JP2017005042A - 多点締め込み式ロックシステム及びこれを用いた防爆扉 - Google Patents

多点締め込み式ロックシステム及びこれを用いた防爆扉 Download PDF

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Abstract

【課題】筐体内部で短絡アークの発生により内圧が上昇しても、扉を確実に保持する。
【解決手段】扉の回動側の側部の複数個所に剛体からなるロック部材2を設け、これに対応して筐体側に剛体からなる受け部5を設け、ハンドル4の操作によりロックバー3を駆動して、各ロック部材2のフックプレート22を回動させることにより、フックプレート22のフック部222を各受け部5のフック係合部52内に挿入し、フック部222のロック係合面R1とフック係合部52のロック被係合面R2とをフックプレート22の作動支点部225と略同じ高さ位置で対接係合させるようにした。
【選択図】図6

Description

本発明は、防爆扉など筐体内部の圧力の上昇により大きな圧力に接する扉その他筐体に確実に保持されることが求められる扉に使用する多点締め込み式ロックシステム及びこれを用いた防爆扉に関する。
一般に高圧配電箱などは、筐体内部で高電圧を遮断(短絡)する際に、その電気的エネルギーが瞬時に集まり、アークが放出されて、その放出されたアークが爆発のような状態となり、筐体内が高圧となって、扉が吹き飛ばされることがある。この種の筐体の扉は、かかる短絡アーク発生時の内圧上昇にそなえて、防爆構造が採られている。防爆扉は、ヒンジやロック部を強化するなどして、内部爆発によって扉が破損し、周辺の機器や周辺の人に影響することのないように工夫がなされたものである。
この種の防爆扉が、例えば特許文献1などに記載されている。この文献1の防爆扉は、筐体の一側部にヒンジ部材を介して連結され、他側部に係止金具などの錠装置が配設されて、これらヒンジ部材と錠装置とにより、扉が筐体に密着して締め込まれ、短絡アーク発生時の爆風により、筐体内部の破損物が筐体外部に飛散しないようになっている。
実用新案登録第3034496号公報
しかしながら、従来の防爆扉などの扉の締め込み構造では、扉が筐体に一方の側部のヒンジ部材と他方の側部の係止金具などにより結合されて、扉の全周のごく一部が固定されているだけなので、筐体内部で短絡アークの発生などにより筐体内部の圧力が上昇して、扉に数トンの圧力が加えられた場合に、係止金具などの錠装置ではこの内圧に耐え切れず扉を保持することができない、という問題がある。
本発明は、このような従来の問題を解決するもので、扉の回動側の側部を複数の錠止点でロック部材と受け部との係合により固定し、特に各錠止点でのロック部材と受け部との係合を、扉を筐体の内部から外部に押し出す方向への力に十分に抗し得るものとし、例えば筐体内部で短絡アークの発生などにより筐体内部の圧力が上昇して、扉に数トンの圧力が加えられた場合でも、各錠止点での各部材の係合を維持し、扉を確実に保持することのできる多点締め込み式ロックシステム及びこれを用いた防爆扉を提供すること、を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、
扉の背面で回動側の側部に沿って複数の取付個所にロック部材が配置され、扉の正面に取り付けられたハンドルの操作に連動して前記各ロック部材に連結されたロックバーを扉の背面の側部に沿って進退駆動することにより、前記各ロック部材を筐体側の受け部に対して係合離脱する形式の多点締め込み式ロックシステムであって、
前記各ロック部材は、
高い剛性を有する材料からなり、扉の背面の前記取付箇所に固着される固着部、及び前記固着部から延び、両側面間を貫通する軸挿通部を有する支持部を具備する取付ベースと、
高い剛性を有する材料からなり、基端側に形成され、前記取付ベースの軸挿通部に連通する軸挿通部を有する回動支点部、前記回動支点部から先端側に向けて側面視断面略L字形形状に形成され、当該略L字形形状のうち前記回動支点部側に向けられる面をロック係合面として略直線的な平坦面とするフック部、及び前記回動支点部と前記フック部との間で前記回動支点部に隣接して、かつ前記フック部の前記ロック係合部に対して側面視断面略V字形又は略U字形の溝を介して対向して形成され、前記回動支点部の前記軸挿通部と平行の軸挿通部を有する作動支点部を具備するフックプレートと、
を備え、
前記各取付ベースは、前記固着部が扉の背面の前記各取付箇所に固着されて、前記支持部が扉の背面に対して略直角に扉の後方に向けて突出され、
前記各フックプレートは、前記回動支点部の軸挿通部と前記各取付ベースの軸挿通部との間に連結軸を通して前記各取付ベースに回動可能に取り付けられるとともに、前記各作動支点部の軸挿通部に前記ロックバーに突設される軸を通して前記ロックバーに作動連結され、
前記受け部は、高い剛性を有する材料からなり、筐体に固定される固定部、及び前記固定部から平面視断面略L字形形状又は略U字形形状に延び、当該略L字形形状又は略U字形形状のうち筐体と平行で筐体側に向けられる面をロック被係合面として略直線的な平坦面とするフック係合部を備え、
前記各受け部は、前記固定部が筐体の正面で扉の背面の前記各ロック部材に対応する位置に固定されて、前記フック係合部が筐体の正面に平行に配置され、
前記ハンドルの操作により前記ロックバーを駆動して、前記各フックプレートの前記作動支点部を前記各フックプレートの前記回動支点部を回動中心にして回動させることにより、前記各フックプレートの前記フック部を前記受け部の前記フック係合部内に挿入し、前記各フック部の前記ロック係合面と前記フック係合部の前記ロック被係合面とを前記フックプレートの前記作動支点と略同じ高さ位置で対接係合させる、
ことを要旨とする。
この多点締め込み式ロックシステムはさらに次のように具体化される。
(1)ロック部材は、扉の複数の取付個所のうち下部側の取付箇所に配置される下部側ロック部材と上部側の取付箇所に配置される上部側ロック部材とを備え、前記下部側ロック部材は下部側の取付箇所にフックプレートのフック部の先端が下向きに取り付けられて、前記下部側ロック部材のフックプレートの作動支点が下部側のロックバーに軸支され、前記上部側ロック部材は上部側の取付箇所に前記フックプレートの前記フック部の先端が上向きに取り付けられて、前記上部側ロック部材の前記フックプレートの作動支点部が上部側のロックバーに軸支され、扉の正面で前記下部側ロック部材と前記上部側ロック部材との間に当たる位置に前記下部側ロック部材及び前記上部側ロック部材共通のハンドルが取り付けられて、前記ハンドルと前記下部側及び上部側の各ロックバーが作動連結される。
