす。

図１１は、中心軸１５０に対するハウジング１０４の係合面１４２の角度Ａ２を示す、一実施形態による例示的なボールジョイント組立体の一部分の断面図である。図１２は、中心軸１５０に対するボールレース１０８の第１係合面１４４の角度Ｂ１と、中心軸１５０に対するボールレース１０８の第２係合面１４６の角度Ｂ２と、を示す、例示的なボールジョイント組立体、例えば図９に示すボールジョイント組立体の一部分の断面図である。図１３は、中心軸１５０に対する上方ボールレースセクション１０８ａの第１係合面１４８の角度Ｂ１と、中心軸１５０に対する下方ボールレースセクション１０８ｂの第２係合面１４９の角度Ｂ２と、を示す、例示的なボールジョイント組立体、例えば図８に示すボールジョイント組立体の一部分の断面図である。

例示的なボールジョイント１００、例えば図８及び図９に示すボールジョイント１００を組み立てるために、ハウジング１０４は、キャビティ１０６を少なくとも部分的に規定するように構成されている。このキャビティ１０６内には、ボールスタッド１１０のヘッド部分１１２がある。そして、ボールレース１０８が、ボールスタッド１１０のヘッド部分１１２の少なくとも一部分周りに配置される。続いて、ピストン１３０がキャビティ１０６内に配置され、キャビティ１０６内では、ピストン１３０はハウジング１０４の第１端部１１５において開口部をシールするように構成されている。ピストン１３０及びボールレース１０８が、ピストン１３０、ボールレース１０８及びハウジング１０４のうちの１つ以上の間に少なくとも１つの間隙を規定するようにキャビティ１０６内に配置される。

例えば、第１角度Ａ１は、ピストン１３０の内面１４０と、ハウジング１０４の第１端部１１５とハウジング１０４における反対側の第２端部１１７との間に規定された中心軸１５０と、の間に規定されている。一実施形態では、第１角度Ａ１は、８度から１５度の間である。第２角度Ａ２は、８度から１５度の間でハウジングの内面と中心軸との間に規定されている。第３角度Ｂ１は、８度から１５度の間でボールレースの上方部分と中心軸との間に規定されている。第４角度Ｂ２は、８度から１５度の間でボールレースの下方部分と中心軸との間に規定されている。

図１０から図１３は、角度Ａ１、角度Ａ２、角度Ｂ１及び角度Ｂ２のより詳細な図を示している。中心軸１５０は、ボールジョイント組立体１００の中心線１１９を通って延伸し、且つ図１０に示すピストン１３０の外壁１５２又は図１１に示すハウジング１０４の内面１３６と平行である。可変押圧荷重Ｆの下でボールジョイント組立体の１Ｎｍから７０Ｎｍの間の回転摩擦トルクの広い範囲を達成するために、ピストン１３０のくさび角度Ａ１、ハウジング１０４のくさび角度Ａ２及びボールレースのくさび角度Ｂ１，Ｂ２は、幅広い程度内で設計される。一実施形態では、角度Ａ１、角度Ａ２、角度Ｂ１及び角度Ｂ２のそれぞれは、５度から２０度の間、より具体的に８度から１５度の間、さらにより具体的に１０度から１３度の間である。再び図７及び図８を参照すると、制御可能且つ可変押圧力Ｆは、ピストン１３０に作用することができ、このため、ボールスタッド１１０とボールレース１０８との間又はボールスタッド１１０と上方ボールレースセクション１０８ａ及び下方ボールレースセクション１０８ｂとの間の常用荷重は、可変であり且つ制御される。結果として、ボールジョイント組立体１００の摩擦トルクは、可変且つ制御可能である。

