JP2017006052A - 栽培室用空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】栽培棚を囲わずとも、栽培棚に適切な風速の空気を通過させる。
【解決手段】栽培室(S1)内の複数の通路(31〜37)は、空調機(62a〜66b)が設置された設置通路(32,34,36)と、設置通路(32,34,36)の隣に位置し空調機(62a〜66b)が設置されていない非設置通路(31,33,35,37)とを有する。第1誘引ファン(71〜77)は、非設置通路(31,33,35,37)に設置されており、空調機(62a〜66b)から吹き出された空調後の空気を含む設置通路(32,34,36)側の空気を、設置通路(32,34,36)側から非設置通路(31,33,35,37)側に引き込む気流を生成する。
【選択図】図5

Description

本発明は、栽培室に設けられた空調システムに関するものである。
栽培室内にて野菜等の植物を栽培する際、栽培室内での植物の生育速度を概ね均一化させるには、栽培棚に適切な風速の空気を通過させて、栽培室内を適切な温度及び湿度にて一定に保つことが要求される。このような要求に関連する技術として、例えば特許文献1及び特許文献2が知られている。
特許文献1では、孔の空いた板で栽培棚を囲っており、栽培室の天井付近に設置されたファンが運転することによって、板の孔から栽培棚を通る気流が生成される。特許文献2においても、特許文献1と同様、栽培棚の周囲を板等によって囲っており、ファンが運転することによって壁の開口から栽培棚を通る気流が生成される。
実用新案登録第2579153号 特開2014−82995号公報
特許文献1,2では、個々の栽培棚を囲うことが必要である。そのため、栽培室に設置された栽培棚の数が多い程、囲うべき栽培棚が多くなり、その分作業者の手間とコストがかかってしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、栽培棚を囲わずとも、栽培棚に適切な風速の空気を通過させることである。
第1の発明は、植物を生育させるための栽培ベッド(40)が載置される複数の栽培棚(21〜26)が、互いに所定間隔離れて配列された栽培室(S1)内において、該栽培室(S1)内の空調を行う栽培室用空調システムであって、上記栽培室(S1)内の空調を行う少なくとも1つの空調機(62a〜66b)と、上記空調機(62a〜66b)とは別に、上記栽培室(S1)内に設置された少なくとも1つの第1送風機(71〜77)と、を備え、上記栽培室(S1)内には、隣接する上記栽培棚(21〜26)の間を含む通路(32〜36)と、上記栽培室(S1)の側壁(S11,S13)及び上記栽培棚(21,26)の間を含む通路(31,37)とが、上記栽培棚(21〜26)の配列方向に沿って複数並んでおり、複数の上記通路(31〜37)は、対応する上記空調機(62a〜66b)が存在する1以上の第1通路(32,34,36)と、該第1通路(32,34,36)の隣に位置し対応する上記空調機(62a〜66b)が存在しない1以上の第2通路(31,33,35,37)とを有し、上記第1送風機(71〜77)は、1以上の上記第2通路(31,33,35,37)の少なくとも1つに対応するようにして設置されており、上記空調機(62a〜66b)から吹き出された空調後の空気を含む上記第1通路(32,34,36)側の空気を、該第1通路(32,34,36)側から、対応する上記第1送風機(71〜77)が存在する上記第2通路(31,33,35,37)側に引き込む気流、を生成することを特徴とする栽培室用空調システムである。
ここでは、第1通路(32,34,36)の圧力は、空調機(62a〜66b)による空気の吹き出しによって陽圧となり、対応する第1送風機(71〜77)が存在する第2通路(31,33,35,37)の圧力は、第1送風機(71〜77)の動作によって負圧となる。この圧力差により、空調機(62a〜66b)から吹き出された空気を含む第1通路(32,34,36)側の空気は、該第1通路(32,34,36)から、通路(31〜37)間に位置する栽培棚(21〜26)を通過して第2通路(31,33,35,37)側に流れる。従って、栽培棚(21〜26)を囲うことなく、栽培棚(21〜26)内部に適切な風速の空気を通過させることができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記栽培室(S1)内においては、対応する上記空調機(62a〜66b)が存在する上記第1通路(32,34,36)と、対応する上記第1送風機(71〜77)が存在する上記第2通路(31,33,35,37)とが交互に配置されていることを特徴とする栽培室用空調システムである。
これにより、空調機(62a〜66b)から吹き出された空気は、空調機(62a〜66b)の第1通路(32,34,36)側から第1送風機(71〜77)の第2通路(31,33,35,37)側へと引き込まれ易くなる。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、上記空調機(62a〜66b)は、上記第1通路(32,34,36)の両端に対応するようにして設置されていることを特徴とする栽培室用空調システムである。