(2)ハンドルは、扉の正面で下部側ロック部材と上部側ロック部材との間に当たる位置に形成される取付開口上に取り付けられ、上部側に前記取付開口に連通する開口部及び当該開口部の両側から前記取付開口を通して扉の背面側に突出される作動レバー取付部を有するハンドルベースと、前記ハンドルベースの上部側に扉の正面と平行な第1の固定枢軸を介して枢着されて前記ハンドルベース上に起伏回動可能に装着され、上部側に前記取付開口を通して扉の背面側に突出可能な作動アームを有するハンドルレバーと、前記ハンドルレバーの前記作動アームの突出端に上端を前記第1の固定枢軸と平行な第1の可動枢軸を介して枢着され、上端から下端にかけて略逆L字形をなす第1の連結リンクと、前記第1の連結リンクの下端に上端を前記第1の固定枢軸と平行な第2の可動枢軸を介して枢着され、上端から下方向に延びる作動支点部及び当該作動支点部下端で一端が前記ハンドルベースの前記作動レバー取付部に前記第1の固定枢軸と平行な第2の固定枢軸を介して枢着されて他端が扉の後方に向けて下方斜めに延びる作動部を有する下部側の作動レバーと、前記第1の連結リンクの中間部に下端を前記第1の固定枢軸と平行な第3の可動枢軸を介して枢着され、下端から上端にかけて略直線的な形状をなす第2の連結リンクと、前記第2の連結リンクの上端に下端を前記第1の固定枢軸と平行な第4の可動枢軸を介して枢着され、下端から上方向に延びる作動支点部及び当該作動支点部上端で一端が前記ハンドルベースの前記作動レバー取付部に前記第1の固定枢軸と平行な第3の固定枢軸を介して枢着されて他端が扉の後方に向けて上方斜めに延びる作動部を有する上部側の作動レバーと、前記第1の固定枢軸と前記第2の固定枢軸との間に介装され、前記ハンドルベースから起立状態の前記ハンドルレバーを保持し、前記ハンドルベースに倒伏状態の前記ハンドルレバーを保持する反転ばねとを備え、前記下部側の作動レバー、前記上部側の作動レバーはそれぞれ、前記下部側のロックバー、前記上部側のロックバーに作動連結されて、前記ハンドルレバーを前記ハンドルベース上に倒伏させる前記ハンドルレバーの回動操作により、前記下部側及び上部側の各作動レバーを略ハの字形に開動して、下部側の作動レバーを下方向に、前記上部側の作動レバーを上方向に、それぞれ駆動し、前記下部側のロック部材は前記フックプレートを下方向に回動して前記フック部を前記受け部の前記フック係合部に上から係合させ、前記上部側のロック部材は前記フックプレートを上方向に回動して前記フック部を前記受け部の前記フック係合部に下から係合させ、前記ハンドルレバーを前記ハンドルベース上に起立させる前記ハンドルの回動操作により、前記下部側及び上部側の各作動レバーを略逆ハの字形に閉動して、下部側の作動レバーを上方向に、前記上部側の作動レバーを下方向に、それぞれ駆動し、前記下部側のロック部材は前記フックプレートを上方向に回動して前記フック部を前記受け部の前記フック係合部から離脱させ、前記上部側のロック部材は前記フックプレートを下方向に回動して前記フック部を前記受け部の前記フック係合部から離脱させる。
(3)ハンドルは、ハンドルベースの正面下部側に扉の正面と平行な軸を介して上下方向に回動可能に取り付けられるとともに常態としてばねにより回動付勢されて前記ハンドルベースの正面に対して略直角に支持され、前方に向けて突出される前端部側に爪部を有するフック、及びハンドルレバーの背面下部側に前記ハンドルレバーの後方に向けて突出され、当該後方に突出される後端部に前記フックの前記爪部に係合可能な受け部を有するフック受け部を具備し、前記ハンドルレバーを前記ハンドルベース上に倒伏させることにより、前記フックと前記フック受け部とを弾性係合させて前記ハンドルレバーの回動を規制し、前記ハンドルレバーを前記ハンドルベース上に保持するレバーキャッチと、前記ハンドルベースに前記レバーキャッチに隣接して鍵穴を前方に向けて取り付けられるシリンダ錠、前記シリンダ錠のロータの前記鍵穴とは反対側の後端部側に前記ハンドルベースの上下方向にスライド可能に配設され、前記シリンダ錠のロータにスライドガイドを介して作動連結されて、前記シリンダ錠のキー操作により、前記ロータをロック位置に回すことにより前記レバーキャッチの前記フックに対して係合しない位置にスライド駆動され、前記フックと前記フック受け部との係合を保持し、前記ロータをアンロック位置に回すことにより前記レバーキャッチの前記フックに対して係合する位置にスライド駆動され、前記フックを前記ばねの付勢力に抗して押圧回動して、前記フックと前記フック受け部との係合を解除するスライドプレートとを具備し、前記レバーキャッチによる前記ハンドルベース上の前記ハンドルレバーの回動規制を解除する錠前ユニットとを併せて備える。
また、本発明は、一方の側部がヒンジ部材を介して筐体の一方の側部に回動可能に連結され、他方の側部がロック装置を介して筐体に締め込まれる形式で、筐体内部で発生した大きな圧力に抗する防爆扉であって、前記ロック装置に、上記の多点締め込み式ロックシステムを用いた、ことを要旨とする。
(1)本発明の多点締め込み式ロックシステムによれば、上記の構成により、扉の回動側の側部の複数個所に高い剛性を有するロック部材を設け、これに対応して筐体側に高い剛性を有する受け部を設け、ハンドルの操作によりロックバーを駆動して、各ロック部材のフックプレートの作動支点部をフックプレートの回動支点部を回動中心にして回動させることにより、フックプレートのフック部を筐体側の各受け部のフック係合部内に挿入し、フック部のロック係合面とフック係合部のロック被係合面とをフックプレートの作動支点と略同じ高さ位置で対接係合させるようにしたので、扉の回動側の側部を複数の複数個所でロック部材と受け部との係合により固定し、特に各箇所でのロック部材と受け部の高い剛性とその係合形式により、扉を筐体の内部から外部に押し出す方向への力に十分に抗する耐圧構造を実現し、例えば筐体内部で短絡アークの発生などにより筐体内部の圧力が上昇して、扉に数トンの圧力が加えられた場合でも、各錠止点での各部材の係合を維持し、扉を確実に保持することができる、という本発明独自の格別な効果を奏する。
