JP2017006998A - バリ除去方法及びバリ除去装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの孔の交差部のバリをより確実に除去することができるようにする。
【解決手段】主孔2と、主孔2と交差する交差孔3と、を有するワーク1において、交差孔3の先端の主孔2との交差部4の環状領域5Aに形成されたバリ5を、軸部11の先端部分に径方向に突出した切削刃21F,21Gを有するバリ取り工具10を用いて除去するバリ取り方法であって、バリ取り工具10は、切削刃21F,21Gが主孔2の内壁面2aに弾性的に圧接されると共に回転しながらバリ5に接触することによりバリ5を切削除去するように構成され、切削刃21F,21Gを、進入方向最上流側に形成されるバリ部分においては回転させずに環状領域5Aの外方から内方に進入させる第1の進入工程と、その後、切削刃21F,21Gを正逆何れかの方向に回転させながら環状領域5Aの外方まで後退させる後退バリ切削工程と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、交差する複数の孔の加工時に、その交差部に生じるバリを除去するバリ除去方法及びバリ除去装置に関するものである。
ワークに、互いに交差するように複数の孔を加工すると、主孔(はじめに形成された孔)内において、これと交差するように後から加工した孔(交差孔)の交差部の先端部の周りにバリが発生する。このように交差した孔を例えば作動油等の流体の流路として用いると、交差部のバリが剥がれて流体の流通に悪影響を及ぼすおそれがある。このため、こうしたバリを除去する種々の技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、ピンを交差孔に挿入して交差孔の開口部を閉塞した状態で、バリ取り工具をワークの主孔内に挿入して、交差部のバリを除去する技術が開示されている。この技術では、主孔内に挿入したバリ取り工具によってバリを切削しようとすると、バリ取り工具によって交差部のバリが交差孔の方に押されて交差孔内に倒れ込んでしまってバリの一部が残ることを防止するもので、ピンを交差孔に挿入することによりバリが交差孔内に倒れ込むことを阻止している。
この技術では、ピン先端を主孔の内面と略一致する位置に調整することが重要である。つまり、ピン先端が主孔の内面に届かなければ、バリの交差孔内への倒れ込みをピン先端によって阻止できず、ピン先端が主孔の内側に突出していれば、ピン先端がバリ取り工具によるバリ取りの妨げになる。そこで、特許文献1では、ピンを交差孔に挿入してピン先端が主孔内に突出する位置する状態に位置調整し、主孔内に挿入したバリ取り工具がピン先端と接触することによってピン先端が主孔内面と略一致する位置まで後退するようにピンを保持している。
特開2000−254846号公報
上記の特許文献1の技術では、ピン先端が所定位置になるように位置調整する工程が必要であり、また、ピン先端を主孔の内面と略一致する位置に保持するための機構が必要である。このため、ピンのワークに対する位置調整工程の分だけバリ取りに要する時間が増えてしまうという課題や、バリ取りの設備が複雑になるため、設備コストの増加を招くという課題がある。
本発明は、このような課題を解決するために創案されたもので、設備を複雑化することなく、またバリ取りにかかる時間が増加することを抑制しながら、2つの孔の交差部のバリをより確実に除去することができるようにした、バリ除去方法及びバリ除去装置を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明のバリ取り方法は、主孔と、前記主孔の内部に開口するように前記主孔と交差する交差孔と、を有するワークにおいて、前記交差孔の先端の前記主孔との交差部の環状領域に形成されたバリを、軸部の先端部分に径方向に突出した切削刃を有するバリ取り工具を用いて除去するバリ取り方法であって、前記バリ取り工具は、前記切削刃が前記主孔の内壁面に弾性的に圧接されると共に回転しながらバリに接触することによりバリを切削除去するように構成され、前記バリ取り工具の前記切削刃を、進入方向最上流側に形成されるバリ部分においては回転させずに前記環状領域の外方から内方に進入させる第1の進入工程と、その後、前記切削刃を正逆何れかの方向に回転させながら前記環状領域の外方まで後退させる後退バリ切削工程と、を有することを特徴としている。
(2)前記切削刃が前記環状領域の内方に位置する状態から、前記切削刃を正逆何れかの方向に回転させながら前記環状領域の外方まで前進させる前進バリ切削工程と、前記後退バリ切削工程及び前記前進バリ切削工程の何れかのバリ切削工程の実施により前記環状領域の外方へ出た前記切削刃を前記環状領域の内方へ進入させる再進入行程と、を有し、前記第1の進入工程の実施後に、前記後退バリ切削工程と、前記前進バリ切削工程とを、間に前記再進入行程を挟んで、何れかの順序で実施することも好ましい。