ここでは、第1通路(32,34,36)の両端から空調後の空気が吹き出される。従って、空調後の空気は、不足することなく栽培棚(21〜26)を通過して第2通路(31,33,35,37)へと行き渡る。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明のいずれか1項において、上記第1送風機(71〜77)とは別に設けられ、上記第1通路(32,34,36)に対応するようにして設置されており、上記栽培棚(21〜26)の下方に向かって空気を吹き出す第2送風機(82a〜86b)、
を更に備えることを特徴とする栽培室用空調システムである。
これにより、空調後の空気を含む第1通路(32,34,36)の空気は、栽培棚(21〜26)の下方へも行き渡るようになる。従って、栽培棚(21〜26)の高さ方向に対する温度ムラが解消されやすくなる。
第5の発明は、第4の発明において、上記第1送風機(71〜77)の風量は、上記第2送風機(82a〜86b)の風量よりも大きいことを特徴とする栽培室用空調システムである。
これにより、空調後の空気を含む第1通路(32,34,36)の空気は、栽培棚(21〜26)の下方に流れるよりも、第2通路(31,33,35,37)側へと流れる方が多くなる。従って、上記第1通路(32,34,36)に対応するように第2送風機(82a〜86b)が設けられていても、空調後の空気は第2通路(31,33,35,37)側に確実に引き込まれるようになる。
第6の発明は、第4の発明または第5の発明において、上記栽培室(S1)の側壁(S11,S13)と上記栽培棚(21〜26)との間を含む上記通路である壁際通路(31,37)は、対応する上記第1送風機(71,77)が存在する上記第2通路であって、上記壁際通路(31,37)の隣の上記通路(32,36)は、上記第1通路であって、上記第2送風機(82a,82b,86a,86b)は、上記壁際通路(31,37)の隣の上記第1通路(32,36)に対応するようにして設置されていることを特徴とする栽培室用空調システムである。
壁際通路(31,37)の隣の第1通路(32,36)に対応する第2送風機(82a,82b,86a,86b)の存在により、風量の確保が難しい壁際での風量は増大する。従って、栽培室(S1)内の風速をより均一化させることができる。
第7の発明は、第4の発明から第6の発明のいずれか1つにおいて、上記第1送風機(71〜77)及び上記第2送風機(82a〜86b)は、誘引ファンで構成されていることを特徴とする栽培室用空調システムである。
第8の発明は、第1の発明から第7の発明のいずれか1つにおいて、上記栽培棚(21〜26)の上端と上記栽培室(S1)の天井(S16)との間に設けられ、対応する上記第1送風機(71〜77)が存在する上記第2通路(31,33,35,37)と上記第1通路(32,34,36)との間を仕切る仕切り部材(91〜96)、を更に備えることを特徴とする栽培室用空調システムである。
これにより、空調機(62a〜66b)から吹き出された空気を含む第1通路(32,34,36)の空気が、栽培棚(21〜26)を通過せずに栽培棚(21〜26)の上端と栽培室(S1)の天井(S16)との間をすり抜けて第2通路(31,33,35,37)側へと至ってしまうことを抑制できる。従って、空調後の空気を含む第1通路(32,34,36)の空気を、より確実に栽培棚(21〜26)を通過させることができ、栽培棚(21〜26)内部に適切な風速の空気を通過させることができる。
本発明によれば、栽培棚(21〜26)を囲うことなく、栽培棚(21〜26)内部に適切な風速の空気を通過させることができる。
また、上記第2の発明によれば、空調機(62a〜66b)から吹き出された空気は、空調機(62a〜66b)の第1通路(32,34,36)側から第1送風機(71〜77)の第2通路(31,33,35,37)側へと引き込まれ易くなる。
また、上記第3の発明によれば、空調後の空気は、不足することなく栽培棚(21〜26)を通過して第2通路(31,33,35,37)へと行き渡る。
また、上記第4の発明及び上記第7の発明によれば、栽培棚(21〜26)の高さ方向に対する温度ムラが解消されやすくなる。
また、上記第5の発明によれば、上記第1通路(32,34,36)に対応するように第2送風機(82a〜86b)が設けられていても、空調後の空気は第2通路(31,33,35,37)側に確実に引き込まれるようになる。
また、上記第6の発明によれば、栽培室(S1)内の風速をより均一化させることができる。
また、上記第8の発明によれば、空調後の空気を含む第1通路(32,34,36)の空気を、より確実に栽培棚(21〜26)を通過させることができ、栽培棚(21〜26)内部に適切な風速の空気を通過させることができる。
図1は、本実施形態に係る栽培室用空調システムが配置された栽培室の平面図である。 図2は、図1のII−II断面図である。 図3は、図1のIII−III断面図である。 図4は、栽培棚に設置された栽培ベッドの構成を概略的に示す図である。 図5は、図1において、栽培室内に生成される気流を示す図である。 図6は、その他の実施形態に係る栽培用空調システムが配置された栽培室の平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
≪実施形態≫
<概要>