(2)本発明の防爆扉によれば、上記多点締め込み式ロックシステムを用いたことで、扉の回動側の側部を複数の複数個所でロック部材と受け部との係合により固定し、特に各箇所でのロック部材と受け部の高い剛性とその係合形式により、扉を筐体の内部から外部に押し出す方向への力に十分に抗する耐圧構造を実現し、例えば筐体内部で短絡アークの発生などにより筐体内部の圧力が上昇して、扉に数トンの圧力が加えられた場合でも、各錠止点での各部材の係合を維持し、扉を確実に保持することができる、という本発明独自の格別な効果を奏する。
本発明の一実施の形態における多点締め込み式ロックシステム及びこれを用いた防爆扉を示す図((a)は正面図(b)は側面断面図) 同多点締め込み式ロックシステム及びこれを用いた防爆扉を適用する筐体を示す図((a)は正面図(b)は側面図) 同防爆扉の扉本体を示す図((a)は背面図(b)は側面断面図) 同防爆扉の扉本体と筐体とを結合するヒンジ部材を示す図((a)は正面図(b)は平面図) 同防爆扉の扉本体と筐体がヒンジ部材を介して結合された状態を示す図((a)は扉本体の閉状態を示す平断面図(b)は扉本体の開状態を示す平断面図) 同多点締め込み式ロックシステムを示す図(一部省略側面図) 同多点締め込み式ロックシステムに用いるロック部材及び受け部を示す図((a)は正面図(b)は側面図(c)は平面図) 同多点締め込み式ロックシステムに用いるロック部材の特に取付ベースを示す図((a)は平面図(b)は正面図(c)は側面図) 同多点締め込み式ロックシステムに用いるロック部材の特にフックプレートを示す図(側面図) 同多点締め込み式ロックシステムに用いるロック部材の特に取付ベース及びフックプレートの取付状態を示す図(斜視図) 同多点締め込み式ロックシステムに用いる受け部を示す図((a)は平面図(b)は側面図(c)は正面図) 同多点締め込み式ロックシステムに用いるハンドルを示す図((a)は平面図(b)は側面断面図) 同多点締め込み式ロックシステムに用いるハンドルを示す図(背面図) 同多点締め込み式ロックシステムの動作例を示す図((a)はロック部材のフックプレートと受け部が係合された状態を示す平面図(b)はロック部材のフックプレートと受け部が係合された状態を示す側面図(c)はロック部材のフックプレートと受け部との係合が解除された状態を示す側面図)
次に、本発明の一実施の形態について図を用いて説明する。
図1に多点締め込み式ロックシステム及びこれを用いた防爆扉を示している。
図1に示すように、防爆扉Dは、扉本体dが鋼板など剛性を有する材料からなり、一方の側部が複数(この場合、4つ)のヒンジ部材1を介して筐体Bの一方の側部に回動可能に連結され、他方の回動側の側部がロック装置として用いられた多点締め込み式ロックシステムSにより筐体Bに締め込まれる形式で、筐体B内部で発生した大きな圧力に抗する構造になっている。
なお、この場合、筐体Bは、図2に示すように、全体が縦に長い箱形に構成され、正面は所定幅の上部フレームf1、左右両側部フレームf2,f3、及び下部フレームf4からなり、これら各フレームf1,f2,f3,f4の内側縁部から前方に向けて所定の長さの延長フレーム(上延長フレームf5、左右延長フレームf6,f7、下延長フレームf8)が取り付けられて、正面に延長フレームf5,f6,f7,f8に包囲された開口が形成される。
扉本体dは、図3に示すように、鋼板など剛性を有する材料により、筐体Bの正面を覆い、かつ正面の延長フレームf5,f6,f7,f8を内包可能に、全体が縦に長く、背面を開放された薄形の箱形に形成され、正面板p1、上面板p2、左側面板p3、右側面板p4、及び下面板p5を有する。
各ヒンジ部材1は、図4に示すように、鋼材など剛性を有する材料により形成され、一対の取付ベース11と、ヒンジ本体12と、ヒンジピン13と、一対のスナップピン14とからなる。
この場合、一対の取付ベース11はそれぞれ、全体が縦断面略L字形に形成され、取付ボルト挿通部を有する略矩形状の取付部111と、取付部111の一端から直角に延び、ヒンジピン挿通部を有する略半楕円形状の受け部113とからなる。ヒンジ本体12は横断面略コ字形に形成され、一端側から順に取付ボルト挿通部を有する縦に長い矩形状の取付部121、縦に長い矩形状の中間部122、縦に長い矩形状の支持部123からなり、支持部123の端部が略円筒形に巻回されてヒンジピン挿通部124になっている。ヒンジピン13はヒンジ本体12のヒンジピン挿通部124の径よりも少し小径でヒンジピン挿通部124の長さよりも少し長いピンからなり、上下の各端部にスナップピン挿通部を有する。一対のスナップピン14はそれぞれ、円弧部抜け止めタイプである。
しかして各ヒンジ本体12は取付部121が筐体Bの正面一方の側部、この場合、正面の右側部フレームf3の各取付箇所に取付ボルトb1により固着されて取り付けられ、取付部121の前側にヒンジピン挿通部124が配置される。各一対の取付ベース11は、一方が受け部113を下側にして取付部111を扉本体dの一方の側面、この場合、右側面板p4の各取付箇所上部に取付ボルトb2により固着して取り付けられ、取付部111の前側に受け部113が配置され、他方が受け部113を上側にして取付部111を扉本体dの一方の側面、この場合、右側面板p4の各取付箇所下部に取付ボルトb2により固着して取り付けられ、取付部111の前側に受け部113が配置される。そして、筐体B側の各ヒンジ本体12の各ヒンジピン挿通部124の上下に扉本体d側の各取付ベース11の各ヒンジピン挿通部が合わせられ、これらのヒンジピン挿通部にヒンジピン13が挿通され、ヒンジピン13の上下の各スナップピン挿通部にスナップピン14を通されて、各ヒンジ部材1が組み立てられる。かかるヒンジ部材1を介して、扉本体dが筐体Bの正面に回動可能に連結される(図5参照)。
多点締め込み式ロックシステムSは、図6に示すように、扉本体dの背面で他方の回動側の側部に沿って複数の取付個所にロック部材2が配置され、扉本体dの正面に取り付けられたハンドル4の操作に連動して各ロック部材2に連結されたロックバー3を扉本体dの背面の側部に沿って進退駆動することにより、各ロック部材2を筐体B側の各受け部5に対して係合離脱する形式になっている。
