JP2017003332A - 排ガス分析システム及び排ガス採取装置 - Google Patents

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Shintaro Aoki
伸太郎 青木
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和郎 花田
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Abstract

【課題】排ガス採取装置100の取り付けによる内燃機関Eへの負荷を低減するとともに、排ガスを精度良く分析できるようにする。
【解決手段】車両Vの内燃機関Eから排出された排ガスを採取する排ガス採取装置100と、該車両Vに搭載されて前記排ガスを分析する排ガス分析装置201とを具備する排ガス分析システム200であって、排ガス採取装置100が、排ガスを採取するサンプリングプローブ10と、前記排ガスが流れる排気管Pの外周面P1又は内周面に装着される装着部材22を有し、サンプリングプローブ10を支持するプローブ支持機構20とを具備し、装着部材22が前記外周面P1又は内周面に装着されることにより、サンプリングプローブ10が排気管P内に差し込まれた状態で支持されるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に搭載される排ガス分析システム、及びこの排ガス分析システムに用いられる排ガス採取装置に関するものである。
この種の排ガス分析システムとしては、特許文献1に示すように、車両に搭載された排ガス分析装置を具備し、車両の走行中に内燃機関から排出された排ガスを前記排ガス分析装置によって分析するように構成されたものがある。
このような車載型排ガス分析システムは、内燃機関の排気管に取り付けられる排ガス採取装置をさらに具備しており、この排ガス採取装置のサンプリングプローブを排気管の排出口より下流側に設けて排ガスを採取し、該排ガスを前記排ガス分析装置に導くようにしている。
ところで、サンプリングプローブに外気が流れ込むと、排ガスが希釈されてしまい分析精度を担保することができないことから、従来の排ガス採取装置は、排気管に取り付けられる筒状のアタッチメントを有し、このアタッチメントの内側にサンプリングプローブが位置するように構成されている。
より具体的に説明すると、前記アタッチメントは、排気管に取り付けられた状態で管軸方向外側に延びるものであり、この外側開口とサンプリングプローブのサンプリング位置との間に十分な距離を設けることで外気が取り込まれないようにしている。
しかしながら、上述したアタッチメントは、排気管に取り付けられた状態で管軸方向外側に延びているので、大掛かりで重いものになりがちであり、このアタッチメントが車両の走行中に他の車両に対する障害となったり、走行中の振動によって排気管から外れたりしてしまうという問題が生じる。
なお、従来のアタッチメントには、流量計や温度計などが取り付けられているものがあり、このようなアタッチメントは一層大掛かりで重いものとなるため、上述した問題がより顕著になる。
特開2006−284507号公報
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決すべくなされたものであって、分析精度を担保しながらも、排ガス採取装置が車両の走行中に障害となったり外れたりすることを防ぐことをその主たる課題とするものである。
すなわち本発明に係る排ガス分析システムは、車両の内燃機関から排出された排ガスを採取する排ガス採取装置と、該車両に搭載されて前記排ガスを分析する排ガス分析装置とを具備する分析システムであって、前記排ガス採取装置が、前記排ガスを採取するサンプリングプローブと、前記排ガスが流れる排気管の外周面又は内周面に装着される装着部材を有し、前記サンプリングプローブを支持するプローブ支持機構とを具備し、前記装着部材が前記外周面又は前記内周面に装着されることにより、前記サンプリングプローブが前記排気管内に差し込まれた状態で支持されることを特徴とするものである。
このようなものであれば、サンプリングプローブが排気管内に差し込まれた状態で支持されるので、内燃機関から排出された排ガスは、外気によって希釈されることなくサンプリングプローブに流れ込む。これにより、装着部材を従来のアタッチメントのように管軸方向外側に無駄に延ばすことなく小型で軽量なものにすることができ、測定精度を担保しながらも、取り付けられた排ガス採取装置が車両の走行中に障害となったり外れたりしてしまうことを防ぐことができる。