図１４から図１９は、角度Ａ１、角度Ａ２、角度Ｂ１及び角度Ｂ２の間の選択された差のより詳細な図を示している。図１４は、角度Ｂ１が角度Ａ１よりも若干大きい一実施形態を示している。図１５は、角度Ｂ１が角度Ａ１とほぼ等しい一実施形態を示している。図１６は、角度Ｂ１が角度Ａ１よりも若干小さい一実施形態を示している。図１７は、角度Ｂ２が角度Ａ２よりも若干大きい一実施形態を示している。図１８は、角度Ｂ２が角度Ａ２とほぼ等しい一実施形態を示している。図１９は、角度Ｂ２が角度Ａ２よりも若干小さい一実施形態を示している。ボールジョイント組立体１００が、比較的大きいボールジョイント予荷重状態の下にある場合、ボールレース１０８の材料の弾性に起因して、角度Ｂ１は角度Ａ１に近づく性質を有し、角度Ｂ２は角度Ａ２に近づく性質を有する。ある実施形態では、少なくとも１つの間隙が、ボールレース１０８の上方部分、ピストン１３０の内面、ボールレース１０８の下方部分及びハウジング１０４の内面のうちの１つ以上の間に規定される。例えば、第１間隙が、ボールレース１０８の上方部分とピストン１３０の内面との間に規定され、あるいは又は加えて、第２間隙が、ボールレース１０８の下方部分とハウジング１０４の内面との間に規定される。特別な一実施形態では、第１間隙が、第１ボールレース部分１０８ａとピストン１３０の内面との間に規定され、あるいは又は加えて、第２間隙が、第２ボールレース部分１０８ｂとハウジング１０４の内面との間に規定される。

一実施形態では、ボールレースの上方部分とピストンの内面との間の第１間隙を規定する角度Ａ１と角度Ｂ１との間の値と、ボールレースの下方部分とハウジングの内面との間の第２間隙を規定する角度Ａ２と角度Ｂ２との間の値と、の差は、１０度よりも小さく、又はより具体的に５度よりも小さく、又はさらにより具体的に２度よりも小さい。別の実施形態では、角度Ａ１と角度Ｂ１との間の差及び角度Ａ２と角度Ｂ２との間の差は、ほぼ０である。言い換えると、この実施形態では、角度Ａ１及びＢ１並びに角度Ａ２及びＢ２は、それぞれほぼ同様である。図１４及び図１６は、角度Ｂ１と角度Ａ１との間の差を示す、図９に示すボールジョイント組立体と同様の例示的なボールジョイント組立体の一部分の断面図を示している。図１４及び図１６が、単一のボールレース１０８を使用する一実施形態を示す一方で、これらの図は、上方ボールレース１０８ａ及び下方ボールレース１０８ｂを有するボールジョイント組立体１００の代替的な実施形態に等しく適用する。図１５は、角度Ｂ１が角度Ａ１とほぼ等しい一実施形態を示す、図７に示すボールジョイント組立体と同様の例示的なボールジョイント組立体の一部分の断面図である。

図１７及び図１９は、角度Ｂ２と角度Ａ２との間の差を示す、図９に示すボールジョイント組立体と同様の例示的なボールジョイント組立体の一部分の断面図を示している。図１７及び図１９が、単一のボールレース１０８を使用する一実施形態を示す一方で、これらの図は、上方ボールレース１０８ａ及び下方ボールレース１０８ｂを有するボールジョイント組立体１００の代替的な実施形態に等しく適用する。図１８は、角度Ｂ２と角度Ａ２との間にほとんど差がない一実施形態を示す、図９に示すボールジョイント組立体と同様の例示的なボールジョイント組立体の一部分の断面図である。