各ロック部材2は、図7に示すように、取付ベース21と、フックプレート22とを備える。取付ベース21は、図8に示すように、鋼材など高い剛性を有する材料により剛体として形成され、扉本体dの背面他方の側部の取付箇所に固着される固着部211、及びこの固着部211から延び、左右両側面間を貫通する軸挿通部212を有する支持部213を具備する。この場合、取付ベース21は、横断面略L字形に形成され、取付ボルト挿通部を有する略矩形状の固着部211と、軸挿通部212を有する略三角形状の支持部213とからなる。フックプレート22は、図9に示すように、鋼材など高い剛性を有する材料により剛体として形成され、基端側に形成され、左右両側面間を貫通され、取付ベース21の軸挿通部212に連通する軸挿通部220を有する回動支点部221、回動支点部221から先端側に向けて側面視断面略L字形形状に形成され、この略L字形形状のうち回動支点部221側に向けられる面をロック係合面R1として略直線的な平坦面とするフック部222、及び回動支点部221とフック部222との間で回動支点部221に隣接して、かつフック部222のロック係合部R1に対して側面視断面略V字形又は略U字形の溝223を介して対向して形成され、回動支点部221の軸挿通部220と平行の軸挿通部224を有する作動支点部225を具備する。この場合、フックプレート22は、図9に示すとおり、フック部222が略L字形となるように水平面上に置かれると、フック部222のロック係合面R1は鉛直方向に延び、作動支点部225は軸挿通部224が回転支点部221の軸挿通部220に対して斜め上方に位置し、フック部222のロック係合面R1に略同じ高さ位置で対向配置される。
しかして各取付ベース21は、図7及び図10に示すように、固着部211が扉本体dの背面他方の側部、この場合、正面板p1の背面他方の側部の各取付箇所に固着されて、支持部213が扉本体dの背面に対して略直角に扉本体dの後方に向けて突出され、各フックプレート22は、図7及び図10に示すように、回動支点部221の軸挿通部220と各取付ベース21の軸挿通部212との間に連結軸23を通して各取付ベース21に回動可能に取り付けられるとともに、各作動支点部225の軸挿通部224にロックバー3に突設される軸31を通してロックバー3に作動連結される。
受け部5は、図11に示すように、鋼材など高い剛性を有する材料により剛体として形成され、筐体Bに固定される固定部51、及び固定部51の一端から平面視断面略L字形形状に延び、この略L字形形状のうち固定部51と平行で(取付時に)筐体B(の正面)側に向けられる面をロック被係合面R2として略直線的な平坦面とするフック係合部52を備える。この場合、受け部5は細長い長方形の鋼板が略Z形に形成されて、一端の平面部に取付ボルト挿通部が形成されて固定部51をなし、他端の平面部がフック係合部52をなす。
各受け部5は、図7に示すように、固定部51が筐体Bの正面他方の側部、この場合、正面の左側部フレームf2で扉本体dの背面の各ロック部材2に対応する位置に取付ボルトb3により固定されて、フック係合部52が筐体Bの正面に平行に配置される。
このようにしてこの多点締め込み式ロックシステムS(図6参照)は、ハンドル4の操作によりロックバー3を駆動して、各フックプレート22の作動支点部225を各フックプレート22の回動支点部221を回動中心にして回動させることにより、各フックプレート22のフック部222を各受け部5のフック係合部52内に挿入し、フック部222のロック係合面R1とフック係合部52のロック被係合面R2とをフックプレート22の作動支点部225と略同じ高さ位置で対接係合させるようになっている。
また、この多点締め込み式ロックシステムSでは、図6に示すように、複数のロック部材2が、扉本体dの複数の取付個所のうち、下部側の取付箇所に配置される下部側ロック部材D2と、上部側の取付箇所に配置される上部側ロック部材U2とを備え、また、ロックバー3が、下部側のロックバーD3と、上部側のロックバーU3とを備え、下部側ロック部材D2は下部側の取付箇所にフックプレート22のフック部222の先端が下向きに取り付けられて、下部側ロック部材D2のフックプレート22の作動支点部225が下部側のロックバーD3に軸支され、上部側ロック部材U2は上部側の取付箇所にフックプレート22のフック部222の先端が上向きに取り付けられて、上部側ロック部材U2のフックプレート22の作動支点部225が上部側のロックバーU3に軸支され、扉本体dの正面で下部側ロック部材D2と上部側ロック部材U2との間に当たる位置に下部側ロック部材D2及び上部側ロック部材U2共通のハンドル4が取り付けられて、ハンドル4と下部側及び上部側の各ロックバーD3,U3が作動連結され、このハンドル4の操作により下部側及び上部側の各ロックバーD3,U3を駆動して、下部側、上部側の各ロック部材D2,U2の各フックプレート22の作動支点部225を各フックプレート22の回動支点部221を回動中心にして回動させることにより、各フックプレート22のフック部222を受け部5のフック係合部52内に挿入し、フック部222のロック係合面R1とフック係合部52のロック被係合面R2とをフックプレート22の作動支点部225と略同じ高さ位置で対接係合させるようにしてある。
この場合、ハンドル4は、図12に示すように、扉本体dの正面で下部側ロック部材D2と上部側ロック部材U2との間に当たる位置に形成される取付開口上に取り付けられ、上部側に取付開口に連通する開口部410及びこの開口部410の左右両側から取付開口を通して扉本体dの背面側に突出される作動レバー取付部411を有するハンドルベース41と、ハンドルベース41の上部側に扉本体dの正面と平行な第1の固定枢軸431を介して枢着されてハンドルベース41上に起伏回動可能に装着され、上部側に取付開口を通して扉本体dの背面側に突出可能な作動アーム421を有するハンドルレバー42と、ハンドルレバー42の作動アーム421の突出端に上端を第1の固定枢軸431と平行な第1の可動枢軸441を介して枢着され、上端から下端にかけて略逆L字形をなす第1の連結リンク451と、第1の連結リンク451の下端に上端を第1の固定枢軸431と平行な第2の可動枢軸442を介して枢着され、上端から下方向に延びる作動支点部461及びこの作動支点部461下端で一端がハンドルベース41の作動レバー取付部411に第1の固定枢軸431と平行な第2の固定枢軸432を介して枢着されて他端が扉本体dの後方に向けて下方斜めに延びる作動部462を有する下部側の作動レバー46と、第1の連結リンク451の