前記サンプリングプローブが、排ガスを採取する排ガス採取口を有し、前記サンプリングプローブが前記排気管の排出口から前記排気管内に差し込まれた状態において、前記排ガス採取口が、前記排出口から管軸方向に沿って所定距離以上離れて配置されることが好ましい。
このような構成であれば、排ガス採取口を排気管の排出口から十分離れた位置に配置させることで、排ガス採取口へ外気が流れ込むことを確実に防ぐことができる。
前記サンプリングプローブが、排ガスを採取する排ガス採取口を有し、前記サンプリングプローブが前記排気管の排出口から前記排気管内に差し込まれた状態において、前記排ガス採取口が、該排ガス採取口から排ガス上流側における前記排気管の直線部分が所定距離以上となるように配置されることが好ましい。
このような構成であれば、内燃機関から排出された排ガスを、排ガス採取口の上流側における排気管の直線部分で安定させて採取することができ、分析精度を向上させることができる。
前記排ガス分析システムが、前記サンプリングプローブにおける前記排ガス採取口の周囲に設けられるとともに、水滴除去構造を有する通気保護カバーをさらに具備することが好ましい。
このようなものであれば、排ガスに含まれる水分を通気保護カバーの水滴除去構造によって取り除き、この通気保護カバーを通過した排ガスの気体成分だけを前記サンプリングプローブで採取することができる。これにより、排ガス中の水滴に起因する各種測定精度に対する悪影響をなくすことで、分析精度をより向上させることができる。
排ガス中に含まれる微小径の水滴が前記通気保護カバーを通過しにくくするためには、前記通気保護カバーが、金属メッシュ又は複数の細孔を有する金属板で形成されていればよい。
このようなものであれば、金属メッシュの格子部分は、付着した排ガス中の水分を凝縮させ、前記排ガスから水分を除去する水滴除去構造として機能し、金属メッシュの開口部分は、前記排ガスの気体成分が通過する通気構造として機能する。このため、排ガス中から水分を除去しつつ、排ガスの気体成分を前記サンプリングプローブで効率よく採取することができる。
前記装着部材が、前記排気管の管軸方向から視て排出口と重なることなく、前記排気管の外周面に装着されることが好ましい。
このような構成であれば、装着部材が排出口から排出される排ガスの妨げとならず、排ガスは排出口から円滑に排出されるので、内燃機関へ負荷をかけることなく排ガスを採取することができる。
前記プローブ支持機構が、前記装着部材が前記外周面に装着された状態において、前記サンプリングプローブを前記排気管の径方向に沿って移動させる位置調整機構を具備することが好ましい。
このような位置調整機構によれば、排ガス採取装置を取り外すことなく、サンプリングプローブの位置を調整することができる。特に、サンプリングプローブが排気管内において下側に位置する場合、排気管内に溜まる水を吸い込んでしまう恐れがあるところ、前記位置調整機構によってサンプリングプローブの位置を上側に調整して、水を吸い込まないようにすることができる。
前記排ガス分析装置が、車両に搭載されたものであり、前記排気管を流れる排ガスの流量である排ガス流量を、前記車両に搭載された車載ネットワークから取得するように構成されていることが好ましい。
このような構成であれば、排ガス採取装置に流量計や温度計を付帯させる必要がなく、排ガス採取装置を従来のアタッチメントに比べて大幅に小型化することが可能となる。
より具体的な実施態様としては、前記排ガス分析装置が、排ガスに含まれる対象成分の濃度を分析する分析計を有し、前記分析計により得られる対象成分濃度と、前記排ガス流量とに基づいて、排ガスに含まれる前記対象成分の排出量を算出する構成が挙げられる。
また、本発明に係る排ガス採取装置は、車両に搭載された排ガス分析装置とともに用いられ、該車両の内燃機関から排出された排ガスを採取する排ガス採取装置であって、前記排ガスを採取するサンプリングプローブと、前記排ガスが流れる排気管の外周面又は内周面に装着される装着部材を有し、前記サンプリングプローブを支持するプローブ支持機構とを具備し、前記装着部材が前記外周面又は前記内周面に装着されることにより、前記サンプリングプローブが前記排気管内に差し込まれた状態で支持されることを特徴とするものである。
このように構成された排ガス採取装置によれば、上述した排ガス分析システムと同様の作用効果を奏し得る。