本実施形態に係る栽培室用空調システム(10)(以下、“空調システム(10)”)は、野菜や果物等の植物(50)を栽培する植物工場及び栽培ハウス等の栽培室(S1)に構築される。空調システム(10)は、栽培中の植物(50)の生長が促進されるように栽培室(S1)内の空気調和を行うシステムであって、主として、複数の空調機(62a,62b,64a,64b,66a,66b)と、第1送風機に相当する複数の第1誘引ファン(71,73,75,77)と、第2送風機に相当する複数の第2誘引ファン(82a,82b,84a,84b,86a,86b)と、複数の仕切り部材(91,92,93,94,95,96)とを備える。このような空調システム(10)は、図1に示すように、複数の栽培棚(21,22,23,24,25,26)が設置された栽培室(S1)内に設置される。
−栽培室−
ここで、図1〜図3を用いて、栽培室(S1)内の栽培棚(21〜26)の配置について説明する。なお、本実施形態に係る栽培室(S1)は、平面視において矩形状であって、図1のX方向に延びる側壁(S11,S13)はY方向に延びる側壁(S12,S14)よりも長くなっている。
図1及び図2に示すように、栽培室(S1)には、複数の栽培棚(21〜26)が図1及び図2のY方向に互い所定間隔離れて配列されている。各栽培棚(21〜26)は、平面視において、図1及び図3のX方向つまりは栽培室(S1)の側壁(S11,S13)に沿って細長く、且つ図2及び図3に示すようにZ方向(鉛直方向)にも延びている。そして、栽培棚(21〜26)は、各側壁(S11〜S14)から離れて位置している。
このような栽培棚(21〜26)の配列によって、図1の破線で示すように、側壁(S13)と当該側壁(S13)に最も近い栽培棚(21)との間、各栽培棚(21〜26)同士の間、側壁(S11)と当該側壁(S11)に最も近い栽培棚(26)との間には、通路(31,32,33,34,35,36,37)が形成されている。通路(31,37)は、側壁(S11,S13)と栽培棚(21,26)との間を含む通路であり、通路(32〜36)は、隣接する栽培棚(21〜26)の間を含む通路である。これら複数の通路(31〜37)は、いずれもX方向に延びており、互いに並行となるように位置している。即ち、複数の通路(31〜37)は、栽培棚(21〜26)と同様に、栽培棚(21〜26)の配列方向であるY方向に沿って並んで配置されている。
このような栽培棚(21〜26)には、図2及び図3に示すように、Z方向(鉛直方向)に向けて段が複数形成されている。各段には、栽培ベッド(40)が複数載置される。
図4に示すように、栽培ベッド(40)は、植物(50)を育成させるためのものであって、主として、植物(50)が植え付けられる栽培パネル(41)と、植物(50)を生育するための養液(47)を溜める養液槽(45)とで構成される。栽培パネル(41)は、ポリスチレンや発砲樹脂等である断熱性の比較的高い材質が水平に延びることで形成された板状部材である。図示していないが、栽培パネル(41)には、水平面上において互いに所定間隔離れて位置する植物植え付け用の孔が、上下方向に貫通するようにして複数設けられている。養液槽(45)は、上面が開放された水槽であって、内部には養液(47)が貯留されている。養液(47)の上方には、養液槽(45)の上面を覆うようにして栽培パネル(41)が載置されている。
<空調システムの構成>
上述した栽培室(S1)内には、空調システム(10)の空調機(62a〜66b)、第1誘引ファン(71〜77)、第2誘引ファン(82a〜86b)及び仕切り部材(91〜96)が配置される。
特に、本実施形態の空調システム(10)を構成する各種機器は、図1に示された配置を採る。この配置は、空調機(62a〜66b)から吹き出された空調後の空気を全ての栽培ベッド(40)に適切な風速にて行き渡らせることで、栽培棚(21〜26)内部の温度及び湿度を均一化させ、栽培ベッド(40)に植えられている植物(50)の生長速度をできる限り均一化させることを実現している。
以下では、空調システム(10)の構成を説明するにあたり、空調システム(10)の各種機器の配置について、重点的に説明していく。
−空調機−
空調機(62a〜66b)は、栽培室(S1)の空調を行うものであって、図2及び図3に示すように栽培室(S1)の天井(S16)付近に設置される。図示していないが、空調機(62a〜66b)は、熱交換器及びファン等を有しており、栽培室(S1)内の空気を取り込むと、これを熱交換器にて冷媒との間で熱交換させて、空気を目標の温度及び湿度に近づける。熱交換後の空気は、空調後の空気として、栽培室(S1)内に吹き出される。
空調機(62a〜66b)は、全ての通路(31〜37)に対応するようにして設けられてはおらず、図1及び図2に示すように、任意の通路(32,34,36)に対応するようにして、当該通路(32,34,36)それぞれの両端且つ側壁(S12,S14)付近に1台ずつ設けられている。本実施形態では、1本の通路おきに空調機(62a〜66b)が対応するようにして配置されている。各空調機(62a〜66b)は、対応する通路(32,34,36)に向けて空調後の空気を例えば水平方向に吹き出す。
具体的には、図1の矢印で示すように、図1において左側に位置する空調機(62b,64b,66b)は、右方向へと空気を吹き出し、図1において右側に位置する空調機(62a,64a,66a)は、左方向へと空気を吹き出す。本実施形態では、通路(32,34,36)がX方向に長いため、空調後の空気を不足なく栽培室(S1)に供給するべく、各空調機(62a〜66b)は、通路(32,34,36)の両側から、通路(32,34,36)内部へと空気を吹き出している。