中間部に下端を第1の固定枢軸431と平行な第3の可動枢軸443を介して枢着され、下端から上端にかけて略直線的な形状をなす第2の連結リンク452と、第2の連結リンク452の上端に下端を第1の固定枢軸431と平行な第4の可動枢軸444を介して枢着され、下端から上方向に延びる作動支点部471及びこの作動支点部471上端で一端がハンドルベース41の作動レバー取付部411に第1の固定枢軸431と平行な第3の固定枢軸433を介して枢着されて他端が扉本体dの後方に向けて上方斜めに延びる作動部472を有する上部側の作動レバー47と、第1の固定枢軸431と第2の固定枢軸432との間に介装され、ハンドルベース41から起立状態のハンドルレバー42を保持し、ハンドルベース41に倒伏状態のハンドルレバー42を保持する反転ばね48とを備え、下部側の作動レバー46、上部側の作動レバー47がそれぞれ、下部側のロックバーD3、上部側のロックバーU3に作動連結される。
また、このハンドル4は、ハンドルベース41上に倒伏され、ハンドルベース41上に収納状態のハンドルレバー42の回動を規制し、ハンドルレバー42をハンドルベース41上に保持するレバーキャッチ6と、レバーキャッチ6によるハンドルベース41上に収納状態のハンドルレバー42の回動規制を解除し、ハンドルレバー42をハンドルベース41でフリー(回動可能)にする錠前ユニット7とを併せて備える。
レバーキャッチ6は、ハンドルベース41の正面下部側に扉本体dの正面と平行な軸611を介して上下方向に回動可能に取り付けられるとともに常態としてばね612により一方向に回動付勢されてハンドルベース41の正面に対して略直角に支持され、前方に向けて突出される前端部側に爪部613を有するフック61と、ハンドルレバー42の背面下部側にハンドルレバー42の後方に向けて突出され、その後方に突出される後端部にフック61の爪部613に係合可能な受け部621を有するフック受け部62を具備する。この場合、フック61の爪部613はフック61の前端部側に下向きに突出して形成され、後方に向けられる後面がフック受け部62との係合面で、フック61の下面はフック61の前端部から下方に向けて斜めに形成されてフック受け部62との係合ガイド面になっている。ばね612は錠前ユニット7(この場合、シリンダ錠71の側面)とフック61(この場合、フック61の回動中心よりも前側の部分)との間に介設され、フック61は常態として下方に向けて回動付勢されて、ハンドルベース41の正面に対して直角に向けられる。また、フック受け部62はハンドルレバー42の背面から後方に平面視略L字形に延び、その後端部に受け部621が形成されて、その前方に向けられる前面がフック61との係合面になっている。このようにしてハンドルレバー42をハンドルベース41上に倒伏させる動作により、フック受け部62をフック61のガイド面に沿って当接させて、ばね612の付勢力に抗してフック61を押圧回動し、フック61とフック受け部62とを弾性係合させることにより、ハンドルレバー42の回動を規制し、ハンドルレバー42をハンドルベース41上に保持するようになっている。
錠前ユニット7は、ハンドルベース41にレバーキャッチ6に隣接して鍵穴を前方に向けて取り付けられるシリンダ錠71と、シリンダ錠71のロータ710の鍵穴とは反対側の後端部側にハンドルベース41の上下方向にスライド可能に配設され、シリンダ錠71のロータ710にスライドガイド73を介して作動連結されて、シリンダ錠71のキー操作により、ロータ710をロック位置に回すことによりレバーキャッチ6のフック61に対して係合しない後退位置にスライド駆動され、フック61とフック受け部62との係合を保持し、ロータ710をアンロック位置に回すことによりレバーキャッチ6のフック61に対して係合する前進位置にスライド駆動され、フック61をばね612の付勢力に抗して押圧回動して、フック61とフック受け部62との係合を解除するスライドプレート72とを具備する。この場合、スライドガイド73は、図13に示すように、シリンダ錠71のロータ710の後端面にロータ710の回転中心に対して偏芯された位置に配設され、ロータ710とともに回転可能なガイド凸起731と、スライドプレート72のプレート面にスライドプレート72のスライド方向に対して直交する方向に所定の長さの長穴状に貫通形成されるガイド穴732とを具備し、シリンダ錠71のガイド凸起731とスライドプレート72のガイド穴732が係合されて構成される。このようにしてシリンダ錠71のキー操作により、ロータ710をロック位置に回し、ロータ710の軸周りでガイド凸起731を回動すると、このガイド凸起731に連動してスライドプレート72がレバーキャッチ6のフック61に対して係合しない位置、この場合、シリンダ錠71側にスライドされ、レバーキャッチ6のフック61とフック受け部62との係合が保持されたままとなり、反対に、ロータ710をアンロック位置に回し、ロータ710の軸周りでガイド凸起731を回動すると、このガイド凸起731に連動してスライドプレート72がレバーキャッチ6のフック61に対して係合する位置までスライドされ、このスライドプレート72でフック61をばね612の付勢力に抗して(この場合、上方向に)押圧回動し、フック61とフック受け部62との係合を解除して、レバーキャッチ6によるハンドルベース41上でのハンドルレバー42の回動規制を解除するようになっている。
図14にこの多点締め込み式ロックシステムSによる扉本体dの締め込み動作を示している。
図14(a)、(b)に示すように、(ハンドルレバー42の回動操作により)ハンドルレバー42をハンドルベース41上に倒伏させると、下部側及び上部側の各作動レバー46、47が略ハの字形に開動して、下部側の作動レバー46を下方向に、上部側の作動レバー47を上方向に、それぞれ駆動して、下部側のロック部材D2はフックプレート22を下方向に回動してフック部222を受け部5のフック係合部52に上から係合し(図6参照)、これと同時に、上部側のロック部材U2はフックプレート22を上方向に回動してフック部222を受け部5のフック係合部52に下から係合し、ハンドル4の1回の回動操作により、扉本体dの回動側の側部が筐体Bに複数の箇所で錠止される。そして、この状態はハンドルベース41上に倒伏収納されたハンドルレバー42がレバーキャッチ6により回動規制されて保持される(図12参照)。なお、この状態からハンドルレバー42を回動操作する際は、既述のとおり、錠前ユニット7のキー操作によりハンドルベース41上でハンドルレバー42をフリーにする必要がある。