このように構成した本発明によれば、分析精度を担保しながらも、排ガス採取装置が車両の走行中に障害となったり外れたりすることを防ぐことができる。
本実施形態の排ガス分析システムを模式的に示す図。 同実施形態の排ガス採取装置の構成を模式的に示す斜視図。 同実施形態の排ガス採取装置の構成を模式的に示す側面図。 同実施形態のサンプリングプローブ及び通気保護カバーを模式的に示す図。 その他の実施形態の装着部材を模式的に示す図。
以下に本発明に係る排ガス分析システムの一実施形態について説明する。
本実施形態の排ガス分析システム200は、図1に示すように、車両Vに搭載されるとともに、該車両Vの内燃機関Eから排出される排ガスを分析する車載型排ガス分析システムであり、具体的には、車内に搭載される排ガス分析装置201と、内燃機関Eから排出される排ガスを採取する排ガス採取装置100とを具備する。
なお、前記車両Vは、二輪車、四輪車や、船舶を含む概念であり、移動体である。
本実施形態では、前記排ガス分析装置201及び排ガス採取装置100は、例えばホットホース202によって接続されており、前記排ガス採取装置100によって採取された排ガスを所定の温度に保ちながら前記排ガス分析装置201へと導くようにしている。
前記排ガス分析装置201は、排ガス中の一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NO)、全炭化水素(THC)等の含有成分を分析するものである。ここで、分析とは各分析対象物質の有無の検出や、その濃度測定等を含む概念である。
本実施形態の排ガス分析装置201は、例えば非分散赤外線吸収(NDIR)法により排ガス中の一酸化炭素、二酸化炭素の濃度を分析するものである。
なお、排ガス分析装置201としては、化学発光法(ケミルミネッセンス法)又は非分散型紫外線分析(NDUV)法により排ガス中の窒素酸化物の濃度を分析するものや、水素炎イオン(FID)法により排ガス中の全炭化水素の濃度を分析するものなどであっても良い。また、排ガス分析システム200としては、複数の排ガス分析装置201を具備するものであっても構わない。
また、前記排ガス分析装置201は、内燃機関Eから排出される排ガスの流量である排ガス流量を、車両Vに搭載されたECU、CAN、OBD、OBD2等を用いた図示しない車載ネットワークから取得するように構成されており、この排ガス流量と分析対象成分の濃度とに基づいて、排ガスに含まれる分析対象成分の排出量を算出できるように構成されている。
前記排ガス採取装置100は、内燃機関Eから排出される排ガスを採取するものであり、内燃機関Eの排気管Pに着脱可能に構成されている。
具体的にこのものは、図2〜図4に示すように、排ガスを採取するサンプリングプローブ10と、内燃機関Eの排気管Pに取り付けられるとともに前記サンプリングプローブ10を支持するプローブ支持機構20とを具備する。
前記サンプリングプローブ10は、内燃機関Eから排出される排ガスの一部を採取する概略中空細円筒形状のものであり、図4に示すように、先端部(上流側端部)11に小径の排ガス採取口10aが多数形成されるとともに、基端部(下流側端部)12に採取された排ガスを導出する図示しない排ガス導出口が形成されている。
本実施形態のサンプリングプローブ10は、先端部11と基端部12との間における屈曲箇所10xで屈曲した略L字形状をなすものであり、前記先端部11が排ガスの流れる排ガス流路の上流側に設けられるとともに、前記基端部12が上述したホットホース202に接続され、採取した排ガスを前記排ガス導出口から前記ホットホース202内へと導出するように構成されている。
なお、このサンプリングプローブ10は、前記各排ガス採取口10aを排気管P内における所定のサンプリングポイントに配置すべく、先端から屈曲箇所10xまでの直線部分を所定の長さ寸法となるように形成したものであり、ここではこの長さ寸法を例えば200mm以上又は排気管Pの直径の3倍以上にしている。
本実施形態の排ガス採取装置100は、図2〜図4に示すように、排ガス中の燃えカスやダスト等の固形成分がサンプリングプローブ10に入ることを防ぎ、詰まり等の不具合からサンプリングプローブ10を保護する保護管30をさらに具備している。
前記保護管30は、図4に示すように、中空円筒状をなし、その内径が前記サンプリングプローブ10の外径よりも大きく、前記サンプリングプローブ10の先端部11を覆うように取り付けられて、前記サンプリングプローブ10と二重管構造をなすものである。