図１５及び図１８に示すように、ボールレースが、予荷重がない状態の下にあると、角度Ｂ１は角度Ａ１と等しいか又は角度Ａ１と若干異なり、角度Ｂ２は角度Ａ２と等しいか又は角度Ａ２と若干異なる。一実施形態では、角度Ｂ１と角度Ａ１との間の差及び角度Ｂ２と角度Ａ２との間の差は、−２度から２度の間である。特定の角度Ａ１と特定の角度Ａ２と特定の角度Ｂ１と特定の角度Ｂ２との間の差は、ボールスタッド１１０上での圧力を解放することによって、トルクの広い範囲を容易にする間隙を提供する。間隙がないと、ボールレースは、低い予荷重力が付与される場合にさえ、ボールスタッドに圧力を付与し、これは、システムが所望の低トルク値を使用することを可能にすることを妨げる。例えば、大きい予荷重力が付与される場合、角度Ａ１と角度Ｂ１と角度Ａ２と角度Ｂ２との間の間隙は、本質的になくなり、摩擦コーティング及びボールレース材料自体の弾性は、ボールレース１０８とボールスタッド１１０のヘッド部分１１２との間とほぼ一致した接触面をもたらす。より低い予荷重力が付与されると、間隙は、ボールスタッド１１０のヘッド部分１１２上でのボールレース１０８の圧力を減少させ、従って、間隙がなく且つボールスタッド１１０の形状に一致するように構成された場合と比較すると、高い予荷重力が付与されたときに所望の程度にまでトルクを減少させる。このボールスタッド１１０上でのより低い圧力は、ここでは０Ｎｍから１Ｎｍの範囲で動作することができる回転摩擦トルクのより低い動作値をもたらす。

従来のボールジョイント、例えば上述した従来のボールジョイント２０と比較すると、さまざまな実施形態によるボールジョイント組立体１００は、より高い安定性及びより予測可能な摩擦トルク特性を有する。例えば、温度は、従来のボールジョイント内に収容されたグリース又は潤滑剤の粘性に大きく影響を与える可能性があるが、固体摩擦コーティング１０２の状態又は特性にはほとんど影響がない。さらに、従来のボールジョイント２０では、ボールスタッド２２とボールレース２８との間に存在する比較的高い常用荷重により、ボールジョイント２０の複数のサイクルに対する連続的又は反復的運動（回転運動及び／又は揺動運動）は、グリース３４の少なくとも一部分をボールスタッド２２とボールレース２８との間の空間から外側に促す可能性がある。グリース３４のロスは、グリース層を次第に薄くさせ、且つ結果として次に摩擦トルクを次第に大きくさせる。しかしながら、これは、ボールジョイント１００には当てはまらない。本開示では、比較的高い常用荷重及び／又は連続的もしくは反復的運動は、固体摩擦コーティング１０２の厚さに重大に影響を及ぼさず、従ってボールスタッド１１０とボールレース１０８との間の摩擦係数及びボールジョイント組立体１００の結果として生じる摩擦トルクは、従来のボールジョイント２０よりも安定的となる。

さまざまな実施形態によれば、ボールジョイント組立体１００の摩擦トルクは、従来のボールジョイントよりも安定的且つ予測可能であり、これは、固体摩擦コーティング１０２が、特定の厚さで塗布されて特定の硬度及び摩擦係数を有するためである。固体摩擦コーティング１０２は、その厚さの重大な減少を経験することなく、比較的高い常用荷重及び／又は連続的もしくは反復的運動に耐えることができる。従って、ボールスタッド１１０とボールレース１０８との間の摩擦係数と、ボールジョイント組立体１００の結果として生じる摩擦トルクと、は、より安定的なままであり、従って、従来のボールジョイント、例えばボールジョイント２０と比較すると長い期間予測可能である。

摩擦トルクの広い範囲を達成するために、ボールスタッド１１０の外面１１１とボールレース１０８の内面１０９との間の摩擦係数は、従来のボールジョイント２０の摩擦係数よりも高い。さらに、ボールスタッド１００とボールレース１０８との間の過度な摩耗を防止するために、摩擦係数は、過度に高くなるべきではない。従って、一実施形態では、ボールスタッド１１０の外面１１１とボールレース１０８の内面１０９との間の摩擦係数は、０．０８から０．２の間である。

