JP2017006983A - 電気抵抗溶接用電極および溶接方法 - Google Patents

電気抵抗溶接用電極および溶接方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鋼板部品の下孔に対する雄ねじ部の偏心量を最小化し、ボルトの小型化や軽量化、ガイドピンの過熱防止と耐久性向上を図ること。
【解決手段】フランジ33、円筒面36を備えた挿入ガイド部37、雄ねじ部3、溶着用突起35を有するプロジェクションボルト32が溶接の対象とされており、電極本体1の端面から突出し鋼板部品3の下孔14に貫通するガイドピン12が、受入孔31が形成されたパイプ状の中空形状とされ、受入孔31の内面と挿入ガイド部37の円筒面36との隙間が、実質的に存在することなく受入孔31の内面から挿入ガイド部37へ熱伝達が行われやすく設定されている電気抵抗溶接用電極と溶接方法である。
【選択図】図2

Description

この発明は、円形のフランジと、フランジと同軸状態で形成された軸部と、フランジの軸部側の密着面に形成された溶着用突起によって構成され、軸部には、フランジに連続している円筒面を備えた挿入ガイド部と、挿入ガイド部に連続している雄ねじ部が形成され、挿入ガイド部の直径が雄ねじ部の直径よりも大きく設定されているプロジェクションボルトを溶接の対象とした電気抵抗溶接用電極および溶接方法に関している。
特公平07−067624号公報、特許第2903149号公報および特開2015−051457号公報には、円形のフランジと、フランジと同軸状態で形成された雄ねじ部と、フランジの雄ねじ部側の密着面に形成された溶着用突起によって構成されたプロジェクションボルトを、鋼板部品の下孔から突き出ている中空のガイドピンに差し込んで鋼板部品に溶接することが記載されている。
特公平07−067624号公報 特許第2903149号公報 特開2015−051457号公報
上記各特許文献に記載されている技術の問題点を、図3(B1)、(B2)にしたがって説明する。なお、これらの図は、鋼板部品の下孔、中空のガイドピン、雄ねじ部およびフランジなどの相対位置関係を示すもので、理解しやすくするために、直径差による空隙を誇張して図示してある。また、見やすくするために、ガイドピンのハッチング図示は行っていない。
鋼板部品に開けられた下孔50に電極のガイドピン51が相対的に貫通し、電極に対する鋼板部品の相対位置が設定されている。ガイドピン51には、受入孔52が形成されて中空形状となっている。この受入孔52にプロジェクションボルトの軸部である雄ねじ部53が挿入してある。雄ねじ部53と同軸状態で円形のフランジ54が設けてある。雄ねじ部53とフランジ54の中心軸線がO1−O1であり、下孔50の中心軸線がO2−O2である。また、3個の溶着用突起55が120度間隔で形成されている。
雄ねじ部53の直径よりも受入孔52の内径の方が大きく設定され、ガイドピン51の外形よりも下孔50の内径の方が大きく設定されている。したがって、雄ねじ部53やガイドピン51には、いずれかの方に偏心した片寄りが発生する。上記のような寸法の大小関係の下で図3(B1)に示すように、ガイドピン51と雄ねじ部53が同図の下側に片寄った場合には、中心軸線O2−O2に対して中心軸線O1−O1が最大のずれ寸法を呈することとなる。このような場合、下孔50の内縁とフランジ54の外形線との間隔C1、すなわち鋼板部品に対するフランジ54の密着幅が図示のように著しく狭くなり、溶着用突起55が間隔C1から中央側へ外れる恐れがある。つまり、溶着用突起55が鋼板部品の表面に溶着しないこととなる。
これを回避するために、フランジ54の直径D1を大きく設定し、ガイドピン51や雄ねじ部53がどの方向にずれても溶着用突起の溶着を確保する必要があり、このため直径D1を予め大きく設定し、過大フランジによるスペースの増大や、プロジェクションボルト部品の質量増大をまねき、小型化、軽量化などの面で不経済である。