この保護管30における周壁の一部又は全部には、排ガスの気体成分を通過させるとともに、排ガス中の水分を除去する水滴除去構造を有した通気保護カバー40が保護管30の一部をなすように形成されている。ここでは、前記周壁において互いに対向する位置に一対の前記通気保護カバー40が形成されている。
なお、保護管30には、内部に進入した水滴が流れ落ちるように、保護管30の周壁を貫通する1又は複数の水抜き孔30aが形成されており、ここでは、下方に開口した複数の図示しない水抜き孔と上方に開口した複数の水抜き孔30aとが形成されている。
前記通気保護カバー40は、図4に示すように、メッシュ状をなすものであり、格子部分が排ガスから水分を除去する水分除去構造として機能し、開口部分が排ガスの気体成分を通過させる通気構造として機能する。
より詳細にこのものは、半円筒形状をなす金属メッシュであり、排ガスが通過する際に、排ガスに含まれる水分が格子部分に付着して凝縮し、これにより排ガスから水分を除去する水分除去構造としての機能を発揮するものである。
本実施形態では、一対の通気保護カバー40が、サンプリングプローブ10の先端部11を略全周覆うとともに、この先端部11に形成された排ガス採取口10aの周囲に配置されている。
なお、通気保護カバー40を形成する金属メッシュは、50メッシュより大きく、200メッシュより小さい目の粗さのものを用いており、本実施形態では100メッシュの金属メッシュを用いている。ここで、「メッシュ」とは1インチあたりにおける目の数のことをいう。
また、前記通気保護カバー40を形成する金属メッシュの目の粗さについて別の表現をすると、この粗さは、排ガスに含まれる水分が格子部分に付着して凝縮し、この凝縮した水滴が格子部分で捕集されるとともに、捕集された水滴により金属メッシュの目が塞がれないように設定されている。
次に、上述したサンプリングプローブ10を支持するプローブ支持機構20について説明する。
このプローブ支持機構20は、図1に示すように、内燃機関Eの排気管Pに着脱可能なものであり、該排気管Pに取り付けられた状態において、サンプリングプローブ10を排気管P内に差し込まれた状態で支持するように構成されている。
より詳細には、前記プローブ支持機構20は、排気管Pに取り付けられた状態において、排ガス採取口10aが、排気管Pの排出口Paから管軸方向に沿って所定距離以上離れて配置されるように前記サンプリングプローブ10を支持するものであり、ここでは、各排ガス採取口10aがそれぞれ前記排出口Paから少なくとも200mm以上又は排気管Pの直径の3倍以上離れて配置されるように支持する。言い換えれば、前記排出口Paから少なくとも200mm以上又は排気管Pの直径の3倍以上離れた位置にサンプリングポイントを設定している。
なお、本実施形態では、排ガス採取口10aから排ガス上流側における排気管Pの直線部分が所定長さ以上、具体的には150mm以上又は排気管Pの直径の4倍以上となるように、前記プローブ支持機構20がサンプリングプローブ10を支持している。ただし、この直線部分の長さは、上述した数値範囲よりさらに150mm長くして、300mm以上又は排気管Pの直径の4倍+150mm以上としても良い。言い換えれば、サンプリングポイントから上流側に排気管Pの直線部分が、150mm以上又は排気管Pの直径の4倍以上、或いは、300mm以上又は排気管Pの直径の4倍+150mm以上となるように、前記プローブ支持機構20がサンプリングプローブ10を支持していることになる。
具体的にこのプローブ支持機構20は、図2及び図3に示すように、前記サンプリングプローブ10が固定される固定部材21と、排気管Pの外周面P1に装着される装着部材22と、前記固定部材21と前記装着部材22とを連結する連結部材23とを有し、前記装着部材22が前記外周面P1に装着されることにより、前記サンプリングプローブ10を排気管P内に差し込まれた状態で支持するように構成されている。
以下、各部材21〜23について詳述する。
前記固定部材21は、サンプリングプローブ10における屈曲箇所10xから基端部12までの一部が例えば溶着などにより接合されたものであり、ここでは、平板を屈曲させた形状をなし、屈曲部分がサンプリングプローブ10との接合箇所となっている。
前記装着部材22は、排気管Pの外周面P1に着脱可能に構成されており、ここでは、排気管Pの管軸方向に沿って排出口Pa側から排気管Pに外装されるものである。
