JP2017007381A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電装装置近傍に水分が浸入した場合に電装装置への被水を確実に防止すると共に、水分が浸入していないときには機械的な損失を抑制できる防水構造を備えたステアリング装置を提供する。
【解決手段】車室外に配置され、開口部311を備えるハウジング31と、水分を吸収して膨張する高分子吸収体531を備え、開口部311の周縁の端面312とフランジ部32aの端面321との対向領域に配置されるシール部材53と、を備え、シール部材53は、高分子吸収体531が水分を吸収していない状態において、開口部311の周縁の端面312との間に隙間Gを介して配置され、高分子吸収体531がハウジング31の外部に存在する水分を吸収して膨張する状態において、開口部311の周縁の端面312とフランジ部32aの端面321との間に隙間を介さずに挟まれる。
【選択図】図3
【解決手段】車室外に配置され、開口部311を備えるハウジング31と、水分を吸収して膨張する高分子吸収体531を備え、開口部311の周縁の端面312とフランジ部32aの端面321との対向領域に配置されるシール部材53と、を備え、シール部材53は、高分子吸収体531が水分を吸収していない状態において、開口部311の周縁の端面312との間に隙間Gを介して配置され、高分子吸収体531がハウジング31の外部に存在する水分を吸収して膨張する状態において、開口部311の周縁の端面312とフランジ部32aの端面321との間に隙間を介さずに挟まれる。
【選択図】図3
Description
本発明は、ステアリング装置に関するものである。
特許文献1には、補助サーボトルクを生成するためのモータを有し、当該モータのモータ軸がステアリング装置の運動伝達部材と結合されている、自動車のステアリング装置が記載されている。当該ステアリング装置は、モータハウジングと運動伝達部材との間に、モータ軸を取り囲むように、モータ軸上で、又は、モータハウジング上で、ラビリンスシールの態様で協働する防水構造を備えている。また、特許文献2には、水分の浸入を阻止するために回転軸にオイルシールを装着する方法が記載されている。当該オイルシールは、リップ部より内部の通路に高分子吸収体(高吸収性ポリマー)を備え、高分子吸収体はリップ部から浸入した水分を吸収する。
しかしながら、ラビリンスシールの態様で協働するシール構造では、基本的な防水効果を得ることができるものの、僅かな隙間からモータの内部に水が浸入する可能性が残る。モータなどの電装装置は被水すると故障するおそれがあるため、防水性能が高いほどよい。また、オイルシールを装着する方法では、リップ部において常に回転軸をホールドするため、摩擦によって回転装置の動作時の機械的な損失が増す。また、通路に高分子吸収体を配置する構造では、複雑となり高コストの原因となる。
本発明は、車室外に配置され被水する条件下にあって、電装装置近傍に水分が浸入した場合に電装装置への被水を確実に防止すると共に、水分が浸入していないときには機械的な損失を抑制できる防水構造を備えたステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明のステアリング装置は、車室外に配置され、開口部を備えるハウジングと、前記ハウジングに収容される電装装置と、前記ハウジングの前記開口部から外部に延び、前記ハウジングの外部に位置するフランジ部を備え、操舵力又は操舵補助力を伝達する回転軸と、水分を吸収して膨張する高分子吸収体を備え、前記開口部の周縁の端面と前記フランジ部の端面との対向領域に配置されるシール部材と、を備えるステアリング装置である。
前記シール部材は、前記高分子吸収体が前記水分を吸収していない状態において、前記開口部の周縁の端面及び前記フランジ部の端面の何れか一方との間に隙間を介して配置され、前記高分子吸収体が前記ハウジングの外部に存在する前記水分を吸収して膨張する状態において、前記開口部の周縁の端面と前記フランジ部の端面との間に隙間を介さずに挟まれる。
上記のステアリング装置によれば、高分子吸収体が水分を吸収していない状態において、シール部材は、ハウジング開口部の周縁の端面及びフランジ部の端面の何れか一方との間に隙間を介して配置される。例えば、シール部材が回転軸のフランジ部の側に配置される場合には、シール部材とハウジング開口部の端面とが接触しない。また、シール部材がハウジングの側に配置される場合には、シール部材と回転軸のフランジ部の端面とが接触しない。よって、シール部材が被水していない状態であれば、電装装置の回転動作時に、シール部材と相対向する何れか一方の端面との間に摩擦が生じない。シール部材が被水していない通常の操舵力又は操舵補助力の伝達時に、電装装置の機械的な損失が抑制される。
一方、高分子吸収体がハウジングの外部に存在する水分を吸収して膨張する状態において、シール部材は、開口部の周縁の端面とフランジ部の端面との間に隙間を介さずに挟まれる。よって、シール部材が期せずして被水すると、ハウジング外部から内部の電装装置に至る水分の浸入路が確実に遮断される。この場合、シール部材とフランジ部及びハウジングとは接触状態となるため、電装装置の機械的な損失が発生する。しかし、ハウジングの開口部近傍に配置される高分子吸収体が被水する状態になれば、機械的な損失よりも電装装置の被水を防止することを優先する。
<第1実施形態>
以下、本発明のステアリング装置の具体的な実施形態について図面を参照しつつ説明する。ステアリング装置の一例として電動パワーステアリング装置について説明する。なお、本発明のステアリング装置は、電動パワーステアリング装置の他に、4輪操舵装置、ステアバイワイヤ装置などに適用できる。図1において、ステアリング装置S1は、操舵機構10、転舵機構20、操舵補助機構30、及び、トルク検出装置40を有する。第1実施形態のステアリング装置S1は、操舵補助機構30に係る後述する電装装置MCUの防水構造50を有することを特徴とする。