以下では、説明の便宜上、複数の通路(31〜37)のうち、空調機(62a〜66b)が両端に設置されていることで、対応する空調機が存在している通路(32,34,36)を、「設置通路(第1通路)」と呼称する。また、複数の通路(31〜37)のうち、空調機(62a〜66b)が設置されていないことで、対応する空調機が存在しない通路(31,33,35,37)を、「非設置通路(第2通路)」と呼称する。図1に示すように、栽培室(S1)の平面視において、設置通路(32,34,36)と非設置通路(31,33,35,37)とは交互に配置されている。
−第1誘引ファン−
第1誘引ファン(71〜77)は、上記空調機(62a〜66b)とは別に設けられ、栽培室(S1)内に設置されている。図2及び図3に示すように、第1誘引ファン(71〜77)は、栽培室(S1)の底面(S15)から天井(S16)までの高さの約中間あたりにおいて、図1に示すようにY方向に延びる側壁(S12,S14)付近に位置している。
第1誘引ファン(71〜77)は、比較的小型且つ軽量ながらも空気を効率的に送風することができる小型軸流送風機である。第1誘引ファン(71〜77)は、内部のモータ(図示せず)の駆動により空気を吹き出すが、筒状のノズルの向きを自在に代えることにより所望の方向に空気を吹き出すことができるようになっている。特に、第1誘引ファン(71〜77)は、比較的早い風速で空気をノズルに沿って真っ直ぐに吹き出すことで、吹き出した風量の何十倍もの周辺空気を誘引する。これにより、栽培室(S1)内には、第1誘引ファン(71〜77)が吹き出した空気流よりも大きい気流が生成されるため、第1誘引ファン(71〜77)の設置位置から離れた位置にも気流が届くようになる。
特に、第1誘引ファン(71〜77)は、図1に示すように、対応する空調機(62a〜66b)が存在しない非設置通路(31,33,35,37)それぞれに対応するようにして、当該通路(31,33,35,37)の片方の端部に1台ずつ設けられている。つまり、第1誘引ファン(71〜77)は、隣り合う通路(31〜37)に連続して配置されておらず、1本の通路おきに配置されている。従って、本実施形態では、空調機(62a〜66b)が設置された設置通路(32,34,36)の隣の通路(31,33,35,37)に、第1誘引ファン(71〜77)が配置されており、空調機(62a〜66b)が設置された設置通路(32,34,36)と第1誘引ファン(71〜77)が設置された非設置通路(31,33,35,37)とが交互に配置された状態となっている。第1誘引ファン(71〜77)は、対応する非設置通路(31,33,35,37)に向けて空気を吹き出す。
上述した配置によると、対応する非設置通路(31,33,35,37)に向けて各第1誘引ファン(71〜77)が空気を吹き出しながら、対応する設置通路(32,34,36)に向けて空調機(62a〜66b)が空調後の空気を吹き出すと、図5に示すように、設置通路(32,34,36)は陽圧、非設置通路(31,33,35,37)は負圧となり、隣り合う通路(31〜37)間には圧力差が発生する。特に、設置通路(32,34,36)と非設置通路(31,33,35,37)とは交互に配置されているため、陽圧の通路と負圧の通路とが交互に位置することになる。すると、各空調機(62a〜66b)から吹き出された空調後の空気を含む設置通路(32,34,36)側の空気は、当該設置通路(32,34,36)側からその隣の非設置通路(31,33,35,37)側へと引き込まれる。その気流を、図5の矢印にて示している。図5では、矢印が太い程風速が大きいことを表しているが、栽培室(S1)内の風速は、いずれも所定範囲内(例えば0.5m/s〜1.0m/s)の範囲内に収まることができる。
図5に示した気流は、設置通路(32,34,36)側から隣の非設置通路(31,33,35,37)側に流れる際、通路(31〜37)を実質的に区切る要素となっている栽培棚(21〜26)の中を通過する。これにより、栽培棚(21〜26)に載置された栽培ベッド(40)の植物(50)には、空調後の空気を含む空気がある程度の風速にて行き渡る。従って、植物(50)の生長には良い影響が与えられる。
更に、本実施形態では、図1及び図5に示すように、第1誘引ファン(71,75)が右側に配置された非設置通路(31,35)と、第1誘引ファン(73,77)が左側に設置された非設置通路(33,37)とが、設置通路(32,34,36)を挟んで交互に位置している。これは、平面視において栽培室(S1)内を旋回するような気流が第1誘引ファン(71〜77)によって生成されるようにして、栽培棚(21〜26)内をより空気が通過し易いようにするためである。
−第2誘引ファン−
第2誘引ファン(82a〜86b)は、空調機(62a〜66b)及び第1誘引ファン(71〜77)とは別に設けられ、栽培室(S1)内に配置されている。第2誘引ファン(82a〜86b)は、第1誘引ファン(71〜77)と同様、吹き出す方向を自在に代えることができ、且つ自身が吹き出した風量の何十倍もの周辺空気を誘引するファンであって、底面(S15)から天井(S16)までの高さの約中間あたりにおいて、側壁(S12,S14)付近に位置している。
特に、第2誘引ファン(82a〜86b)は、図1に示すように、設置通路(32,34,36)それぞれに対応するようにして、当該通路(32,34,36)それぞれの両端に1台ずつ設けられている。即ち、第2誘引ファン(82a〜86b)は、空調機(62a〜66b)の下方に設置されており、1本の通路おきに配置されている。図示していないが、第2誘引ファン(82a〜86b)のノズルは底面(S15)側に向けられており、第2誘引ファン(82a〜86b)は、栽培棚(21〜26)の下方に向かって空気を吹き出す。