より具体的に説明すると、この装着部材22は、内径が排気管Pの外径よりも大きいリング状をなすものであり、内側を前記固定部材21に固定されたサンプリングプローブ10の屈曲箇所10xから先端部11までの一部が貫通している。本実施形態では、前記装着部材22の中心軸が前記サンプリングプローブ10と重なるように、つまり前記サンプリングプローブ10の屈曲箇所10xから先端部11までの一部が前記装着部材22の中心軸上に配置されるようにしている。
かかる構成により、サンプリングプローブ10を排出口Paから排気管P内に差し込むことで、前記装着部材22が排気管Pに外装され、この状態において、例えば、前記装着部材22に設けられた締結具50を締め付けることで、装着部材22が前記外周面P1に固定される。このとき、サンプリングプローブ10は、排気管Pの管軸(中心軸)上に配置される。
本実施形態のプローブ支持機構20は、前記装着部材22を複数(ここでは2つ)有しており、各装着部材22は、前記外周面P1に装着された状態において、前記排出口Paより管軸方向外側に位置することなく前記排出口Paの近傍に配置される。また、各装着部材22は、前記外周面P1に装着された状態において、排気管Pの管軸方向から視て、前記排出口Paと重なることなく前記排出口Paの外側に配置される。
前記連結部材23は、前記固定部材21及び前記装着部材22が取り付けられるとともに、これらの部材を連結するものであり、前記固定部材21が取り付けられた第1取付部231と、前記装着部材22が取り付けられた第2取付部232とを有する。
なお、前記第1取付部231及び第2取付部232は、一体的に形成されている。
前記第1取付部231は、前記固定部材21が例えばボルト止めされるように構成されたものであり、ここでは、平板状をなすとともに前記固定部材21に対面して設けられている。
より詳細には、前記第1取付部231に形成された図示しないボルト孔と前記固定部材21に形成された貫通孔21aとにボルトBを挿通して締め付けることにより、前記固定部材21が前記第1取付部231に取り付けられるようにしてある。
前記第2取付部232は、前記装着部材22の一部である円弧部分が貫通することで該装着部材22が取り付けられるものであり、ここでは、断面略コ字状をなすとともに、互いに対向する対向片それぞれに、前記円弧部分が貫通するスリット23aが形成されている。
この構成により、前記スリット23aに前記円弧部分を貫通させることで、前記装着部材22が、弾性変形するとともに、その反力によって第2取付部232に押さえつけられて固定される。
ここで、上述したプローブ支持機構20は、サンプリングプローブ10を排気管Pの径方向に沿って移動させる位置調整機構60をさらに具備している。
前記位置調整機構60は、本実施形態では、前記固定部材21と前記連結部材23との間に介在して設けられており、固定部材21及び連結部材23の一方に排気管Pの径方向に沿って形成されたスライド溝60aと、他方に設けられて前記スライド溝60aをスライド移動する摺動体61とから構成されている。
より具体的には、前記スライド溝60aは、ここでは前記固定部材21に形成された前記貫通孔21aであり、前記摺動体61は、ここでは前記貫通孔21aに挿通される前記ボルトBである。
かかる構成により、装着部材22を排気管Pの外周面P1に装着した状態において、前記ボルトBを緩めるとともに該ボルトBが前記貫通孔21a内をスライド移動するように前記固定部材21をスライド移動させることで、前記固定部材21に固定されているサンプリングプローブ10が排気管Pの径方向に沿って移動する。
なお、位置調整機構60は、装着部材22が排気管Pの外周面P1に装着された状態において、サンプリングプローブ10を鉛直方向に沿って移動させるように構成されていることが好ましい。
何故ならば、サンプリングプローブ10が排気管P内における下側に位置する場合、排気管P内に溜まる水を吸い込んでしまう恐れがあることから、前記位置調整機構60によってサンプリングプローブ10を鉛直上方に移動させることで、水を吸い込まないようにすることができるからである。
このように構成された本実施形態に係る排ガス分析システム200によれば、プローブ支持機構20がサンプリングプローブ10を排気管P内に差し込まれた状態で支持するので、排気管P内を流れる排ガスは、外気によって希釈されることなくサンプリングプローブ10に流れ込む。これにより、装着部材22を従来のアタッチメントのように管軸方向外側に延ばすことなく小型で軽量なリング状のものにすることができ、測定精度を担保しながらも、取り付けられた排ガス採取装置100が車両Vの走行中に障害となったり外れたりしてしまうことを防ぐことができる。