以下、本発明のステアリング装置の具体的な実施形態について図面を参照しつつ説明する。ステアリング装置の一例として電動パワーステアリング装置について説明する。なお、本発明のステアリング装置は、電動パワーステアリング装置の他に、4輪操舵装置、ステアバイワイヤ装置などに適用できる。図1において、ステアリング装置S1は、操舵機構10、転舵機構20、操舵補助機構30、及び、トルク検出装置40を有する。第1実施形態のステアリング装置S1は、操舵補助機構30に係る後述する電装装置MCUの防水構造50を有することを特徴とする。
(1.電動パワーステアリング装置)
操舵機構10は、転舵輪26を転舵するためにステアリングホイール11に加えられる操舵トルクを伝達するステアリングシャフト12を備える。ステアリングホイール11が固定されるステアリングシャフト12は、コラム軸13、中間軸14、及びピニオン軸15を連結して構成される。ピニオン軸15は、入力シャフト15a、出力シャフト15b、及びトーションバー15cを有する。入力シャフト15aの入力側部分には、中間軸14の出力側部分が接続され、出力シャフト15bの出力側部分には、ピニオン歯15dが形成される。
操舵機構10は、転舵輪26を転舵するためにステアリングホイール11に加えられる操舵トルクを伝達するステアリングシャフト12を備える。ステアリングホイール11が固定されるステアリングシャフト12は、コラム軸13、中間軸14、及びピニオン軸15を連結して構成される。ピニオン軸15は、入力シャフト15a、出力シャフト15b、及びトーションバー15cを有する。入力シャフト15aの入力側部分には、中間軸14の出力側部分が接続され、出力シャフト15bの出力側部分には、ピニオン歯15dが形成される。
転舵機構20は、ラック軸21及び略円筒状に形成されたラックハウジング22(シールハウジングに相当)を有する。ラック軸21は、軸線方向に沿って直線往復移動可能にラックハウジング22に支持される。以下の説明において、このラック軸21の軸線方向に沿った方向を単に「A軸方向(図1参照)」とも称する。ラックハウジング22は、第1ハウジング22aと、第1ハウジング22aのA軸方向一端側(図1中、左側)に固定された第2ハウジング22bとを備える。ピニオン軸15は、ラックハウジング22の第1ハウジング22a内において回転可能に支持される。ラック軸21には、ラック歯21aが形成され、ラック歯21a及びピニオン歯15dは、互いに噛合されて、ラックアンドピニオン機構を構成する。
ラック軸21の両端部には、タイロッド24が連結されており、タイロッド24の先端は、転舵輪26が組み付けられた図示しないナックルに連結される。これにより、ステアリングホイール11が操舵されると、その操舵トルクがステアリングシャフト12に伝達され、ピニオン軸15が回転される。ピニオン軸15の回転は、ピニオン歯15d及びラック歯21aによって、ラック軸21の直線往復移動に変換され、このA軸方向に沿った移動がタイロッド24を介してナックルに伝達されることにより、転舵輪26が転舵され、車両の進行方向が変更される。
また、ラックハウジング22の両端には、ラック軸21とタイロッド24とのジョイント部分を覆う、A軸方向に伸縮可能な樹脂からなる筒状の蛇腹部を有するブーツ25の一端部が固定される。ブーツ25の他端部はタイロッド24に固定され、ラックハウジング22の内部を含む転舵機構20の収容空間の気密性がブーツ25によって保たれる。これにより、ラックハウジング22内部への異物の混入や浸水が防止される。
また、操舵補助機構30は、トルク検出装置40の出力に基づいて制御されるモータMを駆動源として操舵機構10に操舵補助力を付与する。操舵補助機構30では、制御部ECUとモータMを一体化した電装装置MCUが、ラック軸21のA軸方向と平行であってラック軸21よりも下側に配置される。本実施形態の電動パワーステアリング装置S1はいわゆるラックパラレル型の装置として構成され、車両前方のエンジンルーム内(車室外)に配置される。操舵補助機構30は、モータMの回転を従動プーリ34、伝達ベルト35を介してボール螺子機構33に伝達し、さらにボール螺子ナット33aにおいてラック軸21の直線往復動に変換することで操舵機構10に操舵補助力を付与する。
トルク検出装置40は、ピニオン軸15の周囲に配置された状態で、ラックハウジング22の取付開口22cに固定される。トーションバー15cは、入力シャフト15aのトルクと出力シャフト15bのトルクとの差に応じて捩れ、トルク検出装置40は、トーションバー15cの捩れ量に応じた信号を制御部ECUに出力する。制御部ECUでは、トルク検出装置40の出力信号に基づいて、ステアリングホイール11に入力された操舵トルクを算出し、算出した操舵トルクに基づいて、運転者の操舵を補助するための操舵補助トルクを算出する。さらに、算出した操舵補助トルクに基づいて、モータMの出力を制御する。
次に、操舵補助機構30について、さらに図2及び図3を用いて詳細に説明する。第1ハウジング22aは、円筒状の第1筒状部221と、第1筒状部221の第2ハウジング22b側に形成された第1操舵補助用ハウジンング222とを有する。第1筒状部221は主にラック軸21を収容するハウジング部分である。第1操舵補助用ハウジンング222は主に操舵補助機構30に係る装置を収容する部分であり、第1筒状部221よりも大径の筒状であって、下側に膨出した形状に形成される。第1操舵補助用ハウジング222における下側に膨出した部分の端面には、ラック軸21の軸線に貫通した開口部222aが形成される。
第2ハウジング22bは、円筒状の第2筒状部231と、第2筒状部231の第1ハウジング22a側に形成された第2操舵補助用ハウジンング232とを有する。第2筒状部231は主にラック軸21を収容するハウジング部分である。第2操舵補助用ハウジンング232は主に第1操舵補助用ハウジンング222と共に操舵補助機構30に係る装置を収容する部分であり、第2筒状部231よりも大径の円筒状に形成される。