これにより、設置通路(32,34,36)側は、空調機(62a〜66b)のみならず第2誘引ファン(82a〜86b)の存在により、確実に陽圧となる。そして、空調機(62a〜66b)が吹き出した空気は、第1誘引ファン(71〜77)によって設置通路(32,34,36)側から非設置通路(31,33,35,37)側へと誘引されるのみならず、第2誘引ファン(82a〜86b)によって各栽培棚(21〜26)の下方へも誘引される。従って、栽培棚(21〜26)の下方にも空調後の空気が適切な風速にて行き渡るようになり、栽培棚(21〜26)の下方の温度ムラ及び湿度ムラが解消される。
ところで、上述した配置によると、各通路(31〜37)には、少なくとも1台の誘引ファン(71〜77,82a〜86b)が配置されていることになる。すると、第1誘引ファン(71〜77)及び第2誘引ファン(82a〜86b)それぞれの吹き出し風量によっては、誘引対象となる設置通路(32,34,36)側の空気が不足し、場合によっては設置通路(32,34,36)側から非設置通路(31,33,35,37)側への気流が弱まるおそれがある。すると、栽培棚(21〜26)を通過する空気の風量が少なくなり、栽培ベッド(40)周囲の空気がよどむ可能性がある。
そこで、本実施形態では、第1誘引ファン(71〜77)の吹き出し風量を、第2誘引ファン(82a〜86b)の吹き出し風量よりも大きくするように、各誘引ファン(71〜77,82a〜86b)の風量の調節が行われている。本実施形態では、1本の非設置通路(31,33,35,37)に1つの第1誘引ファン(71〜77)が設置され、1本の設置通路(32,34,36)に2つの第2誘引ファン(82a〜86b)が設置されていることから、1台あたりの第1誘引ファン(71〜77)の吹き出し風量を“Fa”、1台あたりの第2誘引ファン(82a〜86b)の吹き出し風量を“Fb”とすると、“Fa>Fb×2”の関係が成立するように風量調節が行われる。
これにより、第1誘引ファン(71〜77)は、第2誘引ファン(82a〜86b)の影響をさほど受けることなく、空調機(62a〜66b)から吹き出される空気を含む隣の設置通路(32,34,36)側の空気、及び対応する非設置通路(31,33,35,37)周囲の栽培棚(21〜26)内部の空気を、対応する非設置通路(31,33,35,37)側へと誘引することができる。
なお、本実施形態では、図1及び図5に示すように、栽培室(S1)の側壁(S11.S13)と栽培棚(21〜26)との間に位置する通路(31,37)(以下、壁際通路)は、非設置通路となっている。第2誘引ファン(82a,82b,86a,86b)は、壁際通路(31,37)の隣の通路(32,36)の両端(即ち、最も側壁(S11,S13)に近い設置通路(32,36))にも、設置されている。第2誘引ファン(82a,82b,86a,86b)が設置通路(32,36)にない場合、側壁(S11,S13)のちょうど真ん中あたりの風速が限りなくゼロに近く空気がよどんでいたものが、隣の通路(32,36)への第2誘引ファン(82a,82b,86a,86b)の設置によって改善された。これは、最も側壁(S11,S13)に近い設置通路(32,36)に第2誘引ファン(82a,82b,86a,86b)を配置することで、図5にも示されるように、風量の確保が比較的難しい側壁(S11,S13)においても空気がより行き渡り易くなるからである。これにより、栽培室(S1)内の風速を、より均一化にすることができている。
−仕切り部材−
仕切り部材(91〜96)は、木材、樹脂及び金属等で構成され、一定の厚みを有し、且つ一方向(図1及び図3のX方向)に延設された板状部材である。仕切り部材(91〜96)は、図3に示すように、各栽培棚(21〜26)の上端と栽培室(S1)の天井(S16)との間に設けられている。仕切り部材(91〜96)は、空調機(62a〜66b)が設置された設置通路(32,34,36)と、第1誘引ファン(71〜77)が設置された非設置通路(31,33,35,37)とを仕切っている。
図2及び図3に示すように、本実施形態では、栽培棚(21〜26)は栽培室(S1)の天井(S16)には到達しておらず、栽培棚(21〜26)の上端から天井(S16)までは開放された空間が形成されている。このような空間があると、たとえ陽圧の設置通路(32,34,36)側から負圧の非設置通路(31,33,35,37)側へと空気が流れるとしても、設置通路(32,34,36)側の空気の少なくとも一部は、栽培棚(21〜26)を通過せずに栽培棚(21〜26)の上端と天井(S16)との間の空間をすり抜けて非設置通路(31,33,35,37)側へと至ってしまうおそれがある。これに対し、本実施形態では、仕切り部材(91〜96)が設けられているため、設置通路(32,34,36)側の空気が栽培棚(21〜26)の上端と天井(S16)との間の空間をすり抜けて非設置通路(31,33,35,37)側へと至ることはなく、設置通路(32,34,36)側の空気は、確実に栽培棚(21〜26)内を通過することができる。