そして、プロジェクションボルトが溶接された鋼板部品を電極から外すと、図3(B2)に示すように、雄ねじ部53が下孔50に対して大幅にずれることとなり、ずれ寸法C2が最大値になる。つまり、下孔50と雄ねじ部53が同心状態となるのが最良であるが、これとは逆に最大のずれ寸法C2が形成されることとなり、鋼板部品に対するボルトの溶接位置が大きくずれて、溶接精度が低下する。
さらに重要視されるのは、ガイドピン51の過熱問題である。雄ねじ部53を受入孔52に円滑に挿入するために、受入孔52の内径に対して、雄ねじ部53の直径を大幅に小さく設定してある。このような寸法差によって図3(B1)に示すように、雄ねじ部53と受入孔52の内面との間に空隙が存置され、このために高温のガイドピン51から雄ねじ部53への熱伝達が不十分になり、ガイドピン51が過熱状態になって耐久性が低下する、という問題がある。そして、雄ねじ部53はねじ形状の山谷が連続しているので、山のエッジ線を受入孔52の内面に極力接近させても、十分な熱伝達がなされない、という問題がある。
本発明による電気抵抗溶接用電極および溶接方法は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、鋼板部品の下孔に対する雄ねじ部の偏心量を最小化し、ボルトの小型化や軽量化を図り、しかもガイドピンの過熱防止と耐久性向上を実現することを目的とする。
請求項1記載の発明は電気抵抗溶接用電極であり、
円形のフランジと、フランジと同軸状態で形成された軸部と、フランジの軸部側の密着面に形成された溶着用突起によって構成され、軸部には、フランジに連続している円筒面を備えた挿入ガイド部と、挿入ガイド部に連続している雄ねじ部が形成され、挿入ガイド部の直径が雄ねじ部の直径よりも大きく設定されているプロジェクションボルトが溶接の対象とされており、
電極本体の端面から突出し鋼板部品の下孔に貫通する断面円形のガイドピンが金属材料またはセラミック材料などの耐熱硬質材料で構成され、電極本体のガイド孔に摺動できる状態で嵌め込まれ、ガイドピンが挿入された状態でガイドピンと一体化されている断面円形の摺動部が合成樹脂材料で構成され、摺動部の外周面に冷却空気の空気通路が形成され、摺動部の端面とガイド孔の内端面が密着したり離れたりして冷却空気の断続を行うように構成され、ガイドピンは軸部が挿入される受入孔が形成されたパイプ状の中空形状とされ、受入孔の内面と挿入ガイド部の円筒面との隙間が、実質的に存在することなく受入孔内面から挿入ガイド部へ熱伝達が行われやすく設定されていることを特徴としている。
鋼板部品の下孔の内径とガイドピンの外径の寸法差をできるだけ小さく設定して、鋼板部品と電極本体との相対位置を正確に求めることや、受入孔の内径と軸部の外径の寸法差をできるだけ小さく設定することにより、軸部と下孔の相対位置、すなわちボルトと鋼板部品の相対位置を、偏心量を極力小さくして正確に求める必要がある。そして、挿入ガイド部の外筒面と鋼板部品の下孔との間隔を小さくして、下孔内における挿入ガイド部の偏心量を少なくすることが、溶接精度向上において重要である。このような要請のため、中空形状のガイドピンの肉厚をできるだけ薄肉化することが求められる。
このような状況下において、受入孔の内面と挿入ガイド部の円筒面との隙間が、実質的に存在することなく受入孔内面から挿入ガイド部へ熱伝達が行われやすく設定されているので、連続した溶接により加熱サイクルが増大しても、高温のガイドピン薄肉部から、常温で挿入された挿入ガイド部への熱流が促進され、つぎつぎと差し込まれる挿入ガイド部による冷却効果が向上し、薄肉部分の耐久性向上が良好になる。