操舵補助機構30は、第3ハウジング31と、電装装置MCUと、回転軸32と、ボール螺子機構33と、従動プーリ34と、伝達ベルト35とを備える。第3ハウジング31は、第1操舵補助用ハウジング222の膨出端面222dに固定される。第3ハウジング31における第1操舵補助用ハウジング222の膨出端面222dへの対向面には、貫通孔である開口部311が形成される。電装装置MCUは、第3ハウジング31に収容される。電装装置MCUは、ステータST及びロータRTを含むモータM、並びに、モータMを駆動するための制御部ECU等(図3参照)を備える。
回転軸32は、電装装置MCUのモータMの出力軸であり、操舵補助力を伝達する。回転軸32は、モータMの出力軸としての回転軸本体32bと、回転軸本体32bの外周側に固定されるフランジ部としての駆動プーリ32aとを備える。回転軸本体32bは、第3ハウジング31の開口部311に、軸受313を介して回転可能に支持される。回転軸本体32bの一部は、第3ハウジング31の開口部311から第3ハウジング31の外部に位置する第1操舵補助用ハウジング222側に延び、第1操舵補助用ハウジング222に収容される。駆動プーリ32aは、回転軸本体32bの外周面のうち第3ハウジング31の外部に位置する部位に固定され、第1操舵補助用ハウジング222内に収容される。
ボール螺子機構33は、ラック軸21の外周に形成される螺子部21bと、ボール螺子ナット33aと、多数のボール33bとを備える。螺子部21bは、ラック軸21の外周のうちA軸方向に沿った一定範囲に亘って形成される。ボール螺子ナット33aは、螺子部21bに沿って配列される多数のボール33bを介してラック軸21の螺子部21bに螺合される。また、ボール螺子ナット33aは、軸受27を介して第2操舵補助用ハウジング222の内周面に支持される。
従動プーリ34は、ボール螺子ナット33aと一体回転可能にその外周に連結される。伝達ベルト35は、円環状のゴムベルトであり、従動プーリ34と駆動プーリ32aとの間に掛け渡され、駆動プーリ32aの回転を従動プーリ34に伝達する。
上記の構成により、ステアリングホイール11に印加される操舵力、すなわち、トルク検出装置40の出力値に応じてモータMの回転軸本体32bの回転トルクが決定される。操舵補助機構30において、回転軸本体32bの回転トルクは、駆動プーリ32a、伝達ベルト35、従動プーリ34を介して、従動プーリ34に一体的に設けられるボール螺子ナット33aに伝達される。ボール螺子ナット33aに伝達される回転トルクにより、ボール33bを介してラック軸21の軸線方向への操舵補助力がラック軸21に付与される。
(2.防水構造50)
次に、電装装置MCUの防水構造50について、さらに図3〜図6Aを用いて説明する。防水構造50は、第1操舵補助用ハウジング222の内部に浸入してきた水が、第3ハウジング31の開口部311から第3ハウジング31の内部に浸入することを防止するための構造である。防水構造50は、シール部材53と、被接触部材523と、弾性部材57と、接触検知センサ54とを備える。
次に、電装装置MCUの防水構造50について、さらに図3〜図6Aを用いて説明する。防水構造50は、第1操舵補助用ハウジング222の内部に浸入してきた水が、第3ハウジング31の開口部311から第3ハウジング31の内部に浸入することを防止するための構造である。防水構造50は、シール部材53と、被接触部材523と、弾性部材57と、接触検知センサ54とを備える。
シール部材53は、第3ハウジング31の開口部311の周縁の端面312と、フランジ部としての駆動プーリ32aの端面321との対向領域に配置され、対向領域から第3ハウジング31の開口部311を通過して第3ハウジング31の内部に水が浸入することを防止する。シール部材53は、高分子吸収体531と、変形防止部材533と、接触部材532とを備える。
高分子吸収体531は、具体的には後述する高分子材料を含有し、水分に接触するとその水分を吸収し、自身の体積をより大きく増して膨潤ないし膨張する特性を有する部材である。高分子吸収体531は、所定の高分子材料を用いて、縦断面が方形をなす環状に成形される。
変形防止部材533は、高分子吸収体531を内装する部材であり、高分子吸収体が径方向に膨張するのを抑止する。変形防止部材533は、縦断面が軸線方向一方に開口する略「C」字状をなす、環状の枠体である。高分子吸収体531は、変形防止部材533の内壁面を形成する3方の面に当接した状態で収容される。つまり、高分子吸収体531は、変形防止部材533の開口部533bから外部に臨む。変形防止部材533は、開口部533bの側が第3ハウジング31の周縁の端面312と対向するように、回転軸本体32bに挿通して配置される。一方、変形防止部材533の底面側が、駆動プーリ32aに対向する。
さらに、変形防止部材533の径方向外周側の外周壁部533cには、軸線方向に沿って細長い長方形のスリット孔533aが周方向に沿って所定の間隔をおいて多数穿孔される。よって、高分子吸収体531は、シール部材53の外周面に接触する周囲の水分を、スリット孔533aを介して高分子吸収体531において吸水可能に形成される。また、高分子吸収体531は、高分子吸収体531が吸水して体積膨張する場合に、変形防止部材533の外周壁部533cによって径方向に体積膨張するのを規制される。一方、変形防止部材533の開口部533bによって、高分子吸収体531は、軸線方向に体積膨張するのを許容される。よって、吸水した高分子吸収体531は、自身における第3ハウジング31の開口部311の周縁の端面312と対向する面531a(以下、「対向端面」と称する)が第3ハウジング31の周縁の端面312の方向にA軸方向に沿って隙間Gを縮めながら体積膨張するように誘導される。