一実施形態では、固体摩擦コーティング１０２は、二酸化ケイ素及びポリテトラフルオロエチレンの混合物から形成される。上述したように、固体摩擦コーティング１０２は、ボールジョイント組立体１００の１つ以上の構成要素の間に塗布又は配置することができる。ボールジョイント組立体１００の１つ以上の構成要素に固体摩擦コーティングを塗布する方法が、本明細書で説明される。一実施形態では、固体摩擦コーティング１０２が所望の構成要素表面に塗布される前には、いかなる潤滑剤のグリースも所望の構成要素表面から除去され、これにより、固体摩擦コーティング１０２が付着することができる清浄な表面を提供して摩擦トルクの予測可能性を維持することを容易にする。

グリース又は潤滑剤が所望の構成要素表面から除去された後には、固体摩擦コーティング１０２が、塗布され、その後、適切な時間、例えばある実施形態では３０分から６０分の間乾燥させることを可能にされる。この乾燥プロセスは、概して、２００℃から３００℃の間に及ぶ温度で、ある実施形態では２３０℃から２８０℃の間に及ぶ温度で実行される。さらに、ある実施形態では、固体摩擦コーティング１０２の厚さは、１０ミクロンから４０ミクロンの間であり、より具体的に、固体摩擦コーティング１０２は、１５ミクロンから３０ミクロンの厚さを有する。さらに、ある実施形態では、固体摩擦コーティング１０２は、１７０Ｎ／ｍｍ^２から２３０Ｎ／ｍｍ^２の硬度を有する。一実施形態では、固体摩擦コーティング１０２がボールスタッド１１０の少なくともヘッド部分１１２に塗布される場合、固体摩擦コーティング１０２は、ヘッド部分１１２を実質的に覆い、且つ少なくともネック１２２の一部分及び／又はボールスタッド１１０のシャフト１１８上に延在してもよい。

一実施形態では、固体摩擦コーティング１０２でコーティングされないがボールレース１０８と接触するように構成された任意の表面は、磨かれ、ポリッシュされるか又はそうでなければ低摩擦コーティングで仕上げられるかもしくはコーティングされ、これにより、ボールレース１０８への摩擦摩耗を防止するか又は最小化する。ある実施形態では、低摩擦コーティングは、所定の材料、例えばポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）を含んでいる。例えば、一実施形態では、ハウジング１０４の内面１４２は、ボールレース１０８の第２係合面１４６と接触し、ハウジング１０４の内面１４２は、磨かれ、ポリッシュされるか又はそうでなければ低摩擦コーティングで仕上げられるかもしくはコーティングされ、これにより、ボールレース１０８への摩耗を防止するか又は最小化する。同様に、別の実施形態では、ピストン１３０の内面１４０は、ボールレース１０８の第１係合面１４４と接触し、ピストン１３０の内面１４０は、磨かれ、ポリッシュされるか又はそうでなければ低摩擦コーティングで仕上げられるかもしくはコーティングされ、これにより、ボールレース１０８への摩耗を防止するか又は最小化する。これは、安定的な摩擦トルクを達成することにも役立つ一方で、ハウジング１０４とボールレース１０８との間の接触面での過度の滑り摩擦も防止する。予測可能な摩擦トルクをさらに達成するために、いくつかの実施形態では、ボールレース１０８及びヘッド部分１１２の少なくともいくつかの部分（例えば表面１０９及び表面１１１）は、ボールレース１０８及びヘッド部分１１２のそれぞれの表面から汚染粒子を除去するために油性洗浄剤で処理される。

代替的な一実施形態では、ハウジング１０４の内面１３６は、ピストンリング１３２の外面と接触し、ハウジング１０４の内面１３６は、磨かれ、ポリッシュされるか又はそうでなければ低摩擦コーティングで仕上げられるかもしくはコーティングされ、これにより、ピストンリング１３２への摩耗を防止するか又は最小化する。ハウジング１０４又はピストン１３０の特定の表面への低摩擦コーティングの付加が、これら表面と接触する可能性のある両面に対する摩擦を防止又は最小化することに役立つ一方で、低摩擦コーティングは、ハウジング１０４又はピストン１３０のいかなる表面にも塗布される必要がないことに留意されたい。