(3)前記後退バリ切削工程は、前記切削刃を正転方向に回転させながら前記環状領域の外方まで後退させる正転後退バリ切削工程と、前記切削刃を逆転方向に回転させながら前記環状領域の外方まで後退させる逆転後退バリ切削工程と、を含み、前記前進バリ切削工程は、前記切削刃を正転方向に回転させながら前記環状領域の外方まで前進させる正転前進バリ切削工程と、前記切削刃を逆転方向に回転させながら前記環状領域の外方まで前進させる逆転前進バリ切削工程と、を含み、前記第1の進入工程の実施後に、前記正転後退バリ切削工程と、前記逆転後退バリ切削工程と、前記正転前進バリ切削工程と、前記逆転前進バリ切削工程とを、間に前記再進入行程を挟んで、何れかの順序で実施することも好ましい。
(4)本発明のバリ取り装置は、主孔と、前記主孔の内部に開口するように前記主孔と交差する交差孔と、を有するワークにおいて、前記交差孔の先端の前記主孔との交差部の環状領域に形成されたバリを除去するバリ取り装置であって、軸部の先端部分に径方向に突出した切削刃を有し、前記切削刃が前記主孔の内壁面に弾性的に圧接されると共に回転しながらバリに接触することによりバリを切削除去するように構成されたバリ取り工具と、前記切削刃を前記軸部の軸方向に進退駆動する軸方向駆動機構と、前記切削刃を前記軸部の軸心回りに回転駆動する回転駆動機構と、前記軸方向駆動機構及び前記回転駆動機構を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記バリ取り工具の前記切削刃を、進入方向最上流側に形成されるバリ部分においては回転させずに前記環状領域の外方から内方に進入させる第1の進入工程と、その後、前記切削刃を正逆何れかの方向に回転させながら前記環状領域の外方まで後退させる後退バリ切削工程と、を実施するように、前記軸方向駆動機構及び前記回転駆動機構を制御することを特徴としている。
(5)前記制御手段は、前記切削刃が前記環状領域の内方に位置する状態から、前記切削刃を正逆何れかの方向に回転させながら前記環状領域の外方まで前進させる前進バリ切削工程と、前記後退バリ切削工程及び前記前進バリ切削工程の何れかのバリ切削工程の実施により前記環状領域の外方へ出た前記切削刃を前記環状領域の内方へ進入させる再進入行程と、をさらに実施し、前記第1の進入工程の実施後に、前記後退バリ切削工程と、前記前進バリ切削工程とを、間に前記再進入行程を挟んで、何れかの順序で実施するように、前記軸方向駆動機構及び前記回転駆動機構を制御することも好ましい。
(6)前記後退バリ切削工程は、前記切削刃を正転方向に回転させながら前記環状領域の外方まで後退させる正転後退バリ切削工程と、前記切削刃を逆転方向に回転させながら前記環状領域の外方まで後退させる逆転後退バリ切削工程と、を含み、前記前進バリ切削工程は、前記切削刃を正転方向に回転させながら前記環状領域の外方まで前進させる正転前進バリ切削工程と、前記切削刃を逆転方向に回転させながら前記環状領域の外方まで前進させる逆転前進バリ切削工程と、を含み、前記制御手段は、前記第1の進入工程の実施後に、前記正転後退バリ切削工程と、前記逆転後退バリ切削工程と、前記正転前進バリ切削工程と、前記逆転前進バリ切削工程とを、間に前記再進入行程を挟んで、何れかの順序で実施するように、前記軸方向駆動機構及び前記回転駆動機構を制御することも好ましい。
本発明によれば、まず、バリ取り工具の切削刃をバリが形成される環状領域の外方から内方に、進入方向最上流側に形成されるバリ部分においては回転させずに進入させる。バリ取り工具は、切削刃が回転せずに進入方向最上流側のバリの形成箇所を通過させてもバリを切削しないので、進入方向最上流側のバリの形成箇所において、切削刃を環状領域の外方から内方に進入させても、少なくともバリの基端部は主孔内の環状領域に残存する。したがって、その後、切削刃を正逆何れかの方向に回転させながら環状領域の内方から外方まで後退させると、環状領域に残存するバリの基端部を切削刃が切削し、バリが確実に除去される。
本発明の一実施形態にかかるバリ取り方法を示すワークの断面図であり、(a)〜(g)は各工程を示す。なお、ワークの断面のハッチングは省略する。 本発明の一実施形態にかかるバリ取り工具を示す図であって、(a)はその側面図、(b)はその要部(先端部)の斜視図である。 本発明の一実施形態にかかるバリ取り工具の要部(先端部)を示す分解斜視図であり、(a)はそのインサートポケットの開口側からの分解斜視図、(b)はその切欠き部側からの分解斜視図である。 本発明の一実施形態にかかるバリ取り工具に装備される切削刃を示す図であり、(a)は側面図、(b)は斜視図である。 本発明の一実施形態にかかるバリ取り工具の要部(先端部)を示す断面図であり、(a)はその縦断面図、(b)はその横断面図である。 本発明の一実施形態にかかるバリ取り装置の要部構成を示すブロック図である。 本発明の課題を説明すると共に本発明の一実施形態にかかるバリ取り方法を説明するための2つの孔の交差部を示す図であり、(a)は交差部を交差孔の軸方向から見た平面図〔図1(a)のA0方向矢視図〕、(b)は交差部の斜視図(図7(a)のA3方向矢視図)である。 本発明の課題を説明すると共に本発明の一実施形態にかかるバリ取り方法を説明するための交差部の要部断面図であり、(図7(a)のA1−A1矢視断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することや、適宜組み合わせることが可能である。