被接触部材523は、第3ハウジング31の開口部311の周縁の端面312の一部を構成する部材である。被接触部材523は、円環状の平板金を径方向に沿って凸凹状に曲げ成形される。被接触部材523には、同心円状をなす凹条及び凸条が径方向に沿って交互に形成され、凹条及び凸条は縦断面視において波状をなす。被接触部材523は、この凹凸条の波高に応じた均一な厚みを有するように成形される。被接触部材523は、回転軸32と同軸状に環状凹部315に配置され、凹凸条に沿った外側に臨む表面が波端面523eを形成する。波端面523eの個々の波は、それぞれ同一の波高を有する。
接触部材532は、高分子吸収体531の対向端面531aに固定される。接触部材532は、被接触部材523に対向される。つまり、接触部材532は、高分子吸収体531の体積膨張に応じて、第3ハウジング31に対して軸線方向に移動し、被接触部材523に対して接触又は離間する。接触部材532は、高分子吸収体531が吸水して膨張した状態において、開口部311の周縁の端面312に接触して水分の浸入路を遮断する部材となる。
接触部材532は、中央に貫通孔を有する円板状の板金を曲げ成形して形成され、自身の貫通孔に回転軸本体32bを挿通した状態で配置される。接触部材532は、高分子吸収体531の対向端面531aに当接する円形の中央当接部532aを有する。また、接触部材532は、中央当接部532aと略平行をなす鍔状に成形される大径の開口端面当接部532bを有する。開口端面当接部532bは、中央当接部532aから第3ハウジング31の側に向けて波状に曲げ成形される接続部を介して、A軸方向の段差をなして、中央当接部532aに連設される部分である。
また、開口端面当接部532bの外周縁部及び内周縁部は、第3ハウジング31を構成する被接触部材523の外周縁部及び内周縁部とほぼ同一の大円形及び小円形をなす。さらに、開口端面当接部532bには、回転軸32の軸心と同心円状をなす凸条及び凹条が径方向に沿って交互に形成され、縦断面視において波状をなす。よって、開口端面当接部532bの表面は波状をなし、第3ハウジング31と対向する側の波面には、摺動端面532eが形成される。摺動端面532eは、後述するように、波端面523eの波形に対応して形成される。
ここで、上記の摺動端面532eに形成される凸面532c及び凹面532dの回転軸心に対する径方向の位置は、被接触部材523の波端面523eの凹面523c及び凸面523dの回転軸心に対する径方向の位置と同一である。シール部材53は、接触部材532の摺動端面532eが、第3ハウジング31を構成する被接触部材523の波端面523eと相対向するように回転軸本体32bに配置される。さらに、接触部材532の摺動端面532eの凸面532cに被接触部材523の波端面523eの凹面523cが、及び摺動端面532eの凹面532dに波端面523eの凸面523dが、緩嵌可能なように、両者の個々の凹凸は対応する同一の波高を有し、かつ同一ピッチの波状に形成される。つまり、摺動端面532eと波端面523eの凹凸面は、径方向に沿った波面の各部位において、同一の対向距離OGをなす隙間を介して対向する(図6A参照)。
弾性部材57は、軸受313の内輪の外端面とシール部材53との間に圧縮状態で配置される。弾性部材57は、略テーパ円筒状をなす皿バネ状の部材よりなり、拡径側に鍔状の当接面と内径側に中央当接面を有する。弾性部材57は、拡径側の当接面をシール部材53の接触部材532の中央当接部532aに当接させ、内径側の当接面を軸受313の内輪の外端面に当接させて配置される。シール部材53は、弾性部材57が復元する付勢力によって、駆動プーリ32aの端面321の側に付勢され、回転軸本体32bと共に一体に回転可能になる。
接触検知センサ54は、接触部材532が被接触部材523に当接したことを検知するセンサであり、第3ハウジング31を構成する被接触部材523の裏面側に取り付けられる。なお、符号541は、接触検知センサ54が接触を検知した信号を制御部ECUに送信するコードを表す。
(3.高分子吸収体)
上述した高分子吸収体531は、水分を吸収して体積膨張した状態で、対向領域の隙間を閉塞できる力学的強度(例えば、適当な弾性、高粘度等)を有する高分子であれば、特に限定されるものではない。高分子吸収体531の主成分としては、高い水分保持性能を有し、水を急速、多量に吸水してゲル化するいわゆる吸水性高分子を用いることができる。本明細書で「吸水性高分子」は、架橋構造を有し、水に不溶性で、水に対して膨潤ないし膨張する性質の重合体を含む、ゲル形成高分子を指す。吸水性高分子は、吸水膨張後のゲル強度を有し、適宜な保型性を備えるものを好適に用いることができる。具体的には、例えば、特開昭52−25886号、特公昭53−46199号、特公昭53−46200号及び特公昭55−21041号公報に記載されているものが挙げられる。
上述した高分子吸収体531は、水分を吸収して体積膨張した状態で、対向領域の隙間を閉塞できる力学的強度(例えば、適当な弾性、高粘度等)を有する高分子であれば、特に限定されるものではない。高分子吸収体531の主成分としては、高い水分保持性能を有し、水を急速、多量に吸水してゲル化するいわゆる吸水性高分子を用いることができる。本明細書で「吸水性高分子」は、架橋構造を有し、水に不溶性で、水に対して膨潤ないし膨張する性質の重合体を含む、ゲル形成高分子を指す。吸水性高分子は、吸水膨張後のゲル強度を有し、適宜な保型性を備えるものを好適に用いることができる。具体的には、例えば、特開昭52−25886号、特公昭53−46199号、特公昭53−46200号及び特公昭55−21041号公報に記載されているものが挙げられる。
また、重合して得られる高分子の含水ゲル状重合体を乾燥後、粉砕し、さらに必要により粒度調整して得られる粒子の表面近傍に、いわゆる表面架橋する処理を施しても良い。表面架橋型の吸水性高分子は、吸収性能と吸収速度に優れ、かつゲル強度も大きくなるので、シール部材53に用いるのに好適である。