反対に、図14(b)に示すように、(ハンドルレバー42の回動操作により)ハンドルレバー42を起立させると、下部側及び上部側の各作動レバー46、47が略逆ハの字形に閉動して、下部側の作動レバー46を上方向に、上部側の作動レバー47を下方向に、それぞれ駆動して、下部側のロック部材D2はフックプレート22を上方向に回動してフック部222を受け部5のフック係合部52から離脱し(図6参照)、これと同時に、上部側のロック部材U2はフックプレート22を下方向に回動してフック部222を受け部5のフック係合部52から離脱し、ハンドル4の1回の回動操作により、扉本体dと筐体Bの複数個所の錠止が解除される。
そして、この多点締め込み式ロックシステムSでは、図6に示すように、扉本体dの回動側の側部を複数個所でロック部材2と受け部5との係合により固定し、特に各箇所でのロック部材2と受け部5が剛体からなり、図14(b)に示すように、フック部222のロック係合面R1とフック係合部52のロック被係合面R2とをフックプレート22の作動支点部225と略同じ高さ位置で対接係合させる係合形式になっているので、これが扉本体dを筐体Bの内部から外部に押し出す方向への力に十分に抗する強い耐圧構造となって、例えば筐体B内部で短絡アークの発生などにより筐体内部の圧力が上昇して、扉本体dに数トンの圧力が加えられた場合でも、各錠止点でのロック部材2と受け部5との係合状態は強固に維持され、扉本体dは確実に保持される。
以上説明したように、この多点締め込み式ロックシステムSによれば、扉本体dの回動側の側部の複数個所に剛体からなるロック部材2を設け、これに対応して筐体B側に剛体からなる受け部5を設け、ハンドル4の操作によりロックバー3を駆動して、各ロック部材2のフックプレート22の作動支点部225をフックプレート22の回動支点部221を回動中心にして回動させることにより、フックプレート22のフック部222を筐体B側の各受け部5のフック係合部52内に挿入し、フック部222のロック係合面R1とフック係合部52のロック被係合面R2とをフックプレート22の作動支点部225と略同じ高さ位置で対接係合させるようにしたので、扉本体dの回動側の側部を複数の複数個所でロック部材2と受け部5との係合により固定し、特に各箇所でのロック部材2と受け部5の高い剛性とその係合形式により、扉本体dを筐体Bの内部から外部に押し出す方向への力に十分に抗する耐圧構造を実現し、例えば筐体B内部で短絡アークの発生などにより筐体B内部の圧力が上昇して、扉本体dに数トンの圧力が加えられた場合でも、各錠止点での各部材2、5の係合を維持し、扉本体dを確実に保持することができる。
したがって、この防爆扉Dによれば、多点締め込み式ロックシステムSを用いたことで、扉本体dの回動側の側部を複数の複数個所でロック部材2と受け部5との係合により固定し、特に各箇所でのロック部材2と受け部5の高い剛性とその係合形式により、扉本体dを筐体Bの内部から外部に押し出す方向への力に十分に抗する耐圧構造を実現し、例えば筐体B内部で短絡アークの発生などにより筐体B内部の圧力が上昇して、扉本体dに数トンの圧力が加えられた場合でも、各錠止点での各部材2、5の係合を維持し、扉本体dを確実に保持することができる。
また、この多点締め込み式ロックシステムS及びこれを用いた防爆扉Dでは、下部側ロック部材D2、上部側ロック部材U2、下部側のロックバーD3、上部側のロックバーU3、及び下部側、上部側の各ロック部材D2,U2に共通のハンドル4を用い、ハンドル4の下部側の作動レバー46、上部側の作動レバー47がそれぞれ、下部側のロックバーD3、上部側のロックバーU3に作動連結されて、ハンドルレバー42をハンドルベース41上に倒伏させるハンドルレバー42の回動操作により、下部側、上部側の各作動レバー46,47を略ハの字形に開動して、下部側の作動レバー46を下方向に、上部側の作動レバー47を上方向に、それぞれ駆動し、下部側のロック部材D2のフックプレート22を下方向に回動してフック部222を受け部5のフック係合部52に上から係合させ、上部側のロック部材U2のフックプレート22を上方向に回動してフック部222を受け部5のフック係合部52に下から係合させ、反対に、ハンドルレバー42をハンドルベース41上に起立させるハンドルレバー42の回動操作により、下部側、上部側の各作動レバー46,47を略逆ハの字形に閉動して、下部側の作動レバー46を上方向に、上部側の作動レバー47を下方向に、それぞれ駆動し、下部側のロック部材D2のフックプレート22を上方向に回動してフック部222を受け部5のフック係合部52から離脱させ、上部側のロック部材U2のフックプレート22を下方向に回動してフック部222を受け部5のフック係合部52から離脱させるようにしたので、縦に長い防爆扉Dの長い側部全域に多点締め込み式ロックシステムSを組み込み、ハンドル操作のしやすい扉本体dの上下方向中間位置にハンドル4を設けて、縦に長い防爆扉Dでも、扉本体dを確実に保持し、ハンドル操作も容易に行うことができる。
また、このハンドル4には、ハンドルベース41上に倒伏収納されたハンドルレバー42の回動を規制してハンドルレバー42をハンドルベース41上に保持するフック61とフック受け部62からなるレバーキャッチ6を併せて備えたので、ハンドルレバー42をハンドルベース41上に倒伏させる簡単な操作で、レバーキャッチ6のフック61とフック受け部62とを弾性係合させて、ハンドルレバー42をハンドルベース41上に確実に保持し、各ロック部材2の各受け部5に対する係合状態を確実に維持して、扉本体dの締め込み状態をより確実に保持することができる。
しかも、このレバーキャッチ6によるハンドルレバー42の回動規制は、シリンダ錠71を用いた錠前ユニット7により解除するようにしたので、ハンドルレバー42はハンドルベース41上に一度収納されるとロック状態となり、このロック解除はシリンダ錠71の鍵の管理者のみが行え、防爆扉など安全管理上不特定多数の者による開閉を制限し、常態として施錠が必要な扉に、極めて有効となる。