本明細書で開示される１つ以上の実施形態では、固体摩擦コーティングは、温度の広い範囲の下で安定的な、回転方向及び／又は軸方向の摩擦トルクを提供する。固体摩擦コーティングは、（ａ）ボールスタッドとボールレースとの間で連続的相対運動があり且つ／又はこれら構成要素の間に比較的高い常用荷重が付与される場合の、安定的な、回転方向及び／又は軸方向の摩擦トルク、（ｂ）ボールレースとボールスタッドとの間に付与される所定の常用荷重に対して予測可能な、回転方向及び／又は軸方向の摩擦トルク、及び／又は（ｃ）ボールレースとボールスタッドとの間に付与される常用荷重を変更することによって制御可能な、回転方向又は軸方向の摩擦トルクを提供することを容易にする。

実施形態及び例の上記の説明は、図示及び説明のために提供されたものである。説明された形態が包括的であり且つ説明された形態に限定するようには意図されない。上記の教示を考慮して多くの修正が可能である。これら修正のいくつかは論ぜられており、他の修正は当業者には理解されるであろう。実施形態は、さまざまな実施形態を示すために選択されて説明された。当然ながら、権利範囲は、本明細書に記載された例又は実施形態に限定されず、当業者には、あらゆる用途及び同等の装置で採用することができる。むしろ、権利範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲によって規定されるよう意図される。さらに、さまざまな実施する実施形態の特性は、本開示のさらなる実施形態を形成するために組み合わせられてもよい。

１００ボールジョイント組立体、１０２固体摩擦コーティング、１０４ハウジング、１０６キャビティ、１０８ボールレース、１０８ａ第１ボールレースセクション、１０８ｂ第２ボールレースセクション、１０９内面、１１０ボールスタッド、１１１外面、１１２ヘッド部分、１１２ａ第１部分、１１２ｂ第２部分、１１３接触面、１１４プラグ、１１５第１端部、１１６ダストブーツ、１１７第２端部、１１８シャフト、１１９中心線、１２１外縁部、１３０ピストン、１３２ピストンリング、１４０内面、１４２内面、１５０中心軸、１５２外面