上述した吸水性高分子は、公知の方法により高分子吸収体531として成形することができるが、ゲル強度を高めるために、さらに、吸水性高分子と繊維との混合成形物とすることもできる。また、上述した吸水性高分子を透水性のシートで包み込み、高分子吸収体531として成形することができる。例えば、特公平6−47808、特許4123404号公報に具体的な記載がある。
(4.水の浸入経路)
まず、水が第1操舵補助用ハウジング222の内部に浸入する経路について説明する。図1の紙面上で左右一対のブーツ25の何れかが、又は両方が破れて、外部からブーツ25の内部に水が浸入する。水は、第1ハウジング22a又は第2ハウジング22b内を移動して第1操舵補助用ハウジング222の内部に到達する。
まず、水が第1操舵補助用ハウジング222の内部に浸入する経路について説明する。図1の紙面上で左右一対のブーツ25の何れかが、又は両方が破れて、外部からブーツ25の内部に水が浸入する。水は、第1ハウジング22a又は第2ハウジング22b内を移動して第1操舵補助用ハウジング222の内部に到達する。
(5.防水構造50の動作)
次に、防水構造50の動作について、図3、図5及び図6Aを参照して説明する。防水構造50の動作については、第1操舵補助用ハウジング222内に水が浸入していない場合と、第1操舵補助用ハウジング222内に水が浸入した場合とを分けて説明する。
次に、防水構造50の動作について、図3、図5及び図6Aを参照して説明する。防水構造50の動作については、第1操舵補助用ハウジング222内に水が浸入していない場合と、第1操舵補助用ハウジング222内に水が浸入した場合とを分けて説明する。
第1操舵補助用ハウジング222内に水が浸入していない場合には、高分子吸収体531が水分を吸収していない。よって、図3に示すように、高分子吸収体531は体積膨張しない。さらに、弾性部材57が復元する付勢力によって、シール部材53は、第3ハウジング31から離間するA軸方向に付勢される。そのため、シール部材53の接触部材532は、開口部311の周縁の端面312を構成する被接触部材523との間に隙間Gを介して配置される。つまり、接触部材532と被接触部材523とが接触しない。シール部材53が被水していない状態でのモータMの回転動作時に、シール部材53の接触部材532と被接触部材523との間に摩擦が生じない。よって、シール部材53が被水していない通常の操舵補助力の伝達時に、モータMの機械的な損失が抑制される。また、弾性部材57によってシール部材53が回転軸本体32bと一体に回転する姿勢が維持され、シール部材53の貫通孔の内周面と回転軸本体32bの外周面との間に摺動が生じるのを良好に防ぐことができ、より確実に、モータMの機械的な損失が抑制される。
第1操舵補助用ハウジング222内に水Wが浸入した場合には、図5に示すように、高分子吸収体531が変形防止部材533のスリット孔533aを通過した水Wを吸収する。高分子吸収体531が体積膨張し始める。同時に、水Wは、接触部材532と被接触部材523との隙間から浸入しようとする。
ここで、図6Aに示されるように、接触部材532の摺動端面532eと、被接触部材523の波端面523eとは、両者間532e,523eに隙間Gを介する状態において、ラビリンス構造R1に形成される。よって、OA間の対向領域に形成される全ての隙間Gをラビリンス状に形成できる。ラビリンス構造R1により、接触部材532と被接触部材523との間から第3ハウジング31内部への水分の浸入が確実に防止される。
特に、弾性部材57の付勢力によって摺動端面532eと波端面523eとが隙間Gを介して対向する姿勢が維持され、ラビリンス構造R1の隙間Gを、非常に僅かに設定できる。よって、弾性部材57の付勢力によって、接触部材532と被接触部材523との間から第3ハウジング31内部への水分の浸入がより確実に防止される。
ところで、図5に示すように、高分子吸収体531は、吸水して体積膨張する場合に、変形防止部材533の外周壁部533cによって径方向に体積膨張するのを規制される。吸水した高分子吸収体531は、自身の対向端面531aが第3ハウジング31の周縁の端面312の方向にA軸方向に沿って移動するように、隙間Gを縮めながら誘導される。
そうすると、接触部材532が、被接触部材523に当接する。接触部材532の摺動端面532eの波面全面が、被接触部材523の波端面523eの波面に当接するように凹凸面で嵌合し、隙間Gが閉塞される。つまり、第1操舵補助用ハウジング222に浸入した水Wは、第3ハウジング31の内部へ移動する経路が遮断される。従って、接触部材532と被接触部材523とが当接した後においては、第3ハウジング31の内部に水Wが浸入することは確実に防止される。
このとき、被接触部材523が接触部材532に当接したことを、接触検知センサ54が検知する。制御部ECUは、接触検知センサ54が出力する信号に基づいて、運転者が視認可能な警告ランプを点灯させることにより、電装装置MCUの近傍(第1操舵補助用ハウジング222内)が被水した旨の情報を伝えることができる。被水情報を視認した運転者は、いち早く適切な被水対処を行うことができる。このように、シール部材53が期せずして被水した場合に、第1操舵補助用ハウジング222を経て第3ハウジング31の開口部311から内部の電装装置MCUに至る水分の浸入路が確実に遮断され、電装装置MCUの被水を防止することができる。
(6.変形例1の説明)
次に、上述したシール部材53の接触部材532の変形例について説明する。上述のシール部材53と変形例1のシール部材63とは、接触部材の構成が異なる。つまり、変形例1のステアリング装置S1は、シール部材63が接触部材632を備えることを特徴構成とする。以下、変形例1の接触部材632について、接触部材532と異なる点を中心に説明を行う。なお、対応する同一部分には同じ符号を付す。
次に、上述したシール部材53の接触部材532の変形例について説明する。上述のシール部材53と変形例1のシール部材63とは、接触部材の構成が異なる。つまり、変形例1のステアリング装置S1は、シール部材63が接触部材632を備えることを特徴構成とする。以下、変形例1の接触部材632について、接触部材532と異なる点を中心に説明を行う。なお、対応する同一部分には同じ符号を付す。