<バリ取り工具及びバリ取り装置>
まず、本発明の実施形態に係るバリ取り工具について説明する。このバリ取り工具は、軸部の先端部分に径方向に突出した切削刃を有し、この切削刃が、バリ取り対象の孔(ここでは、後述する主孔2)の内面に弾性的に圧接し、回転しながらバリに接触することによりバリを切削除去するように構成される。以下、図2〜図5を用いてバリ取り工具について詳細に説明する。
図2(a),(b)に示すように、本実施形態のバリ取り工具10は、略円柱状のホルダ(軸部)11と、ホルダ11の先端側の外周が拡径した拡径部11aに配設された第1切削部12と、ホルダ11の先端部11bに配設された第2切削部13とを備えている。なお、ホルダ11の拡径部11aの外径は、バリ取り対象の孔(ここでは、後述する主孔2)の内径よりも僅かに小さく設定されている。
このバリ取り工具10の各構成要素について、順に説明する。
略円柱状のホルダ11は、軸心S1を中心に回転可能である。ホルダ11は、内部に切削液等を流す図示しない流路が形成され、この流路に連通する図示しない吐出孔が拡径部11aの外周や先端部11bに形成されている。これにより、バリ取り工具10によるバリの除去を湿式条件で行うことができる。また、ホルダ11は、基端部にシャンク部14を有している。シャンク部14は、工作機械の回転軸に取り付けられる部位である。
第1切削部12は、残存しているバリのうち小さなバリを除去して加工孔の精密仕上げを行う部位であり、拡径部11aのうちの先端部11b側の領域に位置している。第1切削部12は、図3(a),(b)に示すように、拡径部11aに内挿された略円盤状の切削インサート(以下、「インサート」と言う。)21と、インサート21をその一部が拡径部11aの外周から突出するように外方に付勢する付勢部材22と、を有している。
略円盤状のインサート21は、図4(a),(b)に示すように、軸心S2を中心にした回転体であり、円筒状の外周面21aと、この外周面21aを挟むように互いに平行に配置された円形平面21b,21cと、各円形平面21b,21cと外周面21aとを接続するように形成された部分円錐面状の傾斜面21d,21eと、を有している。各傾斜面21d,21eと外周面21aとの接続部には、エッジ状の刃部(切削刃)21F,21Gが全周にわたって環状に形成されている。
このようなインサート21は、図3(a),(b)に示すように、ホルダ11の拡径部11aに設けられたインサートポケット23内に収容される。拡径部11aの内部には、外周面の一部に開口したインサートポケット23が形成される。このインサートポケット23が形成された外周面部分と反対側(即ち、インサートポケット23の開口の背面側)には、インサートポケット23と連通する切欠き部24が形成されている。
インサートポケット23は、図3(a)に示すように、拡径部11aの外周面に開口した外部開口23aを備え、インサートポケット23内のこの外部開口23aを含む領域にインサート21を収容するインサート収容部25が形成されている。また、切欠き部24は、図3(b)に示すように、中間部で分割された底面部24a,24bと、底面部24aの両側の側面部24c,24cと、を有し、底面部24a,24bの相互間に、インサートポケット23の内部開口23bが形成されている。
この切欠き部24には、図3(a),(b)に示すように、内部にインサート21及び付勢部材22を収容した後に、カバー26が装着される。このカバー26は、拡径部11aの外周面と連続する円筒面26aと、円筒面26aに凹設された一対の凹所26b,26bとを有し、各凹所26b,26b内には締結ネジ27を挿通する貫通穴26c,26cが形成されている。また、切欠き部24の各底面部24a,24bにはそれぞれ、締結ネジ27を螺合させるネジ穴24dが形成されている。
カバー26は、各貫通孔26cに挿入した締結ネジ27をネジ穴24dに締結させることにより、切欠き部24に固定される。このカバー26の装着に際しては、図3(a),(b)に示すように、予め、切欠き部24から内部開口23bを通じてインサート収容部25にインサート21を収容し、さらに、カバー26の貫通孔26c間に形成された支持孔26e内に付勢部材22を内挿しておく。
付勢部材22は、いわゆるスプリングプランジャであり、図5(a),(b)に示すように、スプリング22aと、スプリング22aの一端に接続され、かつインサート21の外周面21aに先端を当接させるピン22bと、を有している。インサート21の外周面21aに当接するピン22bの先端部22cは略半球状であり、先端部22cが外周面21aと滑らかに接触するので、インサート21が回転しても、その外周面21aに摺動傷が発生し難くなっている。