ガイドピンの薄肉部分の外周面には鋼板部品の下孔内面が、こつこつと当たったり擦れたりして高温下で痛みやすいのであるが、冷却促進によってこのような弊害が大幅に軽減される。換言すると、受入孔内面と挿入ガイド部の円筒面との接触は、幾何学的には線接触であるが、両面の間隔は実質的に密着している領域が大きく設定されるので、ガイドピンから挿入ガイド部への熱流が促進される。上記の密着している領域以外であっても、両面間の空隙が著しく微少なので、やはり積極的な熱流が形成される。
受入孔の内面と挿入ガイド部の円筒面との隙間が、実質的に存在することなく受入孔内面から挿入ガイド部へ熱伝達が行われやすく設定されているので、受入孔の直径方向に挿入ガイド部がずれる寸法が最小化される。そのため、下孔の内径に対するフランジの直径をできるだけ小さく設定することができて、ボルトの小型化や軽量化の点で効果的である。すなわち、図3(B1)における受入孔52の内径と、雄ねじ部53の外径の寸法差が著しく小さくなるので、上記のようにフランジの直径を小さくすることが可能となる。
受入孔の内面と挿入ガイド部の円筒面の対向関係は、受入孔内面と雄ねじ部との対向関係ではないので、熱の授受が十分に果たされて、ガイドピンの冷却が効果的になされる。
請求項2記載の発明は電気抵抗溶接方法であり、
円形のフランジと、フランジと同軸状態で形成された軸部と、フランジの軸部側の密着面に形成された溶着用突起によって構成され、軸部には、フランジに連続している円筒面を備えた挿入ガイド部と、挿入ガイド部に連続している雄ねじ部が形成され、挿入ガイド部の直径が雄ねじ部の直径よりも大きく設定されているプロジェクションボルトが溶接の対象とされており、
電極本体の端面から突出し鋼板部品の下孔に貫通する断面円形のガイドピンが金属材料またはセラミック材料などの耐熱硬質材料で構成され、電極本体のガイド孔に摺動できる状態で嵌め込まれ、ガイドピンが挿入された状態でガイドピンと一体化されている断面円形の摺動部が合成樹脂材料で構成され、摺動部の外周面に冷却空気の空気通路が形成され、摺動部の端面とガイド孔の内端面が密着したり離れたりして冷却空気の断続を行うように構成され、ガイドピンは軸部が挿入される受入孔が形成されたパイプ状の中空形状とされ、受入孔の内面と挿入ガイド部の円筒面との隙間が、実質的に存在することなく設定され、
電極本体と対をなす可動電極の進出により、受入孔内面から挿入ガイド部へ熱伝達が行われやすい状態でフランジの溶着用突起が鋼板部品に溶着されることを特徴としている。
この方法発明の効果は、上述の電極の発明の効果と同じである。
電極の各部の断面図である。 電極要部の拡大断面図である。 各部の径寸法を示す平面図である。 ボルトの挿入過渡期を示す断面図である。
つぎに、本発明の電気抵抗溶接用電極および溶接方法を実施するための形態を説明する。
図1、図2、図3(A1)および(A2)、図4は、本発明の実施例を示す。
最初に、電極本体について説明する。
銅合金製の電極本体1は、円筒状の形状であり、静止部材11に差し込まれる固定部2と、鋼板部品3が載置されるキャップ部4がねじ部5において結合されている。電極本体1には断面円形のガイド孔6が形成され、このガイド孔6は少なくとも大径孔7とキャップ部4の中央部に開口する小径孔8によって構成されている。
固定部2の下部にテーパ部9が形成され、このテーパ部9が静止部材11に設けたテーパ孔に嵌入されるようになっている。固定部2の側部に圧縮空気をガイド孔6に導入する通気口10が設けてある。
つぎに、摺動部について説明する。
ガイドピン12は、ステンレス鋼のような金属材料またはセラミック材料等の耐熱硬質材料で構成されている。摺動部13は、耐熱性に優れた絶縁性合成樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(商品名:テフロン)によって構成されている。ガイドピン12は、摺動部13に挿入された状態で一体化されている。ガイドピン12と摺動部13は、いずれも断面円形であり、ガイドピン12は鋼板部品3の下孔14を相対的に貫通して鋼板部品3の位置決め機能を果たすようになっている。ガイドピン12は、受入孔31が形成されたパイプ状の中空形状とされている。