図6Bに示すように、接触部材632の開口端面当接部632bには、被接触部材523の波端面523eと相対向する摺動端面632eが形成される。摺動端面632eの凹面632dの波高は、摺動端面532eの凹面532dと同様に、相対向する波端面523eの凸面523dの波高と緩嵌可能な略同一に形成される。一方、摺動端面632eの凹面632dに隣接する凸面632cの波高は、相対向する被接触部材523の凹面523cの波高よりも小さくなるように形成される。よって、摺動端面632eの凹面632dと波端面間523eの凸面523dとが隙間を介さずに緩嵌可能な一方で、凸面632cと凹面523cとは、接触部材632と被接触部材523とが当接する状態であっても、異なる波高に応じた分だけ隙間を残して相対向する。
つまり、高分子吸収体531が膨張していない状態において、変形例1の摺動端面632eと波端面523eとが、両面間632e,523eに隙間Hを介する対向姿勢を有し、ラビリンス構造R2を形成する限りにおいては、既述した接触部材532の場合と同様である。一方で、変形例1の摺動端面632eと波端面523eとが、隣接する径方向位置P1、P2に応じて(図7A,図7B参照)、異なる対向距離OG、OHを有する点で(図6B参照)既述した接触部材532の場合と異なる。さらに図7Bに示すように、高分子吸収体531が膨張する状態において、径方向位置P1で相互に接触する部位Q1と、径方向位置P2で相互に接触しない部位Q2とを有する点で異なる。
ステアリング装置S1によれば、変形例1のシール部材63では、相互に接触する径方向位置P1での部位Q1と、相互に接触しない径方向位置P2での部位Q2とを有する。よって、全ての径方向位置で接触部位を有する接触部材532の構成と比較すると、図7Aにおいて太い破線で示す、接触しない部位Q2を有する分だけ、高分子吸収体531の膨張時における接触部材632部分での摺動面積を減じることができる。よって、接触部材632の摺動に起因するモータMの回転時の機械的損失をより小さくすることができる。
(7.変形例2の説明)
次に、防水構造50の変形例について説明する。変形例2のステアリング装置S1は、防水構造70を備えることを特徴構成とする。図8に示すように、変形例2の防水構造70は、シール部材73が第3ハウジング37の側に固定される構成を有しており、防水構造50のように、シール部材53が駆動プーリ32aを介して回転軸本体32bに一体に固定される構成ではない点で異なる。
次に、防水構造50の変形例について説明する。変形例2のステアリング装置S1は、防水構造70を備えることを特徴構成とする。図8に示すように、変形例2の防水構造70は、シール部材73が第3ハウジング37の側に固定される構成を有しており、防水構造50のように、シール部材53が駆動プーリ32aを介して回転軸本体32bに一体に固定される構成ではない点で異なる。
回転軸32である駆動プーリ32a部分の端面321にフランジ部材78が配されており、シール部材73が配置される対向領域は、第3ハウジング37の周縁端面372と、このフランジ部材78における第3ハウジングに対向する側の端面との間に形成される。つまり、変形例2のシール部材73は、回転軸32側のフランジ部材78の端面との間に隙間を設け、このフランジ部材78と軸線方向に沿って相対向可能となる。以下、主に防水構造70について異なる点を中心に説明を行う。なお、対応する同一部分には同じ符号を付す。
具体的には、図8に示すように、フランジ部材78は貫通孔を有する略円板状をなし、フランジ部材78の外周縁部には、被接触部材523と同様に、径方向に沿って同心円状の凹凸をなす被接触部783が形成される。被接触部783の第3ハウジング37と対向する側の端面には、防水構造50の波端面523eと同様の摺動端面783eが形成される。フランジ部材78は、回転軸本体32bに同軸状に挿通され、駆動プーリ32aの端面321に一体回転可能に固定される。被接触部783は、周縁端面372に固定されたシール部材73の接触部材732の部分に対向するように配置され、特に、回転軸32の側の摺動端面783eと第3ハウジング37の固定側の波端面732eとが相対向する。
また、変形例2のシール部材73は、シール部材53と同様に、高分子吸収体731と接触部材732と変形防止部材733とを備え、高分子吸収体731及び変形防止部材733は、防水構造50におけるそれらと同様の構成を有する。接触部材732は、高分子吸収体731の対向端面731aの表面を覆う略円環板状をなし、さらに径方向に沿って同心円状の凹凸条が形成される。この接触部材732の凹凸条のうち外部に臨む側の表面には、波端面732eが形成され、シール部材73において、フランジ部材78の摺動端面783eと対向する端面に波端面732eが配される。そして、シール部材73は、摺動端面783eと波端面732eとが、双方の凹凸が互いに相対向してラビリンス構造R3の隙間Iをなすように、第3ハウジング37の開口部371の周縁端面372に配される。
よって、高分子吸収体731が水分を吸収していない状態において、シール部材73の接触部材732と、フランジ部材78の被接触部783との間には、隙間Iが形成されており、防水構造50と同様に、モータMの機械的な損失が抑制される効果を奏する。さらに、この隙間Iから開口部371を介して第3ハウジング37の内部に水が浸入しようとしたときには、隙間Iがラビリンス構造R3に形成されており、防水構造50と同様に、防水効果を奏する。