また、インサート収容部25は、図5(a),(b)に示すように、インサート21の各円形平面21b,21cと摺接して、インサート21をその軸心S2の方向から支持する軸方向摺接面25a,25aと、インサート21の外周面21aと摺接して、インサート21をその径方向から支持する外周摺接面25b,25bと、を有している。外周摺接面25b,25bは部分円筒面状に形成され、外部開口23aに近づくほど互いに接近し、外部開口23aではインサート21の外方への離脱を防止する一対の係止部25c,25cが形成されている。
したがって、インサートポケット23内に収容されたインサート21は、付勢部材22によって、内部開口23bから外方に向けて付勢された状態で一対の係止部25c,25cに係止され、インサートポケット23から外部に離脱することなく、外周面21aを部分的に外部開口23aから外方に突出させている。この外周面21aの突出により、ホルダ11が主孔2内に挿入されると外周面21aが主孔2の内壁面2aに弾性的に圧接するように構成されている。
また、このインサートポケット23内に収容されたインサート21の軸心S2は、ホルダ11の軸心S1からシフトした位置にあるが、軸心S2の方向はホルダ11の軸心S1に対して直角な方向に向いている。さらに、軸方向摺接面25a,25a及び外周摺接面25b,25bには潤滑油が供給され、インサート21の各円形平面21b,21c及び外周面21aと滑らかに摺接する。
このため、ホルダ11が主孔2の内部で図5(a)に矢印Fで示す方向に前進すると、主孔2の内壁に外周面21aを弾性的に圧接させたインサート21は軸心S2を中心に矢印FRで示す方向に自在に回転しうる。逆に、ホルダ11が主孔2の内部で図5(a)に矢印Rで示す方向に後退すると、インサート21は軸心S2を中心に矢印RRで示す方向に自在に回転しうる。
そして、ホルダ11を主孔2の内部で前進又は後退させながらその軸心S1回りに回転させることにより、ホルダ11の先端部分に径方向に突出したインサート21の外周面21aが、主孔2の内壁面2aに弾性的に圧接しながら回転する。これにより、刃部21F,21Gがバリの形成箇所を通過するとバリに接触してバリを切削するようになっている。ただし、ホルダ11を主孔2の内部で前進又は後退させても軸心S1回りの回転をさせなければ、刃部21F,21Gは単にバリに接触するだけでバリを切削することはない。
ホルダ11の先端部11bに位置する第2切削部13は、残存しているバリのうち大きなバリを除去する部位である。本実施形態の第2切削部13は、ホルダ11と一体に成形されている。これにより、第2切削部13が大きなバリを除去する際に比較的大きな衝撃を受けてもホルダ11の先端部11bから外れ難く、安定してバリを除去できる。第2切削部13をホルダ11と一体成形する手法には、例えばホルダ11の先端部11bを第2切削部13の形状に切削加工する方法や、第2切削部13を先端部11bに溶接固定する方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態の第2切削部13は、図2(b)に示すように、先端視(先端部11bを正面から見た状態)において、中央部で互いに直交するように交差した一対の帯状切削部31,31によって略十字状に構成されている。また、第2切削部13は、図2(a)に示すように、先端部11bから外方に突出している。各帯状切削部31の両縁部にエッジ状の切削刃32がそれぞれ形成されている。
このようなバリ取り工具10は、そのシャンク部14を図示しない工作機械の回転軸に取り付けられる。また、工作機械のワーク固定部にはワーク1が所定姿勢で固定される。このように、ワーク1が固定され、バリ取り工具10を取り付けられることにより、工作機械は、バリ取り装置として機能する。
このバリ取り装置には、図6に示すように、バリ取り工具10を軸方向に進退駆動する(したがって、刃部21F,21Gを軸方向に進退駆動する)軸方向アクチュエータ(軸方向駆動機構)41と、バリ取り工具10を軸心S1回りに回転駆動する(したがって、刃部21F,21Gを軸心S1回りに回転駆動する)回転アクチュエータ(回転駆動機構)42と、これらのアクチュエータ41,42をそれぞれ制御する制御装置(制御手段)40と、を有している。
<バリ取り方法>
次に、本発明の実施形態に係るバリ取り方法を、図1を参照して説明する。
図1(a)に示すように、バリ取り対象の孔を有するワーク1は、背景技術で説明したものと同様であり、主孔(はじめに形成された孔)2に対して、これと交差するように後から孔(交差孔)3が加工されている。また、交差孔3の先端の主孔2との交差部4の環状領域5Aにバリ5が発生している。
本バリ取り方法では、上記のように、まず、工作機械のワーク固定部にワーク1を所定姿勢で固定し、工作機械の回転軸にバリ取り工具10のシャンク部14を取り付ける。これにより、バリ取り工具10のホルダ11の軸心S1は、固定したワーク1の主孔2の軸心に対して軸合わせされた状態で主孔2の外方に配置する。
工作機械の制御装置40は、軸方向アクチュエータ41と、回転アクチュエータ42と、をそれぞれ制御するための制御プログラムが予め設定されており、制御装置40は、この制御プログラムに従って各アクチュエータ41,42を制御して、バリ取り工具10の軸方向への移動(前進又は後退)と、バリ取り工具10の軸心S1回りの回転(正転又は逆転)とを実施する。