なお、本実施形態では、図1及び図5に示すように、仕切り部材(91〜96)のX方向への長さと栽培棚(21〜26)のX方向への長さとが概ね一致している。しかし、仕切り部材(91〜96)のX方向への長さは、栽培棚(21〜26)のX方向への長さよりも長くてもよい。例えば、仕切り部材(91〜96)のX方向への長さは、栽培室(S1)の側壁(S12)から当該側壁(S12)に対向する側壁(S14)まで延びていてもよい。これにより、仕切り部材(91〜96)は、栽培棚(21〜26)の上端と天井(S16)との間の空間を、設置通路(32,34,36)側と非設置通路(31,33,35,37)側とで完全に仕切ることができる。従って、設置通路(32,34,36)側の空気が栽培棚(21〜26)の上端と天井(S16)との間の空間をすり抜けて非設置通路(31,33,35,37)側へと至る現象の発生を、より確実に防ぐことができる。
<本実施形態に係る風速の一例>
以下では、比較例を軽く説明すると共に、上述した本実施形態の空調システム(10)における風速の一例について説明する。
本実施形態に対する比較例として、全ての通路(31〜37)に対応するようにして、各通路(31〜37)の両端に空調機及び誘引ファンが設けられた配置を考える。この配置では、各通路(31〜37)の誘引ファンは、例えば同量の空気を隣の通路(31〜37)から誘引する。すると、各栽培棚(21〜26)には、風向が互いに逆であるが風速が同じである空気が、両隣の通路(31〜37)から流入してくるため、これらの空気は栽培棚(21〜26)内部にて互いに打ち消し合う。すると、栽培棚(21〜26)内部を適切な風量の空気が通過することは叶わず、植物(50)の生長がばらつく等の悪影響が生じるおそれがある。
これに対し、本実施形態に係る空調システム(10)では、図1及び図5で示したように、空調機(62a〜66b)が設置された設置通路(32,34,36)と、第1誘引ファン(71〜77)のみが設置された非設置通路(31,33,35,37)とが、交互に配置されている。すると、栽培棚(21〜26)内部には適切な風量の空気が送られる。
具体的に、空調機(62a〜66b)の風量を“Am3/min”、第1誘引ファン(71〜77)の吹き出し風量を“Bm3/min”、第2誘引ファン(82a〜86b)の吹き出し風量を“Cm3/min”とする。なお、第1誘引ファン(71〜77)の吹き出し風量“Bm3/min”は、第2誘引ファン(82a〜86b)の吹き出し風量“Cm3/min”よりも大きい(B>C)。第1誘引ファン(71〜77)及び第2誘引ファン(82a〜86b)が、自身の吹き出し風量の約20倍の風量を誘引できるとすると、第1誘引ファン(71〜77)によって誘引される風量は“B×20m3/min”となり、第2誘引ファン(82a〜86b)によって誘引される風量は“C×20m3/min”となる。
すると、空調機(62a〜66b)が設置されている設置通路(32,34,36)では、第2誘引ファン(82a〜86b)は、風量“C×20m3/min”から空調機(62a〜66b)の風量“Am3/min”を引いた風量分“(C×20)−Am3/min”を、周囲から誘引する。特に、設置通路(32,34,36)では、第2誘引ファン(82a〜86b)が両端に2台配置されているため、設置通路(32,34,36)には、周囲から“(C×20)−Am3/min”の2倍の風量が誘引される。
一方、非設置通路(31,33,35,37)では、“B×20m3/min”から“(C×20)−Am3/min”の2倍を差し引いた風量が、栽培棚(21〜26)の内部や設置通路(32,34,36)側から誘引されることになる。
<効果>
栽培室(S1)内には、対応する空調機(62a〜66b)が存在する設置通路(32,34,36)と、対応する空調機(62a〜66b)が存在しない非設置通路(31,33,35,37)とが交互に配置されている。第1誘引ファン(71〜77)は、非設置通路(31,33,35,37)に対応するようにして設置されており、空調後の空気を含む設置通路(32,34,36)側の空気を、設置通路(32,34,36)側から非設置通路(31,33,35,37)側に引き込む気流を生成する。すると、設置通路(32,34,36)の圧力は、空調機(62a〜66b)による空気の吹き出しによって陽圧となり、対応する第1誘引ファン(71〜77)が存在する非設置通路(31,33,35,37)の圧力は、第1誘引ファン(71〜77)の動作によって負圧となる。この圧力差により、空調後の空気を含む設置通路(32,34,36)側の空気は、該設置通路(32,34,36)から、通路(31〜37)間に位置する栽培棚(21〜26)を通過して非設置通路(31,33,35,37)側に流れる。従って、栽培棚(21〜26)を囲わずとも、栽培棚(21〜26)内部に適切な風速の空気を通過させることができる。
特に、空調機(62a〜66b)が設置された設置通路(32,34,36)と、第1誘引ファン(71〜77)が設置された非設置通路(31,33,35,37)とが交互に配置されている。これにより、空調機(62a〜66b)から吹き出された空気は、設置通路(32,34,36)側から非設置通路(31,33,35,37)側へと引き込まれ易くなる。
また、空調機(62a〜66b)は、設置通路(32,34,36)の両端に対応するようにして設置されている。そのため、設置通路(32,34,36)では、該通路(32,34,36)両端から空調後の空気が吹き出される。従って、空調後の空気は、不足することなく栽培棚(21〜26)を通過して非設置通路(31,33,35,37)へと行き渡る。