また、シール部材73が配される部位に水が浸入した場合には、高分子吸収体731が吸水して体積膨張し始め、高分子吸収体731の対向端面731aがフランジ部材78の摺動端面783eの方向にA軸方向に沿って移動するように、隙間Iを縮める。つまり、防水構造50と同様に、接触部材532の波端面732eが、被接触部783の摺動端面783eの波面に当接するように凹凸面で嵌合し、隙間Iが閉塞され、防水効果が奏される。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態のステアリング装置S2について、図9を用いて説明する。第2実施形態のステアリング装置S2は、電装装置としてのトルク検出装置40の防水構造80を有することを特徴とする。トルク検出装置40は、ピニオン軸15、磁石ユニット41、磁気ヨークユニット42、センサユニット43、第4ハウジング44、を有する。
次に、第2実施形態のステアリング装置S2について、図9を用いて説明する。第2実施形態のステアリング装置S2は、電装装置としてのトルク検出装置40の防水構造80を有することを特徴とする。トルク検出装置40は、ピニオン軸15、磁石ユニット41、磁気ヨークユニット42、センサユニット43、第4ハウジング44、を有する。
(1.トルク検出装置)
ピニオン軸15は、ステアリングシャフト12に接続されたトルク検出装置40の入出力軸であり、操舵力を伝達する。ピニオン軸15は、入力シャフト15a、出力シャフト15b、及びトーションバー15cを備える。ピニオン軸15の出力シャフト15bは、第4ハウジング44の開口部441から第4ハウジング44の外部に位置する第1ハウジング22a側に延び、第1ハウジング22aに収容され、回転可能に支持される。図1に示されるように、出力シャフト15bの出力側部分には、ピニオン歯15dが形成され、ラック軸21のラック歯21aと噛合する。
ピニオン軸15は、ステアリングシャフト12に接続されたトルク検出装置40の入出力軸であり、操舵力を伝達する。ピニオン軸15は、入力シャフト15a、出力シャフト15b、及びトーションバー15cを備える。ピニオン軸15の出力シャフト15bは、第4ハウジング44の開口部441から第4ハウジング44の外部に位置する第1ハウジング22a側に延び、第1ハウジング22aに収容され、回転可能に支持される。図1に示されるように、出力シャフト15bの出力側部分には、ピニオン歯15dが形成され、ラック軸21のラック歯21aと噛合する。
略円筒状の磁石ユニット41は、ピニオン軸15と同軸状に配置され、入力シャフト15aの外周面に固定される。磁石ユニット41は、N極とS極を周方向に沿って交互に配した磁極をなす多極の永久磁石を備え、永久磁石は入力シャフト15aと一体回転可能に配される。この入力シャフト15aには、トーションバー15cを介して出力シャフト15bが連結される。
略円筒状の磁気ヨークユニット42は、磁石ユニット41に所定の隙間を空けて磁石ユニット41の径方向外側に配置され、ピニオン軸15と同軸状をなし、出力シャフト15bの外周面に固定される。磁気ヨークユニット42には、所定の第1及び第2の各磁気ヨークが内装される。第1及び第2の各磁気ヨークは、永久磁石の周囲であって、永久磁石が形成する磁界内に配置される。各磁気ヨークは出力シャフト15bと一体回転可能に配置される。
センサユニット43は、磁気ヨークユニット42に所定の隙間を空けて磁気ヨークユニット42の径方向外側に配置され、ピニオン軸15と同軸状をなし、トルク検出装置40の第4ハウジング44と一体化する。図9中の符号45は、ホールICである。ホールICは、素子対向部45a,45bの間の磁束密度に応じた電気信号を制御部ECUに出力する。トルク検出装置40は、ステアリング操作に伴うトーションバー15cの捩れによって永久磁石と磁気ヨークとが相対的に回転したときに変化する磁気ヨークの磁束密度を、ホールIC45によって検出する。そして、制御部ECUにおいてその検出信号から操舵トルクを求める。
なお、第4ハウジング44の内部空間には、磁石ユニット41、磁気ヨークユニット42、及びセンサユニット43が収容される。ラックハウジング22の取付開口22cには、第4ハウジング44の一部をなすカバー443が取り付けられ、第4ハウジング44は、ピニオン軸15を挿入した状態でこのカバー443に取り付けられる。
(2.防水構造80)
防水構造80は、第1ハウジング22aの内部に浸入してきた水が、第4ハウジング44の開口部441から第4ハウジング44の内部に浸入することを防止するための構造である。防水構造80は、シール部材83と、被接触部材823と、弾性部材87とを備え、シール部材83、被接触部材823、弾性部材87は、それぞれ防水構造50と同様の構成を有する。
防水構造80は、第1ハウジング22aの内部に浸入してきた水が、第4ハウジング44の開口部441から第4ハウジング44の内部に浸入することを防止するための構造である。防水構造80は、シール部材83と、被接触部材823と、弾性部材87とを備え、シール部材83、被接触部材823、弾性部材87は、それぞれ防水構造50と同様の構成を有する。
また、ピニオン軸15は、出力シャフト15bの外周側に固定されるフランジ部としての係止用リング部材88を備える。係止用リング部材88は、出力シャフト15bの外周面のうち第4ハウジング44の外部に位置する部位に固定され、第1ハウジング22a内に係止される。シール部材83、被接触部材823、弾性部材87は、それぞれ防水構造50と同様に、第4ハウジング44及びピニオン軸15に対して、防水構造50と同様に配置される。
すなわち、ステアリング装置S2は、車室外に配置され、開口部441を備える第4ハウジング44と、第4ハウジング44に収容されるトルク検出装置40と、第4ハウジング44の開口部441から外部に延び、第4ハウジング44の外部に位置するフランジ状の係止用リング部材88を備え、操舵力を伝達するピニオン軸15と、水分を吸収して膨張する高分子吸収体831を備え、開口部441の周縁の端面442と係止用リング部材88の対向端面との対向領域に配置されるシール部材83とを備える。