まず、バリ取り工具10のホルダ11を前進させて、ホルダ11の先端の拡径部11aを主孔2の開口から挿入し主孔2の内部に進入させる(ステップ1、第1の進入工程)。このステップ1の拡径部11aの主孔2の内部への進入は、図1(b)に示すように、拡径部11aのインサート21〔刃部(切削刃)21F,21G〕が環状領域5Aの外方から内方に入り交差孔3の軸心O付近に位置に達するまで行う。
ここでは、インサート21が交差孔3の軸心O付近(図7(a),(b)参照)に位置するようになるまでホルダ11の先端の拡径部11aを主孔2の内部で前進させる。この際、インサート21の刃部21F、21Gが進入方向最上流側〔図7(a)に示す切削ポイントP1付近〕に形成されるバリ部分を通過する場合には、バリ取り工具10を軸心S1回りに回転させることなく、インサート21を環状領域5Aの内方に進入させる。
以下、図7,図8を参照しながら説明する。
なお、図7(a)は交差部4を交差孔3の軸方向から見た平面図であり、図7(b)は交差部4の斜視図(図7(a)のA3方向矢視図)である。また、図8は図7(a)のA1−A1矢視図である。図7(a)において、バリ5の発生する箇所(環状領域5A)には斜線を付している。また、図7(a)における点P1〜P4と、図7(b)における点P1〜P4とは対応する箇所を示す。さらに、図7(a),(b)に示すOは交差孔3の軸心を示す。
図7(a),(b)に示すように、バリ5は、交差孔3の内壁面3aに沿って主孔2の内部空間2bへ突出する立体的な環状領域5A内に形成される。また、この環状領域5Aに形成されるバリ5は、主孔2と交差孔3との径の大きさが近くなるほどより立体的なもの、つまり、交差孔3の軸線方向に広がったものになる。
図7(a),(b)に示すように、例えば工具11を矢印Fの向きに交差部4の環状領域5Aに進入させながら矢印R1の回転方向に正転させていくと、工具11の刃13は、環状領域に形成されるバリ5のうちの工具11の進入方向最上流側のバリ部分の切削ポイントP1付近から接触を開始する。このとき、刃13は、環状領域5Aの外方から内方に進入するように前進しながら正転して、バリ5を切削していく。
このように、工具11の進入方向最上流側の切削ポイントP1付近において、切削ポイントP1の手前から、バリ取り工具10を軸心S1回りに回転させてバリ5に対してインサート21の刃部21F,21Gを前進且つ正転(往路正転)或いは前進且つ逆転(往路逆転)させていくと、刃部21F,21Gが前進方向にバリ5を押しやりながら切削していくため、切削ポイントP1近傍のバリ5は、塑性変形しながら交差孔3の内側空間3bに向かって逃げていく。このとき、図8に符号5´で示すように、切削ポイントP1近傍のバリ5がその基端部5bまで交差孔3の内壁面3aに回り込むと、バリ5が内部空間3bに倒れ込んだ状態で残存してしまう場合がある。
特に、バリ5が主孔2の内壁面2aよりも径方向外側まで倒れ込んでしまった場合は、その後、バリ取り工具10を軸心S1回りに回転させてバリ5に対してインサート21の刃部21F,21Gを後退且つ正転(復路正転)或いは後退且つ逆転(復路逆転)させて切削ポイントP1付近を環状領域5Aの内方から外方へと通過させたとしても、切削ポイントP1近傍のバリ5が切削されきれずに残存してしまう場合がある。
つまり、インサート21は、付勢部材22によって刃部21F,21Gが外周から突出するように外方(インサート21の回転中心から離隔する方向)に付勢されているが、外方に主孔2の内壁面2aがある箇所では刃部21F,21Gがこれに当接するため、外周からの突出量は抑えられる。切削ポイントP1付近では、インサート21の刃部21F,21Gが内部空間3bの側に位置していて環状領域5Aの内方から外方へと後退しながら回転すると、刃部21F,21Gは主孔2の内壁面2aに当接して外方への突出は抑えられてしまう。このため、内壁面2aよりも径方向外側まで倒れ込んでしまったバリ5に刃部21F,21Gが到達できずに、バリ5が切削されきれずに残存してしまう場合がある。
なお、インサート21の刃部21F,21Gが、例えば切削ポイントP3,P4付近に進んだ箇所など、内部空間3b内の切削ポイントP1よりも交差孔3の軸心O寄りで回転する場合には、インサート21の刃部21F,21Gは主孔2の内壁面2aに当接することがないため外方への突出量が大きくなる。したがって、インサート21の刃部21F,21Gが環状領域5Aの内方から外方に移動する際に、大きく突出した刃部21F,21Gが内壁面2aよりも径方向外側まで倒れ込んでしまったバリ5に到達してバリ5を切削し、この後、回転により主孔2の内壁面2aに当接するようになって外方への突出を抑えられる。
本方法及び装置では、インサート21を環状領域5Aの外方から内方に進入させる場合、インサート21が環状領域5Aの切削ポイントP1付近を通過する際には、ホルダ11を軸心S1回りに回転させないので、まず、ホルダ11の先端部11bがバリ5の先端に当接し、バリ5の当接部分を環状領域5Aの内方に変形させながら環状領域5Aの内方に進入する。