Claims

キャビティを少なくとも部分的に規定するハウジングと、
前記キャビティ内に配置されたヘッド部分と、前記ヘッド部分から延在するシャフトと、を含むボールスタッドと、
前記ハウジングの第１端部において前記キャビティ内に配置されたボールレースであって、内面を有する、ボールレースと、
前記ボールレースの前記内面と前記ヘッド部分の外面との間に規定された接触面と、
前記接触面内に配置された固体摩擦コーティングであって、前記ボールレースの前記内面及び前記ヘッド部分の前記外面のうちの少なくとも一方に連結された、固体摩擦コーティングと、
を備えることを特徴とするボールジョイント組立体。
前記キャビティを少なくとも部分的にシールするために、前記ハウジングの前記第１端部に連結されたプラグと、
前記第１端部における反対側の前記ハウジングの第２端部に連結されたダストブーツであって、前記ボールスタッドの前記シャフトを収容するように構成された開口部を規定する、ダストブーツと、
をさらに備えることを特徴とする請求項１に記載のボールジョイント組立体。
前記固体摩擦コーティングが、前記ボールスタッドの前記ヘッド部分の前記外面及び前記ボールレースの前記内面のうちの少なくとも一方に塗布されていることを特徴とする請求項１に記載のボールジョイント組立体。
前記固体摩擦コーティングが、前記ボールレースの前記内面に塗布されていることを特徴とする請求項１に記載のボールジョイント組立体。
前記ボールレースが、前記固体摩擦コーティングを含む基材を含んでいることを特徴とする請求項１に記載のボールジョイント組立体。
前記固体摩擦コーティングが、二酸化ケイ素及びポリテトラフルオロエチレンの混合物を含んでいることを特徴とする請求項１に記載のボールジョイント組立体。
前記ボールレースが、前記ボール部分の第１部分周りに配置された第１ボールレースセクションと、前記ボール部分の第２部分周りに配置された第２ボールレースセクションと、を備えていることを特徴とする請求項１に記載のボールジョイント組立体。
前記固体摩擦コーティングが、１７０Ｎ／ｍｍ^２から２３０Ｎ／ｍｍ^２の硬度を有していることを特徴とする請求項１に記載のボールジョイント組立体。
前記ボールスタッドの前記外面と前記ボールレースの前記内面との間の摩擦係数が、０．０８から０．２であることを特徴とする請求項１に記載のボールジョイント組立体。
前記ボールレースが、前記ハウジングの外縁部を越えて延在していることを特徴とする請求項１に記載のボールジョイント組立体。
キャビティを少なくとも部分的に規定するハウジングと、
前記キャビティ内に配置されたヘッド部分と、前記ヘッド部分から延在するシャフトと、を含むボールスタッドと、
前記キャビティ内に配置されたボールレースであって、前記ボールスタッドの前記ヘッド部分の少なくとも一部分周りに配置された、ボールレースと、
前記ボールレースの内面及び前記ボールスタッドの前記ヘッド部分の外面のうちの少なくとも一方に塗布された固体摩擦コーティングと、
前記キャビティ内に配置されたピストンであって、前記ハウジングの第１端部において開口部をシールするように構成された、ピストンと、
を備えるボールジョイント組立体であって、
少なくとも１つの間隙が、前記ボールレースの上方部分、前記ピストンの内面、前記ボールレースの下方部分及び前記ハウジングの内面のうちの１つ以上の間に規定されていることを特徴とするボールジョイント組立体。
前記ハウジングをシールするために、前記ピストンの外面周りに配置されたピストンリングをさらに備えていることを特徴とする請求項１１に記載のボールジョイント組立体。
前記ハウジングの中心軸が、前記ハウジングの前記第１端部と前記ハウジングにおける反対側の第２端部との間に規定され、前記中心軸が、前記ボールジョイントの中心線を通って且つ前記ピストンの外面と平行に延伸し、前記ピストンの前記内面と前記中心軸との間の角度Ａ１が、８度から１５度の間であることを特徴とする請求項１１に記載のボールジョイント組立体。
前記ハウジングの中心軸が、前記ハウジングの前記第１端部と前記ハウジングにおける反対側の第２端部との間に規定され、前記中心軸が、前記ボールジョイントの中心線を通って且つ前記ピストンの外面と平行に延伸し、前記ハウジングの前記内面と前記中心軸との間の角度Ａ２が、８度から１５度の間であることを特徴とする請求項１１に記載のボールジョイント組立体。
前記ハウジングの中心軸が、前記ハウジングの前記第１端部と前記ハウジングにおける反対側の第２端部との間に規定され、前記中心軸が、前記ボールジョイントの中心線を通って且つ前記ピストンの外面と平行に延伸し、前記ボールレースの前記上方部分と前記中心軸との間の角度Ｂ１が、８度から１５度の間であることを特徴とする請求項１１に記載のボールジョイント組立体。