なお、この実施の形態では、受け部は、筐体に固定される固定部、及び固定部の一端から平面視断面略L字形形状に延び、この略L字形形状のうち固定部と平行で(取付時に)筐体(の正面)側に向けられる面をロック被係合面として略直線的な平坦面とするフック係合部を備えるものとしたが、この受け部のフック係合部は、固定部の一端から平面視断面略U字形形状に延び、この略U字形形状のうち固定部と平行で(取付時に)筐体(の正面)側に向けられる面をロック被係合面として略直線的な平坦面としてもよい。このようにしても受け部について上記実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、複数のロック部材は、扉本体の複数の取付個所のうち下部側の取付箇所に配置される下部側ロック部材と、上部側の取付箇所に配置される上部側ロック部材とを備え、下部側ロック部材は下部側の取付箇所にフックプレートのフック部の先端が下向きに取り付けられて、下部側ロック部材のフックプレートの作動支点が下部側のロックバーに軸支され、上部側ロック部材は上部側の取付箇所にフックプレートのフック部の先端が上向きに取り付けられて、上部側ロック部材のフックプレートの作動支点部が上部側のロックバーに軸支され、扉の正面で下部側ロック部材と上部側ロック部材との間に当たる位置に下部側ロック部材及び上部側ロック部材共通のハンドルが取り付けられて、ハンドルと下部側及び上部側の各ロックバーが作動連結されるようにしたが、複数のロック部材は、特に、下部側ロック部材、上部側ロック部材とせず、すべて、各取付箇所にフックプレートのフック部の先端が下向き又は上向きに取り付けられて、各ロック部材のフックプレートの作動支点部が共通のロックバーに軸支され、扉の正面でロックバーの一方端に当たる位置に一般に知られている既存の多点締め込み用のハンドルが取り付けられて、ハンドルとロックバーが作動連結されるようにしてもよい。このようにしても扉本体の保持について上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
B 筐体
f1 上部フレーム
f2 左側部フレーム
f3 右側部フレーム
f4 下部フレーム
f5 上延長フレーム
f6 左延長フレーム
f7 右延長フレーム
f8 下延長フレーム
D 防爆扉
d 扉本体
p1 正面板
p2 上面板
p3 左側面板
p4 右側面板
p5 下面板
1 ヒンジ部材
11 取付ベース
111 取付部
113 受け部
12 ヒンジ本体
121 取付部
122 中間部
123 支持部
124 ヒンジピン挿通部
13 ヒンジピン
14 スナップピン
S 多点締め込み式ロックシステム
2 ロック部材
D2 下部側ロック部材
U2 上部側ロック部材
21 取付ベース
211 固着部
212 軸挿通部
213 支持部
22 フックプレート
220 軸挿通部
221 回動支点部
R1 ロック係合面
222 フック部
223 溝
224 軸挿通部
225 作動支点部
23 連結軸
3 ロックバー
D3 下部側のロックバー
U3 上部側のロックバー
31 軸
4 ハンドル
41 ハンドルベース
410 開口部
411 作動レバー取付部
42 ハンドルレバー
420 開口
421 作動アーム
431 第1の固定枢軸
432 第2の固定枢軸
433 第3の固定枢軸
441 第1の可動枢軸
442 第2の可動枢軸
443 第3の可動枢軸
444 第4の可動枢軸
451 第1の連結リンク
452 第2の連結リンク
46 下部側の作動レバー
461 作動支点部
462 作動部
47 上部側の作動レバー
471 作動支点部
472 作動部
48 反転ばね
5 受け部
51 固定部
R2 ロック被係合面
52 フック係合部
6 レバーキャッチ
61 フック
611 軸
612 ばね
613 爪部
62 フック受け部
621 受け部
7 錠前ユニット
70 取付部
71 シリンダ錠
710 ロータ
72 スライドプレート
73 スライドガイド
731 ガイド凸起
732 ガイド穴
b1 取付ボルト
b2 取付ボルト
b3 取付ボルト

Claims (5)

  1. 扉の背面で回動側の側部に沿って複数の取付個所にロック部材が配置され、扉の正面に取り付けられたハンドルの操作に連動して前記各ロック部材に連結されたロックバーを扉の背面の側部に沿って進退駆動することにより、前記各ロック部材を筐体側の受け部に対して係合離脱する形式の多点締め込み式ロックシステムであって、
    前記各ロック部材は、
    高い剛性を有する材料からなり、扉の背面の前記取付箇所に固着される固着部、及び前記固着部から延び、両側面間を貫通する軸挿通部を有する支持部を具備する取付ベースと、
    高い剛性を有する材料からなり、基端側に形成され、前記取付ベースの軸挿通部に連通する軸挿通部を有する回動支点部、前記回動支点部から先端側に向けて側面視断面略L字形形状に形成され、当該略L字形形状のうち前記回動支点部側に向けられる面をロック係合面として略直線的な平坦面とするフック部、及び前記回動支点部と前記フック部との間で前記回動支点部に隣接して、かつ前記フック部の前記ロック係合部に対して側面視断面略V字形又は略U字形の溝を介して対向して形成され、前記回動支点部の前記軸挿通部と平行の軸挿通部を有する作動支点部を具備するフックプレートと、
    を備え、
    前記各取付ベースは、前記固着部が扉の背面の前記各取付箇所に固着されて、前記支持部が扉の背面に対して略直角に扉の後方に向けて突出され、
    前記各フックプレートは、前記回動支点部の軸挿通部と前記各取付ベースの軸挿通部との間に連結軸を通して前記各取付ベースに回動可能に取り付けられるとともに、前記各作動支点部の軸挿通部に前記ロックバーに突設される軸を通して前記ロックバーに作動連結され、
    前記受け部は、高い剛性を有する材料からなり、筐体に固定される固定部、及び前記固定部から平面視断面略L字形形状又は略U字形形状に延び、当該略L字形形状又は略U字形形状のうち筐体と平行で筐体側に向けられる面をロック被係合面として略直線的な平坦面とするフック係合部を備え、
    前記各受け部は、前記固定部が筐体の正面で扉の背面の前記各ロック部材に対応する位置に固定されて、前記フック係合部が筐体の正面に平行に配置され、
    前記ハンドルの操作により前記ロックバーを駆動して、前記各フックプレートの前記作動支点部を前記各フックプレートの前記回動支点部を回動中心にして回動させることにより、前記各フックプレートの前記フック部を前記受け部の前記フック係合部内に挿入し、前記各フック部の前記ロック係合面と前記フック係合部の前記ロック被係合面とを前記フックプレートの前記作動支点と略同じ高さ位置で対接係合させる、