ホルダ11を更に進入させると、切削ポイントP1付近でインサート21の外周面21aがバリ5に当接することもあるが、バリ取り工具10を軸心S1回りに回転させないので、インサート21は付勢部材22を圧縮させてインサートポケット23内に没入しながら、バリ5との干渉を回避しつつ環状領域5Aの内方に進入する。したがって、切削ポイントP1の手前からバリ取り工具10を回転させながら前進させた場合(図8参照)のように、切削ポイントP1近傍のバリ5を内側空間3bに倒れ込んだ状態にすることがない。
また、インサート21を環状領域5Aの外方から内方に進入させる際に、インサート21が環状領域5Aの切削ポイントP1付近からある程度外れた状態でホルダ11を前進させると、例えば、図7(a)に示す切削ポイントP3,P4付近まで前進させてもインサート21が環状領域5Aの外方に位置する場合があるが、この場合、インサート21を回転させることにより、環状領域5Aの外方から内方に進入させることになる。
拡径部11aのインサート21が環状領域5Aの内方に入ったら、次に、バリ取り工具10のホルダ11を軸心S1の回りに正転させながら後退させて、図1(c)に示すように、インサート21を環状領域5Aの内方から外方まで後退させる(ステップ2、正転後退バリ切削工程)。インサート21の刃部21F,21Gが軸心S1の回りに正転すると、切削ポイントP3〜P1の領域Aにおいては、交差孔3の内側空間3bの内側から外側へバリ5を押しやりながら切削するためバリ5を確実に除去することができる。一方、切削ポイントP4〜P1の領域Dの切削ポイントP4側においては、バリ5を交差孔3の内側空間3bの側に押しやりながら切削するため、内側空間3bにバリ5が倒れ込み、バリ5が残る場合がある。
次に、インサート21が環状領域5Aの内方から外方まで後退した状態から、再び、図1(b)に示すように、拡径部11aのインサート21が環状領域5Aの内方に入り交差孔3の軸心O付近に位置するように、バリ取り工具10のホルダ11を前進させる(ステップ3、再進入工程)。この際、ステップ1と同様に、インサート21の刃部21F、21Gが進入方向最上流側(切削ポイントP1付近)のバリ部分を通過する場合には、バリ取り工具10を軸心S1回りに回転させることなく、インサート21を環状領域5Aの内方に進入させる。
また、インサート21を環状領域5Aの外方から内方に進入させる際に、既にバリ取りを完了した領域Aからインサート21を環状領域5Aの外方から内方に進入させてもよい。このときにも、切削ポイントP1付近(領域D側)に残存するバリ5を交差孔3の内側空間3bの側に押しやらないように、バリ取り工具10を回転させないことが好ましい。
こうして、拡径部11aのインサート21が環状領域5Aの内方に入ったら、次に、バリ取り工具10のホルダ11を軸心S1の回りに逆転させながら後退させていき、図1(d)に示すように、インサート21を環状領域5Aの内方から外方まで後退させる(ステップ4、逆転後退バリ切削工程)。インサート21が軸心S1の回りに逆転すると、切削ポイントP4〜P1の領域Dにおいては、交差孔3の内側空間3bの内側から外側へバリ5を押しやりながら切削するため、ステップ2で残存したバリ5を確実に除去することができる。
このとき、インサート21が切削ポイントP4近傍のバリ5に当接する前、すなわちインサート21が交差孔3の内部空間3bに位置するときは、インサート21は主孔2の内壁面2aに当接していないため、インサート21が主孔2の内壁面2aに当接しているときよりも、インサート21の突出量は大きい。このため、切削ポイントP4近傍において、上述のようにバリ5が主孔2の内壁面2aよりも径方向外側まで倒れ込んでしまった場合であっても、インサート21の刃部21G、21Gは倒れ込んだバリ5を切削することができる。
次に、インサート21が環状領域5Aの内方から外方まで後退した状態から、再び、図1(b)に示すように、拡径部11aのインサート21が環状領域5Aの内方に入り交差孔3の軸心O付近に位置するように、バリ取り工具10のホルダ11を前進させる(ステップ5、再進入工程)。この際には、領域A及びDは既にバリ取りを完了しているので、バリ取り工具10を回転させる必要はないが回転させても支障はない。
こうして、拡径部11aのインサート21が環状領域5Aの内方に入ったら、次に、バリ取り工具10のホルダ11を軸心S1の回りに正転させながら前進させていき、図1(e)に示すように、インサート21を環状領域5Aの内方から外方まで前進させる(ステップ6、正転前進バリ切削工程)。この工程は、回転方向がステップ2と同じであって進行方向がステップ2とは逆である。
インサート21の刃部21F,21Gが軸心S1の回りに正転しながら環状領域5Aの外方に前進すると、切削ポイントP3〜P2の領域Bにおいては、交差孔3の内側空間3bの内側から外側へバリ5を押しやりながら切削するためバリ5を確実に除去することができる。一方、切削ポイントP4〜P2の領域Cの切削ポイントP4側においては、バリ5を交差孔3の内側空間3bの側に押しやりながら切削するため、内側空間3bにバリ5が倒れ込み、バリ5が残る場合がある。