前記ハウジングの中心軸が、前記ハウジングの前記第１端部と前記ハウジングにおける反対側の第２端部との間に規定され、前記中心軸が、前記ボールジョイントの中心線を通って且つ前記ピストンの外面と平行に延伸し、前記ボールレースの前記下方部分と前記中心軸との間の角度Ｂ２が、８度から１５度の間であることを特徴とする請求項１１に記載のボールジョイント組立体。
前記ボールレースが、前記ヘッド部分の第１部分周りに配置された第１ボールレース部分と、前記ヘッド部分の第２部分周りに配置された第２ボールレース部分と、を備えていることを特徴とする請求項１１に記載のボールジョイント組立体。
前記ハウジングの中心軸が、前記ハウジングの前記第１端部と前記ハウジングにおける反対側の第２端部との間に規定され、前記中心軸が、前記ボールジョイントの中心線を通って且つ前記ピストンの外面と平行に延伸し、前記第１ボールレース部分と前記中心軸との間の角度Ｂ１が、８度から１５度の間であることを特徴とする請求項１７に記載のボールジョイント組立体。
前記ハウジングの中心軸が、前記ハウジングの前記第１端部と前記ハウジングにおける反対側の第２端部との間に規定され、前記中心軸が、前記ボールジョイントの中心線を通って且つ前記ピストンの外面と平行に延伸し、前記第２ボールレース部分と前記中心軸との間の角度Ｂ２が、８度から１５度の間であることを特徴とする請求項１７に記載のボールジョイント組立体。
キャビティを少なくとも部分的に規定するハウジングを構成するステップと、
前記キャビティ内にボールスタッドのヘッド部分を配置するステップであって、前記ボールスタッドが、前記ヘッド部分から延在するシャフトを含む、ステップと、
前記ボールスタッドの前記ヘッド部分の少なくとも一部分周りにボールレースを配置するステップと、
前記キャビティ内にピストンを配置するステップであって、前記ピストンが、前記ハウジングの第１端部において開口部をシールするように構成されている、ステップと、
を含むボールジョイントを組み立てる方法であって、
少なくとも１つの間隙が、前記ボールレースの上方部分、前記ピストンの内面、前記ボールレースの下方部分及び前記ハウジングの内面のうちの１つ以上の間に規定されていることを特徴とする方法。
中心軸が、前記ハウジングの前記第１端部と前記ハウジングにおける反対側の第２端部との間に規定され、且つ前記ボールジョイントの中心線を通って且つ前記ピストンの外面と平行に延伸し、
前記方法が、
前記ピストンの内面と前記中心軸との間に第１角度Ａ１を規定するように前記キャビティ内に前記ピストンを配置するステップと、
前記ハウジングの内面と前記中心軸との間に第２角度Ａ２を規定するステップと、
前記ボールレースの上方部分と前記中心軸との間に第３角度Ｂ１を且つ前記ボールレースの下方部分と前記中心軸との間に第４角度Ｂ２を規定するように、前記キャビティ内に前記ボールレースを配置するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項２０に記載の方法。
前記ボールレースの内面及び前記ボールスタッドの前記ヘッド部分の外面のうちの少なくとも一方に固体摩擦コーティングを塗布するステップをさらに含むことを特徴とする請求項２０に記載の方法。
キャビティを少なくとも部分的に規定するハウジングと、
前記キャビティ内に配置されたヘッド部分と、前記ヘッド部分から延在するシャフトと、を含むボールスタッドと、
前記キャビティ内に配置されたボールレースであって、前記ボールスタッドの前記ヘッド部分の少なくとも一部分周りに配置された、ボールレースと、
前記ボールレースの内面及び前記ボールスタッドの前記ヘッド部分の外面のうちの少なくとも一方に塗布された固体摩擦コーティングと、
前記キャビティ内に配置されたピストンであって、前記ハウジングの第１端部において開口部をシールするように構成された、ピストンと、
を備えるボールジョイント組立体であって、
前記ハウジングの中心軸が、前記ハウジングの前記第１端部と前記ハウジングにおける反対側の第２端部との間に規定され、前記中心軸が、前記ボールジョイントの中心線を通って且つ前記ピストンの外面と平行に延伸し、前記ピストンの内面と前記中心軸との間の第１角度Ａ１が８度から１５度の間であり、前記ハウジングの内面と前記中心軸との間の第２角度Ａ２が８度から１５度の間であり、前記ボールレースの上方部分と前記中心軸との間の第３角度Ｂ１が８度から１５度の間であり、前記ボールレースの下方部分と前記中心軸との間の第４角度Ｂ２が８度から１５度の間であり、第１間隙が、前記第３角度Ｂ１と前記第１角度Ａ１との間の角度差を規定し、第２間隙が、前記第４角度Ｂ２と前記第２角度Ａ２との間の角度差を規定していることを特徴とするボールジョイント組立体。
前記第１間隙が、−２度から２度の間であることを特徴とする請求項２３に記載のボールジョイント組立体。
前記第２間隙が、−２度から２度の間であることを特徴とする請求項２３に記載のボールジョイント組立体。