    ことを特徴とする多点締め込み式ロックシステム。
  2. ロック部材は、扉の複数の取付個所のうち下部側の取付箇所に配置される下部側ロック部材と上部側の取付箇所に配置される上部側ロック部材とを備え、前記下部側ロック部材は下部側の取付箇所にフックプレートのフック部の先端が下向きに取り付けられて、前記下部側ロック部材のフックプレートの作動支点が下部側のロックバーに軸支され、前記上部側ロック部材は上部側の取付箇所に前記フックプレートの前記フック部の先端が上向きに取り付けられて、前記上部側ロック部材の前記フックプレートの作動支点部が上部側のロックバーに軸支され、扉の正面で前記下部側ロック部材と前記上部側ロック部材との間に当たる位置に前記下部側ロック部材及び前記上部側ロック部材共通のハンドルが取り付けられて、前記ハンドルと前記下部側及び上部側の各ロックバーが作動連結される請求項1に記載の多点締め込み式ロックシステム。
  3. ハンドルは、扉の正面で下部側ロック部材と上部側ロック部材との間に当たる位置に形成される取付開口上に取り付けられ、上部側に前記取付開口に連通する開口部及び当該開口部の両側から前記取付開口を通して扉の背面側に突出される作動レバー取付部を有するハンドルベースと、前記ハンドルベースの上部側に扉の正面と平行な第1の固定枢軸を介して枢着されて前記ハンドルベース上に起伏回動可能に装着され、上部側に前記取付開口を通して扉の背面側に突出可能な作動アームを有するハンドルレバーと、前記ハンドルレバーの前記作動アームの突出端に上端を前記第1の固定枢軸と平行な第1の可動枢軸を介して枢着され、上端から下端にかけて略逆L字形をなす第1の連結リンクと、前記第1の連結リンクの下端に上端を前記第1の固定枢軸と平行な第2の可動枢軸を介して枢着され、上端から下方向に延びる作動支点部及び当該作動支点部下端で一端が前記ハンドルベースの前記作動レバー取付部に前記第1の固定枢軸と平行な第2の固定枢軸を介して枢着されて他端が扉の後方に向けて下方斜めに延びる作動部を有する下部側の作動レバーと、前記第1の連結リンクの中間部に下端を前記第1の固定枢軸と平行な第3の可動枢軸を介して枢着され、下端から上端にかけて略直線的な形状をなす第2の連結リンクと、前記第2の連結リンクの上端に下端を前記第1の固定枢軸と平行な第4の可動枢軸を介して枢着され、下端から上方向に延びる作動支点部及び当該作動支点部上端で一端が前記ハンドルベースの前記作動レバー取付部に前記第1の固定枢軸と平行な第3の固定枢軸を介して枢着されて他端が扉の後方に向けて上方斜めに延びる作動部を有する上部側の作動レバーと、前記第1の固定枢軸と前記第2の固定枢軸との間に介装され、前記ハンドルベースから起立状態の前記ハンドルレバーを保持し、前記ハンドルベースに倒伏状態の前記ハンドルレバーを保持する反転ばねとを備え、前記下部側の作動レバー、前記上部側の作動レバーはそれぞれ、前記下部側のロックバー、前記上部側のロックバーに作動連結されて、前記ハンドルレバーを前記ハンドルベース上に倒伏させる前記ハンドルレバーの回動操作により、前記下部側及び上部側の各作動レバーを略ハの字形に開動して、下部側の作動レバーを下方向に、前記上部側の作動レバーを上方向に、それぞれ駆動し、前記下部側のロック部材は前記フックプレートを下方向に回動して前記フック部を前記受け部の前記フック係合部に上から係合させ、前記上部側のロック部材は前記フックプレートを上方向に回動して前記フック部を前記受け部の前記フック係合部に下から係合させ、前記ハンドルレバーを前記ハンドルベース上に起立させる前記ハンドルの回動操作により、前記下部側及び上部側の各作動レバーを略逆ハの字形に閉動して、下部側の作動レバーを上方向に、前記上部側の作動レバーを下方向に、それぞれ駆動し、前記下部側のロック部材は前記フックプレートを上方向に回動して前記フック部を前記受け部の前記フック係合部から離脱させ、前記上部側のロック部材は前記フックプレートを下方向に回動して前記フック部を前記受け部の前記フック係合部から離脱させる請求項2に記載の多点締め込み式ロックシステム。
  4. ハンドルは、ハンドルベースの正面下部側に扉の正面と平行な軸を介して上下方向に回動可能に取り付けられるとともに常態としてばねにより回動付勢されて前記ハンドルベースの正面に対して略直角に支持され、前方に向けて突出される前端部側に爪部を有するフック、及びハンドルレバーの背面下部側に前記ハンドルレバーの後方に向けて突出され、当該後方に突出される後端部に前記フックの前記爪部に係合可能な受け部を有するフック受け部を具備し、前記ハンドルレバーを前記ハンドルベース上に倒伏させることにより、前記フックと前記フック受け部とを弾性係合させて前記ハンドルレバーの回動を規制し、前記ハンドルレバーを前記ハンドルベース上に保持するレバーキャッチと、前記ハンドルベースに前記レバーキャッチに隣接して鍵穴を前方に向けて取り付けられるシリンダ錠、前記シリンダ錠のロータの前記鍵穴とは反対側の後端部側に前記ハンドルベースの上下方向にスライド可能に配設され、前記シリンダ錠のロータにスライドガイドを介して作動連結されて、前記シリンダ錠のキー操作により、前記ロータをロック位置に回すことにより前記レバーキャッチの前記フックに対して係合しない位置にスライド駆動され、前記フックと前記フック受け部との係合を保持し、前記ロータをアンロック位置に回すことにより前記レバーキャッチの前記フックに対して係合する位置にスライド駆動され、前記フックを前記ばねの付勢力に抗して押圧回動して、前記フックと前記フック受け部との係合を解除するスライドプレートとを具備し、前記レバーキャッチによる前記ハンドルベース上の前記ハンドルレバーの回動規制を解除する錠前ユニットとを併せて備える請求項3に記載の多点締め込み式ロックシステム。
  5. 一方の側部がヒンジ部材を介して筐体の一方の側部に回動可能に連結され、他方の側部がロック装置を介して筐体に締め込まれる形式で、筐体内部で発生した大きな圧力に抗する防爆扉であって、
    前記ロック装置に、
    請求項1乃至5のいずれかに記載の多点締め込み式ロックシステムを用いた、
    ことを特徴とする防爆扉。
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