次に、インサート21が環状領域5Aの内方から外方まで前進した状態から、再び、図1(b)に示すように、拡径部11aのインサート21が環状領域5Aの内方に入り交差孔3の軸心O付近に位置するように、バリ取り工具10のホルダ11を後退させる(ステップ7、再進入工程)。この際、ステップ3と同様に、インサート21の刃部21F,21Gが進入方向最下流側(切削ポイントP2付近)のバリ部分を通過する場合には、バリ取り工具10を軸心S1回りに回転させることなく、インサート21を環状領域5Aの内方に進入させる。
また、このインサート21を環状領域5Aの外方から内方に進入させる際に、既にバリ取りを完了した領域Bからインサート21を環状領域5Aの外方から内方に進入させてもよい。このときにも、切削ポイントP2付近(領域C側)に残存するバリ5を交差孔3の内側空間3bの側に押しやらないように、バリ取り工具10を回転させないことが好ましい。
こうして、拡径部11aのインサート21が環状領域5Aの内方に入ったら、次に、バリ取り工具10のホルダ11を軸心S1の回りに逆転させながら前進させていき、図1(f)に示すように、インサート21を環状領域5Aの内方から外方まで前進させる(ステップ8、逆転前進バリ切削工程)。インサート21が軸心S1の回りに逆転しながら前進すると、切削ポイントP2〜P4の領域Cにおいては、交差孔3の内側空間3bの内側から外側へバリ5を押しやりながら切削するため、ステップ6で残存したバリ5を確実に除去することができる。
この後は、バリ取り工具10のホルダ11を後退させて、図1(g)に示すように、主孔2内からホルダ11を完全に離脱させる。このときには、バリ取り工具10を回転させる必要はなく、工具寿命の確保及びサイクルタイムの短縮のためには、バリ取り工具10を回転させないことが好ましい。
こうして、本実施形態にかかるバリ取り方法及びバリ取り装置によれば、環状領域5A内に形成されたバリ5の全てを確実に除去することが可能になり、例えば、このように交差した孔を作動油等の流体の流路として用いた場合に、残存したバリが剥がれて流体の流通に悪影響を及ぼすなどの不具合を回避することができるようになる。
<その他>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態の構成の一部を適用したり、上記実施形態の構成を適宜変更して実施したりすることができる。
例えば、上記実施形態において、まず、ステップ1を実施することが重要であるが、その後のステップ2,ステップ4,ステップ6及びステップ8の各切削ステップの順序は限定されず、何れの順序であってもよい。ただし、何れの順序であっても、各切削ステップ間に、インサート21の刃部21F,21Gを環状領域5Aの外方から内方に進入させる進入工程ステップを挟むことは必要である。
また、発生するバリ5の特性によっては、バリ5を交差孔3の内側空間3bの側に押しやりながら切削した場合にも、バリ5を十分に除去することができれば、上記のステップ2及びステップ4の一方のみを用いて他方を省略し、ステップ6及びステップ8の一方のみを用いて他方を省略しても、環状領域5A内に形成されたバリ5の全てを確実に除去することが可能である。
また、バリ切削工具についても、上記実施形態のものに限定されるものではない。本発明に適用可能なバリ切削工具は、軸部の先端部分に径方向に突出した切削刃を有し、切削刃は主孔の内壁面に弾性的に圧接し、切削刃が回転しながらバリに接触することによりバリを切削除去するように構成されたものであればよい。
また、上記実施形態のバリ切削工具10において、第2切削部13を省略し、切削部としては第1切削部12のみを備えるように構成したものを適用してもよい。
1 ワーク
2 主孔
2a 主孔2の内壁面
2b 主孔2の内部空間
3 交差孔
3a 交差孔3の内壁面
3b 交差孔3の内部空間
4 交差部
5 バリ
5A 環状領域
10 バリ取り工具
11 ホルダ(軸部)
11a ホルダ11の拡径部
11b ホルダ11の先端部
12 第1切削部
13 第2切削部
14 シャンク部
21 切削インサート(インサート)
21a 外周面
21b,21c 円形平面
21d,21e 傾斜面
21F,21G 刃部(切削刃)
22 付勢部材
22a スプリング
22b ピン
23 インサートポケット
24 切欠き部
25 インサート収容部
26 カバー
27 締結ネジ
31 帯状切削部
32 切削刃
40 制御装置(制御手段)
41 軸方向アクチュエータ(軸方向駆動機構)
42 回転アクチュエータ(回転駆動機構)
A〜D バリを取る領域D
P1〜P4 切削ポイント
F 前進方向(往路進行方向)
R 後退方向(復路進行方向)
R1 正転方向
R2 逆転方向
S1 ホルダ11の軸心
S2 インサート21の軸心

Claims (6)

  1. 主孔と、前記主孔の内部に開口するように前記主孔と交差する交差孔と、を有するワークにおいて、前記交差孔の先端の前記主孔との交差部の環状領域に形成されたバリを、軸部の先端部分に径方向に突出した切削刃を有するバリ取り工具を用いて除去するバリ取り方法であって、