また、排ガス分析装置201が、車載ネットワークやECU等から排ガス流量や排ガス温度を取得するように構成されているので、排ガス採取装置100には、例えば流量計や温度計などを付帯させる必要がなく、排ガス採取装置100を従来に比べて及び大幅に軽量で小型なものにすることができる。
さらに、排気管Pの外周面P1に装着された装着部材22が、排出口Paより管軸方向外側に位置することなく、また、排気管Pの管軸方向から視て、前記排出口Paと重なることなく配置されるので、この装着部材22は排出口Paから排出される排ガスの妨げとならず、内燃機関Eへ負荷をかけることなく排ガスを採取することができる。
加えて、プローブ支持機構20が、排ガス採取口10aが排出口Paから管軸方向に沿って少なくとも200mm以上離れて位置するようにサンプリングプローブ10を支持するので、サンプリングプローブ10に外気が流れ込むことを確実に防ぐことができる。
さらに加えて、プローブ支持機構20が、2つの装着部材22を排気管Pの外周面P1に装着することでサンプリングプローブ10を支持するように構成されているので、サンプリングプローブ10を確実に支持するとともに、1つの長い装着部材を用いた場合に比べて、装置全体を軽量にすることができる。
そのうえ、装着部材22が排気管Pの外周面P1に装着された状態において、位置調整機構60によってサンプリングプローブ10を径方向に沿って移動させることができるので、排ガス採取装置100を取り外すことなく、簡単にサンプリングプローブ10の位置を調整することができる。
さらに、例えば非分散赤外線吸収法による分析は、採取された排ガス中に凝縮した水滴が含まれており、この水滴が蒸発して排ガス中の水分濃度が高くなりすぎると、その測定精度に悪影響を受ける場合がある。これに対して、本実施形態の排ガス採取装置100は、サンプリングプローブ10によって採取される排ガス中の水分を除去すべく、サンプリングプローブ10の上流側を覆うように設けられ、水滴除去構造を有する通気保護カバー40を具備している。
これにより、排ガス中の水滴に起因する各種測定精度に対する悪影響をなくすことで、分析精度を向上させることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、サンプリングプローブは、前記実施形態では屈曲箇所で屈曲した形状をなすものであったが、直線状に形成されたものであっても良いし、複数回屈曲させた形状であっても良い。
また、サンプリングプローブは、前記実施形態では、排気管の排出口から排気管内に差し込まれていたが、排気管の周壁を貫通して排気管内に差し込まれていても構わない。
プローブ支持機構は、前記実施形態では装着部材が排気管の外周面に装着されることによりサンプリングプローブを排気管内で支持するように構成されていたが、装着部材が排気管の内周面に装着されることによりサンプリングプローブを排気管内で支持するように構成されていても良い。
このような装着部材22具体的実施態様としては、図5に示すように、排気管P内に差し込まれたサンプリングプローブ10の外周面13から放射状に設けられた複数の棒状をなすものが挙げられる。より具体的に説明すると、この装着部材22は伸縮可能に構成されており、各装着部材22を縮めた状態でサンプリングプローブ10を排気管P内に差し込み、そのあと前記各装着部材22を伸ばすことにより、前記装着部材22がサンプリングプローブ10の外周面13と排気管Pの内周面P2との間に介在して、前記サンプリングプローブ10を排気管P内に支持することができる。
固定部材は、前記実施形態ではサンプリングプローブが溶着などにより接合されていたが、例えば接着剤を用いて固定しても良い。
また、サンプリングプローブを装着部材や連結部材に固定するようにしても良い。この場合は、固定部材を不要にすることができ、排ガス採取装置をさらに軽量にすることができる。
水滴除去構造は、保護管に設けられた金属メッシュより形成されていたが、保護管に複数の細孔を形成したパンチングメタル(パンチングメッシュ)によって形成されていても良い。
この場合の具体的な実施態様としては、前記保護管が、複数の細孔を有する金属板であるものが挙げられる。
また、前記実施形態では、一対の半円筒形状をなす通気保護カバーが保護管の周壁に設けられていたが、1つの円筒形状や3つ以上の部分円筒形状をなす通気保護カバーを保護管の周壁に設けても良い。