溶接の対象とされる鉄製のプロジェクションボルト32は、円形のフランジ33と、フランジ33と同軸状態で形成された軸部34と、フランジ33の軸部34側の密着面に形成された溶着用突起35によって構成され、軸部34には、フランジ33に連続している円筒面36を備えた挿入ガイド部37と、挿入ガイド部37に連続している雄ねじ部38が形成され、挿入ガイド部37の直径が雄ねじ部38の直径よりも大きく設定されている。挿入ガイド部37と雄ねじ部38の間は、テーパ部39で滑らかに連続している。なお、以下の説明において、プロジェクションボルトを単にボルトと表現する場合もある。
受入孔31の内面と挿入ガイド部37の円筒面36との隙間が、実質的に存在することなく受入孔31の内面から挿入ガイド部37へ熱伝達が行われやすく設定されている。上記隙間は、受入孔31の内面に挿入ガイド部37の円筒面36が擦れながら進退する、摺動状態である。
ボルト32の各部の寸法は、フランジ33の厚さも含めたボルト32の全長が28mm、フランジ33の直径が20mm、軸部34の全長が25.8mm、挿入ガイド部37の長さと円筒面36の直径がそれぞれ5.5mmと9.5mm、雄ねじ部38の直径が8mmである。一方、ガイドピン12の各部の寸法は、ガイドピン12の外径が11.8mm、受入孔31の内径は9.8mm、ガイドピン12の肉厚は1mmである。また、鋼板部品3の下孔14の内径は12.3mmである。
上記の寸法において図3(B1)に示したような位置ずれが生じた場合には、前記間隔C1は、3.45mmである。もし、位置ずれが発生しなければ、間隔C1は3.85mmである。
電極本体1は、固定電極であり、それと同軸状態で可動電極23が配置してある。なお、図1(A)のB−B断面が同図の(B)図であり、C−C断面が同図の(C)図である。
摺動部13は、大径孔7内に実質的に隙間がなくて摺動できる状態で嵌め込んである。摺動部13に挿入孔17が開けられ、そこにガイドピン12が圧入されている。ガイドピン12の端部にこれと一体的にボルト21が形成され、摺動部13の底部材18にボルト21を貫通し、ワッシャ19を組み付けてロックナット20で締め付けてある。なお、摺動部13は、可動電極23が動作して溶接電流が通電されたときに、電流はボルト32の溶着用突起35から鋼板部品3にのみ流れるように、絶縁機能を果たしている。
摺動部13の端部に端面24が形成され、この端面24が大径孔7の内端面25に密着するようになっている。端面24と内端面25は、ガイドピン12の軸線(電極本体1の中心軸線)に直交する平面の状態で、しかもガイドピン12の軸心を環状に包囲する環状面とされている。端面24と内端面25が密着したり、離れたりして冷却空気の断続を行うもので、この密着箇所が開閉弁の役割を果たしている。
ガイドピン12と小径孔8との間に圧縮空気が通過する隙間22が形成してある。可動電極23の進出によってガイドピン12が押し下げられると、端面24が内端面25から離れ、空気流通の空隙が形成される。上記のように、端面24と内端面25の密着部分が開閉弁の機能を果たしている。通気口10から入った圧縮空気は、空気通路26、端面24と内端面25の間、隙間22などを通ってナット15の溶着部の冷却や、スパッタの進入防止がなされる。
摺動部13の外周面に、冷却空気の空気通路26が電極本体1の中心軸線方向に形成してある。空気通路26としては種々なものが採用できる。ここでは、図1(A)や(B)に示すように、摺動部13の外周面に平面部27を2つ対向させて形成して空気通路26が構成してある。平面部27に換えて、摺動部13の外周面に中心軸線方向の凹溝を複数形成することも可能である。
ワッシャ19とガイド孔6の内底面の間に圧縮コイルスプリング29が嵌め込まれており、その張力が摺動部13に作用して端面24が内端面25に密着している。通気口10から供給された冷却空気は、空気通路26に達しているが、上記密着によって通気が禁止されている。なお、符号30は、ガイド孔6の内底面に嵌め込んだ絶縁シートである。