    前記バリ取り工具は、前記切削刃が前記主孔の内壁面に弾性的に圧接されると共に回転しながらバリに接触することによりバリを切削除去するように構成され、
    前記バリ取り工具の前記切削刃を、進入方向最上流側に形成されるバリ部分においては回転させずに前記環状領域の外方から内方に進入させる第1の進入工程と、
    その後、前記切削刃を正逆何れかの方向に回転させながら前記環状領域の外方まで後退させる後退バリ切削工程と、を有する
    ことを特徴とする、バリ取り方法。
  2. 前記切削刃が前記環状領域の内方に位置する状態から、前記切削刃を正逆何れかの方向に回転させながら前記環状領域の外方まで前進させる前進バリ切削工程と、
    前記後退バリ切削工程及び前記前進バリ切削工程の何れかのバリ切削工程の実施により前記環状領域の外方へ出た前記切削刃を前記環状領域の内方へ進入させる再進入行程と、を有し、
    前記第1の進入工程の実施後に、前記後退バリ切削工程と、前記前進バリ切削工程とを、間に前記再進入行程を挟んで、何れかの順序で実施する
    ことを特徴とする、請求項1記載のバリ取り方法。
  3. 前記後退バリ切削工程は、前記切削刃を正転方向に回転させながら前記環状領域の外方まで後退させる正転後退バリ切削工程と、前記切削刃を逆転方向に回転させながら前記環状領域の外方まで後退させる逆転後退バリ切削工程と、を含み、
    前記前進バリ切削工程は、前記切削刃を正転方向に回転させながら前記環状領域の外方まで前進させる正転前進バリ切削工程と、前記切削刃を逆転方向に回転させながら前記環状領域の外方まで前進させる逆転前進バリ切削工程と、を含み、
    前記第1の進入工程の実施後に、前記正転後退バリ切削工程と、前記逆転後退バリ切削工程と、前記正転前進バリ切削工程と、前記逆転前進バリ切削工程とを、間に前記再進入行程を挟んで、何れかの順序で実施する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のバリ取り方法。
  4. 主孔と、前記主孔の内部に開口するように前記主孔と交差する交差孔と、を有するワークにおいて、前記交差孔の先端の前記主孔との交差部の環状領域に形成されたバリを除去するバリ取り装置であって、
    軸部の先端部分に径方向に突出した切削刃を有し、前記切削刃が前記主孔の内壁面に弾性的に圧接されると共に回転しながらバリに接触することによりバリを切削除去するように構成されたバリ取り工具と、
    前記切削刃を前記軸部の軸方向に進退駆動する軸方向駆動機構と、
    前記切削刃を前記軸部の軸心回りに回転駆動する回転駆動機構と、
    前記軸方向駆動機構及び前記回転駆動機構を制御する制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記バリ取り工具の前記切削刃を、進入方向最上流側に形成されるバリ部分においては回転させずに前記環状領域の外方から内方に進入させる第1の進入工程と、その後、前記切削刃を正逆何れかの方向に回転させながら前記環状領域の外方まで後退させる後退バリ切削工程と、を実施するように、前記軸方向駆動機構及び前記回転駆動機構を制御する
    ことを特徴とする、バリ取り装置。
  5. 前記制御手段は、
    前記切削刃が前記環状領域の内方に位置する状態から、前記切削刃を正逆何れかの方向に回転させながら前記環状領域の外方まで前進させる前進バリ切削工程と、前記後退バリ切削工程及び前記前進バリ切削工程の何れかのバリ切削工程の実施により前記環状領域の外方へ出た前記切削刃を前記環状領域の内方へ進入させる再進入行程と、をさらに実施し、前記第1の進入工程の実施後に、前記後退バリ切削工程と、前記前進バリ切削工程とを、間に前記再進入行程を挟んで、何れかの順序で実施するように、前記軸方向駆動機構及び前記回転駆動機構を制御する
    ことを特徴とする、請求項4記載のバリ取り装置。
  6. 前記後退バリ切削工程は、前記切削刃を正転方向に回転させながら前記環状領域の外方まで後退させる正転後退バリ切削工程と、前記切削刃を逆転方向に回転させながら前記環状領域の外方まで後退させる逆転後退バリ切削工程と、を含み、
    前記前進バリ切削工程は、前記切削刃を正転方向に回転させながら前記環状領域の外方まで前進させる正転前進バリ切削工程と、前記切削刃を逆転方向に回転させながら前記環状領域の外方まで前進させる逆転前進バリ切削工程と、を含み、
    前記制御手段は、前記第1の進入工程の実施後に、前記正転後退バリ切削工程と、前記逆転後退バリ切削工程と、前記正転前進バリ切削工程と、前記逆転前進バリ切削工程とを、間に前記再進入行程を挟んで、何れかの順序で実施するように、前記軸方向駆動機構及び前記回転駆動機構を制御する
    ことを特徴とする、請求項4又は5記載のバリ取り装置。
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