装着部材は、前記実施形態ではリング状をなすものであったが、部分円環状をなすものであっても良いし、排気管の形状にあわせて楕円形状や矩形形状をなすものであっても良い。
また、装着部材は、排気管の排出口から管軸方向外側に配置されていても構わない。
さらに、装着部材を排気管の外周面に固定する方法は前記実施形態に限られるものではなく、例えば装着部材が前記外周面にネジ止めされるようにしても良い。
そのうえ、装着部材の個数は前記実施形態に限られるものではなく、1つであっても良いし、3つ以上であっても良い。
連結部材は、前記実施形態では装着部材の一部である円弧部分が貫通することで該装着部材が取り付けられていたが、例えば溶着などにより装着部材が接合されていても良い。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
V ・・・車両
P ・・・排気管
P1 ・・・外周面
Pa ・・・排出口
200・・・排ガス分析システム
100・・・排ガス採取装置
10 ・・・サンプリングプローブ
10a・・・排ガス採取口
20 ・・・プローブ支持機構
60 ・・・位置調整機構

Claims (10)

  1. 車両の内燃機関から排出された排ガスを採取する排ガス採取装置と、該車両に搭載されて前記排ガスを分析する排ガス分析装置とを具備する排ガス分析システムであって、
    前記排ガス採取装置が、
    前記排ガスを採取するサンプリングプローブと、
    前記排ガスが流れる排気管の外周面又は内周面に装着される装着部材を有し、前記サンプリングプローブを支持するプローブ支持機構とを具備し、
    前記装着部材が前記外周面又は前記内周面に装着されることにより、前記サンプリングプローブが前記排気管内に差し込まれた状態で支持されることを特徴とする排ガス分析システム。
  2. 前記サンプリングプローブが、排ガスを採取する排ガス採取口を有し、
    前記サンプリングプローブが前記排気管の排出口から前記排気管内に差し込まれた状態において、前記排ガス採取口が、前記排出口から管軸方向に沿って所定距離以上離れて配置される請求項1記載の排ガス分析システム。
  3. 前記サンプリングプローブが、排ガスを採取する排ガス採取口を有し、
    前記サンプリングプローブが前記排気管の排出口から前記排気管内に差し込まれた状態において、前記排ガス採取口が、該排ガス採取口から排ガス上流側における前記排気管の直線部分が所定距離以上となるように配置される請求項1又は2記載の排ガス分析システム。
    分析システム。
  4. 前記サンプリングプローブにおける前記排ガス採取口の周囲に設けられるとともに、水滴除去構造を有する通気保護カバーをさらに具備する請求項2又は3記載の排ガス分析システム。
  5. 前記通気保護カバーが、金属メッシュ又は複数の細孔を有する金属板で形成されている請求項4記載の排ガス分析システム。
  6. 前記装着部材が、前記排気管の管軸方向から視て排出口と重なることなく、前記排気管の外周面に装着される請求項1乃至5のうち何れか一項に記載の排ガス分析システム。
  7. 前記プローブ支持機構が、前記装着部材が前記外周面に装着された状態において、前記サンプリングプローブを前記排気管の径方向に沿って移動させる位置調整機構を具備する請求項1乃至6のうち何れか一項に記載の排ガス分析システム。
  8. 前記排ガス分析装置が、車両に搭載されたものであり、前記排気管を流れる排ガスの流量である排ガス流量を、前記車両に搭載された車載ネットワークから取得するように構成されている請求項1乃至7のうち何れか一項に記載の排ガス分析システム。
  9. 前記排ガス分析装置が、前記排ガスに含まれる分析対象成分の濃度を算出するとともに、算出された濃度と前記排ガス流量とに基づいて、排ガスに含まれる前記分析対象成分の排出量を算出する請求項8記載の排ガス分析システム。
  10. 車両に搭載された排ガス分析装置とともに用いられ、該車両の内燃機関から排出された排ガスを採取する排ガス採取装置であって、
    前記排ガスを採取するサンプリングプローブと、
    前記排ガスが流れる排気管の外周面又は内周面に装着される装着部材を有し、前記サンプリングプローブを支持するプローブ支持機構とを具備し、
    前記装着部材が前記外周面又は前記内周面に装着されることにより、前記サンプリングプローブが前記排気管内に差し込まれた状態で支持されることを特徴とする排ガス採取装置。
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