つぎに、受入孔と挿入ガイド部の組み合わせ関係を説明する。
上記のように、受入孔31の内面と挿入ガイド部37の円筒面36との隙間が、実質的に存在することなく受入孔31の内面から挿入ガイド部37へ熱伝達が行われやすく設定されている。このような隙間は、前記挿入ガイド部37の直径が9.5mm、受入孔31の内径が9.8mmによって実現している。受入孔31の内面と挿入ガイド部37の円筒面36との接触は、幾何学的には線接触であるが、両面の間隔は実質的に密着している領域が大きく設定される。このような実質的密着の領域は、図2(B)に示す角度θの範囲である。このような実質的密着により、ガイドピン12から挿入ガイド部37への熱流が促進される。上記の密着している領域以外であっても、両面間の空隙が著しく微少なので、やはり積極的な熱流が形成される。
以上に説明した実施例の作用効果は、つぎのとおりである。
鋼板部品3の下孔14の内径とガイドピン12の外径の寸法差をできるだけ小さく設定して、鋼板部品3と電極本体1との相対位置を正確に求めることや、受入孔31の内径と軸部34の外径の寸法差をできるだけ小さく設定することにより、軸部34と下孔14の相対位置、すなわちボルト32と鋼板部品3の相対位置を、偏心量を極力小さくして正確に求める必要がある。そして、挿入ガイド部37の円筒面36と鋼板部品3の下孔14との間隔を小さくして、下孔14内における挿入ガイド部37の偏心量を少なくすることが、溶接精度向上において重要である。このような要請のため、中空形状のガイドピン12の肉厚をできるだけ薄肉化することが求められる。
このような状況下において、受入孔31の内面と挿入ガイド部37の円筒面36との隙間が、実質的に存在することなく受入孔31の内面から挿入ガイド部37へ熱伝達が行われやすく設定されているので、連続した溶接により加熱サイクルが増大しても、高温のガイドピン薄肉部から、常温で挿入された挿入ガイド部37への熱流が促進され、つぎつぎと差し込まれる挿入ガイド部37による冷却効果が向上し、薄肉部分の耐久性向上が良好になる。
ガイドピン12の薄肉部分の外周面には鋼板部品3の下孔14の内面が、こつこつと当たったり擦れたりして高温下での痛みが進行しやすいのであるが、冷却促進によってこのような弊害が大幅に軽減される。換言すると、受入孔31の内面と挿入ガイド部37の円筒面36との接触は、幾何学的には線接触であるが、両面の間隔は実質的に密着している領域が大きく設定されるので、ガイドピン12から挿入ガイド部37への熱流が促進される。上記の密着している領域以外であっても、両面間の空隙が著しく微少なので、やはり積極的な熱流が形成される。
受入孔31の内面と挿入ガイド部37の円筒面36との隙間が、実質的に存在することなく受入孔31の内面から挿入ガイド部37へ熱伝達が行われやすく設定されているので、受入孔31の直径方向に挿入ガイド部37がずれる寸法が最小化される。そのため、下孔14の内径に対するフランジ33の直径をできるだけ小さく設定することができて、ボルト32の小型化や軽量化の点で効果的である。すなわち、図3(B1)における受入孔52の内径と、雄ねじ部53の外径の寸法差が著しく小さくなるので、上記のようにフランジ33の直径を小さくすることが可能となる。
図3(A1)、(A2)と同図(B1)、(B2)の対比から明らかなように、フランジ33の直径D1は、(A1)、(A2)の方が(B1)、(B2)よりも小さくなっていることが認められる。これは上記のように、挿入ガイド部37が受入孔31の直径方向にずれる寸法が最小化されることによって達成されている。
受入孔31の内面と挿入ガイド部37の円筒面36の対向関係は、受入孔内面と雄ねじ部との対向関係ではないので、熱の授受が十分に果たされて、ガイドピン12の冷却が効果的になされる。