また、設置通路(32,34,36)には、第2誘引ファン(82a〜86b)が更に設置されている。第2誘引ファン(82a〜86b)により、空調後の空気を含む設置通路(32,34,36)の空気は、栽培棚(21〜26)の下方へも行き渡るようになる。従って、栽培棚(21〜26)の高さ方向に対する温度ムラが解消されやすくなる。
特に、第1誘引ファン(71〜77)の風量は第2誘引ファン(82a〜86b)の風量よりも大きいため、空調後の空気を含む設置通路(32,34,36)の空気は、栽培棚(21〜26)の下方に流れるよりも、非設置通路(31,33,35,37)側へと流れる方が多くなる。従って、第2誘引ファン(82a〜86b)が設けられていても、空調後の空気は非設置通路(31,33,35,37)側に確実に引き込まれるようになる。
また、壁際通路(31,37)は非設置通路であり、壁際通路(31,37)の隣の設置通路(32,36)には、第2誘引ファン(82a,82b,86a,86b)が設置されている。この第2誘引ファン(82a,82b,86a,86b)により、風量の確保が難しい壁際での風量は増大する。従って、栽培室(S1)内の風速をより均一化させることができる。
また、栽培棚(21〜26)の上端と栽培室(S1)の天井(S16)との間には、非設置通路(31,33,35,37)と設置通路(32,34,36)との間を仕切る仕切り部材(91〜96)が設けられている。これにより、空調機(62a〜66b)から吹き出された空気を含む設置通路(32,34,36)の空気が、栽培棚(21〜26)を通過せずに栽培棚(21〜26)の上端と栽培室(S1)の天井(S16)との間をすり抜けて非設置通路(31,33,35,37)側へと至ってしまうことを抑制できる。従って、空調後の空気を含む設置通路(32,34,36)の空気を、より確実に栽培棚(21〜26)を通過させることができ、栽培棚(21〜26)内部に適切な風速の空気を通過させることができる。
≪その他の実施形態≫
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
設置通路及び非設置通路は、1本ずつ交互に配置されるのではなく、例えば複数本ずつが交互に配置されていてもよい。図6では、側壁(S13)から側壁(S11)に向かって順に、2本の設置通路(31,32)、2本の非設置通路(33,34)、1本の設置通路(35)、2本の非設置通路(36,37)が並んでいる場合を例示している。非設置通路(33,34,36,37)のうち通路(33,36)には、第1誘引ファン(73,76)が配置されている。各設置通路(31,32,35)の両端には、空調機(61a,61b,62a,62b,65a,65b)及び第2誘引ファン(81a,81b,82a,82b,85a,85b)が設置されている。各非設置通路(33,36)には、第1誘引ファン(73,76)が1台ずつ設置されているが、非設置通路(34,37)には空調機も誘引ファンも設置されていない。
空調機(62a〜66b)及び第2誘引ファン(82a〜86b)は、設置通路(32,34,36)の両端ではなく、片方の端部に設けられていても良い。
第1誘引ファン(71〜77)は必須であるが、第2誘引ファン(82a〜86b)は設けられずとも良い。
第1誘引ファン(71〜77)の風量が第2誘引ファン(82a〜86b)の風量よりも大きい条件は、必ずしも満たされていなくても良い。
図1及び図5では、壁際通路(31,37)の隣の設置通路(32,36)に第2誘引ファン(82a,82b,86a,86b)が設置されているが、これに限定されない。
第1誘引ファン(71〜77)及び第2誘引ファン(82a〜86b)は、シロッコファン等によって構成されていてもよい。
仕切り部材(91〜96)は、必ずしも設けられずとも良い。
通路(31〜37)の本数、栽培棚(21〜26)の数、空調機(62a〜66b)の台数、第1誘引ファン(71〜77)の数、及び第2誘引ファン(82a〜86b)の数は、上記実施形態に限定されない。最低限、栽培棚が2つであってもよく、この場合、栽培棚同士の間及び栽培棚と側壁(S11,S13)との間では通路が3本形成される。
図1及び図5に示すように、第1誘引ファン(71,75)が右側に配置された非設置通路(31,35)と、第1誘引ファン(73,77)が左側に設置された非設置通路(33,37)とが、設置通路(32,34,36)を介して必ずしも交互に位置していなくてもよい。また、非設置通路(31,33,35,37)に第1誘引ファン(71〜77)が設置される際、第1誘引ファン(71〜77)は、非設置通路(31,33,35,37)の左側のみまたは右側のみに配置されていてもよい。
空調機(62a〜66b)及び第2誘引ファン(82a〜86b)は、設置通路(32,34,36)に対応するようにして設けられていれば良い。従って、空調機(62a〜66b)及び第2誘引ファン(82a〜86b)は、設置通路(32,34,36)外に設置されているが、設置通路(32,34,36)に向けて空気を吹き出すことができるように設置されていてもよい。また、第1誘引ファン(71〜77)も、非設置通路(31,33,35,37)に対応するようにして設けられていれば良い。従って、第1誘引ファン(71〜77)は、非設置通路(31,33,35,37)外に設置されているが、非設置通路(31,33,35,37)に向けて空気を吹き出すことができるように設置されていてもよい。