シール部材83は、高分子吸収体831が水分を吸収していない状態において、開口部441の周縁端面442との間に隙間Jを介して配置され、隙間Jはラビリンス構造R4をなす(図10参照)。また、シール部材83は、高分子吸収体831が第4ハウジング44の外部に存在する水分を吸収して膨張する状態において、開口部441の周縁端面442と係止用リング部材88の対向端面との間に隙間を介さずに挟まれる。
上記の構成によって、ステアリング装置S2は、ステアリング装置S1で説明したのと同様の効果を得ることができる。
本実施形態のステアリング装置S1、S2は、上記各実施形態とは別の実施形態を含む。また、各実勢形態及び変形例は、技術的に実現可能な範囲において互いに組み合わせることができる。
例えば、シール部材は、接触部材を備えていなくても構わない。シール部材と対向する、ハウジングの開口部の周縁の端面及びフランジ部の端面の何れか一方に、被接触部材を備えない構成であっても構わない。シール部材の端面と、相対向するハウジングの開口部の周縁の端面及びフランジ部の端面の何れか一方の面と、の間の隙間は、必ずしもラビリンス構造を形成しなくても構わない。電動式パワーステアリング装置は、いわゆるラックパラレル型の装置に限られない。
S1,S2:ステアリング装置、MCU:電装装置、M:モータ、ECU:制御部、10:操舵機構、15:ピニオン軸(回転軸)、20:転舵機構、30:操舵補助機構、31:第3ハウジング、311:開口部、312:(開口部の)周縁の端面、32:回転軸、32a:駆動プーリ、32b:回転軸本体、321:対向端面、40:トルク検出装置(トルクセンサ)、44:第4ハウジング、53:シール部材、523:被接触部材、531:高分子吸収体、532:接触部材、533:変形防止部材、54:接触検知センサ、57:弾性部材、G〜J:隙間、R1〜R4:ラビリンス構造
Claims (11)
- 車室外に配置され、開口部を備えるハウジングと、
前記ハウジングに収容される電装装置と、
前記ハウジングの前記開口部から外部に延び、前記ハウジングの外部に位置するフランジ部を備え、操舵力又は操舵補助力を伝達する回転軸と、
水分を吸収して膨張する高分子吸収体を備え、前記開口部の周縁の端面と前記フランジ部の端面との対向領域に配置されるシール部材と、
を備えるステアリング装置であって、
前記シール部材は、
前記高分子吸収体が前記水分を吸収していない状態において、前記開口部の周縁の端面及び前記フランジ部の端面の何れか一方との間に隙間を介して配置され、
前記高分子吸収体が前記ハウジングの外部に存在する前記水分を吸収して膨張する状態において、前記開口部の周縁の端面と前記フランジ部の端面との間に隙間を介さずに挟まれる、ステアリング装置。 - 前記高分子吸収体は、前記ハウジング及び前記フランジ部の一方に相対的に回転不能に配置され、
前記シール部材は、前記高分子吸収体における前記ハウジング及び前記フランジ部の一方に対向する側の面に固定され、前記高分子吸収体が膨張する状態において前記ハウジング及び前記フランジ部の一方に対して摺動する接触部材を備える、請求項1に記載のステアリング装置。 - 前記シール部材の端面、並びに、前記シール部材に対向する前記ハウジング及び前記フランジ部の一方の面は、両者間に隙間を介する状態において、ラビリンス構造に形成される、請求項2に記載のステアリング装置。
- 前記シール部材の端面、並びに、前記シール部材に対向する前記ハウジング及び前記フランジ部の一方の面は、
径方向位置に応じて異なる対向距離を有し、
前記高分子吸収体が膨張する状態において、相互に接触する径方向位置の部位と相互に接触しない径方向位置の部位とを有する、請求項3に記載のステアリング装置。 - 前記シール部材は、前記フランジ部に相対的に回転不能に配置され、
前記ステアリング装置は、前記開口部の径方向内側に配置され且つ前記回転軸に一体的に設けられる部材の端面と、前記フランジ部の端面との間に介装され、前記シール部材を前記フランジ部の端面に向かって付勢する弾性部材を備え、
前記シール部材は、
前記高分子吸収体が前記水分を吸収していない状態において、前記弾性部材の付勢力によって前記開口部の周縁の端面との間に隙間を介して配置され、
前記高分子吸収体が前記ハウジングの外部に存在する前記水分を吸収し、且つ、前記弾性部材の付勢力に抗して膨張することによって、前記開口部の周縁の端面と前記フランジ部の端面との間に隙間を介さずに挟まれる、請求項1−4の何れか一項に記載のステアリング装置。 - 前記ステアリング装置は、前記開口部の周縁の端面及び前記フランジ部の端面の何れか一方と前記シール部材との接触を検知する接触検知センサを備える、請求項1−5の何れか一項に記載のステアリング装置。
- 前記シール部材は、前記高分子吸収体の径方向外周側に配置され、前記高分子吸収体が径方向に膨張するのを規制する変形防止部材を備える、請求項1−6の何れか一項に記載のステアリング装置。
- 前記電装装置は、前記操舵力又は操舵補助力を発生させるモータであり、
前記回転軸は、前記モータの出力軸である、請求項1−7の何れか一項に記載のステアリング装置。 - 前記モータは、転舵輪に連結されるラック軸より下側に配置される、請求項8に記載のステアリング装置。
- 前記電装装置は、ステアリングシャフトのトルクを検出するトルクセンサである、請求項1−7の何れか一項に記載のステアリング装置。
- 前記ステアリング装置は、前記シール部材及び前記回転軸の一部を囲むシールハウジングを備える、請求項1−10の何れか一項に記載のステアリング装置。
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WO2021200696A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | Nok株式会社 | シール構造 |
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2015
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