図4に示すように、斜め方向に進退する供給ロッド41の先端に保持具42を設け、この保持具42にボルト32を保持して、雄ねじ部38を斜め方向から受入孔31内へ円弧状に移動させながら差し込んで供給する。この供給の際に、雄ねじ部38のねじ山が受入孔31の開口部の内縁角部に擦りつけられるので、この部分、すなわちガイドピン12の先端部内側が摩耗しやすくなる。ボルト32とガイドピン12の位置関係は、挿入ガイド部37と受入孔31の接近した関係で設定されるので、雄ねじ部38の直径を小さくして上記先端部内側に対する擦れを軽減し、ガイドピン12の上記摩耗を最小化することが可能となる。
溶接方法の実施例の作用効果は、電極の実施例のそれと同じである。
上述のように本発明により、鋼板部品の下孔に対する雄ねじ部の偏心量を最小化し、ボルトの小型化や軽量化を図り、しかもガイドピンの過熱防止と耐久性向上を実現する。したがって、自動車の車体溶接工程や、家庭電化製品の板金溶接工程などの広い産業分野で利用できる。
1 電極本体
3 鋼板部品
6 ガイド孔
12 ガイドピン
13 摺動部
14 下孔
24 端面
25 内端面
26 空気通路
31 受入孔
32 プロジェクションボルト
33 フランジ
34 軸部
35 溶着用突起
36 円筒面
37 挿入ガイド部
38 雄ねじ部
θ 密着領域
D1 フランジの直径

Claims (2)

  1. 円形のフランジと、フランジと同軸状態で形成された軸部と、フランジの軸部側の密着面に形成された溶着用突起によって構成され、軸部には、フランジに連続している円筒面を備えた挿入ガイド部と、挿入ガイド部に連続している雄ねじ部が形成され、挿入ガイド部の直径が雄ねじ部の直径よりも大きく設定されているプロジェクションボルトが溶接の対象とされており、
    電極本体の端面から突出し鋼板部品の下孔に貫通する断面円形のガイドピンが金属材料またはセラミック材料などの耐熱硬質材料で構成され、電極本体のガイド孔に摺動できる状態で嵌め込まれ、ガイドピンが挿入された状態でガイドピンと一体化されている断面円形の摺動部が合成樹脂材料で構成され、摺動部の外周面に冷却空気の空気通路が形成され、摺動部の端面とガイド孔の内端面が密着したり離れたりして冷却空気の断続を行うように構成され、ガイドピンは軸部が挿入される受入孔が形成されたパイプ状の中空形状とされ、受入孔の内面と挿入ガイド部の円筒面との隙間が、実質的に存在することなく受入孔内面から挿入ガイド部へ熱伝達が行われやすく設定されていることを特徴とする電気抵抗溶接用電極。
  2. 円形のフランジと、フランジと同軸状態で形成された軸部と、フランジの軸部側の密着面に形成された溶着用突起によって構成され、軸部には、フランジに連続している円筒面を備えた挿入ガイド部と、挿入ガイド部に連続している雄ねじ部が形成され、挿入ガイド部の直径が雄ねじ部の直径よりも大きく設定されているプロジェクションボルトが溶接の対象とされており、
    電極本体の端面から突出し鋼板部品の下孔に貫通する断面円形のガイドピンが金属材料またはセラミック材料などの耐熱硬質材料で構成され、電極本体のガイド孔に摺動できる状態で嵌め込まれ、ガイドピンが挿入された状態でガイドピンと一体化されている断面円形の摺動部が合成樹脂材料で構成され、摺動部の外周面に冷却空気の空気通路が形成され、摺動部の端面とガイド孔の内端面が密着したり離れたりして冷却空気の断続を行うように構成され、ガイドピンは軸部が挿入される受入孔が形成されたパイプ状の中空形状とされ、受入孔の内面と挿入ガイド部の円筒面との隙間が、実質的に存在することなく設定され、
    電極本体と対をなす可動電極の進出により、受入孔内面から挿入ガイド部へ熱伝達が行われやすい状態でフランジの溶着用突起が鋼板部品に溶着されることを特徴とする電気抵抗溶接方法。
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