栽培棚(21〜26)には、栽培ベッド(40)の他、LEDの反射板等が設置されている。これらは、栽培棚(21〜26)を通過する空気の流れを遮る要素となる。そのため、第1誘引ファン(71〜77)及び空調機(62a〜66b)を選定したり配置を決定したりする際、空気の流れを遮る要素による影響を考慮して栽培棚(21〜26)を空気が通過する表面積及び風速を演算し、その演算結果が利用されることが好ましい。
以上説明したように、本発明は、複数の栽培棚が互いに所定間隔離れて配列された栽培室内の空調を行う空調システムについて有用である。
S1 栽培室
S11,S13 側壁
10 栽培室用空調システム
21,22,23,24,25,26 栽培棚
31,32,33,34,35,36,37 通路
31,33,35,37 非設置通路(第2通路)
32,34,36 設置通路(第1通路)
40 栽培ベッド
62a,62b,64a,64b,66a,66b 空調機
71,73,75,77 第1誘引ファン(第1送風機)
82a,82b,84a,84b,86a,86b 第2誘引ファン(第2送風機)
91,92,93,94,95,96 仕切り部材

Claims (8)

  1. 植物を生育させるための栽培ベッド(40)が載置される複数の栽培棚(21〜26)が、互いに所定間隔離れて配列された栽培室(S1)内において、該栽培室(S1)内の空調を行う栽培室用空調システムであって、
    上記栽培室(S1)内の空調を行う少なくとも1つの空調機(62a〜66b)と、
    上記空調機(62a〜66b)とは別に、上記栽培室(S1)内に設置された少なくとも1つの第1送風機(71〜77)と、
    を備え、
    上記栽培室(S1)内には、隣接する上記栽培棚(21〜26)の間を含む通路(32〜36)と、上記栽培室(S1)の側壁(S11,S13)及び上記栽培棚(21,26)の間を含む通路(31,37)とが、上記栽培棚(21〜26)の配列方向に沿って複数並んでおり、
    複数の上記通路(31〜37)は、対応する上記空調機(62a〜66b)が存在する1以上の第1通路(32,34,36)と、該第1通路(32,34,36)の隣に位置し対応する上記空調機(62a〜66b)が存在しない1以上の第2通路(31,33,35,37)とを有し、
    上記第1送風機(71〜77)は、
    1以上の上記第2通路(31,33,35,37)の少なくとも1つに対応するようにして設置されており、
    上記空調機(62a〜66b)から吹き出された空調後の空気を含む上記第1通路(32,34,36)側の空気を、該第1通路(32,34,36)側から、対応する上記第1送風機(71〜77)が存在する上記第2通路(31,33,35,37)側に引き込む気流、を生成する
    ことを特徴とする栽培室用空調システム。
  2. 請求項1において、
    上記栽培室(S1)内においては、対応する上記空調機(62a〜66b)が存在する上記第1通路(32,34,36)と、対応する上記第1送風機(71〜77)が存在する上記第2通路(31,33,35,37)とが交互に配置されている
    ことを特徴とする栽培室用空調システム。
  3. 請求項1または請求項2において、
    上記空調機(62a〜66b)は、上記第1通路(32,34,36)の両端に対応するようにして設置されている
    ことを特徴とする栽培室用空調システム。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項において、
    上記第1送風機(71〜77)とは別に設けられ、上記第1通路(32,34,36)に対応するようにして設置されており、上記栽培棚(21〜26)の下方に向かって空気を吹き出す第2送風機(82a〜86b)、
    を更に備える
    ことを特徴とする栽培室用空調システム。
  5. 請求項4において、
    上記第1送風機(71〜77)の風量は、上記第2送風機(82a〜86b)の風量よりも大きい
    ことを特徴とする栽培室用空調システム。
  6. 請求項4または請求項5において、
    上記栽培室(S1)の側壁(S11,S13)と上記栽培棚(21〜26)との間を含む上記通路である壁際通路(31,37)は、対応する上記第1送風機(71,77)が存在する上記第2通路であって、
    上記壁際通路(31,37)の隣の上記通路(32,36)は、上記第1通路であって、
    上記第2送風機(82a,82b,86a,86b)は、上記壁際通路(31,37)の隣の上記第1通路(32,36)に対応するようにして設置されている
    ことを特徴とする栽培室用空調システム。
  7. 請求項4から請求項6のいずれか1項において、
    上記第1送風機(71〜77)及び上記第2送風機(82a〜86b)は、誘引ファンで構成されている
    ことを特徴とする栽培室用空調システム。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項において、
    上記栽培棚(21〜26)の上端と上記栽培室(S1)の天井(S16)との間に設けられ、対応する上記第1送風機(71〜77)が存在する上記第2通路(31,33,35,37)と上記第1通路(32,34,36)との間を仕切る仕切り部材(91〜96)、
    を更に備える
    ことを特徴とする栽培室用空調システム。
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